JP2006294323A - プロトン伝導性電解質膜、プロトン伝導性電解質膜の製造方法及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents

プロトン伝導性電解質膜、プロトン伝導性電解質膜の製造方法及び固体高分子型燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2006294323A
JP2006294323A JP2005110663A JP2005110663A JP2006294323A JP 2006294323 A JP2006294323 A JP 2006294323A JP 2005110663 A JP2005110663 A JP 2005110663A JP 2005110663 A JP2005110663 A JP 2005110663A JP 2006294323 A JP2006294323 A JP 2006294323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
proton
electrolyte membrane
proton conductive
compound
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005110663A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5044894B2 (ja
Inventor
Takayuki Suzuki
隆行 鈴木
Takahito Chiba
隆人 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2005110663A priority Critical patent/JP5044894B2/ja
Publication of JP2006294323A publication Critical patent/JP2006294323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5044894B2 publication Critical patent/JP5044894B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 プロトン伝導性が十分に高く、メタノール透過性が十分に低いプロトン伝導性電解質膜を提供すること、及びこのような優れた性能を持ったプロトン伝導性電解質膜の製造方法を提供すること、更には該プロトン伝導性電解質膜を電解質として有する固体高分子型燃料電池を提供すること。
【解決手段】 無機粒子を含有した有機多孔質膜の細孔中にプロトン伝導性ポリマーを充填したプロトン伝導性電解質膜であって、該プロトン伝導性ポリマーが少なくとも(a)分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物、及び(b)下記一般式(1)で表される化合物を共重合または反応してなるポリマーであることを特徴とするプロトン伝導性電解質膜。
【化1】
Figure 2006294323

