JP2006310568A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数のLEDランプを配列させた発光装置の発光ムラを防止しかつ耐久性を向上させる。
【解決手段】 複数のLEDランプを配列してなる発光装置において、LEDランプの少なくとも発光面側を拡散層で被覆し、更に拡散層をカバー層で被覆する。拡散層の母材とカバー層はともに透光性のシリコーン樹脂で形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は発光装置に関する。
液晶画面のバックライトとしてLED線状光源(発光装置)を使用するものが提案されつつある。かかる発光装置は、所定の間隔をとって複数のLEDランプを線状に並べ、これを透光性の封止部材で封止したものである。封止部材にはLEDランプを保護するために一定の厚さが要求されている。LEDランプはそれぞれ点光源であるので、各LEDランプから放出された光を合成して線光源とするために、例えば封止部材の表面に拡散層を形成して各LEDランプからの光を分散させて相互に融合(混合)させている。
本発明に関連する技術を開示する文献として特許文献1を参照されたい。
特開2000−31547号公報
本発明者らは、このような発光装置の改良に取組み、鋭意検討を重ねてきた。その結果、下記の解決すべき課題を見出すに至った。
(1) 発光装置に要求される発光量の増大に伴い、各LEDランプの出力を大きくしていくと、封止部材の表面に形成された拡散層によっては各LEDランプから放出された光を充分に混合できなくなる。
(2) また、各LEDランプの出力を大きくしていくと、特にIII族窒化物系化合物半導体LEDに代表される比較的短い波長の光を放出するLEDランプでは、封止部材の材料の耐久性を考慮する必要がある。
本発明は上記の課題を解決すべくなされたものである。即ち、
複数のLEDランプを配列してなる発光装置であって、
前記LEDランプの少なくとも発光面側を直接被覆する拡散層であって、透光性のシリコーン樹脂に拡散剤を分散させてなる拡散層と、
該拡散層を被覆するシリコーン樹脂製のカバー層と、
を備えてなる発光装置。
このように構成された発光装置によれば、LEDランプの少なくとも発光面側に直接拡散層が配置されて、LEDランプから放出された光を拡散させる。このように、拡散層の位置をLEDランプへ可及的に近接することにより、LEDランプから放出される光を効率的に拡散可能となる。
即ち、図1に示すとおり、LEDランプ1から放出された光は拡散層3中で拡散されることとなるが、LEDランプ1の封止部材2表面における光の混合の度合いは、拡散層3がLEDランプ1に近づけば近づくほど大きくなるからである。
ここで、既述の通り、LEDランプ1の封止部材2には所定の厚さが要求されているので、この発明では図1(A)に示すとおり、LEDランプ1直上の拡散層3へカバー層5を積層し、もって封止部材2の厚さを確保している。そして、拡散層3及びカバー層5をともにシリコーン樹脂製とすることにより両層の屈折率を調整し、当該拡散層3とカバー層5と界面反射を防止している。
また、シリコーン樹脂は光に対して化学的に安定しているので、拡散層3をLEDランプ1に接するように配置しても、拡散層3は殆ど変色せず、耐久性が向上する。
つまり、LEDランプ1の封止部材2をこの発明で規定するよう構成することにより、発光ムラが少なく、光の取り出し効率が高く、かつ耐久性の向上した発光装置が得られることとなる。
以下、上記各要素について更に詳細に説明する。
(LEDランプ)
LEDランプは基台の上に発光ダイオードをマウントし、当該発光ダイオードへ電力を印加可能としたものである。基台の形状や発光ダイオードのマウントの方式は特に限定されるものではない。例えば、フリップチップタイプの表面実装方式LEDランプを採用することができる。1つの基台に複数の発光ダイオードをマウントしても、また1つの貴台に1つの発光ダイオードをマウントしてもよい。
発光ダイオードは任意の発光波長のものを選択可能である。例えば、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードを採用することにより白色の発光装置を構成することができる。
LEDランプの配列方式も任意に選択可能であり、複数のLEDランプを一次元的(直線状)に配列することにより発光装置は線状光源となり、また複数のLEDランプを二次元的に配列することにより発光装置は面状光源となる。
(拡散層)
拡散層はシリコーン樹脂に拡散剤を分散させてなる。拡散剤にはガラスビーズ、アクリルビーズ、二酸化シリコンビーズなどを採用することができる。これら拡散剤の平均粒径は0.1〜1.0μmとすることが好ましい。拡散材の配合割合は、LEDランプの出力や発光装置に要求される輝度に応じて任意に選択可能であるが、例えばシリコーン樹脂に対して拡散剤の配合量を1.0〜5.0重量%とすることができる。
拡散層の厚さはLEDランプの出力や拡散剤の配合割合などに応じて任意に選択可能であるが、LEDランプを被覆する封止部材の全厚さにおいて5〜10%の厚さとすることが好ましい。
かかるシリコーン樹脂は光に対して安定で変色し難く、かつ耐熱性が高い。
図1(A)に示すように、拡散層3はLEDランプ1の少なくとも発光面側を直接被覆すればよい。これにより、LEDランプ1から放出された光を拡散できるからである。なお、製造工程を簡素化する見地からは、図2に示すとおり、LEDランプ1を拡散層13の材料で囲繞することとなる。図2において符号12及び15はそれぞれ封止部材及びカバー層を示す。
