JP2006314159A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバが保有するカム曲線の基本動作プログラムを有効利用しつつ、設定作業の簡素化及びコスト増大の抑止を図る。
【解決手段】DDモータ12に接続されるドライバ15のメモリ18にはカム曲線についての基本動作パターンプログラムが予め格納されている。ドライバ15には起動信号等をオンオフ信号により与えるシーケンサ21が接続されている。シーケンサ21は複数の信号線によってドライバ16と接続されており、このオンオフ信号によって前記プログラムの選択や、移動角度・移動時間といったパラメータの設定も行う。ドライバ15はこれらの信号を受けることにより、実際の動作パターンをその都度得て駆動回路17に制御信号を出力する。これにより、その都度ターミナル20によってパラメータの設定を行うなどの面倒な設定作業が不要となり、メモリ18が保有するプログラムも有効利用できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダイレクトドライブモータ(以下、「DDモータ」という)等のモータの動作パターンを、シーケンサを用いて制御するモータ制御装置に関する。
従来より、図5に示すように、DDモータ31のロータ32に、減速機を介することなく回転テーブル33を取り付けた回転テーブル装置が知られている。回転テーブル装置は、ワークWなどを搭載した回転テーブル33を第1角度位置から第2角度位置まで回転移動させ、その後、第1角度位置へ戻す等のカム動作を行うものである。
DDモータ31を駆動制御するドライバ34には、DDモータ31を円滑にカム駆動させるためのカム曲線プログラムが記憶されている。カム曲線は、回転開始時に徐々に加速させるとともに位置決め時には徐々に減速させる加速度曲線となっており、その中途で一定速とするものや、加速度の変化態様の異なるものなど、回転テーブル装置の使用環境に応じた適切なカム曲線を得られるように、複数種用意されている。
ドライバ34には、シーケンサ35が接続されている。シーケンサ35は、ドライバ34に対し、プログラム番号を指示し、起動信号を出力する。これにより、ドライバは、予め設定されたプログラム番号に基づくプログラムを実行し、DDモータ31を駆動制御し、ひいては回転テーブル33に所望の回転動作を行わせる(例えば、特許文献1参照)。
ここで、ドライバ34には、ハンディタイプのターミナル36を接続することができるようになっている。ターミナル36は移動角度や移動時間等の具体的な数値であるパラメータを指定するものである。すなわち、ユーザは、ターミナル36によって、ドライバ34にカム曲線の種別とパラメータとを組み合わせた新規プログラムを記憶させ、その新規プログラムにプログラム番号を割り振る。一方、シーケンサ35には、その新規プログラムのプログラム番号を指定できるようにシーケンスプログラムを組み込む。
そして、使用時にはシーケンサ35からプログラム番号を指示し、起動信号を与えることにより、DDモータ31をカム曲線に従って円滑に動作させることができる。
特開平10−149218号公報
ドライバ34はDDモータ31に1対1で対応付けられている。したがって、ターミナル36を必要に応じて接続し、予め動作プログラムを設定しておかないと、DDモータ31に所望の動作を行わせることができない。しかしながら、動作パターンの変更の度にいちいちターミナル36を接続し、動作プログラムの設定をしなければならないとすれば、設定変更が煩雑なものとなる。特に、DDモータ31は、実際の作業現場においては、多数台設置されていることが一般的であるため、各DDモータ31の設置箇所を巡って毎回設定作業を行うことは煩雑である。
この問題を解消するために、ドライバ34に、ターミナル34に代えて、モーションコントローラなどの上位コントローラ37を接続することができるようになっている。この場合、ドライバ34には上位コントローラ37から任意のパルスが与えられる。このパルス信号は例えば1パルスを所定角度として設定されており、当該上位コントローラ37から直接DDモータ31をパルス信号によって駆動制御するものである。このように構成することで、遠隔操作によってDDモータ31を制御することができる。
