JP2006306500A - 缶体 - Google Patents

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Abstract

【課題】胴部を良好かつ確実に把持することが可能になる。
【解決手段】胴部11に、缶軸方向および周方向の大きさが各々10mm以上25mm以下とされた径方向内方へ凹むドーム部15が、当該胴部11における同一の缶軸方向位置に、周方向に一定の間隔をあけて複数形成され、これらのドーム部15の外周縁15a同士の間のうち、その缶軸方向中央部の間隔Aは、1mm以上6mm以下とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内容物が充填される缶体に関するものである。
周知のように、飲料等の内容物が充填される容器としての缶体には、例えば下記特許文献1に示されるような、開口端部に缶蓋が巻き締められてなる缶や、例えば下記特許文献2に示されるような、肩部の缶軸方向上端に連設されるとともに、上方に延在した口金部にキャップが螺着されるボトル缶がある。
特開2002−35875号公報 特表平10−509095号公報
ところで、この種の缶体においては、需要者が内容物を飲むときに把持する胴部が、一般に平滑な周面とされているので、例えばクーラー等の中で冷却状態で販売されていたものを購入した需要者が、これを室温下で購入後所定時間経過した後に開栓しようとしたときに、缶体の胴部外周面に結露が発生するため、この缶体が手から滑り落ちるおそれがあった。特に、缶体が前記ボトル缶の場合には、開栓後にリシールする際に、前記結露によってボトル缶が滑り易いため、完全にリシールすることができないおそれがあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、胴部を良好かつ確実に把持することが可能になり、手から滑り落ちること等を抑制することができる缶体を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の缶体は、胴部に、缶軸方向および周方向の大きさが各々10mm以上25mm以下とされた径方向内方へ凹むドーム部が、当該胴部における同一の缶軸方向位置に、周方向に一定の間隔をあけて3つ以上形成され、これらのドーム部同士の間のうち、その缶軸方向中央部の間隔は1mm以上6mm以下とされていることを特徴とする。
この場合、胴部に前記ドーム部が前記間隔で複数形成されているので、この缶体の胴部を把持したときに、前記ドーム部のうち、同一の缶軸方向位置に周方向に間隔をあけて3つ連続して形成されたドーム部、およびこれらのドーム部同士の間に、人差し指、中指および薬指のいずれか一つの腹側を、その全域に亙って良好にフィットさせることが可能になる。したがって、胴部を良好かつ確実に把持することが可能になり、手から缶体が滑り落ちること等を抑制することができるとともに、需要者においては手に良好なフィット感が得られることになり、握り心地のよい缶体を提供することができる。
ここで、前記ドーム部は、前記胴部における同一の周方向位置に、缶軸方向に一定の間隔をあけて複数形成されていてもよい。
この場合、複数の指で前記作用を奏することが可能になる。
また、前記ドーム部は、その外周縁部のうち少なくとも缶軸方向上端部が、径方向内方に15mm以上95mm以下の曲率半径で凹む凹曲面状とされるとともに、径方向内方へ向けた最大深さが0.5mm以上2.5mm以下とされていてもよい。
この場合、前記腹部分のうち、少なくとも親指側に、前記ドーム部の外周縁部の缶軸方向上端部を良好にフィットさせて支持させることが可能になり、手から缶体が滑り落ちること等を確実に抑制することができる。なお、前記凹曲面状とされたドーム部の外周縁部の曲率半径を95mmより大きくすると、前述した作用効果を奏することが困難になり、また、15mmより小さくすると胴部を破れさせないでドーム部を形成することが困難になる。
さらに、前記ドーム部の外周縁同士の間のうち、その缶軸方向中央部は、径方向外方に0.5mm以下凸曲面状に膨出していてもよい。
この場合、人差し指、中指および薬指のいずれか一つの腹側において、その関節部分により前記凸曲面状とされた前記ドーム部同士の間を把持させるとともに、その腹部分により前記ドーム部を把持させることが可能になるので、前述したフィット感および手からの滑り落ちの防止を確実に実現することができる。
