JP2006311623A - 可変増幅器およびそれを用いた携帯無線端末 - Google Patents

可変増幅器およびそれを用いた携帯無線端末 Download PDF

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Abstract

【課題】シングルエンド信号源に対して直接的に接続可能な可変増幅器、および受信回路の実装面積や厚さが低減されると共に受信感度等の特性に優れた携帯無線端末を提供する。
【解決手段】可変増幅器は、入力端子Inputおよび出力端子Outputの間に並列接続された、信号を増幅するための複数のバイポーラ型のトランジスタQ1〜Q3を含み、該トランジスタQ1〜Q3のエミッタが接地され、入力端子InputからトランジスタQ1〜Q3を経由して出力端子Outputに至る複数の信号経路が互いに異なる特性を持ち、可変増幅器全体の特性が変化するように各トランジスタQ1〜Q3のベースに流れる電流を制御するベース電流制御回路1をさらに備える。これにより、アンテナやそれに接続されたフィルタ等のシングルエンド信号源に対して直接的に接続可能となり、バラン等を用いることなく携帯無線端末の受信回路に搭載できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、全体としての特性、例えば利得、線形性、雑音性能等が可変である可変増幅器、およびそれを受信信号の増幅器として用いた携帯無線端末に関する。
携帯無線端末では、受信電力が大きく変化したり、送信電力を調整しなければならない状況が発生するため、利得を可変する利得可変増幅器が多数用いられている。
その中でも受信回路における利得可変増幅器では、受信電力が小さなときには、雑音をできるだけ小さくし、かつ、高い利得が必要である。また、受信電力が大きなときには、高い受信信号により歪まないように、高い線形性を実現することが重要となる。
そのような性能を持つ利得可変増幅器の1形態として、非特許文献1および非特許文献2に記載された利得可変増幅器がある。この利得可変増幅器は、同じ特性をもつ複数の増幅器と、多段の減衰器とを組み合わせることにより、高い利得の時には低雑音を、利得を低く抑えたときには高い線形性を実現している。
このように、携帯無線端末の受信回路における利得可変増幅器は、広い可変範囲と低い雑音、高い線形性を両立することが必要である。それを実現する方法として、差動回路を用いた利得可変増幅器がある。
また、特許文献1には、外部から入力される制御電圧の増加に応じて利得を減衰させる可変利得増幅回路を複数個並列に接続し、上記各可変利得増幅回路はそれぞれ、第1のトランジスタのエミッタおよび第2のトランジスタのエミッタがそれぞれ定電流源に接続されるとともに、第1のトランジスタのエミッタと第2のトランジスタのエミッタとがエミッタ抵抗を介して互いに接続され、入力信号が印加されて第1・第2トランジスタの各コレクタからそれぞれコレクタ電流を出力する入力部と、上記入力部から出力されるコレクタ電流が入力されて、上記制御電圧に応じた利得にて出力信号を出力する出力部とを備える可変利得増幅器が開示されている。
特開2002−252532公報(2002年9月6日公開) "A Low-Noise Wideband Variable-Gain Amplifier Using an Interpolated Ladder Attenuator", ISSCC Digest of Technical Papers, pp.280-281, Feb. 1991 信学技報Vol.96,No.462,ED96−198,pp.9−14(1997)
しかしながら、上記非特許文献1、非特許文献2、および特許文献1に記載された利得可変増幅器は、入力信号として差動信号が入力されることで動作するようになっているので、シングルエンド(不平衡)信号の信号源に対して直接的に接続することができない。すなわち、利得可変増幅器を受信回路に使用する場合、この利得可変増幅器の信号源であるアンテナから出力される信号はシングルエンド信号である。そのため、上記従来の利得可変増幅器を受信回路に使用する場合、アンテナから出力されたシングルエンド信号を差動信号に変換するためのバランを設けることが不可欠となる。このバランは、シリコンプロセスによって集積回路上に作成することが困難である。したがって、上記従来の利得可変増幅器を受信回路に使用する場合、受信回路の全てを集積回路上に作成することが困難である。受信回路に集積回路外の部品(チップ部品)としてバランを使用すると、受信回路の実装面積の増加や厚さの増加を防ぐことが困難である。また、受信回路にバランを使用すると、バランのロスにより受信電力が低下し、受信感度等が劣化する。
本願発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、アンテナやそれに接続されたフィルタ等のシングルエンド信号源に対してバラン等を介在することなく直接的に接続することができる可変増幅器、および受信回路の実装面積や厚さが低減されると共に受信感度等の特性に優れた携帯無線端末を提供することにある。
本発明の可変増幅器は、上記の課題を解決するために、信号入力端および信号出力端の間に並列接続された、信号を増幅するための複数のバイポーラ型のトランジスタを含み、該トランジスタのエミッタが実質的に接地され、信号入力端から複数のトランジスタを経由して信号出力端に至る複数の信号経路は、少なくとも1つが他と異なる特性(信号増幅の利得、線形性、雑音性能等)を持つ可変増幅器において、可変増幅器全体の特性が変化するように各トランジスタのベースに流れる電流を制御するベース電流制御部が設けられていることを特徴としている。
また、上記ベース電流制御部は、可変増幅器全体の利得が変化するように各トランジスタのベースに流れる電流を制御するものであることが好ましい。これにより、可変利得増幅器を実現できる。
また、上記複数の信号経路は、第1の信号経路と、第1の信号経路による信号増幅の利得よりも低い利得で、かつ、第1の信号経路による信号増幅の線形性よりも高い線形性で信号を増幅する第2の信号経路とを含むことが好ましい。この場合、第2の信号経路では、トランジスタと入力端との間に、信号を減衰させる減衰器が挿入されていることが好ましい。
また、本発明の可変増幅器は、上記トランジスタのコレクタが同じ負荷に実質的に接続されている構成であってもよい。
また、本発明の可変増幅器は、上記トランジスタのコレクタに実質的に接続されたエミッタまたはソースを有する付加トランジスタをさらに備え、付加トランジスタのベースまたはゲートは、高周波的に接地され、上記付加トランジスタのコレクタまたはドレインは、負荷に実質的に接続されている構成であってもよい。
なお、ここで、「高周波的に接地されている」とは、動作周波数において、十分に低いインピーダンスの電圧源に接続されていることを指す。本来、カスコード接続などのベース接地回路を正常に動作させるためには、ベースを一定の電圧に接続しなければならない。従って、その様な一定の電圧を生成する電圧源(電圧生成回路)を構成し、ベース接地回路のベースに接続することが望ましい。単純な方法として、電源電圧を抵抗分割することにより、所望の電圧を生成することが可能である。この際には、十分にインピーダンスを下げることが必要であるので、電圧分割用の抵抗に流れる電流をベース接地回路のベース電流の5倍以上に設定する、あるいは、動作周波数で十分に低いインピーダンスとなるような容量をベース接地回路のベースに接続するなどの工夫が必要となる。
また、本発明の可変増幅器は、上記付加トランジスタは、異なるトランジスタのコレクタが接続されたエミッタあるいはソースを有する複数の付加トランジスタである構成であってもよい。
また、本発明の可変増幅器は、上記複数の付加トランジスタのベース電圧またはゲート電圧を制御する電圧制御部をさらに備える構成であってもよい。
また、本発明の可変増幅器は、上記電圧制御部は、トランジスタのベースに流れ込む電流が所定の電流値以下であるときに、上記付加トランジスタのベース電圧またはゲート電圧を略ゼロとするものである構成であってもよい。
また、本発明の可変増幅器は、上記各トランジスタは各々、単位増幅器を構成しており、これらの単位増幅器は、少なくとも1つが他と異なる特性を有する構成であってもよい。
上記各トランジスタは各々、単位増幅器を構成しており、上記複数の信号経路は、第1の信号経路と、第1の信号経路による信号増幅の利得よりも低い利得で信号を増幅する第2の信号経路とを含み、第2の信号経路の単位増幅器は、第1の信号経路の単位増幅器よりも高い線形性を有することが好ましい。第2の信号経路の単位増幅器の線形性を、第1の信号経路の単位増幅器よりも高くする手法としては、例えば、(1)第2の信号経路の単位増幅器を構成するトランジスタに負帰還をかける一方、第1の信号経路の単位増幅器を構成するトランジスタには負帰還をかけない手法、(2)第1の信号経路の単位増幅器を構成するトランジスタに対して、第2の信号経路の単位増幅器を構成するトランジスタのサイズを小さくして、電流密度を上げる手法などが挙げられる。
