JP2006317151A - 生体発光測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アレイ状に配置された複数の反応槽と,各反応槽で発生した生体発光を測定するための光センサアレイを有する生体発光測定装置において,高S/Nで大規模の光センサアレイを低コストで提供する。
【解決手段】1つの反応槽に対して複数の光センサ素子が対応するように反応槽と光センサ素子を近接配置し,前記複数の光センサ素子で計測された信号の加算値を用いて信号解析する。これにより,光センサ素子が一部欠損した場合も計測信号が取得できる。
【選択図】図1

Description

本発明は生体発光の測定に基づき,1塩基置換等のDNAの検出,遺伝子のタイピング,タンパク質やATPなどの生体物質の検出等を行う装置に関する。
ゲノム配列解析がほぼ完了し,DNA配列情報を医療診断,創薬等の種々の産業に応用しようという動きが活発化してきている。特に,生体内の活動遺伝子を調べる遺伝子発現プロフィール分析や,各個体,個人の特性の違いの原因と考えられているゲノム中の1塩基置換(Single Nucleotide Polymorphisms; SNPs)の分析が注目されている。SNPs分析では,遺伝子の変異と疾患との関係や,薬剤への応答性との関係等を広範囲に渡って調査する必要があるため,膨大な数の検査量が必要とされる。このため簡便で大量処理に適しており,ランニングコストの安い検査システムが求められている。
SNPsの分析方法は,蛍光標識を用いた検出方法と化学発光を用いた検出方法に大別される。蛍光標識を用いた検出方法の例としては,Invader assay (非特許文献1)やDNAマイクロアレイ(非特許文献2)等がある。これらの方法では,レーザーまたはハロゲンランプ等の励起光源,蛍光検出部,光学系,および試料の移動機構等が必要であり,装置の小型化が困難である。一方,化学発光を用いた検出方法の例としては,パイロシーケンシング法 (非特許文献3)やBAMPER (Bioluminometric Assay with Modified Primer Extension Reactions)法 (非特許文献4)等がある。例えばパイロシーケンシング法では,ターゲットDNAにプライマーをハイブリダイズさせ,相補鎖伸長反応で生成するピロリン酸をATPに変え,ATPにルシフェリンを作用させて発光させる。この化学発光を検出すれば,相補鎖伸長反応で取り込まれた基質(dNTP)を判別でき,DNA塩基配列が決定できる。これにより,短時間にDNA塩基配列を決定できるため,決定されたDNA塩基配列を用いてミューテーションを調べることができる。またBAMPER法ではターゲットDNAにプローブDNAをハイブリダイズさせて,相補鎖結合の進行の有無に従ってターゲットの変異を調べる。相補鎖結合が起こった場合のみ生成されるピロリン酸をATPに変え,ATPにルシフェリンを作用させて発光させ,この化学発光を検出する。化学発光を用いた検出方法では励起光源を必要としないため,蛍光標識を用いた検出方法に比べて装置の小型化が可能である。
化学発光を対象とした検出装置においては,光検出器として光電子増倍管や冷却CCD(Charge Coupled Device)が広く用いられている。また特許文献1には,光検出器としてMOS(Metal Oxide Semiconductor)スイッチを有するフォトダイオードアレイを利用した例が記載されている。
フォトダイオードアレイの代表的な例としては,CCD (Charge Coupled Device)センサや,CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサがある。またCMOSセンサには,画素に信号電荷を増幅する機能を持たない方式であるPPS(Passive Pixel Sensor)方式のものと,増幅機能を有するAPS(Active Pixel Sensor)方式(非特許文献5)のものがある。
化学発光の検出においては,試料からの発光強度が弱いため,高感度の光検出器が必要とされる。また膨大な数の検査量に対処するためには,多数の試料を同時に計測(並列計測)できる必要がある。現在,化学発光を対象とした検査装置では,光検出器に光電子増倍管や冷却CCD(Charge Coupled Device)センサが広く用いられている。光電子増倍管は小型化が困難であるため,上記並列計測への対応が困難である。一方,冷却CCDセンサは並列計測が可能であるが,冷却機構が必要であり,コストや消費電力に課題がある。また試料とCCDセンサの間に光学レンズを配置する必要があるため,装置の小型化に限界がある。なおCCDセンサを冷却するのは,センサ内部における回路ノイズの発生を抑えるためである。試料からの弱い発光に対し,回路ノイズを抑えることで検出信号のS/Nを向上できる。
特許文献1では,多数のフォトダイオード素子(画素)より構成されるフォトダイオードアレイが試料プレートに密着配置される。試料プレートには多数の反応槽が設けてあり,上記画素と上記反応槽が1対1対応するように,試料プレートおよびフォトダイオードアレイが配置されている。上記密着配置により,反応槽内の発光に対するフォトダイオード素子の検出視野角度が拡大されるため,検出信号量が増大する。その結果,特にセンサの冷却機構等を設けることなく,検出信号のS/Nを向上できる。また本方式では画素数の拡大により計測の並列性を容易に向上できるため,大量処理に適している。
特開2003-329681
Nature Biotechnology, 17, 292〜296 (1999) Nature Gent. 18, 91 (1998) Anal Biochemistry 280, 103〜110 (2000) Nucleic Acid Research vol.29, e93 (2001) IEEE, Trans. Electron Devices, vol.44, 1689〜1698 (1997)
しかし上記特許文献1に係る方式では画素と反応槽が1対1に対応するため,フォトダイオードアレイの製造において欠陥画素の発生が許容されないという課題があった。このため,画素数の拡大に従いフォトダイオードアレイ製造の歩留り率が低下し,高コストになるという課題があった。