本発明に係る缶体によれば、胴部を良好かつ確実に把持することが可能になり、手から滑り落ちること等を抑制することができる缶体を提供することができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1から図4は、この発明の一実施形態として示した缶体の概略構成を示すものである。
図1に示す缶体10は、胴部11と、胴部11の缶軸方向下端に連設されるとともに、下方に向かうに従い漸次縮径された底部12と、胴部11の缶軸方向上端に連設されるとともに、上方に向かうに従い漸次縮径された肩部13と、肩部13の上端に連設されるとともに径方向外方に折り返されて、内容物が充填された後に缶蓋14が巻き締められるフランジ部14aとを備えている。
ここで、本実施形態の缶体10は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金、好ましくはAA(Alminum Association)3000系のアルミニウム合金、より好ましくはAA3004系のアルミニウム合金により形成されている。また、胴部11の肉厚は、約0.085mm〜0.165mmとされている。さらに、胴部11の外径は約66mm、缶体10の缶軸方向における大きさは約122mmとされている。
なお、図1に示す缶体10は、常温(約20℃)において大気圧よりも高い圧力(約50kPa〜450kPa)をかけた状態で缶蓋14がフランジ部14aに巻き締められて密封される前を示すものであって、このときの胴部11の形状は開栓後のものと同様とされている。以下、まず、開栓後の胴部11、および前記密封前の胴部11について説明する。
胴部11には、径方向内方へ凹むドーム部15が、当該胴部11における同一の缶軸方向位置に、周方向に一定の間隔をあけて複数形成されるとともに、同一の周方向位置に、缶軸方向に一定の間隔をあけて複数形成されている。図示のドーム部15は、胴部11を径方向外方から見た側面視が円形状とされ、胴部11に形成された複数のドーム部15の全てが略同一の直径、および深さで形成されている。
なお、ドーム部15の直径は10mm以上25mm以下、好ましくは16mm以上20mm以下とされ、周方向で隣合うドーム部15の外周縁15a同士の間のうち、缶軸方向中央部(以下、「膨出部」という)16hにおける間隔Aは1mm以上6mm以下とされ、缶軸方向で隣合うドーム部の外周縁15a同士の間のうち、周方向中央部における間隔Bは1mm以上4mm以下とされている。前記膨出部16hは、ドーム部15を加工する前の胴部11の外周面に対して、径方向外方に0.5mm以下凸曲面状に膨出している。なお、この膨出部16hの缶軸方向における断面形状は、例えば径方向外方に1mm以上 10mm以下の曲率半径で凸とされた円弧形状や楕円形状とされる。
また、ドーム部15は、その外周縁部のうち少なくとも缶軸方向上端部15bが、径方向内方に15mm以上95mm以下、この好ましくは30mm以上65mm以下の曲率半径で凹む凹曲面状とされるとともに、径方向内方へ向けた最大深さが0.5mm以上2.5mm以下とされている。なお、ドーム部15は、その外周縁15aからドーム部15の径方向内方へ向けて漸次胴部11の径方向内方へ向けた深さが深くされており、ドーム部15における径方向中央部が胴部11の径方向内方へ向けた深さが最も深くされている。図示の例では、ドーム部15の外周縁部のうち、缶軸方向両端部15b、15cが前記凹曲面状とされている。
周方向で隣合う2つのドーム部15の外周縁15a、およびこれらのドーム部15に缶軸方向で隣合う2つのドーム部15の外周縁15aにより囲まれた領域は、径方向内方へ凹む凹部16とされている。この凹部16は、胴部11を径方向外方から見た側面視が矩形状とされるとともに、該矩形状を構成する4つの頂部16a〜16dのうち、2つの16a、16bは周方向に対向して位置され、残りの2つの16c、16dは缶軸方向に対向して位置されている。
ここで、本実施形態のドーム部15は、前述のように前記側面視が円形状とされているので、その外周縁15aは円弧とされており、これにより、前記側面視矩形状とされた凹部16は、この凹部16を画成する稜線が、前記側面視で凹部16の内側に向けて凹む凹曲線とされている。そして、隣合う前記稜線が最も接近する部分が前記頂部16a〜16dとされている。なお、前記頂部16a〜16dは、その径方向位置が、ドーム部15および凹部16を胴部11に形成する前後で略変化しない部分であり、これらの頂部16a〜16dからそれぞれ凹部16の内側へ向かうに従い漸次胴部11の径方向内方へ向けた変位量が大きくされている。
