JP2006308304A - 軌道通り狂い計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軌道の通り狂いを計測する装置において、光遮断片を出没駆動する送り装置を、所定の長さだけシフトした位置に設置可能とすること。
【解決手段】本発明にかかる軌道通り狂い計測装置では、計測対象の軌道区間の一端に発光手段を配置し、他端には発光手段からの光を受光して受光信号を出力する受光手段を配置し、軌道区間の中点には軌道と直交する方向に出没駆動される光遮断片を出没駆動する送り装置を配置し、送り装置によって出没駆動される光遮断片が発光手段から受光手段までの光路を遮断するときの出没駆動量に基づいて、軌道区間の軌道通り狂いを計測するように構成された軌道通り狂い計測装置において、送り装置のセット位置を、軌道位置から所定距離だけ変位した位置にシフトさせるガイド付きマウントを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軌道通り狂いを弦正矢法に準じた方法で計測する装置であって、計測対象の軌道区間の一端に発光手段を置き、他端に受光手段を置き、前記発光手段から受光手段までの光路を弦として、前記弦の中点と軌道区間の中点との狂い、即ち、軌道通り狂いを電子的手段で計測する技術に関するものである。
従来より、軌道通り狂いの計測手法としては、水糸を使った手作業による正矢法が知られている。この方法は、一般に用いられている糸張法である。例えば、10mの糸の両端を軌道区間の両端に固定して張り、軌道の中点と糸の中点とのずれ(距離)を軌道狂いとして計測する方法である。
この方法では、張る糸の重みで計測誤差が大きくなるという問題と、測定者の違いによる個人差が生じるという問題と、軌道区間が長い場合に測定が困難になるという問題があった。
そこで、発明者等は、張糸の代りに光線を利用した軌道狂い計測装置を、実用新案登録第3100640号(特許文献1)にて提案した。
実用新案登録第3100640号公報
上述した特許文献1で提案した計測装置は、発光手段と受光手段との間の光路に光遮断片を出没させ、光路を遮断したときの出没駆動量を電子的に計測して軌道狂いとして測定するように構成されたものである。
前記光遮断片はモータによって出没駆動される軸に取り付けられたものであるが、軌道狂いが少ない区間を計測するためには軸の長さは短い方が好ましいが、軌道狂いが多い区間を計測するときには軸の長さが長いことが要求される。しかし、単一の送り装置で両方に対応することはできないという問題があった。
そこで、本発明は、光遮断片を出没駆動する送り装置を、所定の長さだけシフトした位置に設置して、対象区間の軌道狂いの程度に応じて、出没駆動開始の基準位置をシフトさせることのできる軌道通り狂い計測装置の提供を目的としてなされたものである。
本発明にかかる軌道通り狂い計測装置の請求項1では、計測対象の軌道区間の一端に発光手段を配置し、他端には前記発光手段からの光を受光して受光信号を出力する受光手段を配置し、前記軌道区間の中点には軌道と直交する方向に出没駆動される光遮断片を出没駆動する送り装置を配置し、前記送り装置によって出没駆動される光遮断片が前記発光手段から受光手段までの光路を遮断するときの出没駆動量に基づいて、前記軌道区間の軌道通り狂いを計測するように構成された軌道通り狂い計測装置において、前記送り装置のセット位置を、軌道位置から所定距離だけ変位した位置にシフトさせるガイド付きマウントを備えた。
請求項2では、前記発光手段は、レーザ距離計とした。
請求項3では、前記ガイド付きマウントは、送り装置のセット位置情報を検出する検出手段を備えている。
請求項1の発明では、送り装置のセット位置を、軌道位置から所定距離だけ変位した位置にシフトさせるガイド付きマウントを備えているので、直線区間でも、大きな曲率の区間でも、正負の軌道通り狂いを計測することができる。
請求項2では、前記発光手段は、レーザ距離計としたので、レーザ光を用いて軌道通り狂いを計測できるとともに、軌道区間の距離を計測することもできる。
請求項3では、前記ガイド付きマウントは、送り装置のセット位置情報を検出する検出手段を備えているので、送り装置による繰り出し量と、セット位置情報とに基づいて、直線区間でも、大きな曲率の区間でも、正負の軌道通り狂いを計測することができる。
