本発明はキャップ内面殺菌装置に係り、特に、容器内に高温の液体を充填しキャッピングを行った後この容器を傾倒させることにより、前記高温の液体をキャップの内面に接触させて殺菌を行うキャップ内面殺菌装置に関するものである。
高温の液体を充填してキャッピングをした後、容器を次第に傾けて転倒させることによりキャップ内面の殺菌を行う殺菌装置は従来から知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
前記特許文献1に記載された瓶キャップ内面殺菌装置は、容器を搬送するコンベアの搬送ユニットと、傾斜する容器を支承するコンベアの支承ユニットを組み合わせて同方向に等速で回動させ、双方のコンベアチェイン部分が当初の直角を維持しながら傾斜することによって容器を傾斜させ、内容液をキャップ内面に到達させてこれを殺菌するようになっている。
また、特許文献2に記載された搬送装置は、液体容器を起立状態から水平状態に傾倒させる傾倒用搬送機構と、傾倒用搬送機構に搬入ポートを介して液体容器を受け渡す搬入用搬送機構と、傾倒用搬送機構から搬出ポートを介して液体容器を搬出する搬出用搬送機構とを備えている。前記傾倒用搬送機構は、駆動スプロケットと従動スプロケットとの間に架けられたチェーンによって走行する載置部の列を備えている。この載置部は液体容器の底面を保持する載置台と、液体容器の側面を保持する側面保持部とを備えており、側面保持部が4本の走行レールに沿って走行するように構成されている。走行レールは、搬入ポートでは載置部の側面保持部を垂直状態に保持し、徐々に側面保持部を水平状態まで傾倒させ、ついで徐々に起立させて、搬出ポートでは側面保持部を垂直状態に保持するように構成されている。
従って、傾倒用搬送機構では、液体容器は搬入ポートにて搬入用搬送機構から起立した状態で載置部に受け渡され、徐々に傾倒していき、水平状態でしばらく搬送された後徐々に起立していき、搬出ポートにて起立した状態で搬出用搬送機構に受け渡されるようになっている。
特公平7−77894号公報(第2頁、図1)
特許第3228669号公報(第2−3頁、図2)
容器内に高温の液体を充填した後、その容器を傾倒させてキャップ内面の殺菌を行うキャップ内面殺菌装置では、完全な殺菌を行うために所定時間以上容器を転倒させて、高温の液体をキャップの内面に接触させておく必要があり、搬送コンベヤによる容器の転倒搬送区間を長く取らなければならない。そのため、このキャップ内面殺菌装置が設置される工場のスペース等の関係から搬送コンベヤをUターン状に配置する場合もあった。
ところで、この殺菌装置を使用するユーザーによっては、キャップの内面を殺菌する製品とキャップ内面を殺菌しない製品とを生産する場合があり、このキャップ内面殺菌装置を双方の容器に兼用していた。その場合には、キャップの内面を殺菌する必要のない容器まで長い転倒搬送区間を有する搬送コンベヤに導入することになり、搬送効率が悪いという問題があった。
本発明は、容器の胴部を支持する支持面を有する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤと係合して搬送コンベヤの姿勢を制御する案内ガイドとを備え、起立した状態で供給された容器を、傾倒部で前記搬送コンベヤを次第に傾斜させて容器を転倒した状態にし、転倒搬送部を搬送する間に、容器内に充填されている液体をキャップの内面に接触させて殺菌を行った後、起立部で搬送コンベヤを次第に起こすことにより転倒している容器を起立させて排出するキャップ内面殺菌装置において、前記搬送コンベヤを、その搬送経路を湾曲させるための複数の湾曲案内部材に掛け回して、前記転倒搬送部にUターン部を形成し、かつ、この搬送コンベヤに容器を供給する供給コンベヤと、殺菌済みの容器を搬送コンベヤから排出する排出コンベヤと、これら供給コンベヤおよび排出コンベヤとほぼ直交するメインコンベヤと、このメインコンベヤにより搬送されてきた容器を供給コンベヤに乗り移らせる供給ガイドとを設け、前記メインコンベヤによって搬送されてきた容器を殺菌する場合には、この容器を搬送コンベヤに導入し、容器が殺菌を必要としない場合には、容器を搬送コンベヤに導入せずに下流へ搬送するようにしたことを特徴とするものである。
