JP2006304955A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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亜紀 山崎
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Abstract

【課題】位相エンコード方向の勾配が不安定な場合であっても、ボケた画像が生成されることを防止し、画像品質を向上させる。
【解決手段】PROPELLER MRイメージング法に基づいて、k空間ksのブレードbにおいて複数のトラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序P1で繰り返し時間TR内に得る第1スキャンと、第1のトラジェクトリ順序P1と逆の第2のトラジェクトリ順序P2で複数のトラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る第2スキャンとを順次実施する。そして、第1スキャンと第2スキャンとにより得られた磁気共鳴信号を互いに対応するように、データ処理部31が加算して加算データを生成後、その生成した加算データに基づいて、データ処理部31が被検体の画像を生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置に関し、特に、PROPELLER(Periddically Rotated Overlapping ParallEL Lines with Enhanced Reconstruction) MRイメージング法によって、静磁場空間内の被検体からの磁気共鳴信号を得るスキャンを実施し、そのスキャンの実施により得られる磁気共鳴信号に基づいて被検体の画像を生成する磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置は、核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)現象を利用して、被検体の断層面についての画像を撮影する装置として知られており、医療用途、産業用途などのさまざまな分野において利用されている。
磁気共鳴イメージング装置を用いて被検体の断層画像を撮影する際においては、まず、静磁場が形成された撮影空間内に被検体を収容し、被検体内のプロトン(proton)のスピンの方向を静磁場の方向へ整列させて磁化ベクトルを得た状態にする。その後、RFコイルから共鳴周波数の電磁波を被検体に照射することにより、核磁気共鳴現象を発生させて被検体のプロトンの磁化ベクトルを変化させる。そして、磁気共鳴イメージング装置は、元の磁化ベクトルへ戻る被検体のプロトンからの磁気共鳴信号をRFコイルで受信し、その受信した磁気共鳴信号に基づいて被検体の断層面についての画像を生成する。
ここで、磁気共鳴信号を被検体から取得するスキャンの際に被検体が動いた場合においては、前述のようにして生成した画像に体動アーチファクトが発生する場合がある。たとえば、位相エンコード方向へ体動アーチファクトが発生して画像品質が低下する不具合を生ずる場合がある。この不具合は、k空間の位相エンコード方向のマトリクスに順次対応するように、k空間の周波数エンコード方向に沿って磁気共鳴信号を繰り返し時間(TR:Time of Repetition)ごとにサンプリングすることに、主に起因している。
このような体動アーチファクトの発生を抑制するイメージング法として、PROPELLER MRイメージング法が知られている(たとえば、特許文献1,特許文献2,非特許文献1参照)。
特開2004−344183号公報 特開2004−237109号公報 Magnetic Resonance in Medicine 42:963−969,1999, James G.Pipe,Motion Correction With PROPELLER MRI:Application to Head Motion and Free−Breathing Cardiac Imaging
しかしながら、PROPELLER MRイメージング法においては、位相エンコード方向の勾配が不安定な場合には、T2減衰などの影響によって、ボケた画像が生成される場合があり、十分な画像品質の画像を得ることが困難な場合があった。
したがって、本発明の目的は、画像品質を向上可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することにある。
上記目的の達成のために本発明の磁気共鳴イメージング装置は、PROPELLER MRイメージング法によって、静磁場空間内の被検体からの磁気共鳴信号を得るスキャンを実施し、前記スキャンの実施により得られる前記磁気共鳴信号に基づいて前記被検体の画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、k空間のブレードにおいて複数のトラジェクトリに対応する磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序で繰り返し時間内に得る第1スキャンと、前記第1のトラジェクトリ順序と逆の第2のトラジェクトリ順序で前記複数のトラジェクトリに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間内に得る第2スキャンとを前記スキャンとして前記PROPELLER MRイメージング法に基づいて前記繰り返し時間で順次繰り返して実施するスキャン部と、前記第1スキャンにより得られた前記磁気共鳴信号と、前記第2スキャンにより得られた前記磁気共鳴信号とを互いに対応するように加算して加算データを生成した後に、前記生成した加算データに基づいて、前記被検体の画像を生成する画像生成部とを有する。
