JP2006302917A - コンデンサ用電極シート及びその製造方法並びに電解コンデンサ - Google Patents

コンデンサ用電極シート及びその製造方法並びに電解コンデンサ Download PDF

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博之 川畑
Atsushi Otaki
篤史 大滝
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Abstract

【課題】 大きな静電容量を有すると共に耐折り曲げ性に優れたコンデンサ用電極シートを生産効率良くかつ低コストで製造する製造方法を提供する。
【解決手段】 Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末を混合した混合粉6をアルミニウム箔2の表面に溶射することによって、又は前記Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末7及びAl粉末8をそれぞれ相異なる位置から供給してこれら両粉末をアルミニウム箔2の表面に溶射することによって、アルミニウム箔2の少なくとも片面にAl−Al以外の弁作用金属の合金層を積層する。溶射はプラズマ溶射により行うのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

この発明は、大きな静電容量が得られると共に耐折り曲げ性に優れたコンデンサ用電極シート及びその製造方法並びに電解コンデンサに関する。
なお、この明細書において、「アルミニウム」の語は、アルミニウム及びその合金を含む意味で用いる。また、この明細書において、「Al」の表記は、アルミニウム(金属単体)を意味する。
近年、電気機器のデジタル化が進むのに伴い、電解コンデンサとしては小型で大容量のものが求められるようになってきている。とりわけ、パーソナルコンピュータや携帯電話等の通信機器では、搭載されるCPUの演算速度の増大に伴い、コンデンサの静電容量をさらに増大させることが強く求められている。
大きな静電容量を確保できるコンデンサ用電極箔としては、Ti、Zr等の弁作用金属(バルブメタル)とAlとからなる合金箔を急冷凝固法により作製し、この合金箔をエッチング処理した後、さらに陽極酸化処理を施して表面に酸化皮膜を形成せしめたものが知られている(特許文献1参照)。このような弁作用金属とAlとからなる合金箔の酸化皮膜の誘電率は非常に大きいので、大きな静電容量を確保することができる。
しかし、このような急冷凝固法により得られたアルミニウム合金箔は、十分な強度が得られず、特に曲げ強度が低くて耐折り曲げ性に劣っていた。近年では、電解コンデンサとしては、小型化の要請から、電極箔が捲回された構成のものが最も多く用いられているが、上記従来のアルミニウム合金箔(急冷凝固法により得られたもの)では、捲回すると折損が生じてしまうことから、実用に供することは到底できなかった。
このような状況の中、弁作用金属であるZr、Ti等を含有したアルミニウム合金(例えばAl−Zr合金、Al−Ti合金等)の粉末、又はAl粉末と弁作用金属の粉末(例えばZr粉末、Ti粉末)の混合粉をアルミニウム箔の表面にプラズマ溶射した後、不活性雰囲気中で焼結または圧延することによって、アルミニウム箔の表面に多孔質の被覆層を形成せしめた電極箔を、電解コンデンサ用電極材料として用いることが提案されている(特許文献2参照)。この電極箔は、大きな静電容量が得られると共に、高い折り曲げ強度を有していて耐折り曲げ性に優れていることから、捲回タイプの電解コンデンサにも適用可能である。
特開昭60−66806号公報 特開平2−91918号公報(特許請求の範囲、第4頁左下欄、右下欄)
しかしながら、上記特許文献2に記載された製造方法のうち、溶射原料としてAl−弁作用金属の合金粉末を用いる場合、該合金粉末の作製に際してまず成分調整のために鋳造した後にさらに粉末化のためにアトマイズしなければならず、即ち高融点であるAl−弁作用金属の合金を二度溶融しなければならず、このために製造コストが増大すると共に、生産性も低いという問題を抱えていた。なお、Al−弁作用金属の合金を粉砕して粉末状にするのは困難であるため、Al−弁作用金属の合金粉末は工業的には前記アトマイズ法でしか製造できない。
また、上記特許文献2に記載された製造方法のうち、溶射原料としてAl粉末と弁作用金属の粉末の混合粉を用いる場合、後者の弁作用金属の粉末は工業的にはアトマイズ法でしか製造できないのであるが、弁作用金属は融点が高いのでこのアトマイズ法で弁作用金属の粉末を製作するのは容易ではなく、これによりコストを増大させると共に生産性も低いという問題があった。更に、Al粉末と弁作用金属の粉末の混合粉を溶射した場合には複相化(多相化)するという問題もあった。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、大きな静電容量を有すると共に耐折り曲げ性に優れたコンデンサ用電極シート及びこのような電極シートを生産効率良くかつ低コストで製造できる製造方法並びに小型でかつ大容量の電解コンデンサを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末を混合した混合粉をアルミニウム箔の表面に溶射することによって、前記アルミニウム箔の少なくとも片面に、Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層することを特徴とするコンデンサ用電極シートの製造方法。
