JP2006305519A - フィルタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品点数の増加およびフィルタ9の大型化を伴うことなく、フィルタ9よりも流体の流れ方向の下流側へのバリの発生を回避することを課題とする。
【解決手段】 バルブケース3にバルブシートを組み付ける際に、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺を第1フィルタ座面65に押し当てる方向に第2フィルタ座面からフィルタ9のフィルタ枠52に荷重を加えて、フィルタ枠52の下辺に設けた突起部55を押し潰してシール性を確保するように構成されている。そして、突起部55の断面形状を、左右の厚みが異なる非対称(左右非対称)な形状とし、更に第1フィルタ座面65を鋭角的な傾斜面としている。また、突起部55の厚みの薄い側を、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも上流側に設けている。これによって、潰れバリは、必ずフィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも上流側に発生する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、筒状体の内部に形成されるフィルタ収容空間にフィルタを収容したフィルタ装置に関するもので、特に電磁弁のハウジングの内部に形成される流体通路の途中にフィルタを収容した電磁弁用フィルタ装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、例えば自動車等の車両の燃料タンク内で蒸発気化した蒸発燃料等の流体を、キャニスタ、電磁式パージ流量制御弁(以下電磁弁と呼ぶ)を経由してエンジン吸気管に吸気管負圧を利用して導入(パージ)することで、蒸発燃料等の流体が大気中へ放出されることを防止する蒸発燃料処理装置が公知である。この蒸発燃料処理装置に使用されるキャニスタ内には、蒸発燃料等の流体を吸着する吸着体(例えば活性炭等)が収納されている。また、キャニスタには、大気に開放された大気開放孔が形成されている。このため、例えばエンジン振動等によって吸着体が微粉末化されて電磁弁の弁部や電磁駆動部に侵入したり、大気中の塵埃等の異物が電磁弁の弁部や電磁駆動部に侵入したりすると、電磁弁の弁部(弁体と弁座との間)のシール性が低下したり、電磁弁の可動部(例えば弁体や可動コア等)の動作不良や固着故障が生じたりする可能性がある。
そこで、電磁弁の弁部のシール性の低下および電磁弁の可動部の動作不良や固着故障を防止する目的で、電磁弁のハウジングの内部にエア等の制御流体が流れる流体通路を形成し、この流体通路内に金属製または樹脂製のフィルタを配置した電磁弁用フィルタ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このフィルタは、キャップとバルブシートとの間で挟み込まれて保持されている。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の技術のフィルタは、キャップおよびバルブシートとの隙間を限りなく0に近づけて、隙間なくフィルタを保持固定する必要がある。このため、キャップおよびバルブシートによって常に圧縮方向に力(圧縮応力)が作用するように、フィルタがキャップとバルブシートとの間に挟み込まれているので、キャップおよびバルブシートより加わる圧縮方向の力でフィルタが変形する可能性がある。そこで、フィルタの変形を防止する目的で、フィルタに外枠を設けてフィルタの剛性を上げることが考えられる。
また、第1ケーシング部材と第2ケーシング部材とを嵌合することで、内部に流体通路を形成する樹脂製のケーシングに適用される嵌合構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。これは、第1ケーシング部材に設けられた嵌合用溝部の底面に、第2ケーシング部材に設けられた嵌合用突起部を押し当てて、嵌合用突起部の先端を押し潰して嵌合と確実なシールが成されるように構成されている。このような構造をフィルタの外枠と電磁弁のハウジングとのシール構造に適用することが考えられる。このシール構造を、図5および図6に示す。
図5および図6では、電磁弁100のハウジング101の内部に流体通路102を形成し、この流体通路102内にフィルタ103を配置している。そして、ハウジング101は、弁孔104を開閉するバルブ105を収容するバルブケース106と、バルブ105が着座可能な弁座(バルブシート部)を有するバルブシート107とによって構成されている。また、フィルタ103は、流体通路102内を流れる流体を濾過するメッシュ状シート(フィルタエレメント)111、およびこのメッシュ状シート111を保持する略方形状の外枠112を有している。また、フィルタ103は、外枠112の一組の対辺(上下辺)の一方の辺(下辺)に微小突起部113を設けている。
そして、バルブケース106のフランジ部121にバルブシート107の天板部122を組み付ける際に、バルブシート107の天板部122の天壁面(フィルタ座面)123によってフィルタ103の外枠112の下辺をバルブケース106の凹部の底面(フィルタ座面)124に押し付けるようにして、バルブケース106のフランジ部121にバルブシート107の天板部122を嵌合させる。これにより、フィルタ103の外枠112の下辺に設けた微小突起部113が押し潰されるため、電磁弁100のハウジング101とフィルタ103とのシール性が確保される。
しかるに、特許文献2に記載された微小突起部113の突起形状は、単純な形状(フィルタ103の厚み方向の中心を通る長手方向軸線を中心にして左右の厚みおよび剛性が対称的な形状)であり、バルブケース106の相手面(フィルタ座面)がフィルタ103の面方向(フィルタ103の厚み方向の中心を通る長手方向軸線)に対して直交する垂直面とされているため、微小突起部113を押し潰した際に、フィルタ103の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも流体流方向の上流側および下流側のどちらにも潰れ、バリが発生する。そして、この発生したバリが、フィルタ103よりも流体流方向の下流側に位置する電磁弁100のムービングコア108とステータコア109との間に侵入すると、バルブロックする可能性がある。
このバルブロックを防止するために、例えばリップシールおよびOリングをフィルタの外枠に配置し、上記の圧縮方向の力を低剛性のリップシールおよびOリングで受けフィルタの変形を防止しつつ、フィルタの保持固定とシール性の向上とを実現する方法がある(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方法は、部品点数の増大とフィルタの外枠にリップシールやOリングを配設するスペースが必要となり、フィルタが大型化して電磁弁の体格も大型化するという問題が生じる。
特開2002−013659号公報(第1−6頁、図1−図3) 特開2003−154838号公報(第1−3頁、図1−図6) 特開2002−364759号公報(第1−6頁、図1−図7)
