JP2006298206A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】すぐれた操縦安定性等の運動性能を十分に発揮させるとともに、ベルト側縁からのゴム亀裂の発生を防止する。
【解決手段】一対のビード部3間にトロイダルに延びるラジアルカーカス5のクラウン域の外周側に配設されてトレッド部1を補強するベルト13を、トレッド部の周方向にジグサグに延びる波状スチールコード8よりなる二層の主張力負担層9と、直径が0.6mm以下のモノフィラメントの二軸織物11よりなる三層の補強層12とで構成し、その補強層12の最大幅をタイヤ最大幅の70%以上とする。
【選択図】図1
【解決手段】一対のビード部3間にトロイダルに延びるラジアルカーカス5のクラウン域の外周側に配設されてトレッド部1を補強するベルト13を、トレッド部の周方向にジグサグに延びる波状スチールコード8よりなる二層の主張力負担層9と、直径が0.6mm以下のモノフィラメントの二軸織物11よりなる三層の補強層12とで構成し、その補強層12の最大幅をタイヤ最大幅の70%以上とする。
【選択図】図1
Description
この発明は、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ等として用いる他、鉱山車両用タイヤとして用いて、トレッド部の補強材としてのベルトの側縁からのゴム亀裂の発生を有効に防止できる空気入りタイヤに関するものである。
従来のトレッド部補強としては、たとえば、ほぼ等間隔に引き揃え配置した、複数本の直状スチールコードにゴム被覆を施してなるベルト層を、カーカスのクラウン域の外周側に、タイヤ赤道面に対するスチールコード交角が20°前後となる姿勢で配設することが広く一般に行われている。
ところで、スチールコードを一方向に配向させて形成されるこのようなベルト層は一方向強化材であるため、スチールコードの延在方向と交差する方向の引張力および圧縮力がベルト層に入力されることに起因する、コードへの剪断入力によって、スチールコードが容易に撓み変形することになる。
従って、このようなベルト層の複数層をベルトとして用い、ベルト層コードとしてのスチールコードを、層間で相互に交差させて、たとえばタイヤ赤道面に対して相互に逆方向に延在させた場合には、タイヤの負荷転動に伴う、そのベルトへの、たとえば、トレッド部の周方向の引張力の作用によって、それぞれのベルト層のスチールコードが相互に独立した撓み変形を行うことになり、このときの変形量は、スチールコードの自由端が存在するベルト層側縁で最も大きくなるので、とくには、半径方向の内外に隣接するベルト層の側縁部分もしくはその近傍部分で、隣接ベルト層間に存在するゴムに、繰り返しの、そして大きな剪断歪が生じ、この剪断歪がベルト層側縁からのゴム亀裂の発生の大きな要因となる問題があった。
そこで、ベルト層の相互間でのこのような剪断歪の発生を防止するべく、特許文献1には、トレッド部の補強材としてのベルトに、タイヤ赤道に対して15以上かつ30°以下の角度で互いに平行に配列する第1のベルトコードと、タイヤ赤道に対して15以上かつ30°以下の角度で互いに平行にしかも前記第1のベルトコードとは交差する向きに配列する第2のベルトコードを互いに織り合わせた2軸織物状の2軸織りベルトプライを含ませる技術が開示されており、同公報では、このような構成によれば、2軸織りベルトプライは、2つの軸方向に沿って夫々配列するベルトコードを織合わせているため、各ベルトコードの動きがその織り込みによって互いに拘束され、ベルト剛性を効果的に向上しうる。しかもタイヤに加わる負荷を各ベルトコードに広く分散させることができ、ベルトコード個々に作用する応力を減じコード耐久性を高めうるとともに、ベルト剛性の均一性を高め走行性能を大巾に向上しうる。又、このものは、ベルトプライ端で集中して作用する応力を、前記コード間相互の拘束によって緩和させうるため、セパレーションの発生を抑制でき、さらには、各コードがタイヤ赤道を中心として左右対称となることにより車両の片流れを防止しうるとしている。
