JP2003202203A - 干渉測長装置 - Google Patents

干渉測長装置

Info

Publication number
JP2003202203A
JP2003202203A JP2002000106A JP2002000106A JP2003202203A JP 2003202203 A JP2003202203 A JP 2003202203A JP 2002000106 A JP2002000106 A JP 2002000106A JP 2002000106 A JP2002000106 A JP 2002000106A JP 2003202203 A JP2003202203 A JP 2003202203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interferometer
length measuring
wavelength
laser
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002000106A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Iijima
仁 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002000106A priority Critical patent/JP2003202203A/ja
Publication of JP2003202203A publication Critical patent/JP2003202203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定物の移動量・形状を高精度に計測する
レーザ干渉測長装置において、測長用のレーザ光源の経
時的な波長変動の影響を除去し、安価、かつ高精度な干
渉測長装置を実現すること。 【解決手段】被測定物の移動量・形状を高精度に計測す
る干渉測長装置において、レーザ光源からの光を参照光
と測定光に分割し、該2つの光を干渉させて被測定物の
計測を行う測長干渉計に加え、該参照光と該測定光の光
路長差と等しい光路長差を持つ補正干渉計を配置し、該
補正干渉計で測長された値で該測長干渉計の測定値を補
正することを特徴とする干渉測長装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光干渉法を用いて被
測定物の移動量・形状等を高精度に求める干渉測長装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定物の移動量・形状を高精度に求め
る計測手段として、レーザ光を用いた測長機が知られて
いる。図4は従来のレーザ測長機の測定原理を示す構成
図である。レーザ光源401から発振したレーザ光はビ
ームスプリッタ402によって直交する2つの方向に分
割され、一方が参照鏡M9、他方が移動鏡M10に導か
れる。参照鏡M9と移動鏡M10で反射したレーザ光は
ビームスプリッタ402で合成されて干渉し、形成され
た干渉縞が光検出器403で検出される。光検出器40
3で検出される干渉縞をカウントすることにより、移動
鏡M10の移動量を検出することが出来る。即ち、移動
鏡M10が波長の1/2移動するごとに干渉縞によるレ
ーザ光の強度(明暗)は正弦的に変化する。該明暗の変
化を光検出器403で検出することにより、移動鏡M1
0の移動量を検出することができる。
【0003】しかし、単純に干渉縞を検出するだけの構
成では、移動鏡M10の移動量の絶対値は測定できても
移動方向を検出する事ができない。移動方向の検出のた
め、位相の90°異なる2つの干渉光を作成して移動方
向を判別するとともに、さらに1/2波長以上の分解能
を得る技術が特開平07−198317号公報に提案さ
れている。
【0004】図3は特開平07−198317号公報で
提案されたレーザ干渉計の構成図である。レーザ光源3
01は単一波長のレーザ光を発振するが、計測精度を確
保するため、発振周波数安定度の高いものが使用され
る。レーザ光源301から出射したレーザ光はビームス
プリッタ302を通過し、ビームスプリッタ305で2
つに分けられる。ビームスプリッタ305を反射したレ
ーザ光は参照鏡M7で、ビームスプリッタ305を通過
したレーザ光は移動鏡M8で反射される。参照鏡M7で
反射されビームスプリッタ305を透過したレーザ光
と、移動鏡M8で反射されビームスプリッタ305を反
射したレーザ光は合成されて干渉し、形成される干渉縞
が光検出器306で検出される。
【0005】また、参照鏡M7で反射されビームスプリ