本発明によれば、画像品質を向上可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することができる。
<実施形態1>
以下より、本発明にかかる実施形態1について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明にかかる実施形態1において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、スキャン部2と、操作コンソール部3とを有する。
スキャン部2について説明する。
スキャン部2は、図1に示すように、静磁場マグネット部12と、勾配コイル部13と、RFコイル部14と、RF駆動部22と、勾配駆動部23と、データ収集部24と、クレードル26とを有しており、静磁場が形成された撮影空間B内の被検体40からの磁気共鳴信号を得るスキャンをPROPELLER MRイメージング法に基づいて実施する。つまり、スキャン部2は、k空間において原点から半径方向に対して平行な複数のトラジェクトリからなるブレードにて、その複数のトラジェクトリに対応する複数の磁気共鳴信号を繰り返し時間内に順次得るようにスキャンを実施する。そして、このブレードについてのスキャンを、ブレードがk空間の中心を軸にしてk空間に対応するように順次回転させた位置で繰り返し時間TRごとに複数回繰り返す。
ここで、詳細については後述するが、スキャン部2は、k空間のブレードにおいて並ぶ複数のトラジェクトリに対応する磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序で繰り返し時間TR内に得る第1スキャンを、PROPELLER MRイメージング法に基づいて繰り返し時間TRで、順次、繰り返して実施する。そして、さらに、スキャン部2は、前述の第1のトラジェクトリ順序と逆の第2のトラジェクトリ順序で複数のトラジェクトリに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る第2スキャンを、PROPELLER MRイメージング法に基づいて繰り返し時間TRで、順次、繰り返して実施する。また、ここでは、スキャン部2は、この第1スキャンをk空間に対応するように実施した後に、第1スキャンと逆のトラジェクトリ順序である第2スキャンをk空間に対応するように実施する。たとえば、スキャン部2は、FSE(Fast Spin Echo)法で、それぞれを順次実施する。
スキャン部2の各構成要素について、順次、説明する。
静磁場マグネット部12は、たとえば、一対の永久磁石により構成されており、被検体SUが収容される撮像空間Bに静磁場を形成する。ここでは、静磁場マグネット部12は、被検体SUの体軸方向に対して垂直な方向Zに静磁場の方向が沿うように静磁場を形成する。なお、静磁場マグネット部12は、超伝導磁石により構成されていてもよい。
勾配コイル部13は、静磁場が形成された撮像空間Bに勾配磁場を形成し、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号に位置情報を付加する。ここでは、勾配コイル部13は、3系統からなり、撮像条件に応じて、周波数エンコード方向と位相エンコード方向とスライス選択方向とのそれぞれに勾配磁場を形成する。具体的には、勾配コイル部13は、被検体SUのスライス選択方向に勾配磁場を印加し、RFコイル部14がRFパルスを送信することによって励起させる被検体SUのスライスを選択する。また、勾配コイル13は、被検体SUの位相エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を位相エンコードする。そして、勾配コイル部13は、被検体SUの周波数エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を周波数エンコードする。
RFコイル部14は、図1に示すように、被検体SUの撮像領域を囲むように配置される。RFコイル部14は、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成される撮像空間B内において、電磁波であるRFパルスを被検体SUに送信して高周波磁場を形成し、被検体SUの撮像領域におけるプロトンのスピンを励起する。そして、RFコイル部14は、その励起された被検体SU内のプロトンから発生する電磁波を磁気共鳴信号として受信する。
RF駆動部22は、RFコイル部14を駆動させて撮像空間B内にRFパルスを送信させて高周波磁場を形成する。RF駆動部22は、制御部30からの制御信号に基づいて、ゲート変調器を用いてRF発振器からの信号を所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調した後に、そのゲート変調器により変調された信号を、RF電力増幅器によって増幅してRFコイル部14に出力し、RFパルスを送信させる。
勾配駆動部23は、制御部30からの制御信号に基づいて、勾配パルスを勾配コイル部13に印加して駆動させ、静磁場が形成されている撮像空間B内に勾配磁場を発生させる。勾配駆動部23は、3系統の勾配コイル部13に対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
