JP2006294726A - 物品を固定する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
物品加工時には物品を固定板に確実に固定し、かつ加工終了時には負荷をかけずに加工した物品を固定板から剥離する物品の固定方法を提供する。
【解決手段】
熱可塑性樹脂および充填剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを用い延伸工程を経て得られる多孔質フィルムを介して、真空吸引可能な固定板上に物品を固定する方法であって、該多孔質フィルムが、空隙率50〜90%、通気度0.1〜100秒、平均孔径0.01〜5μmである多孔質フィルムであり、前記固定板から真空吸引することにより固定板上に物品を固定する方法。
【選択図】 なし
物品加工時には物品を固定板に確実に固定し、かつ加工終了時には負荷をかけずに加工した物品を固定板から剥離する物品の固定方法を提供する。
【解決手段】
熱可塑性樹脂および充填剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを用い延伸工程を経て得られる多孔質フィルムを介して、真空吸引可能な固定板上に物品を固定する方法であって、該多孔質フィルムが、空隙率50〜90%、通気度0.1〜100秒、平均孔径0.01〜5μmである多孔質フィルムであり、前記固定板から真空吸引することにより固定板上に物品を固定する方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、物品を固定する方法に関する。
液晶ディスプレイに用いられるガラス基盤の切削加工や、ICチップ製造加工等の物品を加工する際には、割れや欠けなどの破損を生じないようにするため、加工時には物品を固定板に確実に固定し、かつ加工終了時には負荷をかけずに固定板から剥離する必要がある。例えばICチップは、IC回路が形成された半導体ウエハをダイシングして得られるが、近年ICチップの大型化に伴い、半導体ウエハ自体も大口径のものが求められている。またICカード等での薄い製品への使用や、ICチップを薄くして多層化し高密度化する手法に対応するため、薄い半導体ウエハの需要が増大しつつある。しかしながら大口径、あるいは薄い半導体ウエハは強度が低下してしまうため、製造工程において割れや欠けといったトラブルが発生し易くなっている。
前記のようなトラブルが発生し易い工程として、ダイシング工程が挙げられる。ダイシング工程とは、IC回路を形成した半導体ウエハを個々のICチップに分割する工程である。この工程では塩化ビニルやポリエステル等のベースシートに粘着剤が塗布されたダイシングシート上に半導体ウエハを固定し、ダイシングソウにより切断した後、各ICチップをコレットと呼ばれる吸引治具によりピックアップし次工程へ搬送する。ダイシングシートには、切断時にはダイシングソウによる回転で各ICチップが飛散しないように十分な粘着力が必要である一方、ピックアップ時には各ICチップに負荷がかからない程度の低い粘着力であるといった相反する性能が求められる。
このような性能を満たすものとして、UVタイプと呼ばれるダイシングシートが知られている。UVタイプのダイシングシートとは、切断時には高粘着力であるが、ピックアップする前に紫外線(UV)を照射することで粘着力をUV照射前の数分の一から十分の一以下に低下させることができるダイシングシートである。しかしながらUV照射による粘着力低下にバラツキがあるという問題や、UV照射後も数g程度の粘着力は残るため、ピックアップ時に下からピンで突上げる必要があり、突上げピンによるICチップのダメージは皆無ではなかった。近年ではICチップの大型化、薄型化が進んでおり、突上げピンによるダメージが一層問題となっている。
切断時には半導体ウエハおよびICチップを固定し、ピックアップ時にはICチップにできるだけ負荷がかからないようにする他の方法として、特許文献1には、半導体ウエハおよびICチップを減圧により固定して分割するダイシング工程において、減圧可能なダイシングテーブルと半導体ウエハとの間に、焼結法で形成された多孔質フィルムに剥離力が50gf以下となる粘着層を設けた高分子多孔質膜を介在させる方法が開示されている。しかしながら焼結法で形成された多孔質フィルムは、強度が弱く物品加工時に破損することがあった。また、製造コストがかかるという問題もあった。
本発明は、物品加工時には物品を固定板に確実に固定し、かつ加工終了時には負荷をかけずに加工した物品を固定板から剥離する物品の固定方法を提供するものである。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂および充填剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを用い延伸工程を経て得られる多孔質フィルムを介して、真空吸引可能な固定板上に物品を固定する方法であって、該多孔質フィルムが、空隙率50〜90%、通気度0.1〜100秒、平均孔径0.01〜5μmである多孔質フィルムであり、前記固定板から真空吸引することにより固定板上に物品を固定する方法である。
本発明の方法によれば、物品加工時には物品を固定板に確実に固定し、かつ加工終了時には負荷をかけずに加工した物品を固定板から剥離することができるため、加工時に物品に割れや欠けが生じることを抑えることができ、生産歩留りを向上させることが可能である。また本発明の方法は、安価な方法であるため、コストの低減が可能となる。とりわけ本発明の方法は、加工時に破損しやすいガラス基盤の切削加工や、ICチップ製造加工において有効である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。本発明では、真空吸引可能な固定板と物品との間に、多孔質フィルムを介在させる。本発明で用いられる多孔質フィルムとは、熱可塑性樹脂および充填剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを用い延伸工程を経て得られる多孔質フィルムであり、空隙率50〜90%、通気度0.1〜100秒、平均孔径0.01〜5μmである多孔質フィルムである。