ッタ305を反射したレーザ光と、移動鏡M8で反射さ
れビームスプリッタ305を透過したレーザ光はビーム
スプリッタ302に入射し、反射されて光検出器303
で検出される。ビームスプリッタ305内の光線に対し
45°の角度を持つ面のコーティング層は、参照鏡M7
で反射されビームスプリッタ305で反射したレーザ光
と、移動鏡M8で反射されビームスプリッタ305を透
過したレーザ光の干渉光の位相をπ/2ずらすように調
整されている。
【0006】光検出器303,306は移動鏡M8の移
動(変位)に伴って変化する干渉縞の強度変化に応じて
検出信号を波形整形器304,307に出力する。波形
整形器304,307の出力は方向判別器308と波形
分割回路309に入力される。方向判別器308は各波
形整形器304,307の出力信号の位相関係から移動
鏡M8の移動方向を検知して、アップダウンカウンタか
らなる計数回路310にカウントアップ信号またはカウ
ントダウン信号を出力する。また、波形分割回路309
は移動鏡M8が1/4波長移動するごとにパルスを計数
回路310に出力する。計数回路310の出力は距離演
算回路311に入力され移動鏡M8の変位量に換算され
た後、表示部312で移動鏡M8の移動量として表示さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では参照光路と測定光路に光路長差が存在する場
合、光源であるレーザ波長が変動すると干渉縞が変動し
測定誤差になるという問題があった。測長機の高精度化
が追及されている現在、安定化されたといっても光源自
体の波長変動も除去することが必要となってきている。
解決策として参照光路と測定光路の光路長差を等しくし
て光路長差を無くす手段が考えられるが、参照光路長を
長くとる必要が出て来て、装置構成上の制約から実現が
容易ではない場合が多い。
【0008】参照光路と測定光路に光路長差が存在する
場合、光源の波長を安定化させるためヨウ素セルの吸収
スペクトルやエタロン等を用いた波長安定化フィードバ
ック機構を用いた波長安定化レーザ光源を用いる解決策
がある。しかしながら、装置が複雑かつ高価になってし
まうという問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
請求項1の発明の干渉測長装置では被測定物の移動量・
形状を計測する干渉測長装置において、レーザ光源から
の光を参照光と測定光に分割し、該2つの光を干渉させ
て被測定物の計測を行う測長干渉計に加え、該参照光と
該測定光の光路長差と等しい光路長差を持つ補正干渉計
を配置したことを特徴としている。
【0010】請求項2の発明の干渉測長装置では請求項
1記載の発明で補正干渉計が測長干渉計と同一のレーザ
光源から分岐されることを特徴としている。
【0011】請求項3の発明の干渉測長装置では請求項
2記載の発明で補正干渉計は2つの光検出器を有してお
り、該2つの光検出器より得られる測定値を代数和とし
て用いて測長干渉計の測定値を補正することを特徴とし
ている。
【0012】請求項4の発明の干渉測長装置では請求項
3記載の発明で補正干渉計中に移動可能な光学素子を有
することを特徴としている。
【0013】請求項5の発明の干渉測長装置では請求項
4記載の発明で移動可能光学素子がミラーであることを
特徴としている。
【0014】請求項6の発明の干渉測長装置では請求項
4記載の発明で移動可能光学素子がコーナーキューブで
あることを特徴としている。
【0015】請求項7の発明の干渉測長装置では請求項
1〜6のいずれか1項に記載の発明でレーザ光源と交換
可能で、補正干渉計と測長干渉計に同時に光を入射可能
な波長可変レーザを備えていることを特徴としている。
【0016】請求項8の発明の干渉測長装置では請求項
7記載の発明で波長可変レーザを用いて波長を走査し、
該波長走査による補正干渉計の干渉信号と測長干渉計の
干渉信号の変化が一致するように補正干渉計内の光路長
差を調整することを特徴としている。
【0017】請求項9の発明の干渉測長装置では請求項
1〜8のいずれか1項に記載の発明で補正干渉計を測長
干渉計とレーザ光源の間に配置したことを特徴としてい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明のレーザ測長機の実
施形態1を示す図である。図中、101は可干渉性のあ
る単一波長のレーザ光を発振するレーザ光源である。レ
ーザ光源101から発振されたレーザ光は紙面内の直線
偏光であるため、主軸方位22.5°におかれた1/2
波長板102により偏光方位が紙面に対し45°になる
直線偏光に変換された後、ビームスプリッタ103で透
