JP2006307386A - 剥離紙用基材、および当該剥離紙用基材を用いた剥離紙 - Google Patents

剥離紙用基材、および当該剥離紙用基材を用いた剥離紙 Download PDF

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Abstract

【課題】 タック紙の平判断裁時の糊玉の発生が抑制されて、シート断裁の操業性に優れ、剥離性と再生適性にも優れた剥離紙の製造に適し、かつ耐ブロッキング性に優れた剥離紙用基材、および当該剥離紙用基材を用いた剥離紙を提供することである。
【解決手段】 本発明は、基紙の少なくとも一方の面に、顔料とバインダを主成分とする下塗り層を設けた剥離紙用基材であって、前記バインダが、コア部とシェル部とからなるコア・シェル構造の複合体ラテックスを含有し、前記コア部とシェル部とが、共にスチレンを単量体単位に含む共重合体ラテックスを主成分とすることを特徴とする剥離紙用基材である。また本発明は、前記剥離紙用基材の下塗り層の面に剥離剤層を設けた剥離紙である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、剥離紙用基材、および当該剥離紙用基材を用いた剥離紙に関する。
粘着ラベル、粘着シール等のタック紙のセパレータ(剥離紙)に使用される剥離紙用基材としては、従来、ポリエチレンラミネートタイプ、グラシンタイプ、クレーコートタイプ等の紙が知られている。
これらの剥離紙用基材の中では、例えば、木材パルプを主原料とする上質紙、片艶紙およびクラフト紙等の基紙の表面に、ポリエチレンフィルム層を形成させたものが一般的である。
このポリエチレンフィルム層は、該ポリエチレンフィルム層上に設けられる剥離剤層を形成する剥離剤、例えばシリコーン塗工液等の浸透を抑制(以下、溶剤バリヤ性と称する。)し、剥離紙の剥離性を向上させる目的で設けられている。
ところが、該ポリエチレンフィルム層は、強固な連続皮膜であり、水に不溶性である。そのため、該ポリエチレンフィルム層を有する剥離紙用基材を回収し、パルプを再生利
用することは困難であり、このことは産業廃棄物処理上の大きな問題となっている。
したがって、剥離紙用基材および剥離紙には、剥離紙の剥離性が良好であると共に、基紙の再生利用を可能とする再生適性が求められる。
上記要求に対して、これまでに、基紙の少なくとも一方の面に、下塗り層と剥離剤層とが順次設けられた剥離紙が提案されている。
例えば、基紙に、従来のポリエチレンフィルムに代えて不織繊維を用い、下塗り層に、デンプン類およびブタジエン系重合体を含むバインダ層を設けた提案(特許文献1参照。)がされている。
また、木材パルプを主原料とする基紙上に、下塗り層として、ポリアクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、特定のスチレンブタジエン共重合体ラテックス、およびポリスチレン−アクリル酸エステル重合物−ポリビニルアルコール共重合体から選ばれる一種以上の樹脂を含有するバリヤ層を設けた提案(特許文献2参照。)、あるいは、無機顔料と特定のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスとを主成分とする塗工層を設けた提案(特許文献3参照。)等がされている。
また、木材パルプを主原料とする基紙上に、水溶性高分子、特定のアクリル樹脂および/またはスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、適宜顔料を含有する下塗り層を設けた提案(特許文献4参照。)がされている。
特開平7−279099号公報 特開平8−144198号公報 特開2000−119997号公報 特開平10−131094号公報
特許文献1〜3の提案によれば、溶剤バリヤ性が改善され、剥離紙の剥離性と再生適性の向上が図られている。
しかしながら、タック紙の平判断裁時に、糊玉がしばしば発生するという問題があった。この糊玉の発生は、機械を頻繁に停止させ、カッター等に付着する糊玉を取り除かなけ
ればならず、シート断裁の操業性が悪いものであった。
前記の糊玉の発生の問題を解決するためには、下塗り層の塗工量を減らす等の対策が考えられる。しかしながら、下塗り層の塗工量を減らした場合、溶剤バリヤ性が低下し、剥離紙の剥離性と再生適性が充分に満足できないものとなってしまう。
また、特許文献4の提案によれば、糊玉の発生の問題は改善されているものの、未だ充分なものではなかった。さらに、剥離紙の再生適性についても充分に満足できるものではなかった。
