JP2006297484A - プレス装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】追従対象が停止してもワーク搬送装置を運転することができるとともに、複数の追従対象に対してもワーク搬送装置を追従させることのできるプレス装置の制御方法を提供する。
【解決手段】各プレス2,3のプレス角度を検出するエンコーダ32,33と、ワーク搬送装置10を制御するための信号を発生する発振器34とを備え、上流側のプレス2からのワークの搬出に係る所定のプレス角度範囲ではそのプレス2のエンコーダ32からの信号に基づきそのプレス2に同期させるようにワーク搬送装置10を制御し、前記所定のプレス角度範囲を除く角度範囲では発振器34からの信号に基づきワーク搬送装置10を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数のプレス部を備えるとともに、互いに隣接する各プレス部間にワーク搬送装置を備えるプレス装置の制御方法に関するものである。
従来、複数台のプレスをワーク搬送方向に一列に配置してワークに対して順次加工を行う、所謂タンデムプレスラインにおいて、互いに隣接するプレス間におけるワーク搬送方法としては、ロボット方式またはローダ・アンローダ方式が知られている。ここで、ロボット方式とは、隣接するプレス間に多関節型のハンドリングロボットを設置し、このハンドリングロボットにより前工程のプレスからワークを搬出するとともに、このワークを次工程のプレスに搬入するようにしたものである。これに対してローダ・アンローダ方式とは、プレス本体の上流側側面と下流側側面とにそれぞれリンク構造のローダおよびアンローダをそれぞれ設けるとともに、上流側のアンローダと下流側のローダとの間にシャトル台車を設け、プレス本体に対するワークの搬出および搬入をそれぞれアンローダおよびローダで行い、次工程へのワークの搬送をシャトル台車にて行うようにしたものである。
しかし、これら従来方式においては、上流側および下流側の各プレスのそれぞれの断続的な動きに追従させてワークを搬送する必要があり、しかもワーク搬送時に金型等との干渉が生じないようにする必要があることから、ワークのハンドリング速度を高速化できず、生産速度の向上に限界があるという問題点がある。さらに、ロボット方式の場合には、搬送軌跡をティーチングするのにそのティーチングが困難で、かつ長時間を要するという問題点があり、ローダ・アンローダ方式の場合には、シャトル台車を隣接するプレス間に設置する必要があることから、装置が大掛かりになって大きな設置スペースが必要になるという問題点がある。
これらの問題点を解消するために、本出願人は、ワーク搬送軌跡のティーチングが短時間で容易にでき、しかもワーク搬送速度を高速化できるタンデムプレスラインのワーク搬送方法および搬送装置を先願発明として既に提案している(特願2001−400849号)。この先願発明のワーク搬送装置は、ワーク搬送方向と平行に上下動自在なリフトビームを設けるとともに、このリフトビームの長手方向に沿って移動自在なキャリアおよびサブキャリアを設け、左右一対のサブキャリア間にワーク保持手段を有するクロスバーを設けた構成を備えたものとされている。
ところで、前述のようなタンデムプレスラインとは異なるが、サーボトランスファプレスにおいては、プレスを連続的に運転するとともに、プレス角度をエンコーダ(プレス角度検出手段)により検出し、この検出角度に応じてサーボフィーダ装置の各軸を予め決められたポジションに制御することによって、フィーダ装置をプレスに追従させて高速運転ができるようにされている。
しかしながら、前記先願発明は、タンデムプレスラインにおけるワーク搬送速度の高速化を図るためのワーク搬送装置のハード構成のみについて提案されたものであるために、独立して断続運転される2台のプレス間での中間搬送に際して、各プレスに追従させて効率的にワークを搬送するための制御技術については検討の余地があった。
一方、前記サーボトランスファプレスにおけるサーボフィーダ装置の制御技術は、連続運転されるプレスのプレス角度を検出し、プレス位置に応じてフィーダ装置の進入・退避タイミングを制御するものであるため、この制御技術を断続運転されるタンデムプレスの中間搬送に適用しようとした場合には、追従対象としてのタンデムプレスが停止した際にフィーダ装置も停止してしまうことになり、ワーク搬送速度、言い換えればラインスピードの高速化を実現することができないという問題点がある。また、このサーボトランスファプレスの制御技術は、1台のプレスに対してフィーダ装置を追従運転させることが前提であるために、少なくとも2台のプレスにワーク搬送装置を追従させることが要求されるタンデムプレスラインに対してその制御技術をそのまま適用することができないという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、追従対象が停止してもワーク搬送装置を運転することができるとともに、複数の追従対象に対してもワーク搬送装置を追従させることができ、これによってラインスピードを格段に向上させることのできるプレス装置の制御方法を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明によるプレス装置の制御方法は、
