JP2006312906A - 合成樹脂製インテークマニホールド構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成樹脂製のインテークマニホールドの振動を抑えて振動音や放射音の発生を抑制することができるインテークマニホールド構造を提供する。
【解決手段】合成樹脂製のインテークマニホールド1の第1および第2吸気管集合体11,12上面の中央部および後部にEDU用ブラケット43を介して第1および第2EDU41,42を取り付けるとともに、第1および第2吸気管集合体11,12上面の前部にハーネス成形用プロテクタ61を介してワイヤーハーネスを取り付けている。
【選択図】図3
【解決手段】合成樹脂製のインテークマニホールド1の第1および第2吸気管集合体11,12上面の中央部および後部にEDU用ブラケット43を介して第1および第2EDU41,42を取り付けるとともに、第1および第2吸気管集合体11,12上面の前部にハーネス成形用プロテクタ61を介してワイヤーハーネスを取り付けている。
【選択図】図3
Description
本発明は、合成樹脂製インテークマニホールド構造に関し、詳しくは、合成樹脂製インテークマニホールドの振動を抑制する対策に係わる。
従来より、エンジン部品の軽量化を図る上で、インテークマニホールドを合成樹脂により成形してなるものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−14126号公報
ところが、上記従来のものでは、インテークマニホールドが合成樹脂製により成形されているため、インテークマニホールド内で生じる吸気の圧力変動によってインテークマニホールド全体が振動し、不快な振動音や放射音が発生することになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、合成樹脂製インテークマニホールドの振動を抑えて振動音や放射音の発生を抑制することができる合成樹脂製インテークマニホールド構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、合成樹脂製インテークマニホールド構造として、合成樹脂製インテークマニホールドの外表面側に、その合成樹脂製インテークマニホールドの振動を抑制するマスダンパとして機能するエンジン構成部材を取り付けている。
この特定事項により、合成樹脂製インテークマニホールドの外表面側に取り付けたエンジン構成部材によって、合成樹脂製インテークマニホールド内での吸気の圧力変動によるインテークマニホールド全体の振動が抑えられ、合成樹脂製インテークマニホールドからの不快な振動音や放射音を抑制することが可能となる。
しかも、エンジンを構成する上で必要なエンジン構成部材がマスダンパとして使用されていることにより、エンジン重量を増加させることなく合成樹脂製インテークマニホールドからの振動音や放射音の抑制効果を得ることが可能となる。
また、エンジン構成部材の内部で発生する熱量を外部に放熱する放熱部を有し、この放熱部を合成樹脂製インテークマニホールドの内部を流通する吸気に対し臨ませている場合には、エンジン構成部材の熱量が合成樹脂製インテークマニホールドの内部を流通する吸気によって冷却され、エンジン構成部材を効果的に冷却させることも可能となる。
以上、要するに、合成樹脂製インテークマニホールドの外表面側にエンジン構成部材を取り付けることで、吸気の圧力変動によるインテークマニホールド全体の振動を抑え、エンジン重量を増加させることなく合成樹脂製インテークマニホールドからの振動音や放射音を効果的に抑制することができる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係わる合成樹脂製インテークマニホールド構造を上方から見た平面図、図2は合成樹脂製インテークマニホールド構造を車体左側方より見た左側面図である。
図1および図2において、1は合成樹脂製のインテークマニホールドであって、このインテークマニホールド1は、図示しないV型8気筒エンジンのシリンダブロック上面に結合された4気筒毎に対応する2つのシリンダヘッド間の谷部に配置されている。このV型8気筒エンジンは、図示しないクランクシャフトを車体前後方向へ延ばした縦置き式のものであって、左側のシリンダヘッド(図1では左側のシリンダヘッド)に対応するシリンダブロックの左側部分に車体前側から順に第1〜第4気筒(図示せず)が、右側のシリンダヘッド(図1では右側のシリンダヘッド)に対応するシリンダブロックの右側部分に車体前側から順に第5〜第8気筒(図示せず)がそれぞれ配列されている。また、インテークマニホールド1は、左側のシリンダヘッドの各吸気ポートにそれぞれ下流端側がフランジ結合される第1吸気管集合体11と、右側のシリンダヘッドの各吸気ポートにそれぞれ下流端側がフランジ結合される第2吸気管集合体12と、第1および第2吸気管集合体11,12の上流端に共通にフランジ結合されるサージタンク13とを備えている。
