JP2006298803A - 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法及び製造装置 - Google Patents

光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的規模に適した高純度光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法及び装置を提供すること。
【解決手段】光学活性α−ヒドロキシカルボン酸を含むスラリーから固液分離機を用いて光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶を製造する方法において、前記スラリーを固液分離機へ圧力を加えない自然落下にて給液する光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。及び、光学活性α−ヒドロキシカルボン酸を含むスラリーを貯蔵する給液層が固液分離機の上部に設置され、固液分離機のスラリー供給口から給液槽中の前記スラリーの液面形状の重心を結ぶ直線が給液槽中の前記スラリーの液面平行となす角度が90°以下となるように、給液槽と固液分離機とが配置される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、医農薬原料、液晶材料及び光学分割剤として有用な光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法及び製造装置に関する。
α−ヒドロキシカルボン酸の製造方法として、カルボニル化合物とシアニドとの付加反応によりシアノヒドリンが合成され、次いで、シアノヒドリンを酸加水分解するα−ヒドロキシカルボン酸の製造方法が知られている(特許文献1)。上記付加反応の際、化学的触媒を使用する方法(非特許文献1)、又は生物学的触媒を使用する方法(非特許文献2、非特許文献3)が知られている。
しかし、上記反応は、加水分解終了時に副生成物としてα−ヒドロキシアミド、アミノ酸及び無機アンモニウム塩等が生成されるという問題があった。そのような副生成物を除去する方法として、冷却晶析、分別蒸留、分別昇華、帯溶解、分別沈殿、分別抽出、分別結晶、塩析、電解、各種クロマトグラフィー等を用いた分離方法が知られている(特許文献2、3)。しかし、これら副生成物を除去する方法については、工業的規模での技術的な検討が報告されていない。また、晶析工程から結晶の採取工程を含む工業的規模の装置では、一般的に大型給液槽を基礎地盤に近い下層に設置し、下部に粉体回収部を備えた固液分離機を上層に設置する配置となっている。上記装置では、給液槽の下部に設けられた給液ポンプの圧力によってスラリーが固液分離機に送られる。従って、α−ヒドロキシカルボン酸の晶析後のスラリーからα−ヒドロキシカルボン酸の湿結晶と濾液を固液分離機によって分離する時に、α−ヒドロキシカルボン酸のスラリーをポンプ等の機械的圧力で固液分離機へ給液しなければならない。しかし、スラリー中のα−ヒドロキシカルボン酸の結晶が圧力による機械的摩擦で微細化するという問題があった。さらに、微細化したα−ヒドロキシカルボン酸の湿結晶ケークは、固液分離時に脱液性が著しく悪化し、副生成物を含む濾液を多く含有するα−ヒドロキシカルボン酸湿結晶となる。よって、高純度のα−ヒドロキシカルボン酸結晶を取得することが困難であった。また、湿結晶の乾燥工程では、結晶の水分量が多いため、乾燥時間が長くなるという問題があった。
特開平10−59895号公報 特開2004−323383号公報 特開2003−226666号公報 Inoue, S. et al., J. Org. Chem., 55, 181-185(1990) Effenberger, F. et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 33, 1555-1564(1994) Effenberger, F. et al., Tetrahedron Lett., 31, 1249-1252(1990)
本発明は、工業的規模に適した高純度光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、光学活性α−ヒドロキシカルボン酸を含むスラリーから固液分離機を用いて光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶を製造する方法において、前記スラリーを固液分離機へ圧力を加えない自然落下にて給液する光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法である。及び、光学活性α−ヒドロキシカルボン酸を含むスラリーを貯蔵する給液層が固液分離機の上部に設置され、固液分離機のスラリー供給口から給液槽中の前記スラリーの液面形状の重心を結ぶ直線が給液槽中の前記スラリーの液面となす角度が90°以下となるように、給液槽と固液分離機とが配置される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造装置である。
本発明によれば、工業的規模に適した高純度光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法及び製造装置が提供される。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の固液分離の対象となる光学活性α−ヒドロキシカルボン酸は、シアンヒドリンを加水分解することにより製造される。
シアンヒドリンは、化学的触媒又は生物学的触媒の存在下で立体選択的にアルデヒド類にシアニドを付加して合成される。化学的触媒としては、環状ジペプチドが挙げられる。生物学的触媒としては、生物体由来の(S)−ヒドロキシニトリルリアーゼ、(R)−ヒドロキシニトリルリアーゼ等を含む粗酵素、精製酵素、固定化酵素が挙げられる。また、これらの酵素は、該酵素をコードする遺伝子を組み込んだ遺伝子組換え微生物によって生産されたものでも良い。