上流側から下流側へ向けて複数のプレス部を備えるとともに、互いに隣接する各プレス部間にワーク搬送装置を備えるプレス装置の制御方法であって、
前記各プレス部のプレス角度を検出するプレス角度検出手段と、前記ワーク搬送装置を制御するための信号を発生する信号発生手段とを備え、
上流側のプレス部からのワークの搬出に際して、そのワークの搬出に係る所定のプレス角度範囲では、同期対象となるその上流側のプレス部のプレス角度検出手段により検出されたプレス角度信号に基づきそのプレス部に同期させるように前記ワーク搬送装置を制御し、
前記所定のプレス角度範囲から脱した後においては、次の同期対象となるプレス部におけるプレス角度検出手段からの信号と前記信号発生手段からの信号との偏差に基づきその偏差を徐々に小さくするように前記ワーク搬送装置を制御する
ことを特徴とするものである。
本発明においては、ワーク搬送装置により上流側のプレス部からのワークの搬出が行われる所定のプレス角度範囲においては、そのプレス部のプレス角度を検出するプレス角度検出手段からの信号に基づきそのプレス部に同期させるようにワーク搬送装置が制御され、一方、前記ワークの搬入開始前もしくは搬出終了後の前記所定のプレス角度範囲を除く角度範囲では、前記ワーク搬送装置を制御するための信号を発生する信号発生手段からの信号に基づきそのワーク搬送装置が制御される。こうして、ワーク搬送装置はその追従対象を切換えながらその動きが制御されるので、ワークの搬出時に追従対象であったプレス部が停止してもワーク搬送装置を運転することができる。また、複数のプレス部にワーク搬送装置を追従させる必要のあるタンデムプレスラインのように、追従対象となるプレス部が複数あってもそれら複数のプレス部に対してワーク搬送装置を容易に追従させることができる。したがって、例えば独立して断続運転される複数のタンデムプレス間のワーク搬送に適用した場合にも、ラインスピードを格段に向上させることができる。また、ワーク搬送装置は、プレス部との同期運転を脱した後においては、プレス角度検出手段とは別個の信号発生手段からの信号に基づき制御されるので、ワークのプレス成型時における振動等の外乱による悪影響を受けることがないという利点もある。
また、前記所定のプレス角度範囲から脱した後においては、次の同期対象となるプレス部におけるプレス角度検出手段からの信号と信号発生手段からの信号との偏差に基づきその偏差を徐々に小さくするようにワーク搬送装置が制御されるので、ワークの受け渡しを行う各プレス部がそれぞれ独立した速度で運転されていたとしても、次の同期対象のプレス部にワークを搬入するまでにおいてワーク搬送装置をそのプレス部の運転速度に徐々に合わせることができ、ワーク搬送装置の動きをよりスムーズに制御することができて効率的なプレス加工を実現することができる。
次に、本発明によるプレス装置の制御方法の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には本発明の一実施形態に係るタンデムプレスラインの正面図が、図2にはその側面図がそれぞれ示されている。また、図3には前記タンデムプレスラインに用いられるワーク搬送装置の正面図が、図4にはそのA−A断面図がそれぞれ示されている。
本実施形態のタンデムプレスライン1は、相互に所定間隔を有して上流側(図の左側)から下流側へ向けて直列に配置される複数台(本実施形態では4台)のプレス2,3,4,5と、最上流側のプレス2の上流側に配される材料搬入装置6と、最下流側のプレス5の下流側に配される製品搬出装置7と、前記材料搬入装置6上のワーク8(図3、図4参照)を第1番目のプレス2の加工ステーションに搬送するワーク搬送装置9と、互いに隣接するプレス2,3,4,5の各加工ステーション間でワーク8の受け渡し(搬出・搬入)を行うワーク搬送装置10,11,12と、第4番目のプレス5の加工ステーションから前記製品搬出装置7上へワーク8を搬送するワーク搬送装置13を備えて構成されている。
