JP2006300803A - 波長モニタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 合波後の被測定光を分岐することなく、被測定光の波長を精度よく測定することができる波長モニタを実現することにある。
【解決手段】 本発明は、被測定光を分岐し、この分岐した被測定光の光軸角をずらして合波させて干渉縞を形成する干渉縞発生手段を備えた波長モニタに改良を加えたものである。本装置は、複数のフォトダイオードを有し、干渉縞発生手段からの干渉光を受光するフォトダイオードアレイと、このフォトダイオードアレイの出力から位相のずれた干渉信号を生成する位相変化手段とを設け、フォトダイオードは、干渉縞が形成される方向に沿って、ずらして配置されることを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被測定光を分岐し、この分岐した被測定光の光軸角をずらして合波させて干渉縞を形成する干渉縞発生手段を備えた波長モニタに関するものであり、詳しくは、合波後の被測定光を分岐することなく、被測定光の波長を精度よく測定することができる波長モニタに関するものである。
光通信や光計測の分野で使用されるレーザ光源には様々な種類があり、例えば、単一モードで発振するDFB−LD(Distributed FeedBack - Laser diode)光源やDBR−LD(Distributed Bragg Reflector - Laser Diode)光源、回折格子を使用した外部共振器型の波長可変光源等がある。しかし、DFB−LD光源やDBR−LD光源は、発振波長が長期的にドリフトする問題があり、外部共振器型の波長可変光源は、外部の影響(例えば、温度変化)によって波長が変化するという問題がある。従って、光通信や光計測の分野でレーザ光源を用いる場合、レーザ光源の波長を高確度・高精度に測定し、モニタリングする必要がある。
波長を測定する装置としては、回折格子を用いる波長モニタや被測定光を干渉させる波長モニタ等がある。このうち、被測定光の干渉信号を用いた波長モニタの場合、波長変化量と変化方向を高精度・高確度で測定するために少なくとも2個の干渉信号を測定し、これらの干渉信号は、位相を90°ずらして測定する(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
図8は、従来の被測定光を干渉させる波長モニタの構成を示した図である(例えば、特許文献1参照)。図8において、光ファイバ10から被測定光のレーザ光が出射され、レンズ11によって平行光になり偏光子12を通過する。そして、偏光子12を通過した平行光は、ビームスプリッタ13で分岐され、一方の分岐光は、フォトダイオード14で受光される。
ビームスプリッタ13で分岐された他方の分岐光は、複屈折遅延板15に入射する。複屈折遅延板15は、例えば、s偏光をp偏光に対して、π/2の位相推移を生じさせる。そして、偏光ビームスプリッタ16が、遅延板15からの光をp偏光とs偏光に分岐し、p偏光をフォトダイオード17が受光し、s偏光をフォトダイオード18が受光する。
各フォトダイオード14、17、18の出力は、信号処理手段19に入力され、被測定光の波長が演算される。なお、光ファイバ10からの被測定光は、光パワー自体が時間的に変動するので、変動によるオフセット分をフォトダイオード14の出力で補正する。
このようにフォトダイオード17、18のオフセット分を補正し、規格化することにより、図9に示すような位相が90°ずれた干渉信号が得られる。図9において、横軸は波長であり、縦軸は規格化した光パワーである。
図10は、従来の被測定光を干渉させる波長モニタのその他の構成を示した図である(例えば、特許文献3参照)。図10において、光ファイバ20から被測定光のレーザ光が出射され、レンズ21によって平行光になりマイケルソン型の干渉計22に入射する。
マイケルソン型の干渉計22は、干渉縞発生手段であり、ビームスプリッタ22a、ミラー22b、22cを有し、入射した被測定光を分岐し、この分岐した被測定光の光軸角をずらして合波させて干渉縞を形成する。
ビームスプリッタ22aは、レンズ11からの平行光を分岐すると共に、ミラー22b、22cからの反射光を合波して干渉させる。ミラー22bは、ビームスプリッタ22aで分岐された一方の平行光の光路に配置され、ビームスプリッタ22aからの一方の分岐光をビームスプリッタ22aに反射する。ミラー22cは、ビームスプリッタ22aで分岐された他方の平行光の光路に配置され、スプリッタ22aからの他方の分岐光をビームスプリッタ22aに反射するが、分岐光の光軸に対し、わずかに傾けて設置される。
また、ビームスプリッタ22aとミラー22b間の光路長と、ビームスプリッタ22aとミラー22c間の光路長は、異なる。