【選択図】 なし

Description

本発明は、プロトン伝導性電解質膜及びプロトン伝導性電解質膜の製造方法に関し、更にはそれらプロトン伝導性電解質膜を燃料電池用電解質膜として用いる固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は水素と酸素を反応させて電気を発生させる発電装置であり、発電反応で水しか生成されないという優れた性質を有しているので、温暖化やオゾン層破壊といった地球環境問題に対処する省エネルギーの技術として注目されている。
燃料電池には使用する電解質の種類により、固体高分子型燃料電池、りん酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池の4種類がある。これらの中でも、固体高分子型燃料電池は作動温度が低いという利点がある。固体高分子型燃料電池は、水素を直接用いる直接水素型、メタノールを改質器を用いて水素に変換する改質型、改質器を用いずに直接メタノールを使用する直接メタノール型(DMFC:Direct Methanol Polymer Fuel Cell)の三つに大別される。DMFCは改質器が不要であるため小型、軽量化が可能であり、来るべきユビキタス社会に向けた個人用の携帯情報端末(PDA、Personal Digital Assistance)等の電池や専用バッテリーとして、その実用化が期待されている。
固体高分子型燃料電池の主な構成要素は、電極、電解質、セパレータである。電解質として高分子のプロトン伝導性電解質膜を使用する。プロトン伝導性電解質膜はイオン交換膜や湿度センサー等の用途に用いられているが、近年、固体高分子型燃料電池の電解質としての用途において注目を集めている。例えば、デュポン社のナフィオン(登録商標)を代表とするスルホン酸基含有フッ素樹脂膜は、小型燃料電池における電解質としての利用が検討されている。
従来より知られているこれらのフッ素樹脂系プロトン伝導性膜は、メタノール透過性が大きいという欠点がある。プロトン伝導性膜をDMFC等の固体高分子型燃料電池の新たな用途において実用化を図るには、プロトン伝導性が高く、メタノール透過性が低い膜の開発が不可欠である。また、特にDMFCとしての性能向上を図る上では薄膜化が必須であり、膜の物理的強度も要求される。
そこで空孔を有する多孔質膜にプロトン伝導性ポリマーを含浸させて、プロトン伝導性膜を得る方法が種々提案されている。
メタノールの透過(クロスオーバー)をできるだけ抑制し、且つ高温(摂氏約130度以上)環境下での使用にも耐える電解質膜を提供することを目的に、メタノール及び水に対して実質的に膨潤しない多孔性基材の細孔にプロトン伝導性を有するポリマーを充填した電解質膜が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。多孔性基材としては、セラミック、ガラス、アルミナ等の無機材料、またはポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド等の耐熱性ポリマーが用いられる。多孔性基材の空孔率は10〜95%、平均孔径は0.001〜100μm、厚みは数μmのオーダーが好ましいとされている。
また耐久性と機械的強度を有するプロトン伝導性膜を提供することを目的に、リン酸基、ホスホン酸基またはホスフィン酸基を側鎖に有するポリマーを多孔質膜の空孔内に担持させてなるプロトン伝導性膜が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。多孔質膜としては超高分子量ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂が挙げられている。多孔質膜の空孔率は30〜85%、平均孔径は0.005〜10μm、厚みは5〜500μmが好ましいと記載されている。
更に物理的強度に優れ、膜抵抗が低く、且つ長期間に亘ってイオン伝導性を安定して維持することができるイオン交換樹脂膜の提供を目的に、例えば、シリカ等の無機フィラーを添加したポリエチレン等の熱可塑性樹脂組成物をシート成形した後に延伸して得られるような、吸水率が10〜200%の多孔質フィルムのような保水性を向上させた支持層を用い、該支持層上に炭化水素系イオン交換樹脂層を形成したイオン交換膜が開示されている。(例えば、特許文献3参照。)。
国際公開第00/54351号パンフレット 特開2002−83514号公報 特開2003−132909号公報
プロトン伝導性電解質膜を固体高分子型燃料電池の電解質として実用に耐えるためには、少なくともプロトン伝導性が十分に高いこと、メタノール透過性が十分に低いことが重要な因子となる。
従って、本発明の第1の目的はプロトン伝導性が十分に高く、メタノール透過性が十分に低いプロトン伝導性電解質膜を提供すること、及びこのような優れた性能を持ったプロトン伝導性電解質膜の製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記のような優れた性能を持ったプロトン伝導性電解質膜を電解質として有する固体高分子型燃料電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
(請求項1)
無機粒子を含有した有機多孔質膜の細孔中にプロトン伝導性ポリマーを充填したプロトン伝導性電解質膜であって、該プロトン伝導性ポリマーが少なくとも(a)分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物、及び(b)下記一般式(1)で表される化合物を共重合または反応してなるポリマーであることを特徴とするプロトン伝導性電解質膜。
Figure 2006294323
(式中、R1は炭素数4以下のアルキル基を表し、R2は共重合または反応可能な有機基を表し、m、nはいずれも1〜3の整数である。但し、m+n=4であり、mが2または3のとき、R2は同じでも異なっていてもよい。)
(請求項2)
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項3)
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項4)
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、ハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項5)
前記高分子化合物がポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリベンズイミダゾールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項6)
前記一般式(1)で表される化合物のR2がエポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノアルキル基またはビニル基のうちの少なくとも1種を含有する有機基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項7)
前記プロトン伝導性ポリマーが架橋構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項8)
前記無機粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項9)
前記無機粒子の一次平均粒径が10〜100nmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項10)
前記有機多孔質膜の平均細孔径が10〜500nmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
(請求項11)
カソード極、アノード極及び該両極に挟まれた電解質を有してなる固体高分子型燃料電池において、該電解質として請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜を用いることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
(請求項12)
無機粒子を含有した有機多孔質膜の細孔中に少なくとも(a)分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物、及び(b)前記一般式(1)で表される化合物を充填し、In−situ重合またはIn−situ反応することによって得ることを特徴とするプロトン伝導性電解質膜の製造方法。
(請求項13)
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項12に記載のプロトン伝導性電解質膜の製造方法。
(請求項14)
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項12に記載のプロトン伝導性電解質膜の製造方法。
(請求項15)
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、ハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物であることを特徴とする請求項12に記載のプロトン伝導性電解質膜の製造方法。
本発明により、プロトン伝導性が十分に高く、メタノール透過性が十分に低いプロトン伝導性電解質膜とその製造方法、及び該プロトン伝導性電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池を提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のプロトン伝導性電解質膜は、無機粒子を含有した有機多孔質膜の細孔中にプロトン伝導性ポリマーを充填したプロトン伝導性電解質膜である。無機粒子を含有した有機多孔質膜を製造するためには、無機粒子を含有した有機膜を更に多孔化する必要がある。膜の多孔化方法には大別して延伸法(乾式法)と抽出法(湿式法)とがある。抽出法では、例えば、無機粒子を含む樹脂組成物に充填材や可塑剤を配合したものをフィルム状に押し出し成形し、その後フィルムから充填材や可塑剤を抽出することで多孔化を行う。一方、延伸法では無機粒子を含む樹脂組成物を溶融押し出しする過程で結晶構造を制御し、その後、延伸に伴うクレーズの発生及び成長によって多孔化を行う。ここで、本発明に係る無機粒子を含有した有機多孔質膜の製造工程における多孔化方法に関して特に制限はなく、いずれの方法によっても多孔質膜を製造することができる。