本発明の目的は,高S/Nで大量処理に適した生体発光測定装置を低コストで提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば,以下のとおりである。
(手段1)
生体試料が収納される複数の反応槽が配列される試料プレートと,光信号を電気信号に変換する複数の光センサ素子が配列される光センサアレイと,前記光センサアレイで検出した信号を読み出すための信号読出し回路とを有し,前記生体試料と試薬との反応により生成する光を前記光センサアレイにて検出する生体発光測定装置において,前記反応槽と光センサ素子が1対N(但しNは2以上の自然数)に対応するように前記試料プレートと前記光センサアレイが近接して配置されていることを特徴とする生体発光測定装置である。これにより,N個の光センサ素子の一部に欠陥が生じた場合でも,前記反応槽で発生する光を検出できるため,光センサアレイ製造における歩留り率を向上し,低コスト化できる。
(手段2)
手段1に記載の生体発光測定装置において,前記N個の光センサ素子を1ブロックとして,各ブロック内のN個の光センサ素子で検出される電気信号を加算する加算手段と,前記光センサアレイへ参照光を照射した状態で前記各ブロックにおいて取得される加算信号を感度データとして記録する第1の記録手段と,前記第1の記録手段に記録された感度データを用いて前記各ブロックの感度ばらつきを補正する感度補正手段を有することを特徴とする。これにより,N個の光センサ素子の一部に欠陥が生じた場合でも,全てのブロックの感度を均一に保つことができるため,生体発光の測定精度を向上できる。
(手段3)
手段1および2に記載の生体発光測定装置において,前記光センサアレイへの光の入射を略遮断した状態で前記各ブロックにおいて取得される加算信号をオフセットデータとして記録する第2の記録手段と,前記第2の記録手段に記録されたオフセットデータを用いて前記各ブロックのオフセットばらつきを補正するオフセット補正手段を有することを特徴とする。これにより,N個の光センサ素子の一部に欠陥が生じた場合でも,全てのブロックの信号出力値を均一に保つことができるため,生体発光の測定精度を向上できる。
(手段4)
手段2および3に記載の生体発光測定装置において,前記N個の光センサ素子で検出される電気信号を個別にデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換手段を有し,前記加算手段が前記デジタル信号を加算する演算手段で構成されていることを特徴とする。これにより,アナログ−デジタル変換時に発生する量子化ノイズを低減でき,検出信号のS/Nを向上できる。また個々の光センサ素子と信号読出し回路を電気的に接続するためのデータラインや信号を読み出す光センサ素子を選択するための選択ラインに欠陥が生じた場合も,前記反応槽で発生する光を検出できるため,光センサアレイ製造における歩留り率を向上し,低コスト化できる。
(手段5)
手段4に記載の生体発光測定装置において,前記N個の光センサ素子のうち予め指定された入出力特性の基準を満たさない不良素子を判別する判別手段と,前記判別手段で不良と判別された素子の位置情報を不良素子データとして記録する第3の記録手段を有すると共に,前記加算手段が前記第3の記録手段に記録されている不良素子を除外して前記デジタル信号を加算する機能を有することを特徴とする。これにより,不良素子が加算信号に与える影響を除外できるため,生体発光の測定精度を向上できる。
(手段6)
手段1〜3に記載の生体発光測定装置において,前記ブロックを構成するN個の光センサ素子のうちのM個の光センサ素子(ただしMは2以上N以下の自然数とする)と前記信号読出し回路を電気的に接続し,前記M個の光センサ素子で検出された電気信号を共通かつ略同時に出力するためのデータラインを有することを特徴とする。これにより,M個の光センサ素子を同時に読み出せるため,信号読出し速度が向上し測定時間を短縮できる。
(手段7)
手段6に記載の生体発光測定装置において,前記M個の光センサ素子のそれぞれと前記データラインの間に設けられた個別スイッチ手段を有することを特徴とする。これにより,個別スイッチの一部に欠陥が生じた場合も,個別スイッチに欠陥を有さない別の光センサ素子から信号を出力できるため,光センサアレイ製造における歩留り率を向上し,低コスト化できる。
(手段8)
手段6に記載の生体発光測定装置において,前記M個の光センサ素子に共通に接続された共通ラインと,前記共通ラインと前記データラインの間に設けられた共通スイッチを有することを特徴とする。スイッチの共有化によりスイッチの個数を減少できるため,スイッチから発生する回路ノイズを低減し,検出信号のS/Nを向上できる。
(手段9)
手段6に記載の生体発光測定装置において,前記M個の光センサ素子に共通に接続されたキャパシタと,前記キャパシタと前記データラインの間に設けられた増幅手段と,前記M個の光センサ素子のそれぞれと前記キャパシタの間に設けられた個別スイッチ手段を有することを特徴とする。これにより増幅された検出信号がデータラインに出力できるため,データラインの寄生容量や寄生抵抗に起因する回路ノイズの影響を低減し,検出信号のS/Nを向上できる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば,以下の通りである。
高S/Nで大量処理に適した生体発光測定装置を低コストで提供できる。
