JP2006307507A - 車両用ドアチェッカー - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の使用状況や使用要望に応じてドアの開度を容易に調整することができる車両用ドアチェッカーを提供する。
【解決手段】車両用ドアチェッカー20は、ドア15内に保持部22を設け、保持部22にアーム24を摺動自在に挿通し、アーム24の一端に連結部32を設け、連結部32を取付け部30に回動自在に連結し、アーム24を保持部22で保持してドア15を所定の開度に保持するものである。この車両用ドアチェッカー20は、取付け部30に、車体11の上下方向に延びる回転軸線38を中心にして回転自在な回転体40を備え、回転体40のうち、回転軸線38に対して偏心させた位置に、連結部32を回転自在に連結させたものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車体とドアとの間に介在させ、ドアを所定の開度位置で保持する車両用ドアチェッカーに関する。
自動車は、ドアを開いた際に、開いたドアを所定の開度で保持する車両用ドアチェッカーを備える。この車両用ドアチェッカーは、アームの基端部を車体に回転自在に取り付け、このアームにガイド部を摺動自在に設けるとともに、ガイド部をドア側に取り付け、アームの先端部にストッパ部を備える。
ドアを開くと、ガイド部がアームに沿ってストッパ部まで摺動し、ガイド部がストッパ部に当接する。ガイド部がストッパ部に当接したとき、ドアが静止して、静止した位置に保持される。
この車両用ドアチェッカーのなかには、車両の使用状況や、使用要望に応じて、ドアの開度を調整可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平7−18946号公報
図10は従来の基本構成を説明する図である。
車両用ドアチェッカー200は、車体201に取り付けたドア202を所定の開度に保持するもので、アーム203の基端部側に第1〜第4の開度調整孔204〜206(第1の開度調整孔は図示せず)を備える。
このアーム203をガイド部208に摺動自在に挿通し、ガイド部208をドア202に取り付け、アーム203の先端部にストッパ部209を備える。
車体201の取付け部210にアーム203の基端部側を取り付ける際に、第1〜第4の開度調整孔204〜206から所望の開度調整孔を選択し、選択した開度調整孔に支持ピン211を差し込む。この支持ピン211でアーム203の基端部側を取付け部210に回動自在に取り付ける。
第1開度調整孔に支持ピン211を差し込むことで、ガイド部208とストッパ部209との間隔は大きくなる。また、第2開度調整孔204に支持ピン211を差し込むことで、ガイド部208とストッパ部209との間隔は、第1開度調整孔に支持ピン211を差し込んだときより小さくなる。
さらに、第3開度調整孔205に支持ピン211を差し込むことで、ガイド部208とストッパ部209との間隔は、第2開度調整孔204に支持ピン211を差し込んだときより小さくなる。
加えて、第4開度調整孔206に支持ピン211を差し込むことで、ガイド部208とストッパ部209との間隔は、第3開度調整孔205に支持ピン211を差し込んだときより小さくなる。
このように、第1〜第4の開度調整孔204〜206に支持ピン211を差し込むことで、ドアの開度を段階的に調整することが可能である。
ここで、例えば、車両の用途や使用状況に応じて、使用者がドア202の開度を調整したいときがある。
このとき、使用者は、支持ピン211を抜き出して、取付け部210からアーム203の基端部側を外す。アーム203の基端部側を外した後、第1〜第4の開度調整孔204〜206から所望の開度調整孔を選択し、選択した開度調整孔を取付位置に位置決めする必要がある。
位置決めした後、その状態を保持しながら、選択した開度調整孔に支持ピン211を差し込む必要がある。
しかし、取付け部210は車体201とドア202との間の狭い空間に配置されている。この狭い空間において、選択した開度調整孔が取付位置に正確に位置決めされているか否かを確認することは難しい。
さらに、選択した開度調整孔を取付位置に位置決めした後、この狭い空間において、選択した開度調整孔を取付位置に保ちながら、開度調整孔に支持ピン211を差し込むことは難しい。
このため、使用者がドア202の開度を調整する作業に手間がかかってしまい、車両の使用状況や、使用要望に応じてドアの開度を使用者が調整することは困難であった。