前記熱可塑性樹脂としては公知の樹脂を用いることができ、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンの単独重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体、1種類以上のオレフィンと該オレフィンと重合可能な1種類以上の重合性モノマーとの共重合体、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等のスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、各種熱可塑性エラストマーやこれらの架橋物等が挙げられる。またこれらの熱可塑性樹脂を2種類以上用いてもよい。
フィルム強度と加工性の点から、熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。フィルム強度の観点から、ポリオレフィン系樹脂が分子鎖長2850nm以上の樹脂を含むことが好ましい。分子鎖長2850nm以上の樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂の分子鎖長とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の分子鎖長であり、具体的には以下の手順で求められる値である。GPC測定の移動相には、測定するポリオレフィン系樹脂および分子量既知の標準ポリスチレンのいずれも溶解することができる溶媒を用いればよく、通常オルトジクロロベンゼンが使用される。測定温度は、測定する樹脂が溶媒に溶解する温度であればよいが、通常140℃で測定を行なう。
まず、分子量が異なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンのQファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそれに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にある。
分子量=分子鎖長×Qファクター
次に標準ポリスチレンの測定条件と同じ条件で、分子鎖長を求めるポリオレフィン系樹脂のGPC測定を行い、保持時間−溶出成分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、ポリオレフィン系樹脂のGPC測定結果において保持時間Tであった成分の分子鎖長を、ポリスチレン換算の分子鎖長Lとする。この関係を用いて、ポリオレフィン系樹脂の保持時間−溶出成分量曲線を、ポリオレフィン系樹脂のポリスチレン換算の分子鎖長−溶出成分量曲線に変換することができ、これにより当該ポリオレフィン系樹脂のポリスチレン換算の分子鎖長分布が明らかになる。
分子量=分子鎖長×Qファクター
次に標準ポリスチレンの測定条件と同じ条件で、分子鎖長を求めるポリオレフィン系樹脂のGPC測定を行い、保持時間−溶出成分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、ポリオレフィン系樹脂のGPC測定結果において保持時間Tであった成分の分子鎖長を、ポリスチレン換算の分子鎖長Lとする。この関係を用いて、ポリオレフィン系樹脂の保持時間−溶出成分量曲線を、ポリオレフィン系樹脂のポリスチレン換算の分子鎖長−溶出成分量曲線に変換することができ、これにより当該ポリオレフィン系樹脂のポリスチレン換算の分子鎖長分布が明らかになる。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂中の分子鎖長が2850nm以上の樹脂量は、上記の方法で求めた分子鎖長−溶出成分量曲線を全範囲について積分した値に対する、分子鎖長2850nm以上に該当する範囲について積分した値の割合として求めることができる。
熱可塑性樹脂組成物に含まれる充填剤は、無機充填剤でも有機充填剤でもよい。充填剤は1種類または2種類以上の充填剤を使用してもよく、無機充填剤と有機充填剤とを混合して使用してもよい。使用される無機充填剤の例としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪酸、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、ガラス粉、酸化亜鉛などが挙げられる。
有機充填剤としては、種々の樹脂粒子を使用することができ、例としてスチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の重合体、メラミン、尿素などの重縮合樹脂などの粒子が挙げられる。本発明において、多孔質フィルムとして、熱可塑性樹脂組成物を成形したシートから充填剤を除去したフィルムを用いる場合には、充填剤として炭酸カルシウムまたは珪酸を使用することが好ましい。使用する充填剤の平均粒子径は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは0.05〜3μmであり、特に好ましくは0.1〜0.2μmである。