以下に、本発明にかかる軌道通り狂い計測装置を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の軌道通り狂い計測装置は、軌道通り狂いを弦正矢法に準じた方法で計測する装置であって、計測対象の軌道区間の一端にレーザ光を出射する投光手段を置き、他端に受光手段を置き、この光路を弦として、前記受光手段によってレーザー光を検出するように構成する。
そして、受光手段から出力される検出信号を、無線発信機で発信し、この信号を軌道中点の近傍に置いた受信機で受信して、信号の有無を出力するように構成する。
軌道区間の中点の近傍には計測制御部が置かれている。この計測制御部は、前記受信機を備えているとともに、先端に光路を遮断できる遮断片を取り付けた軸が設けられて、この軸を出没駆動するモータを備えた送り装置を備えている。
具体的には、図1に示したように、
軌道上に設置した架台1上にレーザ光を投光する投光手段としてレーザ距離計2を設ける。軌道上に設置した架台3上にレーザ光を検知するための検知手段としての望遠ビデオカメラ4を設置し、検知部5と、検知したレーザ光を検知した信号を送信する無線発信機6を設置する。
さらに、軌道区間の中点の近傍の軌道上に設置した架台7上に、軸の先端に設けられた光線遮断片8を出没駆動する送り装置13と、無線発信機6の信号を受信する受信機9と、前記無線発信機6からの信号を受信しているときに駆動されるモータ10と、モータ10の回転を減速して前記軸を低速で出没駆動する減速装置12と、モータ10の回転量を計数して遮断片の出没量を演算してデジタル表示させる演算表示部14とを設置する。
さらに、本発明の特徴であるガイド付きマウントを説明する。
図1において、20はガイド付きマウントであり、前記架台7に取り付けられている。このガイド付きマウント20の上面には、軌道に対して直行する2本の平行なアングル21が配設され、これらのアングル21の上縁には複数のガイド溝22が形成されている。 これら複数のガイド溝22は例えば50mm間隔で形成されており、これらのガイド溝22に、前記送り装置13の両側面に凸設されたピン23を落としこんで、送り装置13の位置を決めることができるように構成されている。
どのガイド溝にピンが落とし込まれているかを検知する検知手段を設けるとよい。例えば、前記送り装置13の底面等に磁石を配置し、前記ガイド付きマウント20側にはガイド溝の位置に応じた磁気センサを配置しておけば、前記磁石に感応した磁気センサからの信号に基づいて、送り装置13がどの位置にセットされているかを電気的に認識することができる。従って、前記磁気センサからの信号に基づいて、前記光線遮断片8の出没量に所定値を加算することによって、前記送り装置13のストローク以上の軌道狂いを測定することができる。
当然、前記検知手段としては、磁石を用いたものに限定されるものではなく、光センサやマイクロスイッチ等を用いてもよい。また、検知手段を省いて、前記演算表示部14に所定数値を入力するように構成してもよい。
以上の構成の軌道通り狂い計測装置の動作を以下に説明する。
始めに、測定対象の軌道区間を設定し、その一端に架台1を設置し、他端に架台3を設置する。そして、前記架台1にはレーザ距離計2を設置し、前記架台3には望遠ビデオカメラ4を設置する。そして、この望遠ビデオカメラ4の映像出力信号を前記検知部5に接続し、この検知部5の出力信号を無線発信機6に接続する。
次に、軌道区間の中点の近傍の軌道上に架台7を設置し、この架台7上に前記ガイド付きマウント20を固定する。このガイド付きマウント20のガイド溝に送り装置13のピンを落とし込んでセットし、前記ガイド付きマウント20の駆動信号入力端子には、前記無線発信機6の信号を受信するように調整された受信機9の受信信号を接続する。前記ガイド付きマウント20の回転量出力信号は、演算表示部14に接続する。また、前記ガイド付きマウント20の検出手段で検出する送り装置13のセット位置信号も、前記演算表示部14に接続する。
その後、送り装置13の軸を初期位置にセットし、計測をスタートする。
なお、この初期値は、軌道中心から後退した位置にセットすることができる。このように後退した位置にセットすることによって、直線区間等における軌道通り狂いの正負に限らず計測することができる。