本発明のキャップ内面殺菌装置は、搬送コンベヤがキャップ内面の殺菌をするために必要とする十分な長さの転倒搬送区間を備えるとともに、キャップ内面を殺菌する必要のない容器の場合には、容器を転倒させて搬送する搬送コンベヤに搬入せずに、バイパスコンベヤを通って下流側へ送るようにしたことにより、効率の良い搬送を行うことを可能にした。
起立した状態で供給された容器を傾けて転倒させる傾倒部と、転倒した状態で容器を搬送してキャップ内面を殺菌する転倒搬送部と、キャップ内面を殺菌した容器を起立させる起立部とを備えた搬送コンベヤを、複数の湾曲案内部材に掛け回して、前記転倒搬送部にUターン部を形成し、さらに、この搬送コンベヤに容器を供給する供給コンベヤと、搬送コンベヤから容器を排出する排出コンベヤとを、容器を起立した状態で搬送して搬送コンベヤに供給するメインコンベヤとほぼ直交して配置し、メインコンベヤから供給コンベヤに容器を導入する供給ガイドと排出コンベヤから容器をメインコンベヤに排出する排出ガイドを着脱可能にして、キャップの殺菌をする必要のない容器の場合にはこれら供給ガイドおよび排出ガイドを取り外すという構成により、キャップを殺菌しない容器を搬送コンベヤに導入せずにメインコンベヤ上をバイパスさせるようにして、搬送効率を向上させるという目的を達成する。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係るキャップ内面殺菌装置の平面図である。このキャップ内面殺菌装置によってキャップ2aの内面が殺菌される容器2(後に説明する図2参照)は、上流側のフィラー(図示せず)で高温の液体が充填され、キャッパーでキャッピングが行われた後、メインコンベヤ4によって起立した状態で搬送される。この実施例では、メインコンベヤ4は図1の矢印A方向に走行しており、このメインコンベヤ4の上流側(図1の左側)にフィラーおよびキャッパーが、そして、下流側にラベラー等の容器処理装置が配置されている。
メインコンベヤ4の側部(図1の下方側の側部)に、このメインコンベヤ4によって搬送されてきた容器2を搬送コンベヤ6に供給する供給コンベヤ8が、メインコンベヤ4と直交する方向を向いて設置されている。メインコンベヤ4とこの供給コンベヤ8との接続部には、これらメインコンベヤ4から供給コンベヤ8へほぼ直角に折れ曲がる容器搬送経路の内側にターンテーブル10が、また、外側に円弧状の供給ガイド12が設けられている。この供給ガイド12は着脱可能になっており、取り付けた際には、メインコンベヤ4によって搬送されてきた容器2を供給コンベヤ8側に導入し、取り外したときには、容器2をそのままメインコンベヤ4によって下流側に搬送することができる。
メインコンベヤ4の側部の、前記供給コンベヤ8が設置されている位置よりもやや下流側に、排出コンベヤ14がメインコンベヤ4のほぼ直角方向を向けて配置されている。この排出コンベヤ14は、前記供給コンベヤ8と同方向を向いてほぼ平行している。但し、供給コンベヤ8とは逆方向に走行するようになっている(供給コンベヤ8の走行方向を矢印B、排出コンベヤ14の走行方向を矢印Cで示す)。メインコンベヤ4とこの排出コンベヤ14との接続部には、排出コンベヤ14からメインコンベヤ4へほぼ直角に折れ曲がる容器搬送経路の内側にターンテーブル16が、また、外側に円弧状の排出ガイド18が設けられている。この排出ガイド18は、前記供給ガイド12と同様に着脱可能になっており、取り付けた際には、排出コンベヤ14によって搬送されてきた容器2をメインコンベヤ4上に乗り移らせるようになっている。