ビームスプリッタ23は、ビームスプリッタ22aが合波した干渉光を分岐する。スリット24は、ビームスプリッタ23が分岐した一方の干渉光の一部を通過させる。フォトダイオード25は、スリット24を通過した干渉光を受光する。スリット26は、ビームスプリッタ23が分岐した他方の干渉光の一部を通過させる。フォトダイオード27は、スリット26を通過した干渉光を受光する。信号処理手段28は、フォトダイオード25、27からの出力で被測定光の波長を演算する。
なお、スリット24、27のスリット位置を調整することにより、フォトダイオード25,27から出力される干渉信号の位相差を調整し、90°位相のずれた干渉信号を測定する。
特開平10−339668号公報 特開2000−234959号公報 特開2002−214049号公報
このように90°位相のずれた干渉信号を測定することにより、被測定光の波長を高確度・高精度に測定することができる。
しかしながら、図8に示す装置では、90°位相のずれた干渉信号をフォトダイオード17、18で受光するために、複屈折遅延板15や合波後の干渉信号を分岐する偏光ビームスプリッタ16が必要であり、さらに、干渉信号のオフセット分除去と規格化のために、全光量を測定するためのフォトダイオード14も必要であり、光学系が複雑になるという問題があった。
図10に示す装置では、90°位相のずれた干渉信号をフォトダイオード25、27で受光するため、合波後の干渉信号を分岐するビームスプリッタ23、位相差を生ずるためのスリット24、26が必要であり、光学系が複雑になるという問題があった。さらに、図10では図示されていないが、干渉信号のオフセット分を除去するために全光量を測定するためのビームスプリッタ、フォトダイオードも必要であり、光学系が複雑になるという問題があった。
そこで本発明の目的は、合波後の被測定光を分岐することなく、被測定光の波長を精度よく測定することができる波長モニタを実現することにある。
請求項1記載の発明は、
被測定光を分岐し、この分岐した被測定光の光軸角をずらして合波させて干渉縞を形成する干渉縞発生手段を備えた波長モニタにおいて、
複数のフォトダイオードを有し、前記干渉縞発生手段からの干渉光を受光するフォトダイオードアレイと、
このフォトダイオードアレイの出力から位相のずれた干渉信号を生成する位相変化手段と
を設け、前記フォトダイオードは、前記干渉縞が形成される方向に沿って、ずらして配置されることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、
フォトダイオードアレイは、フォトダイオードを少なくとも4個有し、
前記フォトダイオードのそれぞれは、前記干渉縞の空間的な1周期を4等分して受光することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、
位相変化手段は、
1番目のフォトダイオードの出力と3番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第1の干渉信号として出力し、
2番目のフォトダイオードの出力と4番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第2の干渉信号として出力することを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、
前記干渉縞が形成される方向に沿って、前記フォトダイオードアレイを複数個設けたことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、
フォトダイオードアレイは、フォトダイオードを少なくとも(4×n)個有し、
前記フォトダイオードのそれぞれは、前記干渉縞の空間的な1周期を4等分して受光し、
位相変化手段は、
(4×(i−1)+1)番目のフォトダイオードの出力と(4×(i−1)+3)番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第1の干渉信号として出力し、
(4×(i−1)+2)番目のフォトダイオードの出力と(4×(i−1)+4)番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第2の干渉信号として出力し、
ただし、n、iは自然数であることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、
干渉縞の空間的な周期と前記フォトダイオードアレイのフォトダイオードとの周期のずれを補正する補正手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、
補正用の波長を入力する入力手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明において、