前記各プレス2,3,4,5は、本体フレームとしてのアプライト14と、このアプライト14の上方に配されて駆動力伝達機構が内蔵される上部フレーム15と、前記アプライト14に上下動自在に支承され、前記駆動力伝達機構を介して上下動されるスライド16と、このスライド16に対向配置されてベッド17上に設けられるボルスタ18とを備え、スライド16の下端に装着される上金型と、ボルスタ18の上端に装着される下金型とによってワーク8に加工がなされるように構成されている。
次に、前記ワーク搬送装置9〜13の詳細構造等について説明する。なお、これら各ワーク搬送装置9〜13の基本構成は略同様であるので、以下、代表例として、プレス2,3間に配されるワーク搬送装置10の構成等を中心に説明することとする。
図2、図4に示されるように、ワーク搬送装置10は、ワーク搬送方向の左右両側に互いに離間して配される一対のリフトビーム19,19を備えている。このリフトビーム19の上部には、アプライト14に沿うように上方へ向けて延設されるロッド20が取着されている。一方、アプライト14の上部には支持部材21を介してリフト軸サーボモータ22が装着され、このサーボモータ22の出力軸に取り付けられるピニオンが前記ロッド20に刻設されるラックに噛合することで、サーボモータ22の正逆回転によってリフトビーム19が昇降動されるようになっている。ここで、前記リフト軸サーボモータ22は、後述するコントローラ31からの制御信号により予め設定されたフィーダモーションに基づき制御される。
左右の各リフトビーム19には、そのリフトビーム19を下方から抱持するように断面略U字形状のキャリア(メインキャリア)23が配され、このキャリア23がリフトビーム19の長手方向に沿って移動できるようにされている。そして、図4に示されるように、前記リフトビーム19の両外側面とそれに対向するキャリア23の内側面との間には、キャリア23をリフトビーム19に沿って移動させる移動手段としての一対のリニアモータ24が配されている。また、前記リフトビーム19の上部両外側面とそれに対向するキャリア23の内側面との間および、前記リフトビーム19の下面とそれに対向するキャリア23の底面との間にはそれぞれリニアガイド25が配され、これら3点支持のリニアガイド25によってリフトビーム19に対するキャリア23の移動動作が案内されるように構成されている。ここで、前記リニアモータ24は、リフトビーム19の両側面に搬送方向(長手方向)に沿って配されるマグネット24aと、このマグネット24aに対向するキャリア23の内側面に搬送方向(長手方向)に沿って配されるコイル24bとより構成され、このコイル24bを有するアーマチャ(キャリア23)が、マグネット24aを有するステータ(リフトビーム19)上に作られる磁場の変化によって直線的に移動するようにされている。
さらに、前記キャリア23の下部には、所要長さのベースプレート23aがワーク搬送方向に沿うように延設され、このベースプレート23aに沿ってサブキャリア26が移動できるようにされている。このサブキャリア26の移動手段は、前記ベースプレート23aの下面に搬送方向に沿って配されるマグネット27aと、このマグネット27aに対向するサブキャリア26の上面に配されるコイル27bとよりなるリニアモータ27により構成されている。また、前記ベースプレート23aの両側下面とそれに対向するサブキャリア26の上面との間にはそれぞれリニアガイド28が配され、これらリニアガイド28によってキャリア23に対するサブキャリア26の移動動作が案内されるように構成されている。そして、互いに対向する一対のサブキャリア26,26間はクロスバー29により連結され、このクロスバー29の下面に複数個のバキュームカップ30が装着されて、これらバキュームカップ30によってワーク8が吸着されるようになっている。ここで、前記リニアモータ24,27は、後述するコントローラ31からの制御信号により予め設定されたフィーダモーションに基づき制御され、これによって、リフトビーム19に対するキャリア23の搬送方向に沿う移動動作およびキャリア23に対するサブキャリア26の搬送方向に沿う移動動作が制御される。
このように構成されているワーク搬送装置10においては、リフト軸サーボモータ22の駆動によってリフトビーム19を昇降動させることで、キャリア23、サブキャリア26およびクロスバー29を介してバキュームカップ30を昇降動させることができる。また、リニアモータ24の駆動によってキャリア23をリフトビーム19の長手方向に沿って移動させ、リニアモータ27の駆動によってサブキャリア26をキャリア23の移動方向にオフセットさせることで、クロスバー29およびバキュームカップ30をワーク搬送方向に移動させることができる。こうして、上下方向および/または搬送方向の2つの直交する駆動軸位置を制御することにより、バキュームカップ30の移動軌跡、言い換えればワーク8の搬送軌跡を制御することができる。
