JP2006299063A - 加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物及びそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルム - Google Patents
加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物及びそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】透明性、耐衝撃性、剛性に優れた加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物およびそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルムの提供。
【解決手段】MFRが1〜30g/10分、パラメータ「I5」が96.0未満の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)55〜90重量%と、密度が0.86〜0.90g/cm3、MFRが0.5〜10g/10分のエチレン系重合体(B)5〜30重量%と、密度が0.93〜0.99g/cm3、MFRが1〜1000g/10分のエチレン系重合体(C)5〜15重量%とを含有することを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】MFRが1〜30g/10分、パラメータ「I5」が96.0未満の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)55〜90重量%と、密度が0.86〜0.90g/cm3、MFRが0.5〜10g/10分のエチレン系重合体(B)5〜30重量%と、密度が0.93〜0.99g/cm3、MFRが1〜1000g/10分のエチレン系重合体(C)5〜15重量%とを含有することを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物及びそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルムに関し、詳しくは透明性が高く、かつ剛性と耐衝撃性に優れた加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物及びそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルムに関する。
従来からポリプロピレン系フィルムは、優れた機械物性、透明性、防湿性を有することから包装用資材として広く用いられているが、耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性が不十分であるという問題があった。
ポリプロピレン系フィルムの低温下での耐衝撃性を改良する手法としては、例えば、特定のプロピレン・エチレンブロック共重合体を用い、耐衝撃性を向上させた包装用フィルムが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)が、いずれもフィルムの透明性が不十分であった。
ポリプロピレン系フィルムの低温下での耐衝撃性を改良する手法としては、例えば、特定のプロピレン・エチレンブロック共重合体を用い、耐衝撃性を向上させた包装用フィルムが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)が、いずれもフィルムの透明性が不十分であった。
また、従来、耐衝撃性と透明性が必要な用途においては、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体に低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体をブレンドすることにより耐衝撃性を付与した材料(例えば、特許文献3参照。)が用いられている。しかし、十分な耐衝撃性を付与するためには、多量の低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体を結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体にブレンドする必要があり、その結果、耐衝撃性は向上するが剛性の悪化を招き、一方、低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体のブレンド量が少ないと十分な耐衝撃性が得られないという問題があった。
さらに、結晶性ポリプロピレン100重量部に対し、結晶性エチレン重合体を0.01重量部以上4.0重量部未満の量配合することにより透明性の良いフィルムが提供されている(例えば、特許文献4参照。)。しかし、結晶性エチレン重合体の配合量が4.0重量部を超えると、逆に透明性が悪化するという問題を有している。
さらにまた、特定物性を有するポリプロピレンに高密度ポリエチレンを配合した組成物は、メルトフローレート依存性が極めて小さい物性を有し、剛性および耐衝撃性等に効果を有することが知られている(例えば、特許文献5参照)。しかし、該ポリプロピレンの特定物性として、アイソタクッチックペンタッド分率等を挙げているが、この数値範囲に入るポリプロピレンは、単独重合体かもしくはα−オレフィンの含有量の極めて少ないプロピレン共重合体である。この様なプロピレン(共)重合体は、融点が高く、特許文献5で実証されているような射出成型用途には好適であるが、加熱殺菌処理包装用途に必要な低温ヒートシール性および透明性という必須特性が非常に悪く、使い物にならないのが現状であった。
上述のように従来公知の方法では、透明性、耐衝撃性、剛性をバランスよく満たした包装用フィルムは得られていない。
特開平6−93062号公報
特開2000−186159号公報
特開平11−179866号公報
特開平6−16884号公報
特開平7−316357号公報
さらにまた、特定物性を有するポリプロピレンに高密度ポリエチレンを配合した組成物は、メルトフローレート依存性が極めて小さい物性を有し、剛性および耐衝撃性等に効果を有することが知られている(例えば、特許文献5参照)。しかし、該ポリプロピレンの特定物性として、アイソタクッチックペンタッド分率等を挙げているが、この数値範囲に入るポリプロピレンは、単独重合体かもしくはα−オレフィンの含有量の極めて少ないプロピレン共重合体である。この様なプロピレン(共)重合体は、融点が高く、特許文献5で実証されているような射出成型用途には好適であるが、加熱殺菌処理包装用途に必要な低温ヒートシール性および透明性という必須特性が非常に悪く、使い物にならないのが現状であった。
上述のように従来公知の方法では、透明性、耐衝撃性、剛性をバランスよく満たした包装用フィルムは得られていない。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、透明性、耐衝撃性、剛性に優れた加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物およびそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体と2種類の特定のエチレン系重合体とを含有する樹脂組成物が、透明性、剛性、耐衝撃性のバランスが良く、優れた加熱殺菌処理包装フィルムの好適な素材となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記特性(a−1)、(a−2)を満足する結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)55〜90重量%と、下記特性(b−1)、(b−2)を満足するエチレン系重合体(B)5〜30重量%と、下記特性(c−1)、(c−2)を満足するエチレン系重合体(C)5〜15重量%とを含有することを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物が提供される。
結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
特性(a−1):メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)が1〜30g/10分
特性(a−2):パラメータ「I5」が96.0未満
エチレン系重合体(B)
特性(b−1):密度が0.86〜0.90g/cm3
特性(b−2):メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.5〜10g/10分
エチレン系重合体(C)
特性(c−1):密度が0.93〜0.99g/cm3
特性(c−2)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が1〜1000g/10分
結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
特性(a−1):メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)が1〜30g/10分
