JP2006303272A - 半導体装置、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オン抵抗の増大を抑えつつ、微細化可能な炭化珪素電界効果型トランジスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板4上にゲート絶縁膜11を介してゲート電極10を形成する。そして、ソース領域5とウェル領域14を半導体装置内側から外側に向かって徐々に深さが深くなるように階段状に形成する。ウェル領域14間に挟まれた領域であるJFET領域が基板深さ方向に対して徐々に広がる構造となっているので、高耐圧特性を維持したまま、素子の微細化に伴うオン抵抗の増加を抑えることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体装置、及びその製造方法に関する。
次世代の高耐圧低損失スイッチング素子として、縦型高耐圧炭化珪素(SiC)電界効果型トランジスタ(素子)が期待されている。
炭化珪素電界効果型トランジスタは、例えば特許文献1に示されているように、炭化珪素基板上に存在するドリフト層の表面近傍に、一対のウェル領域とソース領域、及び一対のウェル領域に挟まれたJFET領域を備えている。これらのウェル領域やソース領域は写真製版技術とイオン注入技術により形成されている。
そして、炭化珪素電界効果型トランジスタを高性能化する方法として、微細化(セルピッチの縮小化)が挙げられる。これは、写真製版技術の合わせ精度の進展によるところが大きいが、簡便な製造方法でさらに微細な寸法を実現する自己整合的な製造方法が、例えば特許文献2や非特許文献1に示されている。
特開2003−243653号公報 特許第3206727号 M.Matin,A.Saha,and J.A.Cooper,Jr.,"A Self−Aligned Process for High−Voltage, Short−Channel Vertical DMOSFETs in 4H−SiC",IEEE Trans.Electron Devices,Vol.51(10),pp.1721−1725,(2004).
しかしながら、炭化珪素電界効果型トランジスタを微細化するには、同時に、JFET長(ゲート電極下の一対のウェル領域間隔)も縮小化することが望ましい。
そして、JFET長を縮小化すると、元々抵抗率の高いJFET領域も縮小するため、JFET領域での抵抗が増大し、素子のオン抵抗が増大する。
オン抵抗が増大すると、オン動作時のドレイン電流が減少し、性能向上を果たすことができない。
以上説明したように、素子の微細化により高性能化を図ろうとすると、JFET領域が狭くなり、性能向上を阻むという問題がある。
そこで本発明の目的は、オン抵抗の増大を抑えつつ、微細化可能な炭化珪素電界効果型トランジスタ及びその製造方法を提供することである。
請求項1に記載の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の表層部にJFET領域を挟んで形成された一対のウェル領域と、各前記ウェル領域の表層部に形成されたソース領域と、前記JFET領域とその両側の前記ウェル領域及び前記ソース領域とに重なるように前記半導体基板上に形成されたゲート構造と、を備える半導体装置であって、前記ウェル領域及び前記ソース領域は、前記JFET領域側の端部が階段状に形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の半導体装置によれば、JFET領域を挟んで形成された一対のウェル領域において、その前記JFET領域側の端部が階段状に形成されている。そのため、微細化によって、ゲート電極下の一対のウェル領域間隔であるJFET長が短くなっても、一対のウェル領域に挟まれた半導体基板の領域であるJFET領域を基板深さ方向に対して徐々に広がる構造にできる。その結果、JFET領域の抵抗の増加を低減しつつ、半導体装置を微細化できる。
<実施の形態1>
<A.構成>
図1は、本実施の形態に係る縦型炭化珪素電界効果型トランジスタ(半導体装置)の主要部の構成を示す断面図である。
炭化珪素半導体基板(以下、単に「半導体基板」と称する場合がある。)4の表層部にJFET領域を挟んで、一対の第2導電型のウェル領域14が対向して形成されている。そして、各ウェル領域14内の表層部には、ソース領域5が形成されている。
ウェル層14は、半導体装置の内部から外部に向かって、半導体基板表面からの深さが深くなるように、階段状に形成されている。図1の例では、ウェル領域14は、3段階の深さで形成されている。
ウェル領域14は、第1ウェル領域(ウェル領域14の第1領域)6と第2ウェル領域(ウェル領域14の第1領域よりも浅い第2領域)7から構成されている。そして第2ウェル領域7は、最も内側に配置され、ウェル領域14の最も浅い段を形成している。そして、第1ウェル領域6は、2段の階段状に形成されている。
ソース領域5は、半導体装置の内部から外部に向かって、半導体基板表面からの深さが深くなるように、階段状に形成されている。図10の例では2段の階段状に形成されている。
半導体基板4上に、JFET領域とその両側のソース領域5及び第2ウェル領域7とに重なるようにゲート構造が形成されている。
ゲート構造は、ゲート絶縁膜11と、ゲート絶縁膜11上に形成されたゲート電極10により構成されている。
本実施の形態に係る電界効果型トランジスタの動作時には、ゲート絶縁膜11下の第2ウェル領域7の表層部にチャネルが形成される。