また、本発明の可変増幅器は、上記ベース電流制御部は、各トランジスタのベースに流れる電流の比の変化に応じて上記複数のトランジスタの消費電流の合計が変化するように、各トランジスタのベースに流れる電流を制御する構成であってもよい。
また、本発明の携帯無線端末は、上記の課題を解決するために、受信信号を増幅する増幅器を備え、上記増幅器が、前記構成の可変増幅器であることを特徴としている。
本発明の可変増幅器は、信号入力端および信号出力端の間に並列接続された、信号を増幅するための複数のバイポーラ型のトランジスタを含み、該トランジスタのエミッタが実質的に接地され、信号入力端から複数のトランジスタを経由して信号出力端に至る複数の信号経路は、少なくとも1つが他と異なる特性を持つ可変増幅器において、可変増幅器全体の特性が変化するように各トランジスタのベースに流れる電流を制御するベース電流制御部が設けられている構成であり、差動回路ではなく単純なエミッタ接地である。それゆえ、入力はシングルエンドとなり、アンテナやそれに接続されるフィルタ等のシングルエンド信号源と接続する場合にバランなどのシングルエンド/差動変換器が不要となる。それにより、シングルエンド信号源と直接的に接続できる。また、上記各信号経路の特性を適切に調整すると共に各トランジスタのベースに流れる電流を適切に制御すれば、利得の可変範囲、線形性、雑音などの特性を満足することができる。
また、本発明の可変増幅器は、上記トランジスタのコレクタが同じ負荷に実質的に接続されている場合、簡素な構成で実現できる。
また、本発明の可変増幅器は、上記トランジスタのコレクタに実質的に接続されたエミッタまたはソースを有する付加トランジスタをさらに備え、付加トランジスタのベースまたはゲートは、高周波的に接地され、上記付加トランジスタのコレクタまたはドレインは、負荷に実質的に接続されている場合、実質的に縦続接続となるため、ミラー効果を抑制することができ、さらに利得の可変範囲、線形性の特性を改善することができる。
また、本発明の可変増幅器は、上記付加トランジスタは、異なるトランジスタのコレクタが接続されたエミッタあるいはソースを有する複数の付加トランジスタである場合、非動作のエミッタ接地のトランジスタからの信号の漏洩を防ぐことができ、高い信号分離特性を得ることができる。その結果、利得の可変範囲の拡大や線形性の改善を行うことができる。
また、本発明の可変増幅器は、上記複数の付加トランジスタのベース電圧またはゲート電圧を制御する電圧制御部をさらに備える場合、上記複数の付加トランジスタのベース電圧またはゲート電圧をエミッタ接地のトランジスタの動作状況に応じて、能動的にオフすることが可能となる。その結果、さらなる特性の改善を得ることができる。
また、本発明の可変増幅器は、上記電圧制御部は、トランジスタのベースに流れ込む電流が所定の電流値以下であるときに、上記付加トランジスタのベース電圧またはゲート電圧を略ゼロとするものである場合、エミッタ接地のトランジスタのベース電流が零(オフ)付近であるときにトランジスタの歪が増加することを抑圧することができる。
また、本発明の可変増幅器は、上記各トランジスタは各々、単位増幅器を構成しており、これらの単位増幅器は、少なくとも1つが他と異なる特性を有する場合、それぞれの単位増幅器に求められる特性に応じて各単位増幅器の特性を最適化することができ、可変増幅器全体の特性を大幅に改善することができる。
また、本発明の可変増幅器は、上記ベース電流制御部は、各トランジスタのベースに流れる電流の比の変化に応じて上記複数のトランジスタの消費電流の合計が変化するように、各トランジスタのベースに流れる電流を制御するものである場合、各トランジスタの消費電流を各トランジスタによって構成される単位増幅器に要求される特性に応じて調整することが可能となる。それゆえ、可変増幅器全体の消費電流を削減することができる。
本発明の携帯無線端末では、可変増幅器の入力に、アンテナ、あるいはアンテナに直結したバンドパスフィルタを直接接続することが可能となり、従来の差動の可変利得増幅回路を用いた携帯無線端末で必要であったバランが不要となる。バランが不要となうことにより、携帯無線端末の回路全体の大きさが小さくなるだけでなく、バランのロスによる受信電力の低下も防ぐことができる。したがって、より小型で高性能(高感度)、かつ長時間動作が可能な携帯無線端末を提供することができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態の可変増幅器は、信号入力端と信号出力端との間に並列に接続された複数の単位増幅器を切り替えて使用することにより、可変増幅器全体の利得および線形性を変化させる構成となっている。切り替え段数(=切り替えられる単位増幅器の数)は、2段以上の任意の段数を選ぶことができるが、図1に示す例(後述)では3段としている。
本実施形態の可変増幅器では、単位増幅器の切り替えによって可変増幅器全体の利得および線形性が変化するように、信号入力端から複数のトランジスタを経由して信号出力端に至る複数の信号経路は、少なくとも1つが他と異なる利得および線形性を持つようになっている。図1に示す例(後述)では、信号入力端から複数のトランジスタに至る複数の信号経路の減衰が互いに異なるようになっている。
また、本実施形態の可変増幅器では、個々の単位増幅器は1段のトランジスタのみで構成されている。本実施形態の可変増幅器では、トランジスタとしてnpn型のバイポーラトランジスタ(バイポーラ型のトランジスタ)を使用した。また、本実施形態の可変増幅器では、複数のトランジスタには全て、同じ特性を持つトランジスタ、具体的にはエミッタの面積が20μm×0.5μmであるSiGeバイポーラトランジスタを使用した。
図1は、本発明の実施の一形態に係る可変増幅器の構成を示す回路図(ただしベース電流制御回路はブロックで示している)である。本実施形態の可変増幅器は、図1に示すように、信号を増幅するための3つのトランジスタ、第1のトランジスタQ1、第2のトランジスタQ2、および第3のトランジスタQ3と、後述するベース電流制御回路(ベース電流制御部;ベース電流切り替え回路)1とを備えている。
トランジスタQ1、Q2、およびQ3は、直流成分を含む信号が入力される入力端子(信号入力端)Inputと、増幅した信号を出力するための出力端子(信号出力端)Outputとの間に並列に接続されている。トランジスタQ1、Q2、Q3のエミッタは、接地されている。トランジスタQ1、Q2、Q3のコレクタは、出力端子Outputに接続されていると共に、共通の負荷抵抗である抵抗器RLの一端に接続されており、抵抗器RLの他端は、電源電圧が印加された電源線Vccに接続されている。
入力端子Inputは、入力信号の直流成分をブロックするキャパシタCsr1を経由して、第1のトランジスタQ1のベースに接続されている。また、入力端子Inputは、キャパシタCsr1と入力信号を減衰させるための減衰器AT1とを経由して、第2のトランジスタQ2のベースに接続されている。減衰器AT1は、第1のトランジスタQ1のベースに対して直列に(キャパシタCsr1に対して直列に)接続されたキャパシタCsr2と、キャパシタCsr2の後の信号経路、すなわちキャパシタCsr2と第2のトランジスタQ2のベースとをつなぐ信号経路に対して、信号経路とグラウンドとの間にシャント接続されたキャパシタCsh2とで構成されている。同様にして、入力端子Inputは、キャパシタCsr1および減衰器AT1と、入力信号を減衰させるための減衰器AT2とを経由して、第3のトランジスタQ3のベースに接続されている。減衰器AT2は、第2のトランジスタQ2のベースに対して直列に(キャパシタCsr2に対して直列に)接続されたキャパシタCsr3と、キャパシタCsr3の後の信号経路、すなわちキャパシタCsr3と第3のトランジスタQ3のベースとをつなぐ信号経路に対して、信号経路とグラウンドとの間にシャント接続されたキャパシタCsh3とで構成されている。
ここで、入力端子InputからトランジスタQ1・Q2・Q3を経由して出力端子Outputに至る3つの信号経路(以下、それぞれ「トランジスタQ1経由の信号経路」、「トランジスタQ2経由の信号経路」、および「トランジスタQ3経由の信号経路」と称する)の特性について考察する。ここで、トランジスタQ1・Q2・Q3のベースに対して同じ電流が流れたものとする。まず、トランジスタQ1には、入力端子Inputに入力された信号が減衰器を経由せずに入力されるため、トランジスタQ1経由の信号経路は、3つの信号経路の中で最も利得が高くなる。これに対し、トランジスタQ2には、入力端子Inputに入力された信号が減衰器AT1を経由して入力されるため、トランジスタQ2経由の信号経路は、トランジスタQ1経由の信号経路よりも利得が低くなる一方、トランジスタQ1経由の信号経路よりも線形性は高くなる。トランジスタQ3には、入力端子Inputに入力された信号が減衰器AT1・AT2を経由して入力されるため、トランジスタQ3経由の信号経路は、トランジスタQ2経由の信号経路よりもさらに利得が低くなり、トランジスタQ2経由の信号経路よりもさらに線形性が高くなる。