無機粒子を含有した有機多孔質膜を構成する樹脂組成物に使用する樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘプテン等のα−オレフィンの単独重合体または共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−オレフィン共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフロオロエチレン−ペルフロオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂等制限なく挙げられるが、機械的強度、化学的安定性、耐薬品性に優れ、プロトン伝導性ポリマーとの馴染みがよいことからポリオレフィン樹脂を用いるのが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンが特に好ましい。
前記有機多孔質膜に含有する無機粒子は、多孔質膜細孔の外気と通じた表面に多数の無機粒子の一部が露出していることが好ましく、この露出した無機粒子により物理的アンカー効果が発現し、細孔中に充填したプロトン伝導性ポリマーの膨潤を抑える効果を付与できる。また、露出した無機粒子表面と細孔中に充填するポリマー構造中の官能基が物理的または化学的に結合することにより、細孔中に充填したプロトン伝導性ポリマーの膨潤を抑える効果を付与できる。更に上記樹脂組成物をシート状に成形した後に、1軸または2軸延伸することにより多孔質膜を製造する場合において、延伸時にマトリックスである樹脂と無機粒子の界面で剥離が生じ、それが微細な連通孔を形成するので形成される孔の性状を制御する作用も有する。
上記樹脂組成物に含有する無機粒子としては特に限定されず、公知の無機粒子、例えば、周期律表第IIA族、第IVA族、第IIIA族、及び第IVB族よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、またはこれらの混合物等の粉末を使用することができる。
本発明において好適に使用できる無機粒子としては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ホウ素(B23)、チタニア(TiO2)等の酸化物やそれらの複合酸化物が挙げられる。これらは一種類でもいくつかの種類のものを混合して用いてもよい。本発明においては、特にシリカ(SiO2)が好ましい。またシリカ(SiO2)の中でも非晶質シリカが好ましく、乾式法、湿式法、エアロゲル法いずれの製法によるものでもよいが、湿式法のコロイダルシリカは更に好ましい。
前記無機粒子の粒径としては平均粒径が一次平均粒径で10nm以上のものが好ましく、より好ましくは10〜100nmである。なお無機粒子の平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡により観察して無作為に粒子200個の長径を測定し、平均粒径を求めることができる。
前記樹脂組成物に含有する無機粒子の配合量は、樹脂と無機粒子の合計質量を基準とした無機粒子の質量%で表して1〜50質量%が好ましい。
前記無機粒子を含有した有機多孔質膜の平均細孔径は10〜1000nmが好ましく、より好ましくは平均細孔径が10〜500nmである。平均細孔径は、例えば、島津製作所社製ポアサイザー9320等を用い、水銀圧入法により求めることができる。
前記無機粒子を含有した有機多孔質膜の空隙率は40〜95%であることが好ましく、より好ましくは50〜80%である。空隙率は多孔質膜の単位面積S(cm2)当たりの質量W(g)、平均厚みt(μm)及び密度d(g/cm3)から次式により算出することができる。
空隙率(%)=(1−(104・W/(S・t・d)))×100
前記無機粒子を含有した有機多孔質膜の吸水率は200%以上が好ましい。吸水率とはシートまたはフィルムの乾燥質量当りの吸水量を意味し、シートまたはフィルムをイオン交換水に4時間以上浸漬した後、表面の水分をティッシュペーパー等で拭きとりその質量を吸水時の質量とし、次に60℃、5時間減圧乾燥させ、その質量を乾燥質量として、吸水率(%)=[(吸水時の質量−乾燥質量)/乾燥質量]×100の式より求めたものである。
本発明に係る無機粒子を含有した有機多孔質膜の細孔中に充填されるプロトン伝導性ポリマーとしては、(a)分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物、(b)前記一般式(1)で表される化合物を必須構成成分として共重合または反応してなるポリマーであることを特徴としており、これらと共重合しうる他の不飽和化合物とも共重合してもよい。また上記必須構成成分に加えて反応性乳化剤を添加して共重合してなるポリマーであることも好ましい態様の1つである。
ここで、前記「プロトン解離性基」とはプロトンが電離により離脱し得る官能基を意味し、この解離性の基は式−XHで表され、Xは2価の結合手を有する任意の原子もしくは原子団であればよい。具体的には、−OH、−OSO3H、−COOH、−SO3H、−OPO(OH)2、−PO(OH)2、−PH(OH)等が挙げられる。特に好ましくは−SO3H、−OPO(OH)2である。
前記一般式(1)で表される化合物のR1は炭素数4以下のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。一般式(1)で表される化合物のR2は共重合または反応可能な有機基を表し、好ましくはエポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノアルキル基またはビニル基のうちの少なくとも1種を含有する有機基である。m、nはいずれも1〜3の整数である。但し、m+n=4であり、mが2または3のとき、R2は同じでも異なっていてもよい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。なお、これらは信越化学工業(株)、東レダウコーニングシリコーン(株)から入手できる。
前記一般式(1)で表される化合物のアルコキシシリル基が反応して、架橋構造を形成したり、前記多孔質膜中に含有する無機粒子の表面に吸着あるいは結合することもできる。
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物として、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、例えば、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル−4−スルホン酸、(メタ)アクリロキシベンゼンスルホン酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、イソプレンスルホン酸等が挙げられる。これらの分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物は、単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物として、ハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物が好ましく、特に分子内に芳香族環を有する重合体をハロアルキル化及びスルホン化したものが好ましい。更に好ましくは、エンジニアリングプラスチックとして知られている高分子化合物を、ハロアルキル化及びスルホン化したものである。エンジニアリングプラスチックは一般的な定義はなく、金属のように構造材として使用可能な高弾性、高強度のプラスチックを言う。おおよその概念としては、弾性率が2.45×109Pa以上、熱変形温度が100℃以上と言われている(例えば、小林力夫、牧廣著『エンジニアリングプラスチック』参照)。但し、ポリカーボネート、ポリアリレート等のナチュラル樹脂は弾性率が1.96×109〜2.45×109Paであるが、エンジニアリアングプラスチックとして扱う(鈴木技術士事務所編『エンジニアリングプラスチック便覧』参照)。
好ましい高分子化合物としては、例えば、ポリベンザゾール(PBZ)、ポリアラミド(PARまたはケブラー(Kevlar)(登録商標))、ポリベンズオキサゾール(PBO)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリパラフェニレンテレフタルイミド(PPTA)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルホキシド(PPSO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルフィドスルホン(PPS/SO2)、ポリパラフェニレン(PPP)、ポリフェニルキノキサリン(PPQ)、ポリアリールケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルスルホン(PEES)、ポリアリールスルホン、ポリアリールエーテルスルホン(PAS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、ポリエーテルイミド、フッ素化ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン−ケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトン−ケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトン−ケトン(PEKEKK)、及びポリスチレン(PS)が挙げられる。これらの高分子化合物は単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。特に好ましくはポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリベンズイミダゾールから選ばれる少なくとも1種である。
上記高分子化合物は分子量が10000〜100000が好ましく、従来公知のものであれば何ら制限なく用いられる。