補正用の波長を出力する基準波長生成手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、
干渉縞発生手段は、2光束干渉計であることを特徴とするものである。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、
干渉縞発生手段は、マイケルソン型の干渉計であることを特徴とするものである。
請求項11記載の発明は、請求項9記載の発明において、
干渉縞発生手段は、マッハ・ツェンダー型の干渉計であることを特徴とするものである。
本発明によれば、以下のような効果がある。
請求項1〜11によれば、干渉縞発生手段から干渉光を、干渉縞の空間的な周期に対して位相をずらして複数のフォトダイオードで受光し、位相変化手段がフォトダイオードからの出力に基づいて、90°位相のずれた干渉信号を出力するので、オフセット分がキャンセルされる。これにより、全光量を測定するフォトダイオードや、合波後の干渉光を分岐するビームスプリッタを設ける必要ない。従って、合波後の被測定光を分岐することなく、被測定光の波長を高確度・高精度で測定することができる。さらに、光学部品の点数が少なくなるので、アライメントも容易になり、部材費、アライメントコスト等を抑えられ、波長モニタ全体のコストを抑えることができる。
請求項6〜8によれば、補正手段が、周期のずれで生ずる波長誤差を補正するので、広い波長範囲で数[pm]単位の波長を求める場合であっても、高精度に波長を求めることができる。
以下図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施例]
図1は、本発明の第1の実施例を示した構成図である。図2は、図1に示す装置の要部を詳細に示した図である。ここで、図10と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図1において、ビームスプリッタ23、スリット24、26、フォトダイオード25、27の代わりにフォトダイオードアレイ29、位相変化手段30が設けられる。
フォトダイオードアレイ29は、4個のフォトダイオード29(1)〜29(4)を有する。フォトダイオード29(1)〜29(4)のそれぞれは、干渉計22によって形成される干渉縞の空間的な1周期を4等分して受光する。もちろん、フォトダイオード29(1)〜29(4)は、干渉縞が形成される方向に沿って、ずらして並べられる。言い換えると、フォトダイオード29(1)〜29(4)は、干渉縞の周期で90°ずらして配置されている。
ここで、図2中の光強度分布100は、フォトダイオード29(1)〜20(4)の受光面上に形成される干渉縞の光強度を模式的に示したものである。この干渉縞は、図10と同様に干渉計22で形成されている。すなわち、干渉計22は、ビームスプリッタ22aで合波されるミラー22b、22cからの反射光の波面を傾け、干渉光ビーム面内の光強度分布に干渉縞を発生させている。
なお、図2中において、左側のフォトダイオード29(1)から1番目、2番目、3番目、4番目とする。また、フォトダイオード29(1)〜29(4)の受光部分は、干渉縞の空間的な1周期を4等分した幅となるように、フォトダイオード29(1)〜29(4)間の非受光部分を小さくするとよい。
干渉縞の周期は、被測定光の波長によって異なるので、例えば、波長測定範囲の中心波長において、4個のフォトダイオード29(1)〜29(4)全体の幅と、干渉縞の周期が一致するようにするとよい。そして、干渉縞は、被測定光の波長が変化すると平行移動するように観測される。さらに、ミラー22b、22cからの両反射平行光の波面の傾ける角度を大きくすると干渉縞の間隔が狭くなり、反対に傾ける角度を小さくすると干渉縞の間隔が広がる。最終的に波面の傾ける角度が無くなる(平行になる)と、均一な光強度となる。従って、フォトダイオード29(1)〜29(4)の受光幅、干渉縞の間隔などを考慮し、所望の波長で干渉縞の周期と一致させる。
位相変化手段30は、減算回路30a、30bを有し、フォトダイオードアレイ29の出力から位相のずれた干渉信号を生成する。減算回路30aは、1番目のフォトダイオード29(1)の出力と3番目のフォトダイオード29(3)の出力とを減算した結果を第1の干渉信号として信号処理手段28に出力する。減算回路30bは、2番目のフォトダイオード29(2)の出力と4番目のフォトダイオード29(4)の出力とを減算した結果を第2の干渉信号として信号処理手段28に出力する。従って、第1の干渉信号と第2の干渉信号は位相がずれており所定の波長(例えば、測定波長範囲の中心波長)で90°位相がずれる。
このような装置の動作を説明する。
光ファイバ20が、図示しないレーザ光源からの光を導いて、ファイバ端面から被測定光を出射する。レンズ21が、光ファイバ20の射出光軸上に配置され、ファイバ端面から射出される被測定光を平行光に変換する。そして、レンズ21により平行光に変換された被測定光が、光軸上に配置されたビームスプリッタ22aに入射する。
