JP2006305771A - 耐火性排水集合管の製造方法及び製造用金型 - Google Patents

耐火性排水集合管の製造方法及び製造用金型 Download PDF

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Abstract

【課題】 非耐火物で形成された管の周囲をセメント質耐火物層で被覆した水平排水管を、同様に非耐火物管の周囲を耐火物層で被覆した垂直管に合流させる排水合流管において水平排水管の方向、高さ、及び全高を異にする各種型式の排水合流管の耐火物被覆層のモールド成型を容易にする。
【解決手段】所定の全高を有し、上下端にそれぞれ垂直排水管との接続筒2、3を有し、中間に水平排水管との所定方向の接続筒を有する一連のキャビティ20を有する金型を、水平方向の切断面によって上端接続部、中間接続部、第1に方向を向いた水平排水管接続部、中間部、第2の方向を向いた水平管接続部、中間筒部、下端接続部に分断し、これら分断金型の所望形状及び寸法のものを組合せて耐火物被覆層をモールド成型する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、集合住宅等において複数方向からの耐火性水平排水管内の排水をまとめて1本の耐火性垂直排水管内に流入させる耐火性集合管の製造方法及びその製造に使用する耐火物層成型用金型に関する。
集合住宅においては、近年、耐火性被覆を施した合成樹脂管がその排水用配管に広く使用されている。その配管には、水平排水管の排水を1箇所にまとめて垂直排水管内に流入させる耐火性排水集合管が必要である。
水平排水管は、例えば洗面所、浴室、便所、炊事場など排水の流入源によって設置される高さが異なり、かつ集合管へは異なる方向から結合される。これらの配管は、上方の階の床面と下方の階の天井裏との間の空間(以下床下空間という。)内に設置される。従って排水集合管としては、床下空間の高さに応じて全長を異にし、水平排水管との接続部の高さを異にし、かつ水平排水管の接続方向を異にするものなどに対応して、各種の型式を用意することが望まれている。
上述の耐火性の排水集合管は、合成樹脂管またはその上に繊維物質等の被覆を施した非耐火性排水集合管の周囲に、セメント質の耐火物層をモールド成型して製造される。このモールド成型には、非耐火性の排水集合管を囲むキャビティを構成する金型が必要であるが、上述のように多種の型式の集合管を提供するためには、その型式ごとに異なる金型を用意しなければならない。しかし金型は一般に高価であるので、莫大な投資が必要であった。
本発明は、耐火性排水集合管の耐火物層のモールド成型用の金型を、水平方向の切断面によって分断し、この分断金型を要求に応じて組合せて一体にすることによって、多数型式の耐火性排水集合管の製造を可能にし、よって金型に対する設備費を大幅に軽減しようとするものである。
本発明においては、耐火性排水集合管の耐火物層のモールド成型用の金型を、水平方向の切断面によって、上端接続部と1個または複数個の水平排水管接続部と1個または複数個の中間筒部と下端接続部とに分断した分断金型を使用する。そして耐火物層を形成しようとする非耐火性排水集合管に対応して、その上下端接続部の位置、水平排水管接続部の方向及び位置、および中間筒部の長さを決定し、これらの分断金型を合体してそのキャビティにスラリー状のセメント質モルタルを注入し、これを固化させる。
なお、上記分断金型の一部には、例えば図2に示す実施例のように上端接続部と水平排水管接続部とを合体するなど、上下に隣接する関係にあり使用頻度が高いもの同士を予め結合したものを用いてもよい。また、水平排水管接続部としては、全方向に接続筒を有するものを用意し、使用に際して図5に示すように不用な方向の接続筒を栓によって閉塞するようにしてもよい。
上述のように、本発明においては、機能別に分断された金型を用い、これを製造しようとする耐火性排水集合管の型式に応じて組立てて耐火物層のモールド成型を行うのであるから、耐火性排水管の型式ごとにモールド成型用金型を用意する必要を不要にすることが出来る。
分断金型は、水平排水管接続部が例えば3箇所に存在する場合には、原則として上方から順に上端接続部、第1中間筒部、第1水平排水管接続部、第2中間筒部、第2水平排水管接続部、第3中間筒部、第3水平排水管接続部、第4中間筒部、下端接続部の順序で組立てる。若し、第3水平排水管接続部が存在しない場合は、これと第4中間筒部とを省略する。また、上端接続部のすぐ下方に第1水平排水管接続部が位置する場合には第1中間筒部を省略する。
また、各水平排水管接続部の分断金型としては互に水平排水管の接続方向が異なるものを用意し、相互に組立ての際の互換性を持たせることにより、所望の高さ位置に所望方向の水平排水管を接続することが可能になる。また、各水平排水管接続部の分断金型には予め全方向(4方向)の水平排水管接続口を設けておき、使用に際しては不要方向の接続口に栓を施して閉塞して使用することもできる。
図1は製造された耐火性排水合流管の外観を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。この排水合流管1は、全長がHで、上端及び下端にそれぞれ接続筒2及び3を有し、上端からH1の位置にそれぞれ90°方向及び180°方向に向いた水平排水管接続筒4及び5が存在し、更にその下方H2の位置にそれぞれ270°及び0°方向に向いた水平排水管接続筒6及び7が存在している。そしてこの耐火物層を成型する金型は、上端接続部A、水平排水管接続部B、中間筒部C、水平排水管接続部D、中間筒部E、下端接続部Fに分割されている。
図2及び図3は金型の詳細を示し、上端接続部A及び水平排水管接続部Bは、分断金型11によって型成され、中間部Cは分断金型12により型成され、水平排水管接続部Dは分断金型13により型成され中間筒部Eは分断金型14により型成され、下端接続部Fは分断金型15により型成される。これら分断金型11〜15は、すべて紙面に平行で排水合流管1の中心を通る分割面16−16(図4参照)によって、前後に分割されている。