第1吸気管集合体11は、合成樹脂により形成されてなるものであり、左側のシリンダヘッドの各吸気ポート(各気筒)にそれぞれ個別に対応する4本の吸気管11a,11b,11c,11dを有し、それらの吸気管11a〜11dの下流端に共通に設けられるフランジ11eを介して上記左側のシリンダヘッドの谷部に臨む側面に結合されている。また、第2吸気管集合体12は、第1吸気管集合体11と略同一形状を有して合成樹脂により形成されてなるものであり、右側の第2シリンダヘッドの各吸気ポート(各気筒)にそれぞれ個別に対応する4本の吸気管12a,12b,12c,12dを有し、それらの吸気管12a〜12dの下流端に共通に設けられるフランジ12eを介して上記右側のシリンダヘッドの谷部に臨む側面に結合されている。すなわち、第1および第2吸気管集合体11,12は、両シリンダヘッドがなすバンク角の中心を通る平面に関してほぼ対称に配置されることになる。この場合、第1吸気管集合体11の各吸気管11a〜11dは、シリンダブロック左側部分の奇数列の気筒、つまり第1、第3、第5および第7気筒に対し車体前側から順に対応している一方、第2吸気管集合体12の各吸気管12a〜12dは、シリンダブロック右側部分の偶数列の気筒、つまり第2、第4、第6および第8気筒に対し車体前側から順に対応している。
サージタンク13は、合成樹脂により形成されてなるものであり、シリンダブロックの気筒配列方向に沿って延びて第1吸気管集合体11および第2吸気管集合体12の下方に配置されている。そして、サージタンク13の下流端には、第1吸気管集合体11の4本の吸気管11a〜11dの上流端および第2吸気管集合体12の4本の吸気管12a〜12dの上流端がそれぞれ結合されている。また、サージタンク13の上流端には、スロットルボディ31が結合されている。
そして、インテークマニホールド1の外表面側となる第1吸気管集合体11(4本の吸気管11a〜11d)および第2吸気管集合体12(4本の吸気管12a〜12d)の上面側には、エンジン構成部材としての第1および第2EDU41,42(電子駆動ユニット)が配置されている。この第1および第2EDU41,42は、左右の第1および第2シリンダヘッドの燃焼室、つまり奇数列の気筒と偶数列の気筒に対応する燃焼室(図示せず)に対し燃料を直接噴射する燃料噴射弁(図示せず)の駆動を2系統で制御するものである。つまり、第1EDU41は、第1吸気管集合体11の第1、第3、第5および第7吸気管11a〜11dがそれぞれ個別に対応する奇数列の気筒の燃焼室に対し燃料を噴射する燃料噴射弁の駆動を制御し、第2EDU42は、第2吸気管集合体12の第2、第4、第6および第8吸気管12a〜12dがそれぞれ個別に対応する気筒の燃焼室に対し燃
料を噴射する燃料噴射弁の駆動を制御している。
料を噴射する燃料噴射弁の駆動を制御している。
第1および第2EDU41,42は、薄箱形状を呈し、その四隅よりそれぞれ外方(図1では左右方向)に突出する支持片41a,42aを有している。第1EDU41は、第1吸気管集合体11および第2吸気管集合体12の上面側に配された一枚板よりなるEDU用ブラケット43の前部に対し各支持片41aを上下方向に貫通するボルト44によって取り付けられている一方、第2EDU42は、上記EDU用ブラケット43の後部に対し各支持片42aを上下方向に貫通するボルト44によって取り付けられている。また、インテークマニホールド1の第1吸気管集合体11上面の第3吸気管11bと第5吸気管11cとの上流端側付近、第2吸気管集合体12上面の第2吸気管12aと第4吸気管12bとの上流端側付近、並びに第2吸気管集合体12上面の第8吸気管12dの上流端側付近および下流端側付近の4箇所には、上方へ突出するボス部51がそれぞれ一体的に設けられ、これらの各ボス部51内にはナット(図示せず)が封入されている。そして、EDU用ブラケット43は、上記各ボス部51のナットに対しそれぞれボルト52によって取り付けられている。つまり、第1および第2EDU41,42は、EDU用ブラケット43を介してインテークマニホールド1の第1および第2吸気管集合体11,12上面の中央部および後部に取り付けられている。
そして、第1および第2EDU41,42は、その質量が500〜700gあり、EDU用ブラケット43の質量と合わせて1600〜2000gのマスダンパとして、合成樹脂製のインテークマニホールド1の中央部(第1吸気管集合体11の第3および第5吸気管11b,11c付近並びに第2吸気管集合体12の第4吸気管12b付近)および後部(第1吸気管集合体11の第7吸気管11d付近および第2吸気管集合体12の第6および第8吸気管12c,12d付近)の振動を抑制する機能を有している。この場合、第1および第2EDU41,42は、その内部で発生する熱量を外部を流通する走行風によって放熱するように、インテークマニホールド1の第1吸気管集合体11の第3ないし第7吸気管11b〜11dおよび第2吸気管集合体12の第4ないし第8吸気管12b〜12dに対しEDU用ブラケット43によって浮遊させた状態で取り付けられている。