さらに、トランジスタQ1、Q2、Q3のベースにはそれぞれ、ベース電流制御回路1の端子Ib1、Ib2、およびIb3が接続され、トランジスタQ1、Q2、およびQ3のベースに流れ込む電流(ベース電流)がベース電流制御回路1によって独立して制御されるようになっている。
ベース電流制御回路1は、図2に示すように、参照電圧生成用の抵抗器Rc1・Rc2・Rc3、総ベース電流設定用の抵抗器Rref、総電流を設定するカレントミラー回路を構成する電界効果型のトランジスタQref・Qbcs、第1の差動対を構成する電界効果型のトランジスタQb1・Qb2、および第2の差動対を構成する電界効果型のトランジスタQb3・Qb4を備えている。トランジスタQref・Qbcs・Qb1・Qb2・Qb3・Qb4は、pチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
トランジスタQbref・Qbcsは、トランジスタQbrefのゲートおよびソースとトランジスタQbcsのゲートとが接続されることにより、カレントミラー回路を構成している。トランジスタQbrefは、ドレインが電源線Vccに接続され、ソースおよびゲートが抵抗器Rrefの一端に接続され、抵抗器Rrefの他端が接地されている。トランジスタQbcsは、ドレインが電源線Vccに接続され、ソースがトランジスタQb1・Qb2のドレインに接続されている。このカレントミラー回路は、トランジスタQ1、Q2、およびQ3のベースに流すべき総電流(以下、「総ベース電流」と称する)を設定し、設定した総電流に等しい電流をトランジスタQb1・Qb2のドレインに流すようになっている。電流設定抵抗RrefによりトランジスタQbrefのゲートおよびソースに流れる電流が決定され、決定された電流からカレントミラー回路によりトランジスタQb1・Qb2のドレインに流れ込む電流(総ベース電流)が決定される。カレントミラー回路を構成するトランジスタQbrefとトランジスタQbcsとが同じ大きさであれば、トランジスタQb1・Qb2のドレインに流れ込む電流(総ベース電流)は、電流設定抵抗Rrefにより決定された電流と同じとなり、常に一定の電流となる。
抵抗器Rc1・Rc2・Rc3は、電源電圧が印加された電源線Vccとグラウンドとの間に直列接続され、電源電圧を分圧して参照電圧Vr1・Vr2(参照電圧Vr1の大きさ<参照電圧Vr2の大きさ)を生成するものである。
トランジスタQb1・Qb2は、ドレイン同士が接続されて、第1の差動対を構成している。トランジスタQb1のゲートには参照電圧Vr2が印加されている一方、トランジスタQb2のゲートには外部から制御電圧端子Vctrlを介して可変の制御電圧Vctrlが印加されている。また、トランジスタQb1のソースは、端子Ib1を介してトランジスタQ1のベースに接続されており、トランジスタQb2のソースは、トランジスタQb3・Qb4のドレインに接続されている。この第1の差動対は、制御電圧Vctrlと参照電圧Vr2との大小関係に応じて、トランジスタQ1のベースに流れる電流とトランジスタQb3・Qb4のドレインに流れる電流との比を決定する。
トランジスタQb3・Qb4は、ドレイン同士が接続されて、第2の差動対を構成している。トランジスタQb3のゲートには参照電圧Vr1が印加されている一方、トランジスタQb4のゲートには外部から制御電圧端子Vctrlを介して可変の制御電圧Vctrlが印加されている。また、トランジスタQb3のソースは、端子Ib2を介してトランジスタQ2のベースに接続されており、トランジスタQb4のソースは、端子Ib3を介してトランジスタQ3のベースに接続されており、トランジスタQb3・Qb4のドレインに接続されている。この第2の差動対は、制御電圧Vctrlと参照電圧Vr1との大小関係に応じて、トランジスタQ2のベースに流れる電流とトランジスタQ3のベースに流れる電流との比を決定する。
これらにより、ベース電流制御回路1では、トランジスタQbref・Qbcsによって決定されたトランジスタQb1・Qb2のドレインに送られた総ベース電流は、トランジスタQb1・Qb2・Qb3・Qb4により、制御電圧Vctrlに応じて端子Ib1・Ib2・Ib3に分配される。その結果として、端子Ib1・Ib2・Ib3に流れる電流(トランジスタQ1・Q2・Q3のベースに流れる電流)の値Ib1・Ib2・Ib3の比率は、図3に示されるように、制御電圧Vctrlに応じてアナログ的に変化する。図3は、トランジスタQ1・Q2・Q3のベースに加えられる電流(ベース電流)の切り替え特性(制御電圧に対するベース電流の変化)を示す。
この場合、総ベース電流に対する電流値Ib1の比率は、制御電圧Vctrlが約0.9V未満であるときには0%であり、制御電圧Vctrlが約0.9Vから約2.35Vまで上昇する間は0%から100%まで連続的に増加し、制御電圧Vctrlが約2.35Vを超えると100%となる。総ベース電流に対する電流値Ib2の比率は、制御電圧Vctrlが約0.2V未満であるときには0%であり、制御電圧Vctrlが約0.2Vから約1.35Vまで上昇する間は0%から約80%まで連続的に増加し、制御電圧Vctrlが約1.35Vから約2.35Vまで上昇する間は約80%から0%まで連続的に減少し、制御電圧Vctrlが約2.35Vを超えると0%となる。総ベース電流に対する電流値Ib1の比率は、制御電圧Vctrlが約0.2V未満であるときには100%であり、制御電圧Vctrlが約0.2Vから約1.45Vまで上昇する間は100%から0%まで連続的に減少し、制御電圧Vctrlが約1.45Vを超えると0%となる。この場合、制御電圧Vctrlが約1.35Vから約2.35Vまで上昇する間は約80%から0%まで連続的に減少し、制御電圧Vctrlが約2.35Vを超えると0%となる。この場合、制御電圧Vctrlが約0.2V〜約2.35Vの範囲内であるときに、トランジスタQ1・Q2・Q3のベースに流れる電流の値Ib1・Ib2・Ib3の比率が制御電圧Vctrlに応じて連続的に変化するようになっている。
次に、制御電圧Vctrlを変化させていったときの可変増幅器の動作について説明する。制御電圧Vctrlが参照電圧Vr1(=0.85V)および・Vr2(=1.7V)に対して十分に高い(約2.4V以上)状態では、ベース電流制御回路1のトランジスタQb2およびトランジスタQb4がオフ状態となるため、総電流設定用のカレントミラー回路(トランジスタQref・Qbcs)で設定された総ベース電流のすべてがトランジスタQb1を経由して増幅器のトランジスタQ1のベースに供給される。従って、それ以外のトランジスタQ2・Q3はオフ状態となる。この状態では、トランジスタQ1には入力端子Inputに入力された信号が減衰器を経由せずに入力されるため、最も利得が高くなる。また、この状態では、可変増幅器全体の線形性の指標であるIIP3(Input 3rd order Intercept Point)は、トランジスタQ1そのものの線形性がそのまま現れる。
制御電圧Vctrlが低くなるに従い、トランジスタQ1のベースに供給されていた電流の一部がトランジスタQ2のベースに供給される。すなわち、制御電圧Vctrlが低くなるに従い、トランジスタQ1のベース電流が徐々に減少する一方、トランジスタQ2のベース電流が徐々に増加する。これにより、トランジスタQ1は、コレクタ電流が減少し、徐々に利得が低下していく。一方、トランジスタQ2は、コレクタ電流が増加し、徐々に利得が高くなる。トランジスタQ2経由の信号経路は前述したようにトランジスタQ1経由の信号経路よりも同一のベース電流である場合の利得が低いため、可変増幅器全体の利得は低下していく(図4参照)。また、トランジスタQ2経由の信号経路は前述したようにトランジスタQ1経由の信号経路よりも同一のベース電流である場合の線形性が高いため、可変増幅器全体の線形性は上昇していく(図4参照)。
やがて、制御電圧Vctrlが低くなると、トランジスタQ2のコレクタ電流の増加に伴い、トランジスタQ2の利得が高くなり、トランジスタQ1がほとんどオフ状態となる。この場合には、トランジスタQ2の入力に減衰器AT1が入っているため、可変増幅器全体の利得が低くなるが、可変増幅器全体のIIP3はトランジスタQ2そのものの特性にデシベル(dB)表記した減衰率を加えたものになる。