上端接続部Aは、排水合流管1の上端接続筒2に嵌合する芯型17と、その周囲に嵌合して下端が接続筒2の上端面を規定するスリーブ18とを有し、スリーブ18の周囲には、分断金型11の内面に係合する位置決め用の環状突部19形成されている。分断金型11の内面には、スリーブ18の周囲に密着する部分と、上端が芯型17に支持された非耐火性排水合流管10の外周面との間に適当な厚さの耐火材層を作るキャビティ20とが設けられている。
水平排水管接続部Bは、水平排水管の端末が挿入される接続筒4、5、6、7にそれぞれ嵌合する芯型21、22、23、24が4方向(90°、180°、270°、0°)からキャビティ20へ挿入され、各芯型の周囲にはスリーブ18と同様にそれぞれスリーブ25、26、27、28が嵌められ、各スリーブはそれぞれ周囲に位置決め用の環状突部29、30、31、32を有している。なお、図1では水平排水管接続筒は90°及び180°方向だけにしか示されていないが、本図で4方向に設けられているのは、分断金型11の互換性を高めるためである。キャビティ20は、これら接続筒の周囲をも囲むように伸延している。
中間筒部Cの分断金型12は、中心に位置する非耐火性排水合流管10の外周面との間に、所定の厚さの耐火材層を作るように、円筒状のキャビティ20だけを持っており、複数種の高さのもの、または高さが異なるものを組合せて所定の高さのものになるように、複数個が用意される。
水平排水管接続部Dの分断金型13は、分断金型11の水平排水管接続部Bと全く同構造であるため、同じ符号を付し、説明は省略する。
中間筒部Eの分断金型14は、中間筒部Cの分断金型12と全く同様であるから、説明は省略する。
下端接続部Fの分断金型15は、図示の例では上端接続部Aと上下対称形の下端接続筒3を有しているので、同一符号を付して説明を省略する。
上記分断金型11〜15は前述のように図4に示す切断面16−16によって前後に分割されている。そしてその後部の分断金型は背面が後部組立盤41に当接され、側面に設けた縦溝42、43に係合する爪44、45をそれぞれボルト46、47で締付けることにより、組立盤41の前面に固定される。同様に前部の分断金型も前面が組立盤51に当接され、側面に設けた縦溝52、53に係合する爪54、55をそれぞれボルト56、57に締付けることにより、組立盤51の背面に固定される。なお、爪44、45、54、55は各分断金型ごとに設けられている。
各分断金型の後部を取付けた組立盤41は、モルタル注入装置の固定部側61にボルト62、63によって取付けられ、各分断金型の前部を取付けた組立盤51は、モルタル注入装置の開閉部側64にボルト65、66によって取付けられる。
モルタル注入装置の開閉側64を移動させて、図4に示すように各分断金型の前部を後部に合体することにより、非耐火性排水合流管10を囲む一連のキャビティ20が完成する。ここで、分断金型の適所に設けた注入口48よりキャビティ20内にセメント質モルタルを注入し、その固化を待って注入装置の開閉側64を矢印方向に移動させると、各分断金型は一斉に前後に開く。そこで成型物を取出し、上下端及び各水平排水管接続筒に挿入されている芯型を抜去することにより、図1に示したような耐火性排水合流管を得ることができる。
図5は図2〜図4に示したような4方向に水平排水管の受口を形成する金型を用いて、90°及び180°の2方向にだけ水平排水管受口を形成する手法を示す。90°及び180°方向の接続筒形成用の芯型21及び22としては図4に示したものと同じものを用いるが、270°及び0°方向には、接続筒を形成する部分が存在せず、耐火材層の表面を規定する円筒面だけを持った芯型71、72を使用する。このように接続筒形成用芯型と耐火材層表面形成用芯型とを適宜使い分けることにより、所望の個数の水平排水管接続筒を持ち、それぞれが所望の方向を向いている耐火性水平合流管を得ることができる。
図1に示した寸法H1、H2、H3及びHを変更して、製造する耐火性排水合流管の型式を変更するには、先ず、モルタル注入装置の開閉部側64を図4に示す矢印方向に開き、交換しようとする分断金型をそのボルト46、47、56、57を抜去して取外し、代りの分断金型を取付ける。その際、交換された分断金型の下方に位置する別の分断金型は、ボルトを締めることによって昇降を可能にし、最終的に全分断金型が互いに密接するように高さの調節を行う。
以上の実施例は、合成樹脂製、またはその周囲に紙などの繊維質の被覆を施した非耐火性排水集合管の製造について述べたが、合成樹脂製の排水管の周囲に例えば、コルク、合成繊維など物質層を設けたものや、ロックウール等の薄い耐火物質層を設けたものの周囲にセメント質の厚い耐火層の被覆を施す場合にも実施することができる。また、実施例では、水平排水管の分断金型として4方向に水平排水管接続筒を有するものを使用し、その一部を閉塞して使用しているが、1方向乃至3方向に水平排水管接続筒を有するものを用意し、金型全体を組立てる際に水平排水管接続筒の方向を変えて使用してもよい。
本発明の実施例における製品の正面図及び平面図である。 本発明の実施例における金型の上部の縦断面図である。 図2に示した金型の下部の縦断面図である。 上記実施例における水平排水管接続部Bの横断面図である。 図4に示した実施例における2方向の水平排水管接続筒を閉塞した状態を示す横断面図である。
符号の説明
1 排水集合管
2 上端接続筒
3 下端接続筒
4〜7 水平排水管接続筒
11〜15 分断金型
16 垂直分割面
17 芯型
18 スリーブ
19 環状突起
20 キャビティ
21〜24 芯型
25〜28 スリーブ
29〜32 環状突部
41 組立盤
42、43 縦溝
44、45 爪
46、47 ボルト
48 モルタル注入口
51 組立盤
52、53 縦溝
54、55 爪
56、57 ボルト
61 モルタル注入装置固定部側
62、63 ボルト
64 モルタル注入装置開閉部側
71、72 閉塞用芯型