データ収集部24は、制御部30からの制御信号に基づいて、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号を収集し、データ処理部31に出力する。データ収集部24は、位相エンコードと周波数エンコードとが施された磁気共鳴信号をk空間に対応するように収集する。ここでは、データ収集部24は、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号をRF駆動部22のRF発振器の出力を参照信号として位相検波器が位相検波する。その後、A/D変換器を用いて、このアナログ信号である磁気共鳴信号をデジタル信号に変換する。そして、データ収集部24は、この磁気共鳴信号をメモリに記憶した後に、データ処理部31に出力する。
クレードル26は、被検体SUを載置する台を有する。クレードル部26は、制御部30からの制御信号に基づいて、撮像空間Bの内部と外部との間を移動する。
操作コンソール部3について説明する。
操作コンソール部3は、図1に示すように、制御部30と、データ処理部31と、操作部32と、表示部33とを有しており、PROPELLER MRイメージング法に基づいて、スキャン部2にスキャンを実施させるように制御し、そのスキャン部2により実施されたスキャンにより得られる磁気共鳴信号に基づいて被検体の画像を生成すると共に、その生成した画像を表示する。
操作コンソール部3の各構成要素について、順次、説明する。
制御部30は、コンピュータと、コンピュータを用いて所定のスキャンに対応する動作を各部に実行させるプログラムとを有する。そして、制御部30は、操作部32からデータ処理部31を介して入力される操作信号に基づいて、RF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24とのそれぞれに、所定のスキャンを実行させる制御信号を出力し制御を行う。
ここでは、制御部30は、静磁場が形成された撮影空間B内の被検体40からの磁気共鳴信号を得るスキャンをPROPELLER MRイメージング法によってスキャン部2が実施するように制御する。本実施形態においては、制御部30は、k空間のブレードにおいて複数のトラジェクトリに対応する磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序で繰り返し時間内に得る第1スキャンを、PROPELLER MRイメージング法に基づいて繰り返し時間TRで、順次、繰り返して実施するように、スキャン部2の各部を制御する。そして、さらに、制御部30は、前述の第1のトラジェクトリ順序と逆の第2のトラジェクトリ順序で複数のトラジェクトリに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る第2スキャンを、PROPELLER MRイメージング法に基づいて繰り返し時間で順次繰り返して実施するように、スキャン部2の各部を制御する。ここでは、制御部30は、k空間に対応して、この第1スキャンと第2スキャンとが交互に順次実施されるように制御する。
データ処理部31は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムとを有する。データ処理部31は、操作部32に接続されており、操作部32からの操作信号が入力される。そして、データ処理部31は、制御部30に接続されており、オペレータによって操作部32に入力される操作信号を制御部30に出力する。また、データ処理部31は、データ収集部24に接続されており、データ収集部24により収集された磁気共鳴信号を取得し、その取得した磁気共鳴信号に対して画像処理を行って、被検体SUのスライスについての画像を生成する。そして、データ処理部31は、その生成した画像を表示部33に出力する。
本実施形態においては、データ処理部31は、PROPELLER MRイメージング法に基づいて、たとえば、磁気共鳴信号をグリッディング処理することによって、被検体の画像を再構成して生成する。つまり、k空間において放射状に得られた磁気共鳴信号を、補間処理することによってマトリクス状に配列された磁気共鳴信号へ変換した後に、フーリエ変換処理を実施することで被検体の画像を再構成する。ここでは、データ処理部31は、まず、スキャン部2が第1スキャンを実施することにより得られた磁気共鳴信号と、第2スキャンを実施することにより得られた磁気共鳴信号とを互いに対応するように加算して加算データを生成する。その後、テーター処理部31は、その生成した加算データに基づいて、被検体の画像を生成する。なお、たとえば、バックプロジェクション処理により、被検体の画像を再構成して生成してもよい。
操作部32は、キーボードやマウスなどの操作デバイスにより構成されている。操作部32は、オペレータによって操作され、その操作に応じた操作信号をデータ処理部31に出力する。ここでは、撮像目的に応じた複数のパルスシーケンスでのスキャンをオペレータが選択して入力可能なように操作部32が構成されている。
表示部33は、CRTなどの表示デバイスにより構成されている。表示部33は、被検体SUからの磁気共鳴信号に基づいて生成される被検体SUのスライスについての画像を表示する。
以下より、上記の本発明にかかる実施形態1の磁気共鳴イメージング装置1を用いて、被検体SUのスライスを撮像する際の動作について説明する。
被検体SUのスライスを撮像する際には、まず、クレードル26に被検体SUを載置した後、被検体SUの撮像領域に対応するようにRFコイル部14を設置する。そして、被検体SUが載置されているクレードル26を、静磁場が形成されている撮影空間B内に移動するように、制御部30が制御する。
つぎに、被検体SUについてのスキャンを実施する。