過光と反射光に分けられる。
【0019】ビームスプリッタ103で反射されたレー
ザ光に続く光学系は本発明の根幹をなすレーザ波長変動
の補正干渉計104である。経時的なレーザ光源の波長
変動補正を行うのが目的であるため、補正干渉計は後述
の測長干渉計と同一のレーザ光源から分岐する必要があ
る。
【0020】ビームスプリッタ103で反射されたレー
ザ光は偏光ビームスプリッタ105で偏光方位により反
射および透過光に分割される。偏光ビームスプリッタ1
05で反射したレーザ光は方位45°に置かれた1/4
波長板106を通過してミラーM1で反射され、再び1
/4波長板106を通過して偏光ビームスプリッタ10
5に入射する。偏光ビームスプリッタ105を透過した
レーザ光は方位45°に置かれた1/4波長板107を
通って移動鏡M2で反射され、再び1/4波長板を通過
して偏光ビームスプリッタ105に入射する。両光路中
にある1/4波長板106,107はレーザ光が二回通
過することにより入射光の偏光方位を90度回転させ
る。該90度の回転は偏光ビームスプリッタ105の効
果と相俟ってレーザ光を効率よく後続のディテクタに導
くとともに、レーザ光が光源に戻ってバックトークを起
こすのを防ぐ役割を果たす。
【0021】偏光ビームスプリッタ105で合成された
2つのレーザ光は方位45°に置かれた1/4波長板1
08でそれぞれ左及び右回りの円偏光になり、ビームス
プリッタ109で二つに分割される。ビームスプリッタ
109を通過したレーザ光は方位0°に設置された直線
偏光子110を通過して干渉し、光検出器111で検出
される。ビームスプリッタ109で反射されたレーザ光
は方位45°に設置された直線偏光子113を通過して
干渉し、光検出器114で検出される。補正干渉計内で
も測定値の変化の方向を検出するために2つの光検出器
が使用されている。
【0022】光検出器111,114で検出された干渉
信号は波形整形回路112,115を通して計数回路1
16に入力される。計数回路116では波形整形回路1
12,115の出力信号からミラーM1とミラーM2の
光路長差変化による干渉縞の明暗変化をカウントする。
該カウント信号は距離演算回路129において、レーザ
光源101の波長変動を補正する信号として使用する。
【0023】ビームスプリッタ103を透過したレーザ
光は測定対象となる移動物体の検出を行うレーザ測長機
である測長干渉計に入射する。測長干渉計の構成は基本
的には従来の測長機の構成と同一である。透過したレー
ザ光は偏光ビームスプリッタ117に入射し、偏光方位
によって反射、透過される。
【0024】偏光ビームスプリッタ117を反射したレ
ーザ光は方位45°に設置された1/4波長板118を
通過して円偏光に変換され、参照鏡M3で反射して再び
1/4波長板118を透過し、117反射直後の偏光方
向と90°回転した偏光方向を持つ直線偏光光として再
度、偏光ビームスプリッタ117に入射する。偏光ビー
ムスプリッタ117を透過したレーザ光は方位45°に
設置された1/4波長板119を通過して円偏光に変換
され、移動鏡M4で反射して再び1/4波長板119を
通過し、117透過直後の偏光方向と90°回転した偏
光方向を持つ直線偏光として再度、偏光ビームスプリッ
タ117に入射する。両光路中にある1/4波長板11
8,119はレーザ光を二回通過させて入射光の偏光方
位を90度回転し、後続の光電検出系に効率よく光を導
くとともに、レーザ光が光源に戻るのを防いでいる。
【0025】参照鏡M3、移動鏡M4から反射したレー
ザ光は偏光ビームスプリッタ117で合成されて方位4
5°に設置された1/4波長板120でそれぞれ左及び
右回りの円偏光に変換され、ビームスプリッタ121で
二つに分割される。ビームスプリッタ121を通過した
レーザ光は方位0°に設置された直線偏光子122を通
過して干渉し、光検出器122で検出される。ビームス
プリッタ121で反射されたレーザ光は方位45°に設
置された直線偏光子125を通過して干渉し、光検出器
126で検出される。光検出器123,126で検出さ
れた干渉信号は波形整形回路124,127を通して計
数回路128に入力される。計数回路128では波形整
形回路124,127の出力信号の位相差から移動鏡M
4の移動方向を検出し、移動方向に応じて波形整形器1
24,127から信号をカウントする。該カウント信号
は距離演算回路129において移動鏡M4の変位量に換
算される。
【0026】移動鏡M4が光軸方向に移動すると偏光ビ
ームスプリッタ117と移動鏡M4の光路長が変化する
ため、移動鏡M4で反射したレーザ光の位相が参照鏡M
3で反射したレーザ光に対して変化する。従って、光検
