JP2006317129A - 高湿度保冷庫及び冷却加湿器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品を低温及び高湿度の状態で貯蔵する高湿度保冷庫及び低温で高湿度の空気を製造する冷却加湿器を提供する。
【解決手段】 生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物Aを貯蔵する密閉容器17と、密閉容器17内に配置される冷媒配管31、及び密閉容器17外に配置され冷媒配管31に冷媒を供給する冷凍機34を備えた冷却手段35と、密閉容器17内に水分を供給して密閉容器17内を加湿する加湿手段48と、密閉容器17内の空気を循環させる空気循環手段50とを備えた高湿度保冷庫10であって、冷媒配管31の周囲が金属製又は熱伝導性のよい物質からなる織布又は不織布30で被覆されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物Aを貯蔵する密閉容器17と、密閉容器17内に配置される冷媒配管31、及び密閉容器17外に配置され冷媒配管31に冷媒を供給する冷凍機34を備えた冷却手段35と、密閉容器17内に水分を供給して密閉容器17内を加湿する加湿手段48と、密閉容器17内の空気を循環させる空気循環手段50とを備えた高湿度保冷庫10であって、冷媒配管31の周囲が金属製又は熱伝導性のよい物質からなる織布又は不織布30で被覆されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、生花を含む植物、青果物、及びそれ以外の生鮮食料品等の保存物を低温及び高湿度の状態で貯蔵する高湿度保冷庫及び低温で高湿度の空気を製造する冷却加湿器に関する。
従来、生花を含む植物、青果物、生鮮食料品等は、鮮度を保持するために冷蔵庫に保存されている。また、例えば、切り花の鮮度を保つために、特許文献1には、切り花を入れる水槽を配置した貯蔵室と、水槽内の水を冷却及び循環させる冷却装置とを有し、水槽内の水が蒸発することによって、貯蔵室内を高湿度に保つ高湿度保冷庫及びその方法が開示されている。
しかしながら、冷蔵庫で保存物を貯蔵すると、低湿度となって鮮度が低下する。この場合、冷蔵庫内に水蒸気を放出する加湿器を備えてもよいが、加湿器から放出される水蒸気は、すぐに水滴となっていた。また、特許文献1の発明では、水槽内の水を蒸発させて貯蔵庫内を高湿度とするので、水が蒸発して貯蔵室内が高湿度になるまでの時間がかかりすぎていた。水槽内の水の冷却で、貯蔵室の室温を調整することは難しく、また、室温を水温よりも低くすることができなかった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品を低温及び高湿度の状態で貯蔵する高湿度保冷庫及び低温で高湿度の空気を製造する冷却加湿器を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る高湿度保冷庫は、(1)生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物を貯蔵する密閉容器と、(2)該密閉容器内に配置される冷媒配管、及び前記密閉容器外に配置され前記冷媒配管に冷媒を供給する冷凍機を備えた冷却手段と、(3)前記密閉容器内に水分を供給して前記密閉容器内を加湿する加湿手段と、(4)前記密閉容器内の空気を循環させる空気循環手段とを備えた高湿度保冷庫であって、
前記冷媒配管の周囲が金属製又は熱伝導性のよい物質からなる織布又は不織布で被覆されている。
前記冷媒配管の周囲が金属製又は熱伝導性のよい物質からなる織布又は不織布で被覆されている。
冷媒配管の周囲を被覆する織布又は不織布としては、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、及びニッケル等のいずれか1又は2以上の金属製の繊維や、熱伝導性のよい物質で形成された繊維、例えば、炭素繊維等によって形成されたものが使用される。金属製や熱伝導性のよい物質で形成された織布又は不織布で被覆することによって、微細な凹凸が形成され、冷媒配管外周の表面積が大きくなり、冷媒配管の放熱性が増大され、0℃以下(例えば、−5〜−30℃程度)の冷媒が供給される冷媒配管によって冷媒配管外の空気中の水分が冷却されても、冷媒配管の外周面で凍りついて厚い氷の層が生成するのを防止することができる。
また、密閉容器は、内部を低温で高湿度に保つために密閉構造とし、更に、その外壁(天井及び床も含む)には、断熱材を取付けるのが好ましい。
空気循環手段としては、遠心式又は軸流式のファン等を使用した送風機、又は圧縮機等が使用できる。循環する空気は、冷媒配管に接触して冷却されると共に、散水された水と接触して加湿される。なお、密閉容器内の空気を循環させ易くするために密閉容器内に邪魔板等を設けてもよい。
空気循環手段としては、遠心式又は軸流式のファン等を使用した送風機、又は圧縮機等が使用できる。循環する空気は、冷媒配管に接触して冷却されると共に、散水された水と接触して加湿される。なお、密閉容器内の空気を循環させ易くするために密閉容器内に邪魔板等を設けてもよい。
