JP2006304145A - 高周波モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】ベアSAWチップを他の電子部品とともにモジュール基板に実装するにあたり、実装面積の縮小や低背化を実現する。
【解決手段】 励振電極4と、入出力電極7Aと、それらを取り囲む接地電極9Aとが主面に形成されたベアSAWチップ1の主面を、モジュール基板8の電極形成面と対面させ、入出力電極7Aおよび接地電極9Aと、モジュール基板8の表面に形成された電極(入出力電極7B、接地電極9B)とを導電性接着剤3で接続して励振電極4のまわりに密閉空間5を形成する。モジュール基板8に他の電子部品を搭載および/または受動回路を一体に形成する。その際SAWチップ1をガラス転移温度が20〜80℃で、ガラス転移温度以下の温度における線膨張係数が8〜20×10−6/℃で、200℃1時間の熱処理による重量減少が0.2%以下である熱硬化性樹脂からなる封止材6で気密封止した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話、移動体通信、無線通信等に適用される小型化、低背化が可能な高周波モジュールに関する。
携帯電話、無線LANの市場は右肩上がりの成長が想定されており、第3世代の携帯電話の生産数は、急激に増加している。携帯電話の機能は第3世代に進歩するに従って、カメラ内蔵、テレビの受信、他の無線通信(ブルーツース、赤外線通信、無線LAN)との併用化も進んでおり、高周波回路の占有面積は年々減少している。その為、携帯電話の部品は小形軽量化、複合化がめざましく、個々の性能をアップしつつ、部品点数の削減、低消費電力化への要求に対応する必要がある。
このような要求を実現するため、チップセットの集積化、性能向上が進んでおり、同様に周辺の高周波部品も集積化した高周波モジュールが提案されている。
携帯電話等の移動体通信機器に用いられる高周波部品のうち、弾性表面波(SAW)フィルタ等の場合は、励振電極に水分、塵埃等の異物が付着しないようにかつ弾性表面波(SAW)の伝搬を妨げないように中空状態で気密封止する必要がある。
そのため、従来は図5に示すように、所定のベアSAWチップ31を励振電極32が上面になるようにパッケージ33内に収納し、ワイヤ34によって、パッケージ33の配線層35と接続し、蓋体36を接合して気密に封止した構造が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、ワイヤ34を用いて接続するとワイヤ34によって気密空間を高く形成する必要があるために、パッケージの低背化には限界があった。
また、図6のように、ベアSAWチップ31の励振電極32を下面になるように配置し、半田37によってパッケージ33表面の配線層35と接続する、いわゆるフェースダウンボンディングすることも提案されている(特許文献2参照)。かかる構造は、図5よりも低背化を図ることはできるが、蓋体36を用いる以上、蓋体36の厚みを解消できなかった。しかも、蓋体36を用いる場合、蓋体36のコストや高気密な接合工程が不可欠になるためにコストが高くなるなどの問題があった。
これらのパッケージ構造に対して、図7に示すように、パッケージ化することなく、ベアSAWチップ31の励振電極32が下面になるように配置して誘電体基板37表面の配線層38、38に直接実装した弾性表面波装置が提案されている(特許文献3参照)。かかる構造によれば、励振電極32および入出力電極40の周囲に接地電極41を配置し、半田42によって基板表面の配線層38にそれぞれ接続することによって、励振電極接続部、入出力電極接続部を基板37表面とベアSAWチップ31および接地電極41接続部で囲まれた気密空間43内に封止するようになっている。またさらに、基板表面に実装されたベアSAWチップを保護するために、図7に示すような封止材39で封止した構造も提案されている(特許文献4参照)。
特開2002−118487号公報 特開2002−76832号公報 特開2002−196400号公報 特開2003−168942号公報
