JP2006316302A - 高温用摺動合金および摺動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 硬質粒子の含有量を、高温用摺動合金全体に対する質量比で1〜35%とし、粒径45〜65μmの硬質粒子が硬質粒子全体に対する質量比で20%以上を占めるようにする。粒径が小さいと、焼結時の高温(通常、1200℃程度)に晒された場合、硬質粒子がマトリックスとの相互拡散により軟化してしまい、耐摩耗性の低下を招く。また、硬質粒径が大きいと、硬質粒子がマトリックス中へ均一に分散し難くなる共に、脱落し易くなり、摩耗量が増加する。しかしながら、粒径45〜65μmの硬質粒子が硬質粒子全体に対する質量比で20%以上あれば、それよりも小さいサイズの硬質粒子の軟化や、それよりも大きいサイズの硬質粒子の均一分散性難という事情があっても、結果的に摩耗量が減少し、摩擦特性を向上させることができる。
【選択図】 図3
Description
このような要求を満たすものとして、特許文献1に開示された高温用摺動合金がある。これは、Cr:2〜8質量%、Fe:2〜10質量%、Si:0.1〜1.5質量%、Co:2〜22質量%、Mo:1.4〜11質量%、残部Niからなり、マトリックス中に、Co−Mo−Cr−Si系の硬質粒子を1〜35質量%分散して構成したものである。
しかしながら、最近の高温用摺動合金に対する高耐摩耗性の要求は著しく、更なる耐摩耗性の向上が望まれている。ところが、上記特許文献1に記載の高温用摺動合金では、摩耗量が多く、摩耗量の低減化を図ることが強く求められていた。
本発明は、Ni基合金またはFe基合金からなるマトリックス中に、Co基金属間化合物からなる硬質粒子を分散して構成される高温用摺動合金において、前記硬質粒子の含有量は、高温用摺動合金全体に対する質量比で1〜35%であり、且つ、粒径45〜65μmの硬質粒子が硬質粒子全体に対する質量比で20%以上を占めることを特徴とする(請求項1)。
また、前記粒径45〜65μmの硬質粒子の硬さは、600〜900HVであることが好ましい(請求項4)。
前述の硬さを有することにより、高温用摺動合金の耐摩耗性や、相手材に対する非攻撃性の面で有利となる。
Feを2〜10質量%とした理由は、2質量%未満では、高温強度に劣る傾向があり、10質量%を超えると、焼結用粉末が硬くなって粉末圧縮を行う際の圧縮率を高めにくいからである。このため、Feは、2〜10質量%が望ましい。特に、4〜6質量%では、高温強度により優れるので、より望ましいものとなる。
ステンレス鋼をマトリックス金属とすることにより、材料コストを低減することができる。
1100HV以上には、例えば窒化処理による表面硬化によって実現することができる。この場合、相手材の耐摩耗性が向上するので、更に耐久性に優れた摺動装置とすることできる。
この場合の摺動装置としては、鋼裏金上に本発明に係る高温用摺動合金を軸受合金層(摺動受層)として被着して半円筒状の半割軸受を形成してこの半割軸受を2個突き合わせて軸受(摺動受材)を構成し、或いは鋼裏金上に本発明に係る高温用摺動合金を軸受合金層(摺動受層)として被着して円筒状の軸受(摺動受材)を形成し、この軸受に回転軸(相手材)を受けるようにした軸受装置が考えられる。
下の表1に示す実施例品1、比較例品1および2の供試試料を製作するために、予め下記のメッシュ(篩網)にて分級した次の粉末を原料粉末として用意した。
(1)純Ni粉末……粒径63μm以下(−250メッシュ)
(2)Fe−Cr合金粉末……粒径63μm以下(−250メッシュ)
(3)硬質粒子としてCo−Mo−Cr−Si合金粉末……粒径150μm以下(−100メッシュ)、63μm以下(−250メッシュ)、45μm未満(−350メッシュ)の3種類
また、上記のCo−Mo−Cr−Si合金粉末(以下、硬質粒子という。)は、Mo:28.5質量%、Cr:8.5質量%、Si:2.5質量%、残りCoの組成のものである。
そして、上記純Ni粉末、Fe−Cr合金粉末、Co−Mo−Cr−Si合金粉末を、表1に示す実施例品1、比較例品1および2の組成となるように混合した。ちなみに、表1に示す組成とする場合、純Ni粉末を73.5質量%、Fe−Cr合金粉末を16.5質量%、Co−Mo−Cr−Si合金粉末を10質量%の割合で混合して得た。
そして、上記の円柱状の成形物を400℃に加熱してステアリン酸を十分に脱ろうした後、H2+N2の還元雰囲気中で1200℃にて1時間焼結し、実施例品1および比較例品1および2を得た。
また、実施例品1、比較例品1および2について、500℃の試験温度で摩擦摩耗試験を行った。相手材としては、表面を窒化処理してビッカース硬さ1100HVとしたリング状のステンレス鋼材を使用した。試験は、0.8MPa、1.2MPa、1.5MPaの面圧をリングに加えた上で、速度0.6mm/secの条件で60分間行った。この摩擦摩耗試験により、摩擦係数および摩耗量について図3に示す結果が得られた。
マトリックスは、Ni基合金に限られず、Fe基合金であっても良い。Fe基合金としては、Crを含有するオーステナイト系、マルテンサイト系およびフェライト系のうちのいずれかのステンレス鋼であっても良い。
マトリックス中に分散させるCo基金属間化合物は、Co−Mo−Cr−Si系に限られず、Co−Cr−W−Ni−Fe系、Co−Cr−Ni−Fe系、Fe−Cr−Mo系およびFe−Mo系であっても良く、それらの2種以上からなるものであっても良い。
なお、粉末の分級は、上記実施例で使用したメッシュに限られず、他規格のメッシュや、メッシュによる篩い分け以外の方法によって行っても良い。
Claims (8)
- Ni基合金またはFe基合金からなるマトリックス中に、Co基金属間化合物からなる硬質粒子を分散して構成される高温用摺動合金において、
前記硬質粒子の含有量は、高温用摺動合金全体に対する質量比で1〜35%であり、且つ、粒径45〜65μmの硬質粒子が硬質粒子全体に対する質量比で20%以上を占めることを特徴とする高温用摺動合金。 - 前記硬質粒子は、粒径が75μm以下であることを特徴とする請求項1記載の高温用摺動合金。
- 前記粒径45〜65μmの硬質粒子が硬質粒子全体に占める割合は、25〜35質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の高温用摺動合金。
- 前記粒径45〜65μmの硬質粒子の硬さは、600〜900HVであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の高温用摺動合金。
- 前記Ni基合金は、高温用摺動合金全体に対する質量比でCr:2〜8%、Fe:2〜10%、Si:0.1〜1.5%、Mo:1.4〜11%、残部Niからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高温用摺動合金。
- 前記Fe基合金は、Crを含有するオーステナイト系、マルテンサイト系およびフェライト系のうちのいずれかのステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高温用摺動合金。
- 前記硬質粒子を構成する前記Co基金属間化合物は、Co−Mo−Cr−Si系、Co−Cr−W−Ni−Fe系、Co−Cr−Ni−Fe系、Fe−Cr−Mo系およびFe−Mo系のうちのいずれか1種以上からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の高温用摺動合金。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の高温用摺動合金を摺動受層として用いた摺動受材と、この摺動受材により受けられる相手材とを備え、
前記相手材は前記摺動受層との摺接面を有し、その摺接面は、1100HV以上であることを特徴とする摺動装置。
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2005
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