一方、剥離紙用基材は、該剥離紙用基材の製造後に一旦巻き取られてロール状とされ、その後、このロールから引き出した剥離紙用基材に剥離剤層が設けられる。該ロールから引き出す際の剥離紙用基材同士の剥がれやすさ、すなわち耐ブロッキング性も、剥離紙用基材には要求される特性である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、タック紙の平判断裁時の糊玉の発生が抑制されて、シート断裁の操業性に優れ、剥離性と再生適性にも優れた剥離紙の製造に適し、かつ耐ブロッキング性に優れた剥離紙用基材、および当該剥離紙用基材を用いた剥離紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、検討を重ねた結果、剥離紙用基材の下塗り層中のバインダに、コア・シェル構造を有するスチレン系共重合体ラテックスを含有することにより、これらの問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記態様を含む。
[1] 基紙の少なくとも一方の面に、顔料とバインダを主成分とする下塗り層を設けた剥離紙用基材であって、前記バインダが、コア部とシェル部とからなるコア・シェル構造の複合体ラテックスを含有し、前記コア部とシェル部とが、共にスチレンを単量体単位に含む共重合体ラテックスを主成分とすることを特徴とする剥離紙用基材である。
[2] 前記コア部がスチレン及びブタジエンを単量体単位に含む共重合体ラテックスを主成分とし、前記シェル部がスチレン及びアクリル酸を単量体単位に含む共重合体ラテックスを主成分とする[1]記載の剥離紙用基材である。
[3] 前記コア部のガラス転移温度が−50℃以上−5℃以下であり、前記シェル部のガラス転移温度が−5℃より高く30℃以下である[1]または[2]記載の剥離紙用基材である。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の剥離紙用基材の下塗り層の面に剥離剤層を設けた剥離紙である。
本発明によれば、タック紙の平判断裁時の糊玉の発生が抑制されて、シート断裁の操業性に優れ、剥離性と再生適性にも優れた剥離紙の製造に適し、かつ耐ブロッキング性に優れた剥離紙用基材、および当該剥離紙用基材を用いた剥離紙を提供することができる。
すなわち本発明により、従来、カッター等に付着した糊玉を取り除くために機械を停止させていた頻度を大幅に減少させることができる。
また本発明により、良好な再生適性(離解性ともいう。)を得ることができる。これにより、剥離紙用基材および剥離紙を回収し、再生利用に供することが可能となり、産業廃棄物処理問題に対応することができる。
≪剥離紙用基材≫
本発明の剥離紙用基材は、基紙の少なくとも一方の面に、顔料とバインダを主成分とする下塗り層を設けたものである。
下塗り層は、1層であってもよく、複数の層であってもよい。
<基紙>
基紙としては、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、または他の化学パルプや機械パルプを主原料として用い、長網多筒型抄紙機、長網ヤンキー型抄紙機、あるいは円網抄紙機で抄紙された上質紙、中質紙、片艶紙、およびクラフト紙等を包含するものを用いることができる。これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
基紙中には、有機および無機の顔料、並びに製紙補助薬品が含まれていてもよい。
<下塗り層>
下塗り層は、主として、剥離剤層に用いられるシリコーン塗工液等の浸透を抑制する機能(溶剤バリヤ性)を発揮する。
本発明では、顔料とバインダを主成分とし、該バインダは、コア・シェル構造を有する複合体ラテックスを含有する。
(顔料)
顔料としては、その種類、配合率については特に制限はなく、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、雲母等の無機顔料を適宜選定して用いることができる。
顔料は最密充填する場合、一般に、板状顔料の空隙率は、球状顔料に比べて低く、緻密な塗工層が形成される。
このことから上記顔料の中でも、特に板状顔料を用いることが好ましく、中でもカオリンが好ましい。
下塗り層中における顔料の配合量は、バインダ100質量部に対して50〜150質量部が好ましく、80〜120質量部がより好ましい。
(バインダ)
バインダとしては、コア・シェル構造を有する複合体ラテックスを少なくとも含有する。
本発明の複合体ラテックスはコア・シェル構造をとるラテックスである。
コア・シェル構造とは、コア部(内層)がシェル部(外層)により覆われた2重構造を意味する。
本発明では、このようなコア・シェル構造とすることにより、コア部とシェル部とに、各々異なる特性を持たせることができる。
本発明者らは、コア・シェル構造を採用した場合、主としてコア部の特性によって糊玉発生に影響する接着性が左右され、主としてシェル部の特性によって、耐ブロッキング性や再生適性が左右されることを見出した。
すなわち、本発明者らは、コア部のラテックスとして接着性に優れるものを採用し、シェル部のラテックスとして耐ブロッキング性、再生適性に優れるものを採用すれば、糊玉発生を抑制可能な接着性と、良好な耐ブロッキング性及び再生適性とを、同時に満足させられることを見出したものである。