また特許文献2には、操縦安定性、乗心地性を低下させることなくタイヤの軽量化を図ることを目的として、トレッド部の補強材としてのベルトを、タイヤ赤道に対して10〜30°の角度で傾斜するベルトコードを有する少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層と、ベルト層の半径方向外側に配され、かつモノフィラメントコードを互いに交差させて織成した織物層からなる、ベルト層より広幅の補強層とで構成した空気入りラジアルタイヤが開示されており、これによれば、補強層で、ベルト層をその全幅にわたって覆うことで、ベルトプライのエッジルースを防止でき、耐久性を向上できるとしている。
特開平5−16610号公報
特開平9−136507号公報
しかるに、前者の、特許文献1に記載された従来技術は、2軸織りベルトプライの外周側に、有機繊維からなる直状バンドコードをタイヤ赤道に対して略0度の角度で配列したバンドプライを設けるものであり、かかるバンドプライと、タイヤ赤道に対するベルトコード交角が10〜30°と比較的小さい2軸織りベルトプライとでベルトを構成するものであるので、ベルトの円周方向での剛性が、他の方向における剛性、たとえばトレッド部の斜め前後方向における剛性に比して相当高くなり、そして、後者の、特許文献2に記載された従来技術では、タイヤ赤道に対して10〜30°の角度で傾斜するベルトコードを有する1枚以上のベルトプライからなるベルト層の存在の故に、これもまた、ベルトの周方向での剛性が、他の方向の剛性に対して相当高くなるので、これらのいずれの従来技術にあっても、ベルト、ひいては、トレッド部の、それぞれの方向での剛性差に起因する、ベルト側縁からの亀裂の発生を余儀なくされることになるという問題があった。
この発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、それの目的とするところは、トレッド部の補強材としてのベルトの側縁への亀裂の発生をより効果的に防止できる空気入りタイヤを提供するにある。
これがため、この発明に係る空気入りタイヤでは、一対のビード部間にトロイダルに延びる一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスのクラウン域の外周側に配設されてトレッド部を補強するベルトを、トレッド部の周方向にジグザグ状に延びる波状スチールコードよりなる一層以上の主張力負担層と、この主張力負担層の内周側および外周側の少なくとも一方に配設した、直径が0.6mm以下、より好ましくは、0.4mm以下のモノフィラメントが相互に直交して延びる二軸織物からなる一層以上の補強層とで構成するとともに、二軸織物のモノフィラメントの、タイヤ赤道面に対する交角を40〜50°の範囲とし、その補強層の最大幅をタイヤ最大幅の70%以上とする。
なお、ここにおけるタイヤ最大幅とは、タイヤを適用リムに装着して規定の空気圧を充填したときの、無負荷状態の下での断面幅をいうものとする。
ここで、適用リムおよび規定の空気圧はそれぞれ、下記の規格に規定されたリムおよび、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。ところで、タイヤ内へは空気に代えて、不活性ガスその他が、空気圧と等圧で充填されることもある。
ここで、適用リムおよび規定の空気圧はそれぞれ、下記の規格に規定されたリムおよび、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。ところで、タイヤ内へは空気に代えて、不活性ガスその他が、空気圧と等圧で充填されることもある。
そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められるたものであり、例えば、アメリカ合衆国では”THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK“であり、欧州では、” THE Eurppian Tyre and Rim Technical OransaitionのSTANDARDS MANYUAL” であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATAMA YEAR BOOK” である。