以下,本発明の実施の形態の例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は実施の形態1に係る生体発光測定装置の概略構成図である。本実施の形態1にかかる生体発光測定装置は,キャピラリー1,試料プレート2,光検出プレート3,透明電極7,試薬制御手段101,撮影制御手段100,信号読出し回路102,フレームメモリ103,信号処理手段104,補正テーブル105,信号解析106,表示手段107等から構成される。試料プレート2は透明の基板であり,その材料にはガラスや公知のファイバーオプティックプレート等が使用される。ただしファイバーオプティックプレートを使用した場合は,光の透過方向が紙面上下方向となるように配置される。これにより,試料プレート2の内部における紙面横方向および垂直方向への光の拡散を減少できる。試料プレート2の表面には反応槽4となる複数のホールが形成されている。なお図1では簡単のため3個の反応槽4のみを示しているが,実際には紙面水平方向および垂直方向に多数の反応槽4が形成されており,2次元アレイをなす。上記2次元アレイのマトリクスサイズの代表例は128×128個である。各反応槽4中には後述するような溶液11や生体試料12が注入される。なお試料プレート2の厚さの代表値は0.8mmである。また反応槽4内部の深さ(紙面上下方向),幅(紙面左右方向),および奥行き(紙面垂直方向)の代表値は0.6mmである。更に反応槽4が配置されるピッチの代表値は,0.8mm(幅方向,奥行き方向共通)である。キャピラリー1にはガラス等の公知の材料が使用される。キャピラリー1には各反応槽4に対応して孔6が設けられている。キャピラリー1中には後述するような試薬10が注入される。またキャピラリー1の一端には図示しない公知のポンプが接続されており,キャピラリー1内における試薬10の圧力を制御できるようになっている。上記圧力上昇時には,孔6を通して試薬10の一部が反応槽4に注入される。試薬制御手段101は,上記圧力を制御して試薬10の反応槽4への注入・非注入を制御できる。なお,本実施の形態1では試薬ディスペンサーとしてキャピラリー1を用いた構成例を示したが,公知のピペット等でこれを代用しても良い。光検出プレート3の上面には,公知の技術で作製された複数のフォトダイオード5が配置されている。フォトダイオード5は各反応槽4に対して複数個配置される。なお図1では,1つの反応槽4に対してフォトダイオード5を2個(紙面水平方向)×2個(紙面垂直方向)配置した例を示してあるが,フォトダイオード5の個数や配置方法はこれに限定されるものではない。試料プレート2と光検出プレート3の間には,両者の間に働く静電力を遮断するための透明電極7が配置される。透明電極7はITO(Indium Tin Oxide)等の公知の材料から成り,通常光検出プレート3の上面に形成されるが,試料プレート2の下面に形成しても良い。光検出プレート3は後述する試薬10,溶液11,および生体試料12の化学反応で発生した光をフォトダイオード5で検出し,これを電気信号に変換する。上記電気信号は信号読出し回路102によって読み出される。
次に本発明の生体発光測定装置による測定の代表例としてパイロシーケンシング法を取り上げ,試薬10,溶液11および生体試料12の例を説明する。ただし本発明の生体発光測定装置が対象とする測定方法はパイロシーケンシング法のみに限定されるものではなく,生体発光測定をベースとする種々の測定方法に対応可能である。パイロシーケンシング法はルシフェリン(Luciferin)−ルシフェラーゼ(Luciferase)反応に伴う発光の測定に基づいて,ターゲットDNAの塩基配列を決定する方法である。生体試料12はターゲットDNAに相当する。ターゲットDNA12は,目的のDNA領域をPCR法等の公知の方法で増幅した後に,磁気ビーズ等を用いた公知の方法で1本鎖化したものである。ターゲットDNA12にはターゲット部位の数塩基上流からシーケンスされるように予め設計されたプライマー13がアニーリングされている。溶液11は緩衝液にDNAポリメラーゼ(Polymerase),スルフリラーゼ(Sulfurylase),アピラーゼ(Apyrase),ルシフェラーゼ(Luciferase),APS(アデノシン−5'−ホスホ硫酸),ルシフェリン(Luciferin)等を添加した公知のものが使用される。試薬10は緩衝液にヌクレオチド−3リン酸(dNTPs)を添加した公知のものであり,4種類の塩基(A, T, G, C)に対応したdNTPs (dATP, dTTP, dGTP, dCTP)を添加した試薬10がそれぞれ用意される。上記4種類の試薬10は後述する方法によって,順番に溶液11中に添加される。このとき測定末端の塩基に相補するdNTPが添加されると,次式に示されるような反応が進行し,発光する。
Figure 2006317151
すなわち,DNAポリメラーゼによる塩基伸長反応に伴いピロリン酸(PPi)が生成され,PPiとAPSを基質としてスルフリラーゼがATPを生成する。このATPとルシフェリンを基質としてルシフェラーゼが反応し,発光する。なお発光に関与したATPおよび重合に関与しなかったdNTPはアピラーゼによりdNMPに分解される。上記発光は試料プレート2および透明電極7を通して複数のフォトダイオード5によって検出される。以上より,上記検出信号の有無で添加したdNTPが塩基伸長反応の有無を判別し,対象塩基の種類を特定できる。また上記工程を繰り返すことにより,ターゲットDNA12の塩基配列が決定できる。更に決定された塩基配列に基づいて,ミューテーションの存在を調べることもできる。なお計測対象となるミューテーションの発生位置が予めわかっている場合,プライマー13の3'末端が上記発生位置となるようにプライマー13を設計すれば計測位置を限定できるため,計測速度を高速化できる(BUMPER法)。この場合,プライマーの3'末端近傍に人工的にミスマッチ塩基を入れて測定精度を向上する手法が開発されている。
次に本実施の形態1に係る生体発光測定装置の動作を説明する。本生体発光測定装置はキャリブレーションモードと実測定モードの2種類の動作モードを有する。キャリブレーションモードは,フォトダイオード5のオフセット信号および感度のバラツキ補正するための補正データの測定と,フォトダイオード5の不良素子を検出するために設けられた動作モードである。また実測定モードは生体試料12の実測定のために設けられた動作モードである。キャリブレーション測定は実測定に先立って実施される。なお図1にはキャリブレーションモードおよび実測定モードにおける処理の流れを,それぞれ破線および実線の矢印で示してある。
