JP2006305228A - 放射線撮像装置およびこれに用いるオフセット補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線非照射において長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる放射線撮像装置およびオフセット補正方法を提供する。
【解決手段】信号監視手段15は、X線照射制御部7と連携してX線照射を停止された後、画像出力信号の検出素子間の統計量を監視し始める。そして、統計量が基準値以下となった時に、補正データ更新部23はオフセット補正データを更新する。また、その後は、更新後時間監視部16の監視結果に基づき、所定の期間が経過するごとに、補正データ更新部23はオフセット補正データを更新する。これにより、長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、医療分野、工業分野、さらには原子力分野等に用いられる、放射線画像を検出する放射線撮像装置およびこれに用いるオフセット補正方法に係り、特に放射線画像の画質改善の技術に関する。
放射線撮像装置に搭載される放射線検出器(以下、単に検出器という)は、放射線をアクティブマトリクス基板上に形成した検出素子で電荷に変換し、変換された電荷をアクティブマトリクス基板に接続された信号読み出し部から順次読み出して、放射線に対応する出力データを出力する。
この検出器は、検出素子の構成によって大きく2つのタイプに分けられる。一つは、放射線感応型の半導体層によって直接、放射線を電荷に変換する直接変換タイプの検出器であり、他の一つは、放射線を一旦光に変換した後、フォトダイオード等の光電変換素子によって光を電荷に変換する間接変換タイプの検出器である。
直接変換タイプの検出器は、半導体層の表面に形成された印加電極に所定のバイアス電圧を印加するとともに、半導体層で変換された電荷をその裏面に形成されたキャリア収集電極で収集する。半導体層としては、真空蒸着等の方法によって簡単に厚い膜を広く形成できるアモルファス半導体が、検出面の大きい放射線検出器に好適である。
しかし、直接変換タイプに用いられるアモルファス半導体や、間接変換タイプに用いられるフォトダイオードには残留出力が発生し、これにより放射線画像に残像(偽像)を招く問題がある。なお、この残留出力は、検出素子に残留する電荷に起因する点で、いわゆる暗電流とは異なる。
そこで、残留出力を抑制するために、検出器に常時光を照射する手法(例えば、特許文献1参照)や、放射線が入射していない期間にのみ、検出器に光を照射する手法(例えば、特許文献2参照)がある。また、残留出力の時間変化を数式化し、その数式に基づいて残留出力を算術除去する手法(例えば、特許文献3、4参照)がある。
特開2004−146769号公報 特開2000−214297号公報 特開2003−185752号公報 特開2000−070250号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、残留出力の原因は単純ではない。1秒以下の時定数で減衰してしまう短期残留出力成分や、1分以上の時定数で減衰する長期残留出力成分や、その間の時定数で減衰する種々の成分が重畳した複雑なものであることがわかってきた。
したがって、放射線照射停止後に検出素子から得られる出力データは、放射線の照射を停止した直後は、比較的短期の時定数で減衰する成分を主とする残留出力が発生するが、放射線非照射の状態が継続するほど、長期残留出力成分が主となる。
このような長期残留出力成分については、上記手法をいかに組み合わせても除去することができない。上記手法はいずれも、残留出力の絶対量が比較的大きく、その影響が深刻な短期に減衰する成分を除去対象としている。このため、比較的絶対量が小さい長期残留出力成分は、検出器に光を照射しても完全に抑制するのは困難であり、また、数式化することも同様に困難であるからである。
この場合、動画による放射線画像を出力するとき等、放射線非照射の状態においても放射線画像を出力する場合には、強い放射線が入射した部分だけ輝度が増す等の残像が長時間に渡って形成される。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、放射線非照射において長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる放射線撮像装置およびこれに用いるオフセット補正方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、放射線を検出する複数個の検出素子と、オフセット補正データを用いて、前記検出素子の出力データのオフセット補正を行う補正手段と、放射線非照射時の前記検出素子の出力データに基づいて前記オフセット補正データを更新する更新手段と、を備え、前記補正手段を経た後の画像出力信号を出力する放射線撮像装置において、少なくとも放射線照射停止後から再び放射線照射に移行するまでの期間において、画像出力信号の検出素子間の統計量を監視する信号監視手段を備え、前記信号監視手段によって、前記統計量、または前記統計量の時間的変化が基準値以下になったと判断された時に、前記更新手段は、オフセット補正データを更新することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、画像出力信号の検出素子間の統計量を監視する信号監視手段を備えることで、この統計量または統計量の時間的変化が基準値以下になったか否かを判断する。このため、長期残留出力成分を近似的に定数成分とみなすことができるタイミングを正確に得ることができる。