JP2006311058A - 動きベクトル検出回路及びその検出方法並びに手ブレ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の状態が悪い状況でも、撮影者に対して違和感を与えずにブレ補正動作を行うことのできる動きベクトル検出装置及びその検出方法並びにブレ補正装置を提供すること。
【解決手段】差分演算部17で画像データのフレーム内に複数の演算エリアを設定し、基準フレームと参照フレームから2つの画像データの相関度を積分部18で演算し、動きベクトル検出部19で演算エリア毎に動きベクトルを検出する。信頼性判定部20にて、信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントし、そのカウント値が第1判定値を超えると現フレームにおいて動きベクトルを検出できると判定し、一度検出ができると判定された後、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値より小さくなるまではこの判定結果を維持する。動きベクトルが検出できると判定されると、信頼性有りと判定された上記演算エリアで算出された動きベクトルに基づきフレーム全体の動きベクトルを算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】差分演算部17で画像データのフレーム内に複数の演算エリアを設定し、基準フレームと参照フレームから2つの画像データの相関度を積分部18で演算し、動きベクトル検出部19で演算エリア毎に動きベクトルを検出する。信頼性判定部20にて、信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントし、そのカウント値が第1判定値を超えると現フレームにおいて動きベクトルを検出できると判定し、一度検出ができると判定された後、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値より小さくなるまではこの判定結果を維持する。動きベクトルが検出できると判定されると、信頼性有りと判定された上記演算エリアで算出された動きベクトルに基づきフレーム全体の動きベクトルを算出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子カメラ等の装置に於いて画像の動き検出を行う動きベクトル検出回路及びその検出方法並びに手ブレ補正装置に関するものである。
従来より、撮影中に発生した手ブレを補正する手ブレ補正機能を有した電子カメラ等の撮像装置が知られている。これら撮像装置には、装置に発生した手ブレを検出するために、撮影中の画像情報から動きベクトルを得るような検出回路を有するものがある。
この動きベクトルを検出する方法としては、現在のフィールドの画像とその直前のフィールド画像とを、所定の代表点または画素毎に比較対照するマッチィング法がある。ところが、比較する画像の状態が悪い(例えば、コントラストが悪く特徴点が少ない)と、動きベクトルの検出が連続的にできないこともある。
これに対して、信頼性が低い場合に、過去の信頼性からの情報を現在の情報にプラスして信頼性を高めて動きベクトルを求めている動きベクトル検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平02−246686号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の動きベクトル検出装置では、動きベクトルを利用して、手ブレによる動画像の劣化を補正しようとする際に、画像の状態が悪くて動きベクトルの検出が連続的にできないと、動画像に対するブレ補正動作が不連続なものになり、撮影者に対して違和感を与えるものであった。
したがって本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、画像の状態が悪い状況であっても、撮影者に対して違和感を与えることなくブレ補正動作を行うことのできる動きベクトル検出装置及びその検出方法並びに手ブレ補正装置を提供することを目的とする。
すなわち請求項1に記載の発明は、画像データから動きベクトルを検出して動画像に発生した手ブレを補正する電子カメラの動きベクトル検出回路であって、画像データのフレーム内に複数の演算エリアを設定し、時間的に相前後する2つの画像データの相関度を演算してこれら演算エリア毎に動きベクトルを算出する算出手段と、上記複数の演算エリア毎に信頼性を判定する第1判定手段と、上記第1判定手段の判定結果より信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントするカウント手段と、上記カウント手段のカウント値が所定の第1判定値を超えると、現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定し、一度検出ができると判定された後は、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値よりも小さくなるまではこの判定結果を維持する第