計測開始すると、前記望遠ビデオカメラ4にレーザ光が入射すると、無線発信機6からの電波信号が受信機9に受信されるので、送り装置13のモータは起動し、受信されている間は回転を継続する。モータの回転によって前進駆動される軸の先端の光線遮断片がレーザ光を遮断すると、無線発信機6からの電波信号が発信されなくなるので、受信機9には受信されなくなり、送り装置13のモータは回転を停止する。
この計測開始してからモータの回転が停止するまでの、モータの回転量に基づいて、前記軸の繰り出し量は演算される。
このとき、減速装置12における減速比を勘案して演算する。
なお、前記軸の繰り出し量は、モータを構成するステッピングモータの駆動パルスやクロックを計数してもよい。また、ステッピングモータを用いなくても、別途ロータリーエンコーダやリニアエンコーダを用いて軸の繰り出し量を演算するように構成してもよい。
また、演算表示部14には、送り装置13のセット位置が、前記ガイド付きマウント20の検出手段から入力されているので、セット位置と繰り出し量とを加算することによって、軌道からレーザ光路までの距離、即ち軌道の曲がり具合が測定できる。
当該軌道区間の設計曲がり量との差を演算することによって、軌道通り狂いが測定される。この測定値は、前記演算表示部14のディスプレイに数値表示することによって、間違いなく読み取ることができる。また、この測定値はプリントアウトすることもできるし、接続したパソコンに取り込むこともできる。
なお、軌道区間の曲がりの程度によって、前記ガイド付きマウントのどのガイド溝にセットするかを適宜選択することができるので、曲率の大きな軌道区間でも小さな軌道区間でも直線区間でもひとつの送り装置で測定することができるのである。
なお、軌道上の架台1上にレーザ距離計2を設置するときには、架台の底部は軌道上面に密着する高さに設定し、基準となる直線軌道区間において、レーザ距離計2、望遠ビデオカメラ4、光線遮断片8が同じ高さになるように設定し、そのとき光線遮断片8がレーザ光路を遮断するときの信号を基準とする。また、架台の脚は高さを調節できる。架台3、7についても、架台の底部は軌道上面に密着する高さに設定する。
また、発光手段としてレーザ距離計を用いたので、測定対象の軌道区間の距離も前記レーザ距離計で計測することができる。
次に、軌道の垂直方向の狂いも計測できる軌道通り狂い計測装置を図4、5等を参照して説明する。
図4に示した光遮断片81は垂直な遮光辺と45°に傾斜した遮光辺とを切替自在に備えたものである。垂直な遮光辺を備えた光遮断板811は、回動軸82を中心にして45°回動可能に支持されており、駆動シャフト161をモータ16で出没駆動することによって、遮光辺が垂直な状態と、遮光辺が45°に傾斜した状態とに切り替えることが可能である。
図5に示したブロック図において、モータ16は演算表示部14等からの信号により回転駆動し、駆動シャフトを出没駆動するように構成されている。
次に、軌道の垂直方向の狂いの計測原理を説明する。
図6の(a)において、8Aは垂直な遮光辺を備えた光遮断片であり、レーザ光路Pを遮断する位置を探すように進退駆動されるものである。
この場合の光遮断片8Aは垂直な遮光辺を備えているので、レーザ光路Pの水平方向のずれ、即ち、軌道の水平方向の狂いを計測することはできるが、レーザ光路Pの垂直方向のずれ、即ち、軌道の垂直方向の狂いは計測することができない。
そこで、図6の(b)に示したように、斜めの遮光辺を備えた光遮断片8Bを進退駆動するようにする。
即ち、図6の(b)において、軌道の垂直方向の狂いが無い場合のレーザ光路P1を遮断するときの光遮断片8Bの位置が実線で示した位置である場合で説明する。
例えば、軌道がh2だけ下がっている場合のレーザ光路P2はレーザ光路P1の上側にh2だけ離れてしまう。そこで、斜めの遮光辺を備えた光遮断片8Bを更に前進させると、破線8B2で示した状態で遮光するので、そのタイミングは望遠ビデオカメラで検出できる。従って、前進させた長さd2と遮光辺の傾斜角θに基づいて前記垂直狂いh2を次式で算出することができる。
h2=d2×tanθ
特に、図示したようにθ=45°とすると、h2=d2となるので算出が容易になる。