ここでは、オペレータにより操作コンソール部3の操作部32に入力されたスキャンを開始する開始指令に基づいて、スキャン部2がスキャンを開始する。本実施形態においては、PROPELLER MRイメージング法に基づいて、静磁場が形成される撮影空間B内の被検体SUからの磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得るスキャンを、複数のマトリクスからなるk空間ksに対応して磁気共鳴信号が収集されるようにスキャン部2が複数回実施する。
図2は、本発明にかかる実施形態1において、スキャン部2がk空間ksに対応するように磁気共鳴信号をサンプリングする動作を示す図である。図2においては、(a),(b)、(c)、(d),(e),(f),(g),(h)の順で、繰り返し時間TRごとに、スキャン部2がk空間ksに対応するように磁気共鳴信号をサンプリングする動作を示している。
図2に示すように、スキャン部2は、k空間ksにおいて原点cから半径方向rに対して平行な複数のトラジェクトリtjからなるブレードbにて、その複数のトラジェクトリtjに対応する複数の磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に順次得るようにスキャンを、実施する。そして、このブレードbについてのスキャンを、ブレードbがk空間の中心cを軸にしてk空間ksに対応するように順次回転させた位置で繰り返し時間TRごとに複数回繰り返す。
ここでは、図2(a)から(d)に示すように、k空間のブレードbにおいて複数のトラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序P1で繰り返し時間TR内に得る第1スキャンを、ブレードbがk空間ksの原点cを軸に反時計回りに順次回転した位置で、繰り返し時間TRごとに実施する。図2(a)から(d)に示すように、たとえば、4つのブレードbの位置で、第1スキャンを実施する。
具体的には、まず、図2(a)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに沿って並んでおり、k空間ksの位相エンコード方向kyの低周波側において互いが隣り合うように位置する複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を得るように、第1スキャンを実施する。
図3は、本発明にかかる実施形態1において、スキャン部2により実施される第1スキャンのパルスシーケンス図である。図3においては、RFパルスRFと、スライス選択方向の勾配磁場Gsと、位相エンコード方向の勾配磁場Gpと、周波数エンコード方向の勾配磁場Gfとを示している。なお、ここでは、縦軸が強度を示し、横軸が時間を示している。
図3に示すように、たとえば、エコートレイン数(ETL:Echo Train Length)が4であるFSE法によって、第1スキャンを実施する。ここでは、ブレードbにおいて一端に位置する第1トラジェクトリtj1から、第1トラジェクトリtj1の反対側の他端に位置する第4トラジェクトリtj4へ順次向かう第1のトラジェクトリ順序P1で、各トラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得るように、周波数エンコード方向の勾配磁場Gfと位相エンコード方向の勾配磁場Gpとの印加を調整し、第1スキャンを実施する。つまり、第1トラジェクトリtj1,第2トラジェクトリtj2,第3トラジェクトリtj3,第4トラジェクトリtj4の第1のトラジェクトリ順序P1で、各トラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る。
つぎに、図2(b)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に45°反時計回りに回転した方向に沿って並ぶ複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を得るように、第1スキャンを実施する。
つぎに、図2(c)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に90°反時計回りに回転した方向に沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を得るように、第1スキャンを実施する。
つぎに、図2(d)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に135°反時計回りに回転した方向に沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を得るように、第1スキャンを実施する。
この後、図2(e)から(h)に示すように、第1のトラジェクトリ順序P1と逆の第2のトラジェクトリ順序P2で複数のトラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得ることを除いて第1スキャンと同様な第2スキャンを、ブレードbがk空間ksの原点cを軸に時計回りに順次回転した位置で、繰り返し時間TRごとに実施する。