出器123,126で検出されるレーザ光の干渉強度は
移動鏡M4の移動に伴って正弦的に変化する。干渉強度
は移動鏡M4が1/2波長分の距離移動するごとに明暗
変化を繰り返すので、明暗変化の度数をカウントするこ
とにより移動鏡M4の移動量を求めることが出来る。ま
た光検出器123と126の信号は位相がπ/2異なる
ため、該二つの信号の位相関係から移動鏡M4の移動方
向を判別することが出来る。
【0027】例えば移動鏡M4が偏光ビームスプリッタ
117から離れる方向に移動すると、光検出器123の
信号が光検出器126の信号に比べ位相がπ/4進むた
め、移動鏡M4の移動方向が判別できる。さらに計数回
路128では波形整形器124,127の信号から電気
的に干渉信号の強度変化をN分割(N:整数)して測定
分解能を向上させることが出来る。
【0028】上記設定で、光源の波長変動や環境変化に
よりレーザ波長が変化した場合を考える。波長が変化す
ると、移動鏡M4が実際に移動しなくても光検出器12
3,126で検出される明暗の縞が変化し、従来法だと
測定誤差が発生する。本発明では波長変動による誤差を
補正するため、補正干渉計104からの信号を使用して
波長変動による誤差を低減することを特徴としている。
【0029】誤差低減のため、補正干渉計104では移
動鏡M2とミラーM1の光路長の差が測長干渉計の移動
鏡M4と参照鏡M3の光路長差と等しくなるように移動
鏡M2の位置調整が行われる。該調整を行えば、レーザ
101の波長変動は補正干渉計104と測長干渉計と同
じ影響を与えると見なすことができるため、補正干渉計
の変位信号出力を波長変動の補正値として距離演算回路
129に入力すれば、波長変動による誤差を取り除いた
移動鏡M4の移動量を算出することができ、被測定物の
形状や移動量を高精度に計測することが可能になる。
【0030】例えば光源の波長変動や測定環境の変化に
より波長が長く(短く)なった場合、測長干渉計で測定
される移動鏡M4の移動量は真の値よりも小さく(大き
く)なる。しかしながら、同時に補正干渉計104から
の測定信号出力も波長が長く(短く)なった分の変化を
反映するため、補正干渉計104での測定値を移動鏡M
4の測定値に加算(減算)することで波長変化に影響さ
れない移動鏡M4の真の移動量を測長することが出来
る。加算、減算は補正干渉計の測定値の符号が分かって
いるため、補正値を測長干渉計の値に代数和として与え
ればよい。
【0031】補正干渉計104の光路長差の調整は例え
ば以下のようにして行われる。光路長差調整のため、本
発明の干渉測長装置は波長可変レーザダイオードなどの
波長可変レーザ光源を備え、測定用のレーザ光源101
の位置に配置可能なことを特徴としている。調整では先
ず光源101を波長可変レーザ光源に変えた後、移動鏡
M4を測定原点に固定する。測定原点は被測定物の計測
における移動鏡M4の移動範囲の中心とする。
【0032】次いで、波長可変レーザの波長を変化させ
て計数回路116と計数回路128の変化量が等しくな
るように、即ち距離演算回路129での出力がゼロにな
るようにミラーM2を光軸方向に移動させて調整し固定
する。なお、波長可変レーザ光源は工具として本レーザ
干渉測長装置に取り付けても良い。
【0033】以上の調整を行うと計数回路116で検出
される信号を計数回路128で検出される信号と同じ光
路長差を持つように調整することができる。該調整の
後、光源を波長可変式の光源から実際の測定に使用する
可干渉性の単一波長の光源に戻して、移動鏡M4の移動
量を測定すれば、波長変動の影響を殆ど受けない測定を
実現することができる。移動鏡M2の位置は移動鏡M4
が移動する範囲の中心付近にあるので、波長変動の影響
を最も精度良く補正可能となっている。
【0034】図2は本発明の実施形態2を示すレーザ干
渉計の構成図である。図中、201は可干渉性の単一波
長の光を発振するレーザ光源である。レーザ光源201
から発振されたレーザ光は紙面内の直線偏光であるた
め、主軸方位22.5°におかれた1/2波長板202
により偏光方位が紙面に対し45°になる直線偏光に変
換された後、偏光ビームスプリッタ203の作用で偏光
方位により透過光と反射光に分けられる。
【0035】偏光ビームスプリッタ203及びビームス
プリッタ205で測定光の光路から分岐される光学系が
本実施形態の根幹をなすレーザ波長変動の補正干渉計部
である。偏光ビームスプリッタ203で反射したレーザ
光はコーナーキューブ204で反射後、ビームスプリッ
タ205に入射して2つの光に分けられる。また、偏光
ビームスプリッタ203を透過したレーザ光もビームス
プリッタ205で2つに分けられる。
【0036】ビームスプリッタ205はコーナーキュー