本発明は、車両の使用状況や使用要望に応じてドアの開度を容易に調整することができる車両用ドアチェッカーを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体に開閉自在に取り付けたドア内に保持部を設け、この保持部にアームを摺動自在に挿通し、この保持部を経てドアから突出したアームの一端に連結部を設け、この連結部を車体の取付け部に回動自在に連結し、アームを保持部で保持してドアを所定の開度に保持する車両用ドアチェッカーであって、前記取付け部は、前記車体の上下方向に延びる回転軸線を中心にして回転自在な回転体を備え、この回転体のうち、前記回転軸線に対して偏心させた位置に、前記連結部を回転自在に連結させたことを特徴とする。
取付け部に回転体を備え、この回転体を回転軸線を中心として回転自在とした。そして、この回転体のうち、回転軸線に対して偏心させた位置に連結部を回転自在に連結させた。
よって、回転体を回転させることで、連結部をドア側や車体側に移動して、アームを保持部に対してずらすことが可能になる。
アームを保持部に対してずらすことで、保持部でアームを保持する停止部位を、保持部に対して変位させることが可能になる。
これにより、ドアを開放した際に、ドア内から引き出されるアームの引出し量を変化させて、ドアの開度を調整することができる。
ここで、回転軸線とは、回転体を回転する際に、回転体の回転中心となる軸線をいう。
請求項2において、前記回転体は、前記車体の上下方向に対向して配置された一対の回転板と、一対の回転板を連結するとともに前記回転軸線に対して偏心した位置に設けられた連結軸と、を有し、前記連結軸に、前記連結部を回動自在に連結したことを特徴とする。
一対の回転板を連結軸で連結し、この連結軸を回転軸線に対して偏心させた。そして、連結軸に連結部を回動自在に連結した。
これにより、回転体を、一対の回転板および連結軸の簡単な構成とすることができる。
さらに、連結部の両端部を一対の回転板で支持することで、連結軸の強度を高めることができる。
請求項3は、前記回転体にモータを連結し、このモータの回転力を回転体に伝えることにより、この回転体を回転することを特徴とする。
回転体をモータで回転することで、ドアの開度を調整することができる。これにより、例えば、モータのスイッチを運転席の近傍に設けることで、運転席からの遠隔操作により、ドアの開度を調整することができる。
請求項1に係る発明では、回転体を回転させてドアの開度を調整することで、車両の使用状況や、使用要望に応じて使用者がドアの開度を容易に調整することができるという利点がある。
請求項2に係る発明では、一対の回転板を連結軸で連結し、この連結軸に連結部を回動自在に連結することで、回転体を簡単な構成とすることができ、連結軸の強度を高め、連結部を確実に支持することができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、回転体をモータで回転することで、例えば、運転席からの遠隔操作でドアの開度を調整することが可能になり、使い勝手の向上を図ることができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。
図1は本発明に係る車両用ドアチェッカー(第1実施の形態)を車両に備えた状態を示す斜視図である。
車両10は、車体11の一部を構成する右側フロントピラー12を備え、右側フロントピラー12に上下のヒンジ部材13,14を備え、上下のヒンジ部材13,14を介して右側フロントピラー12にフロントサイドドア(以下、「ドア」と称す)15を開閉自在に備え、右側フロントピラー12とドア15との間に車両用ドアチェッカー20を介在させたものである。
ドア15は、インナーパネル16の前壁17に上下のヒンジメール13a,14aをボルトで取り付け、上下のヒンジメール13a,14a間に車両用ドアチェッカー20の保持部22を取り付け、前壁17の開口17aに保持部22の貫通孔22aを合わせ、開口17aおよび貫通孔22aに車両用ドアチェッカー20のアーム24を摺動自在に挿通させたものである。
上ヒンジメール13aに上ヒンジピン26を介して上ヒンジフィメール13bを回動自在に連結する。下ヒンジメール14aに下ヒンジピン27を介して下ヒンジフィメール14bを回動自在に連結する。
上下のヒンジフィメール13b,14bを右側フロントピラー12に取り付けることで、右側フロントピラー12にドア15を開閉自在に取り付ける。
上ヒンジメール13a、上ヒンジフィメール13bおよび上ヒンジピン26は、上ヒンジ部材13の構成部材である。
下ヒンジメール14a、下ヒンジフィメール14bおよび下ヒンジピン27は、下ヒンジ部材14の構成部材である。
右側フロントピラー12に、車両用ドアチェッカー20の取付け部30を備え、この取付け部30にアーム24の連結部32を連結する。