キャリブレーションモードではフォトダイオード5の不良素子分布,オフセット分布,および感度分布が測定される。このため,光検出プレート3への光の入射を遮断した状態(無入力状態),および光検出プレート3に一様な参照光を入射した状態(標準入力状態)で以下の撮影が実施される。まず撮影制御手段100は信号読出し回路102を制御して全てのフォトダイオード5から検出信号を読み出し,アナログ−デジタル変換した後にフレームデータとしてフレームメモリ103に格納する。上記撮影は複数回(通常数十〜数百回程度)実施され,全てのデータはフレームメモリ103に記録される。次に信号処理手段104は上記フレームメモリ103に格納された撮影データを用いて後述する方法で不良素子分布,オフセット分布,および感度分布を作成し,補正テーブル105に記録する。なお,参照光の光源には液晶モニタのバックライトで使用される公知の証明装置等が使用できる。参照光はキャピラリー1を排除した状態で試料プレート2の上面から照射される。
実測定モードでは,撮影に先立って溶液11および生体試料12の反応槽4への注入および試薬10を注入したキャピラリー1の配置等の準備が実施され,準備が完了した状態で以下の撮影が実施される。まず撮影制御手段100は試薬制御手段101に撮影開始の指示を与え,試薬制御手段101は図示しないポンプを制御して試薬10を反応槽4に添加する。試薬10の添加が開始すると同時に撮影制御手段100は信号読出し手段102を制御して全てのフォトダイオード5から検出信号を読み出し,フレームメモリ103に格納する。上記撮影は試薬10の1回の注入に対して複数回実施され,取得された全ての検出信号がフレームメモリ103に格納される。上記複数回撮影におけるフレームレートおよび撮影期間の代表値はそれぞれ10 [フレーム/秒],10[秒]であり,この場合,合計100フレーム分のデータがフレームメモリ103に格納される。次に信号処理手段104はフレームメモリ103に格納されたデータおよび補正テーブル105を参照して,後述する方法でオフセット補正および感度補正を行い,結果を信号解析手段106に出力する。上記試薬10の添加から信号処理手段104の結果出力に至る一連の処理は,異なる4種類のdNTPの添加に対して繰り返し実施される。上記4種類のdNTPに対する一連の処理が終了した時点で,信号解析手段106は各反応槽4における発光の有無および発光強度を解析し,ターゲットDNA12の測定末端における塩基の種類やミューテーションの有無等を判別する。上記判別結果は,公知の表示手段107を通して表示される。なおDNAシーケンシングでは上記一連の処理を繰り返すことにより,ターゲットDNA12の塩基配列を1つずつ順番に決定できる。
図2はキャピラリー1,試料プレート2,および光検出プレート3の位置関係を説明するための斜視図である。ただし図2では上記位置関係をわかりやすくするために,キャピラリー1と試料プレート2の間隔,および試料プレート2と光検出プレート3の間隔を離して示してあり,透明電極7を省略している。また省略のため,反応槽4およびフォトダイオード5は一部のみを示してあるが,実際には128×128個の反応槽4が試料プレート2の上面にマトリクス状に形成される。なお反応槽4の配置ピッチを0.8 [mm]とすると,試料プレート2のサイズは約102.4 [mm]×102.4 [mm]となる。フォトダイオード5は1つの反応槽4に対して2×2個形成されており,従って光検出プレート3の上面には256×256個のフォトダイオード5がマトリクス状に形成される。上記2×2個のフォトダイオードと反応槽4は,上下方向の位置が重なるように配置される。キャピラリー1は,その長手方向が反応槽4の配列方向と一致するように試料プレート2の上面に配置される。また1行の反応槽4に対して1本のキャピラリー1が配置される。なお上記のマトリクス数や配置ピッチ,サイズ等はこれに限定されるものではない。
図3はキャピラリー1と試料プレート2の位置関係を説明するための上面図である。キャピラリー1は,その内部に注入されている試薬10の種類によって4種類に分類される。すなわち,試薬10に添加されたdNTPの種類(dATP, dTTP, dGTP, dCTP)に応じてキャピラリー1a, 1t, 1d, 1c が存在する。上記4種類のキャピラリーは1a, 1t, 1d, 1cの順番で紙面上下方向に周期的に配置される。また個々のキャピラリーは1行の反応槽4に対して1本ずつ配置される。既に説明したように,各反応槽4には上記4種類の試薬10が順次に添加されるが,このような試薬の切り替えは,キャピラリー1と試料プレート2の位置関係を紙面上下方向に1行ずつシフトすることで実現される。また上記シフトを3回行なった時点でキャピラリー1を初期の位置に戻せば,各反応槽4に対して4種類の試薬10を繰り返し添加できる。上記試薬の切り替えに対応するために,キャピラリー1は反応槽4の紙面上下方向のマトリクス数より3本多い131本が用意される。これにより,全ての反応槽4に対して常に対応するキャピラリー1を用意できる。またここでは一行の反応槽4に対して1本のキャピラリーを用意する構成を示したが,一行の反応槽4に対して4本のキャピラリー1a, 1t, 1d, 1cを用意しても良い。この場合キャピラリー数が増加するものの,キャピラリー1と試料プレート2の位置関係をシフトする必要がないため,測定の高速化や装置の小型化が可能である。
図4は光検出プレート3の全体構成を説明するための概略図である。光検出プレート3は主にフォトダイオード5,信号読出し回路102,シフトレジスタ40,行選択ライン41,データ出力ライン42等から構成される。なお,図4では簡単のためフォトダイオード5が16×16個配置された例を示したが,通常は256×256個配置される。また本例では2×2個のフォトダイオード5に対して1個の反応槽4が対応することを想定している。フォトダイオード5による光の検出で発生した電気信号は,データ出力ライン42を通して信号読出し回路102に出力される。シフトレジスタ40は行選択ライン41の電圧を切り替え,後述する方法で上記電気信号のデータ出力ラインへの出力を制御する。シフトレジスタ40はまた,電気信号を出力するフォトダイオード5の位置を垂直方向(紙面上下方向)に順次切り替える。信号読出し回路102は,データ出力ライン42を通して出力された電気信号を,水平方向(紙面左右方向)に同時に検出する。信号読出し回路102の動作の詳細については後述する。