ブ204で反射したレーザ光を透過し、偏光ビームスプ
リッタ203を透過したレーザ光を反射させて、光の合
成を行う。合成された2つのレーザ光は方位45°に置
かれた1/4波長板108でそれぞれ左及び右回りの円
偏光に変換された後、各々がビームスプリッタ207に
より2つに分割される。ビームスプリッタ207を通過
した2つのレーザ光成分は方位0°に設置された直線偏
光子208を通過して干渉し、形成された干渉縞が光検
出器209で検出される。ビームスプリッタ207で反
射された2つのレーザ光は方位45°に設置された直線
偏光子211を通過して干渉し、形成された干渉縞が光
検出器212で検出される。補正干渉計内でも測定値の
変化の方向を検出するため209,212という2つの
光検出器が使用される。
【0037】光検出器209,212で検出された干渉
信号は波形整形回路210,213を通して計数回路2
14に入力される。計数回路214では波形整形回路2
10,213の出力信号からコーナーキューブで反射し
たレーザ光とコーナーキューブを経由しないレーザ光の
光路長差変化による干渉縞の明暗変化をカウントする。
該カウント信号は距離演算回路227において後述の波
長変動の補正信号として使用する。
【0038】コーナーキューブ204で反射しビームス
プリッタ205で反射したレーザ光と、偏光ビームスプ
リッタ203、ビームスプリッタ205を透過したレー
ザ光は、偏光板231で紙面内の偏光成分が選択された
後、1/2波長板232を通過して紙面に対し45°傾
いた直線偏光に変換された後、被測定物の計測を行う測
長干渉計に入射する。測長干渉計の構成は基本的には従
来の測長機の構成と同一である。測長干渉計部に入った
光は偏光ビームスプリッタ215で偏光方位によって反
射、透過される。
【0039】偏光ビームスプリッタ215を反射したレ
ーザ光は方位45°に設置された1/4波長板216を
通過して円偏光に変換され、参照鏡M5で反射して1/
4波長板216を透過し、215反射直後の偏光方向と
90°回転した偏光方向を持つ直線偏光光として再び偏
光ビームスプリッタ215に入射する。
【0040】一方、偏光ビームスプリッタ215を透過
したレーザ光は方位45°に設置された1/4波長板2
17を通過して円偏光に変換され、移動鏡M6で反射し
て再び1/4波長板217を通過し、偏光ビームスプリ
ッタ215透過直後の偏光方向と90°回転した偏光方
向を持つ直線偏光として再び偏光ビームスプリッタ21
5に入射する。両光路中にある1/4波長板216,2
17はレーザ光が二回通過することにより、入射光の偏
光方位を90度回転させて、後続の光電検出系に効率よ
く光を導くとともに、レーザ光が光源に戻るのを防いで
いる。
【0041】参照鏡M5,移動鏡M6から反射したレー
ザ光は偏光ビームスプリッタ215で合成されて方位4
5°に設置された1/4波長板218でそれぞれ左及び
右回りの円偏光に変換され、ビームスプリッタ219で
さらに二つに分割される。ビームスプリッタ219を通
過したレーザ光は方位0°に設置された直線偏光子22
0を通過して干渉し、光検出器221で検出される。ビ
ームスプリッタ219で反射されたレーザ光は方位45
°に設置された直線偏光子223を通過して干渉し、光
検出器224で検出される。光検出器221,224で
検出された干渉信号は波形整形回路222,225を通
して計数回路226に入力される。計数回路226では
波形整形回路222,225の出力信号の位相差から移
動鏡M6の移動方向を検出し、移動方向に応じて波形整
形器222,225から信号をカウントする。該カウン
ト信号は距離演算回路227において移動鏡M6の変位
量に換算される。
【0042】移動鏡M6が光軸方向に移動すると偏光ビ
ームスプリッタ215と移動鏡M6の光路長が変化する
ため、参照鏡M5で反射したレーザ光に対して移動鏡M
6で反射したレーザ光の位相が変化する。光検出器22
1,224で検出されるレーザ光の干渉強度は移動鏡M
6の移動に伴って正弦的に変化し、移動鏡M6が1/2
波長分の距離移動するごとに明暗変化を繰り返す。
【0043】従って、明暗変化の度数をカウントするこ
とにより移動鏡M6の移動量を求めることが出来る。ま
た光検出器221と224の信号は位相がπ/2異なる
ため、該二つの信号の位相関係から移動鏡M6の移動方
向を判別することが出来る。
【0044】例えば移動鏡M6が偏光ビームスプリッタ
215から離れる方向に移動すると、光検出器221の
信号が光検出器224の信号に比べ位相がπ/4進むた
め、移動鏡M6の移動方向が判別できる。さらに計数回
路226では波形整形器222,225の信号から電気