ここで、保存物が生花等の生きている植物である場合には、保存する植物によって適温は異なるが、密閉容器内を0℃を超え20℃以下とする。なお、通常、密閉容器内の温度は、0℃を超え12℃以下、好ましくは0℃を超え5℃以下の低温の状態にすることにより、植物の生理活性を抑えることができ、また、90〜100%RH(relative humidity 、相対湿度)、好ましくは95〜100%RHの高湿度の状態では呼吸と水の蒸散が抑制されるので、鮮度を保持できる。なお、0℃以下では、植物に含まれる水が凍ってしまい、12℃を超えると、生理活性を十分には抑えることができず、成長が促進され、植物が老化してしまう。また、相対湿度が90%RH未満では、水の蒸散が起こり易くなる。
保存物が青果物、及びそれ以外の生鮮食料品の場合には、0℃を超え12℃以下の低温の状態では付着した細菌の増殖を抑えることができ、また、90〜100%RH、好ましくは95〜100%RHの高湿度の状態では保存物の表面からの水分の蒸発を防ぐことができるので、鮮度を保持することができる。なお、なお、0℃以下では、保存物に含まれる水が凍ってしまい、12℃を超えると、保存物に付着した細菌が増殖し易くなる。また、相対湿度が90%RH未満では、保存物中の水分が蒸発する。
第1の発明に係る高湿度保冷庫において、前記加湿手段は、前記冷媒配管の上部に配置され、前記冷媒配管に散水する散水手段と、前記冷媒配管の下部に配置され、前記散水手段によって散水された水を貯留する水槽と、該水槽に貯留された水を前記散水手段に供給するポンプと、前記水槽内の水を加熱する加熱手段とを備えてもよい。
散水手段としては、例えば、複数の小孔が設けられたパイプ状部材、シャワーヘッド等から水を流下させるもの、スリット状の孔から水を流下させて膜状として水を流下させるもの、又は水槽内の水をオーバーフローさせるもの等が使用できる。ここで、散水する水としては、凝固点降下を起こす海水等の不凍液も含まれる。冷媒配管に散水する水の量が少ない場合には、冷媒配管の表面に氷が生成してより低温(例えば0℃を超え3℃程度)の空気を製造でき、水量が多い場合には、冷水となって、例えば3〜20℃程度の空気を製造できる。また、冷媒配管を肉厚に形成し、放熱面積を増やして効率よく、水、空気を冷却することができる。加熱手段としては、ヒータ、又はパイプ状部材等に気体又は液体を供給するもの等が使用でき、加熱に必要な熱は、冷凍機の圧縮側の熱量を使用してもよく、密閉容器外の空気と接触させてもよい。
第1の発明に係る高湿度保冷庫において、前記密閉容器には、前記保存物を貯蔵する保存チャンバー及び該保存チャンバーに導入する空気を低温で高湿度にする冷却加湿チャンバーに分割すると共に、前記保存チャンバー及び前記冷却加湿チャンバーを連通する開口部を備えた仕切板が配置され、
前記冷媒配管、前記散水手段、及び前記水槽は、前記冷却加湿チャンバー内にそれぞれ配置され、
前記空気循環手段は、前記保存チャンバー内に設けられ、前記密閉容器内の空気を前記開口部を通して、前記保存チャンバー及び前記冷却加湿チャンバーで循環させ、
更に、前記冷却加湿チャンバー内から前記保存チャンバー内に空気を導入する前記開口部には、気水分離手段が設けられてもよい。
気水分離手段としては、空気を通して、液化した水(水滴、霧等)を通さないものであればよく、フィルタ、スポンジ、又は布等が使用できる。
前記冷媒配管、前記散水手段、及び前記水槽は、前記冷却加湿チャンバー内にそれぞれ配置され、
前記空気循環手段は、前記保存チャンバー内に設けられ、前記密閉容器内の空気を前記開口部を通して、前記保存チャンバー及び前記冷却加湿チャンバーで循環させ、
更に、前記冷却加湿チャンバー内から前記保存チャンバー内に空気を導入する前記開口部には、気水分離手段が設けられてもよい。
気水分離手段としては、空気を通して、液化した水(水滴、霧等)を通さないものであればよく、フィルタ、スポンジ、又は布等が使用できる。
前記目的に沿う第2の発明に係る冷却加湿器は、(1)生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物を貯蔵する保存チャンバーに接続される冷却加湿チャンバーと、(2)該冷却加湿チャンバーの中央部に配置される冷媒配管、及び前記冷却加湿チャンバー外に配置され、前記冷媒配管に冷媒を供給する冷凍機を有する冷却手段と、(3)前記冷却加湿チャンバーの上部に設けられ、前記冷媒配管に散水する散水手段、該冷却加湿チャンバーの下部に設けられ、前記散水手段によって散水された水を貯留する水槽、該水槽に貯留された水を前記散水手段に供給するポンプ、及び前記水槽内の水を加熱する加熱手段を有する加湿手段と、(4)前記冷却加湿チャンバー内の空気を前記保存チャンバー内に、前記保存チャンバー内の空気を前記冷却加湿チャンバー内に、それぞれ導入する第1及び第2の空気配管とを備え、前記第1の空気配管には気水分離手段とを有する冷却加湿器であって、
前記冷媒配管の周囲が金属製又は熱伝導性のよい物質からなるの織布又は不織布で被覆されている。
前記冷媒配管の周囲が金属製又は熱伝導性のよい物質からなるの織布又は不織布で被覆されている。
散水手段としては、複数の小孔が設けられたパイプ状部材、シャワーヘッド等から水を流下させるもの、又は、スリット状の孔から水を流下させて膜状として水を流下させるもの等が使用できる。気水分離手段としては、空気を通して、液化した水(水滴、霧等)を通さないものであればよく、フィルタ、スポンジ、布等が使用できる。
加熱手段としては、ヒータ、パイプ状部材等に気体又は液体を供給するもの等が使用できる。加熱に必要な熱は、冷凍機の圧縮側の熱量を使用してもよく、冷却加湿器外の空気と接触させてもよい。