車両用ドアチェッカー20は、ドア15を開放した際に、ドア15を所定の開度に保持するものである。
以下、第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカー20を図2〜図8に基づいて説明する。
図2は第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーを示す平面図である。
車両用ドアチェッカー20は、右側フロントピラー12に開閉自在に取り付けたドア15内に保持部22を設け、この保持部22にアーム24を摺動自在に挿通し、この保持部22を経てドア15から突出したアーム24の基端(一端)24aに連結部32を設け、この連結部32を取付け部30に回動自在に連結し、取付け部30を右側フロントピラー12に取り付け、アーム24を保持部22で保持してドア15を所定の開度に保持するものである。
アーム24は、前壁17の開口17aおよび保持部22の貫通孔22aに摺動自在に挿通させたものである。このアーム24は、先端24b側がドア15の内部に収納され、先端24bにストッパ部33を備える。
また、アーム24は、ストッパ部33と連結部32との間に第1〜第3の停止部位35〜37(第1停止部位35は図3も参照)を備える。第1〜第3の停止部位35〜37は、ドア15が閉じられた状態(図示の状態)において、保持部22とストッパ部33との間に位置する。
連結部32は、上下のヒンジピン26,27に対してオフセットされて設けられている。連結部32は、上下のヒンジピン26,27に対してオフセットさせることで、ドア15を、上下のヒンジピン26,27を軸にして開放した際に、アーム24がドア15の内部から引き出される。
図3は第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーを示す斜視図である。
車両用ドアチェッカー20は、取付け部30に、車両10の上下方向に延びる回転軸線38を中心にして回転自在な回転体40を備え、この回転体40のうち、回転軸線38に対して偏心させた位置にアーム24の連結部32を回転自在に連結させたものである。
アーム24は、両側部に上突片42,42を備えるとともに下突片43,43を備え、上下の突片42,42,43,43に所定間隔をおいて第1〜第3の凹部42a,42a,43a,43a(第2〜第3の凹部は図示せず)を備える。
第1凹部42a,42a,43a,43aは、第1停止部位35を形成する。第2凹部は、第2停止部位36(図2参照)を形成し、第3凹部は、第3停止部位37(図2参照)を形成する。
このアーム24を保持部22で保持する。保持部22は、ケース45内に上下の弾性部材46,47を備え、上弾性部材46とアーム24との間に上係合凸部48を備え、下弾性部材47とアーム24との間に下係合凸部49を備える。
上係合凸部48が第1停止部位35の上側凹部42a,42aに係合するとともに、下係合凸部49が第1停止部位35の下側凹部43a,43a(奥側は図示せず)に係合することで、第1停止部35を保持部22で保持する。
このように、第1停止部35を保持部22で保持することで、ドア15が所定の開度位置に保持される。
図2に戻って、車両用ドアチェッカー20によれば、ドア15を開放する際に、アーム24がドア15の内部から引き出され、保持部22に第1停止部35が到達する。このとき、第1停止部35に保持部22が係合してドア15を保持しようとする。
この位置(以下、「第1開度位置」という)にドア15を保つ場合には、ドア15の開放力を除去することで、ドア15が第1開度位置に保持される。
ドア15を第1開度位置よりさらに開放したい場合には、保持部22に第1停止部35が到達したとき、ドア15の開放力を継続させてドア15に作用させる。
よって、第1停止部位35が保持部22を通過して、ドア15が第1開度位置よりさらに開放した状態になる。
そして、保持部22に第2停止部36が到達したとき、第2停止部36に保持部22が係合してドア15を保持しようとする。
この開放(以下、「第2開度位置」という)にドア15を保つ場合には、ドア15の開放力を除去することで、ドア15が第2開度位置に保持される。
ドア15を第2開度位置よりさらに開放したい場合には、保持部22に第2停止部36が到達したとき、ドア15の開放力を継続させてドア15に作用させる。
よって、第2停止部位36が保持部22を通過して、ドア15が第2開度位置36よりさらに開放した状態になる。
そして、保持部22に第3停止部37が到達したとき、第3停止部37に保持部22が係合してドア15を保持しようとする。