しかしながら、上位コントローラ37から直接DDモータ31を制御するものでは、ドライバ34に予め記憶されているカム曲線プログラムを使用することがない。そのため、ドライバ34が有するコントローラ機能が生かされず、ドライバ34のコントローラ機能と上位コントローラ37のコントローラ機能とが並存する結果、コスト面では不利なものとなるし、上位コントローラ37において直接DDモータ31を制御する場合にはそのパルス指令態様を工夫しなければDDモータ31の円滑な動作ができない。単に目標位置に至るまでパルス信号を必要数与えるのみでは回転開始時や回転停止時などにおいて動作がぎくしゃくし、停止ショックなどが避けられないためである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ドライバが保有するカム曲線の基本動作プログラムを有効利用しつつ、設定作業の簡素化及びコスト増大の抑止を図ることのできるモータ制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.モータ(DDモータ12)に接続されるドライバ(ドライバ15)と、複数台のドライバと接続可能なI/O機器(シーケンサ21)とを備え、ドライバがI/O機器からのオンオフ信号を入力し、I/O機器からのオンオフ信号が起動信号である場合に、所定の動作パターンに対応した制御信号を与えてモータを当該動作パターンにて動作させるモータ制御装置であって、
前記ドライバは、前記モータの駆動開始時及び駆動停止時における速度変化を緩やかにしたカム曲線からなる基本動作プログラム(図3参照)を複数種記憶したメモリ(メモリ18)を有し、
前記I/O機器から出力されるオンオフ信号をバイナリコードとして使用し、このオンオフ信号の組合せによって、前記基本動作プログラムの選択信号及び前記モータの移動時間等のパラメータ信号としてI/O機器から出力する(図4参照)ようにし、
前記ドライバは、前記I/O機器から入力したオンオフ信号によって、選択された基本動作パターンに、指定されたパラメータを反映させた動作パターンを設定する(制御回路16の処理機能)ことを特徴とするモータ制御装置。
手段1によれば、I/O機器からの起動信号に基づき、ドライバはモータが所定の動作パターンで動作するように制御信号を与える。ここで、I/O機器からはオンオフ信号が出力されるが、これをバイナリコードとして使用し、このオンオフ信号の組合せによってメモリに格納されている基本動作プログラムの選択信号及びモータの移動時間等のパラメータ信号を生成し、これらがドライバに出力される。一方、ドライバは、選択信号及びパラメータ信号から、メモリに格納されている基本動作プログラムのうち選択されたプログラムにパラメータを反映させた動作パターンを設定する。これにより、複数台のドライバにオンオフ信号を与える統括管理機能を有したI/O機器を介して、カム曲線や移動時間等が異なる任意の動作パターンを指示することができ、ドライバに直接ユーザがターミナル等を接続しながらその都度動作パターンを教示する作業が不要となる。また、メモリに格納されているカム曲線の基本動作プログラムを利用することができるので、カム曲線による動作を実現するためのモータ動作の詳細な教示を行わなくてもモータを円滑に動作させることができる。
手段2.前記ドライバは1台の前記モータを制御するものである上記手段1のモータ制御装置。
手段2によれば、ドライバはモータと1対1で対応付けられている。このようにすることにより、ドライバ性能を簡易なものとすることができ、モータの設置数に対して比較的安価に対応することができる。但し、この場合においてドライバ個々での詳細な設定が必要となると設定作業が煩雑になるが、複数のドライバを統括管理できるI/O機器によって基本動作プログラムの選択やパラメータの指令を行うことで、ドライバとモータとを1対1で対応付けたことの利点を残しながら設定作業性を向上することができる。
手段3.前記I/O機器と前記ドライバとは、複数の信号線(図4参照)によって接続されており、前記I/O機器は各信号線にオンオフ信号を出力することにより、前記ドライバはオンオフ信号を並列で入力する上記手段1又は2のモータ制御装置。
手段3によれば、I/O機器からのオンオフ信号を、バイナリコードの並列信号として処理することが可能となり、数値指令やフラグ指令などを容易にかつ同時に行うことが可能となる。
手段4.前記パラメータは、前記モータの目標位置(第2回転位置P2)までの移動量(移動角度)と、その目標位置までの移動時間とからなる上記手段1乃至3のいずれかのモータ制御装置。
手段4によれば、カム曲線の基本動作プログラムに対して、移動量と移動時間とを含むパラメータを指示することにより、実際の動作パターンを得ることができる。
手段5.前記ドライバは、前記移動量の単位(「度」、「パルス」又は「割出数」)の選択結果、前記移動時間の単位(「秒」又は「rpm」)の選択結果及び前記モータの位置を絶対位置とするか相対位置とするかの選択結果を前記メモリに格納するものであり、さらにこれらの選択を実行する選択手段(ターミナル20)を有する上記手段4のモータ制御装置。