[2]Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末をそれぞれ相異なる位置から供給してこれら両粉末をアルミニウム箔の表面に溶射することによって、前記アルミニウム箔の少なくとも片面に、Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層することを特徴とするコンデンサ用電極シートの製造方法。
[3]前記溶射をプラズマ溶射により行う前項1または2に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
[4]Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末をそれぞれ相異なる位置から単一のプラズマ流に投入せしめて該プラズマ流をアルミニウム箔の表面にプラズマ溶射することによって、前記アルミニウム箔の少なくとも片面に、Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層することを特徴とするコンデンサ用電極シートの製造方法。
[5]前記Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層した後、圧延することを特徴とする前項1〜4のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
[6]前記Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層した後、焼鈍することを特徴とする前項1〜5のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
[7]前記金属間化合物粉末の平均粒径が3〜100μmであり、前記Al粉末の平均粒径が3〜150μmである前項1〜6のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
[8]前記金属間化合物粉末と前記Al粉末の溶射質量比を、金属間化合物粉末/Al粉末=0.1〜5の範囲に設定する前項1〜7のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
[9]前記金属間化合物粉末として、Ti、Zr、Nb、Ta及びHfからなる群より選ばれる1種または2種以上の弁作用金属と、Alとの金属間化合物の粉末を用いる前項1〜8のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
[10]前記金属間化合物粉末として、Al3 Zr粉末を用いる前項1〜8のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
[11]前記アルミニウム箔として、Al箔、またはTi、Zr、Nb、Ta及びHfからなる群より選ばれる1種または2種以上の弁作用金属と、Alとからなる合金箔を用いる前項1〜10のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
[12]前項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法により得られたコンデンサ用電極シートであって、前記Al−Al以外の弁作用金属の合金層の微細組織は、金属間化合物相及びAlの単体相とで構成され、前記金属間化合物相のデンドライト(樹枝状結晶)における隣合う2次枝の間隔が5μm以下であることを特徴とするコンデンサ用電極シート。
[13]アルミニウム箔からなる芯材の少なくとも片面にアルミニウム合金からなる被覆層が積層一体化されたシートにおいて、前記被覆層の微細組織は、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の相及びAlの単体相とで構成されていることを特徴とするコンデンサ用電極シート。
[14]前記金属間化合物相のデンドライト(樹枝状結晶)における隣合う2次枝の間隔が5μm以下である前項13に記載のコンデンサ用電極シート。
[15]前記芯材の厚さが5〜200μmであり、前記被覆層の厚さが5〜150μmである前項13または14に記載のコンデンサ用電極シート。
[16]前項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法により得られた電極シートをエッチングした後、さらに化成処理を行って表面に誘電体皮膜を形成せしめることを特徴とする電解コンデンサ用陽極材の製造方法。
[17]前項16に記載の製造方法により製造された電解コンデンサ用陽極材。
[18]前項12〜15のいずれか1項に記載の電極シートをエッチングした後、さらに化成処理を行って表面に誘電体皮膜を形成せしめることを特徴とする電解コンデンサ用陽極材の製造方法。
[19]前項18に記載の製造方法により製造された電解コンデンサ用陽極材。
[20]前項17または19に記載の陽極材を用いて構成された電解コンデンサ。