2判定手段と、上記第2判定手段にて動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1判定手段によって信頼性があると判定された演算エリアで上記算出手段が算出した動きベクトルに基づきフレーム全体の動きベクトルを算出する手段と、を具備することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、画像データのフレーム内に複数の所定サイズの演算エリアを設定し、時間的に相前後する2つの画像データの相関度を演算して、該演算エリア毎の動きベクトルを算出し、これらの動きベクトルに基づきフレーム全体の動きベクトルを検出する動きベクトル検出回路に於いて、上記複数の演算エリア毎に信頼性を判定する第1判定手段と、上記第1判定手段の判定結果より信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントするカウント手段と、上記カウント手段のカウント値が所定の第1判定値を超えると現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定し、一度検出ができると判定された後は、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値より小さくなるまではこの判定結果を維持する第1判定手段と、上記第2判定手段にて動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1判定手段によって信頼性が有ると判定された演算エリアで算出された動きベクトルに基づいてフレーム全体の動きベクトルを検出する検出手段と、を具備することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、画像データのフレーム内に複数の所定サイズの演算領域を設定し、時間的に相前後する2つの画像データの相関度を演算して、該演算領域毎の動きベクトルを算出し、これらの動きベクトルに基づいて画面全体の動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法であって、上記複数の演算エリア毎に信頼性を判定する第1判定工程と、上記第1判定工程の判定結果より信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントするカウント工程と、上記カウント工程のカウント値が所定の第1判定値を超えると現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定し、一度検出ができると判定された後は、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値より小さくなるまではこの判定結果を維持する第2判定工程と、上記第2判定工程により動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1判定工程によって信頼性があると判定された演算エリアで算出された動きベクトルに基づいて画面全体の動きベクトルを検出する検出工程と、を具備することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、画像データのフレーム内に複数の所定サイズの演算エリアを設定し、時間的に相前後する2つの画像データの相関度を演算して各演算エリア毎の動きベクトルを算出し、これらの動きベクトルに基づいて画面全体の動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法であって、上記複数の演算エリア毎に信頼性の判定行う第1の工程と、上記第1の工程の結果より信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントし、上記カウントの値が所定の第1判定値を超えると現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定し、一度検出ができると判定された後は、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値より小さくなるまではこの判定結果を維持する第2の工程と、上記第2の工程の結果より動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1の信頼性判定によって信頼性があると判定された演算エリアで算出された動きベクトルに基づいてフレーム全体の動きベクトルを検出する工程と、を具備することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、画像データから動きベクトルを検出して動画像に発生した手ブレを補正する手ブレ補正装置であって、所定時点で撮像された基準フレームと、上記所定時点よりも所定時間前に撮像された参照フレームを取得するための撮像手段と、画像データのフレーム内に複数の演算エリアを設定し、上記基準フレームと上記参照フレームの2つの画像データの相関度を演算して、これら演算エリア毎に動きベクトルを算出する第1算出手段と、上記複数の演算エリア毎に信頼性を判定する第1判定手段と、上記第1判定手段により信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントするカウント手段と、上記カウント手段のカウント値が所定の第1判定値を超えた場合、及び上記第1判定値を超えた後に上記第1判定値より小さい第2判定値よりも小さくなるまでは、現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定する第2判定手段と、上記第2判定手段にて動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1判定手段によって信頼性があると判定された演算エリアで、上記第1算出手段が算出した動きベクトルに基づきフレーム全体の動きベクトルを算出する第2算出手段と、上記第2算出手段で算出されたフレーム全体の動きベクトルに基づいて画像データを切り出して手ブレ補正を行う手ブレ補正手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、画像のコントラスト等の条件が悪く動きベクトルの検出が難しい状況でも、ブレ補正動作を安定して実行することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すもので、動きベクトル検出装置が適用された電子カメラの電気系の概略構成を示すブロック図である。
図1に於いて、この電子カメラは、図示されない被写体を撮像するための撮像部(撮像手段)11と、輝度成分を抽出するためのY/C分離部12と、詳細を後述する動きベクトル検出回路15と、メモリ制御部23と、メモリ24と、エンコーダ25及び画像データ記録部26とを有して成る。
上記動きベクトル検出回路15は、Y/C分離部12で抽出されたフレームを記憶するためのメモリ16と、上記Y/C分離部12から出力されるフレームとメモリ16から出力されるフレームについて差分演算を行う差分演算部17と、相関演算を行う積分部18と、動きベクトル検出部19及び動きベクトルの信頼性を判定する信頼性判定部20と、を有して構成されている。
尚、上記差分演算部17、積分部18及び動きベクトル検出部19は、算出手段(第1算出手段)を構成し、動きベクトル検出部19は動きベクトル検出手段を構成し、信頼性判定部20は第1及び第2判定手段、第2算出手段を構成している。
このような構成に於いて、図示されない被写体からの撮影光束が撮像部11に入射される。撮像部11に入射された撮影光束は、ここで光電変換された後、撮影画像がフレーム毎にメモリ24に記録されると共に、Y/C分離部12に出力される。Y/C分離部12では、フレーム毎に輝度成分が抽出されて、メモリ16に参照フレームとして記録される。ここで、参照フレームとは、撮像部11により所定時点で撮像されたフレーム(基準フレーム)よりも所定時間前に撮像された画像データのことである。
そして、差分演算部17では、上述した所定時点で撮像された基準フレームと、メモリ16に記録された参照フレームとが比較されて、両者の差分値が取得される。ここで取得された差分値は、積分部18にて積分されて相関値が求められる。この積分部18では、上記参照フレームと基準フレームの相対的な位置関係がシフトされながら差分値がとられ、各々の位置関係に於いて両者の間の相関係数が算出される。
ここで、相関係数は、上記参照フレームと上記基準フレームの対応する各画素データの差分の絶対値を領域内で積分演算を行った結果である。この相関係数が相対的に小さい場合には、相対的に相関度が高いとする相関係数となる。そして、この積分部18の演算結果に基づいて、最も相関の高いものが動きベクトル検出部19にて検出される。
上記動きベクトル検出部19で検出された動きベクトルについては、信頼性判定部20に於いて信頼性が有るか否かが判定される。尚、この信頼性の判定の詳細については、後述する。そして、手ブレ補正手段であるメモリ読み出し制御部23に於いて、上記信頼性判定部20で信頼性有りと判定された場合に、上記動きベクトル検出部15で検出された動きベクトルに応じて、画像の動きが相殺されるようにメモリ24の読み出し位置が制御される。こうして動きの相殺された画像は、エンコーダ25にてJPEG等の画像に変換された後、手ブレが補正された画像として画像データ記録部26に書き込まれる。
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施形態に於ける電子カメラのブレ補正動作について説明する。
本ルーチンが開始されると、先ず、ステップS1にて、撮像部11を介して得られた撮影画像から、Y/C分離部12を介して、参照フレームとしての画像データが、動きベクトル検出回路15内のメモリ16に取得される。次いで、ステップS2にて、上述した基準フレームと、この基準フレームの次のフレームである参照フレームとが比較されて、その差分値が取得され、この差分値から相関値が求められて動きベクトルが検出される。尚、この動きベクトルは、画像データに設けられた演算エリア毎に算出される。