特性(a−2):パラメータ「I5」が96.0未満
エチレン系重合体(B)
特性(b−1):密度が0.86〜0.90g/cm3
特性(b−2):メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.5〜10g/10分
エチレン系重合体(C)
特性(c−1):密度が0.93〜0.99g/cm3
特性(c−2)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が1〜1000g/10分
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が、プロピレン・エチレンランダム共重合体であることを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又2の発明において、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が、メタロセン触媒により製造されたものであることを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、エチレン系重合体(B)が、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとのランダム共重合体であることを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、エチレン系重合体(C)が、エチレン単独重合体であることを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物からなる加熱殺菌処理包装フィルムが提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、加熱殺菌処理包装フィルムが、実質的に無延伸フィルムであることを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルムが提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物を少なくとも一層に用いた多層フィルムであって、該加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物からなる層の厚みが多層フィルム全厚みの50%以上を占めていることを特徴とする多層加熱殺菌処理包装フィルムが提供される。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物は、透明性が高く、かつ剛性と耐衝撃性に優れ、剛性と耐衝撃性に優れた加熱殺菌処理包装フィルムを得るのに極めて好適な組成物である。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物は、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)と、エチレン系重合体(B)と、エチレン系重合体(C)とを含有する樹脂組成物である。以下に、樹脂組成物を構成する各成分、樹脂組成物の製法、該樹脂組成物からのフィルムについて詳細に説明する。
1.樹脂組成物の構成成分
(1)結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物の必須成分として使用される結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、プロピレンと1種又は2種以上のα−オレフィンとの結晶性ランダム共重合体であって、下記の特性(a−1)〜(a−2)を有する。
(1)結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物の必須成分として使用される結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、プロピレンと1種又は2種以上のα−オレフィンとの結晶性ランダム共重合体であって、下記の特性(a−1)〜(a−2)を有する。
(a−1)メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)
本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のメルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)は、1〜30g/10分であり、好ましくは4.0〜20g/10分であり、より好ましくは5.0〜10g/10分である。MFRが1g/10分未満では押出特性が悪化し、生産性が低下するため好ましくなく、また、MFRが30g/10分を超えるとフィルム成形時の厚み精度が悪化しやすくなるため好ましくない。
ここで、MFR(230℃、21.18N荷重)は、JIS K 7210(1995)(230℃、21.18N荷重)に準拠して測定する値である。
本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のメルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)は、1〜30g/10分であり、好ましくは4.0〜20g/10分であり、より好ましくは5.0〜10g/10分である。MFRが1g/10分未満では押出特性が悪化し、生産性が低下するため好ましくなく、また、MFRが30g/10分を超えるとフィルム成形時の厚み精度が悪化しやすくなるため好ましくない。
ここで、MFR(230℃、21.18N荷重)は、JIS K 7210(1995)(230℃、21.18N荷重)に準拠して測定する値である。
(a−2)パラメータ「I5」
本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のパラメータ「I5」は、96.0未満であり、好ましくは70〜93であり、より好ましくは70〜90である。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のI5が96.0以上では、ヒートシール性、フィルムの透明性が劣ってしまう。
ここで、パラメータ「I5」は、A.Zambelli;Macromolecules,6,925(1973)、同,8,687(1975)および同,13,267(1980)に記載されるアイソタクチックペンタッド分率測定法と同様な手法により測定される値であるが、本発明のごときランダム共重合体では前記方法により測定された値をアイソタクチックペンタッド分率とは呼ばないため、本発明ではI5と称す。
なお、I5の測定条件は以下の通りである。
装置:日本電子(株) GSX400 FT−NMR
積算回数:5,000回
パルス間隔:3秒
パルス角:45度
試料濃度:20wt/vol%
本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のパラメータ「I5」は、96.0未満であり、好ましくは70〜93であり、より好ましくは70〜90である。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のI5が96.0以上では、ヒートシール性、フィルムの透明性が劣ってしまう。
ここで、パラメータ「I5」は、A.Zambelli;Macromolecules,6,925(1973)、同,8,687(1975)および同,13,267(1980)に記載されるアイソタクチックペンタッド分率測定法と同様な手法により測定される値であるが、本発明のごときランダム共重合体では前記方法により測定された値をアイソタクチックペンタッド分率とは呼ばないため、本発明ではI5と称す。
なお、I5の測定条件は以下の通りである。
装置:日本電子(株) GSX400 FT−NMR
積算回数:5,000回
パルス間隔:3秒
パルス角:45度
試料濃度:20wt/vol%
かかる結晶性プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)におけるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数2〜10のα−オレフィンが挙げられる。
該結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の具体例としては、結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、結晶性プロピレン・1−ヘキセンランダム共重合体、結晶性プロピレン・1−オクテンランダム共重合体、結晶性プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。好ましくは、結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、結晶性プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。更に好ましくは結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体が挙げられる。