そして、この統計量または統計量の時間的変化が基準値以下になったと判断した時に、オフセット補正データを更新するので、長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線撮像装置において、前記統計量は、画像出力信号の分散、標準偏差、平均、およびレンジの少なくともいずれか1つであることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、統計量を、画像出力信号の分散、標準偏差、平均、およびレンジの少なくともいずれか1つとすることで、好適に信号監視手段の実現することができる。なお、レンジは、画像出力信号の最大値と最小値との差であり、いわゆる濃淡差も含まれる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の放射線撮像装置において、オフセット補正データを更新した時から、放射線非照射の状態が継続される補正データ更新後時間を計測し、前記補正データ更新後時間が所定の期間を経過する時を監視する更新後時間監視手段を備え、前記更新手段は、前記補正データ更新後時間が所定の期間を経過する時にオフセット補正データを更新することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、更新後時間監視手段を備えることで、オフセット補正データを更新した後に、非照射状態が継続される場合は、所定の時間が経過するごとに、オフセット補正データを更新することができる。これにより、長期残留出力成分の微小な変動も除去することができる。
また、請求項4に記載の発明は、放射線を検出する複数個の検出素子と、オフセット補正データを用いて、前記検出素子の出力データのオフセット補正を行う補正手段と、放射線非照射時の前記検出素子の出力データに基づいて前記オフセット補正データを更新する更新手段と、を備え、前記補正手段を経た後の画像出力信号を出力する放射線撮像装置において、放射線非照射に移行した時、および/または、オフセット補正データを更新した時から、それぞれ放射線非照射の状態が継続される非照射時間を計測し、前記非照射時間が所定の期間を経過する時を監視する非照射時間監視手段を備え、前記更新手段は、前記非照射時間が所定の期間を経過する時にオフセット補正データを更新することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、非照射時間監視手段を備えることで、放射線非照射に移行した時から放射線非照射の状態継続される非照射時間と、オフセット補正データが更新された場合は、その時から放射線非照射の状態継続される非照射時間とを計測し、それぞれ非照射時間が所定の期間を経過する時を監視する。1分以上の時定数を持つ長期残留出力成分は、予め残像特性を測定することによって所定の期間が経過後は、近似的に定数成分とみなすことができる。このような所定の期間が経過した時にオフセット補正データを更新することで、長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる。また、オフセット補正データを更新した後の画像出力信号の微小な変動も除去することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の放射線撮像装置において、前記所定の期間は、オフセット補正データを更新する間隔が徐々に長くなるように設定されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、長期残留出力成分の変動は時間が経つにつれて小さくなり、かつ、その値そのものも小さくなる。このため、放射線照射停止後に最初にオフセットデータの更新をした後、放射線非照射状態が継続される場合に繰り返す2回目以降のオフセット補正データの更新は、その時間間隔を徐々に長くすることが好ましい。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5に記載の放射線撮像装置において、前記検出素子は、少なくとも、アクティブマトリクス基板上に形成される半導体層と電極とによって構成されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、検出素子を、少なくとも、アクティブマトリクス基板上に形成される半導体層と電極とによって構成することで、放射線撮像装置を好適に実現できる。
また、請求項7に記載の発明は、放射線を検出する複数個の検出素子の出力データについてオフセット補正を行うオフセット補正方法において、放射線非照射時の前記検出素子の出力データに基づくオフセット補正データを用いて、前記検出素子の出力データのオフセット補正を行い、各検出素子に対応した画像出力信号を出力する過程と、放射線照射停止後から再び放射線照射に移行するまでの期間において、画像出力信号の検出素子間の統計量または前記統計量の時間的変化が、基準値以下になるか否か判断する過程と、前記統計量または前記統計量の時間的変化が基準値以下になったと判断した時に、前記オフセット補正データを更新する過程とを備えたことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、放射線照射停止後から再び放射線照射に移行するまでの期間において、画像出力信号の検出素子間の統計量、またはこの統計量の時間的変化が基準値以下になるか否か判断する過程を備えることで、長期残留出力成分を近似的に定数成分とみなすことができるタイミングを正確に得ることができる。そして、統計量、またはこの統計量の時間的変化が基準値以下になったと判断したときに、オフセット補正データを更新するので、長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる。