図5は,PPS(Passive Pixel Sensor)方式を利用した場合の領域400における回路構成を示した図である。ただし図5では1つの反応槽4に対して2×2個のフォトダイオード5が配置されるものとし,図5に示した4つのフォトダイオード5a〜5dは同一の反応槽4に対応するものとする。以下,フォトダイオード5a〜5dのみを対象として本回路の動作説明を行うが,光検出プレート3上の全てのフォトダイオード5に対して同一の動作が実施される。各フォトダイオード5a〜5dには,それぞれスイッチMa〜Mdが接続されている。シフトレジスタ40は電圧を付加する行選択ラインの位置を41a, 41b, 41c・・・と順次切り替える。このとき,例えば行選択ライン41aに電圧が付加されるとスイッチMaおよびMdが同時にオンとなり,フォトダイオード5aおよび5dに蓄積されている信号電荷はそれぞれデータ出力ライン42a,42bに出力される。続いて,各信号電荷は信号読出し回路102によってそれぞれに読み出される。なお,シフトレジスタ40は,行選択ライン41aと41bに同時に電圧を付加することもできる。このとき,フォトダイオード5aおよび5bに蓄積されている信号電荷はスイッチMaおよびMbを通して同時にデータ出力ライン42aに出力される。また同様に,フォトダイオード5cおよび5dに蓄積されている信号電荷はスイッチMcおよびMdを通して同時にデータ出力ライン42bに出力される。このような同時読出しにより,信号電荷の読出し時間を高速化できる。以下では上記垂直方向の同時読出しを垂直加算読出しと呼ぶ。これに対して,同時読出しを行わない通常の読出し方法をノーマル読出しと呼ぶ。
図6は画素50とこれに対応した信号読出し回路102の構成を示した図である。信号読出し回路102は,アンプACと帰還容量CFから成るチャージアンプ,スイッチCHR,CHS,容量CR,CS,バッファアンプAR,AS,および減算回路SUBから成る相関ダブルサンプリング回路,マルチプレクサMUX,アナログ−デジタル変換器ADC等から構成される。以下,フォトダイオード5aから信号電荷を読み出す場合の本回路の動作を説明するが,以下の動作は全てのフォトダイオード5に対して共通である。まず,スイッチMaがオフの状態でスイッチRSTをオンにしてチャージアンプの出力電圧リセットした上で,スイッチRSTをオフにする。続いてスイッチSHRをオンにして上記リセット電圧を容量CRの両端電圧に転送した上で,スイッチSHRをオフにする。以上の動作により,リセット電圧がバッファアンプARの出力電圧にサンプルホールドされる。続いてスイッチMaをオンにしてフォトダイオード5aに蓄積されていた信号電荷をデータ出力ライン42aに出力する。データ出力ライン42aに出力された信号電荷はチャージアンプの帰還容量CFに蓄積され,信号電圧として出力される。次にスイッチSHSをオンにして信号電圧を容量CSの両端電圧に転送した上でSHSをオフにする。以上の動作により,信号電圧がバッファアンプARの出力電圧にサンプルホールドされる。減算回路SUBは信号電圧からリセット電圧を減算した差分電圧を出力する。相関ダブルサンプリング回路による上記差分演算により,リセット電圧のバラツキに起因するノイズ成分を除去できる。上記チャージアンプおよび相関ダブルサンプリング回路の組合せからなるライン読出し回路60は,データ出力ライン42毎に配置されている。各ライン読出し回路60の出力はマルチプレクサMUXに入力されており,マルチプレクサMUXは入力信号の中から1つの信号を選択してアナログ−デジタル変換器ADCに出力する。マルチプレクサMUXはまた,上記選択を順次切り替えて,全てのライン読出し回路60の信号をアナログ−デジタル変換器ADCに出力する。アナログ−デジタル変換器ADCは,入力された電圧信号をデジタルデータに変換して出力する。全てのデータ出力ライン42に対してデジタルデータの出力が完了したら,シフトレジスタは垂直方向の信号読出し位置を1段シフトして,同様の手段で該等する行のデータを読み出す。このようにして,垂直方向,水平方向の全ての位置に対してデジタル信号を出力した段階で,1フレーム分の撮影が終了する。なお,上記例ではノーマル読出し時における信号読出し方法を説明したが,垂直加算読み出しを行なう場合はスイッチMaおよびMbのオン・オフを同時に切り替えればよい。このとき,フォトダイオード5aおよび5bで計測された信号電荷は同時にチャージアンプで積分されるため,これらの加算信号がアナログ−デジタル変換器ADCから出力される。なお,隣合うライン読出し回路60の出力信号を図示しない公知の加算回路で加算した後にマルチプレクサMUXに入力すれば,アナログ−デジタル変換器ADCによる変換の回数を半分に減らすこともできる。このような水平方向の同時読出しを以下では水平加算読出しと呼ぶ。垂直加算読出しと水平加算読出しを併用することで,4個のフォトダイオード5a〜5dで検出された信号をアナログ信号の段階で加算できるため,信号読出しにかかる時間を短縮できる。
図7は,図5とは別の回路構成の例として,APS(Active Pixel Sensor)方式を利用した場合の領域400における回路構成を示した図である。また図8は画素70とこれに対応した信号読出し回路102の構成を示した図である。以下,図7および図8を用いてAPS方式における信号取得手順を説明する。ただしPPS方式と共通する部分の説明は省略する。APS方式の回路では,各フォトダイオード5a〜5dには,容量Ca〜Cd,アンプAa〜Ad,およびスイッチMa〜Mdが接続される。またフォトダイオード5aと容量Caの間にはスイッチMF,容量Caと電源電圧VDDの間にはスイッチRSTがあり,本構成は全ての画素に対して同一である。スイッチMF,スイッチRST,およびスイッチMaのゲートは行選択ライン71a, 72a,および73aにそれぞれ接続されている。データ出力ライン74aの末端には電流源Iが接続されている。フォトダイオード5aに蓄積された信号電荷を読み出す場合は,まずスイッチMFをオフにしたままスイッチRSTをオンして容量Caの両端電圧をリセット電圧VDDとし,スイッチRSTをオフにする。次にスイッチMaをオンにするとアンプAaと電流源Iで構成されるソースフォロア回路により,上記リセット電圧がライン読出し回路80に出力される。ただし,上記出力電圧にはアンプAaのゲイン(〜1)が積算されている。ライン読出し回路80は相関ダブルサンプリング回路で構成されており,上記出力電圧が安定した時点でスイッチSHRのオン・オフが実施され,リセット電圧がバッファアンプARの出力電圧としてサンプルホールドされる。上記サンプルホールドが終了した時点でスイッチMaはオフにされる。次にスイッチRSTおよびスイッチMaをオフにした状態でスイッチMFをオンにし,フォトダイオード5aに蓄積された信号電荷を容量Caに転送した後にスイッチMFを再びオフにする。次にスイッチMaをオンにして容量Caの両端に発生した信号電圧をライン読出し回路80に出力する。上記出力電圧が安定した時点でスイッチSHSのオン・オフが実施され,信号電圧がバッファアンプASの出力電圧としてサンプルホールドされる。減算回路SUBは信号電圧からリセット電圧を減算した差分電圧を出力する。