本発明の目的は、部品点数の増加およびフィルタの大型化を伴うことなく、フィルタよりも流体の流れ方向の下流側へのバリの発生を回避することのできるフィルタ装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、流体を濾過するフィルタとして、少なくとも平行な二辺(対辺)を含む形状の枠体(例えば略方形状の枠体、特に内部に流体通過口が形成された略方形状の枠体)を有するフィルタを採用している。そして、フィルタの枠体の平行な二辺(対辺)のうちの一方の辺に、フィルタの厚み方向の中心を通る長手方向軸線を中心にして(左右のまたは前後の)厚みまたは剛性が異なる非対称(左右非対称または前後非対称)な突起部を設けている。また、突起部の厚みの薄い側または剛性の弱い側を、フィルタの厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも筒状体の内部を流れる流体の流れ方向の上流側に設けている。また、筒状体に、挟持部材によってフィルタの枠体の平行な二辺(対辺)を挟持して保持すると、突起部が押し当てられるフィルタ座面を設けている。
これにより、挟持部材によってフィルタの枠体の平行な二辺(対辺)を挟み込んで筒状体の内部にフィルタを組み付ける際に、挟持部材から荷重がフィルタの枠体の平行な二辺(対辺)に加わると、先ず突起部が、フィルタの枠体の突起部の厚みの薄い側または剛性の弱い側で鋭角となる所定の傾きを有するフィルタ座面に当たる。更に、挟持部材から荷重がフィルタの枠体の平行な二辺(対辺)に加わると、フィルタ自体は下流側にずれようとし、突起部は摩擦力によりフィルタ座面に当接した位置で押し潰される。このとき、潰れバリは、必ずフィルタの厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも流体の流れ方向の上流側に発生することになる。したがって、部品点数の増加およびフィルタの大型化を伴うことなく、フィルタよりも流体の流れ方向の下流側への潰れバリの発生を避けることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1挟持部材の凹部の底面に設けたフィルタ座面と第2挟持部材の天板部の荷重付与部との間にフィルタの枠体の平行な二辺(対辺)を挟み込んでフィルタを筒状体の内部で保持すると、突起部の先端が必ずフィルタの厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも流体の流れ方向の上流側に傾くので、潰れバリがフィルタよりも流体の流れ方向の下流側に発生しない。
請求項3に記載の発明によれば、フィルタの枠体を、筒状体(の第1挟持部材の凹部の底面)のフィルタ座面よりも剛性の弱い材料によって形成することにより、突起部が押し当てられた際に突起部によってフィルタ座面が凹む等の変形を防止することができる。また、請求項4に記載の発明によれば、フィルタの枠体に、内部をフィルタの厚み方向に流体が通過する流体通過口を設けても良い。
請求項5に記載の発明によれば、フィルタの枠体の平行な二辺(対辺)のうちの一方の辺に平行な直線方向に対して鉛直方向に湾曲または屈曲した形状のフィルタを、挟持部材によって挟み込んで筒状体の内部に保持しているので、フィルタの枠体を薄くしても、挟持部材による挟持方向(圧縮方向)の力に対してフィルタ自体の剛性を向上させることができる。これにより、フィルタの体格の小型化を図ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、本発明のフィルタ装置を、電磁弁のハウジングの内部に流体通路を形成し、この流体通路内にフィルタを配置した電磁弁用フィルタ装置に適用することにより、流体中に混入した異物が電磁弁の弁部や可動部に侵入し難くなるので、電磁弁の弁体と弁座とのシール性が低下したり、電磁弁の可動部の動作不良や固着故障が生じたりすることはない。なお、電磁弁は、筒状体を構成するハウジングと、このハウジングの弁座に対して着座、離座して流体通路の途中に設けられた弁孔を開放、閉塞する弁体と、この弁体を開弁方向(弁孔を開く側)または閉弁方向(弁孔を閉じる側)に吸引する磁気吸引力を発生する電磁駆動部と、弁体を閉弁方向(弁孔を閉じる側)または開弁方向(弁孔を開く側)に付勢する付勢力(荷重)を発生する弁体付勢手段(スプリング等)とを備え、弁孔よりも流体流方向の上流側の流体通路にフィルタを設置している。なお、弁体付勢手段は設けなくても良い。
本発明を実施するための最良の形態は、部品点数の増加およびフィルタの大型化を伴うことなく、フィルタよりも流体の流れ方向の下流側へのバリの発生を防止するという目的を、フィルタの枠体の平行な二辺(対辺)のうちの一方の辺に、フィルタの厚み方向の中心を通る長手方向軸線を中心にして厚みまたは剛性が異なる非対称な突起部を設け、筒状体に、フィルタの枠体の突起部の厚みの薄い側または剛性の弱い側で鋭角となる所定の傾きを有するフィルタ座面を設けることで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図4は本発明の実施例1を示したもので、図1は蒸発燃料処理装置の全体構成を示した図で、図2は電磁弁の全体構造を示した図である。
本実施例の電磁弁1は、自動車等の車両の燃料タンク11内で蒸発気化(揮発)した蒸発燃料(エバポガス)等の流体をキャニスタ12を経由して内燃機関(例えばガソリンエンジン:以下エンジンと言う)のエンジン吸気管13内に吸気管負圧を利用して導入(パージ)することで、蒸発燃料等の流体が大気中へ放出されることを防止する蒸発燃料処理装置に組み込まれている。この蒸発燃料処理装置は、燃料タンク11とキャニスタ12とが流体導入通路14を介して連通し、キャニスタ12とエンジン吸気管13とが流体導入通路(パージライン)15を介して連通している。
燃料タンク11には、燃料タンク11内の圧力(タンク内圧)を検出する圧力センサ(タンク内圧センサ:図示せず)が設けられている。キャニスタ12内には、蒸発燃料等の流体を吸着する吸着剤(例えば活性炭等)が収納されている。そして、キャニスタ12の大気開放孔(ポート)には、大気に開放された大気開放配管16が接続されている。大気開放配管16の途中には、キャニスタ12内に流入する空気を濾過するフィルタ17、および必要に応じてキャニスタ12の大気開放孔を閉塞する常開型の電磁式開閉弁であるキャニスタ制御弁(キャニスタ・コントロール・バルブ)18が設けられている。なお、フィルタ17は、大気開放配管16の入口部(大気開放孔)から流入する空気は通過可能であるが、空気に混入した異物を捕捉して、エンジン吸気管13内への異物の侵入を防止するものである。また、電磁弁1の内部にフィルタ9を内蔵しているので、大気開放配管16の途中にフィルタ17を設けなくても良い。
また、エンジン吸気管13内には、エンジンの各気筒の燃焼室内に連通する吸気通路内を流れる吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ19が設けられている。また、流体導入通路15の途中には、電磁弁1が設けられている。なお、流体導入通路15は、スロットルバルブ19よりも吸入空気流方向の下流側(エンジンの吸気ポート側)に接続されている。そして、蒸発燃料等の流体のリークチェックは次に示す順序により行われる。キャニスタ12の大気開放孔をキャニスタ制御弁18で閉塞する。そして、電磁弁1を開放することにより、エンジン吸気管13内の吸気管負圧を流体導入通路15およびキャニスタ12に導入した後に、電磁弁1を閉塞することで蒸発燃料等の流体を完全に遮断する。そして、一定時間が経過した後に、圧力センサによって燃料タンク11内の圧力が上昇したか否かを測定することで、蒸発燃料等の流体のリークチェックが行われる。