加熱手段としては、ヒータ、パイプ状部材等に気体又は液体を供給するもの等が使用できる。加熱に必要な熱は、冷凍機の圧縮側の熱量を使用してもよく、冷却加湿器外の空気と接触させてもよい。
請求項1〜3記載の高湿度保冷庫においては、冷媒配管が金属製又は熱伝導性のよい物質からなる織布又は不織布で被覆されているので、冷媒配管外周の表面積が大きくなり、冷媒配管の外周面の熱が分散され、冷媒配管の表面温度が0℃以下になっても、冷媒配管の外側への氷の生成を抑えることができると共に、生成する氷が綿状となって溶け易くなる。これによって、冷媒配管の霜取りの時間を短くでき、高湿度保冷庫内の温度を制御し易くなる。また、空気循環手段から送風された空気が冷媒配管に当たることにより、冷媒配管外周に生成した綿状の氷を簡単に溶かすことができる。
特に、請求項2記載の高湿度保冷庫においては、冷媒配管の上部に冷媒配管に散水する散水手段が配置されているので、密閉容器内を循環する空気が散水された冷媒配管に接触し、簡単に低温で高湿度の空気を製造できる。また、加熱手段が設けられているので、水槽内の水の凍結を防止して、散水手段に水を供給できる。
請求項3記載の高湿度保冷庫においては、冷却加湿チャンバー内で製造された低温で高湿度の空気を保存チャンバーに供給するので、保存物の鮮度を保つことができる。また、密閉容器内の空気が冷却加湿チャンバーから保存チャンバーに導入される開口部には、気水分離手段が設けられているので、冷却加湿チャンバー内に散水された水が保存チャンバーに入るのを防ぐことができる。
請求項3記載の高湿度保冷庫においては、冷却加湿チャンバー内で製造された低温で高湿度の空気を保存チャンバーに供給するので、保存物の鮮度を保つことができる。また、密閉容器内の空気が冷却加湿チャンバーから保存チャンバーに導入される開口部には、気水分離手段が設けられているので、冷却加湿チャンバー内に散水された水が保存チャンバーに入るのを防ぐことができる。
請求項4記載の冷却加湿器においては、冷媒配管が金属製又は熱伝導性のよい物質からなる織布又は不織布で被覆されているので、冷媒配管外周の表面積が大きくなり、高湿度であるにもかかわらず、冷媒配管の外側に生成する氷が溶け易くなる。これによって、冷却加湿器が接続された保存チャンバー内の温度を制御し易くなる。また、冷却加湿チャンバー内の空気を冷媒配管に接触させて冷却すると共に、散水された水と接触させて加湿するので、簡単に低温で高湿度の空気を製造できる。更に、第1及び第2の空気配管を介して冷却加湿器を保存チャンバーに接続するので、既存の保存チャンバーに低温で高湿度の空気を導入できる。また、第1の空気配管に気水分離手段が設けられているので、散水された水が保存チャンバー内に入らない。更に、加熱手段が設けられているので、水槽内の水の凍結を防止して散水手段に水を供給できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る高湿度保冷庫の説明図、図2は同高湿度保冷庫の矢視A−A断面図、図3は本発明の第2の実施の形態に係る冷却加湿器を備えた高湿度保冷庫の説明図である。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る高湿度保冷庫の説明図、図2は同高湿度保冷庫の矢視A−A断面図、図3は本発明の第2の実施の形態に係る冷却加湿器を備えた高湿度保冷庫の説明図である。
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る高湿度保冷庫10について説明する。
高湿度保冷庫10は、四方の壁11〜14、天井15、及び床16を有する密閉容器17を備え、壁11〜14、天井15、及び床16は、それぞれ、内側に設けられたステンレス板18と外側に設けられた断熱材19とで形成されている。密閉容器17内には、壁13と平行に矩形の仕切板20が設けられている。仕切板20は、天井15、床16との間にそれぞれ隙間、すなわち開口部21、22を有し、その左右の両端部は壁12、14に取付けられている。
高湿度保冷庫10は、四方の壁11〜14、天井15、及び床16を有する密閉容器17を備え、壁11〜14、天井15、及び床16は、それぞれ、内側に設けられたステンレス板18と外側に設けられた断熱材19とで形成されている。密閉容器17内には、壁13と平行に矩形の仕切板20が設けられている。仕切板20は、天井15、床16との間にそれぞれ隙間、すなわち開口部21、22を有し、その左右の両端部は壁12、14に取付けられている。
密閉容器17は、この仕切板20によって、生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物の一例であるユリの切り花Aを貯蔵する保存チャンバー23と、保存チャンバー23に供給する低温で高湿度の空気を製造する冷却加湿チャンバー24とに仕切られている。壁11の一部には、切り花Aの搬入出を行う扉25が設けられている。床16のステンレス板18の4隅下側には、それぞれ脚部26が設けられ、密閉容器17を設置面から隙間をあけて支持できるようになっている。
冷却加湿チャンバー24の中央部には、金属製、例えば、アルミニウムの繊維で形成された不織布30で周囲が被覆された冷媒配管31が配置され、密閉容器17外には、冷媒配管31に送り用配管32及び戻し用配管33を介して冷媒(例えば、アンモニア)を供給する冷凍機34が配置され、冷媒配管31と冷凍機34とを有して冷却手段35が構成されている。冷媒配管31は、例えば、水平方向に4本、高さ方向に10本、計40本のストレート管を、それぞれエルボー管で接続して、1本の連続する管となっている。なお、冷媒は、冷凍機34によって−5℃〜−30℃、例えば、−20℃に冷却され、冷媒配管31の上部から供給されている。