[1]及び[2]の発明では、溶射の際に金属間化合物とAlとが複合して合金化されるので、アルミニウム箔の表面に、AlとAl以外の弁作用金属の合金(本明細書では「Al−弁作用金属の合金」と記す場合がある)層が積層された電極シートを製造することができる。前記Al−Al以外の弁作用金属の合金の酸化皮膜の誘電率は非常に大きいので、大きな静電容量を確保できる。また、溶射によりAl−Al以外の弁作用金属の合金層を形成するので、得られた電極シートは耐折り曲げ性にも優れている。更に、本製造方法では、溶射原料として、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末を用いているが、金属間化合物の粉末は粉砕法により容易に粉末化して得られるし、Al粉末は融点が低い上に安価に入手できるので、コンデンサ用電極シートを生産効率良くかつ低コストで製造することができる。
更に[2]の発明では、予め金属間化合物の粉末とAl粉末を混合して混合粉を得る工程を省略できるので、その分生産効率をさらに向上させることができる利点がある。
[3]の発明では、プラズマ溶射法を用いて溶射するので、冷却速度が格段に速いものとなってAl−Al以外の弁作用金属の合金層における組織をより微細化することができ、これにより電極シートの耐折り曲げ性をさらに向上させることができる。
[4]の発明では、溶射の際に金属間化合物とAlとが合金化されるので、アルミニウム箔の表面にAl−Al以外の弁作用金属の合金層が積層された電極シートを製造することができる。前記Al−Al以外の弁作用金属の合金の酸化皮膜の誘電率は非常に大きいので、大きな静電容量を確保できる。また、プラズマ溶射によりAl−Al以外の弁作用金属の合金層を形成しているので、冷却速度が格段に速いものとなって合金層(溶射層)における組織を十分に微細化することができ、これにより電極シートは耐折り曲げ性に非常に優れたものとなる。更に、本製造方法では、溶射原料として、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末を用いているが、金属間化合物の粉末は粉砕法により容易に粉末化して得られるし、Al粉末は融点が低い上に安価に入手できるので、コンデンサ用電極シートを生産効率良くかつ低コストで製造することができる。加えて、予め金属間化合物の粉末とAl粉末を混合して混合粉を得る工程が不要であるので、その分生産効率をさらに向上させることができる。
[5]の発明では、Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層した後に圧延するので、該合金層の表面の凹凸をならして電極シートの表面平坦性を向上させることができると共に電極シートの厚さの均一化を図ることができる。
[6]の発明では、Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層した後に焼鈍するので、電極シートの耐折り曲げ性をさらに向上させることができるし、圧延する際には圧延に要する荷重を低減できる利点もある。
[7]の発明では、粉末の溶射を安定状態に行うことができると共に、Al−Al以外の弁作用金属の合金層におけるボイドの発生を効果的に防止することができる。
[8]の発明では、得られる電極シートの静電容量をより向上させることができる。金属間化合物粉末の溶射量が前記溶射質量比の好適範囲の上限を超えると、Al−Al以外の弁作用金属の合金層(溶射層)における金属間化合物相の存在比率が大きくなり過ぎて、エッチング処理により形成されるエッチング孔の大きさが小さくなり電解質がエッチング層のすべてに入っていかなくなるので好ましくないし、Al粉末の溶射量が前記溶射質量比の好適範囲の上限を超えると、Al−Al以外の弁作用金属の合金層(溶射層)における金属間化合物相の存在比率が小さくなり過ぎて十分な静電容量が得られなくなるので好ましくない。
[9]の発明では、より大きな静電容量を備えた電極シートを製造できる。
[10]の発明では、より一層大きな静電容量を備えた電極シートを製造できる。
[11]の発明では、芯材のアルミニウム箔として、Al箔または前記特定のアルミニウム合金からなる箔を用いるから、化成処理時の皮膜欠陥が少なく漏れ電流を小さくできるという利点がある。
[12]の発明に係るコンデンサ用電極シートは、生産効率が良いから製造コストを低減できると共に、十分な静電容量を確保することができ、かつ耐折り曲げ性にも優れている。また、金属間化合物相のデンドライトにおける隣合う2次枝の間隔が5μm以下であるから、より大きな静電容量を確保することができる。
[13]の発明に係るコンデンサ用電極シートでは、前記Al以外の弁作用金属とAlとからなるアルミニウム合金の酸化皮膜の誘電率は非常に大きいので、大きな静電容量を確保することができる。また、被覆層の微細組織は、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の相及びAlの単体相とで構成されているから、耐折り曲げ性に優れたものとなる。
[14]の発明に係るコンデンサ用電極シートでは、金属間化合物相のデンドライトにおける隣合う2次枝の間隔が5μm以下に規定されているから、より大きな静電容量を確保することができる。
[15]の発明では、芯材の厚さ及び被覆層の厚さがそれぞれ前記特定範囲に規定されているから、軽量性を確保した上で、十分なシート強度及び大きな静電容量を確保することができる。
[16]の発明では、エッチングにより被覆層の表面積を増大させることができると共に、化成処理によって誘電率の大きい誘電体皮膜を形成できるので、容量をさらに向上させた電解コンデンサの提供が可能となる。
[17]の発明に係る陽極材は、大きな静電容量を確保できると共に耐折り曲げ性に優れるから、この陽極材を用いれば、例えば小型でかつ大容量の捲回型の電解コンデンサの提供が十分に可能となる。
