JP2006300416A - 集塵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】製鋼工場における取鍋精錬炉から生ずる煤塵ガスが作業環境に拡散するのを防止するための集塵装置1であって、取鍋精錬炉5の上方の空間の周囲四方および上方を作業環境から区画し黒鉛電極56を搬入するための開口部7を上部に有する囲繞装置2と、囲繞装置の上部に開口部を開閉可能に設けられた電極搬入扉3と、囲繞装置に接続されていて空間と作業環境外に延びる排気ダクト34とを接続する排気手段3と、を有する。
【選択図】 図1
Description
例えば、特許文献1には、製鋼工場内の大きな発塵源の一つである取鍋精錬炉において、精錬炉の炉蓋の黒鉛電極が貫通する穴を集塵フードで覆い、この集塵フードにより穴から飛散する煤塵を吸引して排出する発明が開示されている。
また、特許文献2には、取鍋精錬炉の上方の離れた位置に集塵フードを設け、この集塵フードにより煤塵を強制的に吸引して排出する発明が開示されている。
特許文献2に開示された集塵フードでは、集塵フードは取鍋精錬炉から遠く離れた位置に設けられるので、製鋼工場内を強い横風が流れるような場合には、集塵フードは炉蓋の穴から漏れ出た煤塵を効率よく吸引することができず、煤塵の一部が工場内に拡散するおそれがある。また、集塵フードを取鍋精錬炉に近づけて設けると、煤塵を効果的に捕集することができるが、黒鉛電極を取鍋精錬炉に新規に接続する作業において、集塵装置の一部を取り外して、天井クレーン等に吊り下げられた黒鉛電極を集塵装置内に搬入しなければならず、黒鉛電極の接続作業が容易ではないという問題がある。
すなわち、本発明に係る集塵装置は、製鋼工場における取鍋精錬炉から生ずる煤塵ガスが作業環境に拡散するのを防止するための集塵装置であって、前記取鍋精錬炉の上方の空間の周囲四方および上方を前記作業環境から区画し黒鉛電極を搬入するための開口部を上部に有する囲繞装置と、前記囲繞装置の上部に前記開口部を開閉可能に設けられた電極搬入扉と、前記囲繞装置に接続されていて前記空間と作業環境外に延びる排気ダクトとを接続する排気手段と、を有する。
好ましくは、前記排気手段は、吸引側が前記電極搬入扉に接続していて前記電極搬入扉とともに前記囲繞装置に対して移動自在である。
この構成によれば、開口部、電極搬入扉および排気手段の吸入側を黒鉛電極の直上に配置しておいて、煤塵ガスを効率よく排気させることができるようになる。
これらの構成によれば、黒鉛電極を取鍋精錬炉に新規に接続する作業において、排気手段を排気ダクトから切り離した状態で排気手段を移動させて、集塵装置の開口上部を開放することができるので、排気ダクトを不動のままにしておくことができ、また、黒鉛電極の搬入を容易に行うことができる。
囲繞装置の側面から上部の開口部に連通する開閉自在な側部導入口が設けられることにより、例えば、天井クレーンによる黒鉛電極の吊り上げ高さが十分でなく集塵装置と干渉し合う場合にも、黒鉛電極を集塵装置の側方から内側に搬入することができる。
また、前記取鍋精錬炉の炉蓋の上に設置され前記黒鉛電極が貫通する前記炉蓋の孔から洩れる煤塵を捕集するためのローカルフードを設け、前記ローカルフードを前記排気ダクトに連通するようにしてもよい。
なお、本発明における「電極搬入扉」および「排気手段」を「フード部」として、以下に説明する。
図1ないし図3において、集塵装置1は、黒鉛電極のアーク加熱により昇温して精錬を行う取鍋精錬炉「LF」(以下「精錬炉」ということがある)から生ずる煤塵ガスを除去するためのものである。集塵装置1は、囲繞装置2、フード部3、およびジョイント部4からなる。
また、囲繞装置2の上面6には、対向する2つの長辺に沿って、それぞれ長手方向にフード用レール10が設けられている。囲繞装置2の下部は、その下方に搬入された精錬炉5の炉蓋64よりも高い位置に設置される。
側部導入口9は、側部導入扉11により開閉自在となっている。側部導入扉11は、側部導入口9の形状に合わせて断面が「逆L」の字状となっている。側部導入扉11には、側面8に設けられた扉支持レール12上を移動するための車輪13が設けられている。
キャノピー14は、図1〜3に示されるように、全体として略四角錐の形状を有し、その略四角錐形状の底辺側で台車15に一体化されている。また、キャノピー14は、その頂点側で付属ダクト17と一体化されている。キャノピー14の底辺側端縁は、囲繞装置2の開口部7全体を塞ぐことができる形状となっている。