また、冷却加湿チャンバー24の上部、すなわち、冷媒配管31の上方には、冷媒配管31に散水する散水手段の一例である複数の小孔40が設けられた1又は複数、例えば9本のパイプ状部材41が設けられている。冷却加湿チャンバー24の下部には、小孔40から散水された水を貯留する水槽42が設けられている。冷却加湿チャンバー24外には、水槽42に貯留された水をパイプ状部材41にそれぞれ供給するチューブ43が接続されたポンプ44が配置されている。水槽42内には、水槽42内の水を加熱する加熱手段の一例である加熱用配管45が設けられ、加熱用配管45には、冷凍機34から発生する加熱されたガス(例えば、冷媒を冷却するための空気)が、ガス配管46、47を介して供給され、水槽42内の水が凍るのを防止している。パイプ状部材41、水槽42、チューブ43が接続されたポンプ44、及び加熱用配管45によって、加湿手段48が構成されている。
更に、保存チャンバー23には、密閉容器17内の空気を保存チャンバー23と冷却加湿チャンバー24間で循環させ、冷却加湿チャンバー24内の冷媒配管31に接触させる空気循環手段の一例であるファン50が、開口部21近傍の天井15に3つ取付けられている。ファン50によって、冷却加湿チャンバー24内の空気は、仕切板20の上部の開口部21から保存チャンバー23に導入される。更に、空気の流れによって、保存チャンバー23内の空気は、仕切板20下部の開口部22から冷却加湿チャンバー24に導入される。このようにして、密閉容器17内の空気は保存チャンバー23と冷却加湿チャンバー24を循環する。また、開口部21には、気水分離手段の一例であるフィルタ51が設けられているので、冷却加湿チャンバー24内に散水された水が保存チャンバー23内に入らないようになっている。
密閉容器17には、保存チャンバー23内の温度及び湿度を測定する温度計55、湿度計56が、例えば切り花Aの近傍位置に設けられ、水槽42内に水温計57が取付けられている。また、温度計55の測定値が0℃を超え20℃以下で、湿度計56の測定値が90%RHとなるように制御する図示しない制御装置が組み込まれた制御盤58が密閉容器17の壁11の外側に取付けられている。
制御盤58の制御装置は、冷凍機34、ファン50、及びポンプ44とそれぞれ接続されており、冷凍機34から冷媒配管31に供給する冷媒の温度及び供給量を制御し、ファン50の回転数を制御して保存チャンバー23から冷却加湿チャンバー24へ導入する空気の量を変え、更に、ポンプ44からパイプ状部材41への水の供給量を制御することにより、温度計55及び湿度計56の測定値が所定値となるようにしている。また、制御盤58の制御装置は、水槽42内の水が凍らないように、水温計57の測定値が0℃になった場合に、冷凍機34のガス配管46、47から加熱用配管45に加熱されたガスを供給している。ここで、制御盤58には、温度計55及び湿度計56の測定値を表示可能な図示しない表示手段が設けられている。
保存物が切り花Aのように光合成を行う植物である場合には、通常、昼には光合成を、夜には水の吸収を行っている。ここで、密閉容器17の保存チャンバー23内の天井15に、波長が400〜700nmの可視光線を照射可能な図示しない蛍光灯を設置すると共に、図示しないタイマーによりの照射時間を制御して、可視光線を照射して光合成を行う時間(つまり、昼)と、可視光線を照射せず水の吸収を行う時間(つまり、夜)を作ることができる。これは、夜間に電灯などの人工光の照射のもとで栽培する電照栽培と同じであり、昼夜の長さを変えて、着花、開花等の時期を人工的に制御することができる。
また、密閉容器17の保存チャンバー23及び扉25の内側に、二酸化チタンの粉末を塗布すると共に、保存チャンバー23内の天井15に波長380〜400nmの近紫外線を含む波長320〜400nmの紫外線を照射する図示しない近紫外線ランプを取付けてもよい。紫外線ランプから照射される近紫外線が二酸化チタンに当たると、強い酸化力を持った正孔と還元力を持った電子とが生成する。正孔はヒドロキシラジカル(・OH)を、電子はスーパーオキサイドアニオン(O2 - )等の活性酸素種を生成し、これらによって、脱臭、滅菌、防汚、防かび、及び有機化合物等の分解を行うことができる。
なお、密閉容器17内の空気は、ファン50によって循環しているので、保存チャンバー23の内壁に接触し易く、効果が向上する。ここで、保存物が生花を含む植物、青果物(果物、野菜等)である場合、この保存物が生成するエチレン等の有害物質を分解して、鮮度を保つことができる。生花の場合、エチレンによって花のしおれや落下が促進される。また、保存物が生鮮食料品(魚、肉類等)の場合、生鮮食料品に付着しているコリ−エロゲネス群細菌、プロテウス、枯草菌群、クロストリディウム、プソイドモナス、セルロース分解細菌等の腐敗菌を死滅させて、鮮度を保つことができる。
更に、保存チャンバー23内の天井15に、波長280〜320nmの中間紫外線を照射する図示しない中間紫外線ランプを取付け、近紫外線ランプと中間紫外線ランプとによって波長300〜400nmの紫外線を含む光を照射してもよい。生きている植物は、紫外線によって、ビタミンE、ビタミンC、カロテン、アントシアニン、及びリコペンのいずれか1又は2以上の抗酸化物質を生成する。これらの抗酸化物質は、葉、花、又は実等の色となる物質であり、紫外線照射によって抗酸化物質を生成させることにより、葉、花、又は実等の色を綺麗にすることができる。