的に干渉信号の強度変化をN分割(N:整数)すること
で測定分解能を向上させることが出来る。
【0045】上述の設定をした状態で、光源の波長変動
や環境変化によりレーザ波長が変化した場合を考える。
波長が変化すると移動鏡M6が実際に移動していなくて
も、光検出器222,225で検出される明暗の縞が変
化し、従来法だと測定誤差が発生する。
【0046】本実施形態では波長変動による誤差を補正
するため、測長干渉計の光路長差と等しい光路長差をも
つ干渉信号を作るように補正干渉計のコーナーキューブ
204の位置を調整し、該調整後、補正干渉計の干渉信
号出力を補正信号として使用することを特徴としてい
る。補正干渉計は調整後、固定されるので、計数回路2
14からの変位信号は波長変動によるものと見なすこと
ができる。よって、該変位信号を波長変動の補正出力と
して距離演算回路227に入力すれば、波長変動による
誤差を取り除いた移動鏡M6の移動量を算出することが
でき、被測定物の形状や移動量を高精度に計測すること
が可能になる。
【0047】例えば光源の波長変動や測定環境の変化に
より波長が長く(短く)なった場合、測長干渉計で測定
される移動鏡M6の移動量は真の値よりも小さく(大き
く)なる。しかしながら、同時に補正干渉計からの測定
信号も波長が長く(短く)なった分の変位量変化を反映
するため、計数回路214での測定値をM6の測定値で
ある計数回路226の値に加算(減算)することで、波
長変化に影響されない移動鏡M6の真の移動量を測定す
ることが出来る。
【0048】補正干渉計のコーナーキューブ204の光
路長差調整は例えば以下のようにして行われる。先ず光
源201の位置に201に代わり波長可変レーザダイオ
ードなどの波長可変レーザを配置した後、移動鏡M6を
測定原点に固定する。測定原点は被測定物の計測におけ
る移動鏡M6の移動範囲の中心とする。次いで、波長可
変レーザの波長を変化させて計数回路214と計数回路
226の変化量が等しくなるように、即ち距離演算回路
227での出力がゼロになるようにコーナーキューブ2
04を光軸方向に移動調整し、固定する。以上の調整を
行うことにより、計数回路214で検出される信号を計
数回路226で検出される信号と同じ光路長差を持つよ
うに調整することができる。
【0049】またコーナーキューブ204を移動させる
代わりに,偏光ビームスプリッタ203とコーナーキュ
ーブ204の間、またはコーナーキューブ204とビー
ムスプリッタ205の間に位相を変化させることの出来
る素子、例えばバビネソレイユ補償器を用いて光路長差
を調整しても良い。該調整の後、光源を波長可変式の光
源から実際の測定に使用する可干渉性の単一波長の光源
に戻し、移動鏡M6の移動量を測定すれば、波長変動の
影響を殆ど受けない測定を実現することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の干渉測長装
置においては被測定物の移動量・形状を高精度に計測す
るため、レーザ光源からの光を参照光と測定光に分割
し、該2つの光を干渉させて被測定物の計測を行う通常
の測長干渉計に加え、参照光と測定光の光路長差と等し
い光路長差を持つ補正干渉計を配置し、該補正干渉計の
出力信号を補正信号として用いる事により該レーザ光源
の波長変動による測定誤差の発生を低減することが出来
る。本発明では参照光と測定光に大きな光路長差がある
測定にも適用することができるため、従来のように複
雑、高価な機構を必要とする波長安定化光源を用いるこ
となく、波長変動による測定誤差を低減することができ
る。
【0051】従って、本発明においては従来、光源の波
長安定化のために用いられていた原子・分子の吸収線や
エタロン等を利用した複雑・高価な機構を設けることな
いため、安価かつ容易に波長変動による測定誤差を低減
することが出来る。
【0052】本発明によれば波長変動による測定誤差を
低減することができるため、従来例のように複雑、高価
な機構を必要とする波長安定化光源を必要とせずに高精
度な干渉測長機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1を示す図
【図2】 本発明の実施形態2を示す図
【図3】 従来の干渉測長機を示す図
【図4】 干渉測長機の基本原理を示す図
【符号の説明】
101,201,301,401:レーザ光源 102,202,232:1/2波長板 103,109,121,205,207,219,3
02,305:ビームスプリッタ 106,107,108,118,119,120,2
07,208,211,216,217,218:1/
4波長板 104: 補正干渉計 105,117,203,215:偏光ビームスプリッ