[18]の発明では、エッチングにより被覆層の表面積を増大させることができると共に、化成処理によって誘電率の大きい誘電体皮膜を形成できるので、容量をさらに向上させた電解コンデンサの提供が可能となる。
[19]の発明に係る陽極材は、大きな静電容量を確保できると共に耐折り曲げ性に優れるから、この陽極材を用いれば、例えば小型でかつ大容量の捲回型の電解コンデンサの提供が十分に可能となる。
[20]の発明では、前項[17]または[19]の陽極材を用いて構成されているから、小型でかつ大容量の電解コンデンサが提供される。また、前項[17]または[19]の陽極材は耐折り曲げ性に優れているので、例えば小型でかつ大容量の捲回型の電解コンデンサの提供も可能になる。
この発明に係るコンデンサ用電極シートの製造方法は、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末(7)及びAl粉末(8)をアルミニウム箔(2)の表面に溶射することによって、アルミニウム箔(2)の少なくとも片面に、Al−Al以外の弁作用金属の合金層(11)を積層することを特徴とするものである。前記Al以外の弁作用金属(Alを除く弁作用金属)としては、好ましくは、Ti、Zr、Nb、Ta及びHfからなる群より選ばれた少なくとも1種が使用される。
この製造方法によれば、溶射の際に金属間化合物とAlとが合金化されるので、アルミニウム箔(2)の表面にAl−弁作用金属の合金層(11)が積層された電極シート(10)を製造することができる。例えば、前記アルミニウム箔(2)の両面に溶射するようにすれば、図2に示すように、アルミニウム箔からなる芯材(2)の両面にAl−弁作用金属の合金層(11)(11)が積層された電極シート(10)が得られる。前記Al−弁作用金属の合金の酸化皮膜の誘電率は非常に大きいので、電極シート(10)として大きな静電容量を確保することができる。また、溶射によりAl−弁作用金属の合金層を形成するので、得られた電極シート(10)は耐折り曲げ性にも優れている。更に、本製造方法では、溶射原料として、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末(7)及びAl粉末(8)を用いているが、金属間化合物の粉末(7)は粉砕法により容易に粉末化して得られるし、Al粉末(8)は融点が低い上に安価に入手できるので、コンデンサ用電極シート(10)を生産効率良くかつ低コストで製造することができる。
溶射するに際しては、例えば図1(a)に示すようにAl以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末(7)及びAl粉末(8)をそれぞれ相異なる位置から供給してこれら両粉末をアルミニウム箔(2)の表面に溶射するようにしても良いし、或いは図1(b)(c)に示すようにAl以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末を混合した混合粉(6)をアルミニウム箔(2)の表面に溶射するようにしても良い。
即ち、図1(a)では、ノズル(3)からプラズマ流(4)を放出させる一方、ノズル(3)の両サイドに配置された一対の原料供給管のうちの一方の管(5)からAl以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末(7)を、他方の管(5)からAl粉末(8)をそれぞれ前記プラズマ流(4)に投入せしめて該プラズマ流(4)をアルミニウム箔(2)の表面に溶射するものとしている。
また、図1(b)では、ノズル(3)からプラズマ流(4)を放出させる一方、ノズル(3)のサイドに配置された原料供給管(5)からAl以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末を混合した混合粉(6)を前記プラズマ流(4)に投入せしめて該プラズマ流(4)をアルミニウム箔(2)の表面に溶射するものとしている。
また、図1(c)では、一対のノズル(3)(3)からそれぞれプラズマ流(4)(4)を放出させてこれらが合流したプラズマ流を形成させる一方、前記一対のノズル(3)(3)の間に配置された原料供給管(5)からAl以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末を混合した混合粉(6)を前記プラズマ流(4)に投入せしめて該プラズマ流(4)をアルミニウム箔(2)の表面に溶射するものとしている。
前記溶射の手法としては、公知の溶射方法を採用することができ、特に限定されるものではないが、例えばプラズマ溶射、コールドスプレー等を例示できる。中でも、プラズマ溶射により溶射するのが好ましく、この場合には冷却速度が格段に速くなって前記Al−弁作用金属の合金層(11)における組織を十分に微細化することができ、これにより電極シート(10)の耐折り曲げ性をより向上させることができる。
前記プラズマ溶射とは、電極の間にアルゴン、ヘリウム等のガスを流して放電すると、電離して高音高速のプラズマが発生するが、このプラズマを溶射の熱源として用いる溶射法であり、前記高音高速のプラズマ流(プラズマジェット)に溶射材料の粉末を投入して加熱加速せしめて基材に衝突させて溶射するものである。
前記コールドスプレーとは、溶射材料の融点または軟化温度よりも低い温度に加熱した高圧のガスを超音速流にし、この超音速流に溶射材料の粉末を投入して加速せしめ、固相状態のまま基材に衝突させて溶射するものである。