また、図3および図4に示すように、インテークマニホールド1の第1および第2吸気管集合体11,12の上面左右両側部前部寄りには、エンジン構成部材としてのワイヤーハーネス(図示せず)を支持するハーネス成形用プロテクタ61が配置されている。このハーネス成形用プロテクタ61は、平面視で略馬蹄形状を呈するフレーム状に形成され、そのハーネス成形用プロテクタ61の下方に対応する、第1吸気管集合体11上面の第1吸気管11a付近および第2吸気管集合体12上面の第2吸気管12a付近並びに第1および第2吸気管集合体11,12の上面左右両側部前部寄り付近に取り付けられている。つまり、ワイヤーハーネスは、ハーネス成形用プロテクタ61を介してインテークマニホールド1の第1および第2吸気管集合体11,12の上面前部寄りに取り付けられている。
そして、ワイヤーハーネスは、ハーネス成形用プロテクタ61の質量と合わせて600〜800gのマスダンパとして、合成樹脂製のインテークマニホールド1前部(第1吸気管集合体11の第1吸気管11a付近および第2吸気管集合体12の第2吸気管12a付近)の振動を抑制する機能を有している。この場合、ワイヤーハーネスは、インテークマニホールド1の第1吸気管集合体11の第1吸気管11aおよび第2吸気管集合体12の第2吸気管12aに対しハーネス成形用プロテクタ61によって浮遊させた状態で取り付けられている。
更に、図5および図6に示すように、インテークマニホールド1の前部左右両側端には、第1および第2吸気管集合体11,12に対しゴミを除去した吸気をそれぞれ個別に供
給する第1および第2エアクリーナ71,72が支持されている。この第1および第2エアクリーナ71,72は、インテークマニホールド1の前部左右両側端より上方へ一体的に立設されたボス部(図示せず)に取り付けられている。
給する第1および第2エアクリーナ71,72が支持されている。この第1および第2エアクリーナ71,72は、インテークマニホールド1の前部左右両側端より上方へ一体的に立設されたボス部(図示せず)に取り付けられている。
したがって、上記実施形態では、合成樹脂製のインテークマニホールド1の第1および第2吸気管集合体11,12上面の中央部および後部にEDU用ブラケット43を介して取り付けた第1および第2EDU41,42と、第1および第2吸気管集合体11,12上面の前部にハーネス成形用プロテクタ61を介して取り付けたワイヤーハーネスとによって、インテークマニホールド1内での吸気の圧力変動によるインテークマニホールド1全体の振動が抑えられ、インテークマニホールド1からの不快な振動音や放射音を抑制することができる。
しかも、エンジンを構成する上で必要な第1および第2EDU41,42並びにワイヤーハーネスがマスダンパとして使用されていることにより、エンジン重量を増加させることなく合成樹脂製のインテークマニホールド1からの振動音や放射音の抑制効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施形態では、第1および第2EDU41,42を、インテークマニホールド1の第1吸気管集合体11の第3ないし第7吸気管11b〜11dおよび第2吸気管集合体12の第4ないし第8吸気管12b〜12dに対しEDU用ブラケット43によって浮遊させた状態で取り付けたが、図7および図8に示すように、第1および第2EDU41,42に、その内部で発生する熱量を外部に放熱する放熱部81を設け、第1および第2EDU41,42が、インテークマニホールド1の第1吸気管集合体11上面の第3吸気管11bと第5吸気管11cとの上流端側付近、第2吸気管集合体12上面の第2吸気管12aと第4吸気管12bとの上流端側付近、第1吸気管集合体11上面の第7吸気管12dの下流端側付近、および第2吸気管集合体12上面の第8吸気管12dの上流端側付近の4箇所のボス部80に対しインテークマニホールド1の左右両側部を前後方向へ延びる2つのステー状のEDU用ブラケット82,83によってボルト84締結される際に、上記放熱部81が第1吸気管集合体11の第5および第7吸気管11c,11d並びに第2吸気管集合体12の第6および第8吸気管12c,12dの内部を流通する吸気に対しそれぞれ臨むように取り付けられていてもよい。この場合には、第1および第2EDU41,42の熱量が第1吸気管集合体11の第5および第7吸気管11c,11d並びに第2吸気管集合体12の第6および第8吸気管12c,12dの内部を流通する吸気によって冷却され、第1および第2EDU41,42を効果的に冷却させることができる。