次に、本実施例の電磁弁1の構成を図1ないし図4に基づいて説明する。この電磁弁1は、蒸発燃料処理装置の流体導入通路15の途中に設置されて、蒸発燃料等の流体をキャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入するパージ流量を制御する常閉型の電磁式流体流量制御弁としてのパージデューティVSV(バキューム・スイッチング・バルブ)である。この電磁弁1は、電磁弁駆動回路を介してエンジン制御ユニット(ECU)によって電磁弁1を通電する時間を制御することで、蒸発燃料等の流体をキャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入するパージ流量を制御している。ここで、ECUは、周知のマイクロコンピュータを内蔵し、電磁弁1を通電する時間(オン時間とオフ時間との比:デューティ比)を制御することで、蒸発燃料等の流体をキャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入するパージ流量が制御される。
そして、電磁弁1は、流体導入通路15の途中に接続された流体流路管を形成するハウジング(筒状体)2と、このハウジング2に一体化された電磁駆動部(ソレノイド部)と、ハウジング2の内部に開閉自在に収容されたバルブ(弁体)7と、このバルブ7を弁座に押し付ける方向に付勢する付勢力(スプリング力)を発生するコイルスプリング8とを備えている。また、本実施例の電磁弁1のハウジング内部に形成される流体通路の通路壁面には、電磁弁1の弁孔に向けて流れる蒸発燃料等の流体中に混入した異物を捕捉する可撓性を有するシート状のフィルタ9を収容保持するフィルタ保持部(フィルタ収容部)10が設けられている。
ハウジング2は、バルブ7を開閉自在に収容すると共に、ソレノイドコイル5を含むコイルアッセンブリを被覆して保護するバルブケース(第1挟持部材、ソレノイドカバー)3と、コイルスプリング8のスプリング力によってバルブ7が押し付けられる弁座(バルブシート部)を有するバルブシート(第2挟持部材、ケースカバー)4とによって構成されている。また、ハウジング2は、内部に略方形状のフィルタ収容空間を形成するフィルタケース(枠状体)として機能する。すなわち、ハウジング2は、略方形状のフィルタ9の一組の対辺をバルブケース3とバルブシート4との間に挟み込んでフィルタ9を保持固定している。また、ハウジング2は、樹脂材料(例えばポリブチレンテレフタレート:PBTまたはポリフェニレンサルファイド:PPSまたはポリアミド樹脂:PA等の熱可塑性樹脂)によって一体的に形成されている。
バルブケース3には、電磁弁1の中心軸線方向(図示上下方向)に対して直交する半径方向の外径側に延びるように設けられた円管状の流体流路管(入口配管)20、バルブシート4との間に流体通路を形成する筒状の側壁部21、およびこの側壁部21の半径方向の内径側に設けられた円筒部(第1挟持部材)22が一体的に形成されている。また、側壁部21および円筒部22の図示下方側には、電磁駆動部の外径側を被覆する樹脂モールド部23が一体的に形成されている。この樹脂モールド部23の外周部には、例えばキャニスタ12またはエンジン吸気管13に、締結ボルト等の締結具を用いて締め付け固定されるインサートナット24がインサート成形されている。また、樹脂モールド部23の外周部には、電磁駆動部に励磁電流を供給するための一対の外部接続端子(ターミナル)25を保持する筒状のコネクタシェル(雄型コネクタ部)26が一体的に形成されている。なお、一対のターミナル25の先端部は、コネクタシェル26内に露出して、外部電源側または電磁弁駆動回路側の雌型コネクタ部に差し込まれて電気的な接続を成すコネクタピンとして機能する。
また、バルブシート4には、側壁部21の図示上端側の結合部(フランジ部)27に溶着固定(あるいは締め付け固定またはかしめ固定)される円環板状の天板部(第2挟持部材)28、およびこの天板部28の内周部より電磁弁1の中心軸線方向(図示上下方向)に延びるように設けられた略円管状の流体流路管(出口配管)29が一体的に形成されている。天板部28は、側壁部21の開口部40を閉塞するカバーとして機能する。なお、流体流路管29は、電磁弁1の中心軸線上に設けられている。また、側壁部21は、電磁弁1の中心軸線より偏心した位置に設けられ、且つ流体流路管29の図示下端側(電磁駆動部側)の半径方向の外径側を円筒状空間を隔てて覆うように設けられている。また、流体流路管20は、流体導入通路15の上流側部を介してキャニスタ12に接続されており、その流体流路管20の内部には、入口ポート31を含む流体通路(キャニスタ側流路)32が形成されている。なお、流体通路32を形成する流体流路管20は、直管形状に形成されている。
また、側壁部21の通路壁面(内周面)、円筒部22の通路壁面(外周面)、天板部28の通路壁面(天壁面)、流体流路管29の通路壁面(外周面)、電磁駆動部の通路壁面によって囲まれた円筒状空間は、流体通路32から流入する蒸発燃料等の流体の圧力脈動を減衰させるためのボリューム室(流体通路32よりも通路断面積が極めて大きい円筒状空間、拡管部、流体通路)33となっている。このボリューム室33は、流体流路管29の通路壁面(外周面)と円筒部22の通路壁面(内周面)との間に形成される円環状空間34を介してバルブ室35に連通している。なお、バルブ室35は、円環状空間34よりも半径方向の内径側に位置し、且つ流体流路管29の図示下端側の開口周縁部と電磁駆動部の通路壁面との間に形成される。
また、流体流路管29の電磁駆動部側の開口端(流体流方向の上流側端)には、バルブ7が着座可能な円環状の弁座30が一体的に形成されている。この弁座30の内部には、バルブ7によって開閉される弁孔36が形成されている。また、流体流路管29は、流体導入通路15の下流側を介してエンジン吸気管13に接続されており、その流体流路管29の内部には、出口ポート39を含む流体通路(吸気管側流路)37、38が形成されている。なお、流体通路37は、流体流方向の上流側から下流側に向かって内径が徐々に拡径されている。また、流体通路38を形成する流体流路管29の吸気管側は、直管形状に形成されている。
電磁駆動部は、励磁電流を供給することにより磁気吸引力(起磁力)を発生する電磁式アクチュエータであって、通電されると周囲に磁束を発生するソレノイドコイル5と、このソレノイドコイル5および固定コアと共に磁気回路を形成するムービングコア(可動コア)6と、ソレノイドコイル5により励磁されるステータコア41、ヨーク42等の固定コアと、ムービングコア6およびバルブ7等よりなる可動部の軸線方向の移動距離を規制するピース43とによって構成されている。
ソレノイドコイル5は、通電を受けることにより起磁力を発生して磁性材料よりなる各磁性体(ムービングコア6、ステータコア41およびヨーク42等)を磁化することで、バルブ7およびムービングコア6を開弁方向(弁孔36を開く側)に駆動すると共に、バルブケース3の樹脂モールド部23とステータコア41との間に形成される円筒状のコイル収納部に収容されたコイルボビン44の一対の鍔状部間に絶縁被膜を施した導線を複数回巻装したコイルである。このソレノイドコイル5は、コイルボビン44の外周に巻装されたコイル部、およびこのコイル部より取り出された一対の端末リード線(端末線)を有している。また、ソレノイドコイル5のコイル部の外径側は、樹脂ケースとして機能する樹脂モールド部23により被覆されて保護されている。なお、ソレノイドコイル5の一対の端末リード線は、電磁弁駆動回路に電気的に接続する一対のターミナル25に、例えばかしめまたは溶接等により電気的に接続されている。