制御盤58の制御装置は、蛍光灯、近紫外線ランプ、及び中間紫外線ランプの照射時間をそれぞれ制御する図示しないタイマーが組み込まれ、制御盤58には、近紫外線ランプ、中間紫外線ランプ、及び蛍光灯の照射状況等を表示可能な図示しない表示手段が設けられている。
制御盤58の制御装置は、蛍光灯、近紫外線ランプ、及び中間紫外線ランプの照射時間をそれぞれ制御する図示しないタイマーが組み込まれ、制御盤58には、近紫外線ランプ、中間紫外線ランプ、及び蛍光灯の照射状況等を表示可能な図示しない表示手段が設けられている。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る高湿度保冷庫10を使用した鮮度の保持方法について説明する。
扉25を開け、水の入っている花瓶60に入れたユリの切り花Aを密閉容器17の保存チャンバー23内に搬入する。ファン50を駆動して、保存チャンバー23内の高温で低湿度の空気α(20℃よりも高く、90%RHよりも低い、例えば、25℃、50%RH)を、開口部22から冷却加湿チャンバー24に導入する。空気αの温度及び湿度は、それぞれ温度計55、湿度計56によって測定されている。
扉25を開け、水の入っている花瓶60に入れたユリの切り花Aを密閉容器17の保存チャンバー23内に搬入する。ファン50を駆動して、保存チャンバー23内の高温で低湿度の空気α(20℃よりも高く、90%RHよりも低い、例えば、25℃、50%RH)を、開口部22から冷却加湿チャンバー24に導入する。空気αの温度及び湿度は、それぞれ温度計55、湿度計56によって測定されている。
冷却加湿チャンバー24では、冷却手段35によって、冷凍機34から送り用配管32及び戻し用配管33を介して、冷媒配管31に冷媒が供給され、冷媒配管31の外側表面の温度が、例えば−5〜3℃となる。また、加湿手段48によって、冷媒配管31にパイプ状部材41の小孔40から散水され、散水された水は冷媒配管31、また、冷媒配管31によって冷却された空気と接触して、冷却されながら落下して水槽42に貯留される。空気αは、冷媒配管31及び冷媒配管31で冷やされた空気に接触して冷却されると共に、散水された水と接触して加湿され、低温(例えば、20℃)で高湿度(例えば、55%RH)の空気βとなる。なお、散水する水量が少ない場合には、冷媒配管31の表面に氷も生成するが、暖かい空気αによって、氷は溶けて水になるので問題はない。
空気βは、開口部21に設けられたフィルタ51を通過して再び保存チャンバー23に戻り、保存チャンバー23内の空気αと混ざり、温度が上がり、湿度が下がる。更に、この混合した空気γは、再び開口部22から冷却加湿チャンバー24に導入され、徐々に低温で高湿度の空気となる。温度計55、湿度計56での測定値、つまり、保存チャンバー23内が、0℃を超え20℃以下で相対湿度が90〜100%RH(例えば、3℃、98%RH)となるまで、以上の作業を繰り返し行う。なお、切り花Aは、保存チャンバー23内が低温で高湿度、例えば、3℃、98%RHとなった後に搬入してもよい。
密閉容器17の保存チャンバー23内の空気が、低温で高湿度(例えば、3℃で98%RH)の状態となった場合には、冷媒配管31に供給する冷媒の温度を高くして、保存チャンバー23内の空気の温度が0℃以下にならないようにする。また、加湿手段48の水槽42内の水が凍らないように、水温計57の測定値が0℃となった場合には、制御盤58内の制御装置が冷凍機34からガス配管46、47を介して、加熱されたガスを加熱用配管45に供給して、水槽42内の水を加熱する。加熱された水は、ポンプ44によって、水槽42からパイプ状部材41に供給される。ユリの切り花Aは、低温状態で生理活性が抑えられ、また、高湿度状態で呼吸と水の蒸散が抑制されるので、鮮度を保持できる。
ここで、低温で高湿度(例えば、3℃で98%RH)の状態で、散水する水量を少なくして冷媒配管31の表面に氷を生成させることにより、密閉容器17の保存チャンバー23内の空気を更に低温、例えば0℃を超え3℃以下とすることができる。なお、冷媒配管31は金属製の不織布30で被覆され、冷媒配管31の外表面が微細な凹凸に形成されているので、冷媒配管31の表面に生成する氷が綿状となっている。この綿状の氷は、冷媒配管31の外周の表面積が大きくなっているので、冷媒配管31の放熱性が増大、すなわち、熱が分散し、ファン50によって循環する空気によって溶かされ易くなり、冷媒配管31の外周面を凍り付かせ難くなくなる。
また、冷媒配管31に生成する氷の除去(霜取り)の際には、冷媒配管31への冷媒の供給を止める時間を短くできるので、冷媒の供給を止めている間の密閉容器17内の温度上昇を抑えることができ、密閉容器17内の温度調節がし易くなっている。なお、綿状の氷は、簡単に拭って除去することもできる。また、散水する水として、例えば、海水等の不凍液を使用した場合には、凝固点降下によって、0℃以下の低温の水を生成することができ、この0℃以下の水を冷却配管に散水することにより、例えば0℃を超え3℃以下の低温の空気を製造することもできる。更に、ファン50によって、送風量を増すことにより、温度を下げることもできる。