図9はノーマル読出し時における信号処理手段104の演算内容を示した図である。特に図9(A)はキャリブレーションモードにおける演算内容,図9(B)は実測定モードにおける演算内容を示す。なお信号処理手段104による以下の演算は,専用プロセッサまたは汎用プロセッサを利用したソフトウェア処理によって実現できる。
キャリブレーションモードでは,以下の処理を開始する前に無入力状態および標準入力状態における撮影データが複数フレーム(通常数十〜数百)分撮影され,それぞれオフセットデータ,感度データとしてフレームメモリ103に格納されている。上記複数のオフセットデータおよび感度データはフレーム平均演算900によって加算平均され,それぞれ1フレームの平均オフセットデータおよび平均感度データが作成される。なお上記フレーム平均演算900はオフセットデータおよび感度データに含まれるノイズを低減するために実施される。次に不良素子検出演算901によって入出力特性が不良である画素データが検出され,その位置情報が不良素子分布として補正テーブル105に記録される。なお不良素子は,例えばオフセットデータと感度データの差分値が予め指定された範囲に収まらないような素子として判別できる。次に不良素子除去演算902によって,不良素子にて検出されたデータが上記平均オフセットデータおよび平均感度データから除去される。ただし上記除去は,具体的には不良素子のデータを0で置き換えることに相当する。また不良素子の位置情報には補正テーブル105に格納されている不良素子分布が利用される。次に画素加算演算903によって,上記平均オフセットデータおよび平均感度データに対する画素加算が行われ,得られたフレームデータはそれぞれオフセット分布および感度分布として補正テーブル105に記録される。ただし画素加算演算は,同一の反応槽4に対応する複数の画素で検出されたデータを加算することに相当する。このとき不良素子で検出されたデータには既に0が挿入されているため,上記加算値に影響しない。
実測定モードでは,まずフレームメモリ103に格納された撮影データが参照され,フレーム平均演算900,不良素子除去演算902および画素加算演算903が行なわれる。ただし演算内容はキャリブレーションモードの場合と同一である。またフレーム平均演算900は試薬10の1回の注入に対して撮影された全フレームの平均値を計算する。次にオフセット補正演算903によって,画素加算された撮影データからオフセット分布が減算される。ただしオフセット分布は,補正テーブル105に格納されているものが参照される。最後に感度補正演算905によって,オフセット補正された撮影データが感度分布で除算される。なお感度分布は,補正テーブル105に格納されているものが参照される。
信号処理手段104による以上の演算は,ノーマル読出し時を対象としているが,垂直加算読出しのみ,または水平加算読出しのみを実施した場合等,反応槽4に対するフォトダイオード5の信号を分割して読み出す場合も上記読出し方法が適用できる。信号処理手段104による以上の処理により,不良素子が撮影データに及ぼす影響を除去できる。また不良素子が一部存在する場合も各反応槽4に対して一様な感度の検出信号が得られるため,光検出プレート3作製時の歩留り低下を防止できる。また各画素のオフセットや感度のバラツキが修正できるため,測定データのS/Nを向上できる。更に画素加算によってアナログ−デジタル変換時に発生する量子化ノイズを低減し,測定データのS/Nを向上できる。上記S/Nの向上により,生体発光測定の精度を向上できる。
図10は垂直加算読出しおよび水平加算読出し併用時における信号処理手段104の演算内容を示した図である。特に図10(A)はキャリブレーションモードにおける演算内容,図10(B)は実測定モードにおける演算内容を示す。なお信号処理手段104による以下の演算は,専用プロセッサまたは汎用プロセッサを利用したソフトウェア処理によって実現できる。垂直加算読出しおよび水平加算読出しを併用する場合,各反応槽4に対応する全てのフォトダイオードのデータがアナログ−デジタル変換を実施する前に加算される。このため,図9において画素加算演算903,不良素子検出演算901,および不良素子除去演算902を省略したものが図10である。なお図10中の各演算の内容は図9のものと同一であるため説明を省略する。垂直加算読出しおよび水平加算読出しを併用する場合,信号を高速に読み出せる利点がある。また不良素子が入射光量に依存せず一定の信号を出力するような場合はオフセット補正演算によって不良素子の影響が除外されるため,測定データの信頼性を向上できる。その結果,不良素子に対する許容率が上昇するため,光検出プレート3の製作における歩留りを向上できる。
PPS方式を利用した場合の,アナログ信号による画素加算方法の別の例を図11〜13を用いて説明する。この場合,信号読出し回路102の構成は図6と同じものが使用できる。
図11は,PPS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,ポストスイッチ型の全画素加算方式を示したものである。本例では行選択ライン41aに4つのスイッチMa〜Mdのゲートが接続されている。また各スイッチは4つのフォトダイオード5a〜5dとデータ出力ライン42aの間にそれぞれ設けられており,各フォトダイオードで検出された電荷信号をデータ出力ライン42aに一度に出力し,読み出すことができる。本構成ではフォトダイオード5a〜5dおよびスイッチMa〜Mdのうちの一部に欠損が生じても,反応槽4からの信号を検出できる。従って不良素子に対する許容率が上昇し,光検出プレート3の製作における歩留りを向上できる。また4画素分の信号を1度に出力できるため,信号の高速読出しが可能である。更に4個のフォトダイオードに対してデータ出力ラインが1本ですむため,データ出力ラインの寄生抵抗に起因して発生する熱雑音を低減できる。