また、請求項8に記載の発明は、放射線を検出する複数個の検出素子の出力データについてオフセット補正を行うオフセット補正方法において、放射線非照射時の前記検出素子の出力データに基づくオフセット補正データを用いて、前記検出素子の出力データのオフセット補正を行い、各検出素子に対応した画像出力信号を出力する過程と、放射線非照射に移行した時、および/または、オフセット補正データを更新した時から、それぞれ放射線非照射の状態が継続される非照射時間が、所定の期間を経過する時を監視する過程と、前記非照射時間が所定の期間を経過する時に、前記オフセット補正データを更新する過程とを備えたことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項8に記載の発明によれば、放射線非照射に移行した時から放射線非照射の状態が継続される非照射時間、および/または、オフセット補正データを更新した場合はその時から放射線非照射の状態が継続される非照射時間が、それぞれ所定の期間を経過する時を監視する過程を備える。1分以上の時定数を持つ長期残留出力成分は、予め残像特性を測定することによって所定の期間が経過後は、近似的に定数成分とみなすことができる。このような所定の期間が経過した時にオフセット補正データを更新することで、長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる。また、オフセット補正データを更新した後の画像出力信号の微小な変動も除去することができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載のオフセット補正方法において、前記検出素子は、少なくとも、アクティブマトリクス基板上に形成される半導体層と電極とによって構成されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項9に記載の発明によれば、検出素子を、少なくとも、アクティブマトリクス基板上に形成される半導体層と電極とによって構成することで、放射線撮像装置を好適に実現できる。
なお、本明細書は、次のような放射線撮像装置に係る発明も開示している。
(1)請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射線撮像装置において、さらに、放射線の照射を制御する照射制御手段を備え、前記信号監視手段は、前記照射制御手段が放射線の照射を停止させたことを検知したときに、画像出力信号の検出素子間の監視を開始することを特徴とする放射線撮像装置。
前記(1)に記載の発明によれば、信号監視手段が容易に監視を始めることができる。
(2)請求項4または請求項5に記載の放射線撮像装置において、さらに、放射線の照射を制御する照射制御手段を備え、前記非照射時間監視手段は、前記照射制御手段が放射線の照射を停止させたことを検知したときに、前記非照射時間の計測を開始することを特徴とする放射線撮像装置。
前記(2)に記載の発明によれば、時間監視手段が容易に監視を始めることができる。
この発明に係る放射線撮像装置によれば、画像出力信号の検出素子間の統計量を監視する信号監視手段を備えることで、この統計量または統計量の時間的変化が基準値以下になったか否かを判断する。このため、長期残留出力成分を近似的に定数成分とみなすことができるタイミングを正確に得ることができる。そして、この統計量または統計量の時間的変化が基準値以下になったと判断した時に、オフセット補正データを更新するので、長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係るX線撮像装置の全体構成を示すブロック図である。本実施例では、医療用のX線撮像装置を例にとって説明する。
X線撮像装置は、被写体MにX線を照射するX線管1と、被写体Mを透過したX線を検出するフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)3とが、被写体Mを載置する天板5を挟んで対向してそれぞれ配置されている。
このほかに、X線撮像装置は、X線管1に対してX線の照射を制御するX線照射制御部7と、FPD3から出力データの読み出しを制御するFPD制御部9と、出力データを処理して画像出力信号を出力する信号処理部13と、画像出力信号の検出素子間の統計量を監視する信号監視部15と、オフセット補正データを更新した時から非照射状態が継続される補正データ更新後時間を監視する更新後時間監視部16と、これらを統括的に制御する主制御部17とを備える。また、画像出力信号に応じたX線画像を表示する表示モニタ19を備えている。なお、X線照射制御部7は、この発明におけるX線照射制御手段に相当する。
信号処理部13は、さらに、オフセット補正を行うオフセット補正部21と、オフセット補正に用いるオフセット補正データを更新する補正データ更新部23とを有する。
以下、各部について説明する。
図2はFPD3の要部の垂直断面図であり、図3はFPD3の平面図である。FPD3は、印加電極31とX線感応型の半導体層33とキャリア収集電極35とアクティブマトリクス基板37とを有し、X線の入射側からこれらが順に積層されている。すなわち、FPD3は、直接、X線を電荷に変換する直接変換タイプである。
半導体層33としては、アモルファスセレン等が例示される。また、アクティブマトリクス基板37としては、電気絶縁性を有するガラス基板等が例示される。
また、半導体層33は、印加電極31側とキャリア収集電極35側とにそれぞれキャリア選択性の中間層(図示省略)を設けている。キャリア選択性とは、電子と正孔とで電荷移動作用への寄与率が著しく異なる性質をいう。このような中間層を設けることで、暗電流を低減することができる。なお、これら中間層は、その一方または双方を省くように適宜に設計変更してもよい。
キャリア収集電極35は、平面視二次元マトリクス状に分離形成されている。そして、アクティブマトリクス基板37上には、キャリア収集電極35ごとに、電荷情報を蓄積するコンデンサCaと、キャリア収集電極35とコンデンサCaとをソースSに接続し、電荷情報を取り出すスイッチ素子である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistors)Trとが分離形成されている。これら1組のキャリア収集電極35とコンデンサCaと薄膜トランジスタTrとは、これに応じた領域の半導体層33および印加電極31と併せて、1個の検出素子dを構成する。なお、印加電極31とキャリア収集電極35とは、この発明における電極に含まれる。
