JP2006297294A - エポキシ樹脂を使用した塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
平滑な表面を有し、スケール付着が少なく、スケールが付着したとしても容易に剥離可能であり、耐食性に優れ、施工に際しては、刷毛塗り、スプレー塗布が可能であり、施工コストに低い塗布方法を開発することである。
【解決手段】
ビスフェノールA型エポキシ化合物と、芳香族ポリアミン型アミン化合物と、フェノール化合物とを必須成分とする二液型エポキシ塗料を、塗布厚200〜600ミクロンの厚みに塗布することを特徴とする塗布方法であり、更に、必要に応じ、シリカが追加されていることを特徴とする塗布方法。そして、塗布の対象が、釜、管の内面や攪拌機の羽及び羽に連なる棒であることを特徴とする塗布方法である。
【選択図】 図4
平滑な表面を有し、スケール付着が少なく、スケールが付着したとしても容易に剥離可能であり、耐食性に優れ、施工に際しては、刷毛塗り、スプレー塗布が可能であり、施工コストに低い塗布方法を開発することである。
【解決手段】
ビスフェノールA型エポキシ化合物と、芳香族ポリアミン型アミン化合物と、フェノール化合物とを必須成分とする二液型エポキシ塗料を、塗布厚200〜600ミクロンの厚みに塗布することを特徴とする塗布方法であり、更に、必要に応じ、シリカが追加されていることを特徴とする塗布方法。そして、塗布の対象が、釜、管の内面や攪拌機の羽及び羽に連なる棒であることを特徴とする塗布方法である。
【選択図】 図4
Description
本発明は、エポキシ樹脂を使用した塗装方法に関し、特にスケールなどの付着を抑制し・剥離性向上を目的としたエポキシ樹脂を使用した塗装方法に関するものである。
発電所、化学プラントに使用される配管、反応釜等の内面は、耐薬品性の向上、スケール付着防止、付着したスケールの剥離性向上が要求されている。従来この目的のため、ポリエチレンライニング、天然ゴムライニング、ブチルゴムライニングが行われている。また目的によっては、ガラスライニング、ガラス強化プラスチックラインング、弗素系高分子ライニングが行われているが、施工性が悪く、またコストが高い欠点がある。このため、耐薬品性にすぐれ、小規模の塗装にも適応性のあるエポキシ樹脂塗装に着目した。
管の補修用エポキシ樹脂塗料としては、
エポキシド基体樹脂と、ポリアミド系硬化剤と、繊維素系顔料及びシリカ顔料と、必要に応じ溶剤を添加した組成物が開示されている(特許文献1)。しかし、塗装における溶液安定性などの改良や、繊維素系顔料の添加などに改良の余地を残している。
また、鋳鉄管へのエポキシ粉体塗料の塗装方法に関する技術が開示されている(特許文献2)。しかし、粉体塗装は、硬化温度が高く、小規模塗装には適正を有さない。
エポキシド基体樹脂と、ポリアミド系硬化剤と、繊維素系顔料及びシリカ顔料と、必要に応じ溶剤を添加した組成物が開示されている(特許文献1)。しかし、塗装における溶液安定性などの改良や、繊維素系顔料の添加などに改良の余地を残している。
また、鋳鉄管へのエポキシ粉体塗料の塗装方法に関する技術が開示されている(特許文献2)。しかし、粉体塗装は、硬化温度が高く、小規模塗装には適正を有さない。
管や釜の内面は、使用に伴い、内部にスケールが付着しやすい。このため、ガラスで覆ったり、ポリエチレン、天然ゴム、ブチルゴムで覆ったり、フッ素系樹脂で覆うことも行われているが、作業性が劣ったり、性能が不充分であったり、経済性が劣ったり、スケールの剥離性が劣ったりするなどの欠点がある。
そこで本発明の目的は、
平滑な表面を有し、スケール付着が少なく、スケールが付着したとしても容易に剥離可能であり、耐食性に優れ、施工に際しては、刷毛塗り、スプレー塗布が可能であり、施工コストに低い塗布方法を開発することである。
そこで本発明の目的は、
平滑な表面を有し、スケール付着が少なく、スケールが付着したとしても容易に剥離可能であり、耐食性に優れ、施工に際しては、刷毛塗り、スプレー塗布が可能であり、施工コストに低い塗布方法を開発することである。
すなわち本発明は、
(1) ビスフェノールA型エポキシ化合物と、芳香族ポリアミン型アミン化合物と、フェノール類とを必須成分とする二液型エポキシ塗料を、混合一体化した後、1回当たりの塗布厚200〜600ミクロンの厚みに塗布することを特徴とする塗布方法、
(2) (1)の塗布方法において、二液型エポキシ塗料に、更に、シリカが追加されていることを特徴とする、
(3) (1)、(2)の塗布方法において、1回当たりの塗布厚300〜400ミクロンの厚みに塗布することを特徴とする、
(4) (1)〜(3)の塗布方法において、フェノール類の添加量が、全重量の1.0〜10.0重量%であることを特徴とする、
(5) (1)〜(4)の塗布方法において、塗布の対象が、釜、管の内面であることを特徴とする、
(6) (1)〜(4)の塗布方法において、塗布の対象が攪拌機の羽及び羽に連なる棒であることを特徴とする塗布方法
である。
(1) ビスフェノールA型エポキシ化合物と、芳香族ポリアミン型アミン化合物と、フェノール類とを必須成分とする二液型エポキシ塗料を、混合一体化した後、1回当たりの塗布厚200〜600ミクロンの厚みに塗布することを特徴とする塗布方法、
(2) (1)の塗布方法において、二液型エポキシ塗料に、更に、シリカが追加されていることを特徴とする、
(3) (1)、(2)の塗布方法において、1回当たりの塗布厚300〜400ミクロンの厚みに塗布することを特徴とする、
(4) (1)〜(3)の塗布方法において、フェノール類の添加量が、全重量の1.0〜10.0重量%であることを特徴とする、
