JP2006305349A - 枕 - Google Patents

Abstract

【課題】枕に載せた安静時の人間の一部分の体重による圧力の分散を制御する。
【解決手段】 矩形外周境界の長さおよび幅の各々の間に楕円状表面形状を持つ枕。弾性フレーム２８は、弾性変位した上に存する内部質量体を受容するために、突出弧状隅部３４によって接合される側壁間に内部空洞３０を提供する。この質量体は、矩形の枕の境界の長さおよび幅の方向に延びる相隔たる分割線で終端をなす長尺内部ヒンジセグメントによって隣接される。
【選択図】 図２

Description

本発明は、枕に載せた安静時の人間の一部分の体重による圧力の分散を制御するために使用される枕構造に関し、さらに詳しくは、使用者の頚部および頭部の圧力が加わることによる様々な弾性偏位に対して弾性応答の機能性を提供し、多様な水平向きの使用者の中立的な脊柱の整合を一貫して維持する枕構造に関する。

本発明の枕構造は、伝統的な凸形の枕の外見を意味するが、有利な方法で弾性的に機能するように設計されている。図１は、頭部および頚部支持のために従来の枕Ｐを使用して、水平向き安静位にある個人Ｉを概略的に示す。枕は羽根または発泡ゴムのような弾性質量体から構成され、発泡ゴムのより新しい材料として発泡ラテックスがある。枕は、頭部Ｈの重量によって接触領域Ａ１に沿って実質的に均等に圧縮される。枕の圧縮は、頚部Ｎの下に存する領域Ａ２で劇的に増加し、肩部の主要重量は頭部のそれよりずっと大きいので、個人の肩部Ｓの領域にわたる領域Ａ３で最大圧縮に達する。枕の圧縮は、肩部の体重の下で最大になり、その結果、角度αにわたって頚部の過度の屈曲が生じる。また、肩部の内向きの湾曲が生じ、気道の狭隘化により肺気量が低下し、したがって頚部支持不足による無呼吸の可能性が高まる。個人が水平向き安静位で９０度回転すると、頭部の領域と組み合わされる顔面の側面領域の表面積の増加のため、枕の単位圧力は低下する。したがって、枕の圧縮は低減され、頭部は肩部に対して高い位置に持ち上げられ、胴体上部の前方回転を生じ、整合ミスを引き起こす。妨げのない気道が確保されず、肺気量が低減される。したがって、これらの欠点および不利点を克服する改善された枕構造の必要性が存在する。

本発明の枕は、予備成形された枕構造を提供するように縫製またはその他の方法で永久整形された弾性質量体を特徴とする、先行技術の枕構造からの転換である。そのような先行技術の例は、米国特許第２，７００，７７９号、第５，０８８，１４１号、第５，５２８，７８４号、第５，７０８，９９８号、第６，００３，１７７号、第６，２２６，８１８号、第６，５１３，１７９号、第６，５３９，５６８号、第６，５７４，８０９号、および第６，６２９，３２４号に開示されている。そのような先行技術の枕構造は矩形の境界であるが、使用者の頭部および時には使用者の頚部の荷重支承領域をも支持または他の方法で接触するように通常意図された、他の弾力性領域に対して陥凹した一つまたはそれ以上の部位の特殊機能を含む弾性体積は常に不規則な形状になる。そのような予備成形された枕構造によって提供される、指定された単数または複数の特定の支持部位は通常、枕と使用者の相対的配置が要求される原因である。枕に対する使用者の固定配置の要求による動きの自由の欠如は、睡眠中の疲労および不快感を引き起こし得る。加えて、使用者の頭部および頚部のための不適切な支持は、身体の中立的な整合を妨害し、睡眠時無呼吸を促進することがある。そのような公知の枕の予備成形された構造はまた、個人の頭部および頚部のための支持体の高さに差異をも生じる。一般的に、異なる水平向きに横たわるときに、個人の頭部のための支持体の高さを調整するための弾力性は、あったとしても非常に小さい。予備成形された枕はまた、肩部の前方回転を防止するように頭部を高い位置に適切に支持することもできず、したがって捩り整合ミスおよび肺気量の低下により、妨げのない気道を確保することができない。