前記供給コンベヤ8の下流端8aと排出コンベヤ14の上流端14aの間の、各コンベヤ8、14に隣接した位置に、それぞれ駆動スプロケット20と従動スプロケット22が配置されている。また、平行する供給コンベヤ8と排出コンベヤ14の中間の、メインコンベヤ4から離れた位置(図1の下方側)に大径のターンホイール24が設置され、前記両スプロケット20、22およびこのターンホイール24に搬送コンベヤ6が掛け回されて、これらの周囲を回転走行する。前記駆動スプロケット20は、電動モーター等の駆動源(図示せず)に接続されて回転駆動される。これら駆動スプロケット20、従動スプロケット22およびターンホイール24は、搬送コンベヤ6の搬送経路を湾曲させる湾曲案内部材を構成している。なお、この実施例では、ターンホイール24は従動回転するようになっているが、駆動源に連結して回転駆動することもできる。
搬送コンベヤ6は、前記両スプロケット20、22およびターンホイール24(湾曲案内部材)に掛け回されたチェーン6a(後に説明する図3参照)と、このチェーン6aに固定され、容器2の胴部2aを支持する支持面6bとを有しており、そのその支持面6bの背後に、搬送コンベヤ6の姿勢を制御する案内ガイド26が取り付けられている。搬送コンベヤ6は、その走行経路に沿って配置された案内ガイド26によって垂直な状態から水平な状態までの間で姿勢が制御される。搬送コンベヤ6に設けられた支持面6bは、容器2の胴部2bを支持するもので、通常はかまぼこ型のパッド等が多数連続して取り付けられており、転倒した状態の容器2を安定して支持することができる。但し、支持面6bの形状は前記かまぼこ型等に限定されるものではなく、容器2の胴部2bを安定した姿勢で支持できるものであればよい。
供給コンベヤ8と搬送コンベヤ6との間に、供給コンベヤ8によって起立した状態で搬送されてきた容器2を次第に傾け、ほぼ水平状態(図2に示す状態)に転倒させた後、前記搬送コンベヤ6に引き渡す第1受渡コンベヤ28が設けられている。この第1受渡コンベヤ28の、供給コンベヤ8と並行している上流部は水平な状態で走行しており、これら両コンベヤ8、28間に配置されている第1移乗ガイド30によって乗り移ってきた容器4をそのまま起立した状態で搬送する。そして、第1受渡コンベヤ28の搬送コンベヤ6と並行している部分は、前記起立していた容器2を次第に傾け、最終的には転倒した状態にして搬送コンベヤ6に引き渡すために、水平な状態から次第に傾斜して最終的には垂直に立ち上がった状態となる。なお、前記供給コンベヤ8と第1受渡コンベヤ28とにより請求項に記載の供給コンベヤを構成している。また、前記供給コンベヤ8と第1受渡コンベヤ28を1本のコンベヤで構成しても良い。さらに、第1受渡コンベヤ28を捻らずにガイドによって容器2を転倒させるようにしても良い。
搬送コンベヤ6の、第1受渡コンベヤ28と並行している部分は、容器2を傾けて転倒させる傾倒部6Aになっており、第1受渡コンベヤ28が水平状態から次第に立ち上がってくるのに伴って、互いにほぼ90度の角度を保ったまま、直立した状態から次第に水平状態になり、転倒した状態の容器2を受け取るようになっている。なお、この実施例では、図2に示すように、容器2を完全に横倒しにして水平な状態にしているが、必ずしも完全に水平にする必要はなく、キャップ2aの内面全体に容器2内の液体が接触する状態まで横倒しにすればよい。
搬送コンベヤ6と排出コンベヤ14との間に、搬送コンベヤ6によってほぼ水平に転倒した状態で搬送されてきた容器2を次第に起立させ、排出コンベヤ14に起立した状態にして引き渡す第2受渡コンベヤ32が設けられている。搬送コンベヤ6の、第2受渡コンベヤ32と並行している部分は、容器の起立部6Eになっており、水平な状態から次第に立ち上がることにより、水平に転倒した状態で搬送されてきた容器2を、次第に起立させるようになっている。なお、前記排出コンベヤ14と第2受渡コンベヤ32とにより請求項に記載の排出コンベヤを構成している。また、前記排出コンベヤ14と第2受渡コンベヤ32を1本のコンベヤで構成しても良い。さらに、第2受渡コンベヤ32を捻らずにガイドによって容器2を転倒させるようにしても良い。