該結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の具体例としては、結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、結晶性プロピレン・1−ヘキセンランダム共重合体、結晶性プロピレン・1−オクテンランダム共重合体、結晶性プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。好ましくは、結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、結晶性プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。更に好ましくは結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体が挙げられる。
結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、従来公知であるマグネシウム、チタン、ハロゲン、電子供与体を必須成分とするいわゆるチーグラーナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、公知の方法により製造することができる。
なかでもメタロセン触媒により重合されたものは、透明性、剛性、耐衝撃性のバランスが優れているので本発明に好適である。
メタロセン触媒としては、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)、メチルアルモキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物若しくはN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のホウ素化合物若しくはイオン交換性層状珪酸塩等のメタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要に応じ使用するトリエチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物とからなる触媒が挙げられる。
なかでもメタロセン触媒により重合されたものは、透明性、剛性、耐衝撃性のバランスが優れているので本発明に好適である。
メタロセン触媒としては、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)、メチルアルモキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物若しくはN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のホウ素化合物若しくはイオン交換性層状珪酸塩等のメタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要に応じ使用するトリエチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物とからなる触媒が挙げられる。
本発明においては、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)としては、市販品を用いることができ、例えば、日本ポリプロ(株)製ノバッテクPP、ウィンテック等が例示できる。
なお、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、前記特性を満足する限り一種類もしくは二種類以上の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体混合物として用いて良い。
なお、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、前記特性を満足する限り一種類もしくは二種類以上の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体混合物として用いて良い。
(2)エチレン系重合体(B)
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物で必須成分として用いられるエチレン系重合体(B)は、下記の特性(b−1)〜(b−2)を満足する重合体である。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物で必須成分として用いられるエチレン系重合体(B)は、下記の特性(b−1)〜(b−2)を満足する重合体である。
(b−1)密度
本発明で用いるエチレン系重合体(B)の密度は、0.86〜0.90g/cm3であり、好ましくは0.86〜0.89g/cm3である。エチレン重合体(B)の密度が、0.86g/cm3未満のものは、得られるフィルムがべたついたり耐ブロッキング性が悪化しやすい。一方、密度が0.90g/cm3を超えるのものは、エチレン系重合体(C)との密度差が小さくなり、相乗効果が得られず透明性が悪くなり易く、また耐衝撃性も悪化しやすくなるため好ましくない。
ここで、密度は、JIS K−6922−2(1997)に準拠し、測定する値である。
本発明で用いるエチレン系重合体(B)の密度は、0.86〜0.90g/cm3であり、好ましくは0.86〜0.89g/cm3である。エチレン重合体(B)の密度が、0.86g/cm3未満のものは、得られるフィルムがべたついたり耐ブロッキング性が悪化しやすい。一方、密度が0.90g/cm3を超えるのものは、エチレン系重合体(C)との密度差が小さくなり、相乗効果が得られず透明性が悪くなり易く、また耐衝撃性も悪化しやすくなるため好ましくない。
ここで、密度は、JIS K−6922−2(1997)に準拠し、測定する値である。
(b−2)メルトフローレート
本発明で用いるエチレン系重合体(B)のメルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)は、0.5〜10g/10分であり、好ましくは1.0〜10g/10分である。MFRが、0.5g/10分未満のものは、押出特性が悪化しやすく、フィルムの生産性が悪化しやすい問題がある。一方、10g/10分を超えるものは、耐衝撃性が悪化しやすくなるため好ましくない。
ここで、MFR(190℃、21.18N荷重)は、JIS K−6922−2(1997)に準拠し、測定する値である。
本発明で用いるエチレン系重合体(B)のメルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)は、0.5〜10g/10分であり、好ましくは1.0〜10g/10分である。MFRが、0.5g/10分未満のものは、押出特性が悪化しやすく、フィルムの生産性が悪化しやすい問題がある。一方、10g/10分を超えるものは、耐衝撃性が悪化しやすくなるため好ましくない。
ここで、MFR(190℃、21.18N荷重)は、JIS K−6922−2(1997)に準拠し、測定する値である。
かかるエチレン系重合体(B)は、エチレン単独重合体でも良いが、エチレンを主体とするエチレンとα−オレフィンとのエラストマー系ランダム共重合体が好ましい。エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数3〜10のα−オレフィンが挙げられ、1種類でも2種類以上でも用いることができる。特に、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1が好ましい。
また、エチレン系重合体(B)中のエチレン含量は、50重量%以上が好ましく、エチレン含量が50重量%未満のものは耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性に劣る。α−オレフィンの含有量は、本発明にて特定する密度の範囲になるように適宜調整される。
また、エチレン系重合体(B)中のエチレン含量は、50重量%以上が好ましく、エチレン含量が50重量%未満のものは耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性に劣る。α−オレフィンの含有量は、本発明にて特定する密度の範囲になるように適宜調整される。
この様なエチレン系重合体(B)の製造方法は、上記の物性を満足するものであれば特に制限されず、ラジカル重合法、触媒重合法等が挙げられる。触媒重合の場合、重合触媒としては、チタン系触媒、バナジウム系触媒、クロム系触媒、メタロセン系触媒、フェノキシイミン系触媒のいずれを用いても製造することができる。
該エチレン系重合体(B)としては、市販品を用いても良く、例えば、日本ポリエチレン(株)製カーネル、三井化学(株)製タフマーPシリーズやタフマーAシリーズ、JSR(株)製EPシリーズやEBMシリーズが例示できるほか、直鎖状低密度ポリエチレンもこの範疇にはいる。
また、該エチレン系共重合体(B)は、2種類以上のエチレン共重合体(B)の混合物からなってもよい。