手段5によれば、移動量や移動時間の単位などを選択手段によって選択でき、これがメモリに格納されることにより、予めこれらの選択を行うようにしておけば、I/O機器からの移動量や移動時間などの単位を数値とともに送信しなくても済み、ドライバへの送信信号数を低減することができる。また、上記単位などは一旦設定してしまえばその都度変更する性質のものではないので、日常の作業負荷が増大することはない。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、回転テーブルをダイレクトに回転駆動するDDモータの制御装置に適用したものである。
図1及び図2に示すように、回転テーブル装置11はサーボモータとしてのDDモータ12を備えている。DDモータ12の出力部又は出力軸部を構成するロータ13には、平面形状が円形の回転テーブル14が連結されている。ロータ13は中空軸となっており、その中空部に連通するように、回転テーブル14の中心部には上下に貫通する貫通孔14aが形成されている。回転テーブル14の周縁部にはワークWが設置されている。そして、ロータ13の中空部及び貫通孔14aを介して例えばワークWの有無や位置を検知するためのセンサの配線等を通すことができるようになっている。
回転テーブル14は、例えば、図2に示したように、第1角度位置P1から第2角度位置P2まで回転し、その後、第2角度位置P2から第1角度位置P1へ復帰するというようなカム動作を行うものである。そのカム動作を実現するために、DDモータ13には、ドライバ15が電気的に接続されている。
ドライバ15は1台のDDモータ13を駆動制御する制御装置であり、1台のDDモータ13に対し1台のドライバ15が対応付けられている。ドライバ15には、制御回路16及び駆動回路17が内蔵されている。制御回路16には、演算処理を実行するCPUの他、メモリ18が備えられている。制御回路16は、メモリ18内に格納されている各種制御プログラム及び各種データに従って制御信号を駆動回路17に出力する。駆動回路17は、制御回路16からの制御信号に基づいた駆動電流をDDモータ12に出力し、DDモータ12に所定の動作を行わせる。
DDモータ13には回転角検出器としてのレゾルバ19が内蔵されている。レゾルバ19は、DDモータ19の回転軸の回転角を検出し、検出信号(レゾルバ信号)を制御回路16に出力する。なお、図示しないがレゾルバ19と制御回路16との間にはレゾルバ信号をデジタル信号に変換するR/Dコンバータが接続されている。制御回路16は、レゾルバ19からの検出信号に基づいてDDモータ12のロータ13の回転角を検出し、この検出結果を受けて前記制御信号に反映させるフィードバック制御を実行する。
ここで、ドライバ16には図示しないシリアルポートが設けられており、そのシリアルポートを介して、従来技術と同様、ハンディタイプのターミナル20が接続可能となっている。そして、ドライバ16にターミナル20が接続されると、ターミナル20とドライバ16との間でシリアル通信可能な状態となる。ターミナル20は、ユーザによりDDモータ12の動作を教示すべく各種パラメータを設定することができるように構成された周知のものを基本としており、ユーザにより設定された各種パラメータは、制御回路16のメモリ18内に格納される。
さらに、ターミナル20によって、DDモータ12の移動角度の単位として、「度」、「パルス」又は「割出数」のいずれかが選択でき、移動角度の指定方法として、「アブソリュート」又は「インクリメンタル」のいずれかが選択でき、移動時間の単位として、「秒」又は「rpm」のいずれかが選択できる機能が付加されている。なお、「割出数」とは、ロータ13の1回転(1周)を基準として、これを周方向に等分割した場合の分割数を意味する。これらの選択結果は、メモリ18内に格納される。したがって、ターミナル20によって、移動角度や移動時間の単位を設定したり、移動角度の指定方法を設定することで、ユーザの好みに合わせた単位や指定方法でのモータ制御指令が可能となる。
制御回路16のメモリ18内には、DDモータ12にカム動作を行わせるべく、カム曲線の基本パターンとなる基本動作パターンプログラムが複数パターン記憶されている。そして、適宜これら複数の基本動作パターンの中から必要なカム曲線が選択されるようになっている。具体的には、図3に示すように、「変形正弦」、「変形台形」、「変形等速度」、「トラペクロイド」の各基本動作パターンが記憶されており、より詳細には、図示されている加速度曲線とプログラム番号とが対応付けられた状態で記憶されている。なお、速度曲線は、ロータ13(回転テーブル14)の実際の速度変化を表しており、このような速度変化は、対応する加速度曲線のとおりの加速度制御を行うことによって実現される。