高分子化合物のハロアルキル化及びスルホン化の方法は、例えば、先ず高分子化合物を90%以上、好ましくは95%以上の硫酸に攪拌下に溶解し、次いでこれにハロアルキル化試剤を添加してスルホン化及びハロアルキル化を実施する。高分子化合物にスルホン酸基の導入を制御するために、一般に0〜100℃の範囲で均一に溶解することが好ましい。温度が高い場合はスルホン酸基の導入比率が高く、ハロアルキル基の導入比率は低くなり、逆に温度を低くすればスルホン酸基の導入が制限され、ハロアルキル基の導入比率が多くなる。
用いられるハロアルキル化試薬としては、例えば、クロルメチルメチルエーテル、ブロムメチルメチルエーテル、ヨードメチルメチルエーテル、クロルエチルエチルエーテル、クロルエチルメチルエーテル等が挙げられる。なお、この方法は溶媒である硫酸が溶媒として大過剰に存在する状態での反応であり、極めて反応速度が早いため、充分に高分子化合物の硫酸溶液を均一に攪拌しながら、ハロアルキル化試薬を添加する必要がある。またハロアルキル基の高分子化合物への導入量は、添加するハロアルキル化試薬のモル数と高分子化合物のハロアルキル基が導入されるユニットのモル数との比で制御することもできる。反応は非常に早く進行するが、反応時間は通常10分〜16時間の間で選定される。反応後は残余のハロアルキル化試薬を窒素気流によって除去し、除外した後、大量の水中に投入し、沈澱析出させ、次いで充分に水洗することによって、ハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物を得ることができる。なおハロアルキル基、スルホン酸基の存在はNMR分析、元素分析等によって確認できる。
反応活性なハロアルキル基は、前記一般式(1)で表される化合物と反応することができ、また同一種のハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物同士で架橋構造を形成することができ、2種以上のハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物が架橋構造を形成することもできる。このようなポリマーによりプロトン伝導性ポリマーの性能を向上させることができる。
前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物として、分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、更に好ましくは一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006294323
式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、Xは2価の有機基を表し、好ましくはエチレン基またはプロピレン基である。pは1以上の整数を表し、好ましくは1〜10の整数である。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メタクリロイルジ(オキシエチレン)ホスフェート、メタクリロイルトリ(オキシエチレン)ホスフェート、メタクリロイルテトラ(オキシエチレン)ホスフェート、メタクリロイルペンタ(オキシエチレン)ホスフェート、メタクリロイルヘキサ(オキシエチレン)ホスフェート、メタクリロイルオキシプロピルホスフェート、メタクリロイルジ(オキシプロピル)ホスフェート、メタクリロイルトリ(オキシプロピル)ホスフェート、メタクリロイルテトラ(オキシプロピル)ホスフェート、メタクリロイルペンタ(オキシプロピル)ホスフェート、メタクリロイルヘキサ(オキシプロピル)ホスフェート、アクリロイルオキシエチルホスフェート、アクリロイルジ(オキシエチレン)ホスフェート、アクリロイルトリ(オキシエチレン)ホスフェート、アクリロイルテトラ(オキシエチレン)ホスフェート、アクリロイルペンタ(オキシエチレン)ホスフェート、アクリロイルヘキサ(オキシエチレン)ホスフェート、アクリロイルオキシプロピルホスフェート、アクリロイルジ(オキシプロピル)ホスフェート、アクリロイルトリ(オキシプロピル)ホスフェート、アクリロイルテトラ(オキシプロピル)ホスフェート、アクリロイルペンタ(オキシプロピル)ホスフェート、アクリロイルヘキサ(オキシプロピル)ホスフェート、4−スチリルメトキシブチルホスフェート等を挙げることができる。
具体的には「PhosmerM」、「PhosmerCL」、「PhosmerA」、「PhosmerPE」、「PhosmerPP」(商品名、ユニケミカル(株)製)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物は単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記共重合しうる他の不飽和化合物としては、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する不飽和化合物は全てこの不飽和化合物に含まれるが、中でも(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル類や置換または無置換のスチレン類が好適である。更には1分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有する、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼン、N,N−メチレンビスアクリルアミド等は架橋構造を形成し、電解質膜の耐久性向上のために使用するのが好ましい。
前記反応性乳化剤としては、分子内に不飽和二重結合を少なくとも1種以上有するアニオン性及び/またはノニオン性の乳化剤が好ましく用いられる。反応性乳化剤としては、分子内に疎水性基、親水性基及び反応性基を各々少なくとも1個有する化合物が好ましく、上記疎水性基は脂肪族または芳香族炭化水素基からなり、上記親水性基はポリオキシアルキレンエーテル基に代表されるノニオン性基、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩に代表されるアニオン性基を含有し、上記反応性基はビニルエーテル基、アリルエーテル基、ビニルフェニル基、アリルフェニル基、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミド基、マレイン酸等の不飽和二塩基酸のエステルまたはアミド基を含有するものが好ましい。
上記反応性乳化剤としては、例えば、特開昭62−22803号公報、同62−104802号公報、同62−104803号公報、同62−221431号公報、同62−221432号公報、同62−225237号公報、同62−244430号公報、同62−286528号公報、同62−289228号公報、同62−289229号公報、同63−12334号公報、同63−54930号公報、同63−77530号公報、同63−77531号公報、同63−77532号公報、同63−84624号公報、同63−84625号公報、同63−126535号公報、同63−126536号公報、同63−147530号公報、同63−319035号公報、特開平1−11630号公報、同1−22338号公報、同1−22627号公報、同1−22628号公報、同1−30632号公報、同1−34430号公報、同1−34431号公報、同1−34432号公報、同1−99638号公報、同1−99639号公報、同4−50204号公報、同4−53802号公報、同4−55401号公報に記載されたものが挙げられる。
また上記反応性乳化剤の化合物例としては、例えば、1−(メタ)アリロキシ−2−ヒドロキシプロパン、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、(メタ)アリロキシカルボニルメチル−3−アルコキシ(ポリオキシアルキレノキシ)−2−ヒドロキシプロパン、アルキルフェノキシ(ポリオキシアルキレノキシ)−2−ヒドロキシプロパンまたはアシロキシ(ポリオキシアルキレノキシ)−2−ヒドロキシプロパンまたはそのアルキレンオキシド付加物あるいはこれらの硫酸またはリン酸エステルまたはその塩、ビスフェノール化合物またはグリコール化合物のアルキレンオキシド付加物あるいはこれらの硫酸またはリン酸エステルまたはその塩、ビニルまたはアリルフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物あるいはこれらの硫酸またはリン酸エステルまたはその塩、スルホコハク酸のモノアリル−モノアルキルエステルまたはその塩、スルホコハク酸のモノ(3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−モノアルキルエステルまたはその塩等が挙げられる。
具体的には、「アデカリアソープNE」、「アデカリアソープSE」、「アデカリアソープER」、「アデカリアソープSR」、「アデカリアソープPP」、「アデカリアソープPPE」(商品名、旭電化(株)製)、「アクアロンKH」、「アクアロンHS」、「アクアロンBC」、「アクアロンRN」、「ニューフロンティア」(商品名、第一工業製薬(株)製)、「エレミノールES」、「エレミノールJS」、「エレミノールRS」、「エレミノールMON」、「エレミノールHA」(商品名、三洋化成工業(株)製)、「ラテムル」(商品名、花王(株)製)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの反応性乳化剤は一種または二種以上を組み合わせて使用してもよい。
無機粒子を含有した有機多孔質膜の細孔中にプロトン伝導性ポリマーを充填する方法は、特に限定されるものでなく、例えば、多孔質膜に前記プロトン伝導性ポリマー溶液を塗布する方法、多孔質膜を前記プロトン伝導性ポリマー溶液に浸漬する方法などにより、多孔質膜の細孔中にプロトン伝導性ポリマーを充填することができる。その際、超音波を使用したり、減圧にすることによりプロトン伝導性ポリマーを細孔中に充填し易くすることができる。