ここで、好ましくは、波状スチールコードの振幅を0.5〜3mmの範囲とし、またその波長を15〜40mmの範囲とする。
この空気入りタイヤでは、トレッド部の周方向に延びる波状のスチールコードからなる主張力負担層に十分大きなたが締め効果を発揮させることで、ベルトおよびトレッド部の周方向の剛性を高めて、操縦安定性等の運動性能を十分に高めることができ、また、タイヤへの空気圧の充填に伴う径成長を効果的に抑制するとともに、タイヤの負荷転動に伴う走行成長をもまた有効に抑制することができる。
また、ここでの波状スチールコードは、先の述べた一方向補強材のスチールコードのような切断端を有しないことから、主張力負担層の側縁からの亀裂の発生のおそれを十分に取り除くことができる。
また、ここでの波状スチールコードは、先の述べた一方向補強材のスチールコードのような切断端を有しないことから、主張力負担層の側縁からの亀裂の発生のおそれを十分に取り除くことができる。
しかもこのタイヤでは、モノフィラメントが相互に直交する二軸織物よりなる補強層をベルトの一部として、二軸織物を形成するそれぞれのモノフィラメントの延在方向の弾性率と、それと直交する方向の弾性率との間の相対差を十分小さくすることによって、モノフィラメントの切断端部分の撓み変形を、それぞれのモノフィラメントの相互の拘束下で有効に抑制することができるので、一層の二軸織物を配設する場合には、その側縁への歪の集中を有効に防止して、また、二層以上の二軸織物を配設する場合には、それらの層間に生じる剪断歪を有効に抑制して、二軸織物の側縁からのゴム亀裂の発生を有効に防止することができる。
またここでは、二軸織物をモノフィラメントにより形成することで、効率的に剪断剛性を確保することができる。
すなわち、二軸織物の剪断変形に伴う、補強素子への力の入力は、それを主応力に分解すると、一方側に延びる補強素子には引張力として、そして、他方側に延びる補強素子に対しては圧縮力として作用することになるので、圧縮剛性の低い撚りコードを補強素子とする場合には、剪断変形に伴う応力を十分に負担させることができないので、結果として剪断剛性が低くなる。
そこでここでは、圧縮剛性の高いモノフィラメント、より好ましくは金属材料モノフィラメントを補強素子として用いることで、二軸織物による高い剪断剛性の発揮を担保する。
すなわち、二軸織物の剪断変形に伴う、補強素子への力の入力は、それを主応力に分解すると、一方側に延びる補強素子には引張力として、そして、他方側に延びる補強素子に対しては圧縮力として作用することになるので、圧縮剛性の低い撚りコードを補強素子とする場合には、剪断変形に伴う応力を十分に負担させることができないので、結果として剪断剛性が低くなる。
そこでここでは、圧縮剛性の高いモノフィラメント、より好ましくは金属材料モノフィラメントを補強素子として用いることで、二軸織物による高い剪断剛性の発揮を担保する。
さらにこのタイヤでは二軸織物を形成するフィラメントの直径を0.6mm以下、より好ましくは0.4mm以下とすることで、二軸織物の側縁からの亀裂の発生を一層有利に防止することができる。
すなわち、二軸織物を用いた場合には、先にも述べたように、モノフィラメントの切断端部分の撓み変形を抑制して、それの側縁からの亀裂の発生を有効に防止することができるも、モノフィラメントの切断端面はそもそも、ゴムとの接着性が悪いので、ノフィラメント直径、ひいては、それの切断面面積が大きくなりすぎると、その切断端面から亀裂が発生するおそれが高くなる。そこでここでは、モノフィラメントの直径を0.6mm以下としてそれの切断面面積を十分小さく抑えることで、モノフィラエメントの切断端面からの亀裂の発生のおそれを有利に取り除く。
すなわち、二軸織物を用いた場合には、先にも述べたように、モノフィラメントの切断端部分の撓み変形を抑制して、それの側縁からの亀裂の発生を有効に防止することができるも、モノフィラメントの切断端面はそもそも、ゴムとの接着性が悪いので、ノフィラメント直径、ひいては、それの切断面面積が大きくなりすぎると、その切断端面から亀裂が発生するおそれが高くなる。そこでここでは、モノフィラメントの直径を0.6mm以下としてそれの切断面面積を十分小さく抑えることで、モノフィラエメントの切断端面からの亀裂の発生のおそれを有利に取り除く。