ムービングコア6は、磁性材料によってカップ状に形成されており、ソレノイドコイル5の通電時に磁化されて電磁石となり、ステータコア41の吸引部に吸引される。また、ムービングコア6は、ソレノイドコイル5への励磁電流の供給が成されていない時に、コイルスプリング8のスプリング力によって、バルブ7をバルブシート4の流体流路管29の弁座30に押し当てる方向(中心軸線方向の他方側、閉弁方向(弁孔36を閉じる側))にバルブ7に荷重を与える。このムービングコア6は、ステータコア41の円筒状部(拡径部)内に摺動自在に支持される円筒状の摺動部を有している。この摺動部の一端側は開口し、他端側は閉塞されている。そして、摺動部の他端側に設けられる円板状の閉塞部には、この閉塞部を軸線方向に貫通する貫通孔45が形成されている。また、ムービングコア6は、ピース43の外周に嵌め合わされた状態で、ステータコア41の円筒状部(拡径部)の内周に摺動自在に設けられている。そして、ムービングコア6とピース43との間に形成される円筒状空間は、コイルスプリング8を収容するスプリング室46として機能する。
ステータコア41は、磁性材料によって円筒状に形成されており、ソレノイドコイル5の通電時に磁化されて電磁石となり、その円筒状部の途中にムービングコア6を軸線方向の一方側に吸引するための吸引部(円筒状部の拡径部と縮径部との間に形成れる段差部)を有している。なお、本実施例では、固定コアを、ステータコア41およびヨーク42等によって構成しているが、固定コアをステータコア41のみによって構成しても良い。また、ステータコア41にマグネチックプレートまたはヨーク42のいずれか一方を組み合わせて固定コアを構成しても良い。
ピース43は、ステータコア41の円筒状部(縮径部)に嵌め込まれて保持されている。このピース43の先端面(図示上端面)には、ムービングコア6およびバルブ7等よりなる可動部の軸線方向の一方側への移動距離(リフト量)がフルリフト量(最大リフト量)に到達した際に、バルブ7またはムービングコア6を係止して、これ以上の開弁方向への可動部の移動を規制する規制面(ピース43の規制面)が設けられている。
バルブ7は、ゴム系弾性体(例えばフッ素ゴムまたはシリコンゴム等)よりなるモールドゴム(ゴムバルブ、シールゴム)であって、電磁駆動部のムービングコア6に一体的に組み付けられている。このバルブ7は、ムービングコア6の閉塞部にゴムモールド(モールド成形)またはゴムプリントまたは焼き付けまたは圧入嵌合されている。また、バルブ7は、ムービングコア6の閉塞部の図示上端面に設けられた円環状のゴムシール部(弁座30に着座可能なバルブシート部)、ムービングコア6の閉塞部の図示下端面に設けられた円環状のゴムクッション部、およびムービングコア6の閉塞部の貫通孔45内に装着または充填されたゴム充填部等を有している。また、バルブ7は、バルブ室35内を軸線方向に往復直線運動を行うように設けられている。なお、バルブ7のゴムクッション部は、バルブ7がピース43の規制面に当接した際の衝撃を吸収すると共に、ムービングコア6の当接音を低減させるために設けられている。
コイルスプリング8は、ムービングコア6とピース43との間に形成されるスプリング室46内に収容されており、バルブ7を弁座30に押し付ける方向に付勢するスプリング力(ばね荷重)を発生する弁体付勢手段である。このコイルスプリング8の軸線方向の一端は、ピース43のハウジング側フックに保持され、また、コイルスプリング8の軸線方向の他端は、ムービングコア6のバルブ側フックに保持されている。
電磁弁1は、ECUによって電磁弁1を通電する時間を制御することで、バルブ7のリフト量に対応した弁孔36の開口面積(バルブ開度)を変更して、蒸発燃料等の流体をキャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入するパージ流量を制御する。そして、電磁弁1への通電時間が長い時には、ソレノイドコイル5に流れる平均電流が大きくなり、ムービングコア6がコイルスプリング8のスプリング力に抗してステータコア41の吸引部に近づく方向に動き、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7のリフト量が大きくなり、バルブ開度が大きくなる。これにより、パージ流量が多くなる。
また、電磁弁1への通電時間が短い時には、ソレノイドコイル5に流れる平均電流が小さくなり、ムービングコア6がコイルスプリング8のスプリング力によって戻され、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7のリフト量が小さくなり、バルブ開度が小さくなる。これにより、パージ流量が少なくなる。また、電磁弁1への通電が停止された時には、ムービングコア6がコイルスプリング8のスプリング力によって初期位置まで戻され、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7が弁座30に密着(シール)する。これにより、燃料タンク11を含む蒸発燃料処理装置の流体導入通路14、15の閉鎖空間が密閉化される。
本実施例のフィルタ9は、図2ないし図4に示したように、フィルタ9の湾曲方向の両端側から挟み込む方向に外力を加えると弾性的に撓むと共に、撓んだ状態で弾性復元力を持つ可撓性を有するシート状のメッシュフィルタ(板厚の薄い薄型フィルタ)である。このフィルタ9は、フィルタ9の断面形状が流体流方向の上流側に凸状に湾曲した形状となるように、しかもハウジング2の内部を流れる流体の流れ方向に対して略直交するように電磁弁1のハウジング2の内部(ボリューム室内部)に装着されている。また、フィルタ9は、蒸発燃料等の流体を濾過する略方形状のメッシュ状(網目状)シート51、およびこのメッシュ状シート51の外周端縁を保持すると共に、ハウジング2に嵌合保持される枠体(外枠:以下フィルタ枠と呼ぶ)52等によって構成されている。また、フィルタ9は、フィルタ枠52の一組の対辺(一対の対辺、図示上下の対辺:以下上下辺と呼ぶ)に平行な直線方向に対して鉛直方向(直交方向)に湾曲した湾曲面、すなわち、フィルタ枠52の一組の対辺(一対の対辺、図示左右の対辺:以下左右辺と呼ぶ)に平行な方向に湾曲した湾曲面を有している。
メッシュ状シート51は、ムービングコア6およびバルブ7等よりなる可動部側に向かう蒸発燃料等の流体中に混入した異物(例えばエンジン振動等によってキャニスタ12内に保持された吸着体が微粉末化された粉体、給油中に燃料タンク11内に侵入する大気中の塵埃、キャニスタ12の大気開放孔より侵入する大気中の塵埃等)を捕捉して清浄化するフィルタエレメントであって、樹脂材料(例えばポリアミド樹脂:PA)によって形成されている。このメッシュ状シート51は、フィルタ枠52にインサート成形されて一体化されている。なお、メッシュ状シート51を、例えば樹脂製の発泡ネットまたは金属製のネットによって形成しても良い。