よって、検出素子dは、図3に示すように、二次元マトリクス状に配列されている。たとえば、縦30cm×横30cm程の広さの検出面に、縦1536個×横1536個の検出素子dが配列されている。
さらに、アクティブマトリクス基板37には、検出素子dの行ごとにゲートバスライン41が敷設されているとともに、検出素子dの列ごとにデータバスライン43とが敷設されている。各ゲートバスライン41は、各行の薄膜トランジスタTrのゲートに共通接続されている。また、各データバスライン43は、各列の薄膜トランジスタTrのドレインに共通接続されている。
FPD3は、さらに、アクティブマトリクス基板37の一端側に、複数個の増幅器45とA/D変換器47とを有している。複数個の増幅器45には、アクティブマトリクス基板37から引き出された各データバスライン43が1本づつ接続されている。A/D変換器47には、各増幅器45の出力側が接続されている。
ゲートドライバ49は、このアクティブマトリクス基板37の他の一端側に設けられ、各ゲートバスライン41が接続されている。
このようなFPD3内の動作について説明する。印加電極31にバイアス電圧を印加した状態でFPD3にX線が入射すると、半導体層33において電荷が発生し、この電荷は各キャリア収集電極35を介してコンデンサCaに蓄積される。ゲートバスライン41は、ゲートドライバ49からの走査信号を送信し、薄膜トランジスタTrのゲートに与える。これによって、オン状態に移行した薄膜トランジスタTrを経由して、コンデンサCaに蓄積された電荷情報がデータバスライン43に読み出される。各データバスライン43を通じて読み出される電荷情報はそれぞれ増幅器45で増幅される。その後、A/D変換器47にてデジタル化され、出力データを得る。
また、FPD制御部9は、上述したFPD3から検出データを読み出す動作を制御する。
オフセット補正部21は、オフセット補正データを用いて、検出素子dの出力データのオフセット補正を行う。このオフセット補正部21を経て画像出力信号が出力される。なお、オフセット補正部21は、この発明における補正手段に相当する。
補正データ更新部23は、オフセット補正に用いられるオフセット補正データを、X線非照射時の検出素子dの出力データに基づいて取得して更新する。なお、X線撮像装置を起動した直後は、この補正データ更新部23がオフセット補正データの初期値を取得して設定する。なお、オフセット補正データの初期値については予め与えるように構成して、初期値の取得、設定に関する処理を省くように設計してもよい。
オフセット補正データの更新は、主制御部17の命令に基づいて行う。なお、補正データ更新部23は、この発明における更新手段に相当する。
図4を参照して、オフセット補正データの具体的な構成と、このオフセット補正データを用いたオフセット補正の一例を説明する。ここでは、説明の便宜上、検出素子dは9個であり、3行3列に配列されているものとする。そして、特に各検出素子dを区別して呼ぶときは、列数i、行数jを付してdijと記載する。図4(a)は、各検出素子dの出力データE(i,j)の構成を模式的に示す図であり、(b)は、オフセット補正データF(i,j)を模式的に示す図である。
検出素子dijの出力データE(i,j)のうち、特にX線非照射時のものをe(i,j)とすると、オフセット補正データF(i,j)は、X線非照射時の検出素子dijの出力データe(i,j)から、これらの平均値eaを引いたものであり、次式のように表すことができる。
F(i,j) = e(i,j) − ea ・・・(1)
なお、オフセット補正データF(i,j)は、各検出素子dijに対応づけられている。
さらに、オフセット補正は、検出素子dijの出力データE(i,j)から、オフセット補正データF(i,j)を減算する処理である。よって、画像出力信号G(i,j)は、次式のように表すことができる。
G(i,j) = E(i,j) − F(i,j) ・・・(2)
よって、画像出力信号G(i,j)は、各検出素子dijに対応づけられている。
また、このようなオフセット補正を行う際に、画像出力信号G(i,j)を全体的に増減させて、ある一定値にシフトする処理を併せて行うようにしてもよい。たとえば、非照射時の出力データe(i,j)の平均値eaと、一定値との差に相当する量Hを、出力データE(i、j)から、さらに減じるように構成してもよい。
G´(i,j) = E(i,j) − F(i,j) − H ・・・(3)
この場合は、画像出力信号G´(i,j)は、全体的にある一定値まで下げることができる。これによって、検出素子dijの検出範囲を広げることができる。
なお、画像出力信号G(i,j)を全体的にある一定値にシフトする処理は、オフセット補正とは別個に行うように構成してもよい。たとえば、表示モニタ19に出力させる直前に、当該処理のみを行うようにしてもよい。
信号監視部15は、X線照射停止後から再びX線照射に移行するまでの期間において、信号処理部13から出力される画像出力信号の検出素子d間の統計量を監視する。本実施例においては、画像出力信号の検出素子d間の平均値を統計量としている。そして、この平均値が基準値以下になるか否かを判断する。
また、信号監視部15は、X線照射制御部7および主制御部17と接続されている。そして、X線照射制御部7によるX線の照射を停止させる制御と連携して監視を始め、X線照射制御部7によるX線の照射を再び開始させる制御と連携して監視を終了する。また、信号監視部15の監視結果を主制御部17に出力することで、平均値が基準値以下になるタイミングを主制御部17に与える。信号監視部15は、この発明における信号監視手段に相当する。