しかしながら、高周波モジュールのように、1つの誘電体基板37表面に、ベアSAWチップ31とともに、コンデンサなどの電子部品や、半導体素子などの他の部品を半田実装した構造の場合、この高周波モジュールをマザーボードに半田などによって2次実装した時に、ベアSAWチップ31の入出力電極40と誘電体基板37の配線層38、およびベアSAWチップ31の接地電極41と誘電体基板37の配線層38とを接合する半田42が再溶融し、溶融した半田42が、矢印に示すように移動する結果、ベアSAWチップ31における気密空間43の気密破壊、入出力電極40と接地電極41の接続部が半田によって短絡するなどの問題があった。
この現象は、入出力電極40接続部、接地電極41接続部の半田42が再溶融する(固相から液相に変化する)際、半田の体積が膨張することと、樹脂の膨張圧力や、樹脂からの水分の気化、脱ガスによって生じた圧力差がベアSAWチップ31の内側に作用するため、半田42が内側に流れ込むことにより、生じるものである。
この問題への対策手段として、入出力電極接続部、接地電極接続部の半田42が再溶融しない融点の高い材質とするか、溶融しても気密空間43側に流れ込まないように、入出力電極接続部と、接地電極接続部との間にダム材を設けることも考えられる。しかしながら、融点の高い半田材質を用いてベアSAWチップ32を実装すると、接続部に脆弱な半田合金層ができるため、温度サイクルによって接続部が破損し、気密性を保証することが困難となる。また、ダム材などの異種材料を付加することによって、製造工程の増加とコストの上昇を招くなどの問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ベアSAWチップを他の電子部品とともにモジュール基板に実装するに際し、実装面積の縮小や低背化を実現可能とした高信頼性の高周波モジュールを提供することを目的とする。
本発明の高周波モジュールは、励振電極と、入出力電極と、前記励振電極および前記入出力電極を取り囲む接地電極とが主面に形成されたベアSAWチップの前記主面を、モジュール基板の電極形成面と対面させ、前記ベアSAWチップの前記入出力電極および前記接地電極と、前記モジュール基板の前記電極形成面に形成された電極とを導電性接着剤で接続して前記励振電極のまわりに密閉空間を形成するとともに、前記モジュール基板に他の電子部品を搭載および/または受動回路を形成してなる高周波モジュールであって、少なくとも前記ベアSAWチップを、ガラス転移温度が20〜80℃、ガラス転移温度以下の温度における線膨張係数が8〜20×10−6/℃、−20℃における曲げ弾性率が5〜20GPa、120℃における曲げ弾性率が0.05〜0.30GPa、200℃1時間の熱処理による重量減少が0.2%以下である熱硬化性樹脂からなる封止材で気密封止したことを特徴とするものである。
ここで、前記他の電子部品は、チップコンデンサ、インダクタ、抵抗等の表面実装部品、または、パワーアンプ、スイッチ、パワーコントロール、検波、電源コントロール等の機能を有する電気素子の群から選ばれる少なくとも1つであるのが好ましく、前記受動回路が、分波回路、合波回路、カプラ、バラン、フィルタの少なくとも1つを具備するのが好ましい。
なお、前記封止材は、前記モジュール基板に搭載された前記他の電子部品および前記モジュール基板に形成された受動回路をも気密封止してもよい。
本発明の高周波モジュールによれば、ベアSAWチップをモジュール基板にフェースダウンボンディングするにあたり、少なくとも前記ベアSAWチップをガラス転移温度が20〜80℃で、ガラス転移温度以下の線膨張係数が8〜20×10−6/℃で、200℃1時間の熱処理による重量減少が0.2%以下である熱硬化性樹脂からなる封止材で気密封止することによって、高周波モジュールを2次実装、あるいはベアSAWチップ実装後に他の電子部品を半田実装する場合において、入出力電極接続部、接地電極接続部の半田が再溶融したとしても、この時の温度条件下では封止材の剛性が低いために、溶融膨張圧力は、気密空間側のみならず、封止材側に拡散することができる。したがって、半田が気密空間側に流れることを防止することができ、気密封止性を高めるとともに、短絡、断線などの発生を防止することができる。