<B.製造方法>
次に図2から図5を参照して、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
まず、エピタキシャル結晶成長法などにより、第1導電型の炭化珪素からなるドリフト層が形成された第1導電型の炭化珪素半導体基板4を用意する。
なお、ドリフト層の厚さは5〜50μmあればよく、不純物濃度としては、1×1015 〜 1×1018 cm-3あればよい。こうすることで、数100V〜3kV以上の耐圧を持つ縦型電界効果型トランジスタが実現できる。
炭化珪素半導体基板4としては、n型の導電性を示すことが望ましく、また、その面方位やポリタイプはいかなるものでも構わない。
また、炭化珪素半導体基板4中に存在するドリフト層の下に位置する基板裏面側は、不純物濃度が1×1018cm-3以上にドーピングされていることが望ましい。
次に、以下の工程にしたがって階段状のマスクを形成する。
まず、炭化珪素半導体基板4上に化学的気相成長法などによりダミー膜(図示せず)を堆積する。
続いて、写真製版技術及びエッチング技術を用いてダミー膜をエッチングしてダミーゲート(第1マスク)1を形成する。
ここで、ダミー膜としては多結晶珪素もしくは非晶質珪素を用いることが望ましい。多結晶珪素もしくは非晶質珪素を用いることで、以降の工程でダミーゲート1を酸化することで自己整合的にチャネル長を変化させることが可能になる。
また、ダミー膜の厚さは1〜2μm程度あることが望ましい。これは、以下の工程で行う不純物のイオン注入において、ダミーゲート1の直下には不純物が注入されない、もしくは注入されても作製される電界効果型トランジスタの電気特性に影響を与えないほど微量であるようにするためである。
さらに、ダミーゲート1の横方向の幅は作製される電界効果型トランジスタのJFET長(ゲート電極下にあり、かつ一対のウェル領域で挟まれたドリフト層領域の横方向の距離)程度としておくことが望ましい。これは、ダミーゲート1の幅によって、JFET長がほぼ決定されるためである。
さらにまた、ダミー膜として用いる多結晶珪素もしくは非晶質珪素には、リンやホウ素などの不純物が混入していてもよい。
そして、ダミーゲート1のパターニングには、酸化珪素(SiO2)からなるハードマスク12を用いて行うことが望ましい。
具体的には、ダミー膜を堆積後に、ハードマスク12となる酸化珪素を堆積する。そして、写真製版技術及びエッチング技術によってハードマスク12のパターニングとダミーゲート1のパターニングを行う。なお、ハードマスク12はダミー膜の熱酸化により形成しても良い。
ハードマスク12の膜厚は50〜500nm程度あればよい。このようにすることで、以降の工程における湿式エッチングでの選択性を維持できる。
また、ダミー膜の堆積前に化学的気相成長法や熱酸化法などにより、炭化珪素半導体基板4上に酸化珪素を形成しておいてもよい。酸化珪素を形成しておくと、反応性エッチングにおける選択比を大きくすることができる。すなわち、酸化珪素とダミー膜のエッチング速度が大きく異なるようにエッチング条件を選択することができる。
より具体的には、ダミー膜で速く、酸化珪素で遅いエッチング条件を選択することで、近似的にダミー膜のみを所望の形状に加工できる。この酸化珪素の膜厚は10nm程度あればよい。
次に、ダミーゲート1の形成後、ダミー層間膜2を堆積する。ダミー層間膜2としては酸化珪素が望ましく、かつ化学的気相成長法によって形成されていることが望ましい。これは、容易に堆積、エッチングができる一方、ダミーゲート1の外周及び炭化珪素半導体基板4の表面に均一な膜厚で堆積できるためである。
また、ダミー層間膜2の厚さとしては、以降の工程で形成されるソース領域5の深さよりも薄くしておくことが望ましい。このようにすることで、ダミー層間膜2越しに不純物をイオン注入してもその直下の炭化珪素基板4内に不純物を注入することができる。具体的には、10〜400nmあればよい。
次に、ダミー層間膜2堆積後、ダミー膜(図示せず)をさらに化学的気相成長法などにより堆積し、反応性イオンエッチングを行うことで第1ダミーサイドウォール3を形成する(図2参照)。
ここで、第1ダミーサイドウォール3は多結晶珪素や非晶質珪素、窒化珪素など、ダミー層間膜2とハードマスク12の両方に対して湿式エッチング時の選択比が大きく取れるものであることが望ましい。
また、第1ダミーサイドウォール3の幅は、10〜500nmあればよい。この幅は、以降の工程で形成されるソース領域5の初段の段差部、及び第1ウェル領域6の第2番目の段差部の横方向長さになり、素子設計に依存する。
次に、図3に示すように、第1ダミーサイドウォール3をマスクとしてダミー層間膜2をエッチングする。
エッチングには、反応性イオンエッチングなどの異方性気相エッチング法を用いる。そうすることで、第1ダミーサイドウォール3の幅に対応したパターニングが行える。また、このエッチング時にハードマスク12が多少なりともエッチングされても、10nm程度以上の膜厚で残っていれば問題ない。
次に、図4に示すように、第1ダミーサイドウォール3を湿式エッチングにより除去する。このようにすることで、L字型にパターニングされたダミー層間膜2が表面に現れる。そうして階段状のマスクを半導体基板4上に形成することができる。
すなわち、ダミーゲート1の側壁に、段差を有するダミー層間膜2を形成することにより、ダミーゲート1及びダミー層間膜2からなる第2マスクが形成される。