第2受渡コンベヤ32の、搬送コンベヤ6の起立部6Eと並行している部分は、搬送コンベヤ6に対してほぼ90度の角度を保って、直立した状態から次第に傾斜して水平な状態になり、転倒した状態の容器2を起立した状態で受け取るようになっている。また、第2受渡コンベヤ32の排出コンベヤ14と並行している部分は、水平に走行し、容器2を起立した状態で搬送する。第2受渡コンベヤ32の水平な部分と排出コンベヤ14との間に渡って第2移乗ガイド34が設けられており、第2受渡コンベヤ32が受け取って起立した状態で搬送してきた容器2を、そのまま起立した状態で排出コンベヤ14上に乗り移らせるようになっている。
前記搬送コンベヤ6の、傾倒部6Aから起立部6Eに至る部分が、水平な状態で走行して、容器2を転倒した状態のまま搬送し、内部に充填されている高熱の液体をキャップ2aの内面に接触させて殺菌する転倒搬送部を構成している。転倒搬送部は、ほぼその中間にターンホイール24が配置されてその周囲を回転走行するようになっており、傾倒部6Aからターンホイール24に向かう直線走行部6B、ターンホイール24の周囲を回転走行するUターン部6C、およびターンホイール24から起立部6Eに向かう逆方向走行部6DからなるほぼU字状の搬送経路を構成している。このターンホイール24の周囲には、転倒した状態で搬送される容器2の底部2c側を支持する底面支持ガイド36(図2参照)が設けられている。
また、搬送コンベヤ6の起立部6Eから傾倒部6Aに至る部分は、従動スプロケット22の周囲を回転走行する第1回転走行部6Fと、駆動スプロケット20の周囲を回転走行する第2回転走行部6Hと、これら両回転走行部6F、6Hの間に設けられ、起立部6Eで直立された状態のまま走行する直立走行部6Gからなるリターン部を構成している。
図3は、搬送コンベヤ6が前記傾倒部6A、転倒搬送部6B、6C、6D、起立部6Eおよびリターン部6F、6G、6Hにおいて姿勢が変化する状態を順次示したもので、傾倒部6Aでは、垂直の状態(Wの状態)から、案内ガイド26によって次第に傾斜され(X、Yの状態)、傾倒部6Aの終了時にはほぼ水平状態(Zの状態)になる。次の転倒搬送部6B、6C、6Dでは、ほぼ水平状態のまま走行する。また、起立部6Eでは、前記傾倒部6Aとは逆に、水平の状態(Zの状態)で走行してきた搬送コンベヤ4が、案内ガイド26によって次第に立ち上がり(Y、Xの状態)、垂直な状態(Wの状態)になったときに容器2を起立させて排出する。さらに、リターン部6F、6G、6Hでは、ほぼ直立した状態のまま傾倒部6Aに戻るようになっている。
以上の構成に係るキャップ内面殺菌装置の作動について説明する。このキャップ内面殺菌装置によってキャップ2aの内面の殺菌を行う場合には、メインコンベヤ4と供給コンベヤ8との間に設けられている供給ガイド12および排出コンベヤ14とメインコンベヤ4との間に設けられている排出ガイド18を取り付けておく。キャップ2aが殺菌される容器2は、上流側に設置されたフィラー(図示せず)において高温の液体が充填され、続くキャッパー(図示せず)においてキャッピングが行われた後、メインコンベヤ4によって起立した状態のまま搬送されてくる。
メインコンベヤ4によって起立した状態のまま搬送され、供給コンベヤ8との接続部に到達した容器2は、円弧状の供給ガイド12とターンテーブル10を介して供給コンベヤ8に乗り移る。さらに、容器2は第1移乗ガイド30によって起立した状態のまま第1受渡コンベヤ28に乗り移る。水平な状態で走行しつつ起立した状態の容器2を受け取った第1受渡コンベヤ28は、搬送コンベヤ6の傾倒部6Aと並行する部分にくると、次第に搬送コンベヤ6側に向けて立ち上がる。一方、搬送コンベヤ6は、直立した状態(図3のW参照)で走行するリターン部(回転走行部6F、直立走行部6G、回転走行部6H)から傾倒部6Aにはいると、前記第1受渡コンベヤ28とほぼ90度の角度を保ったまま、次第に傾いて水平な状態になる(図3のX、Y、Z参照)。これら第1受渡コンベヤ28と搬送コンベヤ6の傾倒部6Aの傾きによって、直立していた容器2が横倒しの状態になって第1受渡コンベヤ28から搬送コンベヤ6に受け渡され、その胴部2bが搬送コンベヤ6の容器支持面6b上に横倒しの状態で支持される。