ここで、保存物が生花等の生きている植物である場合には、保存チャンバー23内を0℃を超え20℃以下とするのがよい。なお、通常、保存チャンバー23内の温度は、0℃を超え12℃以下、好ましくは0℃を超え5℃以下の低温の状態にすることにより、植物の生理活性を抑えることができ、また、90〜100%RH、好ましくは95〜100%RHの高湿度の状態では呼吸と水の蒸散が抑制されるので、鮮度を保持できる。なお、0℃以下では、植物に含まれる水が凍ってしまい、12℃を超えると、十分には生理活性を抑えることができず、成長が促進され、植物が老化してしまう。また、相対湿度が90%RH未満では、水の蒸散が起こり易くなる。
保存物が青果物、及びそれ以外の生鮮食料品の場合には、0℃を超え12℃以下の低温の状態で付着した細菌の増殖を抑えることができ、また、90〜100%RH、好ましくは95〜100%RHの高湿度の状態で保存物の表面からの水分の蒸発を防ぐことができるので、鮮度を保持することができる。なお、なお、0℃以下では、保存物に含まれる水が凍ってしまい、12℃を超えると、保存物に付着した細菌が増殖し易くなる。また、相対湿度が90%RH未満では、保存物中の水分が蒸発する。
図3を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る冷却加湿器70を備えた高湿度保冷庫71について説明する。なお、高湿度保冷庫10と同一の構成要素については同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
高湿度保冷庫71は、生花を含む植物、青果物、及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物を貯蔵する保存チャンバー72と、保存チャンバー72内に供給する低温で高湿度の空気を製造する冷却加湿器70とを有している。
高湿度保冷庫71は、生花を含む植物、青果物、及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物を貯蔵する保存チャンバー72と、保存チャンバー72内に供給する低温で高湿度の空気を製造する冷却加湿器70とを有している。
冷却加湿器70は、内側をステンレス板73、その外側を断熱材74で形成された冷却加湿チャンバー75を有し、その下部のステンレス板73の下側4隅には、それぞれ脚部76が設けられ、冷却加湿チャンバー75を設置面から隙間をあけて支持できるようになっている。冷却加湿器70は、冷却加湿チャンバー75内の中央部に配置され、金属製、例えば、アルミニウムの繊維で形成された不織布30で周囲が被覆された冷媒配管31と、冷却加湿チャンバー75外に配置され、冷媒配管31に送り用配管32及び戻し用配管33を介して、冷媒を供給する冷凍機34とを有する冷却手段35が設けられている。
また、冷却加湿器70は、冷却加湿チャンバー75内の上部に設けられ、冷媒配管31に散水する散水手段の一例である複数の小孔40が設けられたパイプ状部材41と、冷却加湿チャンバー75内の下部に設けられ、小孔40から散水された水を貯留する水槽42と、水槽42に貯留された水をパイプ状部材41に供給するポンプ44とを有する加湿手段48が設けられている。水槽42内には、水槽42内の水を加熱する加熱手段の一例である加熱用配管45が設けられ、加熱用配管45には、冷凍機34で発生する加熱されたガスがガス配管46、47を介して供給され、水槽42内の水が凍るのを防止している。
冷却加湿チャンバー75の一側壁の上部及び下部には、開口部77、78が設けられ、開口部77、78には、それぞれ冷却加湿チャンバー75内の空気を保存チャンバー72内に導入する第1の空気配管79と、保存チャンバー72内の空気を冷却加湿チャンバー75内に導入する第2の空気配管80とが取付けられており、第1の空気配管79には、気水分離手段の一例であるフィルタ81が設けられている。開口部77、78の断面形状は、第1及び第2の空気配管79、80の断面形状と同形状、例えば実質的に円形となっている。また、第1及び第2の空気配管79、80は、それぞれ外側に図示しない断熱材で覆われている。
保存チャンバー72は、内側をステンレス板82、その外側を断熱材83で形成されたケース84を有し、その下部のステンレス板82の下側4隅には、それぞれ脚部85が設けられ、保存チャンバー72を設置面から隙間をあけて支持できるようになっている。保存チャンバー72のケース84の一側壁には、上下にぞれぞれ冷却加湿チャンバー75の第1及び第2の空気配管79、80を接続するための開口部86、87が設けられている。
更に、ケース84内の上部(天井)のステンレス板82には、空気を保存チャンバー72と冷却加湿チャンバー75内で循環させ、冷却加湿チャンバー75内の冷媒配管31に接触させるファン(空気循環手段の一例)50が1つ取付けられている。ファン50によって、冷却加湿チャンバー75内の低温で高湿度の空気は、第1の空気配管79から保存チャンバー72に導入され、更に、空気の流れによって、保存チャンバー72内の空気が、第2の空気配管80を介して、再び冷却加湿チャンバー75に導入される。第1の空気配管79には、フィルタ81が設けられているので、冷却加湿チャンバー75内に散水された水が保存チャンバー72に入らないようになっている。
また、保存チャンバー72内には切り花Aの位置に保存チャンバー72内の温度及び湿度を測定する温度計55、湿度計56が設けられ、水槽42内には水温計57が取付けられている。また、温度計55の測定値が0℃を超え20℃以下で、湿度計56の測定値が90%RHとなるように制御する図示しない制御装置が組み込まれた制御盤58が保存チャンバー72の他側壁の外側に取付けられている。制御盤58には、温度計55及び湿度計56の測定値を表示可能な図示しない表示手段が設けられている。