以下、本発明に係るベアSAWチップの実装封止構造並びに高周波モジュールの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は、ベアSAWチップをモジュール基板表面にフェースダウンボンディングした実装構造の概略断面図である。図1(b)は、ベアSAWチップの表面パターンの導体パターンを示す平面図である。また、図1(c)は、図1(b)のベアSAWチップを実装するモジュール基板側の導体パターンを示す平面図である。
本発明の高周波モジュールは、図1に示すように、励振電極4と、入出力電極7Aと、励振電極4および入出力電極7Aを取り囲む接地電極9Aとが主面に形成されたベアSAWチップ1の前記主面を、モジュール基板8の電極形成面と対面させ、ベアSAWチップ1の入出力電極7Aおよび接地電極9Aと、モジュール基板8の電極形成面に形成された電極(入出力電極7B、接地電極9B)とを導電性接着剤3で接続して励振電極4のまわりに密閉空間5を形成するとともに、モジュール基板8に他の電子部品を搭載および/または受動回路を形成してなる高周波モジュールであって、少なくともベアSAWチップ1をガラス転移温度が20〜80℃で、ガラス転移温度以下の温度における線膨張係数が8〜20×10−6/℃で、200℃1時間の熱処理による重量減少が0.2%以下である熱硬化性樹脂からなる封止材6で気密封止したことを特徴とするものである。
弾性表面波フィルタを構成するベアSAWチップ1は、例えばタンタル酸リチウム単結晶、ランタン−ガリウム−ニオブ系単結晶、四ホウ酸リチウム単結晶等の圧電性の単結晶から成る基板2表面に、複数個の励振電極4がラダー型に接続されて設けられている。具体的には、櫛形電極の両側に反射電極を設けた構造で、この構造により弾性表面波の振動エネルギーが閉じ込められ,共振器として作用するものである。そして、かかる複数個の励振電極4が接続されてなる端部に入出力電極7Aが設けられ、さらにこれらの励振電極4および入出力電極7Aの周囲に、接地電極9Aが設けられて構成される。
励振電極4、入出力電極7A、接地電極9Aは、例えば銅、アルミニウム、金等を主成分とする金属等で形成され、これらの電極の表面には、必要に応じて、シリコンや酸化シリコン等の半導電性もしくは絶縁性の保護膜が形成される。
一方、モジュール基板8の表面には、ベアSAWチップ1の入出力電極7Aと対向する部分に入出力電極7Bが、また、接地電極9Aと対向する部分に接地電極9Bが被着形成されている。これら入出力電極7A、接地電極9Bは、銀、銅、金等の金属で形成される。
そして、ベアSAWチップ1は、モジュール基板8の表面に載置され、半田、導電性樹脂などの導電性接着剤3によって電気的に接続される。
かかる接続構造によれば、ベアSAWチップ1の励振電極4は、ベアSAWチップ1の基板2、モジュール基板8、接地電極9接続部の導電性接着剤3によって形成された密閉空間5内に封止される。かかる構造によれば、大きな体積を取らずにベアSAWチップ1を封止することができ、低背化が可能となる。
図2は、携帯電話のフロントエンドジュールのブロック回路図の一例であり、このブロック図は米国のセルラーバンドとPCSバンドからなるCDMA端末を想定したものであるが、IMT−2000のW−CDMAや、欧州のGSM、DCS端末、2.4GHzのブルーツース、W−LANなどのフロントエンドであっても構わない。
この図2におけるブロック図中の送信フィルタおよび受信フィルタ、デュプレクサをベアSAWチップによって形成することができ、図1に示したようなベアSAWチップ1の実装構造によって高周波モジュールが構成される。
図3は、図2のブロック回路を搭載したフロントエンドモジュールの平面図であり、図4は図3のx−x線の概略断面図である。
かかる高周波モジュールにおいては、送信フィルタおよび受信フィルタ、デュプレクサが、ベアSAWチップ1によって形成され、図1に示された実装構造によって、モジュール基板18表面に実装されている。