具体的には、図2(e)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に135°反時計回りに回転した方向に沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、第1のトラジェクトリ順序P1と逆の第2のトラジェクトリ順序P2で複数の磁気共鳴信号を得るように、第2スキャンを実施する。つまり、ブレードbにおいて他端に位置する第4トラジェクトリtj4から、第4トラジェクトリtj4と反対側の一端に位置する第1トラジェクトリtj1へ順次向かう第2のトラジェクトリ順序P2で、図2(e)での第1スキャンを実施した位置と同じ位置の各トラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を、繰り返し時間TR内に得る。すなわち、第4トラジェクトリtj4,第3トラジェクトリtj3,第2トラジェクトリtj2,第1トラジェクトリtj1の順からなる第2のトラジェクトリ順序P2で、各トラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る。
つぎに、図2(f)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に90°反時計回りに回転した方向に沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を得るように、前述と同様にして、第2スキャンを実施する。
つぎに、図2(g)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に45°反時計回りに回転した方向に沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を得るように、第2スキャンを実施する。
つぎに、図2(h)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を得るように、第2スキャンを実施する。
上記のようにして、PROPELLER MRイメージング法に基づいて、第1スキャンと第2スキャンとのそれぞれにより磁気共鳴信号をスキャン部2が取得する。
つぎに、被検体の画像を生成する。
ここでは、PROPELLER MRイメージング法に基づいて、たとえば、磁気共鳴信号をグリッディング処理することによって、データ処理部31が被検体の画像を再構成して生成する。
本実施形態においては、まず、第1のトラジェクトリ順序P1で実施された第1スキャンにより得られた磁気共鳴信号と、第1のトラジェクトリ順序P1と逆の第2のトラジェクトリ順序P2で実施された第2スキャンにより得られた磁気共鳴信号とを、互いに対応するように加算して加算データをデータ処理部31が生成する。たとえば、図2(a)に示すようにして第1スキャンによって得られた磁気共鳴信号と、図2(h)に示すように図2(a)での第1スキャンでのブレードbの位置と同じ位置に対応するように実施された第2スキャンによって得られた磁気共鳴信号とを、トラジェクトリtjごとに対応させて加算し、加算データを生成する。
具体的には、第1スキャンによって第1トラジェクトリtj1に対応するように第1のトラジェクトリ順序P1においての最初の順位で得られた磁気共鳴信号と、第2スキャンによって第1トラジェクトリtj1に対応するように第2のトラジェクトリ順序P2においての最後の順位で得られた磁気共鳴信号とを加算する。また、第1スキャンによって第2トラジェクトリtj2に対応するように2番目の順位で得られた磁気共鳴信号と、第2スキャンにより第2トラジェクトリtj2に対応するように3番目の順位で得られた磁気共鳴信号とを加算する。また、第1スキャンによって第3トラジェクトリtj3に対応するように3番目の順位で得られた磁気共鳴信号と、第2スキャンにより第3トラジェクトリtj3に対応するように2番目の順位で得られた磁気共鳴信号とを加算する。そして、第1スキャンによって第4トラジェクトリtj4に対応するように最後の順位で得られた磁気共鳴信号と、第2スキャンにより第4トラジェクトリtj4に対応するように最初の順位で得られた磁気共鳴信号とを加算する。
このようにして加算データを生成した後、その生成した加算データをグリッディング処理することによって、データ処理部31が被検体の画像を再構成して生成する。そして、データ処理部31により生成された被検体の画像を、表示部33が表示面に表示する。
以上のように、本実施形態においては、k空間ksのブレードbにおいて複数のトラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序P1で繰り返し時間TR内に得る第1スキャンと、第1のトラジェクトリ順序P1と逆の第2のトラジェクトリ順序P2で複数のトラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る第2スキャンとを、PROPELLER MRイメージング法に基づいて、スキャン部2が繰り返し時間TRで、順次、繰り返し実施する。ここでは、第1スキャンをk空間に対応するように実施した後に、第2スキャンを前記k空間に対応するようにスキャン部2が実施する。そして、この第1スキャンにより得られた磁気共鳴信号と、この第2スキャンにより得られた磁気共鳴信号とを互いに対応するように、データ処理部31が加算して加算データを生成した後に、その生成した加算データに基づいて、データ処理部31が被検体の画像を生成する。
図4は、本発明にかかる実施形態1において、第1スキャンによって各トラジェクトリtjに対応して得られる磁気共鳴信号S1の強度と、第2スキャンによって各トラジェクトリtjに対応して得られる磁気共鳴信号S2の強度との推移を示す図である。図4においては、縦軸が信号強度Iを示しており、横軸がトラジェクトリtjの位置を示している。
図4に示すように、第1スキャンと第2スキャンとのそれぞれにおいては、T2減衰の影響によって各トラジェクトリtj間での信号強度の差が異なる。しかし、本実施形態では、上記のように、第1スキャンと第2スキャンとのそれぞれによる磁気共鳴信号が互いに逆のトラジェクトリtjの順序で取得されており、この第1スキャンと第2スキャンとのそれぞれによる磁気共鳴信号をトラジェクトリtjごとに加算して信号強度を平均化しているために、T2減衰の影響を抑制することができる。