続いて、ダミーゲート1とハードマスク12とダミー層間膜2をマスクとして不純物を連続的にイオン注入する。そうして、ソース領域5と第1ウェル領域(ウェル領域14の第1領域)6を形成する。ソース領域5には第1導電型の不純物を、第2導電型の第1ウェル領域6には第2導電型の不純物を注入する。
ダミー層間膜2がL字型にパターニングされており、かつ、この構造に対して不純物をイオン注入するため、第1導電型の炭化珪素半導体基板4中には基板横方向にステップ状の段差分布を持つ第1導電型のソース領域5、及び第2導電型の第1ウェル領域6が作製される(図4参照)。
第1導電型の不純物としては例えばリンや窒素が、第2導電型の不純物としては例えばボロンやアルミニューム(Al)が挙げられるが、その逆の組み合わせでもよい。
ここで、第2導電型の第1ウェル領域6の深さは、ドリフト層の厚さを超えないようにし、例えば0.1〜1μmあればよい。また、第1ウェル領域6中の第2導電型の不純物の不純物濃度は、ドリフト層中の第1導電型の不純物の不純物濃度を超えるようにし、例えば1×1017〜1×1019cm-3あればよい。
ソース領域5の深さは、第1ウェル領域6の深さを超えないようにし、その深さは例えば10nm〜0.5μmあればよい。また、第1導電型のソース領域5中の第1導電型の不純物濃度は、第2導電型の第1ウェル領域6の不純物濃度を超えるようにし、例えば1×1018〜1×1021cm-3あればよい。
ここで、素子の主要部については、上記の製造方法によって自己整合的に段差分布を持つソース領域5と第1ウェル領域6が形成される。しかし、高耐圧化や高電界終端のために、第1導電型領域のフィールドストッパーや、第2導電型領域のJTE(Junction Termination Extension)等が素子外周部に形成される場合がある。
そのような場合には、素子外周部のフィールドストッパー等を形成するためのレジストマスクを別の工程で形成して不純物を注入してもよい。また、ソース領域5や第1ウェル領域6の形成工程と同時に、フィールドストッパー等のためのレジストマスクを形成し、不純物注入を行ってもよい。
次に、図5に示すように、L字型にパターニングされているダミー層間膜2を湿式エッチングによって除去し、ダミーゲート1をマスクに第2導電型の不純物をイオン注入して、第2導電型の第2ウェル領域(ウェル領域14の第1領域よりも浅い第2領域)7を形成する。
第2ウェル領域7の深さは、第1ウェル領域6の浅い領域よりも浅くすることが望ましく、その深さは例えば20nm〜0.5μmあればよい。また、第2ウェル領域7中の第2導電型の不純物の不純物濃度は、ドリフト層中の第1導電型の不純物の不純物濃度を超えるようにする。そして、ソース領域5中の不純物濃度は超えないようにし、例えば1×1017〜1×1019cm-3あればよい。
また、第2導電型の第2ウェル領域7中の表面近傍には、電界効果型トランジスタのチャネルが形成される。一般的にチャネル領域の不純物濃度が高いと、電子又はホールの移動度が減少するため、素子のチャネル抵抗が増加する。
そこで、第2ウェル領域7中の不純物濃度を第2導電型の第1ウェル領域6中の不純物濃度よりも薄くする、もしくは表面近傍のみを薄くしてもよい。このときの第2導電型の表面濃度は1×1016〜1×1017cm-3程度が望ましい。
第2導電型の第2ウェル領域7は、ダミーゲート1と第1導電型のソース領域5で挟まれた領域間に形成され、なおかつこの横方向の距離は電界効果型トランジスタのチャネル長に相当する。すなわち、ダミー層間膜2の膜厚によってチャネル長が決定するため、写真製版の合わせ精度以下の微細な長さが自己整合的に制御できることになる。
ここで、ダミー層間膜2の膜厚は、チャネル長(第2ウェル領域7の幅)に対応している。また、ダミー層間膜2の膜厚は、階段状に形成されたソース領域5、第1ウェル領域6のそれぞれの段差の高さ(深さ)にも対応している。そのため、ダミー層間膜2の膜厚により、チャネル長と段差の高さは略同じ値になっている。
しかし、チャネル長と段差の高さをそれぞれ別に制御したい場合があり得る。その場合には、公知技術(非特許文献1)を参照して、以下の方法によってチャネル長を段差の高さとは別に制御することができる。
まず、図4に示す構造を形成後、L字型のダミー層間膜2を除去する。続いて、多結晶珪素もしくは非晶質珪素からなるダミーゲート1の表層部分に熱酸化法などによって酸化珪素を形成する。
ここで、多結晶珪素もしくは非晶質珪素は酸化されるが炭化珪素はほとんど酸化されない1000℃以下の温度領域で熱酸化処理を行う。そうすると、ダミーゲート1は表面から内部方向に向かって酸化珪素が形成され、それに伴う体積膨張によってダミーゲート1の幅が広がる。そして、幅が広がったダミーゲート1をマスクにして第2ウェル領域7をイオン注入によって形成する。そうして、ダミー層間膜2の膜厚よりもチャネル長が短い電界効果型トランジスタを作製できる。
また、多結晶珪素もしくは非晶質珪素からなるダミーゲート1の周囲に形成された酸化珪素をエッチング除去し、残ったダミーゲート1をマスクにして第2導電型の第2ウェル領域7をイオン注入によって形成することで、ダミー層間膜2の膜厚よりもチャネル長が長い電界効果型トランジスタを作製できる。
また、ダミーゲート1の酸化と酸化膜の湿式エッチングと第2導電型の不純物注入を繰り返すことで、ウェル領域のステップ段差の数を増やしてもよい。このときは、第2導電型のウェル領域がJFET領域に向かって徐々に浅くなるように注入する。このようにすることで、JFET領域の面積が広がり、さらにJFET領域の抵抗が減少する。