好ましくは、プロトン伝導性ポリマーの前駆体(前記(a)分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物、前記(b)一般式(1)で表される化合物、共重合しうる他の不飽和化合物、反応性乳化剤等)及び重合開始剤を含有する溶液を多孔質膜の細孔中に充填し、熱重合や光重合等、従来より知られている適宜の方法により、In−situ重合またはIn−situ反応させプロトン伝導性ポリマーとする方法である。その際、超音波を使用したり、減圧にすることにより前記プロトン伝導性ポリマーの前駆体及び重合開始剤を含有する溶液を細孔中に充填し易くすることができる。多孔質膜の細孔表面を親水化処理した後に、前記プロトン伝導性ポリマーの前駆体及び重合開始剤を含有する溶液を多孔質膜の細孔中に充填させ、In−situ重合またはIn−situ反応する方法も好ましい。また、前記プロトン伝導性ポリマーの前駆体及び重合開始剤を含有する溶液の粘度を適宜に調整して、細孔中に充填し易くすることも好ましい。即ち、粘度を高めるためにモノマーの一部を予備重合させたり、また適宜のポリマーを少量添加し、溶解させてもよい。反対に粘度を下げるために適当な溶剤を加えて、希釈してもよい。
前記ハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物、前記一般式(1)で表される化合物、前記反応性乳化剤等を反応させる方法としては、ハロアルキルを開裂させ反応させる方法、重合開始剤を用いて不飽和結合を反応させる方法、シリル基を反応させる方法等が好ましく用いられる。ハロアルキル基を開裂させ反応させる方法としては、ルイス酸やHF、H2SO4、H3PO4などのプロトン酸によりイオン的に開裂させる方法、あるいは紫外線、電子線などの光、あるいは熱によりラジカル的に開裂させる方法などが用いられるが、光あるいは熱を用いる方法が好適である。
前記重合開始剤としては、従来より知られているものを適宜に用いればよい。好ましくは熱重合開始剤または光重合開始剤が好ましく、熱重合開始剤とは熱エネルギーを与えることにより重合性のラジカルを発生することが可能な化合物である。このような化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビスプロピオニトリル等のアゾビスニトリル系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過安息香酸t−ブチル、α−クミルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、過酸類、アルキルパーオキシカルバメート類、ニトロソアリールアシルアミン類等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の無機過酸化物、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム、アゾビス置換アルカン類、ジアゾチオエーテル類、アリールアゾスルフォン類等のアゾまたはジアゾ系化合物、ニトロソフェニル尿素、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジアリールジスルフィド類、ジベンゾイルジスルフィド、テトラアルキルチウラムジスルフィド類、ジアルキルキサントゲン酸ジスルフィド類、アリールスルフィン酸類、アリールアルキルスルフォン類、1−アルカンスルフィン酸類等を挙げることができる。
これらの中で特に好ましいものは常温での安定性に優れ、加熱時の分解速度が速い化合物であり、開始剤は全重合性の組成物中通常0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%の範囲がより好ましい。
光重合開始剤としては、R−(CO)x−R′(R、R′=水素または炭化水素基、x=2〜3)により表される隣接ポリケトン化合物類(例えば、ジアセチル、ジベンジル等)、R−CO−CHOH−R′(R、R′=水素または炭化水素基)により表されるカルボニルアルコール類(例えば、ベンゾイン等)、R−CH(OR″)−CO−R′(R、R′、R″=炭化水素基)により表されるアシロイン・エーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル等)、Ar−CR(OH)−CO−Ar(Ar=アリール基、R=炭化水素基)により表される置換アシロイン類(例えば、α−アルキルベンゾイン等)、及び多核キノン類(例えば、9,10−アンスラキノン等)等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独でまたは併用して使用することができる。
光重合開始剤の使用量は不飽和化合物の合計質量に対して0.5〜5質量%の範囲、好ましくは1〜3質量%の範囲である。
なお前記プロトン伝導性ポリマーのイオン交換容量としては、0.5〜5.0ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましく、より好ましくは1.0〜4.5ミリ当量/g乾燥樹脂である。イオン交換容量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂より小さい場合はイオン伝導抵抗が大きくなり、4.5ミリ当量/g乾燥樹脂より大きい場合には水に溶解しやすくなる。
前記イオン交換容量は次の測定方法により求めることができる。まず、前記プロトン伝導性ポリマーを2mol/Lの塩化ナトリウム水溶液に5分間程度浸漬し、酸性基のプロトンをナトリウムに置換する。ナトリウム置換により溶液中に遊離してきたプロトンに対し、濃度既知の水酸化ナトリウムによる中和滴定を行う。そして、前記プロトン伝導性ポリマーの乾燥質量(W)と中和滴定に要した水酸化ナトリウムの容量(V)からプロトンの量(H+)を算出し、次式によりイオン交換容量(meq/g)を求める。なお次式は、0.05mol/LのNaOH水溶液で中和滴定を行った場合の例を示している。
イオン交換容量(meq/g)=H+/W=(0.05V×10-3/W)×103
本発明のプロトン伝導性電解質膜の平均膜厚は特に制限はないが、通常は500μm以下であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは50〜200μmである。膜厚は1/10000シックネスゲージで測定できる。平均膜厚は任意の箇所を5点を測定し、その平均を算出することにより求めることができる。
本発明のプロトン伝導性電解質膜は燃料電池に用いることができる。燃料電池の中でもメタノール燃料電池が好ましく、特に直接メタノール型燃料電池が好ましい。
次に直接メタノール型燃料電池について、図1を参照して説明する。図1は、本発明のプロトン伝導性電解質膜を電解質膜して用いた直接メタノール型燃料電池の一実施形態を示す概略図である。
図1において、それぞれ符号1は電解質膜、符号2はアノード極(燃料極)、符号3はカソード極(空気極)、符号4は外部回路を表す。燃料としてはメタノール水溶液Aを用いる。
アノード極2では、メタノールは水と反応して二酸化炭素と水素イオン(H+)を生成して電子(e-)を放出する。水素イオン(H+)は、電解質1を通ってカソード極3に向い、電子(e-)は外部回路4に流れる。一方、二酸化炭素を含むメタノール成分が減少した水溶液A′は系外に排出される。アノード極2での反応は下記式で表される。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-
カソード極3では、空気B中の酸素と電解膜1を通ってきた水素イオン(H+)と外部回路4からきた電子(e-)とが反応して水を生成する。一方、水を含む酸素が減少した空気B′は系外に排出される。カソード極3での反応は下記式で表される。
3/2O2+6H++6e-→3H2
燃料電池の全体の反応としては次式のようになる。
CH3OH+3/2O2→CO2+2H2
アノード極2の構造は従来から知られている構造とすることができる。例えば、電解質1側から触媒層及び触媒層を支持する支持体から構成される。また、カソード極3の構造も従来から知られている構造とすることができる。例えば、電解質1側から触媒層及び触媒層を支持する支持体から構成される。
アノード極2及びカソード極3の触媒としては、公知の触媒を用いることができる。例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、金などの貴金属触媒、また白金−ルテニウム、鉄−ニッケル−コバルト−モリブデン−白金などの合金が用いられる。
触媒層は導電性を改善する目的で電子伝導体(導電材)材料を含むことが好ましい。電子伝導体(導電材)としては特に限定されるものではないが、電子伝導性と耐触性の点から無機導電性物質が好ましく用いられる。中でもカーボンブラック、黒鉛質や炭素質の炭素材、あるいは金属や半金属が挙げられる。ここで炭素材としては、チャネルブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。特に、白金担持カーボンなどのように触媒を担持した電子伝導体(導電材)が好ましく用いられる。
固体高分子電解質膜と電極とを接合して膜−電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を製造する方法としては、例えば、カーボン粒子に担持させた白金触媒粉をポリテトラフロロエチレン懸濁液と混合し、カーボンペーパーに塗布し、熱処理して触媒層を形成後、電解質膜と同一の電解質溶液を触媒層に塗布し、電解質膜とホットプレスして一体化する方法がある。この他、電解質膜と同一の電解質溶液を予め白金触媒粉にコーティングする方法、触媒ペーストを電解質膜へ塗布する方法、電解質膜に電極を無電解メッキする方法、電解質膜に白金属の金属錯イオンを吸着させた後、還元する方法等がある。
以上の様にして作製した電解質膜と電極との接合体の外側に、燃料流路と酸化剤流路を形成する溝が形成された集電体としての燃料配流板(セパレータ)と、酸化剤配流板(セパレータ)とを配したものを単セルとし、この単セルを複数個、冷却板等を介して積層、または単セルを複数個、平面に配置(平面積層)することにより、燃料電池が構成される。
本発明を実施例に基づき更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
〈多孔質膜の作製〉
〈多孔質膜No.1の作製〉
無機粒子としてシリカ(日産化学社製スノーテックス50から取り出した一次平均粒径20nm)をポリエチレン(重量平均分子量30万)と混合した樹脂組成物を、延伸法により多孔化して無機粒子を含有した有機多孔質膜No.1を作製した。