搬送コンベヤ6は、支持面6b上に容器2を転倒した状態で載せ、転倒搬送部(直線走行部6B、Uターン部6Cおよび逆方向走行部6D)を走行する。容器2は長い区間に渡って転倒した状態のまま搬送され、内部に充填されている高温の液体がキャップ2aの内面に長時間接触することにより完全に殺菌が行われる。
搬送コンベヤ6によって横倒しの状態で搬送されてきた容器2が起立部6Eに到達すると、搬送コンベヤ6が水平な状態(図3のZの状態)から次第に立ち上がり、一方、この搬送コンベヤ6の起立部6Eと並行して走行している第2受渡コンベヤ32が、直立した状態から次第に傾き、水平な状態になる。搬送コンベヤ6の起立部6Eと第2受渡コンベヤ32の並行している部分は、ほぼ90度の角度を保って傾きを変えていき、転倒した状態の容器2を起立させて、搬送コンベヤ6から第2受渡コンベヤ32へ受け渡しが行われる。
第2受渡コンベヤ32に起立した状態で受け渡された容器2は、起立した状態のまま第2移乗ガイド34によって排出コンベヤ14上に乗り移る。さらに、ターンテーブル16および円弧状の排出ガイド18によって、排出コンベヤ14上からメインコンベヤ4上に排出される。メインコンベヤ4の下流側には、図示しないラベラー等の容器処理装置が設置されており、殺菌が終了した容器2は、メインコンベヤ4によって下流側の装置に送られる。このように転倒搬送部6B、6C、6DにUターン部6Cを設けて往復させる構成としたので、容器2を転倒した状態で搬送する区間を長くして十分な殺菌時間を確保するとともに、殺菌装置全体をコンパクト化して狭いスペースに設置することを可能にした。
また、キャップ2aの殺菌をする必要のない容器2の場合には、メインコンベヤ4と供給コンベヤ8との間に取り付けられている供給ガイド12および排出コンベヤ14とメインコンベヤ4との間に取り付けられている排出ガイド18を取り外す。上流側に設置されたフィラー(図示せず)において内容液が充填され、続くキャッパー(図示せず)においてキャッピングが行われた容器2は、メインコンベヤ4によって起立した状態のまま搬送されてくる。
メインコンベヤ4と供給コンベヤ8との接続部に到達すると、メインコンベヤ4上に供給ガイド12がないため、容器2は供給コンベヤ8側に導入されずそのままメインコンベヤ4の下流側に搬送される。また、メインコンベヤ4と排出コンベヤ14との間にも排出ガイド18がないため、容器2はそのままメインコンベヤ4の下流側に設けられているラベラー等の処理装置に送られる。このようにキャップ2aの殺菌をする必要のない容器2の場合には、搬送コンベヤ6内に導入せずにバイパスさせるようにしたので、上流側の処理装置(例えばキャッパー)と下流側の処理装置(例えばラベラー)とを接近させて配置することができ、搬送効率を向上させることができる。
図4は第2の実施例に係るキャップ内面殺菌装置の平面図である。この実施例のキャップ内面殺菌装置は、基本的な構成は前記第1実施例の構成とほぼ同一であるが、リターン部をさらに短縮した点が異なっているので、この相違する点についてだけ説明し、その他の同一または共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
前記第1実施例の殺菌装置では、リターン部が、従動スプロケット22の周囲を回転走行する第1回転走行部6Fと、駆動スプロケット20の周囲を回転走行する第2回転走行部6Hと、これら両回転走行部6F、6Hの間の直立走行部6Gから構成されていたが、この実施例の装置では、起立部6Aと傾倒部6Eとの間に駆動スプロケット22だけが配置されており、リターン部が、この駆動スプロケット20の周囲を回転走行する回転走行部6Fだけからなっている。前記第1実施例でも、搬送コンベヤ6の転倒搬送部6B、6C、6Dに容器2を供給する供給コンベヤ8への入口と、搬送コンベヤ6から容器2を排出する排出コンベヤ14からの出口との間の距離を、従来の構成と比較して大幅に短縮することができたが、この実施例では、前記供給コンベヤ8への入口と排出コンベヤ14からの出口との間の距離をさらに短くし、ほぼゼロとするすることができるので、第1実施例の構成と比較しても搬送効率を一層向上させることができる