本実施の形態において、ダミーゲート1の周囲に形成される酸化珪素の膜厚は、酸化温度や酸化時間を制御することで10nm以下の制御ができる。その結果、従来の写真製版によるパターニングよりもより微細なチャネル長を実現できる。
続いて、ダミーゲート1を湿式エッチングによって除去し、基板洗浄を施した後に熱処理装置によって、例えば1400〜1800℃の高温で例えば30秒〜1時間程度熱処理することによって、注入イオンが電気的に活性化される。
その後は、通常の手法に基づいて、ゲート絶縁膜11形成、ゲート電極10形成することで図1に示す構造を得ることができる。
ここで、ゲート絶縁膜11形成前に、炭化珪素からなる第1導電型のエピタキシャル成長層を10〜1000nm程度の厚さで形成しておいてもよい。
さらに、層間絶縁膜堆積、電極形成、保護膜形成などの工程を経て最終的な炭化珪素電界効果型トランジスタを完成する。
以上説明した製造方法によって、ソース領域とウェル領域が基板横方向にステップ状に段差分布を持つ炭化珪素電界効果型トランジスタが作製される。
<C−1.計算結果>
次に、以上の構造を備える炭化珪素電界効果型トランジスタのJFET領域の抵抗の計算結果を示す。
JFET領域の抵抗の計算には、図6に示す模式図のように簡略化した構造を用いている。図6において、図1の構成に対応する構成には同一の符号を付している。
図6に示すように、第1ウェル領域6、第2ウェル領域7からなるウェル領域14を直線状の形状で近似している。
すなわち、ウェル領域14は、図1に示すように、中心部から離れるにしたがって3段階に深さが深くなる階段状の形状を備えている。
しかし、本模式図では、第1ウェル領域7が、ゲート絶縁膜11及び半導体基板4と接す点と、第2ウェル領域14の最も深い層のうち、最も装置内側にある点を結ぶ直線で近似している。
図7に、ウェル領域14の斜め形状部の鉛直方向に対する角度(θ)をパラメータにした抵抗の計算結果を示す。また、θ=0度(従来構造に対応)における抵抗で規格化し、dw(第1ウェル領域6の最も深い領域の深さ)を1μmとしている。
また、JFET長の半分の長さをLjとし、Ljが1.0μmの場合と、0.5μmの場合について計算している。
図7に示すように、角度が増えるとともに、JFET抵抗が低減していくことがわかる。近似的に鉛直方向より30度傾斜させたウェル領域14を形成することによって、JFET抵抗が20〜35%減少する。
特に、Ljが0.5μmと1.0μmの場合の結果を比べると、減少の効果はJFET長が短いほど顕著である。そのため、JFET長を短くする必要がある電界効果型トランジスタの微細化に有利な構造であることがわかる。
また、θの下限としては、図7より10度以上であれば10%程度の抵抗の減少が期待できることがわかる。一方θの上限としては理想的には90度に近づくほどよいが、実用的な値を以下に示す。
ソース領域5の深い領域には、ソース電極として例えばニッケルシリサイドなどの合金が形成される。そして、十分低抵抗なコンタクト抵抗を得るためには、ソース領域5内の不純物濃度にもよるが、その深さとして0.1〜0.2μmは必要である。
また、ウェル領域14と半導体基板4の界面から伸びる空乏層の影響とオフ動作時の設計耐圧を考慮すると、第1ウェル領域6のより深い領域の深さとして0.4μmは必要である。
さらに、例えばチャネル長を1μmとした場合、ソース領域5の浅い領域をチャネル長の半分とすると0.5μmとなる。
以上導出された値から、θの実用的な最大値としては75度が与えられる。結果として、10度以上75度以下が本手法の有効な角度と考えられる。
さらに、実用的な観点から、Ljが2μm以下の構造に対して素子設計を行うと、以下に述べる実施の形態1による構造では35度〜70度が、後述する実施の形態3による構造では32度〜68度が与えられる。
すなわち、これらを含む32度以上70度以下が本発明にかかる実用上有益な範囲と考えられる。
次に、より厳密に実施の形態1で示した3段のステップ段差を持つウェル領域が形成されている構造に対して、チャネル長をパラメータにして行った計算結果を示す。
図8に、JFET領域の抵抗の計算に用いた構造の模式図を示す。図8に示すように、ソース領域5を2段の段差を持つ形状で示し、ウェル領域14を3段の段差の形状で表している。
本計算では、dw=1μm、第1ウェル領域6のより浅い領域の深さdw2=0.8μm、第2ウェル領域7の深さdw1=0.4μm、第1ソース領域5のより浅い領域の横方向長さL2=0.5μmとしている。
そして、dw1=dw2=dw(通常構造)でのJFET領域の抵抗で規格化している。
図9に計算結果を示す。図9は、チャネル長(横軸)に対する規格化されたJFET抵抗(縦軸)の計算結果を示す図である。
図9に示すように、チャネル長が増加すると、JFET抵抗は低減する。すなわち、チャネル長の増加によるJFET抵抗の低減効果は大きい。
これは、次の理由によるものである。チャネルが形成される第2ウェル領域7の深さは、第1ウェル領域6の深さよりも浅く形成されている。そのため、チャネル長が増加すると、ウェル領域14のJFET領域における基板深さ方向への広がり角度が増加する。その結果、チャネル長の増加によりJFET抵抗の低減効果が大きくなる。
また、Ljが1μmである場合に、チャネル長を1μmとすると従来構造よりも30%程度のJFET抵抗の低減が見込める。また、チャネル長を0.5μmとした場合には、従来構造よりも20%程度のJFET抵抗の低減が見込める。