そして、ステップS3に於いて、検出された動きベクトルに対してサブルーチン「信頼性判定動作」が実行される。
図3は、図2のフローチャートに於けるステップS3のサブルーチン「信頼性判定動作」の詳細な動作を説明するフローチャートである。
本サブルーチンに入ると、先ずステップS11にて、上述した演算エリア毎の信頼性が検出される。
図4は、エリア毎の信頼性判定を行うための判定値の設定について説明する図である。
同図に於いて、横軸は画素をシフトしてスキャンしている位置を表し、縦軸は相関値を表している。そして、相関値が最も低い値が相関度が高いことを表しており、この相関度が高くなるほど動きベクトルが明確になり、信頼性が高くなる。
図4(a)及び(b)に示されるように、相関値の平均値をAVE、最小値をMINとする。そして、両者の差分値が所定の閾値(判定値)以上であれば、信頼性有りと判定される。
ここで、図4(a)に示されるように、平均値AVEと最小値MINとの差分値が大きい場合、この差分値は上記閾値以上の値となる。したがって、この場合は信頼性有りとなることがわかる。これに対して、図4(b)に示されるように、相関値AVEと最小値MINとの差分値が小さい場合は、この差分値が上記閾値よりも小さくなる。したがって、この場合は信頼性無しと判定される。
図5は、フレーム内の動きベクトルの例を示した図である。
この場合、フレーム30内に複数のエリア31を有しており、個々のエリアについて動きベクトルが求められる。例えば、フレーム30全体の動きベクトルのうち、多数決等によってフレーム全体の動きベクトルが求められる。すなわち、全体の動きベクトル(例えばエリア31a)と異なるもの(例えばエリア31b)は、信頼性が無いものと判定される。そして、図6に示される信頼性分布図のように、エリア31aが信頼性の有る動きベクトルとしてカウントされる。この場合、○印が信頼性有り、×印が信頼性無しを表している。
ステップS12では、信頼性が有る演算エリアがカウントされて、レジスタにそのカウント値(D_CNT)が設定される。
次に、ステップS13に於いて、前回のフレームについて信頼性の有無が判定される。ここで、信頼性が有りと判定されていない場合は、ステップS14へ移行して、所定の閾値(D_TH)として第1判定値が設定される。一方、上記ステップS13にて信頼性が有ると判定された場合は、ステップS15へ移行して、上記ステップS14で設定される第1判定値よりも小さい第2判定値が所定の閾値(D_TH)として設定される。
ここで、図7を参照して、フレームの信頼性判定を行うための判定値の設定について説明する。
上述したように、ステップS13にて、前回のフレームについての信頼性の有無に応じて、ステップS14若しくはS15に移行して、所定の第1判定値と、該エリアの個数が第1判定値より小さい第2判定値とが設定される。
ここで、信頼性有りと判定されたエリアのカウント値が上記所定の第1判定値を超える場合は、現在のフレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定される。また、信頼性有りと判定されたエリアのカウント値が上記所定の第2の判定値よりも低い場合は、現在のフレームにおいて動きベクトルを検出することができないとして、動きベクトルはないものとみなされる。
更に、信頼性有りと判定されたエリアのカウント値が上記第1判定値を超えた後で、且つその個数が上記第2判定値よりも小さくなるまでは、この判定結果が維持される。但し、信頼性有りと判定されたエリアのカウント値が上記第1判定値を超えず、単に上記第2判定値を超えただけでは信頼性有りとは判定されない。
このようにして、動きベクトルの信頼性が有りとされて、且つ所定の判定値に基づいて手ブレ補正が行われるようにする。
したがって、上記ステップS13にて、前回のフレームでは信頼性有りと判定されていない場合は、ステップS14に移行して、信頼性有りと判定されたエリアのカウント値が高い第1判定値が閾値として設定される(期間t0 〜t1 )。一方、前回のフレームで信頼性有りと判定された場合は、ステップS15に移行して、信頼性有りと判定されたエリアのカウント値が第1判定値よりも低い第2判定値が閾値として設定される(期間t1 〜t2 )。これは、一旦第1の判定値を超えているので、その後第2の判定値よりも小さくなるまでの期間は、多少信頼性が減少しても安定して手ブレ補正が行われるようにするためである。
そして、図7に示される期間t2 〜t3 は、期間t1 〜t2 で一旦第1の判定値を超えたものの、第2の判定値よりも小さくなり、前回のフレームでは信頼性有りと判定されていないので、上記期間t0 〜t1 と同様に、第1判定値が閾値として設定される。したがって、この場合もステップS14へ移行する。
こうして、前回のフレームの信頼性に応じて設定された閾値(D_TH)、すなわち第1判定値若しくは第2判定値と、信頼性有りと判定されたエリアのカウント値(D_CNT)とが、ステップS16に於いて比較される。そして、設定された閾値(D_TH)が第1判定値、第2判定値の何れであっても、上記カウント値(D_CNT)の方が小さければ、ステップS17に移行して信頼性フラグがクリアされる(例えば、期間t0 〜t1 、t2 〜t3 )。これに対し、設定された閾値(D_TH)が第1判定値、第2判定値の何れであっても、上記カウント値(D_CNT)の方が大きければ、ステップS18に移行して信頼性フラグがセットされる(例えば、期間t1 〜t2 )。