各ワーク搬送装置の昇降(リフト−ダウン)動作および搬送(アドバンス−リターン)動作は、そのワーク搬送装置により搬送されるワーク8と金型等との干渉を避けるために、図5、図6に示されるように、予めコントローラ31において設定されるストロークとタイミング、すなわちフィーダモーションに基づき前記リフト軸サーボモータ22およびリニアモータ24,27が制御されることによりなされる。本実施形態において、前記フィーダモーションは、フィード軸方向(搬送方向)およびリフト軸方向(上下方向)の二次元モーションとされており、図6に示されるような各軸(フィード軸およびリフト軸)毎に設定されたプレス角度に対する軸位置指令値に基づき決定される。本実施形態のフィーダモーションによれば、ワーク8は吸着点Pにて上流側のプレス2の加工ステーションの下型内より吸着されてリフト(L)軸方向に持ち上げられた後、下流側のプレス3の加工ステーションの下型上までフィード(F)軸方向に搬送され、この下型内に入れるためにリフト軸方向に下げられて解放点Qにてワークの吸着が解放される。次に、ワーク搬送装置10は、上流側プレス2の加工ステーションに戻るために一旦上方へ持ち上げられてリターン方向に移動された後、やや下降位置にある待機点Rを通って再度上昇および下降されて吸着点Pに戻され、1サイクルが終了する。
上流側のプレス2および下流側のプレス3にはそれぞれエンコーダ(プレス角度検出器)32,33が設けられ、これらエンコーダ32,33により各プレス2,3のプレス角度(クランク角)が検出され、この検出値がコントローラ31に入力されるようになっている。具体的には、前記エンコーダ32,33は、クランク角の角速度に対応した数のパルス信号を検出し、この検出されたパルス信号の数がコントローラ31内のアップダウンカウンタに加えられることにより、このアップダウンカウンタにより前記クランク角に対応するパルス信号数が計数される。なお、前記アップダウンカウンタは、クランク軸が1回転する毎にその計数値が元の値になるように設定されている。
また、前記コントローラ31には、発振器(信号発生手段)34から所定周期の基準パルス信号が入力され、この入力パルス信号がコントローラ31内のアップダウンカウンタに加えられることにより、そのパルス信号数が計数されるようになっている。この発振器34は、上流側および下流側の各プレス2,3に配されるエンコーダ32,33と同様、ワーク搬送装置10の昇降動作および搬送動作を制御するためのコントローラ31への入力信号を発信する機能を有するものであることから、仮想プレス角度検出器(もしくは仮想カム)と称することができる。なお、この発振器34の基準パルス信号の周期は適宜変更することが可能である。
前記コントローラ31は、前記エンコーダ32,33および発振器34からの入力情報に基づき所要の演算を実行し、その演算結果に基づき各サーボアンプ(サーボドライバ)35,36,37,38に指令値を出力し、これによってワーク搬送装置10の各リフト軸サーボモータ22およびリニアモータ24,27を制御する。また、前記リフト軸サーボモータ22およびリニアモータ24,27にはそれらモータの速度を検出する速度センサ(図示せず)が付設され、これら速度センサにより検出される速度信号がコントローラ31に入力されることにより各サーボアンプ35〜38に速度フィードバックがかけられるようになっている。
次に、本実施形態におけるワーク搬送装置10(ワーク搬送装置9,11,12,13についても同様)の制御態様について説明する。
まず、上流側のプレス2からのワーク8の搬出に際して、このプレス2のスライド16が下死点を過ぎて上昇工程に入る所定のプレス角度範囲a〜b(図6参照)においては、このプレス2に付設されたエンコーダ32からの信号に基づき、コントローラ31より各サーボアンプ35〜38に制御信号が出力され、ワーク搬送装置10はプレス2の動きに同期(追従)するように、リフトビーム19の昇降動作と、キャリア23およびサブキャリア26のフィード方向への移動動作とによって、バキュームカップ30をその加工ステーションの下型内へ移動させてワーク8を保持した後、その下型内からワーク8を搬出する動作を実行する(上流側プレスとの同期区間)。