Claims (5)

  1. 上下端にそれぞれ接続部を有しその中間に水平排水管接続部を有する非耐火性の排水集合管を、形成しようとする耐火物層の厚さに相当する寸法のキャビティを隔て包囲する金型を使用し、上記キャビティ内にスラリー状のセメント質モルタルを注入し、上記非耐火性排水集合管の周囲に耐火物層を形成する耐火性排水集合管製造方法において、上記金型を上端接続部と、1個または複数個の水平排水管接続部と、水平排水管接続部を持たない1個または複数個の中間筒部と、下端接続部とに分断し、この分断された金型各部を上記非耐火性排水集合管の長さと、上記水平排水管接続部の高さ及び方向とに対応するように組立てて、上記キャビティ内へスラリー状セメント質モルタルを注入してこれを固化することを特徴とする耐火性排水集合管の製造方法。
  2. 上記金型各部のうちの上下に隣接する関係にある一部のものは予め一体に結合されていることを特徴とする請求項1記載の耐火性排水集合管の製造方法。
  3. 上記金型の水平排水管接続部は複数方向に向いた水平排水管接続筒を有し、そのうちの不所望方向に向いた水平排水管接続筒にこれを閉塞する栓が施されることを特徴とする請求項1記載の耐火性排水集合管の製造方法。
  4. 上下端にそれぞれ接続部を有しその中間に水平排水管接続部を有する非耐火性排水集合管の周囲に形成された所定の厚さの耐火物層の外形寸法に等しい内部寸法のキャビティを有する金型を、上端接続部と1個または複数個の水平排水管接続部と水平排水管接続部を持たない1個または複数個の中間筒部と下端接続部とに分断したことを特徴とする耐火性排水集合管の製造用金型。
  5. 上記分断された金型の上下に隣接する関係にある一部のものは予め一体に結合されていることを特徴とする請求項4記載の耐火性排水集合管の製造用金型。
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