その後、上記ステップS17またはS18の処理がなされたならば、本サブルーチンを抜けて、図2のフローチャートのステップS4へ移行する。
図2のフローチャートに戻り、ステップS4に於いて、動きベクトルの信頼性について判定が行われる。ここで、信頼性フラグが有る場合、すなわち、図3のフローチャートのステップS18で信頼性フラグがセットされた場合はステップS5へ移行する。一方、信頼性フラグが無い場合、すなわち、図3のフローチャートのステップS17で信頼性フラグがクリアされた場合はステップS8へ移行する。
ステップS5では、信頼性有りと判定されたエリアの動きベクトルの度数分布がとられて、フレーム全体の動きベクトルが決定される。
図8は、動きベクトルの度数分布を示した図である。
この場合、スキャンが行われる範囲が縦(y)方向で−4〜4、横(x)方向で−5〜5である。そして、図6に示されるような信頼性分布図を基に、信頼性有りと判定された動きベクトルの個数が各エリアにセットされる。そして、この動きベクトルの度数分布図から、フレーム全体の動きベクトルが決定される。この場合、x,yが3,3のエリアに動きベクトルが8個あることを表している。したがって、フレーム全体としては、最もカウント値の高い「8」のエリア(3,3)までのベクトルが動きベクトルとして決定される。
次いで、ステップS6にて、上記ステップS5で決定された動きベクトルに基づいて、画像データの切り出しが行われる。これにより、切り出しが行われた画像データは、メモリ24から後段の処理回路、すなわちエンコーダ25を介して画像データ記録部26に送られる。更に、ステップS7にて、現在の画像データが、基準フレームとしてメモリ16に記憶される。
このようにして、信頼性フラグが有る場合は、画像データの切り出し位置を変えて手ブレ補正が行われる(例えば、図7の期間t1 〜t2 参照)。
一方、上記ステップS4にて信頼性フラグが無いと判定された場合は、ステップS8へ移行して、動きベクトル量がゼロとみなされて画像データの切り出しが行われる。そして、切り出しが行われた画像データは、メモリ24から後段の処理回路、すなわちエンコーダ25を介して画像データ記録部26に送られる。この場合、信頼性フラグが無いので、手ブレ補正は行われない(例えば、図7の期間t0 〜t1 、t2 〜t3 参照)。
このように、信頼性有りと判定されたエリアの個数の判定に、第1及び第2の異なる判定値となるヒステリシス特性を持たせているので、一旦、信頼性があると判定された場合には多少信頼性が減少しても補正を中断することがなくなる。また、信頼性が中程度でばらつく場合に、補正が断続的にならないので、使用者への違和感を低減させることができる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明の主旨を逸脱しない範囲で変形可能であることは勿論である。
11…撮像部、12…Y/C分離部、15…動きベクトル検出回路、16…メモリ、17…差分演算部、18…積分部、19…動きベクトル検出部、20…信頼性判定部、23…メモリ読み出し制御部、24…メモリ、25…エンコーダ、26…画像データ記録部。
Claims (5)
- 画像データから動きベクトルを検出して動画像に発生した手ブレを補正する電子カメラの動きベクトル検出回路であって、
画像データのフレーム内に複数の演算エリアを設定し、時間的に相前後する2つの画像データの相関度を演算してこれら演算エリア毎に動きベクトルを算出する算出手段と、
上記複数の演算エリア毎に信頼性を判定する第1判定手段と、
上記第1判定手段の判定結果より信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントするカウント手段と、
上記カウント手段のカウント値が所定の第1判定値を超えると、現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定し、一度検出ができると判定された後は、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値よりも小さくなるまではこの判定結果を維持する第2判定手段と、
上記第2判定手段にて動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1判定手段によって信頼性があると判定された演算エリアで上記算出手段が算出した動きベクトルに基づきフレーム全体の動きベクトルを算出する手段と、
を具備することを特徴とする動きベクトル検出回路。 - 画像データのフレーム内に複数の所定サイズの演算エリアを設定し、時間的に相前後する2つの画像データの相関度を演算して、該演算エリア毎の動きベクトルを算出し、これらの動きベクトルに基づきフレーム全体の動きベクトルを検出する動きベクトル検出回路に於いて、