制御盤58の制御装置は、冷凍機34、ファン50、及びポンプ44とそれぞれ接続されており、冷凍機34から冷媒配管31に供給する冷媒の温度及び供給量を制御し、ファン50の回転数を制御して保存チャンバー72から冷却加湿チャンバー75へ導入する空気の量を変え、更に、ポンプ44からパイプ状部材41への水の供給量を制御することにより、温度計55及び湿度計56の測定値が所定値となるようにしている。また、制御盤58の制御装置は、水槽42内の水が凍らないように、水温計57の測定値が0℃になった場合に、冷凍機34のガス配管46、47から加熱用配管45に加熱されたガスを供給している。
保存チャンバー72には、ケース84内の天井のステンレス板82に、波長が400〜700nmの可視光線を照射する可視光線照射手段の一例である蛍光灯、波長380〜400nmの近紫外線を含む波長320〜400nmの紫外線を照射する近紫外線ランプ、及び波長280〜320nmの中間紫外線を照射する中間紫外線ランプが取付けられている。また、制御盤58の制御装置は、蛍光灯、近紫外線ランプ、及び中間紫外線ランプの照射時間をそれぞれ制御する図示しないタイマーが組み込まれ、制御盤58には、近紫外線ランプ、中間紫外線ランプ、及び蛍光灯の照射状況等を表示可能な図示しない表示手段とが設けられている。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
高湿度保冷庫10の密閉容器17内(切り花Aの位置)の温度を3℃、相対湿度を98%RHにして、ユリの切り花を保存した場合、30日経過後もしおれや、落下等が認められず、ユリの花も綺麗であった。また、密閉容器17内のユリの切り花の位置の温度を3℃、相対湿度を50%RHとした場合、7日経過後に、菊の切り花にしおれが認められた。更に、加湿及び冷却をせず、密閉容器17内の菊の切り花の位置の温度を20℃、相対湿度を50%RHとした場合、2日後にしおれが認められた。
高湿度保冷庫10の密閉容器17内(切り花Aの位置)の温度を3℃、相対湿度を98%RHにして、ユリの切り花を保存した場合、30日経過後もしおれや、落下等が認められず、ユリの花も綺麗であった。また、密閉容器17内のユリの切り花の位置の温度を3℃、相対湿度を50%RHとした場合、7日経過後に、菊の切り花にしおれが認められた。更に、加湿及び冷却をせず、密閉容器17内の菊の切り花の位置の温度を20℃、相対湿度を50%RHとした場合、2日後にしおれが認められた。
また、冷媒配管31の外周面に綿状の氷が付着したが、ファン50からの送風によって溶けて氷の層ができることはなかった。この綿状の氷は布等で拭っても簡単に除去できた。冷媒配管31の周囲を金属製の不織布30で被覆したので、冷却配管31の外周面に微細な凹凸が形成され、冷媒配管外周の表面積が大きくなって熱が分散し、冷媒配管の外側の層状の氷の生成が抑えられると共に、生成する氷が綿状となって溶け易くなったと解される。これによって、冷媒配管31の霜取りの時間を短くでき、高湿度保冷庫10内の温度が制御し易くなった。また、比較例として、不織布で被覆していない冷媒配管を用いて冷却を行ったが、冷媒配管の外周面に厚い(1〜10mm)の氷の層が生成し、ファンからの送風や布等で拭っても簡単に除去できなかった。また、氷の除去のために、冷媒配管への冷媒の供給停止時間が長くなり、冷媒の供給を止めている間の密閉容器内の温度上昇が大きくなって、密閉容器内の温度調節が難しくなった。
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の高湿度保冷庫及び冷却加湿器を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、前記実施の形態の高湿度保冷庫及び冷却加湿器において、冷媒配管をアルミニウムの繊維で形成した不織布で被覆したが、アルミニウム以外の銅、ステンレス、チタン、及びニッケル等のいずれか1又は2以上の繊維によって形成した不織布や、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、及びニッケル等のいずれか1又は2以上の繊維によって形成した織布で被覆してもよく、熱伝導性のよい物質で形成された繊維、例えば、炭素繊維等の不織布又は織布で被覆してもよい。
例えば、前記実施の形態の高湿度保冷庫及び冷却加湿器において、冷媒配管をアルミニウムの繊維で形成した不織布で被覆したが、アルミニウム以外の銅、ステンレス、チタン、及びニッケル等のいずれか1又は2以上の繊維によって形成した不織布や、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、及びニッケル等のいずれか1又は2以上の繊維によって形成した織布で被覆してもよく、熱伝導性のよい物質で形成された繊維、例えば、炭素繊維等の不織布又は織布で被覆してもよい。
ユリの切り花を低温3℃で高湿度98%RH以上で保存したが、その他の生花を含む植物、青果物、生鮮食料品をそれぞれの保存物に最適な温度及び湿度として保存することができる。また、保存物をダンボール等のケースに入れたまま保存チャンバー内に保存することもできる。また、加湿手段として、パイプ状部材に設けられた複数の小孔から水を流下させているが、シャワーヘッド等から水を流下させるもの、スリット状の孔から水を流下させて膜状とするもの、水槽内の水をオーバーフローさせるもの等を使用してもよい。