この入射光を、干渉計22のビームスプリッタ22aが、ミラー22b側とミラー22c側に分岐する。そして、ミラー22bが、ビームスプリッタ22aからの平行光を再度ビームスプリッタ22aに入射するように反射する。また、ミラー22cが、ビームスプリッタ22aからの平行光を再度ビームスプリッタ22aに入射するように反射する。
そして、ミラー22b、22cで反射され、ビームスプリッタ22aに再度入射した反射平行光が、ビームスプリッタ22aで合波され、ミラー22b、22c側とは異なる端面側から出射される。
なお、ミラー22cの反射面が、ビームスプリッタ22aからの平行光の光軸に対して傾けられている。従って、ミラー22bからの反射光の光軸とミラー22cからの反射光の光軸とで構成される光軸角は、僅かな傾むきをもってビームスプリッタ22aで合波される。これにより、フォトダイオードアレイ29の受光面上では、空間的な干渉縞が形成される。
そして、フォトダイオードアレイ29の各フォトダイオードアレイ29(1)〜29(4)が、ビームスプリッタ22aからの合波された干渉光を受光する。さらに、フォトダイオードアレイ29(1)〜29(4)が、光を電気信号に変換して、光の光強度に応じた電流を出力する。
そして、減算回路30aが、(1番目のフォトダイオード29(1)の出力)−(3番目のフォトダイオード29(3)の出力)を行ない、減算結果を第1の干渉信号として信号処理手段28に出力する。また、減算回路30bが、(2番目のフォトダイオード29(2)の出力)−(4番目のフォトダイオード29(4)の出力)を行い、減算結果を第2の干渉信号として信号処理手段28に出力する。従って、第1、第2の干渉信号共にオフセット分が除去されている。
このような位相が90°ずれた第1、第2の干渉信号から、信号処理手段28が、被測定光の波長測定を行なう。例えば、第1の干渉信号をcosθとすれば、第2の干渉信号は、sinθで表される。従って、信号処理手段28が、
θ=tan−1(sinθ/cosθ)
よりθを求め、このθから被測定光の波長λの変動を求める。
このように、干渉計22からの干渉縞を、干渉縞の周期に対して90°ずらした4個のフォトダイオード29(1)〜29(4)で受光し、位相変化手段30の減算回路30a、30bがフォトダイオード29(1)〜29(4)からの出力を減算し、90°位相のずれた干渉信号を出力するので、オフセット分がキャンセルされる。これにより、全光量を測定するフォトダイオードや、合波後の干渉光を分岐するビームスプリッタを設ける必要はない。従って、合波後の被測定光を分岐することなく、被測定光の波長を高確度・高精度で測定することができる。さらに、光学部品の点数が少なくなるので、アライメントも容易になり、部材費、アライメントコスト等を抑えられ、波長モニタ全体のコストを抑えることができる。
[第2の実施例]
図3は、本発明の第2の実施例を示した構成図である。ここで、図1、図2と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図3において、干渉計22からの干渉縞が形成される方向に沿って、フォトダイオードアレイ29が複数個設けられる。
各フォトダイオードアレイ29の1番目のフォトダイオード29(1)の出力と3番目のフォトダイオード29(3)の出力は、減算回路30aに入力され減算され、第1の干渉信号として出力される。
また、各フォトダイオードアレイ29の2番目のフォトダイオード29(2)の出力と4番目のフォトダイオード29(4)の出力は、減算回路30bに入力され、減算され、第2の干渉信号として出力される。つまり、フォトダイオード29(1)〜29(4)は、4個おきに結線される。
このように、フォトダイオードアレイ29が、干渉縞の配列方向に沿って複数個設けられ、位相変化手段30が、複数のフォトダイオード29の出力から干渉信号を生成する。これにより、干渉縞の一部または全体にムラ(ランダムなノイズ)があっても、平均化によってムラの影響の少ない干渉信号をえることができる。
[第3の実施例]
図4は、本発明の第3の実施例を示した構成図である。ここで、図1、図2と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図4において、干渉計22の代わりにマッハ・ツェンダ型の干渉計31が設けられる。
干渉計31は、干渉縞発生手段であり、ビームスプリッタ31a、ミラー31b、31c、ビームスプリッタ31dを有し、レンズ21からの被測定光を分岐し、この分岐した被測定光の光軸角をずらして合波させて干渉縞をフォトダイオードアレイ29の受光面上に形成する。