したがって、本発明の目的は、人間の頭部および身体を側方および捩りの両方に対して中立的に整合状態に維持するように設計された方法で、頭部および頚部を支持するのに特に有用な枕を提供することである。

本発明のさらなる目的は、妨げの無い気道のみならず筋骨格支持を維持しながら、頭部および頚部の支持ならびに背部用の延長を提供するために特に有用な枕を提供することである。

本発明の別の目的は、楽な呼吸を維持しかつ肩部のトルクを低減する状態で頭部および頚部の支持を提供するのに特に有用な枕を提供することである。

本発明のさらなる目的は、触覚快適性および贅沢なプロファイルを維持しながら、頭部および頚部の支持を提供するのに特に有用な枕を提供することである。

本発明のさらなる目的は、支持面における枕の向きに関係なく有用な頭部および頚部の支持を提供するのに特に有用な枕を提供することである。

本発明では、空洞側壁によって形成される周縁により隣接される相隔たる対向面によって画定される内部空洞を含む、矩形弾性枕本体の長さおよび幅の各々に沿って凸状表面輪郭を持つ枕であって、枕本体が、使用者の頚部および頭部の荷重が加わることによる内部空洞内への弾性偏位に応答して、相隔たる分割線間の凸状表面輪郭に沿った弾性枕本体の弾性圧縮を変化させるために、一般的に空洞側壁の一つの上に存する分割線の下に各々存する内部ヒンジセグメントを含んで成る枕を提供する。

さらに詳しくは、本発明の枕は、長さおよび幅の各々に沿って楕円状表面輪郭を持ち中心平面に沿って分割され平坦面を持つ分割楕円状部分を形成する矩形弾性枕本体と、矩形弾性枕本体の長さおよび幅に対応する長さおよび幅を有する矩形弾性スペーサとを備え、矩形弾性スペーサは内部空洞を形成するために突出弧状隅部を持つ側壁を含む窓を有し、分割された楕円状部品は、使用者の頚部および頭部による内部空洞内への弾性偏位中に、相隔たる分割線間のそれらの長さを横切る方向の楕円状表面輪郭の圧縮を変動させるために、内部空洞の長手方向空洞側壁の上に一般的に存する、矩形弾性枕本体の長さ方向に延びる相隔たる分割線の一つの下に各々存する長尺内部ヒンジセグメントを有する。

以下の説明を添付の図面に照らして読むと、本発明はいっそう深く理解されるであろう。

図２に、本発明の第一実施形態に係る枕１０が図示され、矩形弾性枕本体１４を受容するように適切な寸法に作られた枕ケース１２を含む。枕本体は、成形質量体の厚さ全体を貫通する等間隔配置のチューブラレリーフ(tubular relief)を含む，発泡ラテックスの成形体であることが好ましい。枕本体は、さらに詳しく説明するように、凸状表面輪郭に沿って弾性枕本体の弾性圧縮を変化させるための構造の構成および配設から成る一体構造の形を取ることができる。枕ケース１２を生産するための材料の物理的性質は、枕本体１４による構造化された弾性応答支持体を完全に利用するために、特に重要である。また、加えられる荷重に対する枕本体１４による弾性応答は、枕による弾性変化を使用者に伝達するように枕カバーを構成するための弾性特性を持つファブリックの使用に大きく依存する。ストレッチコットンの使用は、枕ケース１２を形成するのに適した一つの材料である。