また、モジュール基板8の表面には、チップコンデンサ13や、チップインダクタ14、抵抗(図示しない)などの表面実装部品が半田実装されている。さらには、電気素子としての半導体チップ(パワーアンプIC)11がワイヤ12によってモジュール基板8表面に実装されている。また、モジュール基板8表面や内部には、受動回路が形成されており、場合によっては、整合回路パターンなどの高周波回路パターン10なども導体材料によって被着形成される。さらに、モジュール基板8内部には、半導体素子11から発生した熱を放熱するためのサーマルビア15やカプラ16が形成されている。また必要に応じて、コンデンサやインダクタ、整合回路なども内蔵される。なお、電気素子としては上記の他、スイッチ、パワーコントロール、検波、電源コントロール等の機能を有するものが実装され、受動回路としては分波回路、合波回路、バラン、フィルタ等が形成されてもよい。
これらベアSAWチップ1、半導体チップ11、表面実装部品13、14等は封止材6によってすべて封止されている。本発明の高周波モジュールは、かかる構造にて携帯用電話機、通信端末用カードなどの小形の携帯用電子機器などに組み込まれる。
本発明によれば、封止材6は熱硬化性樹脂からなるが、この熱硬化性樹脂のガラス転移温度が20〜80℃であること、ガラス転移温度以下の温度における封止材6の線膨張係数が8〜20×10−6/℃であることが必要である。これは、ガラス転移温度が80℃以上になると、封止材6とモジュール基板8間に発生する応力が大きくなる為、モジュール基板8の破損、封止材6の剥離が発生しやすくなり、ベアSAWチップ1の気密性を破壊する可能性が高くなるからであり、また封止材6のガラス転移温度が20℃未満になると、常温において樹脂の曲げ弾性率、線膨張係数が急激に変動するため、モジュール基板8との密着性が低下し、封止材6の剥離が発生しやすいからである。
封止材6の線膨張係数が20×10−6/℃以上になると、モジュール基板8との密着性が低下し封止材6の剥離が発生しやすく、モジュール基板8をマザーボードに2次実装して温度サイクル試験を行った場合、半田接続部で疲労破壊が発生しやすいため、信頼性に問題がある。また封止材6の線膨張係数を8×10−6/℃以下にすると、ベアSAWチップ1と封止材6との線膨張係数差が大きくなる為(例えばベアSAWチップ1が後述の実施例のようにタンタル酸リチウム単結晶の42°Yカットの場合、線膨張係数は14〜16×10−6/℃)、モジュール基板8とベアSAWチップ1を接続した接続部で疲労破壊(クラック)が発生し、ベアSAWチップ1の気密性を破壊するからである。
また、封止材6の曲げ弾性率が−20℃で5〜20GPa、120℃で0.05〜0.30GPaであることが必要である。封止材6の曲げ弾性率が上記特性を具備することによって、高周波モジュールをマザーボード(図示省略)に2次実装する場合などにおいて、チップ部品の半田接続部が再溶融しても端子間で短絡を生じることがなくなるのである。封止材6の−20℃での曲げ弾性率が20GPaよりも大きいと、ワイヤボンディングへの負荷が大きくなり断線原因となり、5GPaよりも小さいと封止材の形状維持が困難であるため、封止材表面に記載した製品の認識マーク、製品番号の記載が困難となる。また、120℃の曲げ弾性率が0.05GPaよりも小さいと2次実装時の半田リフロー時に、封止材表面に記載した製品の認識マーク、製品番号が樹脂の流れによって認識することが困難となり、0.3GPaよりも大きいと半田の熱膨張による応力を樹脂が吸収することができず、リフロー加熱を繰り返すたびに、溶融した半田がベアSAWチップ、チップ部品と基板との間の隙間に浸入し、短絡や気密性の破壊が生じてしまう。
さらに、封止材1は、熱硬化性樹脂させて作製した後、大気雰囲気下で200℃1時間の熱処理を行ったときの、重量減少が0.2%以下であることが必要である。これにより、封止材から発生するアウターガスや水分の気化によって、樹脂内部の圧力が、SAWの気密空間よりも急激に増加する現象を抑制することができ、再溶融した半田が気密空間に移動することを抑制することができる。
このような封止材の材質としては、例えばシリカ等のフィラー量が60%以上含まれるエポキシ樹脂などが挙げられる。
上記封止材6のガラス転移温度、線膨張係数は、熱硬化性樹脂の種類や分子量によって制御され、また、熱硬化性樹脂に対して無機フィラーを添加含有せしめることによっても制御することができる。なお、無機フィラーの添加によって封止材の熱伝導率を高めることもできる。これによって半導体素子等から発生する熱を放散させ熱抵抗を低減できる。