本発明の複合体ラテックスでは、コア部とシェル部の主成分が、共にスチレンを単量体単位に含む共重合体ラテックスである。
ただし、コア部の主成分となる共重合体ラテックス(以下「コア部主成分」という。)とシェル部の主成分となる共重合体ラテックス(以下「シェル部主成分」という。)の組成は同じではない。上述のように、コア部には接着性に優れる特性を、シェル部には耐ブロッキング性及び再生適性に優れる特性を持たせる必要があり、そのような観点で、各々スチレンと共重合させる他の単量体単位が選択される。
コア部主成分は、スチレン以外の単量体単位としてブタジエンを含むことが好ましい。ブタジエンを単量体単位として含むことにより、接着性に優れたラテックスとすることができる。
コア部主成分におけるブタジエンの共重合比(質量比)は、スチレンに対して30〜170%であることが好ましく、60〜140%であることがより好ましい。ブタジエンの共重合比が小さすぎるとブタジエン単位含有による接着性向上の効果が充分に得難く、大きすぎると再生適性が悪くなる傾向がある。
コア部主成分におけるスチレンとブタジエン以外の単量体単位としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、ステアリン酸等が挙げられる。
コア部主成分におけるスチレンとブタジエン以外の単量体単位の共重合比(質量比)は、スチレンに対して20%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
コア部におけるコア部主成分の割合は、80質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
コア部主成分以外のコア部の成分としては、例えば、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
コア部のガラス転移温度(Tg)は、−50℃以上−5℃以下が好ましく、−30℃以上−6℃以下がより好ましい。
コア部のガラス転移温度を−50℃以上とすることにより、良好な溶剤バリヤ性を得る
ことができる。また、−5℃以下とすることにより、接着性向上の効果を得ることができる。
シェル部主成分は、スチレン以外の単量体単位としてアクリル酸を含むことが好ましい。アクリル酸を単量体単位として含むことにより、耐ブロッキング性と再生適性に優れたラテックスとすることができる。
シェル部主成分におけるアクリル酸の共重合比(質量比)は、スチレンに対して20〜
100%であることが好ましく、40〜80%であることがより好ましい。アクリル酸の共重合比が小さすぎるとアクリル酸単位含有による耐ブロッキング性と再生適性の向上の効果が充分に得難く、大きすぎると接着性が高くなりすぎる傾向がある。
シェル部主成分におけるスチレンとアクリル酸以外の単量体単位としては、例えば、メ
タクリル酸、オレイン酸等が挙げられる。
シェル部主成分におけるスチレンとアクリル酸以外の単量体単位の共重合比(質量比)は、スチレンに対して20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
シェル部におけるシェル部主成分の割合は、80質量%以上であることが好ましく、9
0質量%以上であることがより好ましい。
シェル部主成分以外のシェル部の成分としては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。
シェル部のガラス転移温度(Tg)は、−5℃より高く30℃以下が好ましく、5℃以上25℃以下がより好ましい。
シェル部のガラス転移温度を−5℃より高くすることにより、良好な溶剤バリヤ性を得ることができる。
また、30℃以下とすることにより、下塗り層のベタツキが軽減し、特に剥離紙用基材の巻き取り製品での耐ブロッキング性を向上することができる。
コア部およびシェル部を合わせた全体のゲル率は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。ゲル率が90%以上であることにより、下塗り層のベタツキが軽減し、耐ブロッキング性、再生適性が良好なものとなる。
ここで「ゲル率」とは、トルエン(抽出処理溶剤)に対するゲル含量(%)をいい、ラテックス中の複合体(固形物)をトルエンで抽出処理したときの複合体(固形物)全量に対するトルエン不溶分の割合を意味する。
また、コア部およびシェル部の質量比(コア部/シェル部)は、4/96〜20/80が好ましく、7/93〜15/85がより好ましい。コア部およびシェル部の質量比が上記範囲であることにより、接着性、耐ブロッキング性、再生適性のいずれもが良好なものとなる。
さらに、本発明に用いる共重合体ラテックスの粒径としては、特に限定されるものではないが、良好な接着強度が得られることから、100〜400nmのものを用いることが好ましい。