さらに、Ljが1.0μmと0.5μmの場合を比べると、JFET長が短いほど効果が大きいことがわかり、本結果からも電界効果型トランジスタの微細化に有利な構造、手法であることがわかる。
<C−2.効果>
本実施の形態に係る電界効果型トランジスタは、ウェル領域14、ソース領域5が階段状に形成されているため、JFET領域が基板深さ方向に対して徐々に広がる構造を有している。そのため、高耐圧特性を維持したまま、JFET領域の抵抗、ひいては素子全体のオン抵抗を減少することができ、素子の微細化や高性能化に寄与することができる。
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、階段状のウェル領域14、ソース領域5を容易に形成することができる。
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、ダミーゲート1の周囲に形成される酸化珪素の膜厚によってチャネル長が決定される。そして酸化珪素の膜厚は、酸化温度や酸化時間を制御することで10nm以下の制御ができる。その結果、従来の写真製版によるパターニングよりもより微細なチャネル長を実現できる。
なお、本実施の形態においては、炭化珪素半導体基板を用いた場合について説明したが、他の半導体基板にも適用できる。
この場合、1000℃〜1500℃の活性化アニール後も、不純物の拡散が非常に小さくソース領域5、及びウェル領域14の不純物分布を維持できる材料、例えば、前記の温度範囲で熱拡散係数が十分小さいダイヤモンド基板等が望ましい。
以下の他の実施の形態に係る電界効果型トランジスタも同様に、他の半導体基板に適用することができる。
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、2段の段差を有する階段状のマスクを形成して、ウェル領域14、及びソース領域を形成したが、3段の段差を有する階段状のマスクを形成してもよい。
3段の段差を有するマスクを用いる場合、最も厚いマスク部分で遮蔽されるエネルギーでイオン注入を行うことで、3段階に深さの異なる階段状のウェル領域14を形成することができる。そして、2番目に厚いマスク部分で遮蔽されるエネルギーでイオン注入を行うことで2段階に深さの異なる階段状のソース領域5を形成することができる。
このようにすることで一度のマスク形成で、階段状にウェル領域14及びソース領域5を形成することができる。
また、本実施の形態では、電界効果型トランジスタについて説明したが、電界効果型トランジスタに限るものではなく、IGBTなどの他の半導体装置にも適用することができる。
<実施の形態2>
<A.構成>
図10は、本実施の形態に係る炭化珪素電界効果型トランジスタの主要部の構成を示す断面図である。
半導体基板4の表層部にJFET領域を挟んで、一対の第2導電型のウェル領域14が対向して形成されている。
そして、各ウェル領域14内の半導体基板4の表層部には、第1導電型のソース領域5が形成されている。
ウェル領域14は、半導体装置の内部から外部に向かって、半導体基板表面からの深さが深くなるように、JFET領域側の端部が階段状に形成されている。図10の例では、2段階の深さで形成されている。
ソース領域5もまた、半導体装置の内部から外部に向かって、半導体基板表面からの深さが深くなるように、JFET領域側の端部が階段状に形成されている。図10の例では2段に形成されている。
ソース領域5は、第1ソース領域(ソース領域5の第1領域)13と、第2ソース領域(ソース領域5の第1領域より浅い第2領域)9により形成されている。そして、第2ソース領域9は、第1ソース領域13より浅く形成されている。
また、JFET領域側の端部において、ウェル領域4と半導体基板14間の界面と、ウェル領域14とソース領域5との界面との間隔が、いずれの場所においても略一定であるように、ソース領域5は、ウェル領域14の内部に形成されている。
半導体基板4上に、JFET領域とその両側の第2ソース領域9及びウェル領域14とに重なるようにゲート構造が形成されている。ゲート構造は、ゲート絶縁膜11と、ゲート絶縁膜11上に形成されたゲート電極10により構成されている。
電界効果型トランジスタの動作時には、ゲート絶縁膜11下のJFET領域と第2ソース領域9間に挟まれたウェル領域14にチャネルが形成される。
<B.製造方法>
次に、図11から図13を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素電界効果型トランジスタの製造方法について説明する。
図3に示す工程までは、実施の形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
次に、図11に示すように、第1ダミーサイドウォール3及びダミー層間膜2の側壁に第2ダミーサイドウォール8を形成する。
第2ダミーサイドウォール8の材料としては窒化珪素が望ましいが、ダミー層間膜2、ハードマスク12及び第1ダミーサイドウォール3に対して選択的に湿式エッチングできるものであればよい。また、第2ダミーサイドウォール8形成前に酸化珪素を10nm程度基板全面に堆積しておいてもよい。このようにすることで、第2ダミーサイドウォール8を形成する反応性イオンエッチング時におけるエッチング量(時間)の制御性が向上する。
そして、第2ダミーサイドウォール8の幅は、以降の工程で作製される第1ソース領域13の幅とウェル領域14の深い領域の幅の差程度とすることが望ましく、これは、素子設計に依存する。