LEDランプを被覆する封止部材をLEDランプの光放出方向からみたとき、拡散層は封止部材の全領域において均一である必要はない。例えば、図3に示すように、LEDランプ1を直接被覆する部分(第1の拡散領域23)とその外側に位置する部分(第2の拡散領域24)とを設け、第1の拡散領域23の拡散剤配合密度を第2の拡散領域24のそれより大きくしておく(例えば、拡散材料を入れる)。これにより、LEDランプ1の光が直接入力される第1の拡散領域23において光の分散度合いが大きくなって、LEDランプの位置がスポット的に明るくなることが防止される。第1の拡散領域23から外方に放出されて第2の拡散領域24に達した光はここで更に拡散されることとなるが、当該第2の拡散領域24での拡散度合いは小さいので光量が低下しない。よって、封止部材22の全体をより均一に発光させることができる。
図3の例では、第1の拡散領域24をLEDランプの配列と一致した連続体としているが、当該第1の拡散領域24の形態は発光装置の目的用途に応じて任意に設計することができる。
(カバー層)
カバー層はシリコーン樹脂からなり、拡散層を被覆するように形成される。
カバー層に所望の厚さを与えることにより、LEDランプの封止部材に充分な厚さが確保され、もってLEDランプを確実に保護することができる。拡散層のみで所定の厚さを確保しようとすると、LEDランプから放出された光が過度に拡散されて、発光装置として充分な光量を確保できなくなる。
カバー層をレンズ状に形成することもできる。
このカバー層及び/又は拡散層に蛍光材料を配合し、LEDランプから放出される光の一部又は全部を波長変換することもできる。
以下、この発明の実施例を図4及び図5の例に基づいて説明をする。
実施例の発光装置30のLEDランプ31はフリップチップタイプの発光ダイオード311を基台312にマウントしたものである。この発光ダイオード311は紫色系光を放出する。基台312上のカップ部313内には透光性のシリコーン樹脂内に蛍光材料が分散されており、発光ダイオード311から放出された光の一部を当該蛍光材料で波長変換することによりLEDランプ31は全体として白色光を発光する。基台312は回路基板37にマウントされ、図示しない電源回路へ接続されている。
複数のLEDランプ31を一直線状にマウントした回路基板37の上に拡散層33を形成する。この拡散層33の成型材料はシリコーン樹脂へ拡散剤としてSiOからなるガラスビーズを配合割合:1%で混合分散したものである。拡散層33の厚さは5mmとする。かかる拡散層33は回路基板37の上の所定の領域に、LEDランプ31を囲む堰を設け、当該堰内へ拡散剤成型材料をポッテリングして形成される。
拡散層33を被覆するカバー層35は拡散層33の母材と同じシリコーン樹脂からなり、その厚さは光軸方向(最大厚さ)において30mmとする。このカバー層35は型成形されて、その頂部がLEDランプ31の配列方向に一致している。
このように構成された実施例の発光装置30によれば、LEDランプ31から放出された白色光は拡散層33において充分に混合され、カバー層35の表層において発光ムラが殆ど生じない。また、拡散層33はシリコーン樹脂とガラスビーズという化学的に安定した材料で形成されているので、LEDランプ31を高出力かつ短波長としても変色することがない。即ちその耐久性が向上する。さらには、拡散層33の母材とカバー層35とがともにシリコーン樹脂で形成されているので、両層の界面反射がなく、光の取りだし効率も向上する。
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
図1はこの発明の構成及び作用効果を説明するための模式的な横断面図であり、図1(A)はこの発明の発光装置を示し、図1(B)は従来例を示す。 図2はこの発明の他の実施形態の発光装置を示す横断面図である。 図3はこの発明の他の実施形態の発光装置の平面図である。 図4はこの発明の実施例の発光装置の横断面図である。 図5はこの発明の実施例の発光装置の縦断面図である。
符号の説明
1、31 LEDランプ
3、13、33 拡散層
5、15、35 係合爪
23 第1の拡散領域
24 第2の拡散領域

Claims (4)

  1. 複数のLEDランプを配列してなる発光装置であって、
    前記LEDランプの少なくとも発光面側を直接被覆する拡散層であって、透光性のシリコーン樹脂に拡散剤を分散させてなる拡散層と、
    該拡散層を被覆するシリコーン樹脂製のカバー層と、
    を備えてなる発光装置。
  2. 前記拡散層は前記LEDランプを囲繞している、ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記拡散層は前記拡散剤が第1の密度で分散されている第1の拡散領域と、前記第1の密度より小さい第2の密度で前記拡散剤が分散されている第2の拡散領域とを備え、前記LEDランプは前記第1の拡散領域で被覆され、前記第2の拡散領域は、前記LEDランプを平面から見たとき、前記第1の拡散領域の外側に配置される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記第1の拡散領域が連続している、ことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
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