この開放(以下、「第3開度位置」という)にドア15を保ちたい場合には、ドア15の開放力を除去することで、ドア15が第3開度位置に保持される。
ドア15を第3開度位置よりさらに開放したい場合には、保持部22に第3停止部37が到達したとき、ドア15の開放力を継続させてドア15に作用させる。
よって、第3停止部位37が保持部22を通過して、ドア15が第3開度位置よりさらに開放した状態になる。
ドア15が全開位置まで開放したとき、ストッパ部33が保持部22に当接し、ドア15を全開位置に保持する。
図4は第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーを示す分解斜視図である。
取付け部30は、右側フロントピラー12に取り付ける取付け部本体50と、この取付け部本体50に回転自在に設ける回転体40と、この回転体40を取付け部本体50に保持する保持プレート51とを備える。
取付け部本体50は、右側フロントピラー12に接触する接触壁53を有し、接触壁53の上辺から上折曲壁54を折り曲げ、接触壁53の下辺から下折曲壁55を折り曲げたものである。
上折曲壁54の右半分の部位で上サポート部56を構成し、下折曲壁55の右半分の部位で下サポート部57を構成する。
上下のサポート部56,57は、所定間隔をおいて互いに平行に配置されている。
上サポート部56は、中央に大径の開口部58が形成され、開口部58の内周壁59の内面に所定間隔をおいて複数のストッパ凹部59a…(…は複数を示す)を備える。ストッパ凹部59a…は、図5に示すように、円錐状に形成された孔である。
開口部58の周囲に3個の取付孔62…を等間隔に形成し、それぞれの取付孔62…に臨ませて溶接ナット63…(図5に2個のみ示す)を上サポート部56の下面56aに設ける。
下サポート部57は、上サポート部56の開口部58と同軸上に下支持孔65を備える。
取付け部本体50は、接触壁53を右側フロントピラー12に当てた状態で、右側フロントピラー12にボルト67で固定されている。
この状態で、上下のサポート部56,57が水平状態、すなわち、車体11の上下方向に対向して配置された状態になるように配置されている。
回転体40は、車体11の上下方向に対向して配置された上下の回転板(一対の回転板)71,72と、上下の回転板71,72を連結するとともに回転軸線38に対して偏心した位置に設けられた連結軸73(図5も参照)とを有する。
この連結軸73にアーム24の連結部32を回動自在に連結することで、連結部32を回転軸線38に対して偏心した位置に連結する。
ここで、一対の回転板71,72のうちの一方を上回転板71とし、一対の回転板71,72のうちの他方を下回転板72とする。
上下の回転板71,72は、一定間隔をおいて、互いに平行に、かつ同軸上に配置したものである。
上回転板71は、円板状に形成した部材で、上面71aの中央から摘み部75を上方に突出させ、摘み部75の周囲で、かつ上回転板71の周壁71bに沿って複数のロックねじ76…を形成したものである。
この上回転板71は、周壁71bに収納凹部78が形成され、収納凹部78内に圧縮ばね81および球体82が収納されている(図5も参照)。
下回転板72は、円板状に形成した部材で、下面72aから下向きに延びる下回転軸84を備える。下回転軸84は、回転軸線38上に設けられている。
上下の回転板71,72間に回転軸線38に対して偏心させて連結軸73を配置し、上回転板71の下面71cに連結軸73の上端部を設けるとともに、下回転板72の上面72bに連結軸73の下端部を設ける。
この連結軸73にアーム24の連結部32を回転自在に連結する。
保持プレート51は、環状のプレートで、外周51aが、上サポート部56の開口部58の外側に張り出し、中央に開口86を形成したものである。
この開口86は、上回転板71の摘み部75が上方に向けて通過可能(突出可能)に形成されている。
また、保持プレート51は、外周51aに沿って3個の取付孔87…を等間隔に形成し、開口86の近傍にロック孔88を形成したものである。
3個の取付孔87…は、上サポート部56の取付孔62…と同軸上に形成したものである。
また、ロック孔88は、上回転板71のロックねじ76と同軸上に配置可能な孔である。
図5は第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーを示す断面図である。
取付け部30は、取付け部本体50の下支持孔65内に下回転軸84を回転自在に設け、取付け部本体50の開口部58内に上回転板71を回転自在に設ける。
この状態で、上回転板71の上面71aと、上サポート部56の上面56bとが面一になる。