さらに制御電圧Vctrlが低くなると(約0.2V以下になると)、トランジスタQb1およびトランジスタQb3がオフ状態となる。そのため、ベース電流制御回路1の抵抗器RrefおよびトランジスタQbref・Qbcsで設定された総ベース電流のすべてがトランジスタQb4を経由してトランジスタQ3のベースに供給され、他のトランジスタQ1・Q2はすべてオフ状態となる。この状態では、トランジスタQ3には入力端子Inputに入力された信号が減衰器AT1・AT2を経由して入力されるため、可変増幅器全体の利得は最も低くなり、反対に可変増幅器全体のIIP3は最も高くなる。
制御電圧Vctrlに対する利得およびIIP3の特性を、図4に示す。
このように、本実施形態の可変増幅器は、広い範囲で利得が可変でき、かつ、大信号が入力している利得の低い状態では、高い線形性を実現することができる。本実施形態の可変増幅器は、増幅回路の形式が、シリコンのRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)でよく用いられる差動回路ではなく、エミッタ接地回路となっている。そのため、本実施形態の可変増幅器における信号の入力は、差動入力ではなくシングルエンド入力(不平衡入力)となっている。そのため、本実施形態の可変増幅器は、アンテナやフィルタなどのシングルエンド信号源と直接的に接続することができる。
さらに、本実施形態の可変増幅器では、本質的には、電力を消費する部分がトランジスタ1段の増幅部と負荷抵抗のみであるため、低い電源電圧で動作させることができ、例えば1V程度から動作させることができる。一方、差動回路では、電流源、増幅部、および負荷抵抗が必要であり、増幅部をトランジスタの2段積みにすることが必要であるため、電源電圧をあまり下げることができない。
なお、図1に示す可変増幅器では、制御電圧に対する利得特性(図4)は、ややうねりがあり、線形性はあまり高くない。しかしながら、制御電圧に対する利得特性は、切り替え段数(切り替えられる単位増幅器の数)を増やすことにより、直線に近づけることができる。一方、切り替え段数を増やすと回路規模が大きくなる。それゆえ、切り替え段数は、回路規模と、制御電圧に対する利得特性の線形性とのバランスで決めると良い。
また、本実施形態では、npn型のトランジスタを用いたが、pnp型のトランジスタで同様の可変増幅器を構成することができる。
さらに、本実施形態では、入力端子InputとトランジスタQ2・Q3との間に介在する減衰器として、キャパシタによる減衰器AT1・AT2を用いたが、キャパシタによる減衰器の構成は、特に限定されるものではない。また、図5に示されるように、キャパシタによる減衰器AT1および減衰器AT2のそれぞれに代えて、抵抗器による減衰器AT3および減衰器AT4を用いてもよい。ただし、抵抗器による減衰器AT3および減衰器AT4を用いる場合、動作可能とするために、エミッタ接地のトランジスタQ1、トランジスタQ2、およびトランジスタQ3のそれぞれと、減衰器AT3・AT4との間に、キャパシタCdc1、キャパシタCdc2、およびキャパシタCdc3をそれぞれ挿入して、トランジスタQ1・Q2・Q3のベースと減衰器AT3・AT4とを直流的に分離する必要がある。また、図5に示す可変増幅器では、トランジスタQ1・Q2・Q3のベースと入力端子Inputとの間に抵抗器Rsr1を設けている。
減衰器AT3は、第1のトランジスタQ1のベースに対して直列に(抵抗器Rsr1に対して直列に)接続された抵抗器Rsr2と、抵抗器Rsr2の後の信号経路、すなわち抵抗器Rsr2と第2のトランジスタQ2のベースとをつなぐ信号経路に対して、信号経路とグラウンドとの間にシャント接続された抵抗器Rsh2とで構成されている。減衰器AT4は、第2のトランジスタQ2のベースに対して直列に(抵抗器Rsr2に対して直列に)接続された抵抗器Rsr3と、抵抗器Rsr3の後の信号経路、すなわち抵抗器Rsr3と第3のトランジスタQ3のベースとをつなぐ信号経路に対して、信号経路とグラウンドとの間にシャント接続された抵抗器Rsh3とで構成されている。
抵抗型の減衰器AT3・AT4を用いたほうが、(1)可変増幅器のサイズ、特に集積回路チップで実現した場合のチップ面積が小さくなる、(2)可変増幅器内の信号の漏洩、特に構成回路を1つの基板に実装した場合における基板を通じた信号の漏洩が少なくなる、(3)整合が取りやすいなどの利点がある。なお、抵抗器による減衰器の構成も、特に限定されるものではない。また、図5に示す構成において、抵抗器Rsr1は必ずしも必要ではない。
また、本実施形態では、ベース電流制御回路として、図2に示す構成のアナログ回路を用いた。しかしながら、このベース電流のためのベース電流制御回路は、所定の数値範囲内の制御電圧Vctrlに対して、トランジスタQ1・Q2・Q3のベースに流れる電流の値Ib1・Ib2・Ib3の比率を制御電圧Vctrlに応じて連続的に変化させることができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ベース電流制御回路は、トランジスタQ1・Q2・Q3のベース電流を、D/A(デジタル−アナログ)変換器などを利用して、デジタル的に制御する構成であってもよい。トランジスタQ1・Q2・Q3のベース電流をアナログ回路で制御する場合にも、別の回路形式のベース電流制御回路も用いることができる。
さらに、本実施形態のベース電流制御回路は、総ベース電流がほぼ一定になるような設計となっている。しかしながら、総ベース電流は、必ずしも一定にすることが必要ではない。線形性が重要な増幅部には電流を多く流し、線形性がそれほど重要でない増幅部に流れる電流を少なくすることも可能である。すなわち、トランジスタQ1・Q2・Q3のベース電流のうちで線形性の重要なトランジスタQ3のベース電流が最も大きいときの総ベース電流を、トランジスタQ2のベース電流が最も大きいときの総ベース電流より多くしたり、線形性のそれほど重要でないトランジスタQ1のベース電流が最も大きいときの総ベース電流を、トランジスタQ2のベース電流が最も大きいときの総ベース電流より少なくしたりすることが可能である。あるいは、トランジスタQ2、Q3には十分な線形性が得られるような負帰還をかけ、かつ、ベース電流を減らすことも可能である。トランジスタQ1については、高い線形性と低雑音、高利得のすべての特性を満たすことが必要となるため、ある程度の電流が必要であるが、トランジスタQ2、Q3については、利得や雑音特性については、若干余裕があるので、負帰還を使用することにより、消費電流を減らすことができる。ただし、トランジスタQ1・Q2・Q3の総ベース電流が一定であれば、出力の直流電圧がほぼ一定になるという利点がある。
また、本実施形態の可変増幅器では、信号入力端から複数のトランジスタを経由して信号出力端に至る複数の信号経路が全て異なる特性を有していた。しかしながら、これら信号経路は少なくとも1つが他と異なる特性を有してさえいれば、同一の特性を有する信号経路が複数存在してもよい。
また、本実施形態の可変増幅器では、各トランジスタのベースに流れる電流を制御することによって利得および線形性が変化するようになっていたが、各トランジスタのベースに流れる電流を制御することによって何らかの特性が変化するようになっていればよい。
以上のように、本実施形態にかかる可変増幅器は、複数のバイポーラトランジスタで構成され、該トランジスタのエミッタが実質的に接地され、該トランジスタのコレクタは実質的に同じ負荷に接続されている増幅器において、それぞれのトランジスタのベース電流を変化させることにより、増幅器全体の特性を可変する構成である。この構成であれば、差動回路ではなく単純なエミッタ接地であるので、入力はシングルエンドとなり、バランなどのシングルエンド/差動変換器を必要としない。また、利得の可変範囲、線形性、雑音性能などの特性を満足することができる。
また、以上のように、本実施形態にかかる可変増幅器は、複数のエミッタ接地の増幅回路において、それらの増幅に使用されているバイポーラトランジスタのベース電流をアナログ信号により連続的に(アナログ的に)切り替えることにより、可変増幅器全体の特性を変化させることにより、広い利得可変範囲と線形性とを実現している。
なお、シングルエンド型可変利得増幅器は現時点で多数存在するが、多くの場合、利得が変化するのみで、線形性については、変化しない、あるいは、利得が下がるに従い線形性が劣化する。これに対し、本発明に係るシングルエンド型可変利得増幅器は、上述したように、利得が下がるに従い、線形性がよくなる特徴をもっている。このような特徴をもつ可変利得増幅器は、従来の技術の項で述べたような差動入力型では先行例が見られるものの、シングルエンド型では先行例が見られない。以上より、本発明に係る可変利得増幅器は、高利得では低雑音であり、かつ、低利得では高線形性である可変増幅器において、シングルエンド化したことに特徴をもっている。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図6および図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1の可変増幅器では、単純なエミッタ接地を用いているため、トランジスタQ1・Q2・Q3のベース/コレクタ間のキャパシタンスがミラー効果により増長される。そのため、実施の形態1の可変増幅器は、高周波特性はあまり良好ではない。