また、凹部16は、周方向に対向して位置された2つの頂部16a、16bと、残りの頂部16c、16dのうち缶軸方向上方に位置する頂部16cとにより画成された第1三角面16e、および前記2つの頂部16a、16bと、前記残りの頂部16c、16dのうち缶軸方向下方に位置する頂部16dとにより画成された第2三角面16fにより構成されている。そして、第1三角面16eは、前記缶軸方向上方に位置する頂部16cから、周方向に対向して位置された2つの頂部16a、16bを結ぶ直線部16gに向かうに従い漸次径方向内方へ向けた変位量が大きくされ、第2三角面16fは、前記缶軸方向下方に位置する頂部16dから、前記直線部16gに向かうに従い漸次径方向内方へ向けた変位量が大きくされている。そして、凹部16において、前記直線部16gがこの凹部16のうち最も径方向内方に位置されている。また、前記直線部16g、およびドーム部15の径方向中央部の、胴部11における径方向位置は略同等とされている。
次に、内部に大気圧より高い圧力(約50kPa〜450kPa)をかけた状態で内容物を密封したときの缶体10について、図3および図4を参照しながら説明する。
この場合、前記頂部16a〜16d、およびドーム部15の外周縁15a、および膨出部16hが径方向外方へ略変形されない状態で、ドーム部15および凹部16が径方向外方へ向けて変形されることとなる。この際、ドーム部15の外周縁15a、および膨出部16hがドーム部15の加工時の塑性変形により、胴部11の他の部分と比べて径方向外方へ突出することとなる。
ここで、缶体10の実施例について説明する。AA3004系のアルミニウム合金により、胴部11の肉厚を約0.085mm〜0.165mm、胴部11の外径を約66mm、缶体10の缶軸方向における大きさを約122mmとした缶体10において、複数のドーム部15全ての直径を約20mm、前記間隔AおよびBをそれぞれ約3mm、前記最大深さCを約1mmとしたときに、内圧を大気圧から約20kPaまで上昇させたときの、缶体10の体積の膨張率を測定した。結果、缶体10の内圧が大気圧のとき、その体積は、約374cmであったのに対し、内圧を約20kPaまで上昇させたときは、その体積が約383cmであることが確認された。すなわち、前記構成の缶体10に約20kPaの内圧をかけると約2.5%体積が膨張することが確認された。なお、AA3004系のアルミニウム合金により、例えば胴部11の肉厚を0.085mmとし、かつドーム部15の直径を約25mmとし、ドーム部15の最大深さCを約2.0mm〜2.5mmとし、前記間隔A、Bを約1mmとして缶体10を形成し、この缶体10に約20kPaの内圧をかけると約6%体積が膨張することが算出された。
以上説明したように、本実施形態による缶体10によれば、胴部11にドーム部15が前記間隔Aで複数形成されているので、この缶体10の胴部11を把持したときに、ドーム部15のうち、同一の缶軸方向位置に周方向に間隔をあけて3つ連続して形成されたドーム部15、およびこれらのドーム部15同士の間に位置する膨出部16hに、人差し指、中指および薬指の少なくとも一つの腹側を、その全域に亙って良好にフィットさせることが可能になる。
すなわち、人差し指、中指および薬指の少なくとも一つの腹側において、その関節部分により前記凸曲面状とされた膨出部16hを把持させるとともに、その腹部分によりドーム部15を把持させることが可能になる。さらに、前記腹部分の親指側に、前記凹曲面状とされたドーム部15の外周縁部の缶軸方向上端部15bを良好にフィットさせて支持させることが可能になる。
したがって、胴部11を良好かつ確実に把持することが可能になり、手から缶体10が滑り落ちること等を抑制することができるとともに、需要者においては手に良好なフィット感が得られることになり、握り心地のよい缶体を提供することができる。
また、内部に大気圧より高い圧力をかけた状態で内容物が密封されると、ドーム部15および凹部16が、密封前の状態よりも径方向外方へ向けて変形され、開栓したときに、前記変形が復元される構成とされているので、缶体10内の空間体積を、密封前と密封時とで少なくともドーム部15および凹部16の径方向における変形によって生ずる空間体積の変化分だけ異ならせることが可能になる。したがって、内容物を充填した後、これを密封する前における缶体10の空間体積と、内部に大気圧より高い圧力をかけた状態で密封した際における缶体10の空間体積との変化率の最大限化を図ることが可能になる。
これにより、内容物が充填されて密封される前の缶体10内において、ヘッドスペースを小さくしておくことにより、ガス置換効率を向上させた場合でも、この缶体10を、大気圧より高い圧力をかけた状態で密封すると、ドーム部15および凹部16が径方向外方へ変形することとなるので、この変形によって生ずる缶体10内の体積増加分だけ、内容物の液面が下降して、ヘッドスペースが大きくなり、このヘッドスペースの体積を現行同等に維持することが可能になる。