以上のような二軸織物よりなる補強層の最大幅は、タイヤ最大幅の70%以上、より好ましくは80〜90%の範囲として、補強層の側縁より幅方向外側でのトレッド踏面への偏摩耗の発生を抑制する。
加えてここでは、二軸織物の、相互に直交して延びるモノフィラメントの、タイヤ赤道面に対する交角を、40〜50°の範囲とすることで、トレッド部の周方向および幅方向の引張力ならびに圧縮力の他、トレッド部の面内曲げ力の作用に対し、モノフィラメントの撓み変形をおしなべて小さく抑えることができ、いずれの力の作用に対しても、補強層側縁からの亀裂の発生を有効に防止することができる。
しかもこれによれば、カーカスコードを、タイヤ赤道面に対して70〜90°の範囲の角度で延在させるとともに、主張力負担層の波状スチールコードを周方向に、そして補強層の、相互に直交するモノフィラメントコードをタイヤ赤道面に対して40〜50°の範囲の角度でそれぞれ延在させて、これらのそれぞれのコードの延在方向を十分均等に分散させることにより、トレッド部の各方向の剛性を効果的に均一化させることができるので、トレッド部の剛性が方向によって大きく相違することに起因する、ベルト側縁からの亀裂の発生のおそれを有効に取り除くことができる。
すなわち、モノフィラメントコードの、赤道面に対する交角が40°未満では、トレッド部の円周方向剛性が高くなりすぎ、一方それが50°を越えると、円周方向の剛性が相対的に低くなりすぎる。
すなわち、モノフィラメントコードの、赤道面に対する交角が40°未満では、トレッド部の円周方向剛性が高くなりすぎ、一方それが50°を越えると、円周方向の剛性が相対的に低くなりすぎる。
ここで好ましくは、少なくとも一層の補強層を、10mm以上、より好適には20mm以上の幅を有する二軸織物の、カーカスのクラウン域に沿う螺旋巻回構造とする。
補強層は、ゴム被覆を施した、所定の全幅を有する一枚の二軸織物を、たとえば成型ドラム上で、一回もしくは複数回にわたって巻き回して、それの後端を、既巻回部分上に、その二軸織物の全幅にわたって重ね合わせ接合することによって配設することも可能である。しかるに、ゴム被覆を施した二軸織物を、たとえば成型ドラム上で、それの中心軸線方向に螺旋状に巻回することによって、補強層を、上述したような螺旋巻回構造とした場合には、補強層から、それの全幅にわたって延びる、二軸織物の重ね合わせ接合部を取り除いて、タイヤのユニフォミティ等を有利に向上させることができる。
補強層は、ゴム被覆を施した、所定の全幅を有する一枚の二軸織物を、たとえば成型ドラム上で、一回もしくは複数回にわたって巻き回して、それの後端を、既巻回部分上に、その二軸織物の全幅にわたって重ね合わせ接合することによって配設することも可能である。しかるに、ゴム被覆を施した二軸織物を、たとえば成型ドラム上で、それの中心軸線方向に螺旋状に巻回することによって、補強層を、上述したような螺旋巻回構造とした場合には、補強層から、それの全幅にわたって延びる、二軸織物の重ね合わせ接合部を取り除いて、タイヤのユニフォミティ等を有利に向上させることができる。
なおこの場合、二軸織物の幅を10mm未満としたときは、それを螺旋状に巻回して所要の補強層を構成するに要する時間が長くなりすぎて、生産性が低下しすぎる不都合があり、また、トレッド部の面内曲げ力に対して、補強層に高い剛性を発揮させることが難しくなって、コーナリングパワーが低下するという不都合がある。
ここで、二軸織物を形成するモノフィラメントは、ゴムとの接着が可能な、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の有機材料モノフィラメントとすることができる他、鉄、各種のスチール、黄銅等の、より剛性の高い金属材料モノフィラメントとすることもでき、この後者の場合にあって、鉄、スチール等のモノフィラメントを選択するときは、ゴムとの接着性を高めるために黄銅めっきを施すことが好ましい。
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、とくには、ベルトを、周方向に延びる波状スチールコードよりなる主張力負担層と、0.6mm以下の直径のモノフィラメントが相互に直交して延びる二軸織物よりなる補強層とで構成するとともに、二軸織物のモノフィラメントの、タイヤ赤道面に対する交角を40〜50°の範囲として、トレッド部の各方向の剛性を十分に均等化させることにより、ベルトの側縁への亀裂の発生を効果的に防止することができる。