〈多孔質膜No.2〜6の作製〉
多孔質膜No.1において、シリカを表1のように代えた以外は、多孔質膜No.1と同様にして多孔質膜No.2〜6を作製した。
但し、シリカの一次平均粒径が50nm、100nm、200nmのものはそれぞれ日産化学社製スノーテックスYL、スノーテックスMP、スノーテックスMP2040から取り出したものを使用し、アルミナの一次平均粒径が100nmのものは日産化学社製アルミナゾル100から取り出したものを使用した。
多孔質膜No.1〜6の平均細孔径及び空隙率を表1に記した。空隙率は単位面積当S(cm2)あたりの質量W(g)、平均厚みt(μm)及び密度d(g/cm3)から次式により算出した。
空隙率(%)=(1−(104・W/(S・t・d)))×100
平均細孔径の測定は、島津製作所社製ポアサイザー9320を用い、水銀圧入法により測定した。
Figure 2006294323
〔プロトン伝導性電解質膜の製造〕
〔プロトン伝導性電解質膜No.1の製造〕
上記で作製した多孔質膜No.1に下記の方法でプロトン伝導性ポリマーを充填し、プロトン伝導性電解質膜No.1を製造した。
イソプロピルアルコール:水=2:1中に、アクリル酸、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、「アクアロンKH−05」(商品名、第一工業製薬(株)製)、及び架橋剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミドと重合開始剤としてAIBN(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル)とを質量比で100:20:20:5:1となるよう混合し、減圧下で混合液の中に多孔質膜を浸漬させた。このように処理した多孔質膜をポリエチレンテレフタレート製フィルムに挟んで加熱し、60℃で2時間保持し、更に80℃で2時間保持することにより、プロトン伝導性電解質膜を作製した。プロトン伝導性電解質膜の平均膜厚は150μmであった。平均膜厚はシックネスゲージで任意の箇所を5点測定し、その平均を算出して求めた。
〔プロトン伝導性電解質膜No.2〜6の製造〕
プロトン伝導性電解質膜No.1において、多孔質膜、分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物、一般式(1)で表される化合物、反応性乳化剤、及び共重合しうる他の不飽和化合物を表2のように代えた以外は、プロトン伝導性電解質膜No.1と同様にしてプロトン伝導性電解膜No.2〜6を作製した。
Figure 2006294323
〔プロトン伝導性電解質膜No.7の製造〕
上記で作製した多孔質膜No.1に下記の方法でプロトン伝導性ポリマーを充填し、プロトン伝導性電解質膜No.7を製造した。
イソプロピルアルコール:水=2:1中に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、「アクアロンKH−05」(商品名、第一工業製薬(株)製)、及び架橋剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミドと重合開始剤としてAIBN(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル)とを質量比で100:15:5:5:1となるよう混合し、減圧下で混合液の中に多孔質膜を浸漬させた。このように処理した多孔質膜をポリエチレンテレフタレート製フィルムに挟んで加熱し、60℃で2時間保持し、更に80℃で2時間保持することにより、プロトン伝導性電解質膜を作製した。プロトン伝導性電解質膜の平均膜厚は150μmであった。平均膜厚はシックネスゲージで任意の箇所を5点測定し、その平均を算出して求めた。
〔プロトン伝導性電解質膜No.8〜20の製造〕
プロトン伝導性電解質膜No.7において、多孔質膜、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物、一般式(1)で表される化合物、反応性乳化剤、及び共重合しうる他の不飽和化合物を表3のように代えた以外は、プロトン伝導性電解質膜No.7と同様にしてプロトン伝導性電解膜No.8〜20を作製した。
Figure 2006294323
〔プロトン伝導性電解質膜No.21の製造〕
上記で作製した多孔質膜No.1に下記の方法でプロトン伝導性ポリマーを充填し、プロトン伝導性電解質膜No.21を製造した。
N,N−ジメチルアセトアミド中に、クロロメチル化及びスルホン化ポリエーテルエーテルケトン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを質量比で100:15となるよう混合し、減圧下で混合液の中に多孔質膜を浸漬させた。このように処理した多孔質膜をポリエチレンテレフタレート製フィルムに挟んで加熱し、100℃で5時間保持することにより、プロトン伝導性電解質膜を作製した。プロトン伝導性電解質膜の平均膜厚は150μmであった。平均膜厚はシックネスゲージで任意の箇所を5点測定し、その平均を算出して求めた。
〔プロトン伝導性電解質膜No.22〜34の製造〕
プロトン伝導性電解質膜No.21において、クロロメチル化及びスルホン化された高分子化合物、一般式(1)で表される化合物、反応性乳化剤及び共重合しうる他の不飽和化合物を表4のように代えた以外は、プロトン伝導性電解質膜No.21と同様にしてプロトン伝導性電解膜No.22〜34を作製した。
Figure 2006294323
〔プロトン伝導性電解質膜No.35の製造〕
上記で作製した多孔質膜No.1に下記の方法でプロトン伝導性ポリマーを充填し、プロトン伝導性電解質膜No.35を製造した。
イソプロピルアルコール:水=2:1中に、「PhosmerM」(商品名、ユニケミカル(株)製)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、「アクアロンKH−05」(商品名、第一工業製薬(株)製)、及び架橋剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミドと重合開始剤としてAIBN(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル)とを質量比で100:15:100:5:5:1となるよう混合し、減圧下で混合液の中に多孔質膜を浸漬させた。このように処理した多孔質膜をポリエチレンテレフタレート製フィルムに挟んで加熱し、60℃で2時間保持し、更に80℃で2時間保持することにより、プロトン伝導性電解質膜を作製した。プロトン伝導性電解質膜の平均膜厚は150μmであった。平均膜厚はシックネスゲージで任意の箇所を5点測定し、その平均を算出して求めた。
〔プロトン伝導性電解質膜No.36〜48の製造〕
プロトン伝導性電解質膜No.35において、多孔質膜、分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物、一般式(1)で表される化合物、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物、反応性乳化剤、及び共重合しうる他の不飽和化合物を表5のように代えた以外は、プロトン伝導性電解質膜No.35と同様にしてプロトン伝導性電解膜No.36〜48を作製した。
Figure 2006294323
〔プロトン伝導性電解質膜の評価〕
比較としてナフィオン117(デュポン社製)も用意した。
〈プロトン伝導度〉
プロトン伝導性電解質膜を水中(25℃)で膨潤させ、その後2枚の白金電極に挟んで、ヒューレットパッカード社製LCRメーターHP4284Aを用いて、インピーダンス測定を行い、プロトン伝導度を算出した。
〈メタノール透過性〉
図2のH型セルにプロトン伝導性電解質膜を挟み、Aセルに入れた2mol/Lメタノール水溶液からBセルの純水中に透過してくるメタノール量を、島津製作所社製ガスクロマトグラフィー(GC−14B)で測定した。結果を表6、7、8、9に示す。
Figure 2006294323
Figure 2006294323
Figure 2006294323
Figure 2006294323
表6、7、8、9の結果から、本発明のプロトン伝導性電解質膜はプロトン伝導性が高く、メタノール透過性が低いことがわかる。
〔燃料電池の作製と評価〕
作製したプロトン伝導性電解質膜(電解質膜No.1〜48)及び比較試料としてナフィオン117を用いた膜−電極接合体(MEA)を下記の方法で作製し、評価した。
〈電極の作製〉
炭素繊維クロス基材にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で撥水処理を行った後、PTFEを20質量%含むカーボンブラック分散液を塗工、焼成して電極基材を作製した。この電極基材上に、Pt−Ru担持カーボンとナフィオン(デュポン社製)溶液からなるアノード電極触媒塗液を塗工、乾燥してアノード電極を、またPt担持カーボンとナフィオン(デュポン社製)溶液からなるカソード電極触媒塗液を塗工、乾燥してカソード電極を作製した。
〈膜−電極接合体(MEA)の作製〉
作製したプロトン伝導性電解質膜(電解質膜No.1〜48)及びナフィオン117を、それぞれアノード電極とカソード電極で夾持し、加熱プレスすることで膜−電極接合体(MEA)(MEA−No.1〜48)及びMEA−ナフィオン117を作製した。この膜−電極接合体(MEA)をセパレータに挟み、アノード側に3%メタノール水溶液、カソード側に空気を流して燃料電池を作動し、電流電圧特性の評価を行った。電圧0.4Vでの電流密度を表10、11、12、13に示す。
Figure 2006294323
Figure 2006294323
Figure 2006294323
Figure 2006294323
表10、11、12、13の結果から、本発明に係る膜−電極接合体(MEA)は、比較の膜−電極接合体(MEA)及びMEA−ナフィオン117に比べて、電流密度が大きいことがわかる。
本発明の直接メタノール型固体高分子燃料電池の一実施形態を示す概略図である。 メタノール透過性を評価するためのH型セルの概略図である。
符号の説明
1 電解質膜
2 アノード極(燃料極)
3 カソード極(空気極)
4 外部回路