そこで、本実施形態の可変増幅器では、高周波特性を改善するために縦続接続を用いる。本実施形態にかかる可変増幅器の構成を図6に示す。
実施の形態1の可変増幅器では、エミッタ接地のトランジスタQ1・Q2・Q3のコレクタを、負荷である抵抗器RLに対して接続していたのに対し、本実施形態の可変増幅器は、エミッタ接地のトランジスタ(バイポーラ型のトランジスタ)Q1・Q2・Q3に対してトランジスタ(付加トランジスタ)Q4を縦続接続し、このトランジスタQ4のエミッタをエミッタ接地のトランジスタQ1・Q2・Q3のコレクタに接続し、トランジスタQ4のコレクタを負荷である抵抗器RLに接続している。トランジスタQ4は、そのベースに端子Vbbを介して固定バイアス電圧Vbb(=2.0V)が印加されることにより高周波的に接地されている。以下、このように高周波的に接地されたトランジスタを「ベース接地のトランジスタ」と称する。本実施形態の可変増幅器は、この相違点以外は実施の形態1の可変増幅器と同様の構成を備えている。
本実施形態の可変増幅器では、実施の形態1と同様に、エミッタ接地のトランジスタQ1・Q2・Q3としてnpn型のバイポーラトランジスタを用いた。また、ベース接地のトランジスタQ4としても、npn型のバイポーラトランジスタを用いた。エミッタ接地のトランジスタQ1・Q2・Q3のベース電流は、実施の形態1と同様に、図2の回路図に示すベース電流制御回路1によって制御した。本実施形態の可変増幅器では、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1の可変増幅器と本実施形態の可変増幅器とについて、利得の周波数特性をシミュレーションした結果を図7に示す。本実施形態の可変増幅器では、実施の形態1の可変増幅器と比較して、利得の絶対値が大きくなり、かつ、周波数特性もやや改善されている。これは、縦続接続によりミラー効果が抑圧された結果と考えられる。
なお、図6に示す可変増幅器では、エミッタ接地のトランジスタQ1・Q2・Q3のコレクタに対して縦続接続するトランジスタ(付加トランジスタ)として、ベース接地のバイポーラ型のトランジスタQ4を用いたが、ゲートが接地されたMOSトランジスタ等の電界効果トランジスタ(FET)を用いてもよい。この場合、上記電界効果トランジスタのソースをトランジスタQ1・Q2・Q3のコレクタに接続し、上記電界効果トランジスタのドレインを負荷である抵抗器RLに接続する。
以上のように、本実施形態にかかる可変増幅器は、第1のグループのトランジスタと第2のトランジスタとを有し、第1のグループのバイポーラトランジスタのエミッタが実質的に接地され、第1のグループのトランジスタのコレクタは実質的に第2のトランジスタのエミッタあるいはソースに接続され、第2のトランジスタのベースあるいはゲートは、高周波的に接地され、ベース接地回路あるいはゲート接地回路を構成し、第2のトランジスタのコレクタあるいはドレインは、実質的に負荷に接続されている増幅器において、第1のグループのトランジスタのそれぞれのベース電流を調整することにより、増幅器全体の特性を可変する構成である。この回路形式では、実質的に縦続接続となるため、ミラー効果を抑制することができ、実施の形態1よりもさらに利得の可変範囲、線形性の特性を改善することができる。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図8および図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1または2にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態に係る可変増幅器の回路図を図8に示す。実施の形態2の可変増幅器では、エミッタ接地のトランジスタに縦続接続されたベース接地のトランジスタとして、すべてのエミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3に対し、共通の1つのトランジスタQ4を用いている。これに対し、本実施形態の可変増幅器では、エミッタ接地のトランジスタQ1、Q2、およびQ3のそれぞれに対して個別にベース接地のトランジスタQ41、Q42、およびQ43を縦続接続し、それらトランジスタQ41、Q42、およびQ43のエミッタをエミッタ接地のトランジスタQ1・Q2・Q3のコレクタに接続し、それらトランジスタQ41、Q42、およびQ43のコレクタを共通の負荷抵抗である抵抗器RLに接続している。本実施形態の可変増幅器は、この相違点以外は実施の形態2の可変増幅器と同様の構成を備えている。なお、本実施形態の可変増幅器では、実施の形態1・2と同様に、全てのトランジスタにnpn型のバイポーラトランジスタを用いた。、トランジスタQ4のコレクタを負荷である抵抗器RLに接続している。また、トランジスタQ41、Q42、およびQ43は、それらのベースに端子Vbb1、Vbb2、およびVbb3を介して固定バイアス電圧Vbb1、Vbb2、およびVbb3(=2.0V)が印加されると共に、高周波的には接地されている。
実施の形態2の可変増幅器では、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3がオフ状態となっても、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース/コレクタ間の容量成分を通して信号が漏洩する。それに比べ、本実施形態の可変増幅器では、エミッタ接地のトランジスタQ1、Q2、およびQ3に対して個別にベース接地のトランジスタQ41、Q42、およびQ43を設けていることにより、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3がオフ状態になると同時に、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のコレクタ電流も流れなくなり、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43もオフ状態となる。したがって、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43の信号漏洩経路は、ベース/コレクタ間の容量成分よりもかなり小さいコレクタ/エミッタ間の容量成分のみとなるため、高い信号分離特性(アイソレーション特性)が得られる。
ベース接地のトランジスタをトランジスタQ1〜Q3に共通とした実施の形態2の可変増幅器(「ベース接地共通」)と、ベース接地のトランジスタを各トランジスタQ1〜Q3に対応して分離した本実施形態の可変増幅器(「ベース接地分離」)について、制御電圧に対する利得特性、および制御電圧に対するIIP3特性のシミュレーション結果を図9に示す。本実施形態の可変増幅器は、ベース接地のトランジスタを共通にした実施の形態2の可変増幅器に比べ、低利得時のアイソレーション特性が向上するとともに、IIP3特性が大幅に向上していることがわかる。
なお、本実施形態では、すべてのエミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3にそれぞれベース接地のトランジスタQ41〜Q43を追加した。しかしながら、ベース接地のトランジスタは必ずしもすべてのエミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3に個別につける必要はなく、グループ化した複数のエミッタ接地のトランジスタに対して1つのベース接地のトランジスタをつけてもよい。例えば、図8の可変増幅器において、トランジスタQ2とトランジスタQ3とに対して1つのベース接地のトランジスタをつけることも可能である。
また、本実施形態の可変増幅器において、実施の形態2と同様に、エミッタ接地のトランジスタQ1・Q2・Q3のコレクタに対して縦続接続するトランジスタ(付加トランジスタ)として、ベース接地のバイポーラ型のトランジスタQ41・Q42・Q43に代えて、ゲートが接地されたMOSトランジスタ等の電界効果トランジスタを用い、上記電界効果トランジスタのソースをトランジスタQ1・Q2・Q3のコレクタに接続し、上記電界効果トランジスタのドレインを負荷である抵抗器RLに接続してもよい。