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面であり、図2はそのタイヤのベルト構造を部分的に示す平面透視展開図である。
図1は、この発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面であり、図2はそのタイヤのベルト構造を部分的に示す平面透視展開図である。
図1中、1はトレッド部を、2は、トレッド部1の両側部に連続して半径方向内方へ延びるサイドウォール部を、そして3は、サイドウォール部2の内周側に連続するビード部をそれぞれ示す。
ここでは、それぞれのビード部3内に配設したビードコア4間にトロイダルに延びてタイヤの骨組み構造をなす、一枚以上のカーカスプライからなる、たとえばラジアルカーカス5をもって上記の各部を補強し、そして、そのラジアルカーカス5の各側部部分6を、ビードコア4の周りで半径方向外方へ巻き返しており、また、ビードコア4に対してラジアルカーカス5の外側部分に、ビード部補強層7を、そのラジアルカーカス5に沿わせて配設している。
ここでは、それぞれのビード部3内に配設したビードコア4間にトロイダルに延びてタイヤの骨組み構造をなす、一枚以上のカーカスプライからなる、たとえばラジアルカーカス5をもって上記の各部を補強し、そして、そのラジアルカーカス5の各側部部分6を、ビードコア4の周りで半径方向外方へ巻き返しており、また、ビードコア4に対してラジアルカーカス5の外側部分に、ビード部補強層7を、そのラジアルカーカス5に沿わせて配設している。
ここで、図示のタイヤでは、ラジアルカーカス5のクラウン域の外周側に、トレッド部1の周方向にジグザグ状に延びる波状スチールコード8よりなる、ともに等幅の、二層の主張力負担層9を配設する。
このような主張力負担層9は、波状スチールコード8の複数本を並列配置するとともに、それらを一体的にゴム被覆してなる、主張力負担層9の所要幅と等幅の複合材を、たとえば成型ドラム上で、一回もしくは複数回にわたって渦巻状に巻き回すことによって構成することができる他、少数本の引き揃えコードにゴム被覆を施してなるリボン状ストリップを、ストリップ幅に対応するリードでドラム上に螺旋状に巻回することによって構成することもできる。
このような主張力負担層9は、波状スチールコード8の複数本を並列配置するとともに、それらを一体的にゴム被覆してなる、主張力負担層9の所要幅と等幅の複合材を、たとえば成型ドラム上で、一回もしくは複数回にわたって渦巻状に巻き回すことによって構成することができる他、少数本の引き揃えコードにゴム被覆を施してなるリボン状ストリップを、ストリップ幅に対応するリードでドラム上に螺旋状に巻回することによって構成することもできる。
なおここにおける波状スチールコード8の構造は、たとえば3+9+15×0.19とすることができ、このコード8の振幅および波長はそれぞれ、0.5〜3mmおよび15〜40mmの範囲とすることが好ましく、このようなコード8の配設密度は、9〜12本/20mmとすることが好ましい。
また図示のタイヤでは、このような主張力負担層9の外周側に、直径が0.6mm以下の、樹脂材料もしくは金属材料モノフィラメント10の二軸織物11よりなる三層の補強層12を配設して、これらの補強層12と、二層の主張力負担層9とでベルト13を構成する。
そしてまたここでは、補強層12の最大幅W1をタイヤ最大幅W0の70%以上、より好ましくは80〜90%の範囲とする。
なおこの図では、三層の補強層12のそれぞれを、外層側に向けて漸次狭幅とするとともに、内層側の二層をともに、主張力負担層9のそれより広幅としている。
なおこの図では、三層の補強層12のそれぞれを、外層側に向けて漸次狭幅とするとともに、内層側の二層をともに、主張力負担層9のそれより広幅としている。