下塗り層には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の複合体ラテックス以外のバインダを適宜併用することができる。
例えば、アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ワックス等の疎水性樹脂エマルジョン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、澱粉およびその誘導体、セルロース誘導体、カゼイン等が挙げられる。
バインダ中に占める上記の複合体ラテックスの割合は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
(その他の成分)
本発明の下塗り層には、顔料とバインダ以外に必要に応じて、分散剤、耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、着色剤等を適宜添加することが出来る。
<製造方法>
本発明の剥離紙用基材は、基紙の少なくとも一方の面に、下塗り層塗工液を塗布し、下塗り層を形成することによって製造することができる。
下塗り層塗工液の塗工設備としては、特に制限はなく、サイズプレス、ゲートロールコータ、バーコータ、ロールコータ、エアナイフコータ、ブレードコータ等から任意に選定することができる。
下塗り層の塗工量は、特に制限はないが、品質や価格等を考慮すると、絶乾質量(固形分)で3〜10g/mとすることが好ましい。
なお、下塗り層形成のために、2回以上の塗工操作により多層塗工してもよい。
また、塗布後、必要に応じてスーパーカレンダ等の仕上げ処理を施してもよい。該仕上げ処理を施すことにより、下塗り層の表面の平滑性を高めることができる。その結果、剥離剤層のシリコーン塗工液等を均一に塗布することができる。
≪剥離紙≫
本発明の剥離紙は、上述の本発明である剥離紙用基材の下塗り層の面に、剥離剤層を設けたものである。
<剥離剤層>
剥離剤層は、剥離紙用基材の下塗り層の面に、剥離剤層塗工液を塗布し、形成する。
剥離剤は、例えばシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、長鎖アルキル系樹脂等が用いられ、中でもシリコーン系樹脂が好ましく用いられる。
シリコーン系樹脂としては、トルエンやヘキサン等の有機溶剤に希釈した溶剤希釈型シリコーン、有効固形分が100質量%の無溶剤型シリコーン等が用いられる。中でも、環境保護の観点から、無溶剤型シリコーンが好ましく用いられる。
無溶剤型シリコーンは、その硬化方法によって、熱硬化タイプ、電子線硬化タイプ、紫外線硬化タイプに大別される。中でも、生産性、コスト、省スペースの観点から、紫外線硬化タイプが好ましく、その中でも、光カチオン重合反応を利用したエポキシ基含有オルガノポリシロキサンを主成分とする紫外線硬化型無溶剤シリコーンがより好ましく用いられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[下塗り層塗工液]
下塗り層中のバインダとして下記組成(単量体単位とその質量比、Tg)
コア部 (スチレン:ブタジエン=5:5、Tg −19℃)
シェル部(スチレン:アクリル酸:オレイン酸=70:18:2、Tg −19℃)
のコア・シェル構造(2重構造)を有する複合体ラテックス(ゲル率96%、複合体ラテックス全体のTg −19℃、旭化成(製))を用いた。
顔料として板状のカオリンを用いた。
そして、スチレン系共重合体ラテックス:板状のカオリン=1:1(質量比)となるように、濃度約50質量%(溶剤:水)の下塗り層塗工液を調製した。
[剥離紙用基材の作製]
上質紙(米坪 78g/m)の片面に、上記下塗り層塗工液を絶乾質量(固形分)で約7g/mを塗布し、乾燥後、カレンダ処理にて平滑化した。また、カールコントロールを裏面蒸気加湿(スチームボックス)で実施した。以上により、剥離紙用基材を得た。
[剥離紙の作製]
下記組成を有するシリコーン塗工液を調製し、上記剥離紙用基材の下塗り層の面に、絶乾質量(固形分)で約1.0g/mを塗布し、剥離紙を得た。
シリコーン塗工液の組成:
熱硬化型シリコーン(商品名:SD7220、東レ(製)) 4.5質量部
白金触媒(商品名:SRX212、東レ(製)) 0.5質量部
トルエン 95.0質量部
(実施例2)
実施例1において、下塗り層中のバインダを
コア部 (スチレン:ブタジエン=8:2、Tg 26℃)
シェル部(スチレン:アクリル酸:オレイン酸=54:34:2、Tg 26℃)
のコア・シェル構造(2重構造)を有する複合体ラテックス(ゲル率95%、複合体ラテックス全体のTg 26℃、旭化成(製))に変更した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(実施例3)
実施例1において、下塗り層中のバインダを