なお、モジュール基板の線膨張係数は8〜18×10−6/℃であることが好ましい。モジュール基板の線膨張係数が8×10−6/℃よりも小さい、または18×10−6/℃を超えると、ベアSAWチップとモジュール基板との線膨張係数差が大きくなり、励振電極を取り囲む接地電極と入出力電極の接続部で疲労破壊(クラック)が起こりやすくなるため、信頼性の低下につながる。
本発明によれば、上記の封止材6によって、少なくともベアSAWチップ1を封止すればよいが、図4に示すように、モジュール基板8表面に形成されたその他のコンデンサ、抵抗部品などの電子部品13、14、半導体素子11をこの封止材6によって一括に封止することによって、各部品のモジュール基板8との接続部と、ベアSAWチップ1の気密封止の信頼性を大幅に向上させることができる。
図1の例では、ベアSAWチップ1における励振電極として、ラダー型回路共振器電極を用いたもので説明したが、共振器型や伝搬型のフィルタやフィルタ以外のデュプレクサ等の弾性表面波装置についても、封止が必要な励振電極を有するものであれば、本発明を適用することができる。
また、前記実施の形態では、高周波モジュールが、フロントエンドモジュールの場合を説明したが、高周波モジュールとしては、半田実装される表面実装部品とベアSAWチップを備え、かつ表面実装部品が封止材によって封止される構造のものであれば、他の半導体装置であってもよい。
また、表面実装部品は、チップ部品や半導体チップに限定されずに、FBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)やMEMSのスイッチ、光半導体素子等のチップ等であっても構わない。
次に、本発明に係る高周波モジュールを作製した実施例について説明する。
0.95モルMgTiO−0.05モルCaTiOで表される主成分100質量部に対して、BをB換算で10質量部、LiをLiCO換算で5質量部添加したセラミック粉末組成物を用いてスラリーを調製し、ドクターブレード法によって厚さ100μmのグリーンシート形成した。
そして、このグリーンシートの表面に、Agペーストを用いて厚さ20μmの導体パターンをスクリーン印刷法によって形成した。また、必要に応じて、直径が200ミクロンのスルーホールを形成し、上記のAgペーストを充填してスルーホール導体を形成した。その後、このグリーンシートを積層後、大気中で300℃、4時間脱バインダ処理をした後、900℃大気中で6時間焼成を行い、線膨張係数が8.5×10−6/℃のモジュール基板を作製した。
次に圧電基板(タンタル酸リチウム単結晶の42°Yカット、線膨張係数14〜16×10−6/℃)上にAl−Cu(2重量%)合金から成る電極を成膜した。その後、レジスト塗布、パターンニング、剥離を繰り返し、励振電極、入出力電極と接地電極、保護膜を形成し、ベアSAWチップを作製した。
完成したベアSAWチップは、モジュール基板に図1に従い、フェースダウン実装した。この実装には、接地電極及び入出力電極に、高温半田をスクリーン印刷法にて塗布し、リフローにて実装を行った。上記ベアSAWチップの実装構造によれば、励振電極の周囲を接地電極で取り囲こむようにしており、樹脂封止前の段階で気密性を確保することができた。またベアSAWチップ同時にコンデンサチップなどのチップ部品の実装を行い、リフローにて半田を固着させた。最後に銀ペーストにて半導体チップを接着した後、金線を用いてワイヤボンディングした。
上記の方法によって、各種表面実装部品、半導体チップ、ベアSAWチップを搭載した高周波モジュールを得た。
次に、エポキシ樹脂に対してフィラーとしてシリカを添加し、特性の異なる封止材(A〜Dは本発明範囲内、E〜Iは本発明範囲外)を用意した。ここで、封止材の曲げ弾性率は、DMAにて、ガラス転移温度とガラス転移温度以下の温度における線膨張係数は、TMAにて測定した。