このような各補強層12、直接的には二軸織物11のそれぞれのフィラメント10の、タイヤ赤道面EPに対する、展開図内での交角は40〜50°の範囲とすることが好ましく、また、少なくとも一層の補強層12は、10mm以上の幅を有する二軸織物11の、カーカス5のクラウン域に沿う螺旋巻回構造とすることが好ましい。
図3は、このことを他のベルト構造との関連の下に示す図である。
ここに示すベルト3は、ラジアルカーカス5のクラウン域の外周側に、二層の広幅の補強層12を配設するとともに、これらの補強層12の外周側に、それらの補強層12より狭幅で、ともに等しい幅を有する二層の主張力負担層9を配設し、そして、これらのさらに外周側に、上述したいずれの層より狭幅の一層の補強層12を配設することによって構成したものであり、総計三層の補強層12のそれぞれをともに、たとえば、10mmの幅を有する二軸織物11を五層に積層するとともに、それにゴム被覆を施してなるリボン状ストリップ14を、ストリップ幅に対応するリードで、カーカス5のクラウン域に沿って螺旋状に巻回することによって構成したものである。
ここに示すベルト3は、ラジアルカーカス5のクラウン域の外周側に、二層の広幅の補強層12を配設するとともに、これらの補強層12の外周側に、それらの補強層12より狭幅で、ともに等しい幅を有する二層の主張力負担層9を配設し、そして、これらのさらに外周側に、上述したいずれの層より狭幅の一層の補強層12を配設することによって構成したものであり、総計三層の補強層12のそれぞれをともに、たとえば、10mmの幅を有する二軸織物11を五層に積層するとともに、それにゴム被覆を施してなるリボン状ストリップ14を、ストリップ幅に対応するリードで、カーカス5のクラウン域に沿って螺旋状に巻回することによって構成したものである。
なおここで、リボン状ストリップ14は、一層の二軸織物11にゴム被覆を施すこと、または、二軸織物11の、五層以外の複数層の積層体にゴム被覆を施すことによって形成することもできる。
このように構成してなるタイヤによれば、とくには、ベルトを、波状スチールコード8よりなる主張力負担層9と、直径が0.6mm以下のモノフィラメントの二軸織物11よりなる補強層12とで構成し、そして、補強層12の最大幅をタイヤ最大幅の70%以上としたことにより、前述したように、すぐれた操縦安定性、摩耗特性等の高いタイヤ性能を確保しつつ、ベルト側縁からのゴム亀裂の発生を効果的に防止することができる。
サイズが435/45 R22のトラック・バス用の偏平ラジアルタイヤであって、二層の主張力負担層の波状スチールコードの構造をともに3+9+15×0.19とし、それの振幅を3mm、波長を36mmとするとともに、配設密度を10本/20mmとしたところにおいて、補強層の構成を種々に変更した実施例タイヤおよび比較例タイヤのそれぞれにつき、900kPaの空気圧を充填するとともに、56kNの荷重の作用下で、60km/hの速度で、50000kmを完走目標として負荷転動させて、補強層側縁からの亀裂の発生の有無等を調べたところ表1に示す結果を得た。
ここで、実施例1は、図4に示すベルト構造を有するものとし、主張力負担層の内周側および外周側のそれぞれに配設した二層ずつの補強層をともに、直径が0.23mmのナイロンモノフィラメントよりなる、各補強層幅と等幅の全幅二軸織物の一回巻き回しにて構成し、縦糸および横糸の配設密度をともに50本/50mmとするとともに、それらの、タイヤ赤道面に対する平均交角を45°としたものである。
実施例タイヤ2は、図4に示すベルト構造を有するものとし、それぞれの補強層をともに、直径が0.50mmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントよりなる、各補強層幅と等幅の全幅二軸織物の一回巻き回しにて構成し、縦糸および横糸の配設密度をともに30本/50mmとするとともに、それらのタイヤ赤道面に対する平均交角を45°としたものである。
実施例タイヤ3は、図5に示すベルト構造を有するものとし、主張力負担層の外周側に配設した二層の補強層のそれぞれを、黄銅めっきを施した、直径が0.21mmのスチールモノフィラメントよりなる、各補強層と等幅の全幅二軸織物の一回巻き回しにより構成し、縦横のそれぞれの糸の配設密度をともに40本/50mmとするとともに、それらの糸の、タイヤ赤道面に対する平均交角を45°としたものである。