更新後時間監視部16は、補正データ更新部23がオフセット補正データを更新した時からX線非照射の状態が継続されている時間を計測する。本明細書では、この時間を補正データ更新後時間と呼ぶ。そして、補正データ更新後時間が所定の期間を経過する時を監視する。
また、更新後時間監視部16は、補正データ更新部23、X線照射制御部7、および主制御部17と接続されている。そして、補正データ更新部23がオフセット補正データの更新を行う時に監視を始め、X線照射制御部7によるX線の照射を再び開始させる制御と連携して監視を終了する。なお、X線非照射の状態が継続されている間に、オフセット補正データの更新が複数回行われる場合は、その都度、補正データ更新後時間の計測が開始される。また、更新後時間監視部16の監視結果を主制御部17に出力することで、補正データ更新後時間が所定の期間を経過するタイミングを主制御部17に与える。
なお、所定の期間は、一のX線非照射の状態が継続されている間に、オフセット補正データの更新が行われる回数に応じて、徐々に長くなるように設定されている。更新後時間監視部16は、この発明における更新後時間監視手段に相当する。
主制御部17は、X線照射制御部7とFPD制御部9とを操作し、X線照射を制御する。また、信号処理部13(オフセット補正部21と補正データ更新部23)を操作し、検出素子dの出力データのオフセット補正を制御する。より具体的には、信号監視部15の入力に基づき、画像出力信号の検出素子d間の平均値が基準値以下になった時に、補正データ更新部23にオフセット補正データを更新させる。また、更新後時間監視部16の入力に基づき、補正データ更新後時間が所定の期間を経過した時に、補正データ更新部23にオフセット補正データを更新させる。
次に、実施例1に係るX線撮像装置の動作について説明する。図5は、X線撮像装置の動作を示すフローチャートであり、図6は、主に信号監視部15および更新後時間監視部16による監視動作を示すフローチャートである。図7は、画像出力信号の特性を示すタイムチャートであって、(a)はX線照射停止後にオフセット補正データの更新を行わなかった場合の参考図であり、(b)は実施例1のX線撮像装置による場合を示す図である。なお、図7においては、被写体Mを透過したX線が入射する検出素子Aに応じた画像出力信号を実線で表し、被写体Mを透過せず、直接X線が入射する検出素子Bに応じた画像出力信号を破線で表している。
<ステップS1> 初期オフセット補正データを設定する
X線撮像装置を起動する(図7において時刻t0である。以下では適宜、時刻のみを略記する)。X線は未だ照射されていない。FPD3からは、X線非照射時の各検出素子dの出力データが読み出される。
図7では、時刻t0から時刻t1までの期間において、検出素子A、Bに応じた画像出力信号がばらついていることを明示している。
補正データ更新部23は、各検出素子dの出力データに基づいてオフセット補正データを取得して設定する。オフセット補正部21は、設定されたオフセット補正データを用いて、検出素子dの出力データをオフセット補正する(時刻t1)。
図7においては、時刻t1から時刻t2までの期間において、検出素子A、Bに応じた画像出力信号が均一になっていることを明示している。
<ステップS2> X線照射を開始する
X線照射制御部7の制御により、被写体MにX線照射を開始する(時刻t2)。FPD3は、被写体Mを透過したX線を検出する。よって、各検出素子dの出力データはX線照射時のものである。各出力データは、オフセット補正部21によりオフセット補正される。このとき、用いられるオフセット補正データは、時刻t1において設定されたオフセット補正データである。
図7では、時刻t2から時刻t3までの期間において、検出素子Aは、検出素子Bに比べて入射するX線の強度が小さいことを明示している。
<ステップS3> X線照射を停止する
X線照射制御部7がX線の照射を停止する制御を行う。これにより、X線管1からX線が照射されなくなる(時刻t3)。FPD3からは、再び、X線非照射時の検出素子dの出力データが読み出される。これらの出力データは、理想的にはX線の照射を開始する前(時刻t2以前)の状態に戻るはずであるが、実際には残留出力が発生する。
図7では、時刻t3以降の期間において、残留出力が発生している様子を明示している。特に図7(a)に示すように、X線照射停止直後においては残留出力が急峻に減衰する。その後、X線照射を停止してから時間が経つほど残留出力の減衰が穏やかになりつつ、長時間に渡って残留出力が残る。ここで、長時間に渡って残る残留出力は、長期残留出力成分が主因である。
また、強いX線が入射した検出素子Bの方が、検出素子Aに比べて大きな残留出力が発生する。このような長期残留出力成分の影響を受けて、残像が形成される。
<ステップS4> 監視を開始する
信号監視部15は、X線照射制御部7によるX線の照射を停止させる制御と連携して監視を始める。詳しくは、後述する。
<ステップS5> X線照射を再開するか?
X線照射を再開する場合は、ステップS6に進む。再開しない場合は、X線撮像装置の運転を終了する。
<ステップS6> 監視を終了する
X線照射を再開する場合は、照射制御部7によるX線の照射を再び開始させる制御を行う。この制御と連携して、信号監視部15は監視を終了する。また、更新後時間監視部16が既に監視を開始していた場合は、更新後時間監視部16も照射制御部7の制御と連携して監視を終了する。そして、ステップS2に戻る。
なお、X線照射を停止した後に行った監視の結果、1度もオフセット補正データの更新をしないまま監視を終了することとなってもよい。残留出力は、再開されたX線照射によって得られるX線画像に影響を与えないほど、十分小さいからである。
次に、ステップS4(監視を開始する)における動作を、図6を参照してより詳しく説明する。
<ステップT1> 平均値を算出する
信号監視部15は、オフセット補正部21を経た後の画像出力信号の検出素子d間の平均値を算出する。
<ステップT2> 平均値が基準値以下か?