以上のように、本実施形態にかかる可変増幅器は、第1のグループのトランジスタおよび第2のトランジスタを備える実施の形態2の可変増幅器において、前記第2のトランジスタが複数である構成である。すなわち、本実施形態にかかる可変増幅器は、実施の形態2の可変増幅器に対し、縦続接続回路のベース接地あるいはゲート接地のトランジスタを複数に分割した構成である。これにより、非動作のエミッタ接地のトランジスタからの信号の漏洩を防ぐことができ、高いアイソレーション特性を得ることができる。その結果、利得の可変範囲の拡大や線形性の改善を行うことができる。
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について、図8、図10、および図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし3のいずれかにて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
これまでの実施の形態2・3の可変増幅器では、エミッタ接地のトランジスタQ1・Q2のバイアスを制御しているが、ベース接地のトランジスタ(Q4およびQ41・Q42・Q43)は固定バイアスとなっている。このような構成の可変増幅器では、ベース接地のトランジスタ(Q4およびQ41・Q42・Q43)は、電流が流れなくなることにより受動的にオフ状態となるだけであるため、高いレベルの入力信号により、一時的にオン状態となることが起こる。そのため、これまでの実施の形態2・3の可変増幅器では、さらに広い利得可変範囲を得るためには、アイソレーション特性が不足する場合がある。また、ベース接地のトランジスタ(Q4およびQ41・Q42・Q43)はオフ状態でも若干動作しているため、歪み成分も発生し、線形性が劣化することがある。
そこで、本実施形態にかかる可変増幅器は、図8に示される回路において、エミッタ接地のトランジスタQ1・Q2・Q3がオフしている時に、それに対応するベース接地のトランジスタQ41・Q42・Q43のベース電圧を強制的に0V付近に近づけるようにベース接地のトランジスタQ41・Q42・Q43のベース電圧を制御する。これにより、ベース接地のトランジスタQ41・Q42・Q43を能動的にオフし、アイソレーション特性をさらに向上することができる。
本実施形態にかかる可変増幅器は、図8に示す縦続接続した可変増幅器の端子Vbb1・Vbb2・Vbb3に対し、ベース接地のトランジスタQ41・Q42・Q43のベース電圧Vbb1・Vbb2・Vbb3を制御するためのベース電圧制御回路を接続したものである。
図8に示された回路に接続するベース電圧制御回路(電圧制御部)の構成を図10に示す。
図10に示すように、ベース電圧制御回路2は、図2に示すベース電流制御回路1に対し、トランジスタQb1と端子Ib1との間にトランジスタQb1cとトランジスタQb1mとで構成されるミラー回路を、トランジスタQb3と端子Ib2との間にトランジスタQb2cとトランジスタQb2mとで構成されるミラー回路を、トランジスタQb4と端子Ib3との間にトランジスタQb3cとトランジスタQb3mとで構成されるミラー回路を、それぞれ挿入し、さらに、ミラー回路からの電流を電圧に変換するために、これらミラー回路と端子Ib1、端子Ib2、および端子Ib3との間にそれぞれ、1組の抵抗器R1u・R1l、1組の抵抗器R2u・R2l、および1組の抵抗器R3u・R3lを挿入したものである。これらトランジスタQb1c・Qb1m・Qb2c・Qb2m・Qb3c・Qb3mは全て、p型の電界効果トランジスタ(pチャネルMOSトランジスタ)である。
ベース電圧制御回路2では、電流Ib1・Ib2・Ib3が、トランジスタQbxc(xは1,2,3)とトランジスタQbxm(xは1,2,3)とで構成されるミラー回路により電流が流れ出す方向に変換される。この電流が、抵抗器Rux(xは1,2,3)と抵抗器Rlx(xは1,2,3)とにより構成される抵抗器により電圧に変換され、トランジスタQ41・Q42・Q43に印加されるべきベース電圧Vbb1・Vbb2・Vbb3が生成される。
以上のようにして、ベース電圧制御回路2は、制御電圧Vctrlに応じてベース電流Ib1・Ib2・Ib3を発生させ、このベース電流Ib1・Ib2・Ib3に基づいてベース電圧を生成する。
図10に示すトランジスタQb4、Qb3、およびQb1のそれぞれに流れ込む電流Ib1、Ib2、Ib3は、図2に示すベース電流制御回路1と同様に、図3に示される制御電圧依存性を示す。
ミラー回路を構成するトランジスタ対(トランジスタQbxc(xは1,2,3)とトランジスタQbxm(xは1,2,3)との対)のゲート幅が同じであるとすると、
(Rux+Rlx)×Iref>>電源電圧
という関係を満たすように抵抗器R1u・R1l・R2u・R2l・R3u・R3lの抵抗値や、抵抗器に流れる電流Irefの値を決めると、図11に示されるようなベース電圧の制御電圧依存性を得ることができる。図11において、同じ線種(実線、点線、一点鎖線)は、縦続接続されたトランジスタの対を構成するエミッタ接地のトランジスタ(Q1〜Q3)のベース電流、あるいはベース接地のトランジスタ(Q41〜Q43)のベース電圧を示す。ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1・Vbb2・Vbb3は、エミッタ接地のトランジスタ(Q1〜Q3)の動作時にはできるだけ変動しないほうが望ましいので、抵抗器R1u・R1l・R2u・R2l・R3u・R3lに流れる電流は、必要なベース電流に比べて十分に大きくすることが望ましい。
切り替え特性を見ると、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1・Vbb2・Vbb3およびエミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1・Ib2・Ib3を低下させていく時には、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1〜Vbb3は、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ib3が十分に小さくなってから、オフ状態(0V付近)となっている。エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3が動作していない状態でベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1〜Vbb3が0V付近に制御されるため、さらに高いアイソレーション特性が得られ、利得の抑圧やIIP3特性を改善することができる。
ベース接地のトランジスタQ41・42・43のベース電圧を制御する回路としては、ベース電流制御回路と同様に、図10に示すアナログ回路(ベース電圧制御回路2)に限定されるわけではなく、別の形式のアナログ回路や、コンピュータ制御でデジタル的に制御信号を作成してこの制御信号からD/A変換器を用いてベース接地のトランジスタQ41・42・43のベース電圧を生成して各単位増幅器の制御を行う回路など、いろいろな構成が考えられる。
以上のように、本実施形態に係る可変増幅器は、実施の形態3に係る可変増幅器において、前記第1のグループのトランジスタのベース電流を変化させ、かつ、前記複数の第2のトランジスタのベース電圧あるいはゲート電圧を変化させる構成である。また、本実施形態に係る可変増幅器は、前記複数のベース接地あるいはゲート接地のトランジスタをエミッタ接地のトランジスタの動作状況に応じて、能動的にオフする構成である。これにより、更なる特性の改善を得ることができる。
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について図12および図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし4のいずれかにて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態4の可変増幅器の特性を詳細に検討すると、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ib3が小さくなるに従い、IIP3特性が劣化していることがわかる。本実施形態にかかる可変増幅器は、この特性を改善するため、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1〜Vbb3およびエミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ib3を低下させていく時に、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ib3が小さくなり、歪みが発生する前に、ベース接地のトランジスタを強制的にオフするようになっている。これにより、特性を改善することができる。
そのような切り替え特性は、図10に示されるベース電圧制御回路2における参照電圧を生成する抵抗器Rc1・Rc2・Rc3の抵抗値や、電流/電圧変換を行う抵抗器R1u・R1l・R2u・R2l・R3u・R3lの抵抗値などの値を調整することにより、得ることができる。