好ましくは、かつ本発明の好適な実施形態の開示を目的として、枕本体１４は、三つの別個の構成部品、すなわち矩形の半楕円状圧縮面２０および２２をそれぞれ有し、各々略平坦面２４および２６の一つで終端をなす、外面部品１６および１８から構成される。矩形弾性フレーム２８は、突出弧状隅部３４との接合部で合体する矩形側壁３２によって画定される窓３０を含む。平坦面２４および２６は、周知の適切な接着剤の使用により、矩形弾性フレーム２８の両面に接着され、それにより矩形の半楕円状圧縮面２０および２２は反対方向に突出し、そのうちの一つは使用者の頭部および頚部領域と接触するための荷重支承面を形成し、もう一つはマットレスまたは他の水平方向に配設される表面により支持される。本発明は、矩形の外周内部に任意の様々な形状の枕本体を使用することができる。図３および４は、長半径Ｒ１が短半径Ｒ２の長さよりずっと大きい長さを有する標準的な周知の楕円形状を画定するために、枕に適用される長さおよび幅方向の幾何形状を示す。その結果、枕は、矩形の枕本体の長さ方向および横方向の両方で対称な形状を示し、使用者の頭部の横方向の通常の動きを受け入れるために枕の向きを変える必要性のみならず、枕および頭部の位置を絶えず再調整する必要性も回避される。

図２乃至４は、相隔たる平行な長手方向の切込み線３６および３８、ならびに枕の幅の方向に延びる相隔たる平行な横方向の切込み線４０および４２を設けることによる枕の構成のさらなる詳細を示す。これらの切込み線は、枕の終端縁から内側に間隔をおいて配置された周縁部に、矩形弾性フレーム２８の矩形側壁３２に重なるが、そこから離れて終端をなすように存在する。切込み線を分離する距離４４は、切込み線によって隣接され自然ヒンジの上に存する枕本体の中央荷重支承領域４６とリンクする内部自然ヒンジを形成する。領域４６は圧縮可能であるだけでなく、枕質量体の圧縮された領域は内部空洞３０の領域内へ変位可能でもあり、それにより陥凹領域をもたらし、枕本体の変位した頭部および頚部支持領域を維持する。各ヒンジの上に存する切込み線は、身体によって枕に掛かる力によって生じる弾性圧縮の伝播に対する障壁を形成し、かつ枕の凸状表面の表面張力を低減するように機能する。低減された表面張力は、直接顔面接触圧力をも低減する。表面張力の低減はより安定な輪郭をもたらし、捩り支持のみならず、より自然な整合をも達成する。本発明の枕の構成は、初期触覚応答を含む従来の６０．９６ｃｍ×４３．１８ｃｍ×１２．７ｃｍ（２４ｉｎｃｈ×１７ｉｎｃｈ×５ｉｎｃｈ）の矩形の枕と同じ寸法および形状に作ることができる。枕の頭部および頚部用の支持は、切込み線および自然内部ヒンジに反応する内部空洞に応答する枕設計のため、先行技術の枕における実際の物理的レリーフとは区別される。

図５は、側壁３２の厚さよりかなり大きい厚さＴの矩形側壁３２Ａを持つ基本的に矩形弾性フレーム２８Ａを構成することにより、図２乃至４に示した実施形態とは異なる本発明のさらなる実施形態を示す。厚さの例示的実施例として、Ｔは５．０８ｃｍ（２ｉｎｃｈ）から７．６２ｃｍ（３ｉｎｃｈ）の間の範囲の寸法であり、フレーム２８の厚さは２．５４ｃｍ（１ｉｎｃｈ）から３．８１ｃｍ（１．５ｉｎｃｈ）の範囲内とすることができる。窓３０Ａの容積は、使用者の頚部および頭部の荷重が加わることによる内部空洞内への弾性偏位に応答して、相隔たる切込み線３６Ａ、３８Ａ、４０Ａおよび４２Ａの間の凸状表面輪郭に沿った弾性枕本体１４Ａの弾性圧縮を変化させるための追加容量をもたらすために、増大される。