以上により、密封後の缶体が置かれた周囲温度の変動に対してその内圧がリニアに変動することを抑制することが可能になるとともに、ガス置換効率を向上させることが可能になる缶体10を提供することができる。
また、ドーム部15は、同一の缶軸方向位置に、周方向に一定の間隔をあけて複数形成されるとともに、同一の周方向位置に、缶軸方向に一定の間隔をあけて複数形成され、周方向で隣合う2つのドーム部15、15、およびこれらのドーム部15、15に缶軸方向で隣合う2つのドーム部15、15により囲まれた部分が、凹部16とされているので、この缶体10の内部を大気圧よりも高い圧力をかけて、ドーム部15を径方向外方へ向けて変形させたとき、およびこの缶体10を開栓し、缶体10の内部を大気圧と同等にして、ドーム部15を径方向内方へ向けて変形させたときに、凹部16を囲む4つのドーム部15の変形移動力をそれぞれ、凹部16に伝播させることが可能になる。
したがって、缶体10を密封したとき、および開栓したときに、凹部16を確実に径方向に変形移動させることが可能になる。特に本実施形態では、ドーム部15の外周縁15aが、ドーム部15等を形成する加工を施したときに塑性変形して、この加工前の胴部11よりも径方向外方へ突出しているので、このような作用効果が確実に奏されることになる。
さらに、凹部16がドーム部15により囲まれていることから、例えばエンボス加工により、胴部11の外表面を径方向内方へ向けて押圧してドーム部15を形成したときに、周方向および缶軸方向で隣合う4つのドーム部15に囲まれた領域が、この領域を拡げる方向に引張られることになる。したがって、該領域を周面から平坦面に成形することが可能になり、この加工前に比べて当該領域を径方向内方に位置させることが可能になる。これにより、胴部11の径方向内方へ凹む凹部16を確実に形成することが可能になる。特に本実施形態では、ドーム部15の外周縁15aが、ドーム部15等を形成する加工を施したときに塑性変形して、この加工前の胴部11よりも径方向外方へ突出しているので、このような作用効果が確実に奏されることになる。
さらにまた、周方向で隣合うドーム部15の外周縁15a同士の間に前記膨出部16hが形成されていることから、缶体10の空間体積の前記変化率の最大限化を確実に図ることが可能になるとともに、缶軸方向の圧縮による座屈強度(コラム強度)の低下を抑制することができる。
また、ドーム部15の、胴部11を径方向外方から見た平面視が円形状とされているので、胴部11にこの凹部16を設けたことによるコラム強度の低下を最小限に抑えることが可能になるとともに、ドーム部15および凹部16が繰り返し径方向に変形されたときに、ドーム部15の外周縁15a、および隣合う外周縁15aが最も接近する部分が疲労により破断することを抑えることが可能になる。
さらに、凹部16は、該凹部16を構成する4つの頂部16a〜16dのうち、缶軸方向で対向する一対の頂部16a、16bから各別に、周方向で対向する一対の頂部16c、16dを結ぶ直線部16gに向かうに従い漸次径方向内方へ向けた変位量が大きくされているので、胴部11の内周面に径方向外方へ向けた力、または径方向内方へ向けた力が作用したときに、凹部16の前記直線部16gを折曲容易部として作用させることが可能になる。これにより、内部に大気圧より高い圧力をかけた状態で密封したときに、凹部16が径方向外方へ向けて変形移動するように、前記直線部16gを容易に折り曲げることが可能になるとともに、この缶体10を開栓したときに、凹部16が径方向内方へ変形移動するように、前記直線部16gを容易に折り曲げることが可能になる。
ここで、以上説明した作用効果のうち、胴部11を良好かつ確実に把持することが可能になり、手から滑り落ちること等を抑制することができることについての検証試験を実施した。実施例の缶体10として、ドーム部15の曲率半径を約50mm、前記最大深さCを1.7mm、前記間隔A、Bをそれぞれ約1mm、前記膨出部16hの曲率半径を5mm、膨出量を0.5mmとしたものを採用した。比較例として、胴部11にドーム部15が形成されていない従来からある缶を採用した。