(5) (1)〜(4)の塗布方法において、塗布の対象が、釜、管の内面であることを特徴とする、
(6) (1)〜(4)の塗布方法において、塗布の対象が攪拌機の羽及び羽に連なる棒であることを特徴とする塗布方法
である。
本発明においては、芳香族ポリアミン型アミン化合物を使用している。このため、ポリアミド硬化剤、具体的には脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンいずれでも使用可能であるとした特開2001−172557号公報の方法とは異なっている。すなわち、芳香族ポリアミンは、脂肪属ポリアミンより反応性が低く、塗布の際の安定性が優れているのである。しかし、水酸基を有するグリコール類よりは反応性が大きく、加温するか、長時間放置により硬化し、しかも適度な架橋により優れた膜が形成されるのである。
更に本発明においては、一回当たりの塗布厚みを200〜600ミクロン好ましくは300〜400ミクロンに限定している。600ミクロンより厚くなると、塗布膜の厚みが不均一になりやすく、また、硬化時における塗料の落下やダレが大き過ぎるからである。一方、200ミクロンより少ないと塗布膜の耐久性が不満足であったり、余りにも多くの回数の繰り返し塗布を必要としたりするからである。
なお、通常、一回の塗布では、充分な塗布厚みを得ることが困難である場合は、塗布が繰り返し行われる。
なお、通常、一回の塗布では、充分な塗布厚みを得ることが困難である場合は、塗布が繰り返し行われる。
特開2001−172557号公報の方法においては、配管の摩耗性向上のため、
繊維素顔料例えば、ウイスカーの使用が必須となっている。しかしながら、本願においては、スケール付着防止など、表面特性の改良であるため、ウイスカーの使用は必須となっていない。なお、本願においては、エポキシ樹脂の使用量を節約するなどのため、シリカ粉末を添加することができる。
繊維素顔料例えば、ウイスカーの使用が必須となっている。しかしながら、本願においては、スケール付着防止など、表面特性の改良であるため、ウイスカーの使用は必須となっていない。なお、本願においては、エポキシ樹脂の使用量を節約するなどのため、シリカ粉末を添加することができる。
本発明において使用されるエポキシ化合物としては、ビスフェノールAを原料に使用したエポキシ化合物をあげることができ、具体的には、ビスフェノールA1モルに対し、2.0〜1.0モル、好ましくは1.1〜1.8モルのクロロエポキシプロパンを反応させたエポキシ化合物が使用される。
本発明において使用される芳香族アミン化合物としては、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルケトン、ナフタレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノトルエンなどをあげることができる。
本発明においては、フェノール化合物が必須成分として使用される。ここに使用されるフェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ノボラック樹脂、ビスフェノールA等をあげることができる。そして、これらフェノール類の添加量は、全重量の1.0〜10.0重量%が好ましい。
10.0重量%より多くなると硬化が困難であり、1.0重量%より少ないと、粘度調整が困難となるためである。
10.0重量%より多くなると硬化が困難であり、1.0重量%より少ないと、粘度調整が困難となるためである。
本発明においては、着色、塗布液の粘性改良や、エポキシ樹脂の使用量を減少させるため、顔料やシリカなどの添加剤を加えることができる。顔料としては、従来公知の有機顔料、無機顔料を使用できる。またシリカとしては従来公知のシリカを使用することができる。これら添加剤の使用量は、エポキシ化合物とアミン化合物の合量に対し20.0重量%以下である。
ビスフェノールA型エポキシ化合物と、芳香族ポリアミン型アミン化合物とを必須成分とする二液型エポキシ塗料を、混合一体化し、要すればフェノール化合物を添加し、要すれば顔料などの添加剤を加え、塗料とする。
エポキシ樹脂の塗装方法としては、従来公知の、刷毛塗り、スプレーガンを使用する方法等公知の方法で行うことができる。
塗布したのち、常温、乾燥雰囲気に10時間以上おき、エポキシ化合物と芳香族アミンとの反応を完結する。加熱すると硬化を促進することもできるが、塗膜のダレの問題があり好ましくない。
エポキシ樹脂の塗装方法としては、従来公知の、刷毛塗り、スプレーガンを使用する方法等公知の方法で行うことができる。
塗布したのち、常温、乾燥雰囲気に10時間以上おき、エポキシ化合物と芳香族アミンとの反応を完結する。加熱すると硬化を促進することもできるが、塗膜のダレの問題があり好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂を利用した内面塗装は、優れた耐薬品性、耐熱性を示すので、広く、配管の内面塗装、攪拌機の羽部の塗装に広く応用できる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂10.0部に、硬化剤として、変性芳香族ポリアミン2.0部(エポキシ基1.0モルに対し、アミノ基0.5モル)、ノニルフェノール0.10部を加える。塗装はスプレーガンで行われ、標準膜厚は、300ミクロン(1層)とした。
硬化として、30℃、48時間で行われた。得られた製品の物性を表1、表2に示す。
優れた耐薬品性を示すことが認められた。即ち、塩酸、硫酸、アンモニアなどの酸アルカリや、メタノール、潤滑油などの薬品、海水などに優れた耐薬品性を示す。