Claims (15)

  1. 無機粒子を含有した有機多孔質膜の細孔中にプロトン伝導性ポリマーを充填したプロトン伝導性電解質膜であって、該プロトン伝導性ポリマーが少なくとも(a)分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物、及び(b)下記一般式(1)で表される化合物を共重合または反応してなるポリマーであることを特徴とするプロトン伝導性電解質膜。
    Figure 2006294323
    (式中、R1は炭素数4以下のアルキル基を表し、R2は共重合または反応可能な有機基を表し、m、nはいずれも1〜3の整数である。但し、m+n=4であり、mが2または3のとき、R2は同じでも異なっていてもよい。)
  2. 前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  3. 前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  4. 前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、ハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  5. 前記高分子化合物がポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリベンズイミダゾールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物のR2がエポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノアルキル基またはビニル基のうちの少なくとも1種を含有する有機基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  7. 前記プロトン伝導性ポリマーが架橋構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  8. 前記無機粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  9. 前記無機粒子の一次平均粒径が10〜100nmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  10. 前記有機多孔質膜の平均細孔径が10〜500nmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜。
  11. カソード極、アノード極及び該両極に挟まれた電解質を有してなる固体高分子型燃料電池において、該電解質として請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロトン伝導性電解質膜を用いることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  12. 無機粒子を含有した有機多孔質膜の細孔中に少なくとも(a)分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物、及び(b)前記一般式(1)で表される化合物を充填し、In−situ重合またはIn−situ反応することによって得ることを特徴とするプロトン伝導性電解質膜の製造方法。
  13. 前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項12に記載のプロトン伝導性電解質膜の製造方法。
  14. 前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項12に記載のプロトン伝導性電解質膜の製造方法。
  15. 前記分子内に1個以上のプロトン解離性基を有する化合物が、ハロアルキル化及びスルホン化された高分子化合物であることを特徴とする請求項12に記載のプロトン伝導性電解質膜の製造方法。
JP2005110663A 2005-04-07 2005-04-07 固体高分子型燃料電池用プロトン伝導性電解質膜、該プロトン伝導性電解質膜の製造方法及び固体高分子型燃料電池 Expired - Fee Related JP5044894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005110663A JP5044894B2 (ja) 2005-04-07 2005-04-07 固体高分子型燃料電池用プロトン伝導性電解質膜、該プロトン伝導性電解質膜の製造方法及び固体高分子型燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005110663A JP5044894B2 (ja) 2005-04-07 2005-04-07 固体高分子型燃料電池用プロトン伝導性電解質膜、該プロトン伝導性電解質膜の製造方法及び固体高分子型燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006294323A true JP2006294323A (ja) 2006-10-26
JP5044894B2 JP5044894B2 (ja) 2012-10-10