また、本実施形態においては、第1スキャンをk空間に対応するように実施した後に、第2スキャンを前記k空間に対応するようにスキャン部2が実施するために、磁場のバラツキが発生することを抑制できるため、T2減衰の影響を効果的に抑制することができる。
したがって、本実施形態は、位相エンコード方向の勾配が不安定な場合であっても、ボケた画像が生成されることを防止することができ、画像品質を向上させることができる。
<実施形態2>
以下より、本発明にかかる実施形態2について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、スキャン部2がk空間ksにて磁気共鳴信号をサンプリングする動作が、実施形態1と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
図5は、本発明にかかる実施形態2において、スキャン部2がk空間ksにて磁気共鳴信号をサンプリングする動作を示す図である。図5においては、(a),(b)、(c)、(d),(e),(f),(g),(h)の順で、繰り返し時間TRごとに、スキャン部2がk空間ksにて磁気共鳴信号をサンプリングする動作を示している。
図5に示すように、スキャン部2は、k空間のブレードbにおいて複数のトラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序P1で繰り返し時間TR内に得る第1スキャンと、第1のトラジェクトリ順序P1と逆の第2のトラジェクトリ順序P2で複数のトラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る第2スキャンとを、PROPELLER MRイメージング法に基づいて、それぞれが交互になるように、順次、実施する
具体的には、まず、図5(a)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに沿って並んでおり、k空間ksの位相エンコード方向kyの低周波側において互いが隣り合うように位置する複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序P1で得るように、第1スキャンを実施する。たとえば、エコートレイン数(ETL)が4であるFSE法によって、第1トラジェクトリtj1,第2トラジェクトリtj2,第3トラジェクトリtj3,第4トラジェクトリtj4の第1のトラジェクトリ順序P1で、各トラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る。
つぎに、図5(b)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに沿って並ぶ複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応する複数の磁気共鳴信号を、第1のトラジェクトリ順序P1と逆の第2のトラジェクトリ順序P2で得るように、前述の第1スキャンと同様にして、第2スキャンを実施する。つまり、ブレードbにおいて他端に位置する第4トラジェクトリtj4から、第4トラジェクトリtj4と反対側の一端に位置する第1トラジェクトリtj1へ順次向かう第2のトラジェクトリ順序P2で、図5(a)での第1スキャンを実施した位置と同じ位置の各トラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を、繰り返し時間TR内に得る。すなわち、第4トラジェクトリtj4,第3トラジェクトリtj3,第2トラジェクトリtj2,第1トラジェクトリtj1の第2のトラジェクトリ順序P2で、各トラジェクトリtjに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間TR内に得る。
つぎに、図5(c)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に45°反時計回りに回転した方向に沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序P1で得るように、第1スキャンを実施する。
つぎに、図5(d)に示すように、図5(c)での第1スキャンを実施した位置と同じ位置の各トラジェクトリtjに対応する複数の磁気共鳴信号を、第2のトラジェクトリ順序P2で繰り返し時間TR内に得る。
つぎに、図5(e)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に90°反時計回りに回転した方向に沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序P1で得るように、第1スキャンを実施する。
つぎに、図5(f)に示すように、図5(e)での第1スキャンを実施した位置と同じ位置の各トラジェクトリtjに対応する複数の磁気共鳴信号を、第2のトラジェクトリ順序P2で繰り返し時間TR内に得る。
つぎに、図5(g)に示すように、k空間ksの周波数エンコード方向kxに対して、k空間ksの原点cを軸に135°反時計回りに回転した方向に沿って並んでいる複数のトラジェクトリtjからなるブレードbに対応して、複数の磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序P1で得るように、第1スキャンを実施する。