高周波モジュール領域が48個形成されたガラスセラミックス基板にメタルマスクとスキージとを使用して前記の封止材によって複数のモジュール領域11aを一括で覆うように印刷方式で塗布して一括封止した。さらに、印刷方式によって形成された封止材をベーク処理して硬化させた。その後、ダイシング装置を用いて80個の高周波モジュール領域を分割し、高周波モジュールを個片化した。
その後、この封止した高周波モジュールを温度30℃、湿度60%の雰囲気下で168時間吸湿処理した後、リフロー加熱(ピーク温度260℃)を3回繰り返した。その後、外観検査により疲労破壊(クラック)の有無を、電気導通検査によりショートの有無を、モジュールの電気特性を評価し、フィルタの気密性とパワーアンプの気密性を確認した。ショートやクラック、気密性の不良等の不良モードがみられなかったものを「○」、みられたものを「×」と判定した。また、それぞれの不良モードの発生率(%)を表1の吸湿処理後のリフロー評価の欄に示す。
Figure 2006304145
表1にみられるように、本発明実施例のものはいずれもショート及びクラックの発生率が0%であって、不良モードがみられないことが確認された。
これに対し、封止材のガラス転移温度、線膨張係数や曲げ弾性率が本発明の範囲から逸脱する試料はいずれも半田の熱膨張による応力を十分に吸収することができず、短絡や界面剥離、気密性低下が観察された。
本発明のベアSAWチップの実装形態を示す概略断面図(a)、ベアSAWチップの表面パターン(b)とモジュール基板の表面パターン(c)である。 本発明の高周波モジュールの代表的なブロック回路図である。 本発明の高周波モジュールの一例を示す概略平面図である。 図3の高周波モジュールのx−x線の概略断面図である。 従来のベアSAWチップのパッケージを示す概略断面図である。 従来の他のベアSAWチップのパッケージを示す概略断面図である。 従来のさらに他のベアSAWチップのパッケージを示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・・・ベアSAWチップ
3・・・・・半田
4・・・・・励振電極
5・・・・・気密空間
6・・・・・封止材
7A,7B・・入出力電極
8・・・・・モジュール基板
9A,9B・・・接地電極
11・・・・・半導体チップ
13,14・・表面実装部品
15・・・・・サーマルビア
16・・・・・カプラ

Claims (4)

  1. 励振電極と、入出力電極と、前記励振電極および前記入出力電極を取り囲む接地電極とが主面に形成されたベアSAWチップの前記主面を、モジュール基板の電極形成面と対面させ、前記ベアSAWチップの前記入出力電極および前記接地電極と、前記モジュール基板の前記電極形成面に形成された電極とを導電性接着剤で接続して前記励振電極のまわりに密閉空間を形成するとともに、前記モジュール基板に他の電子部品を搭載および/または受動回路を形成してなる高周波モジュールであって、
    少なくとも前記ベアSAWチップを、ガラス転移温度が20〜80℃、ガラス転移温度以下の温度における線膨張係数が8〜20×10−6/℃、−20℃における曲げ弾性率が5〜20GPa、120℃における曲げ弾性率が0.05〜0.30GPa、200℃1時間の熱処理による重量減少が0.2%以下である熱硬化性樹脂からなる封止材で気密封止したことを特徴とする高周波モジュール。
  2. 前記他の電子部品は、チップコンデンサ、インダクタ、抵抗等の表面実装部品、または、パワーアンプ、スイッチ、パワーコントロール、検波、電源コントロール等の機能を有する電気素子の群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール。
  3. 前記受動回路が、分波回路、合波回路、カプラ、バラン、フィルタの少なくとも1つを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高周波モジュール。
  4. 前記封止材が、前記モジュール基板に搭載された前記他の電子部品および前記モジュール基板に形成された受動回路をも気密封止したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高周波モジュール。
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