タ 110,113,122,125,208,211,2
20,223,231:直線偏光子 111,114,123,126,209,212,2
21,224,303,306:光検出器 M1,M2,M3,M4,M5,M6,M7,M8,M
9,M10:ミラー 112,115,124,127,210,213,2
22,225,304,307,309:波形整形器 116,128,214,226,310:計数回路 129,227,311:距離演算回路 204:コーナーキューブプリズム 308:方向判別器 312:表示部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の移動量・形状を計測する干渉
    測長装置において、レーザ光源からの光を参照光と測定
    光に分割し、該2つの光を干渉させて被測定物の計測を
    行う測長干渉計に加え、該参照光と該測定光の光路長差
    と等しい光路長差を持つ補正干渉計を配置したことを特
    徴とする干渉測長装置。
  2. 【請求項2】 前記補正干渉計が前記測長干渉計と同一
    のレーザ光源からの光束の光路で分岐されることを特徴
    とする請求項1記載の干渉測長装置。
  3. 【請求項3】 前記補正干渉計は2つの光検出器を有し
    ており、該2つの光検出器より得られる測定値を代数和
    として用いて前記測長干渉計の測定値を補正することを
    特徴とする請求項2記載の干渉測長装置。
  4. 【請求項4】 前記補正干渉計中に移動可能な光学素子
    を有することを特徴とする請求項3記載の干渉測長装
    置。
  5. 【請求項5】 前記移動可能な光学素子がミラーである
    ことを特徴とする請求項4記載の干渉測長装置。
  6. 【請求項6】 前記移動可能な光学素子がコーナーキュ
    ーブであることを特徴とする請求項4記載の干渉測長装
    置。
  7. 【請求項7】 前記レーザ光源と交換可能で、前記補正
    干渉計と前記測長干渉計に同時に光を入射可能な波長可
    変レーザを備えていることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の干渉測長装置。
  8. 【請求項8】 前記波長可変レーザを用いて波長を走査
    し、該波長の走査による前記補正干渉計の干渉信号と前
    記測長干渉計の干渉信号の変化が一致するように該補正
    干渉計内の光路長差を調整することを特徴とする請求項
    7記載の干渉測長装置。
  9. 【請求項9】 前記補正干渉計を前記測長干渉計と該レ
    ーザ光源の間に配置したことを特徴とする請求項1〜8
    のいずれか1項に記載の干渉測長装置。
JP2002000106A 2002-01-04 2002-01-04 干渉測長装置 Pending JP2003202203A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000106A JP2003202203A (ja) 2002-01-04 2002-01-04 干渉測長装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000106A JP2003202203A (ja) 2002-01-04 2002-01-04 干渉測長装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003202203A true JP2003202203A (ja) 2003-07-18

Family

ID=27640609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002000106A Pending JP2003202203A (ja) 2002-01-04 2002-01-04 干渉測長装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003202203A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009510417A (ja) * 2005-09-29 2009-03-12 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 干渉測定装置