ビームスプリッタ31aは、レンズ21からの平行光を分岐する。ミラー31bは、ビームスプリッタ31aで分岐された一方の平行光の光路に配置され、分岐された一方の平行光を反射する。ミラー31cは、ビームスプリッタ31aで分岐された他方の平行光の光路に配置され、分岐された他方の平行光を反射する。ビームスプリッタ31dは、ミラー31b、31cからの反射光を合波し、フォトダイオードアレイ29に出射する。
なお、干渉計31は、ビームスプリッタ31dで合波する反射光の波面を傾け、干渉光ビーム面内の光強度分布に干渉縞を発生させるため、ミラー31cが傾けて配置される。つまり、ビームスプリッタ31dで合波される反射光同士の光軸で形成される光軸角はずれている。
このような装置の動作を説明する。
ミラー31bは、ビームスプリッタ31aからの一方の平行光をビームスプリッタ31dに入射するように反射する。ミラー31cは、ビームスプリッタ31aからの他方の平行光をビームスプリッタ31dに入射するように反射する。ミラー31b、31cで反射され、ビームスプリッタ31dに入射した反射平行光は合波され、両入射端面とは異なる両端面から出射され、フォトダイオードアレイ29で受光される。その他の動作は、図1に示す装置と同様なので説明を省略する。
このように、ミラー31b、31cが、分岐光を光ファイバ20側に反射しないので、図1に示す装置の効果に加え、入力部への悪影響を避けることができる。また、この構造の干渉計では、多重反射の影響が少ない。
[第4の実施例]
図5は、本発明の第4の実施例を示した構成図である。ここで、図4と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図4において、干渉計31の代わりにマッハ・ツェンダ型の干渉計31’が設けられる。
干渉計31’は、干渉縞発生手段であり、ビームスプリッタ31a’、ミラー31b’、31c’、ビームスプリッタ31d’を有し、レンズ21からの被測定光を分岐し、この分岐した被測定光の光軸角をずらして合波させて干渉縞をフォトダイオードアレイ29の受光面上に形成する。
ビームスプリッタ31a’は、レンズ21からの平行光を分岐する。ミラー31b’、31c’は、ビームスプリッタ31a’で分岐された一方の平行光の光路に配置され、分岐された一方の平行光を順番に反射する。ビームスプリッタ31d’は、ビームスプリッタ31a’で分岐された他方の平行光の光路に配置され、ミラー31c’からの反射光と他方の平行光を合波し、フォトダイオードアレイ29に出射する。
なお、干渉計31’は、ビームスプリッタ31d’で合波する反射光の波面を傾け、干渉光ビーム面内の光強度分布に干渉縞を発生させるため、ミラー31c’が傾けて配置される。つまり、ビームスプリッタ31d’で合波される反射光の光軸と他方の平行光の光軸とで形成される光軸角はずれている。
このような装置の動作を説明する。
ミラー31b’は、ビームスプリッタ31a’からの一方の平行光を、他方の平行光と平行になるように反射する。ミラー31c’は、ミラー31b’からの平行光をビームスプリッタ31d’に入射するように反射する。ミラー31b’、31c’で順に反射され、ビームスプリッタ31dに入射した反射平行光は、ビームスプリッタ31a’からの他方の平行光と合波され、両入射端面とは異なる両端面から出射され、フォトダイオードアレイ29で受光される。その他の動作は、図4に示す装置と同様なので説明を省略する。
このように、ミラー31b’、31c’が、分岐光を光ファイバ20側に反射しないので、図1に示す装置の効果に加え、入力部への悪影響を避けることができる。また、この構造の干渉計では、多重反射の影響が少ない。さらに、図4に示す干渉計よりも光路長差を大きくとることができる。
[第5の実施例]
図1、図3〜図5に示す波長モニタは、干渉光の干渉信号から波長を演算するため、数[pm]単位で波長の変動を求めることができる。一方、所定の波長においては、干渉縞の空間的周期とフォトダイオードの周期とが一致するが、所定の波長から離れるほど周期が一致しなくなる。
図6は、本発明の第5の実施例を示した構成図であり、被測定光の絶対波長を高精度に求めることができるものである。ここで、図1と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図6において、信号処理手段28に補正手段28aが設けられる。また、入力手段32が新たに設けられる。
補正手段28aは、干渉縞の空間的な周期とフォトダイオードアレイ29のフォトダイオード29(1)〜29(4)との周期のずれによる波長誤差を補正する。入力手段32は、波長モニタの波長分解能に対して、粗い精度(例えば、nm]単位)の波長の値が入力される。
このような装置の動作を説明する。
入力手段32から、粗い精度の被測定光の波長(例えば、回折格子を用いた光スペアナ(図示せず)で測定した値)が補正手段28aに入力される。そして、補正手段28aが、粗い精度の波長から、干渉縞の空間的な周期とフォトダイオードアレイ29のフォトダイオード29(1)〜29(4)との周期のずれを求める。