前記各実施例では、一本のメインコンベヤ4により、充填およびキャッピングが行われた容器2をこのキャップ内面殺菌装置に搬入し、搬送コンベヤ6による搬送中に殺菌した容器2を搬出するとともに、キャップ2aを殺菌する必要がない容器2の場合には、このメインコンベヤ4をバイパスコンベヤとして利用するようにしているが、この1本のメインコンベヤ4に変えて、分割した別々のコンベヤによって容器2の搬入、搬出およびバイパスを行わせるようにすることもできる。
図5は第3の実施例に係るキャップ内面殺菌装置の配置を簡略化して示す平面図であり、前記各実施例と同一の部分には同一の符号を付して説明する。この実施例では、内容液が充填されキャッピングが行われた容器2を搬送する搬入コンベヤ103と、殺菌が終了した容器2を搬出する搬出コンベヤ105とが別体になっており、前記搬入コンベヤ103の下流端に、直交する方向を向いて供給コンベヤ8が配置され、また、搬出コンベヤ105の上流端に排出コンベヤ14が直交する方向を向いて配置されている。そして、第1実施例では1本のメインコンベヤ4が、搬送コンベヤ6への容器の搬入、搬出と、バイパスコンベヤとしての機能を果たしていたが、この実施例では、別体となっている搬入コンベヤ103と搬出コンベヤ105の間を、別体のバイパスコンベヤ104によって接続している。なお、この実施例では、前記図1および図4の実施例とは容器2の搬送方向が逆になっている(図5の矢印A参照)。
搬入コンベヤ103と供給コンベヤ8との接続部には、搬入コンベヤ103から供給コンベヤ8へほぼ直角に折れ曲がる容器搬送経路の内側にターンテーブル10が、また、外側に円弧状の供給ガイド12が設けられている。この実施例では、搬入コンベヤ103とバイパスコンベヤ104とが別体になっているので、供給ガイド12を着脱する必要はない。また、排出コンベヤ14と搬出コンベヤ105との接続部には、排出コンベヤ14から搬出コンベヤ105へほぼ直角に折れ曲がる容器搬送経路の内側にターンテーブル16が、また、外側に円弧状の排出ガイド18が設けられている。この円弧状排出ガイド18も取り外しの必要はない。
さらに、この実施例では、容器2を殺菌しない場合に、搬入コンベヤ103によって搬送されてきた容器2をバイパスコンベヤ104に乗り移らせる供給側ガイド142と、バイパスコンベヤ104上の容器2を搬出コンベヤ105に乗り移らせる排出側ガイド144が設けられている。排出側ガイド144は取り付けたままでよいが、供給側ガイド142は、容器2をバイパスさせる場合には取り付け、キャップ2aの殺菌をする場合には取り外すようになっている。
この実施例の装置では、容器2のキャップ2aを殺菌する場合には、内容液が充填されキャッピングが行われた容器2が、搬入コンベヤ103によって搬送され供給コンベヤ8に引き渡される。この供給コンベヤ8と搬送コンベヤ6の傾倒部6Aの間に第1受け渡しコンベヤ28が配置されており、供給コンベヤ8によって起立した状態で搬送されてきた容器2が第1移乗ガイド30によってこの第1受け渡しコンベヤ28に乗り移り、第1受け渡しコンベヤ30上で次第に傾けられて、転倒した状態で搬送コンベヤ6に引き渡される。搬送コンベヤ6に引き渡された容器2は、転倒搬送部6B、6C、6Dを転倒した状態で搬送されてキャップ2aの内面が殺菌される。搬送コンベヤ6の出口側の起立部6Eと、排出コンベヤ14の間に第2受け渡しコンベヤ32が配置されており、搬送コンベヤ6上を転倒した状態で搬送されてきた容器2が第2受け渡しコンベヤ32上で次第に起立され、完全に起立した状態になった後、第2移乗ガイド34を介して排出コンベヤ14に引き渡される。
一方、容器2のキャップ2aを殺菌しない場合には、搬入コンベヤ103上に取り付けた供給側ガイド142によって、搬入コンベヤ103上の容器2をバイパスコンベヤ104に乗り移らせ、さらに、バイパスコンベヤ104の下流側では、排出側ガイド144によって搬出コンベヤ105上に乗り移らせて搬出する。この実施例でも、前記各実施例と同様の作用効果を奏することができる。