上サポート部56の上面56bに保持プレート51を載せ、保持プレート51の取付孔87…および上サポート部56の取付孔62…にボルト89…を差し込む。差し込んだボルト89…を溶接ナット63…にねじ結合することで、上サポート部56の上面56bに保持プレート51を固定する。
この保持プレート51のうち、開口86の近傍の部位が上回転板71の上面71aを覆う。これにより、上回転板71が上方に移動することを保持プレート51で抑え、回転体40が取付け部本体50から上方に抜け出すことを阻止する。
さらに、上サポート部56に保持プレート51を固定した状態において、上回転板71の摘み部75が開口86を経て保持プレート51の上方に突出する。
この摘み部75を掴んで回転することで、回転体40を回転軸線38を中心にして手動で回転することができる。
加えて、上サポート部56に保持プレート51を固定した状態において、上回転板71の収納凹部78を、開口部58のストッパ凹部59a…に対して同軸上に配置することが可能である。
上回転板71の収納凹部78に圧縮ばね81および球体82が収納されている。よって、収納凹部78をストッパ凹部59a…に臨ませた際に、圧縮ばね81のばね力で球体82を押し出し、押し出した球体82をストッパ凹部59a…に押し付ける。
これにより、球体82の一部がストッパ凹部59a…内に進入して、回転体40を所定位置に位置決めする。
すなわち、収納凹部78、圧縮ばね81、球体82およびストッパ凹部59a…は位置決め手段77を構成する。
球体82の一部がストッパ凹部59a…内に進入した状態において、上回転板71のロックねじ76が保持プレート51のロック孔88に対して同軸上に位置する。
ロック孔88にロックボルト91を差し込み、差し込んだロックボルト91をロックねじ76にねじ込む。これにより、回転体40が回転することをロックボルト91で確実に阻止する。
すなわち、ロックねじ76、ロック孔88およびロックボルト91はロック手段79を構成する。
図4に戻って、取付け部30は、摘み部75を掴んで回転体40を、回転軸線38を中心にして手動で回転させた際に、複数のロックねじ76…をロック孔88に対して同軸上に配置することが可能である。
また、取付け部30は、摘み部75を掴んで回転体40を、回転軸線38を中心にして手動で回転させた際に、複数のストッパ凹部59a…に球体82を合わせることが可能である。
さらに、取付け部30は、球体82がストッパ凹部59a…に進入した際に、ロックねじ76…がロック孔88に臨むように、ストッパ凹部59a…とロックねじ76…との位置関係が決められている。
これにより、回転体40を所望の回転位置に保持することが可能になる。よって、連結軸73を、右側フロントピラー12側に最も近づけた位置と、ドア15側に最も近づけた位置との間の、所望の位置に保持することができる。
したがって、アーム24の連結部32を、右側フロントピラー12側に最も近づけた位置と、ドア15側に最も近づけた位置との間の、所望の位置に保持することができる。
次に、第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーの作用を図6〜図8に基づいて説明する。
図6(a),(b)は第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーの連結部を車体側に最も近づけた状態でドアを開放する例を説明する図である。
(a)において、回転体40の連結軸73を右側フロントピラー12側に近づけることにより、アーム24の連結部32を右側フロントピラー12側に近づける。
連結部32を右側フロントピラー12側に近づけることで、アーム24がドア15の内部から右側フロントピラー12側に引き出される。
これにより、ストッパ部33が保持部22に近づき、保持部22とストッパ部33との間隔がL1と短くなる。
同様に、保持部22と第1停止部位35との間隔がL2と短くなり、保持部22と第2停止部位36との間隔や、保持部22と第3停止部位37との間隔も短くなる。
この状態で、ドア15を、上下のヒンジピン26,27を軸にして矢印Aの如く開放することで、アーム24が連結軸73を軸にスイングするとともに、ドア15の内部から矢印Bの如く引き出される。
(b)において、ドア15が第1開度位置P1まで開放した際に、保持部22に第1停止部35が到達する。第1停止部35に保持部22が係合してドア15を保持する。
ここで、保持部22と第1停止部位35との間隔がL2((a)参照)と短いので、ドア15が比較的小さく開放した時点で、保持部22に第1停止部35が到達する。
よって、ドア15が第1開度位置P1まで開放したときの、ドア15の開度θ1を小さく抑えることができる。