図12は,PPS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,プレスイッチ型の全画素加算方式を示したものである。本例では行選択ライン41aに1つのスイッチMのゲートが接続されている。またスイッチMは共通ライン120を介して4つのフォトダイオード5a〜5dに接続されており,各フォトダイオードで検出された電荷信号をデータ出力ライン42aに一度に出力し,読み出すことができる。本構成ではフォトダイオード5a〜5dのうちの一部に欠損が生じても,反応槽4からの信号を検出できる。従って不良素子に対する許容率が上昇し,光検出プレート3の製作における歩留りを向上できる。また4個のフォトダイオードに対して1つのスイッチMが共有されるため,スイッチMにて発生してフォトダイオード5a〜5dの蓄積容量にサンプリングされる雑音を低減できる。また4画素分の信号を1度に出力できるため,信号の高速読出しが可能である。更に4個のフォトダイオードに対してデータ出力ラインが1本ですむため,データ出力ラインの寄生抵抗に起因して発生する熱雑音を低減できる。
図13は,PPS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,プレスイッチ型の垂直加算読出し方式を示したものである。本例では行選択ライン41aに2つのスイッチMa, Mbが接続されている。またスイッチMa, Mbは共通ライン120a,120bを介してそれぞれ2つのフォトダイオード5a,5bおよび5c,5dに接続されており,フォトダイオード5a,5bで検出された電荷信号をデータ出力ライン42aに,フォトダイオード5c,5dで検出された電荷信号をデータ出力ライン42bにそれぞれ一度に出力して読み出すことができる。なおデータ出力ライン42aおよび42bに出力された信号は,デジタル信号に変換した後に画素加算演算によって加算しても良いし,図示しない公知の加算回路で水平加算読出しを行なっても良い。本構成ではフォトダイオード5a〜5dおよびスイッチMa, Mbのうちの一部に欠損が生じても,反応槽4からの信号を検出できる。従って不良素子に対する許容率が上昇し,光検出プレート3の製作における歩留りを向上できる。またデジタル信号に変換した後に画素加算演算を行えば,アナログ−デジタル変換時に発生する量子化ノイズを低減し,測定データのS/Nを向上できる。またアナログ信号の段階で水平加算読出しを行なえば,信号の高速読出しが可能である。特に上記画素加算演算と水平加算読み出しを選択できるようにすることで,高S/N計測および高速計測を切り替えられる。
APS方式を利用した場合の,アナログ信号による画素加算方法の別の例を図14および図15を用いて説明する。この場合,信号読出し回路102の構成は図8と同じものが使用できる。
図14は,APS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,全画素加算方式を示したものである。本例では4つのフォトダイオード5a〜5dが1つの容量Cに対して図示しないスイッチを介して接続されている。上記図示しないスイッチは行選択ライン71aを通して同時にオン・オフが制御される。上記図示しないスイッチがオンになると,4つのフォトダイオード5a〜5dで計測された信号電荷が一度に容量Cにチャージされ,アンプAおよびスイッチMを介してデータ出力ライン74aに出力される。本構成ではフォトダイオード5a〜5dおよび上記図示しないスイッチのうちの一部に欠損が生じても,反応槽4からの信号を検出できる。従って不良素子に対する許容率が上昇し,光検出プレート3の製作における歩留りを向上できる。また4画素分の信号を1度に出力できるため,信号の高速読出しが可能である。更に4個のフォトダイオードに対してデータ出力ラインが1本ですむため,データ出力ラインの寄生抵抗に起因して発生する熱雑音を低減できる。
図15は,APS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,垂直加算読出し方式を示したものである。本例では2つのフォトダイオード5a,5bが1つの容量Caに対して図示しないスイッチを介して接続されている。また2つのフォトダイオード5c,5dが1つの容量Cbに対して図示しないスイッチを介して接続されている。上記図示しないスイッチは行選択ライン71aを通して同時にオン・オフが制御される。上記図示しないスイッチがオンになると,フォトダイオード5a,5bで計測された信号電荷が一度に容量Caにチャージされ,アンプAaおよびスイッチMaを介してデータ出力ライン74aに出力される。また同様にフォトダイオード5c,5dで計測された信号電荷が一度に容量Cbにチャージされ,アンプAbおよびスイッチMbを介してデータ出力ライン74bに出力される。なおデータ出力ライン74aおよび74bに出力された信号は,デジタル信号に変換した後に画素加算演算によって加算しても良いし,図示しない公知の加算回路で水平加算読出しを行なっても良い。本構成ではフォトダイオード5a〜5dおよび上記図示しないスイッチのうちの一部に欠損が生じても,反応槽4からの信号を検出できる。従って不良素子に対する許容率が上昇し,光検出プレート3の製作における歩留りを向上できる。またデジタル信号に変換した後に画素加算演算を行えば,アナログ−デジタル変換時に発生する量子化ノイズを低減し,測定データのS/Nを向上できる。またアナログ信号の段階で水平加算読出しを行なえば,信号の高速読出しが可能である。特に上記画素加算演算と水平加算読み出しを選択できるようにすることで,高S/N計測および高速計測を切り替えられる。