図6は第4の実施例に係るキャップ内面殺菌装置の配置を簡略化して示す平面図である。この実施例でも、内容液が充填されキャッピングが行われた容器2を搬送する搬入コンベヤ203と、キャップ2aの殺菌が終了した容器2を搬出する搬出コンベヤ205とが別体になっており、上流側でキャッピングが行われた容器2が、搬入コンベヤ203によって搬送され供給コンベヤ208に引き渡される。供給コンベヤ208は、上流部208aが搬入コンベヤ203と平行に配置され、下流部208bがほぼ直角に折れ曲がって搬送コンベヤ6の方向に向かっている。この供給コンベヤ208の下流部208bと搬送コンベヤ6の傾倒部6Aの間に第1受け渡しコンベヤ28が配置され、供給コンベヤ208によって起立した状態で搬送されてきた容器2を次第に傾けて、転倒した状態で搬送コンベヤ6に引き渡す。
また、搬送コンベヤ6の出口側、つまり、起立部6E側には、ほぼ直角に折れ曲がった排出コンベヤ214が配置されている。この排出コンベヤ214の上流部214aが供給コンベヤ208の下流部208bとほぼ平行し、下流部214bが前記搬入コンベヤ203および供給コンベヤ208の上流部208aと一直線上に配置されている。搬送コンベヤ6の起立部6Aと排出コンベヤ214の上流部214aとの間に第2受け渡しコンベヤ32が配置され、搬送コンベヤ6上を転倒した状態で搬送されてきた容器2を次第に起立させて排出コンベヤ214に引き渡すようになっている。そして、この排出コンベヤ214の下流部214bと平行して搬出コンベヤ205が配置されており、殺菌後の容器2を下流側のラベラー等に送るようになっている。
さらに、この実施例では、供給コンベヤ208の上流部208aと排出コンベヤ214の下流部214bとの間を接続するバイパスコンベヤ204が設けられている。そして、前記搬入コンベヤ203と供給コンベヤ208の上流部208aの上方に供給側ガイド242が設けられている。この供給側ガイド242は、搬入コンベヤ203によって搬送されてきた容器2を供給コンベヤ208を介して搬送コンベヤ6に導入する場合と、供給コンベヤ208を乗り越えてバイパスコンベヤ204に乗り移らせる場合とで、取り外して長さを変えて付け替えるようになっている。なお、搬送コンベヤ6に容器2を導入する場合には、供給コンベヤ208の上流部208aとバイパスコンベヤ204との間に図示しない仕切ガイドを設けて、容器2がバイパスコンベヤ204上に乗り移らないようにしている。
また、バイパスコンベヤ204の下流側と排出コンベヤ214の下流部214bの上方に排出側ガイド244が設けられている。この排出側ガイド244によって、バイパスコンベヤ204上を搬送されてきた容器2は排出コンベヤ214の下流部214b上を通過して搬出コンベヤ205上に乗り移るようになっている。搬送コンベヤ6内で殺菌され、排出コンベヤ214を介して排出される容器2も、この排出側ガイド244によって、排出コンベヤ214の下流部214bから搬出コンベヤ205上に移されるようになっている。従って、この排出側ガイド244は付け替えの必要はない。
この実施例の構成では、容器2のキャップ2aを殺菌する場合は、搬入コンベヤ203によって上流側から搬送されてきた容器2は、供給側ガイド242を介して供給コンベヤ208の上流部208aに乗り移り、さらに下流部208bから第1移乗ガイド30によって第1受け渡しコンベヤ28上に乗り移り、この第1受け渡しコンベヤ28上で次第に傾けられ、転倒した状態で搬送コンベヤ6の傾倒部6Aに引き渡される。搬送コンベヤ6の転倒搬送部6B、6C、6Dを転倒した状態で搬送されて殺菌された容器2は、起立部6Eで次第に起立されて第2受け渡しコンベヤ32に受け渡され、第2移乗ガイド34を介して排出コンベヤ214の上流部214aに移される。その後、排出コンベヤ214の下流部214bから排出側ガイド244によって搬出コンベヤ205上に移されて下流側に搬送される。