なお、各種溶射条件(例えば、溶射温度、ガス流量等)を適宜設定することにより前記Al−弁作用金属の合金層(11)を多孔質に形成することもできるし、非多孔質に形成することも可能である。
この発明の製造方法では、前記Al−弁作用金属の合金層(11)をアルミニウム箔(2)に積層した工程の後に、焼鈍工程を設けても良い。このような焼鈍処理を施すことによって、電極シートの耐折り曲げ性をさらに向上させることができるし、圧延する際には圧延に要する荷重を低減できる利点もある。
また、この発明の製造方法では、前記Al−弁作用金属の合金層(11)をアルミニウム箔(2)に積層した工程の後に、圧延工程を設けても良い。このような圧延処理を施すことによって、前記Al−弁作用金属の合金層(11)の表面の凹凸をならしてその表面平坦性を向上させることができると共に、電極シート(10)の厚さの均一化を図ることができる(場所による厚さのバラツキをなくすことができる)。
更に、前記積層工程と前記圧延工程との間に焼鈍工程を設けても良いし、前記圧延工程の後に焼鈍工程を設けても良いし、或いはまた前記積層工程の後において前記圧延工程の前後の両方に焼鈍工程を設けるようにしても良い。
前記溶射に用いる金属間化合物粉末(7)の平均粒径は3〜100μmであるのが好ましい。3μm未満では、原料供給管(5)等の供給ノズルが詰まりやすくなるので好ましくないし、一方100μmを超えると、溶射層即ちAl−弁作用金属の合金層(11)にボイドを生じやすくなるので好ましくない。中でも、金属間化合物粉末(7)の平均粒径は5〜50μmであるのがより好ましい。
前記溶射に用いるAl粉末(8)の平均粒径は3〜150μmであるのが好ましい。3μm未満では、原料供給管(5)等の供給ノズルが詰まりやすくなるので好ましくないし、一方150μmを超えると、溶射層即ちAl−弁作用金属の合金層(11)にボイドを生じやすくなるので好ましくない。中でも、Al粉末(8)の平均粒径は5〜70μmであるのがより好ましい。
前記金属間化合物粉末(7)と前記Al粉末(8)の溶射質量比は、金属間化合物粉末/Al粉末=0.1〜5の範囲に設定するのが好ましい。0.1未満では溶射合金層(11)中の金属間化合物の量が少なくなり過ぎて、エッチング処理時に金属間化合物が脱落して良好な静電容量が得られなくなるので好ましくない。一方、5を超えると溶射合金層(11)中の金属間化合物の量が多くなり過ぎてエッチング処理により形成されるエッチング孔の大きさが小さくなり電解質がエッチング層のすべてに入っていかなくなって良好な静電容量が得られなくなるので好ましくない。中でも、金属間化合物粉末(7)とAl粉末(8)の溶射質量比は、金属間化合物粉末/Al粉末=0.5〜2の範囲に設定するのが特に好ましい。
この発明の製造方法において、前記金属間化合物粉末(7)としては、Ti、Zr、Nb、Ta及びHfからなる群より選ばれる1種または2種以上の弁作用金属と、Alとの金属間化合物の粉末を用いるのが好ましい。このような構成を採用した場合には、より大きな静電容量を備えた電極シート(10)を製造することができる。中でも、前記金属間化合物粉末(7)としてはAl3 Zr粉末を用いるのが特に好ましい。
また、前記アルミニウム箔(2)としては、Al箔を用いるか、又はTi、Zr、Nb、Ta及びHfからなる群より選ばれる1種または2種以上の弁作用金属と、Alとからなる合金箔を用いるのが好ましい。この場合には、得られた電極シートを化成処理した時の皮膜欠陥が少なく漏れ電流を小さくできる。
この発明の製造方法で製造されたコンデンサ用電極シート(10)では、Al−弁作用金属の合金層(11)の微細組織は、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物相(22)及びAlの単体相(21)とで構成されており、前記金属間化合物相(22)のデンドライト(樹枝状結晶)における隣合う2次枝の間隔(S)は5μm以下が好ましい(図5参照)。Al以外の弁作用金属には、例えば、Ti、Zr、Nb、Ta及びHfからなる群より選ばれる1種または2種以上の弁作用金属が用いられる。このように金属間化合物相のデンドライトにおける隣合う2次枝の間隔(S)が5μm以下になっている場合には、エッチング処理後に金属間化合物相の露出する表面積が大きいものとなり、これにより十分な静電容量が確保される。なお、前記2次枝の間隔(S)を小さくするには溶射温度を高くして凝固速度を急冷にすれば良い。
この発明の製造方法で製造されたコンデンサ用電極シート(10)の一実施形態におけるAl−弁作用金属の合金層(11)の断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図3に示す。図3において、白い領域が金属間化合物相であり、黒い領域がAl単体相である。図4は、図3の視野の一部をさらに拡大したSEM写真を示すものであり、同様に白い領域が金属間化合物相であり、黒い領域がAl単体相である。図4の中央部には、金属間化合物相のデンドライト(樹枝状結晶)が形成されているのが認められる。
なお、前記「デンドライトにおける隣合う2次枝の間隔」とは、図5に示すように、デンドライトにおける隣合う2次枝(2次アーム)間の中心間距離(S)、即ち隣合う2次枝において一方の2次枝の中心軸から他方の2次枝の中心軸までの距離(S)のことであり、「デンドライトアームスペーシング」(dendrite arm spacing)とも呼ばれる。