制御電圧Vctrlによるエミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ib3の切り替え特性と、制御電圧Vctrlによるベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1〜Vbb3の切り替え特性とを図12に併せて示す。
図11では、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ib3が流れている制御電圧Vctrlの範囲に対し、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1〜Vbb3は常に一定の値となっており、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1〜Vbb3およびエミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ib3を低下させていく時に、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ib3が完全にオフ状態(0V付近)となっから、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1〜Vbb3が0V付近になっていることがわかる。
それに対し、図12では、エミッタ接地のトランジスタQ1〜Q3のベース電流Ib1〜Ibが、所定の電流の10%程度(所定値)以下になると、ベース接地のトランジスタQ41〜Q43のベース電圧Vbb1〜Vbb3が0V付近になり、オフ状態(遮断状態)となっていることがわかる。
本実施形態にかかる可変増幅器(「エミッタ接地でのみ利得制御」)による利得特性およびIIP3特性と、実施の形態4の可変増幅器(「ベース接地により歪み除去」)による利得特性およびIIP3特性との比較を図13に示す。本実施形態にかかる可変増幅器では、トランジスタQ1〜Q3が切り替えられる付近の制御電圧VctrlでのIIP3の劣化が大幅に抑えられていることがわかる。
以上のように、本実施形態に係る可変増幅器は、実施の形態4に係る可変増幅器において、エミッタ接地のトランジスタベース電流、およびベース接地あるいはゲート接地のトランジスタのベース電圧あるいはゲート電圧の制御手法として、エミッタ接地のトランジスタのベース電流が遮断するより早く、ベース接地あるいはゲート接地のトランジスタのベース電圧あるいはゲート電圧を遮断する構成である。また、これにより、エミッタ接地のトランジスタのオフ付近の歪の増加を抑圧することができる。
〔実施の形態6〕
本発明の他の実施の形態について図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし5のいずれかにて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
これまでの実施の形態1〜5では、複数の単位増幅器(トランジスタQ1〜Q3)がすべて同じ特性(利得および線形性)をもっていたが、それぞれの単位増幅器の特性を互いに異ならせることができる。高い利得が必要なときには、通常、低雑音性が要求されるが、線形性はさほど必要とされない。しかし、高い信号が入力され、増幅器の利得が低く設定されている状況では、高い線形性が要求される。
このような特性を満足する方法として、入力に最も近い増幅器には、負帰還をかけず、減衰器のあとの増幅器には、トランジスタQ2・Q3のエミッタに抵抗またはインダクターを入れることなどにより、トランジスタQ2・Q3に負帰還をかけ、線形性を上げることができる。
図14に示すように、本実施形態に係る可変増幅器は、図1に示す実施の形態1の可変増幅器に対し、トランジスタQ2のエミッタとグラウンドとの間、およびトランジスタQ3のエミッタとグラウンドとの間にそれぞれ、負帰還をかけるための抵抗器Re2および抵抗器Re3を挿入したものである。この場合、トランジスタQ2および抵抗器Re2によって1つの単位増幅器が構成され、トランジスタQ3および抵抗器Re3によって1つの単位増幅器が構成される。
トランジスタQ2・Q3に負帰還をかける方法としては、他にもトランジスタQ2・Q3のベース/コレクタ間にキャパシタや抵抗を用いて負帰還をかけることができる。但し、雑音特性は、エミッタにインダクターを挿入したものが最もよく、エミッタに抵抗を挿入したものがそれよりやや悪い。トランジスタQ2・Q3のベース/コレクタ間に抵抗器やキャパシタを入れて負帰還をかけたものは、かなり雑音特性が悪くなる。
また、さらに線形性を向上させる方法として、トランジスタQ2・Q3の電流密度を高くすることも有効である。入力に一番近いトランジスタQ1は、低雑音を実現するため、低いベース抵抗が必要となる。そのため、トランジスタQ1には、比較的大きなサイズのを使わなければならない。できるだけ小さな消費電流とするためには、トランジスタQ1の電流密度があまり上げられない。しかし、減衰器AT1・AT2のあとに接続されているトランジスタQ2・Q3は雑音特性に対する仕様が緩和されるため、トランジスタQ2・Q3のサイズを小さくし、トランジスタQ2・Q3の電流密度を上げることにより、線形性を向上させることができる。
このような方法により、それぞれの単位増幅器の特性を最適化することにより、高利得時には低雑音で、低利得時には高い線形性を実現することができる。
以上のように、本実施形態に係る可変増幅器は、実施の形態1ないし5のいずれかに記載の可変増幅器において、前記複数のトランジスタが構成する複数の単位増幅器が、特性の異なる複数種類の単位増幅器を含む構成である。この構成では、それぞれの特性に応じて増幅器の特性を最適化することにより、増幅器全体の特性を大幅に改善することができる。
〔実施の形態7〕
本発明の他の実施の形態について図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし6のいずれかにて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
前記実施の形態1〜6の可変増幅器において、入力に最も近い単位増幅器(トランジスタQ1)に求められる特性は、先述したように、高い利得および低い雑音性能である。低雑音を実現するためには、トランジスタQ1のベース抵抗を低くすることが不可欠であり、そのためには、トランジスタQ1の大きさが大きくなる。また、高い利得を実現するためには、ある程度大きい電流をトランジスタQ1に流さなければならない。さらに、ある程度の線形性を実現するためにもある程度大きい電流をトランジスタQ1に流すことが不可欠となる。従って、最初の単位増幅器(トランジスタQ1)の消費電流は、それなりに大きな値となる。
一方、前記実施の形態1〜6の可変増幅器において、減衰器AT1・AT2を経由して信号が入力されるトランジスタQ2・Q3で構成される2つの単位増幅部では、線形性が重要な特性となる。これら単位増幅部の線形性をよくするためには、トランジスタQ2・Q3に多くの電流を流す方法がある。しかしながら、前記実施の形態1〜6の可変増幅器の回路形式では、これら単位増幅部の入力に減衰器AT1・AT2が挿入されているため、その分だけ線形性の指標であるIIP3特性が改善する。さらに、トランジスタQ2・Q3に負帰還をかける、トランジスタQ2・Q3のエミッタ面積を小さくして電流密度を高くすることなどにより、これら単位増幅部の線形性を良くすることも可能である。つまり、雑音特性があまり重要でなければ、トランジスタQ2・Q3に流す電流を減らしても、これら単位増幅部の線形性を高めることができる。
本実施形態にかかる可変増幅器は、図14に示す実施の形態6の可変増幅器において、図2に示すベース電流制御回路1を、図15に示すベース電流制御回路11に変更したものであり、他は実施の形態6の可変増幅器と同様の構成を備えている。
図15に示すように、ベース電流制御回路11は、図2に示すベース電流制御回路1に対し、トランジスタQb1と端子Ib1との間にトランジスタQb1cとトランジスタQb1mとで構成されるミラー回路を、トランジスタQb3と端子Ib2との間にトランジスタQb2cとトランジスタQb2mとで構成されるミラー回路を、トランジスタQb4と端子Ib3との間にトランジスタQb3cとトランジスタQb3mとで構成されるミラー回路を、それぞれ挿入したものである。これらトランジスタQb1c・Qb1m・Qb2c・Qb2m・Qb3c・Qb3mは全て、p型の電界効果トランジスタ(pチャネルMOSトランジスタ)である。