一方、キャップ2aの殺菌をしない容器2の場合には、搬入コンベヤ203によって搬送されてきた容器2を、供給側ガイド242によって、供給コンベヤ208の上流部208aに乗り移らせ、さらに、この供給コンベヤ208の上流部208aからバイパスコンベヤ204に乗り移らせる。そして、排出側ガイド244を介して、バイパスコンベヤ204の下流側からから排出コンベヤ214の下流部214bを通って、搬出コンベヤ205へと乗り移らせて次の工程に送るようになっている。この実施例でも、前記各実施例と同様の作用効果を奏することができる。
図7は第5の実施例に係るキャップ内面殺菌装置の配置を簡略化して示す平面図である。この実施例の構成は、前記第4実施例(図6参照)と類似しているが、コンベヤの配置が異なっている。第4実施例では、搬入コンベヤ203に隣接して供給コンベヤ208の上流部208bが、そしてこの供給コンベヤ208の上流部208bに隣接してバイパスコンベヤ204が配置されている。つまり、供給コンベヤ208の上流部208aが搬入コンベヤ203とバイパスコンベヤ204との間に挟まれている。一方、排出側では、搬出コンベヤ205に隣接して排出コンベヤ214の下流部214bが、そしてこの下流部214bに隣接してバイパスコンベヤ204が配置されている。つまり、排出コンベヤ214の下流部214bが搬出コンベヤ205とバイパスコンベヤ204との間に挟まれている。これに対して、この第5実施例では、搬入コンベヤ303を挟んで両側に供給コンベヤ308の上流部308aとバイパスコンベヤ304が配置され、排出側では、搬出コンベヤ305を挟んで両側に排出コンベヤ314の下流部314bとバイパスコンベヤ304が配置されている。
搬入コンベヤ303の、バイパスコンベヤ304と供給コンベヤ308の上流部308aに挟まれている部分に、供給側ガイド342が装着される。この供給側ガイド324は、容器2のキャップ2aを殺菌しない場合には、図示のように搬入コンベヤ303によって搬送されてきた容器2をバイパスコンベヤ304に乗り移らせる方向を向け、容器2のキャップ2aを殺菌する場合には、この供給側ガイド342を逆向きに付け替えて、搬入コンベヤ303によって搬送されてきた容器2を供給コンベヤ308の上流部308aに乗り移らせる。
また、バイパスコンベヤ304の下流端には、バイパスコンベヤ304によって搬送されてきた容器2を搬出コンベヤ305に乗り移らせる第1排出側ガイド344が取り付けられるとともに、排出コンベヤ314の下流部314b上には、排出コンベヤ314上の容器2を搬出コンベヤ305に乗り移らせる第2排出側ガイド346が取り付けられている。これら二つの排出側ガイド344、346は付け替える必要はなく、容器2のキャップ2を殺菌する場合も殺菌しない場合も取り付けたままにしておく。この実施例でも、前記各実施例と同様の作用効果を奏することができる。なお、前記各実施例の供給ガイドおよび排出ガイドをスライド可能に、または回転可能に構成して、自動で切り替えを行うようにすることもできる。
キャップ内面殺菌装置の平面図である。(実施例1)
前記キャップ内面殺菌装置の要部(ターンホイール)を拡大して示す縦断面図である。
搬送コンベヤの傾倒部および起立部の動作を説明する図である。
キャップ内面殺菌装置の平面図である。(実施例2)
キャップ内面殺菌装置の平面図である。(実施例3)
キャップ内面殺菌装置の平面図である。(実施例4)
キャップ内面殺菌装置の平面図である。(実施例5)
符号の説明
2 容器
2a キャップ
2b 容器の胴部
4 メインコンベヤ
6 搬送コンベヤ
6b 搬送コンベヤの支持面
6A 搬送コンベヤの傾倒部
6B 転倒搬送部(直線走行部)
6C 転倒搬送部(Uターン部)
6D 転倒搬送部(逆方向走行部)
6E 搬送コンベヤの起立部
8 供給コンベヤ
12 供給ガイド
14 排出コンベヤ
18 排出ガイド
20 湾曲案内部材(駆動スプロケット)
22 湾曲案内部材(従動スプロケット)
24 湾曲案内部材(ターンホイール)
26 案内ガイド