ドア15を第1開度位置P1まで開放したときと同様に、ドア15を第2〜第3の開度位置や全開位置まで開放したときも、それぞれのドア15の開度を小さく抑えることができる。
図7(a),(b)は第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーの連結部をドア側に最も近づける例を説明する図である。
(a)において、ロックボルト91をロックねじ76から外した後、摘み部75を掴んで、摘み部75に矢印Cの如く回転力を作用させる。球体82が回転体40とともに回転軸線38を中心にして回転しようとする。
ここで、ストッパ凹部59aは、円錐状に形成されている。よって、ストッパ凹部59aの底面に沿って球体82が移動することにより、球体82がストッパ凹部59aの底面で押し上げられる。
押し上げられた球体82が圧縮ばね81を押圧して、ストッパ凹部59aから抜け出す。これにより、回転体40が回転軸線38を中心にして矢印Dの如く回転する。
(b)において、回転体40が回転軸線38を中心にして180度回転する。回転体40の連結軸73が右側フロントピラー12側からドア15側に移動する。
同時に、球体82がストッパ凹部59aに臨み、圧縮ばね81のばね力で球体82の一部がストッパ凹部59a内に進入する。
この状態で、ロックねじ76は、ロック孔88に臨むように配置される。ロック孔88に差し込んだロックボルト91をロックねじ76にねじ込むことで、回転体40を180度回転した位置にロックする。
回転体40の連結軸73をドア15に近づけることにより、アーム24の連結部32をドア15側に近づける。
図8(a),(b)は第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーの連結部をドア側に最も近づけた状態でドアを開放する例を説明する図である。
(a)において、アーム24の連結部32をドア15側に近づけることで、アーム24が右側フロントピラー12側からドア15の内部に押し込まれる。
これにより、ストッパ部33が保持部22から離れ、保持部22とストッパ部33との間隔がL3と、間隔L1(図6(a)参照)より長くなる。
同様に、保持部22と第1停止部位35との間隔がL4と、間隔L2(図6(a)参照)より長くなり、保持部22と第2停止部位36との間隔や、保持部22と第3停止部位37との間隔も長くなる。
この状態で、ドア15を、上下のヒンジピン26,27を軸にして矢印Eの如く開放することで、アーム24がドア15の内部から矢印Fの如く引き出される。
(b)において、ドア15が第1開度位置P2まで開放した際に、保持部22に第1停止部35が到達する。第1停止部35に保持部22が係合してドア15を保持する。
ここで、保持部22と第1停止部位35との間隔がL4(図8(a)参照)と長いので、ドア15が比較的大きく開放した時点で、保持部22に第1停止部35が到達する。
よって、ドア15が第1開度位置P2まで開放したときの、ドア15の開度θ2を大きく確保することができる。
ドア15を第1開度位置P2まで開放したときと同様に、ドア15を第2〜第3の開度位置や全開位置まで開放したときも、それぞれのドア15の開度を大きく確保することができる。
なお、図6〜図8では、アーム24の連結部32を右側フロントピラー(車体)12側に最も近づけた状態と、ドア15側に最も近づけた状態とを例に説明したが、連結部32をその他の位置に保持した状態、すなわち、右側フロントピラー12側に最も近づけた位置と、ドア15側に最も近づけた位置との間の、所望の位置に連結部32を保持した状態においても同様の効果を得る。
以上説明したように、第1実施の形態の車両用ドアチェッカー20によれば、取付け部30に回転体40を備え、この回転体40を回転軸線38を中心として回転自在とした。そして、この回転体40のうち、回転軸線38に対して偏心させた位置に連結部32を回転自在に連結させた。
よって、回転体40を回転させることで、連結部32をドア15側や右側フロントピラー12側に移動して、アーム24を保持部22に対してずらすことが可能になる。
アーム24を保持部22に対してずらすことで、保持部22でアーム24を保持する第1〜第3の停止部位35〜37およびストッパ部33を、保持部22に対して変位させることが可能になる。
これにより、ドア15を開放した際に、ドア15内から引き出されるアーム24の引出し量を変化させて、ドア15の開度を調整することができる。
加えて、第1実施の形態の車両用ドアチェッカー20によれば、上下の回転板71,72を連結軸73で連結し、この連結軸73を回転軸線38に対して偏心させた。そして、連結軸73に連結部32を回動自在に連結した。