また、該エチレン系共重合体(B)は、2種類以上のエチレン共重合体(B)の混合物からなってもよい。
(3)エチレン系重合体(C)
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物で必須成分として用いられるエチレン系重合体(C)は、下記の特性(c−1)〜(c−2)を満足する重合体であり、エチレン単独重合体が好ましい。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物で必須成分として用いられるエチレン系重合体(C)は、下記の特性(c−1)〜(c−2)を満足する重合体であり、エチレン単独重合体が好ましい。
(c−1)密度
本発明で用いるエチレン系重合体(C)の密度は、0.93〜0.99g/cm3であり、好ましくは0.94〜0.97g/cm3である。エチレン重合体(C)の密度が、0.93g/cm3未満のものは、前述のエチレン系重合体(B)と密度の差が小さくなり、相乗効果が得られず透明性が悪くなり易い。一方、密度が0.99g/cm3を超えるのものは市販品としての入手が極めて困難である。
ここで、密度は、JIS K−6922−2(1997)に準拠し、測定する値である。
本発明で用いるエチレン系重合体(C)の密度は、0.93〜0.99g/cm3であり、好ましくは0.94〜0.97g/cm3である。エチレン重合体(C)の密度が、0.93g/cm3未満のものは、前述のエチレン系重合体(B)と密度の差が小さくなり、相乗効果が得られず透明性が悪くなり易い。一方、密度が0.99g/cm3を超えるのものは市販品としての入手が極めて困難である。
ここで、密度は、JIS K−6922−2(1997)に準拠し、測定する値である。
(c−2)メルトフローレート
本発明で用いるエチレン系重合体(C)のメルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)は、1〜1000g/10分であり、好ましくは2〜800g/10分であり、より好ましくは4〜500g/10分である。MFRが、1g/10分未満のものはエチレン系重合体(C)が分散しにくく、フィルム表面に分散粒子が凹凸として反映されてしまうため外観の悪化につながる。一方、1000g/10分を超えると耐衝撃性が悪化し易くなる。また、透明性の観点から、成分(A)のメルトフローレート(230℃、21.18N荷重)より値が大きい方が望ましい。
ここで、MFR(190℃、21.18N荷重)は、JIS K−6922−2(1997)に準拠し、測定する値である。
本発明で用いるエチレン系重合体(C)のメルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)は、1〜1000g/10分であり、好ましくは2〜800g/10分であり、より好ましくは4〜500g/10分である。MFRが、1g/10分未満のものはエチレン系重合体(C)が分散しにくく、フィルム表面に分散粒子が凹凸として反映されてしまうため外観の悪化につながる。一方、1000g/10分を超えると耐衝撃性が悪化し易くなる。また、透明性の観点から、成分(A)のメルトフローレート(230℃、21.18N荷重)より値が大きい方が望ましい。
ここで、MFR(190℃、21.18N荷重)は、JIS K−6922−2(1997)に準拠し、測定する値である。
この様なエチレン系重合体(C)の製造方法は、特に限定されず、例えば市販のポリエチレン、ポリエチレンワックス等を用いることができる。市販品の例としては、日本ポリエチレン(株)製ノバテックHD等が挙げられる。
また、成分(C)は、前記特性を満足する限り一種類もしくは二種類以上の組み合わせからなってもよい。
また、成分(C)は、前記特性を満足する限り一種類もしくは二種類以上の組み合わせからなってもよい。
(4)その他の成分
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物には、前記必須成分以外にも本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、中和剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、光安定剤、耐候剤等の公知のポリオレフィン用添加剤や、若干のフィルム性能調整の目的で少量のプロピレン単独重合体、プロピレン系ブロック共重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、石油樹脂などを添加することができる。ここで、少量とは、必須成分の合計量を100重量部としたとき、これに対して概ね10重量部以内を意味する。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物には、前記必須成分以外にも本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、中和剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、光安定剤、耐候剤等の公知のポリオレフィン用添加剤や、若干のフィルム性能調整の目的で少量のプロピレン単独重合体、プロピレン系ブロック共重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、石油樹脂などを添加することができる。ここで、少量とは、必須成分の合計量を100重量部としたとき、これに対して概ね10重量部以内を意味する。
(5)成分の組成割合
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物は、前記特性を有する結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が55〜90重量%、好ましくは75〜85重量%であり、前記特性を有するエチレン系重合体(B)が5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%であり、前記特性を有するエチレン系重合体(C)が5〜15重量%、好ましくは5〜10重量%である。
エチレン系重合体(B)の配合割合が5重量%未満では、耐衝撃性が悪化し易く、逆に30重量%を超えると透明性が悪化し易くなったり、得られたフィルムがべたつき易くなる。また、エチレン系重合体(C)の配合割合が5重量%未満では、剛性が低くなりやすく、逆に15重量%を超えると透明性が悪化し易い。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物は、前記特性を有する結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が55〜90重量%、好ましくは75〜85重量%であり、前記特性を有するエチレン系重合体(B)が5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%であり、前記特性を有するエチレン系重合体(C)が5〜15重量%、好ましくは5〜10重量%である。
エチレン系重合体(B)の配合割合が5重量%未満では、耐衝撃性が悪化し易く、逆に30重量%を超えると透明性が悪化し易くなったり、得られたフィルムがべたつき易くなる。また、エチレン系重合体(C)の配合割合が5重量%未満では、剛性が低くなりやすく、逆に15重量%を超えると透明性が悪化し易い。
2.加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物の製造
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物は、前記成分を必要量測定した後、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー等公知の混合機に投入し、混合する方法、混合した後、さらに、一軸又は二軸押出機等の公知の混練機にて、温度150〜350℃、好ましくは180〜280℃で溶融混練してペレタイズすることによってペレット状にする方法を挙げることができる。この際、本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物は、それらを構成する前記成分を一度に混合して得てもよく、あらかじめ前記成分を、2もしくはそれ以上に分割して混合もしくはペレット化しておいたものを、使用時に混合して得ても良い。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物は、前記成分を必要量測定した後、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー等公知の混合機に投入し、混合する方法、混合した後、さらに、一軸又は二軸押出機等の公知の混練機にて、温度150〜350℃、好ましくは180〜280℃で溶融混練してペレタイズすることによってペレット状にする方法を挙げることができる。この際、本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物は、それらを構成する前記成分を一度に混合して得てもよく、あらかじめ前記成分を、2もしくはそれ以上に分割して混合もしくはペレット化しておいたものを、使用時に混合して得ても良い。