すなわち、周期のずれは被測定光の波長によって一意に決まるので、補正手段28aが演算によって求め、信号処理手段28の求めた波長を補正する。または、あらかじめ周期のずれによる波長誤差を測定して記憶部(図示せず)に記憶させておき、補正手段28aが記憶部のデータを参照して演算して補正する。その他の動作は、図1に示す装置と同様なので説明を省略する。
このように、補正手段28aが、粗い精度の波長から周期のずれで生ずる波長誤差を補正するので、広い波長範囲で数[pm]単位の波長を求める場合であっても、高精度に波長を求めることができる。
[第6の実施例]
図7は、本発明の第6の実施例を示した構成図である。ここで、図6と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。レンズ21と干渉計22の間に、ビームスプリッタ33が新たに設けられる。入力手段32の代わりに基準波長生成手段34が設けられる。ビームスプリッタ33は、被測定光を分岐し、一方を干渉計22に出力し、他方を基準波長生成手段34に出力する。
基準波長生成手段34は、例えば、波長基準となる吸収線を持つガスを封入したガスセルを有し、ガスセルを透過した被測定光から、粗い精度の波長を算出し、補正手段28aに出力する。
このような装置の動作を説明する。
ビームスプリッタ33が、レンズ21からの平行光を分岐し、分岐した一方の平行光を干渉計22に出射し、分岐した他方の平行光を基準波長生成手段34に出力する。そして、基準波長生成手段34が、被測定光の波長を粗い精度([nm]単位)で求め、補正手段28aに出力する。その他の動作は、図6に示す装置と同様なので説明を省略する。
このように、補正手段28aが、粗い精度の波長から周期のずれで生ずる波長誤差を補正するので、広い波長範囲で数[pm]単位の波長を求める場合であっても、高精度に波長を求めることができる。
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、以下に示すようなものでもよい。
図1、図3〜図7に示す装置において、干渉縞発生手段として、マイケルソン型の干渉計22、マッハ・ツェンダ型の干渉計31、31’を設ける構成を示したが、どのような2光束干渉計を用いてもよく、要は、分岐した被測定光(平行光)の波面を傾いた状態で合波させて直線状の干渉縞を発生させるものならばどのようなものでもよい。
図1、図3〜図7に示す装置において、ビームスプリッタ22a、31a、31d、33を用いる構成を示したが、ハーフミラーを用いてもよい。
図1に示す装置において、ミラー22c(光路長が短いほう)をビームスプリッタ22aからの分岐光の光軸に対してわずかに傾ける構成を示したが、ミラー22bを傾けてもよい。または、両方のミラー22b、22cを傾けてもよい。
図1に示す装置において、フォトダイオードアレイ29は、4個のフォトダイオード29(1)〜29(4)を有する構成を示したが、何個でもよく、例えば、フォトダイオードを少なくとも(4×n)個、有していればよく、フォトダイオードのそれぞれは、干渉縞の空間的な1周期を4等分(つまり、干渉縞の周期に対して90°ずれて設置)して受光する。
また、位相変化手段30は、(4×(i−1)+1)番目のフォトダイオードの出力と(4×(i−1)+3)番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第1の干渉信号として出力し、(4×(i−1)+2)番目のフォトダイオードの出力と(4×(i−1)+4)番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第2の干渉信号として出力するとよい。ただし、n、iは自然数である。
つまり、位相変化手段30は、1、5、9、…番目のフォトダイオードの出力と3、7、11、…番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第1の干渉信号として出力し、2、6、10、…番目のフォトダイオードの出力と4、8、12、…番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第2の干渉信号として出力する。
図3に示す装置において、フォトダイオードアレイ29を隙間無く並べる構成を示したが、フォトダイオードアレイ29間に隙間を設けてもよい。
図4に示す装置において、ミラー31cを傾ける構成を示したが、ビームスプリッタ31dで合波されるミラー31bからの反射光の光軸とミラー31cからの反射光の光軸が、僅かに傾いた状態に調整されればよく、この両光軸の傾きを発生させる方法は、ミラー31b、31cを傾けても、ビームスプリッタ31a、31dを傾けてもよい。