これらの構造をマスク(第4マスク)にして第1導電型の不純物をイオン注入することで、第1ソース領域(ソース領域5の第1領域)13を形成する(図11参照)。
次に、第2ダミーサイドウォール8を湿式エッチングによって除去する。続いて、第2ダミーサイドウォール8を除去した構造をマスク(第3マスク)にして、第1導電型の不純物をイオン注入することで、第1導電型の第2ソース領域(ソース領域5の第1領域より浅い第2領域)9を形成する(図12参照)。
第2ソース領域9は、第1ソース領域13の深さよりも浅くなるように形成する。このようにすることで、ステップ状の段差を持つ、いわゆるエクステンション構造となったソース領域6を形成できる。なお、第2ソース領域9の不純物濃度は、第1ソース領域13と同等か一桁程度薄くてもよい。
次に、図13に示すように、第1ダミーサイドウォール3を湿式エッチングによって除去する。続いて、L字型のダミー層間膜2越しに第2導電型の不純物をイオン注入して、第2導電型のウェル領域14を形成する。
このとき、ダミー層間膜2等に覆われず、半導体表面が露出している部分には、最も深く不純物が注入される。そして、ダミー層間膜2の薄い部分に覆われた部分は、ダミー層間膜2の薄い部分の高さだけ浅く不純物が注入される。そして、ダミーゲート1、ハードマスク12、及びダミー層間膜2の厚い部分に覆われた部分には、不純物が注入されない。
そうして、ウェル領域14に関してもステップ状の段差分布を持つ構造とすることができる。また、ウェル領域14の段差は、ダミー層間膜2の膜厚に対応している。
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、第1ダミーサイドウォール3の幅が電界効果型トランジスタのチャネル長に相当するため、写真製版の合わせ精度以下の微細な長さが制御できる。
ここで、素子の主要部については、上記の製造方法によって自己整合的に段差分布を持つ第1導電型のソース領域5と第2導電型のウェル領域14が形成される。しかし、素子外周部に第1導電型領域や第2導電型領域が個々に存在する場合がある。
そのような場合には、素子外周部の第1電導型領域や第2電導型領域を形成するためのレジストマスクを別に形成し、新たに不純物を注入してもよい。また、ソース領域5やウェル領域14の形成工程と同時に、素子外周部の第1導電型領域や第2導電型領域形成のためのレジストマスクを形成し、不純物注入を行ってもよい。
続いて、ダミーゲート1、ハードマスク12、ダミー層間膜2をそれぞれ湿式エッチングによって除去する。そして、基板洗浄を施した後に熱処理装置によって、例えば1400〜1800℃の高温で30秒〜1時間程度熱処理する。そうして、注入イオンを電気的に活性化する。
以降は、通常の製造方法にしたがって、ゲート絶縁膜11形成後にゲート電極10形成し、層間絶縁膜堆積、電極形成、保護膜形成等の工程を経て最終的な炭化珪素電界効果型トランジスタを得る。
なお、ゲート絶縁膜11形成前に、炭化珪素からなる第1導電型のエピタキシャル成長層を10〜1000nm程度の厚さで形成しておいてもよい。
以上説明した製造方法によって、ソース領域5とウェル領域14が基板横方向にステップ状の段差分布を持つ炭化珪素電界効果型トランジスタが作製される。
<C.効果>
実施の形態1に係る電界効果型トランジスタでは、ソース領域5の第1ウェル領域6との界面と、第1ウェル領域6の半導体基板4との界面との間隔が狭い部分が存在する。
そのため、実施の形態1に係る電界効果型トランジスタは、オフ動作時に、第1ウェル領域6の半導体基板4との界面から形成される空乏層がソース領域5に達し易くなる。その結果、実施の形態1に係る電界効果型トランジスタでは、高耐圧特性を維持することが難しい。
また、第1ウェル領域6とソース領域5間の間隔を広くするため、第1ウェル領域6を深く形成すると、ウェル領域14の傾斜部の基板表面に対する角度が小さくなる。
その結果、図7に示したように、JFET抵抗の低減効果が小さくなる。
一方、本実施の形態に係る電界効果型トランジスタでは、JFET領域側の端部において、ウェル領域14と半導体基板4の界面と、ウェル領域14とソース領域5との界面との間隔が、いずれの場所においても略一定であるように形成されている。すなわち、ソース領域5とウェル領域14間の間隔が基板深さ方向(縦方向)及び水平方向で一定間隔以上となっている。
そのため、この間隔を、電界効果型トランジスタのオフ動作時に、印加される所定電圧に応じて、ウェル領域14と半導体基板4の界面から形成される空乏層幅よりも長く設計できる。
その結果、高耐圧性能を維持したまま、ステップ状の段差分布を持つソース領域及びウェル領域を有する炭化珪素電界効果型トランジスタを実現することができる。
また、ソース領域5とウェル領域14間の間隔を略一定にすると、一定で無い場合に比べて、ソース領域5とウェル領域14間の間隔が広くなる部分がないので、電界効果型トランジスタの大きさを小さくすることもできる。
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、ソース領域5とウェル領域14間の間隔が基板深さ方向(縦方向)及び水平方向で一定間隔以上となるように容易に形成できる。
<実施の形態3>
<A.構成>
図14は、本実施の形態に係る炭化珪素電界効果型トランジスタの主要部の構成を示す断面図である。
本実施の形態に係る半導体装置は、ウェル領域14が、第1ウェル領域6と第2ウェル領域7により構成されている。