コア部 (スチレン:ブタジエン=5:5、Tg −19℃)
シェル部(スチレン:アクリル酸:オレイン酸=54:34:2、Tg 26℃)
のコア・シェル構造(2重構造)を有する複合体ラテックス(商品名:A6160、ゲル率96%、複合体ラテックス全体のTg 21℃、旭化成(製))に変更した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(比較例1)
実施例1において、下塗り層中のバインダを
(スチレン:ブタジエン:ステアリン酸=32:48:20、Tg −6℃)
のコア・シェル構造(2重構造)を有しないスチレン系共重合体ラテックス(商品名:L−1571、ゲル率95%、旭化成(製))に変更した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(比較例2)
実施例1において、下塗り層中のバインダを
(スチレン:ブタジエン:ステアリン酸=25:55:20、Tg −16℃)
のコア・シェル構造(2重構造)を有しないスチレン系共重合体ラテックス(商品名:RL−002、ゲル率85%、旭化成(製))に変更した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(比較例3)
実施例1において、下塗り層中のバインダを
(スチレン:ブタジエン:ステアリン酸=62.5:35:2.5、Tg 7℃)
のコア・シェル構造(2重構造)を有しないスチレン系共重合体ラテックス(商品名:A5820、ゲル率75%、旭化成(製))に変更した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。
<評価方法>
実施例1〜3、比較例1〜3で製造した剥離紙について、下記に示す方法で評価した。その結果を表1に示す。
なお、耐ブロッキング性は、剥離紙用基材を対象とした評価である。離解性は、剥離紙の再生適性の評価指標である。
(糊玉の発生抑制)
各例で製造した剥離紙を、145℃のオーブンで5秒間加熱処理した。
その後、8枚重ねて20回はさみで切り、このときに発生した紙粉の量を下記基準で目視評価した。
○:紙粉の発生がほとんどない。
△:紙粉の発生がややあるが、実用上問題ない。
×:紙粉の発生が多い。
(耐ブロッキング性)
各例で製造した剥離紙用基材を数枚重ねた上に、1kgの錘を乗せ、その状態で40℃、90%RH環境下で、24時間静置した。
その後、数枚重ねた剥離紙用基材を1枚ずつ剥がして、ブロッキングレベルを下記基準で目視評価した。
○:ブロッキングがほとんどみられない。
△:ブロッキングがややみられるが、実用上問題ない。
×:ブロッキングが多い。
(離解性)
各例で製造した剥離紙を、2cm四方に切り、TAPPI離解機で、一定時間離解処理(濃度3質量%)した(JIS P8209に準拠)。
その後、剥離紙を手拭きして、未離解部分の量を下記基準で目視評価した。
○:パルプの未離解部分がない。
△:パルプの未離解部分がややあるが、実用上問題ない。
×:パルプの未離解部分が多い。
Figure 2006307386
表1の結果より、コア・シェル構造を有する複合体ラテックスを用いた実施例1〜3は、糊玉の発生抑制、耐ブロッキング性、離解性のいずれも良好であった。
また、コア部とシェル部のガラス転移温度に差がある実施例3は、特に優れていた。
一方、コア・シェル構造を有しないスチレン系共重合体ラテックスを用いた比較例1〜3は、評価項目の全てが良好となるものはなかった。
以上より、本発明によれば、タック紙の平判断裁時の糊玉の発生が抑制されて、シート断裁の操業性に優れ、剥離性と再生適性にも優れた剥離紙の製造に適し、かつ耐ブロッキング性に優れた剥離紙用基材、および当該剥離紙用基材を用いた剥離紙を提供できることが確認された。

Claims (4)

  1. 基紙の少なくとも一方の面に、顔料とバインダを主成分とする下塗り層を設けた剥離紙用基材であって、前記バインダが、コア部とシェル部とからなるコア・シェル構造の複合体ラテックスを含有し、前記コア部とシェル部とが、共にスチレンを単量体単位に含む共重合体ラテックスを主成分とすることを特徴とする剥離紙用基材。
  2. 前記コア部がスチレン及びブタジエンを単量体単位に含む共重合体ラテックスを主成分とし、前記シェル部がスチレン及びアクリル酸を単量体単位に含む共重合体ラテックスを主成分とする請求項1記載の剥離紙用基材。
  3. 前記コア部のガラス転移温度が−50℃以上−5℃以下であり、前記シェル部のガラス転移温度が−5℃より高く30℃以下である請求項1または請求項2記載の剥離紙用基材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の剥離紙用基材の下塗り層の面に剥離剤層を設けた剥離紙。
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