アルデヒド類としては、次式(I)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006298803
式(I)のAr基としては、例えばフェニル、ベンジル、ナフチル、ピリジル、フリル等が挙げられる。置換されたAr基の場合、置換基としては、例えば、(保護されていても良い)ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、置換されたフェニル、フェノキシ、アミノまたはニトロが挙げられる。好ましくは、Ar基はアリール基、特に好ましくはフェニル基である。それらAr基は無置換、あるいはC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(保護されていても良い)ヒドロキシ、アセトキシ、Cl、Br、フェニル、フェノキシまたはフルオロフェノキシによって置換されていてもよい。
具体的には、ベンズアルデヒド、m−フェノキシベンズアルデヒド、p−アセトキシベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、2,3−メチレンジオキシベンズアルデヒド、フルフラール、ピリジン−2−カルバルデヒド等の芳香族アルデヒドが挙げられる。好ましくは、ベンズアルデヒド、m−フェノキシベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、2,3−メチレンジオキシベンズアルデヒドであり、特に好ましくは、ベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒドが挙げられる。
上記式(I)で示されるアルデヒドを原料として用い、青酸を付加させた場合、次式(II)で示されるシアノヒドリンが得られる。
Figure 2006298803
上記式(II)で示されるシアンヒドリンとしては、例えば、マンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトニトリル)、3−フェノキシマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(3−フェノキシフェニル)アセトニトリル)、4−アセトキシマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(3−アセトキシフェニル)アセトニトリル)、4−メチルマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(p−トリル)アセトニトリル)、2−クロロマンデロニトリル(2−(2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、3−クロロマンデロニトリル(2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、4−クロロマンデロニトリル(2−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、3−ニトロマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(3−ニトロフェニル)アセトニトリル)、3,4−メチレンジオキシマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)アセトニトリル)、2,3−メチレンジオキシマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(2,3−メチレンジオキシフェニル)アセトニトリル)、2−(2−フリル)−2−ヒドロキシアセトニトリル、2−(2−ピリジル)−2−ヒドロキシアセトニトリル等の2−アリール−2−ヒドロキシアセトニトリル等が挙げられる。好ましくは、マンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトニトリル)、3−フェノキシマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(3−フェノキシフェニル)アセトニトリル)、4−メチルマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(p−トリル)アセトニトリル)、2−クロロマンデロニトリル(2−(2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、3−クロロマンデロニトリル(2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、4−クロロマンデロニトリル(2−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、3−ニトロマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(3−ニトロフェニル)アセトニトリル)、3,4−メチレンジオキシマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)アセトニトリル)、2,3−メチレンジオキシマンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(2,3−メチレンジオキシフェニル)アセトニトリル)であり、特に好ましくは、マンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトニトリル)、2−クロロマンデロニトリル(2−(2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、3−クロロマンデロニトリル(2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、4−クロロマンデロニトリル(2−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)が挙げられる。