このようにして得られる本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用組成物は、透明性が高く、かつ剛性と耐衝撃性に優れた加熱殺菌処理包装フィルムを得るのに非常に適した組成物である。
3.フィルム
(1)フィルムの製造
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物を、公知の製造方法によってフィルム状に成形することにより容易に得ることができる。中でもTダイ法、空冷インフレーション法、水冷インフレーション法が好ましい。
なお、本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、加熱殺菌処理時に形状保持しやすい点から、無延伸フィルムであることが好ましい。
(1)フィルムの製造
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物を、公知の製造方法によってフィルム状に成形することにより容易に得ることができる。中でもTダイ法、空冷インフレーション法、水冷インフレーション法が好ましい。
なお、本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、加熱殺菌処理時に形状保持しやすい点から、無延伸フィルムであることが好ましい。
(2)フィルムの特性
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物を用いているので、得られる加熱殺菌処理包装フィルムの剛性と耐衝撃性がバランスよく向上している。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムの剛性と耐衝撃性がバランスよく向上している効果は、図1のヤング率vs0℃インパクトバランスによって判断することができる。図1は、横軸に引張弾性率(YM)から得られるヤング率の値を、縦軸に0℃衝撃強度(IMP)から得られる値をプロットした図であり、本発明において、加熱殺菌処理包装フィルムの剛性と耐衝撃性のバランスに優れるとは、下記式(1)を満たすか否かで判断することができ、本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
IMP>a×YM+b …(1)
ここで、図1に示される1次直線であるa×YM+bにおける、定数aおよび定数bは以下のように求められる。
まず、図1において、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が100重量%からなるフィルムについて、引張弾性率(YM)と0℃衝撃強度(IMP)を測定し、横軸に引張弾性率(YM)と縦軸に0℃衝撃強度(IMP)の値に基づいたプロット(1)を付ける。次に、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)85重量%とエチレン系重合体(B)15重量%からなるフィルムの引張弾性率(YM)と0℃衝撃強度(IMP)を測定し、その値に基づいたプロット(2)を付ける。そして、プロットしたこの2点を直線で結んだときの1次直線の傾きの値をa、切片の値をbとする。組成の異なるものから得られるフィルムのヤング率vs0℃インパクトバランスのプロットが、この1次直線を境とし、右側に位置している、すなわち、式(1)を満たしているとき、そのフィルムは、剛性と耐衝撃性がバランスよく向上していることを意味する。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物を用いているので、得られる加熱殺菌処理包装フィルムの剛性と耐衝撃性がバランスよく向上している。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムの剛性と耐衝撃性がバランスよく向上している効果は、図1のヤング率vs0℃インパクトバランスによって判断することができる。図1は、横軸に引張弾性率(YM)から得られるヤング率の値を、縦軸に0℃衝撃強度(IMP)から得られる値をプロットした図であり、本発明において、加熱殺菌処理包装フィルムの剛性と耐衝撃性のバランスに優れるとは、下記式(1)を満たすか否かで判断することができ、本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
IMP>a×YM+b …(1)
ここで、図1に示される1次直線であるa×YM+bにおける、定数aおよび定数bは以下のように求められる。
まず、図1において、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が100重量%からなるフィルムについて、引張弾性率(YM)と0℃衝撃強度(IMP)を測定し、横軸に引張弾性率(YM)と縦軸に0℃衝撃強度(IMP)の値に基づいたプロット(1)を付ける。次に、結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)85重量%とエチレン系重合体(B)15重量%からなるフィルムの引張弾性率(YM)と0℃衝撃強度(IMP)を測定し、その値に基づいたプロット(2)を付ける。そして、プロットしたこの2点を直線で結んだときの1次直線の傾きの値をa、切片の値をbとする。組成の異なるものから得られるフィルムのヤング率vs0℃インパクトバランスのプロットが、この1次直線を境とし、右側に位置している、すなわち、式(1)を満たしているとき、そのフィルムは、剛性と耐衝撃性がバランスよく向上していることを意味する。
また、本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、厚みが通常10〜500μm、好ましくは20〜300μm、さらに好ましくは、30〜150μmである。
(3)多層フィルム
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、他の樹脂組成物からなる層との多層フィルムとして用いてもよい。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムを多層に製造する方法としては、複数の押出機に複数のダイリップを備えた水冷インフレ成形機、空冷インフレ成形機、Tダイ成形機による共押出法、ドライラミネート法、押出ラミネート法等の公知の方法を用いることができるが、多層フィルムを得るには、共押出法が好ましい。
また、各層の貼り合わせに接着剤を用いる場合には、エステル系、ウレタン系接着剤が好適に使用されるが、公知のもので衛生的に支障のないものであればそれ以外の使用も可能である。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムは、他の樹脂組成物からなる層との多層フィルムとして用いてもよい。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルムを多層に製造する方法としては、複数の押出機に複数のダイリップを備えた水冷インフレ成形機、空冷インフレ成形機、Tダイ成形機による共押出法、ドライラミネート法、押出ラミネート法等の公知の方法を用いることができるが、多層フィルムを得るには、共押出法が好ましい。
また、各層の貼り合わせに接着剤を用いる場合には、エステル系、ウレタン系接着剤が好適に使用されるが、公知のもので衛生的に支障のないものであればそれ以外の使用も可能である。
他の樹脂組成物からなる層との多層フィルムとして用いる場合、本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物よりなる層の厚みが多層フィルム全体の厚みの50%以上を占めていることが好ましい。本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物よりなる層の厚みが50%未満であると耐衝撃性が悪化する可能性がある。
多層フィルムの具体例としては、例えば、三層構成のフィルムの場合、基材層(I)にアンチブロッキング剤を添加していない本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物よりなる層を、基材層(I)の両面に積層される表面層(II)にアンチブロッキング剤を添加した本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物もしくは他の樹脂組成物よりなる層を積層したものを挙げることができる。この際、表面層(II)を構成する樹脂組成物として、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いると、本発明の加熱殺菌処理包装フィルムを同じ厚みの単層フィルムとして用いたものと比べ、同程度の耐ブロッキング性、剛性、耐衝撃性を確保しつつ、透明性を向上させることができるので好ましい。
また、他の樹脂組成物として、耐熱性樹脂組成物を用いることも加熱殺菌処理包装用途には好適である。