本発明では、熱可塑性樹脂および充填剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを用い延伸工程を経て得られる多孔質フィルムを用いる。多孔質フィルムを製造するための熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部と、前記熱可塑性樹脂100重量部に対し充填剤を100〜400重量部含有する組成物であることが好ましい。また多孔質フィルムを製造するために用いられる熱可塑性樹脂組成物は、前記した熱可塑性樹脂や充填剤以外に、本発明の効果が著しく損われない限り脂肪酸エステルや低分子量ポリオレフィン樹脂等の延伸助剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、非イオン性界面活性剤等の添加剤を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂と充填剤、および必要に応じて非イオン性界面活性剤などの所望の添加剤を、混合装置、例えばロール、バンバリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機などを用いて混合することにより製造することができる。
熱可塑性樹脂が分子鎖長2850nm以上の樹脂を含むポリオレフィン系樹脂である場合には、例えば以下のような方法により熱可塑性樹脂組成物を調整することができる。分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィン[A]と、重量平均分子量700〜6000のポリオレフィンワックス[B]とを、[A]/[B]=90/10〜50/50の重量比にて配合し、更に所定量の充填剤を添加し、混合物を得る。強混練が可能なように少なくともフルフライトスクリューとニーディングブロックの二種類のセグメントを組み合わせて構成したスクリューをバレル中に備えた混練装置を用いて前記混合物を混練することにより、熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。混練装置としては、スクリューの全長をL(mm)、バレルの内径をD(mm)、フルフライトスクリューの合計長さをLf(mm)、ニーディングブロックの合計長さをLn(mm)としたときに、L/Dが30以上、Lf/Dが3以上、かつ、Ln/Dが5以上である混練装置を使用することが好ましい。更には、フルフライトスクリューのフライト角をα(度)、フルフライトスクリューのスクリュー溝の深さをM(mm)としたときに、αが35以上60以下であり、M/Dの値が0.15以上、0.25以下である装置を使用することが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物を用いてフィルムを製造する方法も特に限定されるものではなく、インフレーション加工やTダイ加工等の押出成形やカレンダー成形によって充填剤を含む熱可塑性樹脂フィルムを製造することができる。熱可塑性樹脂組成物が、分子鎖長2850nm以上の樹脂を含むポリオレフィン系樹脂と充填剤を含む組成物である場合には、圧延ロールやカレンダーロールを用いる方法や、スカイフ法(切削)などによってフィルム成形することができる。略同周速度で回転する一対の圧延ロールを有する圧延ロール装置を用いる方法によりフィルム成形することが、得られるフィルムの表面平滑性や膜厚精度の観点から好ましい。
次に前記したような方法により得られる熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを延伸し、充填剤と樹脂との界面に空孔を形成させることにより、本発明で用いる多孔質フィルムを得ることができる。延伸はロール延伸機やテンター延伸機等により一軸方向または二軸方向に行なわれる。延伸温度は熱可塑性樹脂の融点あるいは軟化点以下の温度が好ましい。例えば、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合には、そのポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度で延伸することが好ましく、特に50〜150℃の範囲が好ましい。延伸倍率は2〜10倍が好ましく、より好ましくは3〜8倍である。延伸倍率を前記範囲とすることにより、均一な径の空孔を有し、厚さが均一な多孔質フィルムを得ることができる。このような方法で得られる多孔質フィルムは、安価に製造することができ、また強度に優れるものである。
また本発明で用いる多孔質フィルムは、熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムから充填剤を除去した後、延伸して得られる多孔質フィルムであってもよく、熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを延伸した後、充填剤を除去して得られる多孔質フィルムであってもよい。製造が容易であることから、充填剤を除去した後、延伸して得られる多孔質フィルムを用いることが好ましい。このような多孔質フィルムの製造方法は安価であり、かつ得られる多孔質フィルムは強度に優れるものである。
本発明で用いる多孔質フィルムは、電子線、あるいは放射線の照射により部分的に架橋させてもよい。部分的に架橋されている多孔質フィルムは、非架橋の多孔質フィルムよりも耐熱性や強度において優れる。
本発明で用いられる多孔質フィルムの空隙率は50〜90%であり、好ましくは60%〜90%である。多孔質フィルムの空隙率は、以下の(1)、(2)式で算出される。
空隙率=(空孔容積÷膜全容積)×100 ・・・・・(1)
空孔容積=膜全容積−(膜重量÷樹脂密度) ・・・・・(2)
空隙率が50%未満では、減圧により半導体ウエハおよびICチップを固定することが困難となる。空隙率が90%を超える場合はフィルム強度に劣る。
空隙率=(空孔容積÷膜全容積)×100 ・・・・・(1)
空孔容積=膜全容積−(膜重量÷樹脂密度) ・・・・・(2)
空隙率が50%未満では、減圧により半導体ウエハおよびICチップを固定することが困難となる。空隙率が90%を超える場合はフィルム強度に劣る。