つぎに、図5(h)に示すように、図5(g)での第1スキャンを実施した位置と同じ位置の各トラジェクトリtjに対応する複数の磁気共鳴信号を、第2のトラジェクトリ順序P2で繰り返し時間TR内に得る。
上記のようにして、PROPELLER MRイメージング法に基づいて、第1スキャンと第2スキャンとのそれぞれにより磁気共鳴信号をスキャン部2が取得する。
この後、実施形態1と同様にして、被検体の画像をデータ処理部31が生成する。そして、データ処理部31により生成された被検体の画像を、表示部33が表示面に表示する。
以上のように、本実施形態においては、第1のトラジェクトリ順序P1で磁気共鳴信号を得る第1スキャンと、第1のトラジェクトリ順序P1に対して逆の第2のトラジェクトリ順序P2で磁気共鳴信号を得る第2スキャンとを、互いが交互になるように、スキャン部2が繰り返し時間ごとに順次実施する。そして、実施形態1と同様にして、データ処理部31が被検体の画像を生成する。このように、本実施形態では、互いに逆になるトラジェクトリ順序で磁気共鳴信号を得る第1スキャンと第2スキャンとを繰り返し時間TRごとに交互に実施しているために、第1スキャンの実施と第2スキャンの実施との間の時間差が小さく、それぞれにおいて得られる磁気共鳴信号が同様なT2減衰の影響を受けているために、より効果的にT2減衰の影響を抑制することができる。したがって、本実施形態は、位相エンコード方向の勾配が不安定な場合であっても、ボケた画像が生成されることを防止することができ、画像品質を向上させることができる。
なお、上記の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、本発明の磁気共鳴イメージング装置に相当する。また、上記の実施形態のスキャン部2は、本発明のスキャン部に相当する。また、上記の実施形態のデータ処理部31は、本発明の画像生成部に相当する。
また、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例を採用することができる。
たとえば、上記の実施形態においては、第1のトラジェクトリ順序P1で磁気共鳴信号を得る第1スキャンと、第1のトラジェクトリ順序P1に対して逆の第2のトラジェクトリ順序P2で磁気共鳴信号を得る第2スキャンとを、図2と図5とに示すようなサンプリングの順序で実施する場合について示したが、これに限定されない。たとえば、各ブレードbの位置に応じて、第1スキャンと第2スキャンとをランダムなサンプリング順序で実施して磁気共鳴信号を得てもよい。
図1は、本発明にかかる実施形態1において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。 図2は、本発明にかかる実施形態1において、スキャン部2がk空間ksにて磁気共鳴信号をサンプリングする動作を示す図である。 図3は、本発明にかかる実施形態1において、スキャン部2により実施される第1スキャンのパルスシーケンス図である。 図4は、本発明にかかる実施形態1において、第1スキャンによって各トラジェクトリtjに対応して得られる磁気共鳴信号S1の強度と、第2スキャンによって各トラジェクトリtjに対応して得られる磁気共鳴信号S2の強度との推移を示す図である。 図5は、本発明にかかる実施形態2において、スキャン部2がk空間ksにて磁気共鳴信号をサンプリングする動作を示す図である。
符号の説明
1:磁気共鳴イメージング装置(磁気共鳴イメージング装置)
2:スキャン部(スキャン部)、
3:操作コンソール部
12:静磁場マグネット部、
13:勾配コイル部、
14:RFコイル部、
22:RF駆動部、
23:勾配駆動部、
24:データ収集部、
25:制御部、
26:クレードル、
31:データ処理部(画像生成部)、
32:操作部、
33:表示部、
B:撮像空間

Claims (3)

  1. PROPELLER MRイメージング法によって、静磁場空間内の被検体からの磁気共鳴信号を得るスキャンを実施し、前記スキャンの実施により得られる前記磁気共鳴信号に基づいて前記被検体の画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、
    k空間のブレードにおいて複数のトラジェクトリに対応する磁気共鳴信号を第1のトラジェクトリ順序で繰り返し時間内に得る第1スキャンと、前記第1のトラジェクトリ順序と逆の第2のトラジェクトリ順序で前記複数のトラジェクトリに対応する磁気共鳴信号を繰り返し時間内に得る第2スキャンとを前記スキャンとして前記PROPELLER MRイメージング法に基づいて前記繰り返し時間で順次繰り返して実施するスキャン部と、
    前記第1スキャンにより得られた前記磁気共鳴信号と、前記第2スキャンにより得られた前記磁気共鳴信号とを互いに対応するように加算して加算データを生成した後に、前記生成した加算データに基づいて、前記被検体の画像を生成する画像生成部と
    を有する
    磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記スキャン部は、前記第1スキャンを前記k空間に対応するように実施した後に、前記第2スキャンを前記k空間に対応するように実施する
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記スキャン部は、前記第1スキャンと前記第2スキャンとを前記繰り返し時間ごとに交互に前記k空間に対応するように順次実施する
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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