上記複数の演算エリア毎に信頼性を判定する第1判定手段と、
上記第1判定手段の判定結果より信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントするカウント手段と、
上記カウント手段のカウント値が所定の第1判定値を超えると現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定し、一度検出ができると判定された後は、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値より小さくなるまではこの判定結果を維持する第1判定手段と、
上記第2判定手段にて動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1判定手段によって信頼性が有ると判定された演算エリアで算出された動きベクトルに基づいてフレーム全体の動きベクトルを検出する検出手段と、
を具備することを特徴とする動きベクトル検出回路。 - 画像データのフレーム内に複数の所定サイズの演算領域を設定し、時間的に相前後する2つの画像データの相関度を演算して、該演算領域毎の動きベクトルを算出し、これらの動きベクトルに基づいて画面全体の動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法であって、
上記複数の演算エリア毎に信頼性を判定する第1判定工程と、
上記第1判定工程の判定結果より信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントするカウント工程と、
上記カウント工程のカウント値が所定の第1判定値を超えると現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定し、一度検出ができると判定された後は、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値より小さくなるまではこの判定結果を維持する第2判定工程と、
上記第2判定工程により動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1判定工程によって信頼性があると判定された演算エリアで算出された動きベクトルに基づいて画面全体の動きベクトルを検出する検出工程と、
を具備することを特徴とする動きベクトル検出方法。 - 画像データのフレーム内に複数の所定サイズの演算エリアを設定し、時間的に相前後する2つの画像データの相関度を演算して各演算エリア毎の動きベクトルを算出し、これらの動きベクトルに基づいて画面全体の動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法であって、
上記複数の演算エリア毎に信頼性の判定行う第1の工程と、
上記第1の工程の結果より信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントし、上記カウントの値が所定の第1判定値を超えると現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定し、一度検出ができると判定された後は、該カウント値が上記第1判定値より小さい第2判定値より小さくなるまではこの判定結果を維持する第2の工程と、
上記第2の工程の結果より動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1の信頼性判定によって信頼性があると判定された演算エリアで算出された動きベクトルに基づいてフレーム全体の動きベクトルを検出する工程と、
を具備することを特徴とする動きベクトル検出方法。 - 画像データから動きベクトルを検出して動画像に発生した手ブレを補正する手ブレ補正装置であって、
所定時点で撮像された基準フレームと、上記所定時点よりも所定時間前に撮像された参照フレームを取得するための撮像手段と、
画像データのフレーム内に複数の演算エリアを設定し、上記基準フレームと上記参照フレームの2つの画像データの相関度を演算して、これら演算エリア毎に動きベクトルを算出する第1算出手段と、
上記複数の演算エリア毎に信頼性を判定する第1判定手段と、
上記第1判定手段により信頼性が有ると判定された演算エリアの個数をカウントするカウント手段と、
上記カウント手段のカウント値が所定の第1判定値を超えた場合、及び上記第1判定値を超えた後に上記第1判定値より小さい第2判定値よりも小さくなるまでは、現フレームにおいて動きベクトルの検出ができると判定する第2判定手段と、
上記第2判定手段にて動きベクトルの検出ができると判定されると、上記第1判定手段によって信頼性があると判定された演算エリアで、上記第1算出手段が算出した動きベクトルに基づきフレーム全体の動きベクトルを算出する第2算出手段と、
上記第2算出手段で算出されたフレーム全体の動きベクトルに基づいて画像データを切り出して手ブレ補正を行う手ブレ補正手段と、
を具備することを特徴とする手ブレ補正装置。
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