本発明で用いられる多孔質フィルムは通気度が0.1〜100秒、好ましくは1秒〜50秒のものである。通気度はJIS P8117に従って測定される値であり、測定機材としては、例えば東洋精機製作所製B型ガーレ式デンソーメータ等を用いることができる。通気度が0.1秒未満ではフィルムの強度が不十分となり、ダイシング時にフィルムが切れることがある。また100秒より大きい場合には、減圧しても半導体ウエハおよびICチップを十分に固定することができない。
本発明で用いられる多孔質フィルムは、平均孔径が0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μm、特に好ましくは0.1〜0.2μmである。平均孔径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて多孔質フィルム表面を観察し、10μm×10μmの大きさの視野内に認められる全ての孔について測定した孔の直径の平均値である。平均孔径が0.01μm未満では、本発明の範囲の通気度を得ることが困難であり、また、5μmを超える場合はフィルムの平滑性に劣る。
本発明においては、前記のような多孔質フィルムを真空吸引可能な固定板と物品との間に介在させて、物品加工時に前記固定板より真空吸引して加工前後において物品を固定する。真空吸引する装置としては、水封ポンプやツールポンプあるいは油回転ホンプといった各種真空ポンプを用いることができる。固定板と物品との間に多孔質フィルムを介在させることにより、多孔質フィルムと接する物品の面が均一に減圧され、加工により物品に割れや欠けが生じることを抑えることができる。
本発明の方法において、強度を補強する目的で多孔質フィルムと固定板との間に、高強度の多孔質支持体を使用してもよい。高強度の多孔質支持体としては、れんが、陶磁器、ゼオライト、カーボンランダム、各種金属の焼結フォーム等の無機化合物からなる多孔質材無機化合物の多孔質材、金属、セラミック、硬質プラスチック等の非多孔質材を針やドリルで孔あけ加工したものが挙げられる。
半導体ウエハ及びICチップの加工においては、ダイシング時だけでなく、ダイシング装置への搬送時やダイシング後の次工程への搬送時にも固定する必要がある。しかしながら搬送工程では、減圧状態を維持することがコストやスペース等の制約から困難なことがある。そこで、半導体ウエハやICチップと多孔質フィルムとの間を搬送時に常圧にしても半導体ウエハやICチップがずれることなく、かつICチップのピックアップに支障のない程度に、微力な粘着力の粘着層を有する多孔質フィルムを用いてもよい。粘着層を有する多孔質フィルムの製造方法としては、多孔質フィルムに粘着剤をナイフコータ、コンマコータ、リバースロールコータ、キスコータ、カレンダーコータ、グラビアロールゴータ、ロッドコー夕等の方法により塗工する方法や、凸版、平版、グラビア、スクリーン印刷のような方式、粘着剤をスプレーする方法、粘着剤液に浸漬する方法等が挙げられる。粘着剤としては一般にダイシングテープに使用されているものが挙げられるが、これに制限されるものではなく、感圧接着タイプのアクリル系やゴム系粘着剤あるいはUVタイプで使用される粘着剤等が挙げられる。本発明において粘着層を有する多孔質フィルムを用いる場合には、粘着層を有する多孔質フィルムの空隙率、通気度、平均孔径が前記した値を満たすことが必要である。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂および充填剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを用い延伸工程を経て得られる多孔質フィルムを介して、真空吸引可能な固定板上に物品を固定する方法であって、該多孔質フィルムが、空隙率50〜90%、通気度0.1〜100秒、平均孔径0.01〜5μmである多孔質フィルムであり、前記固定板から真空吸引することにより固定板上に物品を固定する方法。
- 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項1に記載の物品を固定する方法。
- 前記ポリオレフィン系樹脂が分子鎖長2850nm以上の樹脂を含む請求項2に記載の物品を固定する方法。
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---|---|---|---|
JP2005110694A JP2006294726A (ja) | 2005-04-07 | 2005-04-07 | 物品を固定する方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120247647A1 (en) * | 2010-01-25 | 2012-10-04 | Nitto Denko Corporation | Method of suction of object to be worked upon suction unit and method of manufacture of ceramic capacitor |
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2005
- 2005-04-07 JP JP2005110694A patent/JP2006294726A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20120247647A1 (en) * | 2010-01-25 | 2012-10-04 | Nitto Denko Corporation | Method of suction of object to be worked upon suction unit and method of manufacture of ceramic capacitor |
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