シアンヒドリンは、特に精製することなく加水分解工程に用いることができる。また、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、晶析または活性炭処理等の公知の方法によって精製して用いることもできる。溶媒の留去等に際して、シアンヒドリンを安定化する目的で鉱酸等を添加することもできる。加水分解反応は、鉱酸を用いることが好ましい。鉱酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、過塩素酸であり、好ましくは塩酸である。
加水分解工程で用いる溶媒は、通常は水を用いるが、必要に応じて、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの極性溶媒、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒等を共存させても良い。これらの溶媒は単一で用いても組み合わせて用いても良い。
加水分解工程における、シアンヒドリン、鉱酸及び溶媒の添加方法は、反応効率向上の観点から、鉱酸中へシアンヒドリンを添加し、次いで溶媒を添加する方法が好ましい。
加水分解工程の反応温度は−5℃〜溶媒の沸点とすることが好ましい。この温度範囲とすることにより不純物を低減することができる。反応温度は、10〜90℃とすることがより好ましい。また、加水分解工程中の反応温度、すなわちシアンヒドリンを鉱酸中へ添加する時の反応温度と、次いで該反応液に溶媒を添加する時の反応温度が同じでも、異なっていても良い。例えば、酵素反応によりシアノヒドリンを製造し、溶媒を留去したシアンヒドリンを鉱酸中へ添加する時の反応温度は−5℃〜溶媒の沸点とすることが好ましく、10〜40℃とすることが特に好ましい。次いで、該反応液に溶媒を添加する時の反応温度は10℃〜溶媒の沸点とすることが好ましく、30〜90℃とすることが特に好ましい。
このようにシアンヒドリンを加水分解して生成する光学活性α-ヒドロキシカルボン酸は、次式(III)で示される化合物である。
Figure 2006298803
次に、上述の加水分解工程後、α−ヒドロキシカルボン酸溶液からα−ヒドロキシカルボン酸を晶析する。以下、晶析操作により結晶が析出したα−ヒドロキシカルボン酸溶液をスラリーと呼ぶ。晶析操作については、例えば冷却晶析、酸析等が挙げられる。
冷却晶析は、冷却機能を有する攪拌槽中で行っても良く、α−ヒドロキシカルボン酸溶液を晶析槽に移液してその晶析槽中で行っても良い。前記攪拌槽としては、ジャケット付攪拌槽又はコイル付攪拌槽が好ましい。
冷却晶析の方法は、一定速度の冷却方法又は晶析槽又は攪拌槽の内部温度と冷媒温度の温度差を一定に保つ方法が挙げられる。一定速度の冷却の場合、冷却速度は、0.3〜30℃/時間とすることが好ましい。冷却速度は、0.4〜20℃/時間とすることがより好ましく、0.5〜10℃/時間とすることが特に好ましい。この範囲内とすることにより槽内壁にα−ヒドロキシカルボン酸のスケーリングが生成し難くなる。
温度差を一定に保つ場合、α−ヒドロキシカルボン酸溶液の液組成によって温度差を適時選択するが、2〜30℃とすることが好ましい。この範囲内とすることにより槽内壁にα−ヒドロキシカルボン酸のスケーリングが生成し難くなる。
析出温度は、例えば、α−ヒドロキシカルボン酸の飽和温度より低い温度で、かつ、溶液相の凝固点以上で実施することが好ましい。即ち、飽和溶液となる温度以下まで冷却した後、析出した結晶を分離することにより、α−ヒドロキシカルボン酸の結晶を回収することができる。例えば、α−ヒドロキシカルボン酸が(S)−マンデル酸水溶液の場合の飽和温度は、濃度10質量%で25℃であり、また濃度13質量%で30℃である。
晶析槽又は攪拌槽の材質は、α−ヒドロキシカルボン酸溶液に対して耐食性があるものを選択する。例えば、晶析槽又は攪拌槽の材質は、耐食材料でも良く、耐食性のライニングが施された材料でも良い。一般的に、ステンレス、ハステロイ(登録商標)等の金属材料、グラス、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン等の樹脂材料が用いられる。
晶析槽又は攪拌槽の形状は、円筒で下鏡部が球形、楕円形又は円錐形等である。また、攪拌翼は低液面状態でも攪拌の可能なものが好ましい。攪拌翼の形状は、三枚後退翼、マックスブレンド翼又はフルゾーン翼が好ましい。
攪拌翼の回転数はスラリー中の結晶が沈降しない程度の回転数とすることが好ましい。この回転数は攪拌槽の形状、攪拌翼の形状、スラリー中の結晶濃度等により適時選択する。
結晶析出後、スラリーから結晶を分離回収する。結晶分離前のスラリー濃度は10〜30%とすることが好ましい。この範囲内であると分離性が良い。スラリー濃度は、15〜30%とすることがより好ましく、20〜25%とすることが特に好ましい。
給液槽に上述の晶析されたスラリーを貯蔵するが、晶析されたスラリーを含む晶析槽をそのまま給液槽として使用しても良い。
分離回収工程では、固液分離機を用いて結晶を濾過採取する。固液分離機としては、自力で固液分離及び脱液する遠心濾過機が好ましい。遠心濾過機であるとスラリーの給液圧力に結晶が影響され難く、脱液性が良い。
本発明においては、スラリーを固液分離機に給液する際に、圧力を加えない自然落下を利用して給液する。このように自然落下によってスラリーを固液分離機に給液することによって、結晶が圧力による機械的摩擦で微細化することを防止できる。