実施例タイヤ4は、黄銅めっきを施した、直径が0.22mmのステンレス鋼モノフィラメントよりなる二軸織物で補強層を構成するとともに、モノフィラメントの配設密度を55本/50mmとした点を除いて実施例タイヤ3と同様の構成としたものである。
実施例タイヤ5は、直径が0.23mmの黄銅モノフィラメントよりなる二軸織物で補強層を構成し、モノフィラメントの配設密度を60本/50mmとした点を除いて実施例タイヤ3と同様の構成としたものである。
実施例タイヤ6は、図4に示すベルト構造のそれぞれの補強層を、10mm幅の二軸織物をカーカスのクラウン域に沿って螺旋巻回することによって構成した点を除いて実施例タイヤ2と同様に構成したものである。
実施例タイヤ7は、図4に示すベルト構造のそれぞれの補強層を、直径が0.40mmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントよりなる5mm幅の二軸織物をカーカスのクラウン域に沿って螺旋巻回することにより構成した点を除いて実施例タイヤ2と同様に構成したものである。
また、比較例タイヤ1は、図4に示すベルト構造において、それぞれの補強層を、直径が0.8mmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントよりなる、各補強層幅と等幅の全幅二軸織物の一回巻き回しにより構成し、縦糸および横糸の配設密度を20本/50mmとするとともに、それらの糸の、タイヤ赤道面に対する平均交角45°としたものである。
そして、比較例タイヤ2は、図5に示すベルト構造において、それぞれの補強層を、黄銅めっきを施した、直径が0.80mmのスチールモノフィラメントよりなる、各補強層と等幅の全幅二軸織物の一回巻き回しにより構成し、縦糸および横糸の配設密度を20本/50mmとするとともに、それらの糸の、タイヤ赤道面に対する平均交角を45°としたものである。
上記表1によれば、実施例タイヤはいずれも、補強層の側縁からの亀裂の発生を有効に防止できるのに対し、比較例タイヤはとくに、モノフィラメントの直径が大きすぎることに起因して、補強層の側部の、ゴムからの早期の剥離が不可避となることが解る。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
8 波状スチールコード
9 主張力負担層
10 モノフィラメント
11 二軸織物
13 ベルト
14 リボン状ストリップ
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
8 波状スチールコード
9 主張力負担層
10 モノフィラメント
11 二軸織物
13 ベルト
14 リボン状ストリップ
Claims (4)
- 一対のビード部間にトロイダルに延びる一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスのクラウン域の外周側に配設されてトレッド部を補強するベルトを、トレッド部の周方向にジグサグに延びる波状スチールコードよりなる一層以上の主張力負担層と、この主張力負担層の内周側および外周側の少なくとも一方に配設した、直径が0.6mm以下のモノフィラメントが相互に直交して延びる二軸織物よりなる一層以上の補強層とで構成するとともに、二軸織物のモノフィラメントの、タイヤ赤道面に対する交角を40〜50°の範囲とし、その補強層の最大幅をタイヤ最大幅の70%以上としてなる空気入りタイヤ。
- 少なくとも一層の補強層を、10mm以上の幅を有する二軸織物の、カーカスのクラウン域に沿う螺旋巻回構造としてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- モノフィラメントを有機材料モノフィラメントとしてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
- モノフィラメントを金属材料モノフィラメントとしてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
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