台車15は、型鋼18,18a,18bを略矩形状に配して、キャノピー14の底辺側を閉塞しないように組み合わせて形成され、型鋼18,18a,18bのそれぞれに駆動輪19および従動輪20を備えている。台車15は、駆動輪19および従動輪20がフード用レール10の上を転動してフード部3を囲繞装置2の長手方向に移動可能であり、精錬炉5の稼働時には精錬炉5のほぼ真上に位置する。
モータ21には変速機22が直結されている。変速機22の出力側には同一形状の2つの駆動スプロケット23a,23bが取り付けられている。変速機22はベース26にボルト27によって取り付けられ、ベース26は台車15に固定されている。
駆動輪19は、変速機22から近い位置に設けられ、その回転軸28が台車15の型鋼18a,18bのそれぞれに固定された軸受け29a,29bにより支持されて回転自在となっている。回転軸28は、その外方に突出した端部に同一形状の2つの従動スプロケット24a,24bが取り付けられている。2つの従動スプロケット24a,24bは、それぞれが2つの駆動スプロケット23a,23bの一方と同一平面上になるように取り付けられる。各従動スプロケット24a,24bは、チェーン25a,25bによって駆動スプロケット23a,23bと結ばれる。変速機22の回転は、駆動スプロケット23a,23b、チェーン25a,25b、および従動スプロケット24a,24bを経由して駆動輪19に伝えられる。このようにして、台車15はフード用レール10上で自走可能に構成されている。
駆動装置16a,16bは、台車15上の、各フード用レール10のほぼ真上にそれぞれ1基ずつ、台車15の同一の移動方向端(図1における右端)に設けられている。
付属ダクト17は、図4に示されるように、キャノピー14の上部に連結された屈曲部31および屈曲部31に連続する短管部32からなる。付属ダクト17は、その端部33がキャノピー14との位置関係において常に一定になるように構成される。付属ダクト17では、短管部32は、キャノピー14に設けられた図示しないサポートにより支持されてキャノピー14との位置関係が固定されている。また、付属ダクト17は、フード部3が開口部7の上方に位置してこれを閉じているとき、プロセスダクト34に連通する。そのため、端部33が、短管部32の軸心とプロセスダクト34の軸心とが一致するようにかつプロセスダクト34の端部35と間隙GPを有して対向するように形成される。短管部32の外径はプロセスダクト34の外径に略等しくなっている。なお、プロセスダクト34は、除塵装置62および排風機63に連通している。
ジョイント36は、円管39、円管39の両端に設けられたフランジ40a,40b、リング状のパッキン41a,41b、およびリング状の止め金42a,42bを有する。円管39および止め金42a,42bは、プロセスダクト34を挿入可能であってかつプロセスダクト34の外周面に接しない程度の大きさの内径を有する。パッキン41a,41bは、プロセスダクト34の外周を摺動自在なように、プロセスダクト34の外径に略等しい内径を有する。パッキン41a,41bは、フランジ40a,40bおよび止め金42a,42bの間に配され、止め金42a,42bを周方向において複数のネジ43でフランジ40a,40bにネジ止めすることによりジョイント36と一体化される。
ジョイント駆動部37は、ブラケット44、車軸支持部45、およびエアシリンダ46などからなる。
ブラケット44は、ジョイント36と車軸支持部45とが同一の動きをするように、ジョイント36の下部および車軸支持部45の中央においてこれらを固定的に一体化する(図7,8)。車軸支持部45には、ジョイント36の軸心に直交する方向(図8における左右方向)の両端にジョイント支持部38a,38bが取り付けられている。エアシリンダ46は、プロセスダクト34の端部35の直下に1台設けられる。エアシリンダ46は、複動シリンダであって、ロッド側がブラケット44に揺動可能に連結され、シリンダカバー側が架構に固定された架台47に揺動可能に連結されている。
次に、本発明に係る集塵装置1ついて、精錬炉5に黒鉛電極56を新規に接続するときに、黒鉛電極56を搬入する天井クレーンのクレーンワイヤが集塵装置と干渉し合うのを避けるため、開口部7がフード部3により開閉される動作を説明する。
続いて、または同じにエアシリンダ46が収縮動作する。ジョイント36は、エアシリンダ46のロッドに連結されたブラケット44の移動とともにプロセスダクト34に近づく方向(図7の左方向)に移動する。ブラケット44は、付属ダクト17の端部33を露出させるのに十分な距離MDを移動する。付属ダクト17の端部33とプロセスダクト34の端部35との間隙GPは、付属ダクト17が端部35に妨げられることなくその軸心方向に直角の方向に円滑に移動可能なように設定されている。