図1は、配管の内部に本発明のエポキシ樹脂塗装を行った結果であり、図2は、塗布前の攪拌機(羽部)であり、図3は、塗布後の撹拌機(羽部)であり、図4は、剥離処理を行った撹拌機(羽部)である。剥離している部分は、本発明によるエポキシ樹脂塗装部であり、剥離していない部分は、本発明によるエポキシ樹脂非塗装部である。本発明のエポキシ樹脂を利用した内面塗布部は、エポキシ樹脂非塗装部に比較して、スケールが剥離しやすくなっていることが認められた。
硬化として、30℃、48時間で行われた。得られた製品の物性を表1、表2に示す。
優れた耐薬品性を示すことが認められた。即ち、塩酸、硫酸、アンモニアなどの酸アルカリや、メタノール、潤滑油などの薬品、海水などに優れた耐薬品性を示す。
本発明によれば、配管、攪拌機の羽等の塗装に有用である。このため
(1)
長期間運転してもスケールが付着し難い。このため保守点検期間を長くすることが可能である。
(2)
長期間運転してスケールが付着したとしても、容易に除去することが可能であり、保守に要する時間を短縮することができる。
(3)
海水に対する優れた耐久性を有するので、海水を使用する配管に対しても適用できる
(4)
塗布方法も、従来広く行われている、刷毛塗り、スプレーガン塗装が可能であるため、小規模な補修にも適用できる。
(5) 設備も簡単で比較的少人数で施工可能である。
(1)
長期間運転してもスケールが付着し難い。このため保守点検期間を長くすることが可能である。
(2)
長期間運転してスケールが付着したとしても、容易に除去することが可能であり、保守に要する時間を短縮することができる。
(3)
海水に対する優れた耐久性を有するので、海水を使用する配管に対しても適用できる
(4)
塗布方法も、従来広く行われている、刷毛塗り、スプレーガン塗装が可能であるため、小規模な補修にも適用できる。
(5) 設備も簡単で比較的少人数で施工可能である。
Claims (6)
- ビスフェノールA型エポキシ化合物と、芳香族ポリアミン型アミン化合物と、フェノール類とを必須成分とする二液型エポキシ塗料を、混合一体化した後、1回当たりの塗布厚200〜600ミクロンの厚みに塗布することを特徴とする塗布方法。
- 請求項1の塗布方法において、二液型エポキシ塗料に、更に、シリカが追加されていることを特徴とする塗布方法。
- 請求項1、請求項2の塗布方法において、1回当たりの塗布厚300〜400ミクロンの厚みに塗布することを特徴とする塗布方法。
- 請求項1〜3の塗布方法において、フェノール類の添加量が、全重量の1.0〜10.0重量%であることを特徴とする塗布方法。
- 請求項1〜4の塗布方法において、塗布の対象が、釜、管の内面であることを特徴とする塗布方法。
- 請求項1〜4の塗布方法において、塗布の対象が攪拌機の羽及び羽に連なる棒であることを特徴とする塗布方法。
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---|---|---|---|
JP2005123400A JP2006297294A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | エポキシ樹脂を使用した塗装方法 |
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JP2005123400A JP2006297294A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | エポキシ樹脂を使用した塗装方法 |
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JP2005123400A Pending JP2006297294A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | エポキシ樹脂を使用した塗装方法 |
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010016117A1 (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-11 | 電気化学工業株式会社 | ハロゲン化水素、水素およびハロゲン化ケイ素を含む混合ガスから水素ガスを生産する方法、その水素ガスを用いたケイ素化合物の生産方法、およびその方法のためのプラント |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02108533A (ja) * | 1988-10-19 | 1990-04-20 | Nitto Denko Corp | 防食施工法 |
JP2001115078A (ja) * | 1999-08-12 | 2001-04-24 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 塗料改質剤及び重防食塗料組成物 |
-
2005
- 2005-04-21 JP JP2005123400A patent/JP2006297294A/ja active Pending
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WO2010016117A1 (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-11 | 電気化学工業株式会社 | ハロゲン化水素、水素およびハロゲン化ケイ素を含む混合ガスから水素ガスを生産する方法、その水素ガスを用いたケイ素化合物の生産方法、およびその方法のためのプラント |
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