次に、信号監視部15は、平均値と基準値とを比較する。そして、平均値が基準値以下であるか否かを判断する。平均値が基準値以下であると判断した場合は、ステップT3に進む。また、平均値がより大きいと判断した場合は、ステップT1に戻り、次のフレームの画像出力信号について監視を繰り返す。
<ステップT3> オフセット補正データを更新する
信号監視部15の監視結果を主制御部17に出力する。これにより、主制御部17は、画像出力信号の検出素子d間の平均値が基準値以下になった時に、補正データ更新部23にオフセット補正データを更新させる。補正データ更新部23は、検出素子dの出力データに基づいてオフセット補正データを取得して更新する。オフセット補正部21は、更新された新たなオフセット補正データを用いて、その後の検出素子dの出力データをオフセット補正する(時刻t4)。
図7(b)では、時刻t4以降しばらくの期間において、画像出力信号は均一となっていることを明示している。
<ステップT4> 補正データ更新後時間を監視する
補正データ更新部23が、時刻t4においてオフセット補正データの更新を行う動作に連携して、更新後時間監視部16は監視を始める。すなわち、オフセット補正データを更新した時からX線非照射の状態が継続されている補正データ更新後時間を計測し、この補正データ更新後時間が所定の期間を経過する時を監視する。そして、この監視結果を主制御部17に出力する。
主制御部17は、補正データ更新後時間が所定の期間を経過する時に、補正データ更新部23にオフセット補正データを更新させる。補正データ更新部23は、検出素子dの出力データに基づいて、再びオフセット補正データを取得して更新する。オフセット補正部21は、更新された新たなオフセット補正データを用いて、その後の検出素子dの出力データをオフセット補正する(時刻t5)。
そして、ステップT4に戻る。補正データ更新部23が時刻t5においてオフセット補正データの更新を行う動作に連携して、更新後時間監視部16は、再び監視を繰り返す。そして、所定の期間が経過するごとに、オフセット補正データを更新し、新たな補正データ更新後時間の監視を始める(図7(b)では、時刻t5以降については省略する)。
なお、時刻t5を始期とする補正データ更新後時間が経過するか否かを判断する所定の期間(時刻t5を始期とする期間tb)は、先に監視したときに用いた所定の期間(時刻t4から時刻t5までの期間ta)に比べて長く設定されている。したがって、オフセット補正データの更新が繰り返し行われた場合、それらの時間間隔は、徐々に長くなる。
このように、実施例1に係るX線撮像装置によれば、信号監視部15を備えることで、画像出力信号の検出素子d間の平均値が基準値以下になる時を監視する。これにより、長期残留出力成分を近似的に定数成分とみなすことができるタイミングを正確に得ることができる。そして、主制御部17の制御のもと、補正データ更新部23は、画像出力信号の検出素子d間の平均値が基準値以下になる時に、オフセット補正データを更新するので、長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる。
また、更新後時間監視部16を備えることで、信号監視部15の監視結果に基づいてオフセット補正データの更新を行った後に、なお非照射の状態が続く場合にも、所定の期間が経過するごとにオフセット補正データの更新を繰り返し行う。よって、長期残留出力成分の微小な変動も除去することができる。
また、所定の期間は、オフセット補正データの更新の時間間隔が徐々に長くなるように設定されているので、効率よく更新させることができる。
また、信号監視部15を、X線照射制御部7がX線の照射を停止する制御と連携して監視を始めるように構成することで、出力データまたは画像出力信号の取得動作に支障をきたすことなく、画像出力信号の監視を行うことができる。
このように、実施例1に係るX線撮像装置によれば、X線照射を停止した後、長期残留出力成分の影響によって形成される残像を除去することができ、より高品質なX線画像を取得することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図8は、実施例2に係るX線撮像装置の全体構成を示すブロック図である。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
実施例2に係るX線撮像装置は、実施例1で備えていた信号監視部15が省かれており、新たに非照射時間監視部18を備えている。
非照射時間監視部18は、X線非照射に移行した時からX線非照射の状態が継続される時間、およびオフセット補正データを更新した時からX線非照射の状態が継続される時間を計測する。なお、これらの時間を本明細書では非照射時間と総称する。そして、この非照射時間が所定の期間を経過する時を監視する。
また、非照射時間監視部18は、X線照射制御部7、補正データ更新部23、および主制御部17と接続されている。そして、X線照射制御部7によるX線の照射を停止させる制御と連携して監視を始める。また、補正データ更新部23がオフセット補正データの更新を行う時にも監視を始める。なお、X線非照射の状態が継続されている間に、オフセット補正データの更新が複数回行われる場合は、その都度、補正データ更新後時間の計測が開始される。他方、X線照射制御部7によるX線の照射を再び開始させる制御と連携して監視を終了する。また、更新後時間監視部16の監視結果を主制御部17に出力することで、補正データ更新後時間が所定の期間を経過するタイミングを主制御部17に与える。
ここで、所定の期間は、予め、残像特性等の測定によって長期残留出力成分を求め、この長期残留出力成分が近似的に定数成分とみなせる期間として設定されている。なお、この「所定の期間」は、実施例1で説明した更新後時間監視部16が用いる「所定の期間」とは全く関係ない。いずれかを第1期間とし、他方を第2期間として区別することもできるが、以下において、非照射時間監視部18が用いる期間を「所定の期間」として説明を続ける。
また、この所定の期間は、X線非照射の状態が継続される一の期間内にオフセット補正データの更新を複数回行う場合は、それらの時間間隔が徐々に長くなるように設定されている。なお、非照射時間監視部18は、この発明における非照射時間監視手段に相当する。