また、他の樹脂組成物として、耐熱性樹脂組成物を用いることも加熱殺菌処理包装用途には好適である。
以下に実施例、比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた重合体の物性測定方法、フィルムの物性測定方法、実施例で用いた樹脂材料は以下の通りである。
I.評価法
1.重合体の物性測定
(1)メルトフローレート(MFR:単位g/10分):プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)については、JIS K−7210−1995に準拠し、230℃、荷重21.18Nで測定した。エチレン系重合体(B)及び(C)についてはJIS K−6922−2(1997)に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定した。
(2)密度:JIS K−6922−2(1997)に準拠して測定した。
1.重合体の物性測定
(1)メルトフローレート(MFR:単位g/10分):プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)については、JIS K−7210−1995に準拠し、230℃、荷重21.18Nで測定した。エチレン系重合体(B)及び(C)についてはJIS K−6922−2(1997)に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定した。
(2)密度:JIS K−6922−2(1997)に準拠して測定した。
2.フィルムの物性測定
測定対象のフィルムとしては、温度23℃、湿度50%の雰囲気下7日間調整したフィルムを用いた。
(1)引張弾性率(単位:MPa):下記の条件にて、フィルムの流れ方向(MD)および直交方向(TD)各々について測定し、フィルム剛性の尺度とした。引張弾性率の計算方法は、JIS K−7127−1989に準拠した。
サンプル長さ:150mm
サンプル幅:15mm
チャック間距離:100mm
クロスヘッド速度:1mm/min
(2)ヘイズ(単位:%):JIS K7105−1981に準拠し、測定した。
(3)衝撃強度(単位:kg・cm/cm):東洋精機製フィルムインパクトテスターを用い、単位フィルム厚み当たりの貫通破壊に要した仕事量を測定した。具体的には、得られたフィルムを0℃の雰囲気下に2時間以上放置し、状態調整を行った後、0℃にて試験フィルムを直径50mmのホルダーに固定し、25.4mmφの半球型の金属貫通部を打撃させ、貫通破壊に要した仕事量(kg・cm)から、そのフィルムの衝撃に対する脆さを測定した。
衝撃強度(kg・cm/cm)=仕事量/試験片厚み
(4)ヒートシール温度(単位:℃):JIS Z1707−1995に準拠し、下記の方法により測定した。
23℃、湿度50%に調整された恒温恒湿室内に設置された、東洋精機製作所製熱傾斜試験機にトーマス循環式恒温油槽T−201Pより熱媒体として信越シリコーン製シリコーン油KF96を導入し、5mm×200mmのヒートシールバーに温度傾斜を付けないように、シールバーの温度調節を行った。各設定温度にて圧力2kg/cm2、時間1秒のヒートシール条件でシールした試料から、ヒートシールされた部分が中心になるように調整し、該ヒートシール部に対し垂直に、15mm幅の短冊状のサンプルを切り取り、ショッパー型引張試験機を用いて引張速度500mm/分にて引き離し、300gの強度となる温度を求めた。
測定対象のフィルムとしては、温度23℃、湿度50%の雰囲気下7日間調整したフィルムを用いた。
(1)引張弾性率(単位:MPa):下記の条件にて、フィルムの流れ方向(MD)および直交方向(TD)各々について測定し、フィルム剛性の尺度とした。引張弾性率の計算方法は、JIS K−7127−1989に準拠した。
サンプル長さ:150mm
サンプル幅:15mm
チャック間距離:100mm
クロスヘッド速度:1mm/min
(2)ヘイズ(単位:%):JIS K7105−1981に準拠し、測定した。
(3)衝撃強度(単位:kg・cm/cm):東洋精機製フィルムインパクトテスターを用い、単位フィルム厚み当たりの貫通破壊に要した仕事量を測定した。具体的には、得られたフィルムを0℃の雰囲気下に2時間以上放置し、状態調整を行った後、0℃にて試験フィルムを直径50mmのホルダーに固定し、25.4mmφの半球型の金属貫通部を打撃させ、貫通破壊に要した仕事量(kg・cm)から、そのフィルムの衝撃に対する脆さを測定した。
衝撃強度(kg・cm/cm)=仕事量/試験片厚み
(4)ヒートシール温度(単位:℃):JIS Z1707−1995に準拠し、下記の方法により測定した。
23℃、湿度50%に調整された恒温恒湿室内に設置された、東洋精機製作所製熱傾斜試験機にトーマス循環式恒温油槽T−201Pより熱媒体として信越シリコーン製シリコーン油KF96を導入し、5mm×200mmのヒートシールバーに温度傾斜を付けないように、シールバーの温度調節を行った。各設定温度にて圧力2kg/cm2、時間1秒のヒートシール条件でシールした試料から、ヒートシールされた部分が中心になるように調整し、該ヒートシール部に対し垂直に、15mm幅の短冊状のサンプルを切り取り、ショッパー型引張試験機を用いて引張速度500mm/分にて引き離し、300gの強度となる温度を求めた。
II.使用樹脂材料
1.プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)として、以下のPP−1、PP−2(比較例)を用いた。
(1)PP−1(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製WXK1250(MFR=7g/10分、I5=87.2、Tm=134.7℃、)
(2)PP−2(従来型触媒で重合したプロピレン単独重合体):日本ポリプロ(株)製MA4U(MFR=5g/10分、I5=96.9、Tm=165.0℃、)
1.プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)として、以下のPP−1、PP−2(比較例)を用いた。
(1)PP−1(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製WXK1250(MFR=7g/10分、I5=87.2、Tm=134.7℃、)
(2)PP−2(従来型触媒で重合したプロピレン単独重合体):日本ポリプロ(株)製MA4U(MFR=5g/10分、I5=96.9、Tm=165.0℃、)
2.エチレン系重合体(B)
エチレン系重合体(B)として、以下のER−1〜ER−5を用いた。
(1)ER−1(エチレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリエチレン(株)製カーネルKS340T(密度:0.88g/cm3、MFR(190℃):3.5g/10分)
(2)ER−2(エチレン・α−オレフィンランダム共重合体):三井化学(株)製タフマーP0280M(密度:0.87g/cm3、MFR(190℃):2.9g/10分)
(3)ER−3(エチレン・α−オレフィンランダム共重合体):三井化学(株)製タフマーA4085(密度:0.88g/cm3、MFR(190℃):3.6g/10分)
(4)ER−4(エチレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリエチレン(株)製ノバテックLL UF240(密度:0.92g/cm3、MFR(190℃):2.1g/10分)(比較例)
(5)ER−5:(プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体)三井化学(株)製タフマーXR110T(密度:0.89g/cm3、MFR(190℃):3.2g/10分)(比較例)
エチレン系重合体(B)として、以下のER−1〜ER−5を用いた。
(1)ER−1(エチレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリエチレン(株)製カーネルKS340T(密度:0.88g/cm3、MFR(190℃):3.5g/10分)
(2)ER−2(エチレン・α−オレフィンランダム共重合体):三井化学(株)製タフマーP0280M(密度:0.87g/cm3、MFR(190℃):2.9g/10分)
(3)ER−3(エチレン・α−オレフィンランダム共重合体):三井化学(株)製タフマーA4085(密度:0.88g/cm3、MFR(190℃):3.6g/10分)
(4)ER−4(エチレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリエチレン(株)製ノバテックLL UF240(密度:0.92g/cm3、MFR(190℃):2.1g/10分)(比較例)
(5)ER−5:(プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体)三井化学(株)製タフマーXR110T(密度:0.89g/cm3、MFR(190℃):3.2g/10分)(比較例)
3.エチレン系重合体(C)