空気循環手段としては、軸流式のファンを用いたが、遠心式のファン、圧縮機等を使用してもよい。また、密閉容器内の空気を循環させ易くするために密閉容器内に邪魔板等を設けてもよい。加熱手段として、冷凍機の圧縮側の熱量(加熱されたガス)を加熱用配管に供給したが、高湿度保冷庫外の気体(空気)又は液体(水等)を供給してもよく、水槽内にヒータを設けてもよい。
10:高湿度保冷庫、11〜14:壁、15:天井、16:床、17:密閉容器、18:ステンレス板、19:断熱材、20:仕切板、21、22:開口部、23:保存チャンバー、24:冷却加湿チャンバー、25:扉、26:脚部、30:不織布、31:冷媒配管、32:送り用配管、33:戻し用配管、34:冷凍機、35:冷却手段、40:小孔、41:パイプ状部材、42:水槽、43:チューブ、44:ポンプ、45:加熱用配管、46、47:ガス配管、48:加湿手段、50:ファン、51:フィルタ、55:温度計、56:湿度計、57:水温計、58:制御盤、60:花瓶、70:冷却加湿器、71:高湿度保冷庫、72:保存チャンバー、73:ステンレス板、74:断熱材、75:冷却加湿チャンバー、76:脚部、77、78:開口部、79:第1の空気配管、80:第2の空気配管、81:フィルタ、82:ステンレス板、83:断熱材、84:ケース、85:脚部、86、87:開口部
Claims (4)
- (1)生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物を貯蔵する密閉容器と、(2)該密閉容器内に配置される冷媒配管、及び前記密閉容器外に配置され前記冷媒配管に冷媒を供給する冷凍機を備えた冷却手段と、(3)前記密閉容器内に水分を供給して前記密閉容器内を加湿する加湿手段と、(4)前記密閉容器内の空気を循環させる空気循環手段とを備えた高湿度保冷庫であって、
前記冷媒配管の周囲が金属製又は熱伝導性のよい物質からなる織布又は不織布で被覆されていることを特徴とする高湿度保冷庫。 - 請求項1記載の高湿度保冷庫において、前記加湿手段は、前記冷媒配管の上部に配置され、前記冷媒配管に散水する散水手段と、前記冷媒配管の下部に配置され、前記散水手段によって散水された水を貯留する水槽と、該水槽に貯留された水を前記散水手段に供給するポンプと、前記水槽内の水を加熱する加熱手段とを備えていることを特徴とする高湿度保冷庫。
- 請求項2記載の高湿度保冷庫において、前記密閉容器には、前記保存物を貯蔵する保存チャンバー及び該保存チャンバーに導入する空気を低温で高湿度にする冷却加湿チャンバーに分割すると共に、前記保存チャンバー及び前記冷却加湿チャンバーを連通する開口部を備えた仕切板が配置され、
前記冷媒配管、前記散水手段、及び前記水槽は、前記冷却加湿チャンバー内にそれぞれ配置され、
前記空気循環手段は、前記保存チャンバー内に設けられ、前記密閉容器内の空気を前記開口部を通して、前記保存チャンバー及び前記冷却加湿チャンバーで循環させ、
更に、前記冷却加湿チャンバー内から前記保存チャンバー内に空気を導入する前記開口部には、気水分離手段が設けられていることを特徴とする高湿度保冷庫。 - (1)生花を含む植物、青果物及びそれ以外の生鮮食料品のいずれか1又は2以上からなる保存物を貯蔵する保存チャンバーに接続される冷却加湿チャンバーと、(2)該冷却加湿チャンバーの中央部に配置される冷媒配管、及び前記冷却加湿チャンバー外に配置され、前記冷媒配管に冷媒を供給する冷凍機を有する冷却手段と、(3)前記冷却加湿チャンバーの上部に設けられ、前記冷媒配管に散水する散水手段、該冷却加湿チャンバーの下部に設けられ、前記散水手段によって散水された水を貯留する水槽、該水槽に貯留された水を前記散水手段に供給するポンプ、及び前記水槽内の水を加熱する加熱手段を有する加湿手段と、(4)前記冷却加湿チャンバー内の空気を前記保存チャンバー内に、前記保存チャンバー内の空気を前記冷却加湿チャンバー内に、それぞれ導入する第1及び第2の空気配管とを備え、前記第1の空気配管には気水分離手段とを有する冷却加湿器であって、
前記冷媒配管の周囲が金属製又は熱伝導性のよい物質からなるの織布又は不織布で被覆されていることを特徴とする冷却加湿器。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011089925A1 (ja) * | 2010-01-25 | 2011-07-28 | 株式会社アルバック | 容器 |
JP2017125648A (ja) * | 2016-01-14 | 2017-07-20 | 株式会社あい・あいエナジーアソシエイツ | 冷却コンテナ |
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-
2005
- 2005-05-16 JP JP2005142915A patent/JP2006317129A/ja active Pending
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JPWO2011089925A1 (ja) * | 2010-01-25 | 2013-05-23 | 株式会社アルバック | 容器 |
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