次に、実施例2に係るX線撮像装置の動作について説明する。全体動作については、実施例1と同じ流れである。よって、全体動作についてのより詳細な説明は省略する。なお、図4においてステップS4、ステップS6で監視を開始、または終了するのが、実施例2では非照射時間監視部18である点は異なる。以下では、監視動作を中心に説明する。
まず、非照射時間監視部18は、X線照射制御部7によるX線の照射を停止させる制御と連携して監視を始める。すなわち、X線非照射に移行した時からX線非照射の状態が継続されている非照射時間を計測し、この非照射時間が所定の期間を経過する時を監視する。そして、この監視結果を主制御部17に出力する。
主制御部17は、非照射時間が所定の期間を経過する時に、補正データ更新部23にオフセット補正データを更新させる。補正データ更新部23は、検出素子dの出力データに基づいて、オフセット補正データを取得して更新する。オフセット補正部21は、更新された新たなオフセット補正データを用いて、その後の検出素子dの出力データをオフセット補正する。
補正データ更新部23がオフセット補正データの更新を行う動作に連携して、非照射時間監視部18は、再び監視を始める。オフセット補正データを更新した時からX線非照射の状態が継続されている新たな非照射時間を計測し、この補正データ更新後時間が所定の期間を経過する時を監視する。そして、この監視結果に基づいて、オフセット補正データの更新を繰り返す。
X線照射を再開する場合は、照射制御部7による制御と連携して、非照射時間監視部18は監視を終了する。
なお、実施例2においても、X線照射を停止した後に行った監視の結果、1度もオフセット補正データの更新をしないまま監視を終了することとなってもよい。
このように、実施例2に係るX線撮像装置によれば、所定の期間は、予め、測定される残像特性に基づいて設定されているので、非照射時間監視部18は長期残留出力成分が近似的に定数成分とみなすことができるタイミングを監視することができる。長期残留出力成分の影響により形成される残像を除去することができる。また、オフセット補正データを更新した後の画像出力信号の微小な変動も除去することができる。
長期残留出力成分の変動は時間が経つにつれて小さくなり、かつ、その値そのものも小さくなる。このため、X線照射停止後に最初にオフセットデータの更新をした後、X線非照射状態が継続される場合に繰り返す2回目以降のオフセット補正データの更新は、その時間間隔を徐々に長く設定されており、効率がよい。
非照射時間監視部18は、X線照射制御部7、および補正データ更新部23と連携して監視を始めるように構成することで、出力データまたは画像出力信号の取得動作に支障をきたすことなく、画像出力信号の監視を行うことができる。
このように、実施例2に係るX線撮像装置によっても、実施例1に係るX線撮像装置によれば、X線照射を停止した後、長期残留出力成分の影響によって形成される残像を除去することができ、より高品質なX線画像を取得することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例1では、信号監視部15は、各画像出力信号の平均値を基準値と比較する構成であったが、これに限られない。たとえば、各画像出力信号の分散、標準偏差、レンジ等の統計量を、所定の基準値と比較するように構成してもよい。なお、レンジとは、いわゆる濃淡差であり、画像出力信号の最大値と最小値との差である。
さらに、信号監視部15は、各画像出力信号の分散、標準偏差、平均、またはレンジ等の統計量の時間的変化を算出して、所定の基準値と比較するように構成してもよい。
また、各画像出力信号を、検出素子dの位置に応じて複数のブロック(例えば、m×nに分割した複数のブロック)に分けて、各ブロックの平均濃度値を算出し、各ブロック間で最大値と最小値との差を用いて判断してもよい。また、各ブロック間で最大値と最小値との差の時間的変化を用いて判断してもよい。なお、このような値も、統計量に含まれる。
(2)上述した実施例1では、X線照射停止後、2回目以降に行われるオフセット補正データの更新は、更新後時間監視部16の監視結果に基づいて行う構成であったがこれに限られない。たとえば、2回目以降の更新も、信号監視部15の監視結果に基づいて行うように構成してもよい。また、この場合は、更新を行った回数に応じて異なる基準値を用いる等、適宜に設計変更することができる。あるいは、2回目以降の更新は、オペレータによる操作等による外部入力に基づいて行って更新させるようにしてもよい。
(3)上述した実施例1の信号監視部15または実施例2の非照射時間監視部18は、X線照射制御部7または補正データ更新部23と連携して監視を始めるように構成していたが、これに限られない。X線管1、FPD3、FPD制御部9、あるいは主制御部17等と適宜に連携することで、同様の機能を実現してもよい。
(4)上述した各実施例において、オフセット補正データを、X線非照射時の各検出素子dの出力データから、これらの平均値を差し引いたものを例示したが、これに限られるものではない。公知の手法によって、オフセット補正データを適宜に変更、規定することができる。
(5)上述した各実施例は、主として、残留出力のうち、長期残留出力成分の影響により形成される残像の除去を目的とするものであるが、これに比較的短期に減衰する成分の除去を目的とする公知の技術、たとえばFPD3に光を照射する技術や、残留出力の時間変化を数式化し、その数式に基づいて残留出力を算術除去する技術を併用することが可能である。
(6)上述した各実施例では、検出素子dの出力データについてオフセット補正を行うことを中心に説明したが、適宜にその他の処理を組み合わせてX線画像を生成するように構成してよい。たとえば、各検出素子dの感度補正を、オフセット補正後に行うように構成してもよい。
(7)上述した各実施例では、FPD3を例に採って説明したが、検出面に複数個の検出素子を有するX線検出器であれば、この発明を適用することができる。