例えば、給液槽を固液分離機の上部に設置することにより、圧力を加えることなく自然落下によりスラリーを固液分離機に供給することができる。
供給口を結ぶ配管の内径は、工業的規模の生産に適している点から25mm〜125mmとすることが好ましい。
スラリーの流量調整は給液槽と固液分離機の間の弁により行われる。スラリー供給停止は、給液槽釜尻の弁で行われ、スラリー供給停止後に、給液槽と固液分離機の間の配管に、スラリーが滞留しない構造とするのが良い。スラリーの供給中にスラリーの詰まりを防止するため、給液槽と固液分離機の間の配管には、エルボ(L字型配管)を少なくすることが好ましい。
本発明の装置に用いる、固液分離機(例えば、遠心濾過機)のスラリー供給口から給液槽中の前記スラリーの液面形状の重心を結ぶ直線が給液槽中の前記スラリーの液面平行となす角度の定義を図1に示した。
分離操作中に、必要に応じて水でリンスを行っても良い。リンスの水の使用量は、ケーク(濾材上に堆積した濃縮残渣)含液量の0.2〜10倍とすることが好ましく、0.5〜5倍とすることがより好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明する。
なお、水分量はカールフィッシャー水分計を用いて、また、塩化アンモニウム量は、Mohr法による滴定によって決定した。(S)-マンデル酸濃度は高速液体クロマトグラフィーを用いて決定した。
<水分量>
装置:カールフィッシャー 京都電子工業社製 MKS−510
試薬:Riedel−deHaen HYDRANAL−Composite5
<塩化アンモニウム量>
モール法で分析(試料にクロム酸カリウムを加え、硝酸銀溶液で滴定する)
指示薬:クロム酸カリウム
滴下液:硝酸銀溶液
<(S)-マンデル酸濃度>
試料調製方法: 試料20mgをキャリヤー25mLに溶解
装置: カラムオーブン 日本分光社製 865−CO
UV 日本分光社製 870−UV
ポンプ 日本分光社製 880−PU
インテグレーター 島津製作所社製 C−R3A
カラム: ODS−2 GLサイエンス社製
キャリヤー: アセトニトリル:水=3/7(リン酸にてpH3.0に調整)
カラム温度: 40℃
流速: 1mL/min
波長: 220nm
[実施例1]
27重量%(S)−マンデル酸及び16重量%塩化アンモニウムの水溶液(60℃)を1mグラスライニング3枚後退翼攪拌槽中に1000kg調製した。この(S)−マンデル酸溶液を冷却速度20℃/時間で53℃付近まで冷却した。(S)−マンデル酸結晶が析出し始めたので、冷却速度5℃/時間でさらに冷却を続け15℃で冷却を停止した。冷却中は攪拌翼の回転数を60回転/分に維持した。冷却停止後のスラリー濃度は23%であった。
このスラリーを125kgずつ濾過した。グラスライニング攪拌槽釜尻より1.5m下部、水平距離で2m離れた場所に遠心濾過機を設置し、32AタイプAバルフロン(登録商標)フレキシブルホース(内径30mm)を接続して、釜尻バルブの開度調整でスラリーの流量をコントロールした。遠心濾過機のスラリー供給口からスラリー給液槽で形成する液面形状の重心を結ぶ直線とスラリー給液槽で形成する液面とのなす角度は、濾過初期において55°、濾過終了直前には36°であった。
<分離条件>
分離機 バスケット半径380mm、1300回転/分
給液時間 約1.5分
脱液時間 20分
分離操作間隔 60分(給液開始から次の給液開始までの時間)
Figure 2006298803
[比較例1]
実施例1と同様の方法で晶析を実施した。冷却停止後のスラリー濃度は23%であった。グラスライニング攪拌槽釜尻より3m上部、水平距離で2.5m離れたところに遠心濾過機を設置した。結晶スラリーの給液にはスラリー対応ポンプを使用した。スラリーの給液にポンプを使用する場合は、一旦ポンプ内部にスラリーを満たすと、結晶が沈降しないようにするため、常にポンプを運転状態にしてスラリーを流動させた状態にしておかなければならない。よって、攪拌槽釜尻から給液ポンプを経由し攪拌槽上部に接続する循環ラインを設けた。遠心濾過機へのスラリーの給液は給液ポンプからの吐出側の循環ラインに分岐管を設け、流量調整弁を介し遠心濾過機に配管を接続して行った。
<分離条件>
分離機 バスケット半径380mm、1300回転/分
給液時間 約1.5分
脱液時間 20分
分離操作間隔 60分(給液開始から次の給液開始までの時間)
循環流量 約2000kg/時間
Figure 2006298803
固液分離機のスラリー供給口から給液槽中の前記スラリーの液面形状の重心を結ぶ直線が給液槽中の前記スラリーの液面平行となす角度の定義を示す図である。
符号の説明
1 スラリー給液槽
2 スラリー給液槽釜尻弁
3 スラリー流量調整弁
4 固液分離機
5 スラリー供給口

Claims (2)

  1. 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸を含むスラリーから固液分離機を用いて光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶を製造する方法において、前記スラリーを固液分離機へ圧力を加えない自然落下にて給液する光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
  2. 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸を含むスラリーを貯蔵する給液層が固液分離機の上部に設置され、固液分離機のスラリー供給口から給液槽中の前記スラリーの液面形状の重心を結ぶ直線が給液槽中の前記スラリーの液面平行となす角度が90°以下となるように、給液槽と固液分離機とが配置される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸結晶の製造装置。
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