エチレン系重合体(C)として、以下のPE−1〜PE−4を用いた。
(1)PE−1:日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン ノバテックHD HJ560(密度:0.96g/cm3、MFR(190℃):7g/10分)
(2)PE−2:日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン ノバテックHD HJ490(密度:0.96g/cm3、MFR(190℃):20g/10分)
(3)PE−3:日本ポリエチレン(株)製低密度ポリエチレン ノバテックLD LC520(密度:0.92g/cm3、MFR(190℃):3.8g/10分)(比較例)
(4)PE−4:日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン ノバテックHD HB330(密度:0.95g/cm3、MFR(190℃):0.35g/10分)(比較例)
エチレン系重合体(C)として、以下のPE−1〜PE−4を用いた。
(1)PE−1:日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン ノバテックHD HJ560(密度:0.96g/cm3、MFR(190℃):7g/10分)
(2)PE−2:日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン ノバテックHD HJ490(密度:0.96g/cm3、MFR(190℃):20g/10分)
(3)PE−3:日本ポリエチレン(株)製低密度ポリエチレン ノバテックLD LC520(密度:0.92g/cm3、MFR(190℃):3.8g/10分)(比較例)
(4)PE−4:日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン ノバテックHD HB330(密度:0.95g/cm3、MFR(190℃):0.35g/10分)(比較例)
(参考例1)
PP−1ペレット100重量部をプラコー社製35mmφ単層Tダイ成形機の押出機に投入し、押出温度220℃で幅300mmのTダイから溶融押出し、40℃に調整された直径300mmのチルロールに巻き付けながら冷却固化し、毎分17mの速度で厚さ30μmのキャストフィルムを製造した。得られたフィルムの物性を評価し、表1にフィルムの評価結果を示す。なお、参考例1の値は、図1におけるプロット(1)に相当する。
PP−1ペレット100重量部をプラコー社製35mmφ単層Tダイ成形機の押出機に投入し、押出温度220℃で幅300mmのTダイから溶融押出し、40℃に調整された直径300mmのチルロールに巻き付けながら冷却固化し、毎分17mの速度で厚さ30μmのキャストフィルムを製造した。得られたフィルムの物性を評価し、表1にフィルムの評価結果を示す。なお、参考例1の値は、図1におけるプロット(1)に相当する。
(参考例2)
PP−1ペレット85重量部とER−1 15重量部を配合し、リボンミキサーにて60rpm、2分間撹拌し、ペレット混合物を得た。
得られたペレット混合物をプラコー社製35mmφ単層Tダイ成形機の押出機に投入し、押出温度220℃で幅300mmのTダイから溶融押出し、40℃に調整された直径300mmのチルロールに巻き付けながら冷却固化し、毎分17mの速度で厚さ30μmのキャストフィルムを製造した。得られたフィルムの物性を評価し、表1にフィルムの評価結果を示す。なお、参考例2の値は、図1におけるプロット(2)に相当する。
PP−1ペレット85重量部とER−1 15重量部を配合し、リボンミキサーにて60rpm、2分間撹拌し、ペレット混合物を得た。
得られたペレット混合物をプラコー社製35mmφ単層Tダイ成形機の押出機に投入し、押出温度220℃で幅300mmのTダイから溶融押出し、40℃に調整された直径300mmのチルロールに巻き付けながら冷却固化し、毎分17mの速度で厚さ30μmのキャストフィルムを製造した。得られたフィルムの物性を評価し、表1にフィルムの評価結果を示す。なお、参考例2の値は、図1におけるプロット(2)に相当する。
(実施例1)
PP−1ペレット80重量部とER−1 15重量部とPE−1 5重量部を配合し、リボンミキサーにて60rpm、2分間撹拌し、ペレット混合物を得た。
得られたペレット混合物をプラコー社製35mmφ単層Tダイ成形機の押出機に投入し、押出温度220℃で幅300mmのTダイから溶融押出し、40℃に調整された直径300mmのチルロールに巻き付けながら冷却固化し、毎分17mの速度で厚さ30μmのキャストフィルムを製造した。得られたフィルムの物性を評価し、表1にフィルムの評価結果を示す。透明性は、実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式(1)が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
PP−1ペレット80重量部とER−1 15重量部とPE−1 5重量部を配合し、リボンミキサーにて60rpm、2分間撹拌し、ペレット混合物を得た。
得られたペレット混合物をプラコー社製35mmφ単層Tダイ成形機の押出機に投入し、押出温度220℃で幅300mmのTダイから溶融押出し、40℃に調整された直径300mmのチルロールに巻き付けながら冷却固化し、毎分17mの速度で厚さ30μmのキャストフィルムを製造した。得られたフィルムの物性を評価し、表1にフィルムの評価結果を示す。透明性は、実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式(1)が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
(実施例2)
実施例1のPP−1を75重量部に、PE−1を10重量部に変更した以外は実施例1と同様に操作した。表1にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式(1)が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
実施例1のPP−1を75重量部に、PE−1を10重量部に変更した以外は実施例1と同様に操作した。表1にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式(1)が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
(実施例3)
実施例1のPE−1をPE−2に変更した以外は実施例1と同様に操作した。表1にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式(1)が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
実施例1のPE−1をPE−2に変更した以外は実施例1と同様に操作した。表1にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式(1)が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
(参考例3)
参考例2のER−1をER−2に変更した以外は参考例2と同様に操作した。表2にフィルムの評価結果を示す。なお、参考例3の値は、図1におけるプロット(2)に相当する。
参考例2のER−1をER−2に変更した以外は参考例2と同様に操作した。表2にフィルムの評価結果を示す。なお、参考例3の値は、図1におけるプロット(2)に相当する。
(実施例4)
実施例3のER−1をER−2に変更した以外は実施例3と同様に操作した。表2にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式(1)が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
実施例3のER−1をER−2に変更した以外は実施例3と同様に操作した。表2にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式(1)が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
(参考例4)
参考例2のER−1をER−3に変更した以外は参考例2と同様に操作した。表3にフィルムの評価結果を示す。なお、参考例4の値は、図1におけるプロット(2)に相当する。
参考例2のER−1をER−3に変更した以外は参考例2と同様に操作した。表3にフィルムの評価結果を示す。なお、参考例4の値は、図1におけるプロット(2)に相当する。
(実施例5)
実施例3のER−1をER−3に変更した以外は実施例3と同様に操作した。表3にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式1が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