また、上述した実施例では、FPD3として、直接変換タイプの検出器を例に採って説明したが、これに限られない。例えば、入射したX線をシンチレータによって光に変換し、光感応型の物質で形成された半導体層によってその光を電荷情報に変換する間接型の検出素子であってもよい。
(8)また、上述した実施例においては、FPD3はX線の入射を検出する検出器であったが、入射するものはX線に限定されない。X線以外の放射線、または、光を入射させる場合にも適用できる。
(9)上述した各実施例では、医用のX線撮像装置であったが、これに限られない。たとえば、非破壊検査、RI(Radio Isotope)検査、および光学検査などの工業分野や、原子力分野などに用いられる放射線撮像装置にも適用できる。
実施例1に係るX線撮像装置の全体構成を示すブロック図である。 FPDの要部の垂直断面図である。 FPDの平面図である。 (a)は、検出素子の出力データの構成を模式的に示す図であり、(b)は、オフセット補正データを模式的に示す図である。 X線撮像装置の動作を示すフローチャートである。 主に信号監視部および更新後時間監視部による監視動作を示すフローチャートである。 画像出力信号の特性を示すタイムチャートであって、(a)はX線照射停止後にオフセット補正データの更新を行わなかった場合の参考図であり、(b)は実施例1のX線撮像装置による場合を示す図である。 実施例2に係るX線撮像装置の全体構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 …X線管
3 …フラットパネル型X線検出器(FPD)
7 …X線照射制御部
13 …信号処理部
15 …信号監視部
16 …更新後時間監視部
17 …主制御部
18 …非照射時間監視部
21 …オフセット補正部
23 …補正データ更新部
M …被写体
d …検出素子

Claims (9)

  1. 放射線を検出する複数個の検出素子と、オフセット補正データを用いて、前記検出素子の出力データのオフセット補正を行う補正手段と、放射線非照射時の前記検出素子の出力データに基づいて前記オフセット補正データを更新する更新手段と、を備え、前記補正手段を経た後の画像出力信号を出力する放射線撮像装置において、少なくとも放射線照射停止後から再び放射線照射に移行するまでの期間において、画像出力信号の検出素子間の統計量を監視する信号監視手段を備え、前記信号監視手段によって、前記統計量、または前記統計量の時間的変化が基準値以下になったと判断された時に、前記更新手段は、オフセット補正データを更新することを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、前記統計量は、画像出力信号の分散、標準偏差、平均、およびレンジの少なくともいずれか1つであることを特徴とする放射線撮像装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮像装置において、オフセット補正データを更新した時から、放射線非照射の状態が継続される補正データ更新後時間を計測し、前記補正データ更新後時間が所定の期間を経過する時を監視する更新後時間監視手段を備え、前記更新手段は、前記補正データ更新後時間が所定の期間を経過する時にオフセット補正データを更新することを特徴とする放射線撮像装置。
  4. 放射線を検出する複数個の検出素子と、オフセット補正データを用いて、前記検出素子の出力データのオフセット補正を行う補正手段と、放射線非照射時の前記検出素子の出力データに基づいて前記オフセット補正データを更新する更新手段と、を備え、前記補正手段を経た後の画像出力信号を出力する放射線撮像装置において、放射線非照射に移行した時、および/または、オフセット補正データを更新した時から、それぞれ放射線非照射の状態が継続される非照射時間を計測し、前記非照射時間が所定の期間を経過する時を監視する非照射時間監視手段を備え、前記更新手段は、前記非照射時間が所定の期間を経過する時にオフセット補正データを更新することを特徴とする放射線撮像装置。
  5. 請求項4に記載の放射線撮像装置において、前記所定の期間は、オフセット補正データを更新する間隔が徐々に長くなるように設定されていることを特徴とする放射線撮像装置。
  6. 請求項1から請求項5に記載の放射線撮像装置において、前記検出素子は、少なくとも、アクティブマトリクス基板上に形成される半導体層と電極とによって構成されていることを特徴とする放射線撮像装置。
  7. 放射線を検出する複数個の検出素子の出力データについてオフセット補正を行うオフセット補正方法において、放射線非照射時の前記検出素子の出力データに基づくオフセット補正データを用いて、前記検出素子の出力データのオフセット補正を行い、各検出素子に対応した画像出力信号を出力する過程と、放射線照射停止後から再び放射線照射に移行するまでの期間において、画像出力信号の検出素子間の統計量または前記統計量の時間的変化が、基準値以下になるか否か判断する過程と、前記統計量または前記統計量の時間的変化が基準値以下になったと判断した時に、前記オフセット補正データを更新する過程とを備えたことを特徴とするオフセット補正方法。
  8. 放射線を検出する複数個の検出素子の出力データについてオフセット補正を行うオフセット補正方法において、放射線非照射時の前記検出素子の出力データに基づくオフセット補正データを用いて、前記検出素子の出力データのオフセット補正を行い、各検出素子に対応した画像出力信号を出力する過程と、放射線非照射に移行した時、および/または、オフセット補正データを更新した時から、それぞれ放射線非照射の状態が継続される非照射時間が、所定の期間を経過する時を監視する過程と、前記非照射時間が所定の期間を経過する時に、前記オフセット補正データを更新する過程とを備えたことを特徴とするオフセット補正方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載のオフセット補正方法において、前記検出素子は、少なくとも、アクティブマトリクス基板上に形成される半導体層と電極とによって構成されていることを特徴とするオフセット補正方法。
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