第2ウェル領域7は、第1ウェル領域6よりも浅く形成されている。そして、ウェル領域14は、半導体装置内側から外側に向かって、JFET領域側の端部において、3段階に深さが深くなるように形成されている。
その他の構成は、実施の形態2に係る半導体装置と同様であり、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<B.製造方法>
次に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法を図15を参照して説明する。まず、実施の形態2の製造工程にしたがって、図13で示した構造を作成する。
続いて、図13に示すL字型のダミー層間膜2、及びハードマスク12を湿式エッチングによって除去する。その後、ダミーゲート1をマスク(第1マスク)にして第2導電型の不純物をイオン注入して第2ウェル領域(ウェル領域14を構成する第2領域)7を形成する(図15)。
ここで第2ウェル領域7は、第1ウェル領域6のより浅い領域よりも浅く形成することが望ましい。このようにすることで、ステップ状に3段構成となる段差分布を持つウェル領域14を形成することができる。
また、第2ウェル領域7中の表面近傍には、電界効果型トランジスタのチャネルが形成される。一般的にチャネル領域の不純物濃度が高いと、電子又はホールの移動度が減少するため、素子のチャネル抵抗が増加する。
そこで、第2ウェル領域7の不純物濃度を第1ウェル領域6の不純物濃度よりも薄くする、もしくは表面近傍のみを薄くしてもよい。このときの第2導電型の表面不純物濃度は1×1016〜1×1017cm-3程度が望ましい。
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1ダミーサイドウォール3の幅とダミー層間膜2の膜厚の和が電界効果型トランジスタのチャネル長に相当するため、写真製版の合わせ精度以下の微細な長さが制御できる。
また、実施の形態1において説明したように、図15に示す工程おいて、第2ウェル領域7の形成前にダミーゲート1を酸化、もしくはその酸化膜のエッチングなどによってダミゲート1の幅を調節した後に、第2ウェル領域7を形成することで、チャネル長をさらに微細に制御してもよい。
また、実施の形態1において説明したように、ダミーゲート1の酸化と酸化膜の湿式エッチングと第2導電型の不純物注入を繰り返すことで、ウェル領域14のステップ段差の数を増やしてもよい。このときは、ウェル領域14の深さがJFET領域に向かって(半導体装置外側から内側に向かって)徐々に浅くなるように注入する。このようにすることで、JFET領域の面積が広くなり、JFET領域の抵抗がさらに減少する。
また、第1ウェル領域6に対して第1ソース領域13と第2ソース領域9はいかなる方向に対しても深さ方向及び水平方向に対して一定間隔(第1導電型の第1ソース領域5と第2導電型の第1ウェル領域6の深さの差)以上となっているので、この距離を電界効果型トランジスタのオフ動作時の空乏層幅よりも長く設計することで、高耐圧性能を維持したまま、ステップ状の段差分布を持つソース領域及びウェル領域を有する炭化珪素電界効果型トランジスタが実現できる。
ここで、素子の主要部については本手法によって自己整合的に段差分布を持つソース領域とウェル領域が形成されるが、素子外周部に第1導電型領域や第2導電型領域が個々に存在する場合がある。その時は、写真製版によるレジストマスクを形成したのちに新たに不純物を注入してもよいし、本手法とレジストマスクプロセスを同時に併用して不純物注入を行ってもよい。
続いて、ダミーゲート1を湿式エッチングによって除去する。そして、基板洗浄を施した後に、熱処理装置によって、例えば1400〜1800℃の高温で30秒〜1時間程度熱処理することによって、注入イオンが電気的に活性化される。
以降は、通常の製造方法にしたがって、ゲート絶縁膜11形成、ゲート電極10形成、層間絶縁膜堆積、電極形成、保護膜形成などによって最終的な炭化珪素電界効果型トランジスタを得ることができる。
なお、ゲート絶縁膜11形成前に、炭化珪素からなる第1導電型のエピタキシャル成長層を10〜1000nm程度の厚さで形成しておいてもよい。
以上の製造工程によって、ソース領域5とウェル領域14が基板横方向に段差分布を持つ炭化珪素電界効果型トランジスタを作製することができる。
<C−1.計算結果>
次に、本実施の形態に係る半導体装置におけるJFET領域の抵抗(JFET抵抗)の計算結果を示す。図16は、抵抗の計算のために用いた半導体装置の構成の模式図を示す。
本計算では、dw(第1ウェル領域6のうち深い部分の深さ)=0.8μm、dw2(第1ウェル領域6のうち浅い領域の深さ)=0.6μm、dw1(第2ウェル領域7の深さ)=0.2μm、Lj=1μmとしている。そして、第2ウェル領域7の横方向の長さ(第2ウェル領域長:L1)をパラメータとしている。また、チャネル長Lchが1.0μmと0.5μmの場合について計算している。
図17は、第2ウェル領域長L1(横軸)に対する規格化されたJFET抵抗(縦軸)を示している。
なお、計算結果は、第2ウェル領域7を設けない構造(L1=0)によって規格化している。
図17に示すように、第2ウェル領域長L1を長くすると、JFET抵抗の低減効果が大きい。これは、第2ウェル領域7が第1ウェル領域6よりもさらに浅くなっているため、第2ウェル領域長L1を長くすると、相対的にJFET領域が横方向に拡大するためである。例えば、チャネル長Lchの半分の長さが第2ウェル領域7に存在する構造では、10〜20%の低減が見込める。