同様に、軌道が上がっている場合には、斜めの遮光辺を備えた光遮断片8Bを後退させて破線8B3で示した状態でレーザ光路P3を遮光するので、前記同様に、後退させた長さと遮光辺の傾斜角θに基づいて垂直狂いを算出することができる。
以上のように、水平方向の狂いは垂直な遮光辺で検出し、垂直方向の狂いは斜めの遮光辺で検出できるので、垂直な遮光辺を持った板と斜めの遮光辺を持った板の2種類の遮光板を切り替えるように構成してもよく、または、遮光板を例えば45°回動させることによって、水平方向の狂いを測定する場合には遮光辺を垂直にし、垂直方向の狂いを測定する場合には遮光辺を斜め45°に傾斜させるとよい。
図7に示したように、垂直な遮光辺を持った板81Aと、45°の遮光辺を持った板81Bとを回動軸82で回動自在に支持し、
水平方向の狂いを測定する場合には前記板81Aを垂直にして計測し、垂直方向の狂いを測定する場合には前記板81Aを45°傾斜させるとよい。
以上の回動駆動を容易にするために、図8に示したように、前記板81Bには弧状のスリット84を設け、前記板81Aにはガイドピン85を立設し、2枚の板を回動軸82で軸支したときに、前記ガイドピン85が前記スリット84に沿って移動可能な範囲内で、前記板81Aを回動駆動できるようにする。即ち、前記移動可能な範囲は45°に制限することによって前記板81Aの回動駆動が容易になるのである。
なお、垂直方向の狂いが無い場合のレーザ光路を遮断する位置は、前記垂直は遮光辺と斜めの遮光辺との交点になるように調整すると計測が容易になる。
また、計測のためのレーザ光路の上下に、進退方向を決めるために補助的なレーザ光を照射すると、斜めの遮光辺によって、2本以上のレーザ光が遮断されている場合には後退させ、1本以下のレーザ光しか遮断されていない場合には前進させるように制御することができる。
なお、軌道を転動する左右の車輪部と、前記左右の車輪部を連結するフレームとを設け、前記フレームに制御計測部を乗せた構成とし、さらに、前記フレームは折り畳み可能にすると持ち運びが容易である。
本発明の軌道通り狂い計測装置の配置図である。 本発明のブロック構成図である。 本発明のガイド付きマウントの斜視図である。 軌道の垂直方向の狂いも計測とした場合の要部の斜視図である。 図4の場合のブロック構成図である。 軌道の垂直方向の狂いを計測する場合の説明図である。 図4の要部の説明図である。 図4の要部の説明図である。
符号の説明
1、3、7 架台
2 レーザ距離計、発光手段
4 望遠ビデオカメラ、受光手段
5 光検知部
6 無線発信機
8 光遮断片
9 受信機
10 モータ
11 制御計測部
12 減速装置
13 送り装置
14 演算表示部
20 ガイド付きマウント
21 アングル
22 ガイド溝
23 ピン

Claims (3)

  1. 計測対象の軌道区間の一端に発光手段を配置し、他端には前記発光手段からの光を受光して受光信号を出力する受光手段を配置し、前記軌道区間の中点には軌道と直交する方向に出没駆動される光遮断片を出没駆動する送り装置を配置し、前記送り装置によって出没駆動される光遮断片が前記発光手段から受光手段までの光路を遮断するときの出没駆動量に基づいて、前記軌道区間の軌道通り狂いを計測するように構成された軌道通り狂い計測装置において、
    前記送り装置のセット位置を、軌道位置から所定距離だけ変位した位置にシフトさせるガイド付きマウントを備えたことを特徴とする軌道通り狂い計測装置。
  2. 前記発光手段は、レーザ距離計としたことを特徴とする請求項1に記載の軌道通り狂い計測装置。
  3. 前記ガイド付きマウントは、送り装置のセット位置情報を検出する検出手段を備えていることを特徴とする請求項1、2の何れか1項に記載の軌道通り狂い計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014106117A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Tokyo Keiki Inc レーザ光の透過位置計測方法及びその計測方法を用いた位置計測方法並びに計測システム

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