また、上記実施形態では、エンジン構成部材として、第1および第2EDU41,42並びにワイヤーハーネスを適用した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、マスダンパとして使用可能な重量のエンジン構成部材であればなんでもよい。
更に、上記実施形態では、第1および第2EDU41,42並びにワイヤーハーネスをインテークマニホールド1の第1および第2吸気管集合体11,12上面に取り付けたが、直列タイプのエンジンなどのように合成樹脂製のインテークマニホールドが側方に取り付けられている場合には、このインテークマニホールドの側面にエンジン構成部材を取り付けてマスダンパとして使用することも可能である。
1 インテークマニホールド
41 第1EDU(エンジン構成部材)
42 第2EDU(エンジン構成部材)
81 放熱部
11c 第5吸気管(放熱部を吸気に対し臨ませるインテークマニホールド)
11d 第7吸気管(放熱部を吸気に対し臨ませるインテークマニホールド)
12c 第6吸気管(放熱部を吸気に対し臨ませるインテークマニホールド)
12d 第8吸気管(放熱部を吸気に対し臨ませるインテークマニホールド)
41 第1EDU(エンジン構成部材)
42 第2EDU(エンジン構成部材)
81 放熱部
11c 第5吸気管(放熱部を吸気に対し臨ませるインテークマニホールド)
11d 第7吸気管(放熱部を吸気に対し臨ませるインテークマニホールド)
12c 第6吸気管(放熱部を吸気に対し臨ませるインテークマニホールド)
12d 第8吸気管(放熱部を吸気に対し臨ませるインテークマニホールド)
Claims (2)
- 合成樹脂製インテークマニホールドの外表面側には、その合成樹脂製インテークマニホールドの振動を抑制するマスダンパとして機能するエンジン構成部材が取り付けられていることを特徴とする合成樹脂製インテークマニホールド構造。
- 上記請求項1に記載の合成樹脂製インテークマニホールド構造において、
エンジン構成部材は、その内部で発生する熱量を外部に放熱する放熱部を有し、この放熱部を合成樹脂製インテークマニホールドの内部を流通する吸気に対し臨ませていることを特徴とする合成樹脂製インテークマニホールド構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005136214A JP2006312906A (ja) | 2005-05-09 | 2005-05-09 | 合成樹脂製インテークマニホールド構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005136214A JP2006312906A (ja) | 2005-05-09 | 2005-05-09 | 合成樹脂製インテークマニホールド構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006312906A true JP2006312906A (ja) | 2006-11-16 |
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ID=37534490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005136214A Pending JP2006312906A (ja) | 2005-05-09 | 2005-05-09 | 合成樹脂製インテークマニホールド構造 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006312906A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020079573A (ja) * | 2018-11-13 | 2020-05-28 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関 |
-
2005
- 2005-05-09 JP JP2005136214A patent/JP2006312906A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020079573A (ja) * | 2018-11-13 | 2020-05-28 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関 |
JP7107181B2 (ja) | 2018-11-13 | 2022-07-27 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関 |
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