ドライバ15には、図示しないI/Oポートを介して、シーケンサ21が接続されている。図1に示すように、シーケンサ21は複数台のドライバ15と接続されており、各DDモータ12の動作を統括管理するものである。シーケンサ21とI/Oポートとは50ピン等の多ピン構造のコネクタ22(図4参照)を介して接続されており、シーケンサ21からのオンオフ信号による起動信号に基づき、制御回路16は駆動回路17に制御信号を出力する。
シーケンサ21から出力されるのはオンオフ信号であるため、コネクタ22のピン数分のオンオフ信号が一度に並列に送信できる最大数となっている。なお、従来では、例えば4ピンを使用してターミナル20によって設定されたプログラム番号を選択するようにしていた。一方、本実施の形態のシーケンサ21では、さらに、メモリ18に記憶されたプログラム番号(本実施の形態では「1」〜「4」)を指定すべくプログラム番号に対応したオンオフ信号を出力することができ、またDDモータ12に所望するカム動作を行わせるためのパラメータもオンオフ信号により出力することができるようになっている。
すなわち、シーケンサ21からは、プログラム番号を指示することにより、前記各基本動作パターンのいずれかが選択される。また、パラメータとして、移動角度や移動時間を指示することにより、選択された基本動作パターンに、それらパラメータが反映された動作パターンが決定される。図3の速度曲線に基づき説明すれば、速度曲線における横軸の長さが移動時間に対応し、横軸と速度変化曲線とで形成される面積が移動角度(移動量)に対応する。従って、基本動作パターンの選択とこれら2つのパラメータの設定によって、必要な動作パターンを一義的に決定付けることができる。
ここで、シーケンサ21から出力できるのはオンオフ信号だけであるが、これを「0」「1」のバイナリコード(2値コード)とみなして使用すれば、シーケンサ21からドライバ15に対する数値を含めたパラメータの設定も可能となる。具体的には、シーケンサ21とドライバ15とは、上述のとおり、50ピン等の多ピン構造のコネクタ22を介して接続されている。本実施の形態では、シーケンサ21からドライバ14への出力のために使用されるピンのうち、12ピンをパラメータ指定のための専用ピンとして使用される。
より詳細には、図4に示すように、コネクタ22のピン番号n〜n+7までを数値指定に用い、ピン番号n+8を移動角度フラグ、ピン番号n+9を移動時間フラグ、ピン番号n+10を小数点フラグ、ピン番号n+11をマイナスフラグとして使用する。ピン番号n〜n+7では、オン信号を「1」、オフ信号を「0」とする8ビットのバイナリコードとして使用することで、「0」〜「255」までの256通りの数値指定が可能となる。
また、ピン番号n+8〜n+11では、それぞれオン信号出力で「1」(フラグ有り)とし、オフ状態で「0」(フラグなし)として使用することで、ピン番号n〜n+7の数値の意味を指定するものである。すなわち、角度設定フラグが「1」の場合には数値データは移動角度を指定するためのものであると判断される。また、時間設定フラグが「1」の場合には数値データは移動時間を指定するためのものであると判断される。また、小数点フラグが「1」の場合には数値データは小数点以下の数値を指定するものであると判断される。さらに、マイナスフラグが「1」の場合には数値データがマイナスの数値を意味するものであると判断される。マイナスフラグについては、図2における回転方向について、時計周りを正回転方向とし、反時計周りを逆回転方向として考えて設定されており、逆回転方向へ回転テーブル14を回転させたい場合には、マイナスフラグに「1」を設定するものである。
以下に、シーケンサ21によるドライバ15の設定処理、及びその設定処理結果に基づくドライバ15によるDDモータ12の駆動制御の流れについて、図2に示すように第1角度位置P1にあるワークWを反時計周りに回転させ第2角度位置P2に位置決めする場合の設定を例にとって説明する。
なお、ターミナル20において前記した単位などが予め設定されている。ここでは、移動角度の単位として「度」が、移動時間の単位として「秒」が、移動角度の指定方法として「インクリメンタル」が、それぞれ設定されているものとする。そして、この設定結果はメモリ18に格納されているものとする。
シーケンサ21からは、まずカム曲線が指定される。カム曲線の指定は、図3に示す基本動作パターンのうちから所望のカム曲線に対応したプログラム番号を指定することによって行われる。本実施の形態のようにプログラム番号種別が4パターンである場合には、2ピットのバイナリコードを用いてプログラム番号を指定することができる。このようにして指定されたプログラム番号、例えば「変形正弦」に対応したプログラム番号「1」が選択されたプログラムとしてメモリ18に格納される。
このようにして、プログラム番号が指定された後、移動角度の設定処理が実行される。ここでは、移動角度として「−90度」を設定するので、シーケンサ21からは、数値データとして「90」を示すバイナリコードである「1011010」を出力し、角度設定フラグを「1」とし、マイナスフラグを「1」とする。すなわち、ピン番号n〜n+11からは「010110101001」のオンオフ信号が出力される。この信号を受けて、ドライバ15は、メモリ18に、移動角度が「−90度」である旨を格納する。
次いで、移動時間の設定処理が実行される。ここでは、移動時間として「1.5秒」を設定するので、シーケンサ21からは、小数点以上の数値データとして「1」を示すバイナリコードである「1」を出力し、時間設定フラグを「1」とする。すなわち、ピン番号n〜n+11からは「000000010100」のオンオフ信号が出力される。この信号を受けて、ドライバ15は、メモリ18に、移動時間が「1秒」である旨を格納する。続けて、シーケンサ21からは、小数点未満の数値データとして「5」を示すバイナリコードである「100」を出力し、時間設定フラグを「1」とするとともに小数点フラグを「1」とする。すなわち、ピン番号n〜n+11からは「000001000110」のオンオフ信号が出力される。この信号を受けて、ドライバ15は、メモリ18に、移動時間が「0.秒」である旨を格納する。これら連続した移動時間についての指令を受けたドライバ15は、移動時間が「1秒」と「0.5秒」との加算結果である「1.5秒」であるとして、メモリ18に格納する。
以上のように、プログラム番号「1」、移動角度「−90度」、移動時間「1.5秒」との指令がシーケンサ21からのオンオフ信号によってドライバ15に設定されることにより、ドライバ15は、基本動作パターンである変形正弦の加速度曲線に、パラメータである移動角度及び移動時間を反映させた動作パターンを得て、メモリ18に格納する。その後、シーケンサ21からの起動信号を受けて、制御回路16はその動作パターンに対応する制御信号を駆動回路17へ出力する。そして、制御信号を受けた駆動回路17は制御信号に相対する駆動電流をDDモータ12へ与える。制御回路16はレゾルバ19からのレゾルバ信号をフィードバックしながらDDモータ12にカム動作を行わせ、第2角度位置P2において停止させることになる。
なお、以上説明したシーケンサ21からの出力設定、すなわち基本動作パターンとしてのプログラム番号の変更や、移動角度及び移動時間に関するパラメータの変更は、図示しない上位コントローラからの指示によって適宜行うことができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
本実施の形態では、I/O機器としてのシーケンサ21から基本動作パターンのプログラムの選択のみならず、移動角度や移動時間のパラメータも含めてドライバ15に指示することができる。したがって、ターミナル20を接続してドライバ15に移動角度や移動時間等のパラメータをその都度設定する必要がなくなり、DDモータ12における駆動態様の任意の変更に対して柔軟に対応することができる。
それにもかかわらず、ドライバ15(メモリ18)が予め記憶しているカム曲線の基本動作パターンを活用することができるため、従来のように上位コントローラによってモータ動作をパルス指令によって行うことにより生じていた円滑さに欠ける動作はなくなる。
ターミナル20では、移動角度の単位、移動時間の単位、移動角度の指定を予め設定する役割を担う。これにより、ユーザの好みの単位や指定方法を用いることができ、使用環境に柔軟に対応することができる。また、このような基本的な単位などはその都度変更する性質のものではないため、DDモータ12の導入時に一度だけ行えばよく、ターミナル20を接続しての日常の作業負担を増大させることにはならない。また、このようにターミナル20によって予め単位などを決定しておけば、シーケンサ21からは単位等に関する固定的な情報を毎回ドライバ15に与えなくて済むため、システム全体としては各種単位等に対応しながらもシーケンサ21からドライバ15への信号数を低減させることができる利点がある。
以上の利点を、ドライバ15のハード構成を従来のものと変更することなく実現することができ、コスト面で有利となる。
なお、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施の形態とすることもできる。
上記実施の形態では、パラメータとして、移動時間及び移動角度を設定するようにしたが、移動角度及び最高速度を設定するようにしてもよい。この場合、最高速度は図3の速度曲線における最大値を意味するものであり、これと移動角度をパラメータとして与えることによって、基本動作パターンとしてのカム曲線が決定されれば、動作パターンが一義的に決定される。
上記実施の形態では、I/O機器としてシーケンサ21を利用したが、ドライバ15に起動指令その他の動作指令を行う他のI/O機器を利用してもよい。
上記実施の形態では、ドライバ15のメモリ18に予め4パターンのカム曲線を記憶させていたが、予め記憶させるカム曲線のパターン(基本動作パターン)は、3パターン以下であってもよいし、5パターン以上であってもよい。
上記実施の形態では、ターミナル20によって、移動角度や移動時間の単位の変更、移動角度をアブソリュート式とするかインクリメンタル式とするかの選択ができるようにしていたが、必ずしもこれらの選択ができなくてもよい。また、これらの選択を、ターミナル20に代えて、例えばドライバ15に備えたスイッチ等の操作部によって行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、回転テーブル14上にワークWを設置したが、ワークWに代えて作業機器を設置するものであってもしてもよい。この場合、作業機器に接続される配線類や配管類は貫通孔14a及びロータ13の中空部を介して外部へ導出することができる。
上記実施の形態では、回転テーブル14をダイレクトに回転駆動するDDモータ12に適用したが、ロータ13に直接連結される負荷が回転テーブル14である必要はない。また、DDモータ12以外のモータ、例えば減速機の介在が必要なサーボモータについて実施しても良い。
上記実施の形態では、回転駆動するDDモータ12に適用したが、直線駆動するリニアモータについて実施しても良い。この場合には、パラメータとして、移動量として、前記移動角度に代えて移動距離を設定することで前記実施の形態と同様の効果が得られる。
本実施の形態における回転テーブル装置及びその回転テーブル装置が備えるモータの制御システムを示すブロック図。 回転テーブル装置の平面図。 カム曲線の種類とプログラム番号との対応関係等を示す説明図。 シーケンサとドライバとの接続状況の一部を示すブロック図。 従来の回転テーブル装置及びその回転テーブル装置が備えるモータの制御システムを示すブロック図。
符号の説明
11…モータとしてのDDモータ、15…ドライバ、16…制御回路、17…駆動回路、18…メモリ、20…選択手段としてのターミナル、21…I/O機器としてのシーケンサ。

Claims (5)

  1. モータに接続されるドライバと、複数台のドライバと接続可能なI/O機器とを備え、ドライバがI/O機器からのオンオフ信号を入力し、I/O機器からのオンオフ信号が起動信号である場合に、所定の動作パターンに対応した制御信号を与えてモータを当該動作パターンにて動作させるモータ制御装置であって、
    前記ドライバは、前記モータの駆動開始時及び駆動停止時における速度変化を緩やかにしたカム曲線からなる基本動作プログラムを複数種記憶したメモリを有し、
    前記I/O機器から出力されるオンオフ信号をバイナリコードとして使用し、このオンオフ信号の組合せによって、前記基本動作プログラムの選択信号及び前記モータの移動時間等のパラメータ信号としてI/O機器から出力するようにし、
    前記ドライバは、前記I/O機器から入力したオンオフ信号によって、選択された基本動作パターンに、指定されたパラメータを反映させた動作パターンを設定することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記ドライバは1台の前記モータを制御するものである請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記I/O機器と前記ドライバとは、複数の信号線によって接続されており、前記I/O機器は各信号線にオンオフ信号を出力することにより、前記ドライバはオンオフ信号を並列で入力する請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記パラメータは、前記モータの目標位置までの移動量と、その目標位置までの移動時間とからなる請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ制御装置。
  5. 前記ドライバは、前記移動量の単位の選択結果、前記移動時間の単位の選択結果及び前記モータの位置を絶対位置とするか相対位置とするかの選択結果を前記メモリに格納するものであり、さらにこれらの選択を実行する選択手段を有する請求項4記載のモータ制御装置。
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