この発明に係るコンデンサ用電極シート(10)は、アルミニウム箔からなる芯材(2)の少なくとも片面にアルミニウム合金からなる被覆層(11)が積層一体化されたシートからなり、前記被覆層(11)の微細組織は、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の相及びAlの単体相とで構成されていることを特徴とする。なお、前記被覆層(11)は、多孔質構造、非多孔質構造のいずれの形態になっていても良い。
この発明のコンデンサ用電極シート(10)において、前記金属間化合物相(22)のデンドライト(樹枝状結晶)における隣合う2次枝の間隔(S)は5μm以下であるのが好ましい。5μmを超えると、エッチング処理後に金属間化合物相の露出する表面積が小さくなって十分な静電容量が得られなくなるので好ましくない。中でも、前記隣合う2次枝の間隔(S)は0.5μm以下であるのが特に好ましい。
この発明の電極シート(10)において、アルミニウム箔からなる芯材(2)の厚さは5〜200μmであるのが好ましい。5μm未満では電極シート(10)としての剛性が不十分となり、電極シート(10)を曲げたり切断した場合に割れが生じやすくなるので好ましくない。一方200μmを超えると、電極シート(10)を捲回して捲回型ケースに収納する場合において捲回の際の曲率半径Rが大きくなってしまい捲回型ケースに収納するのが困難になるので好ましくない。中でも、前記アルミニウム箔からなる芯材(2)の厚さは20〜100μmであるのが特に好ましい。
また、前記被覆層(11)の厚さは5〜150μmであるのが好ましい。5μm未満ではエッチング処理時に芯材(2)が露出して十分な静電容量が得られなくなるので好ましくない。一方150μmを超えると、電解質がエッチング層のすべてに入っていかなくなって十分な静電容量が得られなくなるので好ましくない。中でも、前記被覆層(11)の厚さは20〜100μmであるのがより好ましい。
この発明の電極シート(10)またはこの発明の製造方法により製造された電極シート(10)をエッチングした後、さらに化成処理を行ってこの電極シート(1)の表面に電気化学的に誘電体皮膜(6)を形成させることによって、電解コンデンサ用陽極材として好適に用いられるシートを製造することができる。
前記エッチング処理としては、例えば塩酸水溶液または硫酸アルミニウム溶液中で直流電流を通電してエッチングする方法等を例示できるが、特にこれに限定されない。
また、前記化成処理としては、特に限定されるものではないが、例えばホウ酸浴、リン酸浴またはアジピン酸浴中での化成処理等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
この発明に係る電解コンデンサは、上記陽極材を用いて構成されたものである。この発明のコンデンサ用電極シート(10)を構成素材にした陽極材を用いているので、小型でかつ大容量の電解コンデンサとなる。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
図1(b)に示すように、ノズル(3)からプラズマ流(4)を放出させる一方、ノズル(3)のサイドに配置された原料供給管(5)から平均粒径3μmのAl3 Zr粉末(金属間化合物粉末)及び平均粒径3μmのAl粉末を混合した混合粉(6)をプラズマ流(4)に投入せしめて該プラズマ流(4)を厚さ40μmのAl箔からなる芯材(2)の両面に溶射することによって図2に示す電極シート(10)を得た。なお、前記混合粉(6)中の粉末の混合比(溶射質量比)はAl3 Zr粉末/Al粉末=1.0に設定した。形成された溶射被覆層(11)の厚さは60μmであり、従って厚さ160μmの電極シート(10)が得られた。
得られた電極シートの溶射被覆層(11)中の金属間化合物相のデンドライトにおける隣合う2次枝の間隔(デンドライトアームスペーシング)は平均1μmであった。
次に、前記電極シートを、3%(質量%)H3PO4水溶液中に浸漬して90℃で120秒間煮沸することによって脱脂した後、流水で水洗し、更にアセトン溶媒中で超音波洗浄し、50℃で5分間乾燥させた。
次いで、エッチング処理を行った。エッチング液としてHCl(1モル/L)+H2SO4(3.5モル/L)水溶液を用い、温度75℃、電流密度DC0.5A/cm2 (片面)の条件でエッチング処理を行った。
更に、リン酸アンモニウム水溶液(濃度1.5g/L、85℃)中において電流密度5mA/cm2 で20V×10分の定電圧化成処理を行った。
次いで、空気中で500℃で5分間加熱処理(焼鈍)を行った後、前記化成処理と同条件で(但し定電圧化成処理時間は5分間)再度化成処理を行うことによって、電極シートを得た。
<実施例2〜25、比較例1〜16>
Al3 Zr粉末として表1、2に示す平均粒径のものを用い、Al粉末として表1、2に示す平均粒径のものを用いるものとした以外は、実施例1と同様にして電極シートを得た。
Figure 2006302917
Figure 2006302917
<実施例26>
図1(a)に示すように、ノズル(3)からプラズマ流(4)を放出させる一方、一方の原料供給管(5)から平均粒径15μmのAl3 Zr粉末(金属間化合物粉末)(7)をプラズマ流(4)に投入すると共に、他方の原料供給管(5)から平均粒径20μmのAl粉末(8)をプラズマ流(4)に投入せしめて該プラズマ流(4)を厚さ40μmのAl箔からなる芯材(2)の両面に溶射することによって図2に示す電極シート(10)を得た。なお、溶射質量比を、Al3 Zr粉末/Al粉末=1.0に設定してプラズマ溶射した。形成された溶射被覆層(11)の厚さは5μmであり、従って厚さ15μmの電極シート(10)が得られた。