以上,実施の形態1〜3を用いて本発明に係る生体発光測定装置の例を示したが,本発明は本実施の形態のみに限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲において種々変更しうることはいうまでもない。例えば本実施の形態では1つの反応槽に対して4つのフォトダイオード5a〜5dを対応させる構成をとったが,対応させるフォトダイオードの数はこれに限定されるものではなく,例えば2個あるいは9個(3×3個)等としても良い。
実施の形態1に係る生体発光測定装置の概略構成図である。 キャピラリー1,試料プレート2,および光検出プレート3の位置関係を説明するための斜視図である。 キャピラリー1と試料プレート2の位置関係を説明するための上面図である。 光検出プレート3の全体構成を説明するための概略図である。 PPS(Passive Pixel Sensor)方式を利用した場合の領域400における回路構成を示した図である。 画素50とこれに対応した信号読出し回路102の構成を示した図である。 図5とは別の回路構成の例として,APS(Active Pixel Sensor)方式を利用した場合の領域400における回路構成を示した図である。 画素70とこれに対応した信号読出し回路102の構成を示した図である。 ノーマル読出し時における信号処理手段104の演算内容を示した図である。 垂直加算読出しおよび水平加算読出し併用時における信号処理手段104の演算内容を示した図である。 PPS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,ポストスイッチ型の全画素加算方式を示したものである。 PPS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,プレスイッチ型の全画素加算方式を示したものである。 PPS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,プレスイッチ型の垂直加算読出し方式を示したものである。 APS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,全画素加算方式を示したものである。 APS方式を利用した場合の領域400における回路構成の別の例として,垂直加算読出し方式を示したものである。
符号の説明
1・・・キャピラリー,
2・・・試料プレート,
3・・・光検出プレート,
4・・・反応槽,
5・・・フォトダイオード,
6・・・孔,
7・・・透明電極,
10・・・試薬,
11・・・溶液,
12・・・生体試料,
13・・・プライマー,
40・・・シフトレジスタ,
41・・・行選択ライン,
42・・・データ出力ライン,
71・・・行選択ライン,
74・・・データ出力ライン,
100・・・撮影制御手段,
101・・・試薬制御手段,
102・・・信号読出し回路,
103・・・フレームメモリ,
104・・・信号処理手段,
105・・・補正テーブル,
106・・・信号解析手段,
107・・・表示手段。

Claims (9)

  1. 生体試料が収納される複数の反応槽が配列される試料プレートと,光信号を電気信号に変換する複数の光センサ素子が配列される光センサアレイと,前記光センサアレイで検出した信号を読み出すための信号読出し回路とを有し,前記生体試料と試薬との反応により生成する光を前記光センサアレイにて検出する生体発光測定装置において,前記反応槽と光センサ素子が1対N(但しNは2以上の自然数)に対応するように前記試料プレートと前記光センサアレイが近接して配置されていることを特徴とする生体発光測定装置。
  2. 前記N個の光センサ素子を1ブロックとして,各ブロック内のN個の光センサ素子で検出される電気信号を加算する加算手段と,前記光センサアレイへ参照光を照射した状態で前記各ブロックにおいて取得される加算信号を感度データとして記録する第1の記録手段と,前記第1の記録手段に記録された感度データを用いて前記各ブロックの感度ばらつきを補正する感度補正手段を有することを特徴とする請求項1に記載の生体発光測定装置。
  3. 前記光センサアレイへの光の入射を略遮断した状態で前記各ブロックにおいて取得される加算信号をオフセットデータとして記録する第2の記録手段と,前記第2の記録手段に記録されたオフセットデータを用いて前記各ブロックのオフセットばらつきを補正するオフセット補正手段を有することを特徴とする請求項1および2に記載の生体発光測定装置。
  4. 前記N個の光センサ素子で検出される電気信号を個別にデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換手段を有し,前記加算手段が前記デジタル信号を加算する演算手段で構成されていることを特徴とする請求項2および3に記載の生体発光測定装置。
  5. 前記N個の光センサ素子のうち予め指定された入出力特性の基準を満たさない不良素子を判別する判別手段と,前記判別手段で不良と判別された素子の位置情報を不良素子データとして記録する第3の記録手段を有すると共に,前記加算手段が前記第3の記録手段に記録されている不良素子を除外して前記デジタル信号を加算する機能を有することを特徴とする請求項4に記載の生体発光測定装置。
  6. 前記ブロックを構成するN個の光センサ素子のうちのM個の光センサ素子(ただしMは2以上N以下の自然数とする)と前記信号読出し回路を電気的に接続し,前記M個の光センサ素子で検出された電気信号を共通かつ略同時に出力するためのデータラインを有することを特徴とする請求項1〜3に記載の生体発光測定装置。
  7. 前記M個の光センサ素子のそれぞれと前記データラインの間に設けられた個別スイッチ手段を有することを特徴とする請求項6に記載の生体発光測定装置。
  8. 前記M個の光センサ素子に共通に接続された共通ラインと,前記共通ラインと前記データラインの間に設けられた共通スイッチを有することを特徴とする請求項6に記載の生体発光測定装置。
  9. 前記M個の光センサ素子に共通に接続されたキャパシタと,前記キャパシタと前記データラインの間に設けられた増幅手段と,前記M個の光センサ素子のそれぞれと前記キャパシタの間に設けられた個別スイッチ手段を有することを特徴とする請求項6に記載の生体発光測定装置。
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