この検証試験は、いわゆる軍手を着装した手で胴部を握った状態で、缶底に取り付けられた紐を缶軸方向下方に向けて一定の荷重で引張ったときに、手から缶体が滑り落ちるときの握力を、前記実施例および比較例について10個ずつ測定した。従来例では、平均で握力が9.6Nのときに、手から缶体が滑り落ち、実施例では、平均で握力が16.0Nのときに手から缶体が滑り落ちることが確認された。すなわち、実施例の缶体は、比較例の缶体と比べて手から缶体が滑り落ちにくいことが確認された。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前記実施形態では、缶体10として、フランジ部14aに缶蓋14が巻き締められる構成を示したが、これに代えて、口金部にキャップが螺着されるいわゆるボトル缶においても適用可能である。この場合、キャップ付ボトル缶を開栓した後、これをリシールするときに、胴部11の周面が掌上を滑ろうとした場合においても、指の腹部分がドーム部15に引っ掛かるとともに、指の関節部分が膨出部16hに引っ掛かることになるので、完全にリシールすることを確実に実現することができる。
また、缶体10の大きさは前記実施形態に限られるものではない。
さらに、凹部16を形成するに際し、胴部11を径方向外方から内方へ向けて押圧して形成するようにしてもよい。
さらにまた、前記実施形態では、ドーム部15として、胴部11を径方向外方から見たときに円形状とされた構成を示したが、缶軸方向および周方向の大きさが各々10mm以上25mm以下とされたドーム部であれば、これに代えて、例えば短軸が缶軸と平行に延在し、長軸が缶軸と直交する方向に延在した楕円形状にしてもよく、また、長軸を挟んで互いに対向する辺をこの長軸と平行に延在させるように直線としてもよい。
また、前記実施形態では、ドーム部15の外周縁部のうち、缶軸方向両端部15b、15cが前記凹曲面状とされている構成を示したが、これに代えて、ドーム部15の外周縁部の缶軸方向上端部15bのみを前記凹曲面状としてもよく、ドーム部15の外周縁部の全周を前記凹曲面状としてもよい。
さらに、前記実施形態では、複数のドーム部15を胴部11の缶軸方向および周方向における全域に形成した構成を示したが、胴部11における同一の缶軸方向位置に周方向に一定の間隔をあけて3つ以上形成したものであればよく、必ずしも同一の周方向位置に缶軸方向に一定の間隔をあけてドーム部15を複数形成しなくてもよい。
さらにまた、前記実施形態では、缶体10として、内部に大気圧よりも高い圧力(約50kPa〜450kPa)をかけた状態で密封される、いわゆる陽圧缶を示したが、これに代えて、内部を大気圧と同等にした状態で高温の内容物を充填して密封し、その後、この内容物の冷却に伴ない缶内圧が大気圧より低くなる、いわゆる負圧缶においても適用可能である。
胴部を良好かつ確実に把持することが可能になり、手から滑り落ちること等を抑制することができる缶体を提供する。
本発明の一実施形態として示した缶体の斜視図を示すものである。 図1に示す缶体のX−X線矢視断面図、およびY−Y線矢視断面図である。 本発明の一実施形態として示した缶体に大気圧よりも高い圧力をかけて密封した状態の缶を示す斜視図である。 図3に示す缶体のX−X線矢視断面図、およびY−Y線矢視断面図である。
符号の説明
10 缶体
11 胴部
15 ドーム部
15a 外周縁
15b ドーム部の外周縁部における缶軸方向上端部
16 凹部
16h 膨出部(周方向で隣合うドーム部同士の間の缶軸方向中央部)

Claims (4)

  1. 胴部に、缶軸方向および周方向の大きさが各々10mm以上25mm以下とされた径方向内方へ凹むドーム部が、当該胴部における同一の缶軸方向位置に、周方向に一定の間隔をあけて3つ以上形成され、これらのドーム部の外周縁同士の間のうち、その缶軸方向中央部の間隔は1mm以上6mm以下とされていることを特徴とする缶体。
  2. 請求項1記載の缶体において、
    前記ドーム部は、前記胴部における同一の周方向位置に、缶軸方向に一定の間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする缶体。
  3. 請求項1または2に記載の缶体において、
    前記ドーム部は、その外周縁部のうち少なくとも缶軸方向上端部が、径方向内方に15mm以上95mm以下の曲率半径で凹む凹曲面状とされるとともに、径方向内方へ向けた最大深さが0.5mm以上2.5mm以下とされていることを特徴とする缶体。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の缶体において、
    前記ドーム部の外周縁同士の間のうち、その缶軸方向中央部は、径方向外方に0.5mm以下凸曲面状に膨出していることを特徴とする缶体。

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