得られた電極シートの溶射被覆層(11)中の金属間化合物相のデンドライトにおける隣合う2次枝の間隔(デンドライトアームスペーシング)は平均1μmであった。
次に、前記電極シートを、3%(質量%)H3PO4水溶液中に浸漬して90℃で120秒間煮沸することによって脱脂した後、流水で水洗し、更にアセトン溶媒中で超音波洗浄し、50℃で5分間乾燥させた。
次いで、エッチング処理を行った。エッチング液としてHCl(1モル/L)+H2SO4(3.5モル/L)水溶液を用い、温度75℃、電流密度DC0.5A/cm2 (片面)の条件でエッチング処理を行った。
更に、リン酸アンモニウム水溶液(濃度1.5g/L、85℃)中において電流密度5mA/cm2 で20V×10分の定電圧化成処理を行った。
次いで、空気中で500℃で5分間加熱処理(焼鈍)を行った後、前記化成処理と同条件で(但し定電圧化成処理時間は5分間)再度化成処理を行うことによって、電極シートを得た。
<実施例27〜50、比較例17〜32>
Al箔からなる芯材(2)として表3、4に示す厚さのものを用いるものとし、溶射被覆層(11)の形成厚さを表3、4に示す厚さに設定した以外は、実施例26と同様にして電極シートを得た。
Figure 2006302917
Figure 2006302917
<実施例51>
溶射質量比を、Al3 Zr粉末/Al粉末=0.1に設定した以外は、実施例38と同様にして電極シートを得た。
<実施例52〜55、比較例33、34>
溶射質量比を表5に示す値に設定した以外は、実施例51と同様にして電極シートを得た。
Figure 2006302917
<実施例56〜58、比較例35>
Al3 Zr粉末として平均粒径15μmのものを用い、Al粉末として平均粒径20μmのものを用い、デンドライトアームスペーシングが表6に示す値になるようにプラズマ溶射した以外は、実施例1と同様にして電極シートを得た。
Figure 2006302917
<実施例59>
金属間化合物粉末として、Al3 Zr粉末に代えて、平均粒径15μmのAl3 Ti粉末を用いた以外は、実施例13と同様にして電極シートを得た。
<実施例60>
金属間化合物粉末として、Al3 Zr粉末に代えて、平均粒径15μmのAl3 Nb粉末を用いた以外は、実施例13と同様にして電極シートを得た。
<実施例61>
金属間化合物粉末として、Al3 Zr粉末に代えて、平均粒径15μmのAl3 Ta粉末を用いた以外は、実施例13と同様にして電極シートを得た。
<実施例62>
金属間化合物粉末として、Al3 Zr粉末に代えて、平均粒径15μmのAl3 Hf粉末を用いた以外は、実施例13と同様にして電極シートを得た。
Figure 2006302917
上記のようにして得られた各電極シートのCV積を測定すると共に、下記の各種評価を行った。これら評価結果を表1〜7に示す。
<原料供給ノズルの詰まり発生の有無の評価>
溶射中に原料供給管の供給ノズルに詰まりが発生して粉末の溶射を安定状態に行うことができなかったものについて、表の評価欄に「供給ノズルに詰まり発生」と表記した。
<ボイド発生の有無の評価>
得られた電極シートの断面観察を行い、溶射被覆層にボイドが顕著に認められたものについて、表の評価欄に「ボイドが顕著に発生」と表記した。
<曲げ特性の評価>
直径1mmのアルミニウム製の丸棒の外周面に電極シートを巻き付けた際に、電極シートに割れが生じたものについて表の評価欄に「曲げ剛性不良」と表記する一方、電極シートと丸棒の外周面との間に隙間が生じたものについて表の評価欄に「捲回の際の曲率が大きい」と表記した。
<静電容量の評価>
十分な静電容量が得られなかったものについて、表の評価欄に「静電容量低い」と表記した。なお、表3、4における「CV積比」とは、CV積を溶射層厚さで割って(割り算して)得られた値である。また、表5における「CV積効率」とは、CV積が最大の値を示したもの(実施例53)を選び、それぞれのCV積をその最大CV積で割った値である。
上記の諸評価を行った結果、十分な静電容量が得られると共に、供給ノズルの詰まり発生がなく、溶射層にボイド発生もなく、良好な曲げ特性を備えていたものについて、表の評価欄に「○」と表記した。
(a)は金属間化合物粉末及びAl粉末を溶射する際の溶射方法の一例を示す概略図、(b)は他の一例を示す概略図、(c)はさらに他の一例を示す概略図である。 この発明の一実施形態に係る電極シートを示す断面図である。 図2の電極シートの溶射層(Al−Al以外の弁作用金属の合金層)の断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 図3の視野の一部をさらに拡大したSEM写真である。 この発明の電極シートにおける溶射層(Al−Al以外の弁作用金属の合金層)の微細構造を説明するための模式図である。
符号の説明
2…アルミニウム箔
3…ノズル
4…プラズマ流
5…原料供給管
6…混合粉
7…金属間化合物粉末
8…Al粉末
10…電極シート
11…Al−Al以外の弁作用金属の合金層(溶射層)
21…Al単体相
22…金属間化合物相
S…隣合う2次枝の間隔

Claims (20)

  1. Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末を混合した混合粉をアルミニウム箔の表面に溶射することによって、前記アルミニウム箔の少なくとも片面に、Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層することを特徴とするコンデンサ用電極シートの製造方法。