精錬炉5に新規に接続される黒鉛電極56は、図1における左側から工場内の天井クレーンなどにより吊り下げられて、側部導入口9およびこれに続く開口部7を経由して精錬炉5の上まで運搬される。
黒鉛電極56の精錬炉5への接続が終了すると、駆動装置16a,16bのモータ21を起動させてフード部3を開口部7側に移動させる。フード部3の移動は、フード部3が開口部7を完全に覆う位置に達したことを、梁61に設置された図示しないリミットスイッチが検知し、モータ21が停止して終了する。
集塵装置1は、上に説明したように、フード部3および側部導入扉11が移動して側部導入口9および開口部7が開放されるので、黒鉛電極56を囲繞装置2の内側に搬入する場合の囲繞装置2およびフード部3と黒鉛電極56との干渉を避けることができる。そのため、集塵装置1は、このような干渉を懸念することなく精錬炉5に近づけて低位置に設置することができるので、精錬炉5から飛散する煤塵ガスを効率よく捕集することができる。
集塵装置1は、図2,3において、精錬炉から排出される煤塵ガスは高温のガスとともに上方に立ちのぼるので、精錬炉5の下方の周囲四方すべてを必ずしも囲む必要はない。排風機63は、ダクト部を経由しての吸引により囲繞装置2の内側を常に陰圧に保つように設計されている。集塵装置1において、作業環境の空気は、囲われていない精錬炉5の下方から囲繞装置2の内側に流れ込む。精錬炉5から排出される煤塵ガスは、囲繞装置2の内側に流れ込む空気に同伴して、効率よくダクト部に吸引され作業環境外に設置された除塵装置62に排出される。
上述の実施形態において、囲繞装置2の開口部7のフード部3による開閉を、ジブクレーン、天井クレーン等により行ってもよい。開口部7の開放は、フード部を上方に持ち上げた後、ジブクレーンによる場合には旋回移動させ、天井クレーンによる場合には水平移動させて行われる。
集塵装置1の外観、形状、材質などは、上記実施形態に限られない。
その他、囲繞装置2、フード部3、およびジョイント部4の個別の構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
2 囲繞装置
3 フード部(排気手段)
4 ジョイント部
5 精錬炉(取鍋精錬炉)
7 開口部
9 側部導入口
11 側部導入扉
33 フード部の端部(排気手段の排気側の端部)
34 プロセスダクト(排気ダクト)
56 黒鉛電極
57 ローカルフード
Claims (5)
- 製鋼工場における取鍋精錬炉から生ずる煤塵ガスが作業環境に拡散するのを防止するための集塵装置であって、
前記取鍋精錬炉の上方の空間の周囲四方および上方を前記作業環境から区画し黒鉛電極を搬入するための開口部を上部に有する囲繞装置と、
前記囲繞装置の上部に前記開口部を開閉可能に設けられた電極搬入扉と、
前記囲繞装置に接続されていて前記空間と作業環境外に延びる排気ダクトとを接続する排気手段と、を有する
ことを特徴とする集塵装置。 - 前記排気手段は、吸引側が前記電極搬入扉に接続していて前記電極搬入扉とともに前記囲繞装置に対して移動自在である
ことを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。 - 一端が前記排気ダクトの端部の外側を前記排気ダクトの軸心方向に往復移動することにより他端が前記排気手段の排気側の端部に断接自在に接続される管状のジョイント部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の集塵装置。 - 前記囲繞装置は、
前記開口部から前記周囲四方の一方に連続して開口し前記黒鉛電極を水平方向に通過可能とするための側部導入口と、
前記側部導入口を開閉する側部導入扉と、を有する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の集塵装置。 - 前記取鍋精錬炉の炉蓋の上に設置され前記黒鉛電極が貫通する前記炉蓋の孔から洩れる煤塵ガスを捕集するためのローカルフードを有し、
前記ローカルフードは前記排気ダクトに連通している
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の集塵装置。
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