これにより、回転体40を、上下の回転板71,72および連結軸73からなる簡単な構成とすることができる。
さらに、連結部32の上下端部を上下の回転板71,72でそれぞれ支持することで、連結軸73の強度を高めることができる。
次に、第2実施の形態の車両用ドアチェッカーを図9に基づいて説明する。なお、第2の実施の形態において第1実施の形態と同一類似の部材については同じ符号を付して説明を省略する。
図9は本発明に係る車両用ドアチェッカー(第2実施の形態)を示す断面図である。
第2の実施の形態の車両用ドアチェッカー100は、回転体40から手動用の摘み部75(図5参照)を除去し、電動駆動手段102を備えたものである。
電動駆動手段102は、回転体40の上回転板71に上向きに延びる上回転軸103を備え、上回転軸103にウォームホイール104を設け、ウォームホイール104にウォーム105を噛み合わせ、ウォーム105を電動モータ(モータ)106の駆動軸106aに設ける。
ウォームホイール104およびウォーム105をギア収納部112に収納する。ギア収納部112は、保持プレート111の中央に設けられている。
このギア収納部112は、側壁113および天井114で形成され、側壁113および天井114に渡って開口115を形成し、この開口115からウォーム105を外部に露出させる。
ウォーム105を駆動軸106aを介して電動モータ106に取り付け、電動モータ106を保持プレート111に取り付ける。
また、天井114に上支持孔117を形成し、上支持孔117に上回転軸103を設ける。この状態で、上回転軸103は、下回転軸84と同様に、回転軸線38上に位置する。
保持プレート111は、第1実施の形態の保持プレート51(図5参照)と同様に、外周51aに沿って3個の取付孔87…を等間隔に形成したものである。
保持プレート111を上サポート部56の上面56bにボルト89…で固定することで、保持プレート111のうち、ギア収納部112の近傍の部位が上回転板71の上面71aを覆う。
これにより、上回転板71が上方に移動することを保持プレート111で抑え、回転体40が取付け部本体50から上方に抜け出すことを阻止する。
この電動駆動手段102は、ウォームホイール104にウォーム105を噛み合わせることでセルフロック機能を備える。
セルフロック機能とは、上回転軸103側からウォームホイール104に回転力が作用した際に、作用した回転力が電動モータ106側に伝わらないようにロック状態を保つ機能をいう。
電動駆動手段102にセルフロック機能を備えることで、回転体40を所定の位置に保持することができる。
よって、第1実施の形態の車両用ドアチェッカー20に必要とされた位置決め手段77やロック手段79(図5参照)を不要にすることができる。
車両用ドアチェッカー100によれば、電動モータ106を駆動することにより、駆動軸106aを介してウォーム105を回転する。
ウォーム105が回転することにより、ウォーム105の回転がウォームホイール104に伝わり上回転軸103が回転する。
上回転軸103が回転することで、上回転軸103と一体に回転体40が回転軸線38を中心にして回転する。
これにより、回転体40の連結軸73でアーム24の連結部32を右側フロントピラー12側とドア15側との間で移動させることが可能になる。
以上説明したように、第2実施の形態の車両用ドアチェッカー100によれば、第1実施の形態の車両用ドアチェッカー20と同様の効果を得ることができる。
加えて、第2実施の形態の車両用ドアチェッカー100によれば、回転体40を電動モータ106で回転することで、ドア15の開度を調整することができる。
これにより、例えば、電動モータ106の操作スイッチ(図示せず)を運転席の近傍に設けることで、運転席からの遠隔操作により、ドア15の開度を調整することができる。
なお、前記第1、第2の実施の形態では、本発明を、第1〜第3の開度位置および全開位置を備えた車両用ドアチェッカーに採用する例について説明したが、これに限らないで、例えば、本発明を、第1〜第2の開度位置および全開位置を備えたの車両用ドアチェッカーや、全開位置のみを備えた車両用ドアチェッカーに適用することも可能である。
また、前記第1実施の形態では、位置決め手段77として圧縮ばね81および球体82を例示し、ロック手段79としてロックボルト91を例示したが、これに限定するものではなく、位置決め手段77やロック手段79をその他の部材で構成することも可能である。
さらに、前記第1実施の形態で例示したロックねじ76やストッパ凹部59aの数は適宜変更が可能である。