Family

ID=37414671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005110663A Expired - Fee Related JP5044894B2 (ja) 2005-04-07 2005-04-07 固体高分子型燃料電池用プロトン伝導性電解質膜、該プロトン伝導性電解質膜の製造方法及び固体高分子型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5044894B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007048551A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Toagosei Co Ltd 直接液体燃料形燃料電池用電解質膜および直接液体燃料形燃料電池
JP2010009851A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 National Univ Corp Shizuoka Univ 燃料電池用電解質膜
JP2014525127A (ja) * 2011-07-29 2014-09-25 コーロン インダストリーズ インク 燃料電池用高分子電解質膜及びその製造方法
WO2022091912A1 (ja) * 2020-10-30 2022-05-05 東邦化学工業株式会社 ビニル系樹脂粒子

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001283635A (ja) * 2000-03-31 2001-10-12 Toshiba Corp 重合体、プロトン伝導性高分子電解質およびそれを用いた燃料電池
JP2003132909A (ja) * 2001-10-29 2003-05-09 Tokuyama Corp イオン交換樹脂膜
JP2005005046A (ja) * 2003-06-10 2005-01-06 Canon Inc シロキサン高分子電解質膜及びそれを用いた固体高分子型燃料電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001283635A (ja) * 2000-03-31 2001-10-12 Toshiba Corp 重合体、プロトン伝導性高分子電解質およびそれを用いた燃料電池
JP2003132909A (ja) * 2001-10-29 2003-05-09 Tokuyama Corp イオン交換樹脂膜
JP2005005046A (ja) * 2003-06-10 2005-01-06 Canon Inc シロキサン高分子電解質膜及びそれを用いた固体高分子型燃料電池

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007048551A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Toagosei Co Ltd 直接液体燃料形燃料電池用電解質膜および直接液体燃料形燃料電池
JP2010009851A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 National Univ Corp Shizuoka Univ 燃料電池用電解質膜
JP2014525127A (ja) * 2011-07-29 2014-09-25 コーロン インダストリーズ インク 燃料電池用高分子電解質膜及びその製造方法
JP2016105410A (ja) * 2011-07-29 2016-06-09 コーロン インダストリーズ インク 高分子電解質膜の製造方法
US9761900B2 (en) 2011-07-29 2017-09-12 Kolon Industries, Inc. Polymer electrolyte membrane for fuel cell and method for manufacturing the same
JP2017168446A (ja) * 2011-07-29 2017-09-21 コーロン インダストリーズ インク 高分子電解質膜の製造方法
WO2022091912A1 (ja) * 2020-10-30 2022-05-05 東邦化学工業株式会社 ビニル系樹脂粒子

Also Published As

Publication number Publication date
JP5044894B2 (ja) 2012-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4728208B2 (ja) 燃料電池用高分子電解質膜及びこれを含む燃料電池システム
JP4769518B2 (ja) ポリマー電解質膜及びポリマー電解質膜を採用した燃料電池
US8153329B2 (en) Proton conducting electrolyte membrane and production method thereof and solid polymer fuel cell using the same
JP5702093B2 (ja) 燃料電池用高分子膜組成物、これを用いて製造された高分子膜、ならびにこれを含む膜−電極接合体及び燃料電池
JP4419550B2 (ja) プロトン伝導性電解質膜の製造方法とプロトン伝導性電解質膜、及びプロトン伝導性電解質膜を用いた燃料電池
JPWO2005098875A1 (ja) 電解質膜および膜電極接合体の製造方法並びに燃料電池
JP4957544B2 (ja) プロトン伝導性電解質膜とその製造方法、及び該プロトン伝導性電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池
JP2005019055A (ja) 高分子電解質ならびにそれを用いた高分子電解質膜、膜電極複合体および高分子電解質型燃料電池
US8642228B2 (en) Polymer electrolyte membrane and fuel cell using the polymer electrolyte membrane
WO2005091409A1 (ja) 電解質膜および燃料電池
JP5044894B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用プロトン伝導性電解質膜、該プロトン伝導性電解質膜の製造方法及び固体高分子型燃料電池
JP2006331848A (ja) プロトン伝導性電解質膜とその製造方法、及び固体高分子型燃料電池
KR101070015B1 (ko) 고분자 전해질 복합막 제조 방법 및 이를 이용하여 형성한 고분자 전해질 복합막을 포함하는 고분자 전해질 연료전지
KR20130050825A (ko) 유무기 복합막 및 이를 포함하는 연료전지
EP2071655A1 (en) Membrane electrode assembly and method for producing the same
JP4915043B2 (ja) プロトン伝導性電解質膜とその製造方法、及び該プロトン伝導性電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池
JP2008108723A (ja) 膜電極接合体およびその製造方法
JP4957248B2 (ja) プロトン伝導性電解質膜、プロトン伝導性電解質膜の製造方法及び固体高分子型燃料電池
JP2006318663A (ja) プロトン伝導性電解質膜とその製造方法、及び固体高分子型燃料電池
JP2006260901A (ja) 含フッ素スルホン酸ポリマー複合膜
KR102463011B1 (ko) 연료 전지용 고분자 전해질 막, 이를 포함하는 연료전지용 막-전극 어셈블리 및 연료 전지
JP2005285413A (ja) プロトン伝導性膜、プロトン伝導性膜の製造方法、及びプロトン伝導性膜を用いた固体高分子形燃料電池
JPWO2006126346A1 (ja) プロトン伝導性電解質膜とその製造方法、及び該プロトン伝導性電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池
JP2005310612A (ja) 固体燃料電池
JP2006185849A (ja) 燃料電池用固体高分子電解質膜、および、その製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110608

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120619

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120702

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees