JP2006313689A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力特性が向上された燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質膜6と、前記電解質膜6の一方の面に形成されたアノード5と、前記電解質膜6の反対側の面に形成されたカソード3とを含み、前記カソード3で生成した水を前記電解質膜6を拡散させて前記アノード5に供給する燃料電池であって、前記電解質膜6上に前記アノード5の周囲を囲むように配置され、吸水領域を有するアノードシール材7bを具備することを特徴とする燃料電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体燃料か、もしくは液体燃料を気化させた気化燃料を使用する燃料電池に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の各種電子機器は、半導体技術の発達と共に小型化され、燃料電池をこれらの小型機器用の電源に用いることが試みられている。燃料電池は、燃料と酸化剤を供給するだけで発電することができ、燃料のみを交換すれば連続して発電できるという利点を有しているため、小型化が出来れば携帯電子機器の作動に極めて有利なシステムといえる。特に、直接メタノール型燃料電池(DMFC;direct methanol fuel cell)は、エネルギー密度の高いメタノールを燃料に用い、メタノールから電極触媒上で直接電流を取り出せるため、改質器も不要なことから小型化が可能であり、燃料の取り扱いも水素ガス燃料に比べて容易なことから小型機器用電源として有望である。
DMFCの燃料の供給方法としては、液体燃料を気化してからブロワ等で燃料電池内に送り込む気体供給型DMFCと、液体燃料をそのままポンプ等で燃料電池内に送り込む液体供給型DMFC、更に、特許文献1に開示されているように、セル内で液体燃料を気化させてアノードに供給する内部気化型DMFC等が知られている。
特許文献1に示す内部気化型DMFCは、液体燃料を保持する燃料浸透層と、燃料浸透層中に保持された液体燃料のうち気化成分を拡散させるための燃料気化層とを備えるもので、気化した液体燃料が燃料気化層から燃料極に供給される。特許文献1では、液体燃料としてメタノールと水が1:1のモル比で混合されたメタノール水溶液が使用され、メタノールと水の双方を気化ガスの形で燃料極に供給している。
このような特許文献1に示す内部気化型DMFCによると、高い出力特性を得られなかった。水はメタノールに比べて蒸気圧が高く、水の気化速度はメタノールの気化速度に比べて遅いため、メタノールも水も気化によって燃料極に供給しようとすると、メタノール供給量に対する水の相対的な供給量が不足する。その結果、メタノールを内部改質する反応の反応抵抗が高くなるため、十分な出力特性を得られなくなるのである。
特許公報第3413111号
本発明は、出力特性が向上された燃料電池を提供するものである。
本発明に係る燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に形成されたアノードと、前記電解質膜の反対側の面に形成されたカソードとを含み、前記カソードで生成した水を前記電解質膜を拡散させて前記アノードに供給する燃料電池であって、
前記電解質膜上に前記アノードの周囲を囲むように配置され、吸水領域を有するアノードシール材を具備することを特徴とするものである。
気化によらない水供給方法として、カソード(酸化剤極)で生成した水を電解質膜を拡散させてアノード(燃料極)に供給する機構を設けることが挙げられる。具体的には、カソードにおいて生成した水の蒸散を抑止する保湿板の使用、高濃度な液体燃料の使用等により、カソードの水保持量をアノードの水保持量よりも多くして浸透圧現象を利用し、カソード中の水を電解質膜を拡散させてアノードに供給することが可能である。
しかしながら、この燃料電池においては、電解質膜が厚いと水拡散が生じ難く、電解質膜が薄いとアノードに過剰な水が供給され、電解質膜の厚さによりアノードへの水供給量が変動するという課題がある。
本発明のように、電解質膜上にアノードの周囲を囲むように配置したアノードシール材に吸水領域を形成することによって、電解質膜の厚さに拘わらず、アノードに適量の水を安定して供給することができ、高出力を得ることができる。すなわち、電解質膜が厚いときには水拡散が起こり難いために電解質膜の水保持量が不足するが、アノードシール材の吸水領域に保持された水が毛細管現象により電解質膜に供給され、電解質膜で間接的にアノードを加水することができるため、高出力を得ることができる。一方、電解質膜が薄い時には水拡散が促進されるが、余剰の水がシール材の吸水領域に吸収されるため、燃料の希釈が抑えられ、高出力を得ることができる。電解質膜からの給排水を円滑に行うため、吸水領域は電解質膜と接する面から反対側の面までを貫通していることが望ましい。
なお、電解質膜の厚さが100μmを超えている際には、シール材から電解質膜への水供給を十分なものとするために、シール材の吸水領域に水を供給するための水供給手段を備えることが望ましい。
一方、電解質膜の厚さが100μm以下の際には、電解質膜からシール材への水拡散を促進するために、シール材の吸水領域に保持された水を回収するための水回収手段を備えることが望ましい。
本発明によれば、出力特性が向上された燃料電池を提供することができる。
本発明に係る燃料電池は、カソード触媒層と、アノード触媒層と、カソード触媒層とアノード触媒層の間に配置されるプロトン伝導性膜とを具備するものである。カソード触媒層にはカソードガス拡散層を積層し、かつアノード触媒層にはアノードガス拡散層を積層することが望ましい。カソードガス拡散層は、カソード触媒層に酸化剤(酸化性ガス)を均一に拡散させるためのものであり、アノードガス拡散層は、アノード触媒層に燃料を均一に拡散させるためのものである。酸化剤としては、例えば、空気、酸素等の還元されやすいガス状物質を挙げることができる。酸化剤は、エアポンプ等を用いて強制的に供給しても良いが、開口部から外気を直接取り込む構成にすることも可能である。燃料には、例えば、メタノール等の酸化されやすい物質を用いることが可能であり、純メタノールやメタノール水溶液のような液体燃料や、前記液体燃料を気化させた気化燃料を使用することができる。メタノール水溶液の濃度は50モル%を超える高濃度にすることが望ましい。また、純メタノールの純度は、95重量%以上100重量%以下にすることが望ましい。これにより、エネルギー密度が高く、かつ出力特性に優れた燃料電池を実現することができる。
本発明の燃料電池の実施形態を図1及び図2に示す。
図1は、本発明の実施形態に係る直接メタノール型燃料電池を示す模式的な断面図である。図2は図1のアノード及びアノードシール材を示す模式的な平面図である。図3は、図2のアノードシール材の辺部分の吸水領域を示す拡大斜視図である。図4は、図2のアノードシール材の厚さ方向に沿う断面図である。図5は、図1の水供給手段の構成例を示す模式的な斜視図である。図6は、図1の水供給手段の別な構成例を示す模式的な斜視図である。図7は、図1の直接メタノール型燃料電池の発電原理を説明するための模式図である。
図1及び図2に示すように、膜電極接合体(MEA)1は、カソード触媒層2a及びカソードガス拡散層2bからなるカソード(酸化剤極)3と、アノード触媒層4a及びアノードガス拡散層4bからなるアノード(燃料極)5と、カソード触媒層2aとアノード触媒層4aの間に配置されるプロトン伝導性の電解質膜6とを備えるものである。
カソード触媒層2aは、カソード触媒粒子及びプロトン伝導性樹脂を含むことが望ましい。一方、アノード触媒層4aは、アノード触媒粒子及びプロトン伝導性樹脂を含むことが好ましい。
カソード触媒及びアノード触媒としては、例えば、白金族元素の単体金属(Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等)、白金族元素を含有する合金などを挙げることができる。カソード触媒には、白金を用いることが望ましいが、これに限定されるものでは無い。アノード触媒には、メタノールや一酸化炭素に対する耐性の強いPt−Ruを用いることが望ましいが、これに限定されるものでは無い。また、炭素材料のような導電性担持体を使用する担持触媒を使用しても、あるいは無担持触媒を使用しても良い。
カソード触媒層2a、アノード触媒層4a及びプロトン伝導性の電解質膜6に含まれるプロトン伝導性樹脂としては、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するフッ素系樹脂、スルホン酸基を有するハイドロカーボン系樹脂、タングステン酸やリンタングステン酸などの無機物等を使用しても良い。中でも好ましいのは、パーフルオロカーボンスルホン酸である。
カソード触媒層2aはカソードガス拡散層2bに積層され、かつアノード触媒層4aはアノードガス拡散層4bに積層されている。カソードガス拡散層2bはカソード触媒層2aに酸化剤を均一に供給する役割を担うものであるが、カソード触媒層2aの集電体も兼ねている。一方、アノードガス拡散層4bはアノード触媒層4aに燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層4aの集電体も兼ねている。カソードガス拡散層2b及びアノードガス拡散層4bには、例えば、多孔質カーボンペーパを使用することができる。なお、カソード及びアノードの導電性を向上させるために、カソードガス拡散層2b及びアノードガス拡散層4bそれぞれにAu多孔質板のような金電極を配置しても良い。
矩形枠状のカソードシール材7aは、プロトン伝導性電解質膜6上にカソード3の周囲を囲むように形成されている。一方、矩形枠状のアノードシール材7bは、プロトン伝導性電解質膜6上にアノード5の周囲を囲むように形成されている。カソードシール材7a及びアノードシール材7bは、膜電極接合体1からの燃料漏れ及び酸化剤漏れを防止するためのオーリングとして機能する。
膜電極接合体1のアノード側(図1では膜電極接合体1の下方)には、液体燃料タンク8が配置されている。液体燃料タンク8は、燃料補給口9と、液体のメタノールあるいはメタノール水溶液が収容された液体燃料収容部10とを具備する。液体燃料タンク8とアノード5との間には、液体燃料の気化成分のみを透過させて、液体燃料は透過できない、気液分離膜11が配置されている。液体燃料収容部10の液体燃料のうち気化成分のみが気液分離膜11を透過し、アノード5に気化燃料を供給することが可能となる。ここで、液体燃料の気化成分とは、液体燃料として液体のメタノールを使用した場合、メタノール蒸気を意味し、液体燃料としてメタノール水溶液を使用した場合にはメタノール蒸気と水の蒸気からなる混合ガスを意味する。気液分離膜11には、例えば、撥水性の多孔質膜を使用することができる。水供給手段としての水タンク12は、液体燃料タンク8の液体燃料収容部10に隣接して配置され、かつ気液分離膜11と対向している。
一方、膜電極接合体1のカソード3側(図1において膜電極接合体1の上方)には、保湿板13が積層されている。酸化剤である空気を取り入れるための空気導入口14が複数個形成されたカバー15は、保湿板13の上に積層されている。カバー15は、膜電極接合体1を含むスタックを加圧してその密着性を高める役割も果たしているため、例えば、SUS304のような金属から形成される。保湿板13は、カソード触媒層2aにおいて生成した水の蒸散を抑止する役割をなすと共に、カソードガス拡散層2bに酸化剤を均一に導入することによりカソード触媒層2aへの酸化剤の均一拡散を促す補助拡散層としての役割も果たしている。
アノードシール材7bは、図2〜図4に示すように、電解質膜6と対向する面から反対側の面までを貫通している吸水領域を備えている。吸水領域は、吸水部材16と、第1の給排水通路17と、第2の給排水通路18とを有する。吸水部材16は、矩形枠状で、その断面が円形である。吸水部材16の一部が電解質膜6の端部(水タンク12と対応する短辺側端部)まで延出して接し、第1の給排水通路17を構成している。吸水部材16のうちの第1の給排水通路17の反対側は、気液分離膜11を貫通して水タンク12まで延びて第2の給排水通路18として機能する。シールゴム層19は、第1の給排水通路17の端部が表出すると共に第2の給排水通路18の端部が外部に突き出るようにして、吸水部材16の最外周を被覆している。アノードシール材7bは、電解質膜6と水タンク12との給排水経路として機能すると共に、給排水経路が形成されていない箇所ではシールゴム層19が電解質膜6と接しているため、ガス漏れと液体漏れを防止するシール材として機能することができる。
吸水部材16、第1の給排水通路17及び第2の給排水通路18は、吸水性材料から形成することができる。吸水性材料は、耐メタノール性を有し、かつ多孔質の材料であれば何ら特定されるものではないが、気孔率が50%以上の樹脂材料が好ましい。
シールゴム層19は、ガスシール性、耐湿性、耐熱性、耐酸性および弾性を有する材料から形成することができる。例えば、フッ素ゴムなどを挙げることができる。
吸水部材16とシールゴム層19との割合は、シール性を損なうことなく、電解質膜からの給排水を行うことができるものであれば特に限定されるものではないが、吸水部材16の円形断面の直径r1を1〜3mmにし、かつシールゴム層19の外周直径r2を2〜5mmにすることが望ましい。
水タンク12には、筐体と、筐体内に充填された吸水材とを備えるものを使用することができ、吸水材に外部から水を供給する外部供給方式か、予め水分を含浸した吸水材を使用するカートリッジ方式を採用することができる。外部供給方式の例を図5に、カートリッジ方式の例を図6に示す。
図5に示す水タンク12は、注入口20を有する筐体21と、筐体21内に充填された吸水材(図示しない)とを具備する。水ボトル22等で筐体21の注入口20から水を供給し、吸水材に吸収させることで水タンク12とする。
図6に示す水タンク12は、筐体23と、筐体23内に充填され、予め水分を含浸した吸水材24とを備えるものである。
このような構成の燃料電池において、電流(電子の流れ)を生じるいわゆる発電反応が起きる様子を詳述すると、以下のようになる。
液体燃料タンク8の液体燃料収容部10の液体燃料は、その気化成分が気液分離膜11を通してアノード(燃料極ともいう)触媒層4aに供給される。アノード触媒層4aにおいては、燃料の酸化反応によってプロトン(H+;水素イオンともいう)と電子(e-)を生成する。例えば、燃料としてメタノールを用いた場合に、アノード触媒層4aで起こる反応は下記(1)式の通りである。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- (1)
アノード触媒層4aで生成したプロトン(H+)は、プロトン伝導性膜6を通じてカソード(空気極ともいう)触媒層2aへ拡散する。また同時に、アノード触媒層4aで生成した電子は、燃料電池に接続された外部回路25を流れ、外部回路25の負荷(抵抗等)に対して仕事をし、カソード触媒層2aに流入する。
カソード触媒層2aには、カソードガス拡散層2bから、空気などの酸化性ガスが供給されており、上記の、プロトン伝導性膜6を通じて拡散してきたプロトン(H+)と、外部回路25を流れてきた電子(e-)と共に、還元反応を起こし、反応生成物を生成する。例えば、カソード触媒層2aに酸化性ガスとして空気を供給した場合、空気に含まれる酸素がカソード触媒層2aで生じる反応は下記(2)式の通りで、この場合は反応生成物は水(H2O)である。
1.5O2+6H++6e- → 3H2O (2)
この(1)式と(2)式の反応とが同時に生じることにより、燃料電池としての発電反応が完結する。トータルの燃焼反応を下記(3)式に示す。
CH3OH+1.5O2 → CO2+2H2O (3)
なお、この発電反応の際に、アノード触媒層4aのH2O及びCH3OHがプロトン伝導性膜6を通じてカソード触媒層2aに拡散することがある。
カソード3とカバー15との間には保湿板13が配置されているため、カソード3からの水分の蒸発が抑制され、発電反応の進行に伴ってカソード触媒層2a中の水分保持量が増加する。このため、発電反応の進行に伴ってカソード触媒層2aの水分保持量がアノード触媒層4aの水分保持量よりも多い状態を作り出すことができる。その結果、浸透圧現象によって、カソード触媒層2aに生成した水がプロトン伝導性膜6を通過してアノード触媒層4aに移動する反応を促進することができる。
しかしながら、電解質膜6の厚さが100μmを超えている場合、カソードからアノードへの水拡散では不十分である。
アノードシール材7bの吸水部材16及び第1の給排水通路17には、水タンク12から第2の給排水通路18を通して毛細管現象により水が供給されている。この第1の給排水通路17は、電解質膜6と接しているため、毛細管現象により電解質膜6に水を供給することができる。その結果、前述した(1)式に示すメタノールの酸化反応を促すことができるため、高出力特性を長期間に亘って維持することができる。但し、電解質膜6が厚すぎると、アノードシール材7bを用いても水不足を招く恐れがあることから、電解質膜6の厚さは100μmを超え、かつ150μm以下にすることが望ましい。
また、保湿板13によりカソード3からアノード5への水拡散を促進することが可能なため、液体燃料として濃度が50モル%を超えるメタノール水溶液や純メタノールを使用した際にも高い出力特性を得ることができる。さらに、これら高濃度な液体燃料の使用により液体燃料タンクの小型化を図ることも可能である。
なお、電解質膜6の厚さが100μm以下(好ましくは50μm以上、100μm以下)の場合には、カソード3からアノード5への水拡散が過剰となる恐れがあることから、水タンク12の代わりに水回収手段として空タンクを設置することが望ましい。空タンクには、前述した図6に示すカートリッジ式の水タンクをその吸水材を乾燥させた状態にして使用することができる。
カソード3から電解質膜6に拡散した過剰量の水は、アノードシール材7bの第1の給排水通路17に吸収され、毛細管現象により吸水部材16及び第2の給排水通路18を通して空タンクの吸水材に保持される。これにより、アノード5に過剰量の水が供給されるのを回避することができるため、高出力を得ることができる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
<アノード触媒層の作製>
アノード用触媒粒子(Pt:Ru=1:1)を担持したカーボンブラックに、プロトン伝導性樹脂としてパーフルオロカーボンスルホン酸溶液(パーフルオロカーボンスルホン酸の濃度20重量%)と、分散媒として水及びメトキシプロパノールを添加し、前記触媒担持カーボンブラックを分散させてペーストを調製した。得られたペーストをアノードガス拡散層としての多孔質カーボンペーパーに塗布することにより、厚さが100μmのアノード触媒層を得た。
<カソード触媒層の作製>
カソード用触媒粒子(Pt)を担持したカーボンブラックに、プロトン伝導性樹脂としてパーフルオロカーボンスルホン酸溶液(パーフルオロカーボンスルホン酸の濃度20重量%)と、分散媒として水及びメトキシプロパノールを添加し、前記触媒担持カーボンブラックを分散させてペーストを調製した。得られたペーストをカソードガス拡散層としての多孔質カーボンペーパーに塗布することにより、厚さが100μmのカソード触媒層を得た。
<膜電極接合体(MEA)の作製>
上記のようにして作製したアノード触媒層とカソード触媒層の間に、プロトン伝導性膜として厚さが50μmで、含水率が10〜20重量%のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(商品名nafion膜、デュポン社製)を配置し、これらにホットプレスを施すことにより、30mm×30mmの膜電極接合体(MEA)を得た。
保湿板として、厚さが500μmで、透気度が2秒/100cm3(JIS P−8117に規定の測定方法による)で、透湿度が4000g/m224h(JIS L−1099 A−1に規定の測定方法による)のポリエチレン製多孔質フィルムを用意した。
カソードシール材には、矩形枠状のフッ素ゴムシートを使用した。一方、アノードシール材には、前述した図1〜図4に示す構造を有し、吸水部材16、第1の給排水通路17及び第2の給排水通路18が気孔率50%以上の多孔質ポリエステルから形成され、また、ゴムシート層19がフッ素ゴムから形成されたものを用意した。
また、気液分離膜として、厚さが200μmのシリコーンゴムシートを用意した。
空タンクには、前述した図6に示すカートリッジ式タンクを使用し、吸水材には30mm×10mmの気孔率50%以上の多孔質ポリエステルを乾燥状態で用いた。
得られた膜電極接合体を、保湿板、気液分離膜、燃料タンク及び水タンクと組み合わせて、前述した図1に示す内部気化型の直接メタノール型燃料電池を組みたてた。
(実施例2)
プロトン伝導性膜の厚さを180μmにし、吸水材に水を含浸させて水タンクを使用すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして直接メタノール型燃料電池を組みたてた。
(比較例1)
フッ素ゴムからなるアノードシール材を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして直接メタノール型燃料電池を組みたてた。
(比較例2)
フッ素ゴムからなるアノードシール材を用いること以外は、前述した実施例2で説明したのと同様にして直接メタノール型燃料電池を組みたてた。
実施例1〜2および比較例1,2の燃料電池について、燃料タンクに純度99.9重量%の純メタノールを供給し、燃料としてのメタノール蒸気がアノード触媒層に供給されるようにした。カソード触媒層に空気を供給して、25℃にて発電を行った際のセル電圧と電流との関係を図8,9に示す。図8,9の横軸が電流で、縦軸がセル電圧である。
図8から明らかなように、電解質膜の厚さが100μm以下である場合、吸水領域を有するアノードシール材を備えた実施例1の燃料電池は、吸水領域を持たないアノードシール材を備えた比較例1の燃料電池に比して電圧降下を小さくすることができる。
また、図9から明らかなように、電解質膜の厚さが100μmを超え、150μm以下である場合、吸水領域を有するアノードシール材を備えた実施例2の燃料電池は、吸水領域を持たないアノードシール材を備えた比較例2の燃料電池に比して電圧降下を小さくすることができる。
実施例2において、カートリッジ式水タンクの代わりに、外部供給方式水タンクを使用したところ、カートリッジ式水タンクの場合と同等の電流電圧特性が得られた。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に係る直接メタノール型燃料電池を示す模式的な断面図。 図1のアノード及びアノードシール材を示す模式的な平面図。 図2のアノードシール材の吸水領域の要部を示す拡大斜視図。 図2のアノードシール材の厚さ方向に沿う断面図。 図1の水タンクの構成例を示す模式的な斜視図。 図1の水タンクの別な構成例を示す模式的な斜視図である。 図1の直接メタノール型燃料電池の発電原理を説明するための模式図。 実施例1及び比較例1の直接メタノール型燃料電池の電流電圧特性を示す特性図。 実施例2及び比較例2の直接メタノール型燃料電池の電流電圧特性を示す特性図。
符号の説明
1…膜電極接合体(MEA)、2a…カソード触媒層、2b…カソードガス拡散層、3…カソード、4a…アノード触媒層、4b…アノードガス拡散層、5…アノード、6…プロトン伝導性電解質膜、7a…カソードシール材、7b…アノードシール材、8…液体燃料タンク、9…燃料補給口、10…液体燃料収容部、11…気液分離膜、12…水タンク、13…保湿板、14…空気導入口、15…カバー、16…吸水部材、17…第1の給排水通路、18…第2の給排水通路、19…シールゴム層。

Claims (4)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に形成されたアノードと、前記電解質膜の反対側の面に形成されたカソードとを含み、前記カソードで生成した水を前記電解質膜を拡散させて前記アノードに供給する燃料電池であって、
    前記電解質膜上に前記アノードの周囲を囲むように配置され、吸水領域を有するアノードシール材を具備することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記吸水領域は、前記電解質膜と接する面から反対側の面までを貫通していることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記電解質膜の厚さが100μmを超えており、前記アノードシール材の前記吸水領域に水を供給するための水供給手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池。
  4. 前記電解質膜の厚さが100μm以下で、前記アノードシール材の前記吸水領域に保持された水を回収するための水回収手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池。
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JP (1) JP2006313689A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007080776A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Nec Corp 固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池スタック及び携帯用電子機器
WO2008105182A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Kabushiki Kaisha Toshiba 燃料電池

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