また、前記第1実施の形態では、位置決め手段77として内周壁59にストッパ凹部59aを備えた例について説明したが、これに限らないで、内周壁59に連続させて凹凸部を形成し、凹凸部の凹部に球体82を進入させて位置決めすることも可能である。
さらに、前記第1実施の形態では、ロック手段79として円形のロック孔88を例示したが、これに限らないで、ロック孔88を長孔にすることも可能である。
また、前記第2実施の形態では、電動モータ106の回転を回転体40に伝える手段としてウォーム105およびウォームホイール104を用いた例について説明したが、これに限らないで、その他の手段で電動モータ106の回転を回転体40に伝えることも可能である。
さらに、前記第2実施の形態では、電動モータ106の操作スイッチ(図示せず)を運転席の近傍に設けた例について説明したが、これに限らないで、電動モータ106の操作スイッチを、例えば、トランクルーム内などのその他の個所に設けることも可能である。
本発明は、車体とドアとの間に介在させてドアを所定の開度位置で保持する車両用ドアチェッカーを備えた車両への適用に好適である。
本発明に係る車両用ドアチェッカー(第1実施の形態)を車両に備えた状態を示す斜視図である。 第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーを示す平面図である。 第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーを示す斜視図である。 第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーを示す分解斜視図である。 第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーを示す断面図である。 第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーの連結部を車体側に最も近づけた状態でドアを開放する例を説明する図である。 第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーの連結部をドア側に最も近づける例を説明する図である。 第1実施の形態に係る車両用ドアチェッカーの連結部をドア側に最も近づけた状態でドアを開放する例を説明する図である。 本発明に係る車両用ドアチェッカー(第2実施の形態)を示す断面図である。 従来の基本構成を説明する図である。
符号の説明
10…車両、11…車体、12…右側フロントピラー、15…ドア、20,100…車両用ドアチェッカー、22…保持部、24…アーム、30…取付け部、32…連結部、38…回転軸線、40…回転体、71…上回転板(一対の回転板の一方)、72…下回転板(一対の回転板の他方)、73…連結軸、106…電動モータ(モータ)。

Claims (3)

  1. 車体に開閉自在に取り付けたドア内に保持部を設け、この保持部にアームを摺動自在に挿通し、この保持部を経てドアから突出したアームの一端に連結部を設け、この連結部を車体の取付け部に回動自在に連結し、アームを保持部で保持してドアを所定の開度に保持する車両用ドアチェッカーであって、
    前記取付け部は、前記車体の上下方向に延びる回転軸線を中心にして回転自在な回転体を備え、
    この回転体のうち、前記回転軸線に対して偏心させた位置に、前記連結部を回転自在に連結させたことを特徴とする車両用ドアチェッカー。
  2. 前記回転体は、前記車体の上下方向に対向して配置された一対の回転板と、一対の回転板を連結するとともに前記回転軸線に対して偏心した位置に設けられた連結軸と、を有し、
    前記連結軸に、前記連結部を回動自在に連結したことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアチェッカー。
  3. 前記回転体にモータを連結し、このモータの回転力を回転体に伝えることにより、この回転体を回転することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用ドアチェッカー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100826811B1 (ko) * 2007-05-25 2008-05-02 평화정공 주식회사 체커기능이 마련된 자동차용 도어힌지
KR20160007053A (ko) * 2014-07-10 2016-01-20 현대자동차주식회사 도어열림각 조절장치

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