フィルタ枠52は、二組の対辺よりなる4つの辺で囲まれた略方形状で、樹脂材料(例えばポリプロピレン:PP)によって形成されており、流体流方向の上流側に凸状に湾曲した湾曲面形状を有し、内部に渡し部(一字桟)53によって区画された複数個の流体通過口(窓部)54が形成されている。また、フィルタ枠52には、フィルタ9の湾曲方向の両端側に位置する左右辺、およびフィルタ9の湾曲方向に対して直交する方向の両端側に位置する上下辺が設けられている。また、渡し部53は、フィルタ枠52の上下辺に掛け渡されている。また、複数個の流体通過口54は、蒸発燃料等の流体が通過する開口部であって、これらの流体通過口54にてメッシュ状シート51の湾曲面が露出している。また、複数個の流体通過口54は、電磁弁1の弁孔36に向かう流体通路の途中に設けられるボリューム室33の上流側部と下流側部とを連通する。また、複数個の流体通過口54の角部は、円弧状に形成されているが、直角状に形成しても良い。
ここで、フィルタ枠52の下辺には、図4に示したように、フィルタ9の厚み方向の中心(メッシュ状シート51の配置位置)を通る長手方向軸線を中心にして左右の厚みが異なる非対称な形状(偏肉形状)の突起部55がフィルタ枠52の下辺の幅方向(フィルタ9の厚み方向に対して直交する方向)全体に渡って設けられている。この突起部55は、バルブケース3の底面に押し付けられて押し潰されることで、バルブケース3の底面とのシール性を発揮する凸状(リップ状)のシール部である。また、突起部55の厚みの薄い側は、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりもハウジング2の内部を流れる流体の流れ方向の上流側に設けられている。また、突起部55の厚みの厚い側は、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりもハウジング2の内部を流れる流体の流れ方向の下流側に設けられている。
また、突起部55は、厚みの厚い側の表面に所定の傾斜角度のテーパ面56を有している。また、突起部55は、厚みの薄い側の表面に、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線に平行な直線状の平坦面57を有している。また、突起部55の先端面には、テーパ面56と平坦面57とを結ぶように、テーパ面56よりも緩い傾きのテーパ面58が設けられている。なお、テーパ面58を球面状としても良い。また、テーパ面56とテーパ面58との間には、稜線(エッジ部)55aが設けられている。また、平坦面57とテーパ面58との間には、突起部55の先端(頂点)を形成する稜線(エッジ部)55bが設けられている。したがって、突起部55は、突起部55の厚みの薄い側よりも突起部55の厚みの厚い側の方が剛性が高く、突起部55の重心は、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりもハウジング2の内部を流れる流体の流れ方向の下流側に位置している。
フィルタ保持部10は、図2および図3に示したように、対向面(側壁部21の通路壁面)および底面(円筒部22の図示上端面)が形成された凹部59を有するバルブケース3と、このバルブケース3の凹部59との間に略方形状のフィルタ収容空間(流体通路)を形成する天板部28を有するバルブシート4の各通路壁面に一体的に形成されている。すなわち、フィルタ保持部10は、バルブケース3の側壁部21の通路壁面(ボリューム室33の両側に位置する立壁部の対向面)、バルブケース3の円筒部22の通路壁面(ボリューム室33の底側に位置する底壁部の底面)、およびバルブシート4の天板部28の通路壁面(ボリューム室33の天井側に位置する天壁部の天壁面)に設けられる略方形角環状のフィルタ保持枠(フレーム)である。
このフィルタ保持部10は、ハウジング2のボリューム室33の上流部(流体通路32の開口周縁部側)と下流部(円環状空間側)とを区画する角環状の区画壁に一体的に設けられて、フィルタ9の断面形状が流体流方向の上流側に凸状に湾曲した形状となるようにフィルタ9を嵌合保持する。また、フィルタ保持部10は、フィルタ9のフィルタ枠52の左右辺(凸状の被嵌合部)を嵌合保持すると共に、ハウジング2の内部の通路壁面より流体通路側に突出する直方体形状のブロック体(肉厚部)よりなるボス状の第1、第2嵌合部61、62を有している。これらの第1、第2嵌合部61、62は、フィルタ収容空間を挟んで互いに対向して配置されている。
第1嵌合部61には、流体流方向に対して直交する方向に平行な直線状の第1嵌合溝(凹状溝)63が設けられている。この第1嵌合溝63には、内部にフィルタ9のフィルタ枠52の左辺を差し込むことで、フィルタ枠52の左辺との間でシールを行う底面が設けられている。また、第2嵌合部62には、流体流方向に対して直交する方向に平行な直線状の第2嵌合溝(凹状溝)64が設けられている。この第2嵌合溝64には、内部にフィルタ9のフィルタ枠52の右辺を差し込むことで、フィルタ枠52の右辺との間でシールを行う底面が設けられている。これらの一対の第1、第2嵌合溝63、64は、ボリューム室33を形成するバルブケース3の側壁部21のうちの対向配置される立壁部の通路壁面より流体通路側(ボリューム室側)に突出するように設けられている。これらの第1、第2嵌合溝63、64は、内部にフィルタ9のフィルタ枠52の左右辺を摺動可能に挿入嵌合することで、フィルタ9を保持する。なお、第1、第2嵌合溝63、64の溝幅は、フィルタ9のフィルタ枠52の左右辺の板厚方向の厚みに対して若干大きめ(圧入嵌合とならない程度または隙間嵌めとなる程度)に形成されている。
また、フィルタ保持部10は、バルブケース(第1挟持部材)3の凹部59の底面(円筒部22の図示上端面)とバルブシート(第2挟持部材)4の天板部28の天壁面との間にフィルタ9のフィルタ枠52の上下辺を挟み込むことで、フィルタ9の断面形状が流体流方向の上流側に凸状に湾曲した形状となるようにフィルタ9を保持している。バルブケース3の凹部59の底面には、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺の突起部55を押し潰してフィルタ枠52の下辺との間でシールを行う第1フィルタ座面65が設けられている。この第1フィルタ座面65は、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺の突起部55から荷重を受ける荷重受け部として機能する。また、第1フィルタ座面65は、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺の突起部55の厚みの薄い側で鋭角となる所定の傾きを有する傾斜面とされている。ここで、第1フィルタ座面65の面方向と突起部55の厚みの薄い側の平坦面57の面方向との間に形成される傾斜角度(θ)は、例えば60°よりも大きく90°よりも小さい角度範囲、あるいは70°よりも大きく80°よりも小さい角度範囲が望ましい。
また、バルブシート4の天板部28の天壁面には、フィルタ9のフィルタ枠52の上辺が直接的に当接してフィルタ枠52の上辺との間でシールを行う第2フィルタ座面66が設けられている。この第2フィルタ座面66は、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺を第1フィルタ座面65に押し付ける方向(バルブケース3へのバルブシート4の組み付け方向、図示下方側)にフィルタ9のフィルタ枠52の上辺に荷重を与える荷重付与部として機能する。なお、第2フィルタ座面66は、図2に示したように、バルブケース3の側壁部21のフランジ部27の結合端面に気密的に結合するバルブシート4の天板部28の結合端面よりも、フィルタ側(図示下方側)に凸状に膨出形成された直方体形状のブロック体(肉厚部、板厚の大きい部分)に設けられている。
[実施例1の組付方法]
次に、本実施例の電磁弁1の内部へのフィルタ9の組付方法を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
先ず、バルブケース3およびバルブシート4をそれぞれ製品形状となるように樹脂一体成形しておく。これにより、バルブケース3の側壁部21および円筒部22に、図3に示したように、図示上端部が開口した略コの字状のフィルタ保持部10、つまり一対の第1、第2嵌合溝63、64および第1フィルタ座面65が形成され、バルブシート4の天板部28に、略一の字状のフィルタ保持部10、つまり第2フィルタ座面66が形成される。また、フィルタ9を製品形状となるように製作しておく。
次に、バルブケース3のフィルタ保持部10、つまり一対の第1、第2嵌合溝63、64に、フィルタ9のフィルタ枠52の左右辺を嵌め込む。このとき、作業者は、フィルタ9の湾曲方向の両端側を指等でつまんで圧縮させる。そして、バルブケース3の側壁部21の開口部40からその圧縮姿勢を保ちながらフィルタ9をフィルタ保持部10内に挿入し、フィルタ9のフィルタ枠52の左右辺を一対の第1、第2嵌合溝63、64内に差し込んだ後に、指を離す。これにより、フィルタ9がその弾性復元力で復元しようとするため、フィルタ9のフィルタ枠52がフィルタ9の湾曲方向に広がり、フィルタ9のフィルタ枠52の左右辺が一対の第1、第2嵌合溝63、64の底面に密着する。このとき、フィルタ9のフィルタ枠52の左右辺と一対の第1、第2嵌合溝63、64との嵌合部分の隙間は0となる。
次に、フィルタ9を、フィルタ9のフィルタ枠52の左右辺を一対の第1、第2嵌合溝63、64に嵌合した状態で、一対の第1、第2嵌合溝63、64に沿って奥側(開口部40に対して図示下方側のバルブケース3の円筒部22の第1フィルタ座面側)まで挿入して、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺を、バルブケース3の円筒部22の第1フィルタ座面65に突き当てておく。これにより、バルブケース3へのフィルタ9の組み付けが完了する。
次に、バルブケース3の側壁部21の開口部40よりも図示上方側から、バルブシート4の天板部28をバルブケース3の側壁部21のフランジ部27に装着することで、バルブシート4の天板部28の第2フィルタ座面66によってフィルタ9のフィルタ枠52の上辺を加圧して、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺を、バルブケース3の円筒部22の第1フィルタ座面65に押し当てる。このようにフィルタ9のフィルタ枠52に、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺を第1フィルタ座面65に押し付ける方向の荷重が加わると、先ずフィルタ9のフィルタ枠52の下辺に設けられた突起部55の先端(頂点)、つまり平坦面57とテーパ面58との間に設けられる稜線(エッジ部)55bが、突起部55の平坦面57との間に成す傾斜角度(θ)が鋭角的な傾斜面とされた第1フィルタ座面65に当たる。
さらに、フィルタ9のフィルタ枠52に、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺を第1フィルタ座面65に押し付ける方向の荷重が加わると、フィルタ9自体は、流体流方向の下流側にずれようとし、突起部55の先端(頂点)と第1フィルタ座面65との間に発生する摩擦力によって、突起部55は稜線(エッジ部)55bの位置で押し潰されていく。これにより、潰れバリは、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも流体流方向の上流側に発生することになる。したがって、フィルタ9よりも流体流方向の下流側への潰れバリの発生を避けることができる。
このとき、突起部55が第1フィルタ座面65に押し当てられて潰されることにより、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺とバルブケース3の凹部59の底面に設けられる第1フィルタ座面65とがより密着して、シール性能が高まる。このため、フィルタ9のフィルタ枠52の上下辺と第1、第2フィルタ座面65、66との当接部分の隙間は0となる。これにより、フィルタ9は、第1、第2フィルタ座面65、66によって挟み込まれた状態で、電磁弁1のハウジング2の内部に保持され、フィルタ9の凸状の湾曲面で蒸発燃料等の流体を受けるような姿勢に位置決めされる。すなわち、フィルタ9の断面形状が流体流方向の上流側に凸状に湾曲した形状で、且つフィルタ9のフィルタ枠52の上下辺(突起部55を有する下辺)に平行な直線方向に対して鉛直方向(直交方向)に湾曲した湾曲面形状となるように電磁弁1のボリューム室33の内部に装着される。これにより、バルブケース3へのバルブシート4の組み付けと同時に、ハウジング2へのフィルタ9の組み付けが完了する。
ここで、バルブケース3の側壁部21のフランジ部27の結合端面とバルブシート4の天板部28の結合端面(フランジ部27の結合端面に対向する対向端面)とを溶着方法(例えばレーザ溶着等)を用いて密閉化しても良い。この場合には、バルブシート4の天板部28の結合端面をバルブケース3の側壁部21のフランジ部27の結合端面に押し当てる方向にバルブシート4に荷重を与える治具を用いて、バルブケース3の側壁部21のフランジ部27の結合端面とバルブシート4の天板部28の結合端面との継ぎ目を全周溶着する。なお、治具は、第1、第2フィルタ座面65、66との間に、フィルタ9を挟み込む方向にフィルタ9のフィルタ枠52の上下辺に荷重を与える荷重付与手段としても機能する。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の電磁弁1の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
ECUから電磁弁駆動回路を介してソレノイドコイル5に励磁電流が供給されると、ソレノイドコイル5の周囲に磁束が発生する。そして、ソレノイドコイル5の周囲に発生した磁束は、ステータコア41、ヨーク42、ムービングコア6を通過する。これにより、ステータコア41、ヨーク42およびムービングコア6が励磁(磁化)されるため、ムービングコア6には、ステータコア41の吸引部に近づく方向への吸引力が働く。したがって、ムービングコア6は、コイルスプリング8のスプリング力(付勢力)によってバルブ7をバルブシート4の弁座30に押し付けている状態からステータコア41の吸引部に近づく方向への移動を開始する。
そして、ムービングコア6がステータコア41の吸引部に近づく方向に移動すると、バルブ7がバルブシート4の弁座30から離座する。これにより、弁孔36が開放されるため、キャニスタ12内に吸気管負圧が導入される。よって、キャニスタ12内の吸着剤より脱離した蒸発燃料は、キャニスタ12→流体導入通路15の上流部→電磁弁1の入口ポート31→流体通路32→ボリューム室33の上流部→フィルタ9→ボリューム室33の下流部→円環状空間34→バルブ室35→弁孔36→流体通路37→流体通路38→電磁弁1の出口ポート39→流体導入通路15の下流部を経由してエンジン吸気管13内に導入(パージ)される。
この電磁弁1の開弁時には、フィルタ9のメッシュ状シート51に、ムービングコア6およびバルブ7等よりなる可動部側に向かう蒸発燃料等の流体中に混入した異物(例えばエンジン振動等によってキャニスタ12内に保持された吸着体が微粉末化された粉体、給油中に燃料タンク11内に侵入する大気中の塵埃、キャニスタ12の大気開放孔より侵入する大気中の塵埃等)が捕捉される。これにより、蒸発燃料等の流体中に混入した異物が電磁弁1の弁孔36や電磁駆動部の摺動部に侵入し難くなるので、電磁弁1のバルブ7と弁座30とのシール性が低下したり、電磁弁1のムービングコア6およびバルブ7等よりなる可動部の動作不良や固着故障等が生じたりすることはない。
[実施例1の特徴]
以上のように、本実施例の電磁弁1においては、ハウジング2の内部にボリューム室(流体通路)33を形成し、このボリューム室33内に可撓性を有するシート状のフィルタ9を配置している。そして、フィルタ9は、内部に2個の流体通過口54が形成された略方形状のフィルタ枠52を有している。そして、ハウジング2は、フィルタ9のフィルタ枠52の上下辺を、バルブケース3の凹部59の底面(円筒部22の図示上端面)に設けられた第1フィルタ座面65と、バルブシート4の天板部28の天壁面に設けられた第2フィルタ座面66との間に挟み込んで保持固定している。
また、ハウジング2は、バルブケース3の側壁部21のフランジ部27の結合端面に、バルブシート4の天板部28の結合端面を結合する際、すなわち、バルブケース3にバルブシート4を組み付ける際に、第2フィルタ座面66からフィルタ9のフィルタ枠52に、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺を第1フィルタ座面65に押し当てる方向に荷重を加えて、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺に設けた突起部55を第2フィルタ座面66に押し付けて押し潰すことで、ハウジング2とフィルタ9とのシール性を確保するように構成されている。
そして、突起部55の断面形状を、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線を中心にして左右の厚みが異なる非対称(左右非対称)な形状とし、更に第1フィルタ座面65を、突起部55の平坦面57との間に成す傾斜角度(θ)が鋭角的な傾斜面、つまり突起部55の厚みの薄い側で鋭角となる所定の傾きを有する傾斜面としている。また、突起部55の厚みの薄い側を、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも流体流方向の上流側に設けている。これによって、ハウジング2の内部にフィルタ9を組み付ける際、第1フィルタ座面65に押し当てられて押し潰される突起部55の潰れバリは、必ずフィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも流体流方向の上流側に発生する。
また、フィルタ9は、フィルタ枠52の上下辺(突起部55を有する下辺)に平行な直線方向に対して鉛直方向(直交方向)に湾曲した湾曲面形状となるように形成されているので、フィルタ9のフィルタ枠52を薄くしても、第1、第2フィルタ座面65、66による挟持方向(圧縮方向)の力、すなわち、フィルタ9のフィルタ枠52の下辺を第1フィルタ座面65に押し当てる方向にフィルタ9のフィルタ枠52に加わる荷重に対してフィルタ9自体の剛性を向上させることができる。これにより、フィルタ9の体格の小型化を図ることができるので、フィルタ収容空間、つまりハウジング2の内部のフィルタ設置スペースを小さくすることができる。したがって、部品点数の増加およびフィルタ9の大型化を伴うことなく、フィルタ9よりも流体流方向の下流側への潰れバリの発生を避けることができる。これにより、潰れバリが電磁弁1の弁孔36や電磁駆動部の摺動部に侵入することを防止できるので、電磁弁1のバルブ7とバルブシート4の弁座30との間のシール性が低下したり、電磁弁1のムービングコア6およびバルブ7等よりなる可動部の動作不良や固着故障が生じたりすることを防止できる。
[変形例]
本実施例では、本発明のフィルタ装置を、自動車等の車両の蒸発燃料処理装置に組み込まれた電磁弁用フィルタ装置(電磁弁1)に適用しているが、これに限定する必要はなく、その他の電磁式流体流量制御弁、電磁式流体圧力制御弁、電磁式開閉弁に適用しても良い。また、電動式流体流量制御弁、電動式流体圧力制御弁、電動式開閉弁に適用しても良い。なお、流体としては、エア(空気)や蒸発燃料等の気体だけでなく、気相冷媒等の気体、水、燃料、オイルや液相冷媒等の液体、あるいは気液二相状態の流体を使用することができる。また、コイルへの電圧値または電流値を増加する程、バルブのリフト量が大きく、または小さくなるようにしても良い。また、本発明のフィルタ装置を、大気開放配管16の途中に設置して、キャニスタ12内に流入する空気を濾過するようにしても良い。また、本発明のフィルタ装置を、内部を流体が流れる流体流路管(筒状体)の途中に設置して、流体流路管内を流れる流体を濾過するようにしても良い。
本実施例では、フィルタとして、可撓性を有するシート状のフィルタ(可撓性を有するメッシュ状のフィルタ)9を採用したが、フィルタとして、可撓性を有する蛇腹状のフィルタを採用しても良い。ここで、例えばシート状のメッシュフィルタ(メッシュ状シート)を用いた場合には、メッシュフィルタの湾曲方向または屈曲方向の両端側から挟み込む方向に外力を加えると、メッシュフィルタが弾性的に撓み易くなる。また、メッシュフィルタを撓んだ状態でフィルタ保持部に組み付けると、メッシュフィルタがその弾性復元力で復元しようとするため、メッシュフィルタがフィルタ保持部に密着する。これにより、フィルタ保持部へのメッシュフィルタの組み付けが容易となり、フィルタ保持部とメッシュフィルタとの間を確実に密閉化することができる。
なお、フィルタエレメントを、蛇腹状のフィルタエレメント(濾紙や繊維等)によって構成しても良いし、また、厚みの薄いメッシュ状(網目状またはハニカム状)シートによって構成しても良い。また、フィルタエレメントを、金属材料または樹脂材料によって形成しても良い。また、角環状部およびこの角環状部の内部に位置する渡し部(格子状部、十字桟、一字桟)を有する枠体を、金属材料または樹脂材料によって一体的に形成しても良い。また、フィルタエレメントを複数枚のシート状枠体間に挟み込んでも良い。また、本実施例では、フィルタ保持部10をハウジング2の通路壁面に一体形成しているが、フィルタ保持部10をハウジング2の通路壁面に対して別体に設けても良い。この場合、フィルタ保持部10は、フィルタ9のフィルタ枠52を嵌合保持する略口の字状(略方形環状または略矩形環状または角環状)のフィルタ保持枠となる。また、フィルタ9のフィルタ枠52の形状(流体流方向の上流側から見た正面形状、流体流方向の上流側面を前面とした場合には前面形状、流体流方向の下流側面を後面とした場合には後面形状)を、少なくとも平行な二辺(対辺)を含む形状(例えば略長円形状、略台形状、略平行四辺形状等)とし、これらの平行な二辺(対辺)のうちのいずれか一方の辺に前後(左右)非対称の突起部55を設けるようにしても良い。
本実施例では、電磁弁として、電磁式流量制御弁を採用しているが、電磁弁として、電磁式開閉弁を採用しても良い。この場合には、ソレノイドコイル5の磁気吸引力によって軸線方向の一方側(バルブ7を弁座30より引き離す方向)にムービングコア6が吸引され、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7が開弁(全開)する。このバルブ7の開弁時には、弁座30より離座して弁孔36を開放する。また、コイルスプリング8のスプリング力によって軸線方向の他方側(バルブ7を弁座30に押し付ける方向)にムービングコア6が付勢され、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7が閉弁(全閉)する。このバルブ7の閉弁時には、弁座30に着座して弁孔36を閉塞する。また、常閉型(ノーマリクローズタイプ)の電磁弁だけでなく、常開型(ノーマリオープンタイプ)の電磁弁に本発明を適用しても良い。つまり本発明を常閉型の電磁弁用フィルタ装置に適用しても、常開型の電磁弁用フィルタ装置に適用してもどちらでも構わない。また、ムービングコア6の代わりにアーマチャ等の可動コアを用いても良い。また、可動コアとバルブ7との間にバルブシャフトやプランジャ等の連結部材を介装しても良い。
本実施例では、ハウジング2の第1、第2フィルタ座面65、66をフラットな平坦面(傾斜面)としているが、フィルタ9が所定の姿勢を保ちながら所定の位置に位置決めされた状態でフィルタ9をハウジング2の内部に保持する目的で、ハウジング2の第1、第2フィルタ座面65、66に、フィルタ枠52の上下辺に平行な直線方向に対して鉛直方向(直交方向)に湾曲し、且つ流体流方向の上流側に凸状に湾曲した円弧形状のガイド溝を形成しても良い。
本実施例では、突起部55をフィルタ9のフィルタ枠(枠体)52の一組の対辺(上下辺)のうちの一方の辺(下辺)にのみ設けているが、突起部55をフィルタ9のフィルタ枠52の一組の対辺(上下辺)のうちの他方の辺(上辺)にのみ設けても良く、また、突起部55をフィルタ9のフィルタ枠52の一組の対辺(上下辺)の両方に設けても良い。また、突起部55をフィルタ9のフィルタ枠52の一組の対辺(左右辺)のうちの一方の辺(左辺または右辺)にのみ設けても良く、また、突起部55をフィルタ9のフィルタ枠52の一組の対辺(左右辺)の両方に設けても良い。また、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線を中心にして左右または前後の厚みが異なる非対称(左右非対称または前後非対称)な形状の突起部55を設けたが、フィルタ9の厚み方向の中心を通る長手方向軸線を中心にして左右または前後の剛性が異なる非対称(左右非対称または前後非対称)な突起部を設けても良い。
本実施例では、バルブケース3の側壁部21のフランジ部27の結合端面とバルブシート4の天板部28の結合端面とを溶着方法(例えばレーザ溶着等)を用いて結合しているが、バルブケース3の側壁部21の内周部または外周部にバルブシート4の天板部28の外周部または内周部を締め付け固定したり、かしめ固定したり、金属製のクリップ等を用いて結合したりしても良い。これらの場合には、バルブケース3の側壁部21とバルブシート4の天板部28との間の嵌合部を密閉化するためのシール材(Oリング等)を装着する。
蒸発燃料処理装置の全体構成を示した概略図である(実施例1)。 電磁弁の全体構造を示した断面図である(実施例1)。 (a)は図2のA−A断面図で、(b)は図2のB−B断面図である(実施例1)。 フィルタのフィルタ枠の突起部形状を示した側面図である(実施例1)。 電磁弁の全体構造を示した断面図である(従来の技術)。 (a)はフィルタを示した側面図で、(b)はフィルタのフィルタ枠の突起部形状を示した側面図である(従来の技術)。
符号の説明
1 電磁弁
2 ハウジング(筒状体、フィルタケース)
3 バルブケース(筒状体、第1挟持部材)
4 バルブシート(筒状体、第2挟持部材)
5 ソレノイドコイル(電磁駆動部)
6 ムービングコア(可動部、電磁駆動部、磁性体)
7 バルブ(弁体、可動部)
8 コイルスプリング(弁体付勢手段)
9 フィルタ(可撓性を有するシート状のフィルタ)
10 フィルタ保持部
22 バルブケースの円筒部(第1挟持部材)
28 バルブシートの天板部(第2挟持部材)
30 弁座(バルブシート)
33 ボリューム室(流体通路)
36 弁孔(流体通過口)
41 ステータコア(電磁駆動部、磁性体)
42 ヨーク(電磁駆動部、磁性体)
51 メッシュ状シート
52 フィルタ枠(枠体)
54 流体通過口
55 突起部
59 バルブケースの凹部
65 第1フィルタ座面
66 第2フィルタ座面(荷重付与部)

Claims (6)

  1. (a)少なくとも平行な二辺を含む形状の枠体を有するフィルタと、
    (b)内部にフィルタ収容空間を形成すると共に、前記枠体の平行な二辺を挟持部材によって挟み込んで前記フィルタを保持する筒状体と
    を備えたフィルタ装置において、
    前記枠体の平行な二辺のうちの一方の辺には、前記フィルタの厚み方向の中心を通る長手方向軸線を中心にして厚みまたは剛性が異なる非対称な突起部が設けられており、
    前記突起部の厚みの薄い側または剛性の弱い側は、前記フィルタの厚み方向の中心を通る長手方向軸線よりも前記筒状体の内部を流れる流体の流れ方向の上流側に設けられており、
    前記筒状体は、前記挟持部材によって前記枠体の平行な二辺を挟み込んで前記フィルタを保持すると前記突起部が押し当てられるフィルタ座面を有し、
    前記フィルタ座面は、前記突起部の厚みの薄い側または剛性の弱い側で鋭角となる所定の傾きを有していることを特徴とするフィルタ装置。
  2. 請求項1に記載のフィルタ装置において、
    前記挟持部材は、少なくとも2つの第1、第2挟持部材よりなり、
    前記第1挟持部材は、底面が形成された凹部を有し、
    前記フィルタ座面は、前記凹部の底面に設けられており、
    前記第2挟持部材は、前記凹部との間に前記フィルタ収容空間を形成する天板部を有し、
    前記天板部は、前記突起部を前記フィルタ座面に押し付ける方向に前記フィルタに荷重を与える荷重付与部を有していることを特徴とするフィルタ装置。
  3. 請求項2に記載のフィルタ装置において、
    前記フィルタの枠体は、前記フィルタ座面よりも剛性の弱い材料によって形成されていることを特徴とするフィルタ装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のフィルタ装置において、
    前記フィルタの枠体は、内部を前記フィルタの厚み方向に流体が通過する流体通過口を有していることを特徴とするフィルタ装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載のフィルタ装置において、
    前記フィルタは、前記枠体の平行な二辺のうちの一方の辺に平行な直線方向に対して鉛直方向に湾曲または屈曲した形状を有していることを特徴とするフィルタ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載のフィルタ装置において、
    前記筒状体は、電磁弁のハウジングであって、
    前記電磁弁のハウジングの内部には、流体通路が形成され、
    前記流体通路内には、前記フィルタが配置されていることを特徴とするフィルタ装置。
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