図15で示されるベース電流制御回路11では、総ベース電流が一定に保たれる図1のベース電流制御回路1と異なり、トランジスタQb1m・Qb2m・Qb3mのゲート幅を調整することにより、トランジスタQ1・Q2・Q3に流れるベース電流Ib1・Ib2・Ib3をそれぞれ独立して自由に調整することができる。そして、ベース電流制御回路11は、各トランジスタQ1・Q2・Q3に流れるベース電流Ib1・Ib2・Ib3の比の変化に応じてトランジスタQ1・Q2・Q3の消費電流の合計が変化するように、ベース電流Ib1・Ib2・Ibを制御する。
例えば、IIP3とコレクタ電流とはほぼ比例する関係にあるので、図1の可変増幅器に対して、図14のエミッタ抵抗器Re2,Re3の追加により、同じコレクタ電流でのIIP3を3dB分改善することができるとすれば、トランジスタQ2・Q3のコレクタ電流を図1の可変増幅器に対して1/2にしても、ほぼ同等のIIP3を維持できる。したがって、この場合、例えばトランジスタQ3のコレクタ電流の最大値がトランジスタQ1のコレクタ電流の最大値の1/2となるように、トランジスタQ1・Q3に流れるベース電流Ib1・Ib3を制御するとよい。その様な設定にすることにより、入力電力が小さく、高感度が必要な場合、すなわちベース電流Ib3に対するベース電流Ib1の比が大きい場合には、トランジスタQ1・Q2・Q3にそれなりの消費電流が流れるが、入力電力が大きい場合、すなわちベース電流Ib3に対するベース電流Ib1の比が小さい場合には、トランジスタQ1・Q2・Q3に流れる消費電流の合計をさらに削減することができる。この場合、例えば、総ベース電流に対するベース電流Ib1の比率が100%である時には、トランジスタQ1・Q2・Q3の消費電流は図1の可変増幅器と同等となるが、総ベース電流に対するベース電流Ib3の比率が100%である時には、図1の可変増幅器の1/2となる。
また、可変増幅器が使用される装置が、その回線設計により、入力電力が小さなときに必要とされるIIP3の使用があまり厳しくなく、かつ、あまり高い利得が必要とされない一方で、入力電力が大きなときに高いIIP3が必要とされるような装置となっている場合には、逆に入力電力が小さなときには消費電流を絞り、入力電力が大きく高いIIP3が必要なときに消費電流をある程度大きくすることも可能である。
なお、本実施形態では、実施の形態1に対応するもっとも単純なエミッタ接地回路を用いているが、実施の形態2〜5のように、縦続接続にしたり、ベース電圧制御回路を工夫したりすることで、さらに特性を向上することができる。
なお、非特許文献1および非特許文献2に開示されている従来回路では、切り替え制御を行う回路と、総電流を決める回路とが独立であるため、性能に合わせて消費電力を調整することができない。
以上のように、本実施形態に係る可変増幅器は、実施の形態1ないし6のいずれかに記載の可変増幅器において、前記第1のグループのそれぞれのトランジスタの消費電流(コレクタ電流)が異なる構成である。これにより、特性に応じて消費電流を調整することが可能となる。それにより、増幅器全体の消費電流を削減することができる。
〔実施の形態8〕
本発明の他の実施の形態について図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし7のいずれかにて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
これまでの実施形態で示した可変増幅器を高周波利得可変増幅器(RFVGA)として用いた携帯無線端末(携帯電話等)のブロック図を図16に示す。図16に示すように、本実施形態の携帯無線端末10は、アンテナ16と、アンテナ16で受信された高周波の信号を受け取り、高周波信号の帯域を制限するバンドパスフィルタ(BPF)17と、バンドパスフィルタ17で帯域制限された高周波信号を増幅する高周波利得可変増幅器(RFVGA)12と、高周波利得可変増幅器12で増幅された高周波信号を電圧制御発振器(VCO)14の発振信号と混合することによりベースバンド信号に変換するミキサ(MIX)13と、ベースバンド信号を復調して元の信号を復元する復調器(DEMOD)15とを備えている。高周波利得可変増幅器12は、実施の形態1〜7のいずれかの可変増幅器である。
上記構成の携帯無線端末10は、高周波利得可変増幅器として本発明に係る高周波利得可変増幅器12を用いることにより、高周波利得可変増幅器の入力にバンドパスフィルタ(BPF)17を直結することができ、従来の差動増幅回路を用いた携帯無線端末で必要であったバランが不要となる。バランがなくなることにより、携帯無線端末の回路全体の大きさが小さくなるだけでなく、バランのロスによる受信電力の低下も防ぐことができる。従って、本発明に係る高周波利得可変増幅器12を用いることにより、小型で、かつ、高感度な携帯無線端末10を実現することができる。
さらに、本発明に係る高周波利得可変増幅器12では携帯無線端末の特性に応じて利得と消費電流との関係を最適化することができるため、低消費電力で長時間の使用が可能な携帯無線端末を実現することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の可変増幅器は、携帯無線端末の受信信号の増幅器等として利用できる。また、本発明の携帯無線端末は、携帯電話等のような高周波を用いた無線通信システムの端末に利用できる。
本発明の実施の一形態にかかる可変増幅器の構成を示す回路図である。 上記可変増幅器が備えるベース電流制御回路の構成を示す回路図である。 上記可変増幅器における、制御電圧に対する3つのトランジスタのベース電流の変化を示すグラフである。 上記可変増幅器における、制御電圧に対する可変増幅器全体の利得およびIIP3の変化を示すグラフである。 上記実施形態にかかる可変増幅器の変形例を示す回路図である。 本発明の他の実施の形態にかかる可変増幅器の構成を示す回路図である。 図1の可変増幅器と図6の可変増幅器との利得の周波数特性の比較を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる可変増幅器の構成を示す回路図である。 図6の可変増幅器と図8の可変増幅器との利得およびIIP3特性の制御電圧依存性の比較を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態に係る可変増幅器が備えるベース電圧制御回路の構成を示す回路図である。 図10に示すベース電圧制御回路を備える可変増幅器における、エミッタ接地のトランジスタのベース電圧、およびベース接地のトランジスタのベース電圧の制御電圧依存性を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態に係る可変増幅器おける、エミッタ接地のトランジスタのベース電圧、およびベース接地のトランジスタのベース電圧の制御電圧依存性を示すグラフである。 図10に示すベース電圧制御回路を備える可変増幅器と、図12に示す特性を有する可変増幅器との利得とIIP3特性の制御電圧依存性の比較を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる可変増幅器の構成を示す回路図である。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる可変増幅器における、エミッタ接地のトランジスタのベース電流を制御するベース電流制御回路の構成を示す回路図である。 本発明の可変増幅器を用いた携帯無線端末の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 ベース電流制御回路(ベース電流制御部)
2 ベース電圧制御回路(電圧制御部)
11 ベース電流制御回路(ベース電流制御部)
12 高周波利得可変増幅器(可変増幅器)
13 ミキサ
14 電圧制御発振器
15 復調器
16 アンテナ
17 バンドパスフィルタ
Q1 トランジスタ(バイポーラ型のトランジスタ)
Q2 トランジスタ(バイポーラ型のトランジスタ)
Q3 トランジスタ(バイポーラ型のトランジスタ)
Q4 トランジスタ(付加トランジスタ)
Q41 トランジスタ(付加トランジスタ)
Q42 トランジスタ(付加トランジスタ)
Q43 トランジスタ(付加トランジスタ)
RL 抵抗器(負荷)
AT1 減衰器
AT2 減衰器
AT3 減衰器
AT4 減衰器

Claims (1)

  1. 信号入力端および信号出力端の間に並列接続された、信号を増幅するための複数のバイポーラ型のトランジスタを含み、該トランジスタのエミッタが実質的に接地され、信号入力端から複数のトランジスタを経由して信号出力端に至る複数の信号経路は、少なくとも1つが他と異なる特性を持つ可変増幅器において、
    可変増幅器全体の特性が変化するように各トランジスタのベースに流れる電流を制御するベース電流制御部が設けられていることを特徴とする可変増幅器。
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