EP2180301A2 (en) 2008-10-24 2010-04-28 Canon Kabushiki Kaisha Wavelength shift measuring apparatus, optical source apparatus, interference measuring apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009510417A (ja) * 2005-09-29 2009-03-12 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 干渉測定装置
US7889354B2 (en) 2005-09-29 2011-02-15 Robert Bosch Gmbh Interferometric measuring device
EP2180301A2 (en) 2008-10-24 2010-04-28 Canon Kabushiki Kaisha Wavelength shift measuring apparatus, optical source apparatus, interference measuring apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
EP2180301A3 (en) * 2008-10-24 2012-08-22 Canon Kabushiki Kaisha Wavelength shift measuring apparatus, optical source apparatus, interference measuring apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US8416387B2 (en) 2008-10-24 2013-04-09 Canon Kabushiki Kaisha Wavelength shift measuring apparatus, optical source apparatus, interference measuring apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6082466B2 (ja) 高速且つ高解像度のヘテロダイン干渉測定方法
US7292347B2 (en) Dual laser high precision interferometer
JP5226078B2 (ja) 干渉計装置及びその作動方法
JPS6039518A (ja) 干渉計システム
CN112567196B (zh) 干涉仪移动镜位置测定装置和傅里叶变换红外分光光谱仪
JP2009198477A (ja) 光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法及びシステム
KR20070090033A (ko) 두 측면 측정용 오버래핑 공통 광로 간섭계
US5546184A (en) Single-frequency bidirectional fringe-counting interferometer
US5493395A (en) Wavelength variation measuring apparatus
CN108627084B (zh) 一种基于静止的迈克尔逊干涉仪的激光器波长校准系统
JP2547826B2 (ja) マルチモード半導体レーザを使用する干渉計測装置
US5067813A (en) Optical apparatus for measuring displacement of an object
US5189489A (en) Interferometric measurement device with non stabilized light source
JP2003202203A (ja) 干渉測長装置
JPH09166414A (ja) 光計測装置
JPH0843015A (ja) 干渉測長システム
Cabral et al. Absolute distance metrology with frequency sweeping interferometry
JP2011164090A (ja) ヘテロダインレーザー干渉測長器
JPH11230716A (ja) 光波変位量測定装置
EP0461773A2 (en) Linear pitch, and yaw displacement measuring interferometer
JP4600755B2 (ja) 波長モニタ
JP5188127B2 (ja) 絶対位置の計測装置および計測方法
JP3795257B2 (ja) 測長装置および測長補正装置
US11353315B2 (en) Laser interference device
JP3061160B2 (ja) レーザ干渉変位測定装置