次いで、この同期区間が終了した後、言い換えれば前記所定のプレス角度範囲a〜bを脱した後であって、次の下流側のプレス3との同期区間の開始点cに至るまでの区間b〜c(自走区間)においては、前記発振器34からの信号に基づき、コントローラ31より各サーボアンプ35〜38に制御信号が出力される。より詳細には、前記自走区間は、下流側のプレス3との同期駆動に入る前の準備区間とされ、この下流側のプレス3に付設されたエンコーダ33からの信号と、前記発振器34からの信号との偏差に基づき、その偏差を徐々に小さくするように各サーボアンプ35〜38が制御される。こうして、上流側および下流側の各プレス2,3がそれぞれ独立した速度で運転されていたとしても、ワーク搬送装置10の運転速度を前記準備区間において次のプレス3の運転速度に徐々に合わせることができるので、ワーク搬送装置の動きをよりスムーズに制御することができ、かつラインスピードを向上させることができる。また、上流および下流の各プレス2,3がそれぞれ位相差を有して運転されたとしても前記準備区間においてワーク搬送装置の動きを調整することで対応可能である。
この後、前記自走区間の終了後のプレス角度範囲c〜dにおいては、今度は下流側のプレス3に付設されたエンコーダ33からの信号に基づき、コントローラ31より各サーボアンプ35〜38に制御信号が出力され、ワーク搬送装置10はプレス3の動きに同期(追従)するように、リフトビーム19の昇降動作と、キャリア23およびサブキャリア26のフィード方向への移動動作とによって、バキュームカップ30はその加工ステーションの下型内へワーク8を搬入する(下流側プレスとの同期区間)。
なお、ワーク8を下流側のプレス3の下型内へ搬入した後のリターン工程についても、前述のフィード方向へのワーク8の搬送と略同様にして、下流側プレス3との同期区間の後、自走区間(待機点Rを含む)を経て、上流側プレス2との同期区間に入るという制御が実行される。
以上のように、本実施形態によれば、プレス2,3に対するワークの搬入・搬出時(同期区間)においてはその搬入・搬出対象となるプレス2,3に付設されたエンコーダ32,33からのプレス角度信号に基づきその対象となるプレス2,3におけるスライド16の動きに同期させるようにワーク搬送装置10が制御され、一方、前記ワークの搬入・搬出動作が終了した後の自走区間においては、発振器(仮想プレス角度検出器)34からの信号に基づきそのワーク搬送装置10が制御されるように構成されているので、上流側プレス2および下流側プレス3がそれぞれ独立して断続運転している場合であっても、ワークの搬入・搬出時に追従対象であったプレス2,3が停止してもワーク搬送装置10を支障なく運転することができる。したがって、タンデムプレスライン1のラインスピードを格段に向上させることができるという優れた効果を奏する。また、ワーク8のプレス成型時における振動等の外乱による悪影響を受けることがないという利点もある。
本実施形態においては、タンデムプレスラインに適用した例について説明したが、本発明の技術思想は、2台のプレス間でワークを中間搬送する形態のワーク搬送装置であれば、このタンデムプレスラインに限らず、他の種々のシステムに対しても適用することができる。また、ワーク搬送装置についても、例えば従来のようなロボット方式や、ローダ・アンローダ方式を用いるものに対しても適用することができる。
本発明の一実施形態に係るタンデムプレスラインの正面図 図1の側面図 タンデムプレスラインに用いられるワーク搬送装置の正面図 図3のA−A断面図 本実施形態の制御システム構成図 フィーダモーションを示す図
符号の説明
1 タンデムプレスライン
2,3,4,5 プレス
8 ワーク
9,10,11,12,13 ワーク搬送装置
16 スライド
18 ボルスタ
19 リフトビーム
22 リフト軸サーボモータ
23 キャリア
24,27 リニアモータ
26 サブキャリア
29 クロスバー
31 コントローラ
32,33 エンコーダ(プレス角度検出手段)
34 発振器(信号発生手段)

Claims (1)

  1. 上流側から下流側へ向けて複数のプレス部を備えるとともに、互いに隣接する各プレス部間にワーク搬送装置を備えるプレス装置の制御方法であって、
    前記各プレス部のプレス角度を検出するプレス角度検出手段と、前記ワーク搬送装置を制御するための信号を発生する信号発生手段とを備え、
    上流側のプレス部からのワークの搬出に際して、そのワークの搬出に係る所定のプレス角度範囲では、同期対象となるその上流側のプレス部のプレス角度検出手段により検出されたプレス角度信号に基づきそのプレス部に同期させるように前記ワーク搬送装置を制御し、
    前記所定のプレス角度範囲から脱した後においては、次の同期対象となるプレス部におけるプレス角度検出手段からの信号と前記信号発生手段からの信号との偏差に基づきその偏差を徐々に小さくするように前記ワーク搬送装置を制御する
    ことを特徴とするプレス装置の制御方法。
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