図６および７は、個人の頭部、頚部、および肩部のために本発明の枕によって提供される支持を示す。図６は、頭部および頚部支持のために枕１４を使用して、水平向き安静位にある個人Ｉを概略的に示す。枕は、一般的に中央荷重支承領域４６を含む接触領域に沿って、図示するように様々な程度に弾性圧縮される。各々分割線３６、３８、４０、および４２の一つの下に存する長手方向および横方向の内部ヒンジセグメント４４は、中央荷重支承領域４６の弾性圧縮、および窓３０によってもたらされる内部空洞内への圧縮領域の弾性変位を可能にするように機能する。弧状隅部３４は、特に枕上で前方に動く人々のために、顎および額の下の捩り安定性をもたらす。頚部の下の切込みは直接圧力を受けて密閉し、負の機能は持たない。頭部の上の切込みだけが動作する。分割線は、使用者の頚部および頭部による相隔たる分割線間のそれらの長さを横切る方向の楕円状表面輪郭の圧縮を変動させることができる。また、図示するように、肩部の領域における枕本体の圧縮は、頭部による枕の圧縮とは独立させることができ、頚部の屈曲が防止され、それによって、気道を妨げずかつ特に胸腔の後方における肩の位置により拡大肺気量をもたらす、角度βを成す頭部および頚部のリラックスした伸展を維持することにより、気道の制限が回避される。この睡眠姿勢により、睡眠時無呼吸の危険性は低減し、かつ優れた頚部支持のため、筋圧の可能性は低下する。個人が図７に示す水平安静位で９０度回転すると、本発明の枕は低減された弾性圧縮を受けるので、頭は高い位置に維持され、先行技術の枕で発生した整合ミスの原因であった胴体上部の望ましくない前方回転を引き起こす肩の胴体捩れが回避される。本発明の枕はまた、頭の後部または横臥睡眠中の頭の側部のいずれでも、より正確なコンフォーメーション(conformation)をも可能にする。

本発明を様々な図の好適な実施形態に関連して説明したが、他の同様の実施形態を使用することができ、あるいは本発明から逸脱することなく、本発明の同じ機能を実行するために、記載した実施形態に変形および追加を施すことができることを理解されたい。したがって、本発明はいずれの単一の実施形態にも限定されず、むしろ範囲は付属の請求の範囲の記載に従って解釈すべきである。

先行技術の枕の形態を示す部分断面立面図である。 本発明の特徴を組み込んだ弾性枕本体の第一実施形態の等角図。 弾性枕本体の長さに沿った楕円状の構成を示す、図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿って切った断面図である。 弾性枕本体の幅に沿った楕円状の構成を示す、図２のＩＶ−ＩＶ線に沿って切った断面図である。 本発明の第二実施形態の等角図である。 本発明に係る枕の動作を示す部分断面立面図である。 図６のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿って切った部分断面図である。

符号の説明

１０ 枕
１２ 枕ケース
１４ 矩形弾性枕本体
１６ 外面部品
１８ 外面部品
２０ 半楕円状圧縮面
２２ 半楕円状圧縮面
２４ 平坦面
２６ 平坦面
２８ フレーム
２８Ａ 矩形弾性フレーム
３０ 内部空洞
３０Ａ 窓
３２ 側壁
３２Ａ 矩形側壁
３４ 突出弧状隅部
３６ 長手方向の切込み線
３６Ａ 切込み線
３８ 長手方向の切込み線
３８Ａ 切込み線
４０ 横方向の切込み線
４０Ａ 切込み線
４２ 横方向の切込み線
４２Ａ 切込み線
４４ 距離
４６ 中央荷重支承領域
Ａ１ 接触領域
Ａ２ 領域
Ａ３ 領域
Ｈ 頭部
Ｉ 個人
Ｎ 頚部
Ｐ 枕
Ｒ１ 長半径
Ｒ２ 短半径
Ｓ 肩部
Ｔ 厚さ

Claims (16)

1. 空洞側壁によって形成される周縁により隣接される相隔たる対向面によって画定される内部空洞を含む、矩形弾性枕本体の長さおよび幅の各々に沿って凸状表面輪郭を持つ枕であって、前記枕本体が、使用者の頚部および頭部の荷重が加わることによる前記内部空洞内への弾性偏位に応答して、相隔たる分割線間の前記凸状表面輪郭に沿った前記弾性枕本体の弾性圧縮を変化させるために、一般的に前記空洞側壁の一つの上に存する前記分割線の下に各々存する内部ヒンジセグメントを含んで成る枕。
2. 前記相隔たる対向面が、使用者の頚部および頭部をリラックスした伸展状態で配置するために、前記内部空洞を取り囲む周縁の弾性偏位および前記相隔たる分割線間の前記内部空洞内への弾性偏位に差異を生じるように充分な距離を置いて配置される、請求項１に記載の枕。
3. 前記空洞側壁は、前記周縁上での支持および前記相隔たる分割線間の前記楕円状表面形状による前記内部空洞内への弾性偏位により、頭部および頚部のリラックスした伸展中に使用者の顔面の顎支持用の突出弧状空洞壁部によって接合される、請求項１に記載の枕。
4. 前記空洞側壁は矩形に配設され、長手方向側面は前記矩形弾性枕本体の長さと略平行である、請求項１に記載の枕。
5. 前記空洞側壁は、胴体上部の整合を維持して使用者の気道を妨げないために、前記内部空洞を取り囲む周縁の弾性偏位および前記相隔たる分割線間の前記内部空洞内への弾性偏位に差異を生じるのに充分な高さを有する、請求項１に記載の枕。
6. 前記矩形弾性枕本体は、略線形弾性圧縮のための筒形レリーフアパーチャのアレイを持つ発泡ラテックスから構成される、請求項１に記載の枕。
7. 前記矩形弾性枕本体を覆うストレッチコットンから成るファブリックカバーをさらに備えた、請求項１に記載の枕。
8. 長さおよび幅の各々に沿って楕円状表面輪郭を持ち中心平面に沿って分割され平坦面を持つ分割楕円状部分を形成する矩形弾性枕本体と、前記矩形弾性枕本体の長さおよび幅に対応する長さおよび幅を有する矩形弾性スペーサとを備えた枕であって、前記矩形弾性スペーサは内部空洞を形成するために突出弧状隅部を持つ側壁を含む窓を有し、前記分割楕円状部品は、使用者の頚部および頭部による前記内部空洞内への弾性偏位中に、相隔たる分割線間のそれらの長さを横切る方向の前記楕円状表面輪郭の圧縮を変動させるために、前記内部空洞の長手方向空洞側壁の上に一般的に存する、前記矩形弾性枕本体の長さ方向に延びる相隔たる前記分割線の一つの下に各々存する長尺内部ヒンジセグメントを有して成る枕。
9. 平坦面を持つ前記分割楕円状部品は、尖鋭な半径方向境界を持つ隅部によって相互接続される略平行端壁によって終端をなす長尺の平行な側面を有する、請求項８に記載の枕。
10. 平坦面を持つ前記分割楕円状部品の少なくとも一つは、側縁を持つ前記矩形窓の上に存する分離された内部質量体を接合して、前記分離された内部質量体の前記内部空洞への弾性偏位を増強する自然ヒンジを含む、請求項８に記載の枕。
11. 前記分割楕円状部品を前記矩形スペーサに接合して一体型枕部材を形成するための接着剤をさらに含む、請求項８に記載の枕。
12. 前記分割楕円状部品が、前記平坦面に垂直な略線形弾性圧縮のために、筒形レリーフアパーチャのアレイを持つ発泡ラテックスから構成される、請求項８に記載の枕。
13. ストレッチコットンから成るファブリックカバーをさらに備える、請求項８に記載の枕。
14. 前記スペーサは、使用者の筋骨格を支持する寸法に作られた前記窓まで延びる長尺矩形部分を含む、請求項８に記載の枕。
15. 前記長尺矩形部分および前記矩形窓は、睡眠中に使用者の頭部と頚部との間の中立的側方および捩り整合を維持するような寸法に形成される、請求項１４に記載の枕。
16. 前記矩形スペーサは斜切周縁を含む、請求項８に記載の枕。

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