図5に示す装置において、ミラー31c’を傾ける構成を示したが、ビームスプリッタ31d’で合波されるミラー31c’からの反射光の光軸とビームスプリッタ31a’の他方の平行光の光軸が、僅かに傾いた状態に調整されればよく、この両光軸の傾きを発生させる方法は、ミラー31b’、31c’を傾けても、ビームスプリッタ31a’、31d’を傾けてもよい。
図6、図7に示す装置において、入力手段32、基準波長生成手段34を設ける構成を示したが、補正手段28aが、被測定光を測定する際の初期値の波長を有しているならば、入力手段32、基準波長生成手段34を設けず、この初期値の波長からの波長変動および絶対波長を求めてもよい。
本発明の第1の実施例を示した構成図である。 図1に示す装置の要部を示した図である。 本発明の第2の実施例を示した構成図である。 本発明の第3の実施例を示した構成図である。 本発明の第4の実施例を示した構成図である。 本発明の第5の実施例を示した構成図である。 本発明の第6の実施例を示した構成図である。 従来の被測定光を干渉させる波長モニタの構成を示した図である。 図8に示す装置で測定される干渉信号の一例を示した図である。 従来の被測定光を干渉させる波長モニタのその他の構成を示した図である。
符号の説明
22、31 干渉計
28a 補正手段
29 フォトダイオードアレイ
29(1)〜2(4) フォトダイオード
30 位相変化手段
32 入力手段
34 基準波長生成手段

Claims (11)

  1. 被測定光を分岐し、この分岐した被測定光の光軸角をずらして合波させて干渉縞を形成する干渉縞発生手段を備えた波長モニタにおいて、
    複数のフォトダイオードを有し、前記干渉縞発生手段からの干渉光を受光するフォトダイオードアレイと、
    このフォトダイオードアレイの出力から位相のずれた干渉信号を生成する位相変化手段と
    を設け、前記フォトダイオードは、前記干渉縞が形成される方向に沿って、ずらして配置されることを特徴とする波長モニタ。
  2. フォトダイオードアレイは、フォトダイオードを少なくとも4個有し、
    前記フォトダイオードのそれぞれは、前記干渉縞の空間的な1周期を4等分して受光することを特徴とする請求項1記載の波長モニタ。
  3. 位相変化手段は、
    1番目のフォトダイオードの出力と3番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第1の干渉信号として出力し、
    2番目のフォトダイオードの出力と4番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第2の干渉信号として出力することを特徴とする請求項2記載の波長モニタ。
  4. 前記干渉縞が形成される方向に沿って、前記フォトダイオードアレイを複数個設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の波長モニタ。
  5. フォトダイオードアレイは、フォトダイオードを少なくとも(4×n)個有し、
    前記フォトダイオードのそれぞれは、前記干渉縞の空間的な1周期を4等分して受光し、
    位相変化手段は、
    (4×(i−1)+1)番目のフォトダイオードの出力と(4×(i−1)+3)番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第1の干渉信号として出力し、
    (4×(i−1)+2)番目のフォトダイオードの出力と(4×(i−1)+4)番目のフォトダイオードの出力とを減算した結果を第2の干渉信号として出力し、
    ただし、n、iは自然数であることを特徴とする請求項1記載の波長モニタ。
  6. 干渉縞の空間的な周期と前記フォトダイオードアレイのフォトダイオードとの周期のずれを補正する補正手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の波長モニタ。
  7. 補正用の波長を入力する入力手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の波長モニタ。
  8. 補正用の波長を出力する基準波長生成手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の波長モニタ。
  9. 干渉縞発生手段は、2光束干渉計であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の波長モニタ。
  10. 干渉縞発生手段は、マイケルソン型の干渉計であることを特徴とする請求項9記載の波長モニタ。
  11. 干渉縞発生手段は、マッハ・ツェンダー型の干渉計であることを特徴とする請求項9記載の波長モニタ。
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