なお、以上の説明での第1導電型と第2導電型の組み合わせは、n型とp型、もしくはその逆でもよい。第1導電型をn型とするとnチャネルの電界効果型トランジスタが実現され、第1導電型をp型とするとpチャネルの電界効果型トランジスタが実現される。
<C−2.効果>
本実施の形態に係る電界効果型トランジスタは、以上説明したように、ウェル領域14と半導体基板4の界面と、ソース領域5とウェル領域14の界面との間隔がいずれの場所においても所定間隔以上離れている。
さらに、ウェル領域14が3段の階段状に形成されている。そのため、実施の形態2に係る電界効果型トランジスタに比べて、同一のJFET長に対して、JFET領域の横方向の広がり角が大きく形成されている。その結果、高耐圧特性を維持しつつ、よりJFET抵抗を低減することができる。
また、本実施の形態に係る電界効果型トランジスタの製造方法によれば、JFET領域側の端部において、3段の段差を有するウェル領域14と2段の段差を有するソース領域5を容易に形成することができる。
実施の形態1に係る半導体装置の主要部の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置のJFET抵抗を計算するために用いられる図である。 実施の形態1に係る半導体装置のJFET抵抗の計算結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体装置のJFET抵抗を計算するために用いられる図である。 実施の形態1に係る半導体装置のJFET抵抗の計算結果を示す図である。 実施の形態2に係る半導体装置の主要部の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態3に係る半導体装置の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態3に係る半導体装置のJFET抵抗を計算するために用いられる図である。 実施の形態3に係る半導体装置のJFET抵抗の計算結果を示す図である。
符号の説明
1 ダミーゲート、2 ダミー層間膜、3 第1ダミーサイドウォール、4 炭化珪素半導体基板、5 ソース領域、6 第1ウェル領域、7 第2ウェル領域、8 第2ダミーサイドウォール、9 第2ソース領域、10 ゲート電極、11 ゲート絶縁膜、12 ハードマスク、13 第1ソース領域、14 ウェル領域。

Claims (8)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の表層部にJFET領域を挟んで形成された一対のウェル領域と、
    各前記ウェル領域の表層部に形成されたソース領域と、
    前記JFET領域とその両側の前記ウェル領域及び前記ソース領域とに重なるように前記半導体基板上に形成されたゲート構造と、
    を備える半導体装置であって、
    前記ウェル領域及び前記ソース領域は、前記JFET領域側の端部が階段状に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記JFET領域側の端部において、前記ウェル領域と前記半導体基板の界面と、前記ウェル領域と前記ソース領域との界面との間隔が、いずれの場所においても略一定であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記JFET領域側の端部において、前記ウェル領域が3段の階段状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、
    (a)前記半導体基板上に階段状のマスクを形成する工程と、
    (b)前記マスクを用いて、前記ソース領域及び前記ウェル領域を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 前記工程(a)は、
    ダミーゲートを形成することにより第1マスクを形成する工程と、
    前記ダミーゲートの側壁に段差を有するダミー層間膜を形成することにより第2マスクを形成する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記工程(a)は、
    前記第2マスクの側壁に第1ダミーサイドウォールを形成することにより、第3マスクを形成する工程と、
    前記第1ダミーサイドウォールの側壁に第2ダミーサイドウォールを形成することより第4マスクを形成する工程と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記工程(b)は、
    前記第4マスクを用いて、前記ソース領域の第1領域を形成する工程と、
    前記第3マスクを用いて、前記ソース領域の第1領域よりも浅い第2領域を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記工程(b)は、
    前記第2マスクを用いて、前記ウェル領域の第1領域を形成する工程と、
    前記第1マスクを用いて、前記ウェル領域の第1領域よりも浅い第2領域を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項5又は7に記載の半導体装置の製造方法。
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