  2. Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末をそれぞれ相異なる位置から供給してこれら両粉末をアルミニウム箔の表面に溶射することによって、前記アルミニウム箔の少なくとも片面に、Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層することを特徴とするコンデンサ用電極シートの製造方法。
  3. 前記溶射をプラズマ溶射により行う請求項1または2に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
  4. Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の粉末及びAl粉末をそれぞれ相異なる位置から単一のプラズマ流に投入せしめて該プラズマ流をアルミニウム箔の表面にプラズマ溶射することによって、前記アルミニウム箔の少なくとも片面に、Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層することを特徴とするコンデンサ用電極シートの製造方法。
  5. 前記Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層した後、圧延することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
  6. 前記Al−Al以外の弁作用金属の合金層を積層した後、焼鈍することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
  7. 前記金属間化合物粉末の平均粒径が3〜100μmであり、前記Al粉末の平均粒径が3〜150μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
  8. 前記金属間化合物粉末と前記Al粉末の溶射質量比を、金属間化合物粉末/Al粉末=0.1〜5の範囲に設定する請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
  9. 前記金属間化合物粉末として、Ti、Zr、Nb、Ta及びHfからなる群より選ばれる1種または2種以上の弁作用金属と、Alとの金属間化合物の粉末を用いる請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
  10. 前記金属間化合物粉末として、Al3 Zr粉末を用いる請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
  11. 前記アルミニウム箔として、Al箔、またはTi、Zr、Nb、Ta及びHfからなる群より選ばれる1種または2種以上の弁作用金属と、Alとからなる合金箔を用いる請求項1〜10のいずれか1項に記載のコンデンサ用電極シートの製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法により得られたコンデンサ用電極シートであって、前記Al−Al以外の弁作用金属の合金層の微細組織は、金属間化合物相及びAlの単体相とで構成され、前記金属間化合物相のデンドライト(樹枝状結晶)における隣合う2次枝の間隔が5μm以下であることを特徴とするコンデンサ用電極シート。
  13. アルミニウム箔からなる芯材の少なくとも片面にアルミニウム合金からなる被覆層が積層一体化されたシートにおいて、
    前記被覆層の微細組織は、Al以外の弁作用金属とAlとの金属間化合物の相及びAlの単体相とで構成されていることを特徴とするコンデンサ用電極シート。
  14. 前記金属間化合物相のデンドライト(樹枝状結晶)における隣合う2次枝の間隔が5μm以下である請求項13に記載のコンデンサ用電極シート。
  15. 前記芯材の厚さが5〜200μmであり、前記被覆層の厚さが5〜150μmである請求項13または14に記載のコンデンサ用電極シート。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法により得られた電極シートをエッチングした後、さらに化成処理を行って表面に誘電体皮膜を形成せしめることを特徴とする電解コンデンサ用陽極材の製造方法。
  17. 請求項16に記載の製造方法により製造された電解コンデンサ用陽極材。
  18. 請求項12〜15のいずれか1項に記載の電極シートをエッチングした後、さらに化成処理を行って表面に誘電体皮膜を形成せしめることを特徴とする電解コンデンサ用陽極材の製造方法。
  19. 請求項18に記載の製造方法により製造された電解コンデンサ用陽極材。
  20. 請求項17または19に記載の陽極材を用いて構成された電解コンデンサ。
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JP2016076674A (ja) * 2014-10-09 2016-05-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 電極箔とその製造方法および電解コンデンサ

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