実施例3のER−1をER−3に変更した以外は実施例3と同様に操作した。表3にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルを保ち、尚且つ式1が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れていた。
(比較例1)
実施例5のPE−2をPE−3に変更した以外は実施例5と同様に操作した。表3にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルだが、エチレン系重合体(C)の密度が本発明の範囲外であったため式(1)が成立せず、剛性と耐衝撃性の双方に優れるとは言えない。
実施例5のPE−2をPE−3に変更した以外は実施例5と同様に操作した。表3にフィルムの評価結果を示す。透明性は実用上問題ないレベルだが、エチレン系重合体(C)の密度が本発明の範囲外であったため式(1)が成立せず、剛性と耐衝撃性の双方に優れるとは言えない。
(比較例2)
実施例5のPE−2をPE−4に変更した以外は実施例5と同様に操作した。表3にフィルムの評価結果を示す。式1が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れるが、エチレン系重合体(C)のメルトフローレートが本発明の範囲外であったため透明性が大幅に悪化した。
実施例5のPE−2をPE−4に変更した以外は実施例5と同様に操作した。表3にフィルムの評価結果を示す。式1が成立するため剛性と耐衝撃性の双方に優れるが、エチレン系重合体(C)のメルトフローレートが本発明の範囲外であったため透明性が大幅に悪化した。
(比較例3)
実施例3のER−1をER−4に変更した以外は実施例3と同様に操作した。表4にフィルムの評価結果を示す。エチレン系重合体(B)の密度が本発明の範囲外であったため参考例1より0℃での耐衝撃性が劣ってしまった。
実施例3のER−1をER−4に変更した以外は実施例3と同様に操作した。表4にフィルムの評価結果を示す。エチレン系重合体(B)の密度が本発明の範囲外であったため参考例1より0℃での耐衝撃性が劣ってしまった。
(比較例4)
実施例3のER−1をER−5に変更した以外は実施例3と同様に操作した。表4にフィルムの評価結果を示す。エチレン系重合体(B)では無かったため参考例1より0℃での耐衝撃性が劣ってしまった。
実施例3のER−1をER−5に変更した以外は実施例3と同様に操作した。表4にフィルムの評価結果を示す。エチレン系重合体(B)では無かったため参考例1より0℃での耐衝撃性が劣ってしまった。
(比較例5)
実施例1のPP−1をPP−2に変更した以外は実施例1と同様に操作した。表5にフィルムの評価結果を示す。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体ではなく、またI5が96.0以上であったため実施例1より透明性が悪化し、更にはヒートシール温度が大幅に高くなり、加熱殺菌処理包装用途には適さないものとなってしまった。
実施例1のPP−1をPP−2に変更した以外は実施例1と同様に操作した。表5にフィルムの評価結果を示す。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体ではなく、またI5が96.0以上であったため実施例1より透明性が悪化し、更にはヒートシール温度が大幅に高くなり、加熱殺菌処理包装用途には適さないものとなってしまった。
本発明の加熱殺菌処理包装フィルム用組成物は、透明性が高く、かつ剛性と耐衝撃性に優れるので、透明性、耐衝撃性、剛性をバランス良く満たした加熱殺菌処理包装フィルムが得られ、加熱殺菌を必要とする分野、特に食品包装分野で有効に用いることができる。
Claims (8)
- 下記特性(a−1)、(a−2)を満足する結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)55〜90重量%と、下記特性(b−1)、(b−2)を満足するエチレン系重合体(B)5〜30重量%と、下記特性(c−1)、(c−2)を満足するエチレン系重合体(C)5〜15重量%とを含有することを特徴とする加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物。
結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
特性(a−1):メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)が1〜30g/10分
特性(a−2):パラメータ「I5」が96.0未満
エチレン系重合体(B)
特性(b−1):密度が0.86〜0.90g/cm3
特性(b−2):メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.5〜10g/10分
エチレン系重合体(C)
特性(c−1):密度が0.93〜0.99g/cm3
特性(c−2)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が1〜1000g/10分 - 結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が、プロピレン・エチレンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物。
- 結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が、メタロセン触媒により製造されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物。
- エチレン系重合体(B)が、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとのランダム共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物。
- エチレン系重合体(C)が、エチレン単独重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物からなる加熱殺菌処理包装フィルム。
- 加熱殺菌処理包装フィルムが、実質的に無延伸フィルムであることを特徴とする請求項6に記載の加熱殺菌処理包装フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物を少なくとも一層に用いた多層フィルムであって、該加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物からなる層の厚みが多層フィルム全厚みの50%以上を占めていることを特徴とする多層加熱殺菌処理包装フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005122127A JP2006299063A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物及びそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005122127A JP2006299063A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物及びそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルム |
Publications (1)
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JP2006299063A true JP2006299063A (ja) | 2006-11-02 |
Family
ID=37467749
Family Applications (1)
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JP2005122127A Pending JP2006299063A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 加熱殺菌処理包装フィルム用樹脂組成物及びそれを用いた加熱殺菌処理包装フィルム |
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JP (1) | JP2006299063A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007106851A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Idemitsu Unitech Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物、シーラントフィルム及びレトルト食品包装用積層体 |
-
2005
- 2005-04-20 JP JP2005122127A patent/JP2006299063A/ja active Pending
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