JP2006293265A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写時の高負荷の際に、負荷電圧の異常上昇を防止し、放電ノイズを抑制して高品質の画像を得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段6を備えた画像形成装置である。転写バイアス印加手段6は、定電流制御電源であり、負荷電圧を常時モニター可能な回路15が設けられている。二次転写対向ローラ9に転写バイアスを印加する場合には、二次転写ローラ5を接地させ、二次転写対向ローラ9を二次転写ローラ5に当接させた状態で、トナーと同極性の転写バイアスを印加する。非通紙時に所定の電流又は電圧を二次転写対向ローラ9又は二次転写ローラ5に印加して負荷電圧又は負荷電流を計測することにより二次転写ニップ部の負荷を計測する。記録媒体にトナー画像を二次転写する場合、二次転写ニップ部の負荷に応じた転写電流を印加して行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置に係り、特に、転写時における転写バイアスを制御する画像形成装置に関する。
中間転写ベルトの外周に複数の作像ユニットを並べ、この作像ユニットの像担持体上に形成された各色のトナー画像を前記中間転写ベルト上に順次一次転写し、この一次転写されたトナー画像を二次転写手段で記録媒体上に一括して転写する中間転写方式を用いた画像形成装置が知られている。このような画像形成装置の転写手段において、良好な転写性を得るためには、系の抵抗が高い場合は高い転写電圧を、系の抵抗が低い場合は低い転写電圧を印加する必要がある。このような電圧印加技術は、特に、転写バイアス印加手段が定電圧制御の場合は必須である。このため、従来技術では、系の抵抗に応じて電圧値を補正する技術、所謂、抵抗フィードバック制御が採用されている。
一方、転写バイアス印加手段が定電流制御の場合は、系の抵抗に応じて負荷電圧が変動し、系の抵抗が高い場合は高い電圧に、低い抵抗の場合は低い電圧に自動的に補正されるので、定電圧制御よりも系の抵抗には影響されにくい。このため、定電流制御を用いる場合には、抵抗フィードバック制御は一般的に採用されることは少ない。また、抵抗フィードバック制御を用いた場合でも、定電圧制御の場合よりも、簡易な設定で用いられている。つまり、系の抵抗を所定の抵抗範囲ごとに複数の区分に分け、各区分に適した転写バイアスを印加する制御において、定電流制御の方が定電圧制御よりも区分分けが粗くても良いということになる。
このような画像形成装置に関連する従来技術として特許文献1には、トナー像が形成される感光体と、その感光体との間で転写紙を挟み転写紙にトナー像を転写させる転写ローラと、この転写ローラに転写電圧を印加して転写電流を供給する電源と、転写電流の値をモニターし、当該転写電流値が一定となるように転写電圧を制御する電圧制御手段とを備えた画像記録装置であって、転写電流値と転写電圧値とから求めた転写ローラの実測抵抗値と基準抵抗値とを比較し、当該実測抵抗値が基準抵抗値より大であるときに転写ローラの寿命と判断する検知器を備えた画像形成装置が開示されており、この画像形成装置によれば、簡便な構成で転写ローラの交換時期を確実に検知できるということである。
特開2004−184601号公報
しかしながら、区分分けが粗くても良い定電流制御であっても、各部材の抵抗公差をある程度きびしく管理する必要があり、製造上の歩留まりや、物性値管理のために部品コストが高くなるという問題がある。一般に、抵抗公差は0.5〜1桁程度で仕様化するが、使用環境(温湿度)や経時変化を含めると、到底先の公差範囲に収めることは難しいのが実状である。従って、抵抗フィードバック制御によって、系の抵抗に応じて転写バイアスを補正することが有効な手段となるが、系の抵抗が非常に高くなった場合、例えば、低温低湿環境又は経時変化によって部材の抵抗が上昇したとき、又は裏面印刷時(表面印刷時に定着器を通過することによって、媒体の含水率が低下し、媒体が高抵抗化する)に起因して、負荷電圧が急激に上昇することがある。このような場合には、高電圧が原因となって放電を起こし、また、印刷画像が乱れるという問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、転写時の高負荷に対し、負荷電圧の異常上昇を防止し、放電ノイズを抑制することによって高品質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有している。
即ち、本発明の画像形成装置は、複数の像担持体上に形成されたトナー画像を順次中間転写ベルト上に一次転写し、一次転写したトナー画像を二次転写手段で一括して記録媒体に二次転写する画像形成装置において、前記画像形成装置は、中間転写ベルトと、二次転写ローラと、前記中間転写ベルトの内側に配置され前記二次転写ローラと対向して転写ニップを形成する二次転写対向ローラと、この二次転写対向ローラ又は前記二次転写ローラに転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段とを備え、この転写バイアス印加手段は、定電流制御電源であるとともに、負荷電圧を計測する回路を有し、前記二次転写対向ローラに転写バイアスを印加する場合には、前記二次転写ローラを接地し、この二次転写ローラと前記二次転写対向ローラとを当接させた状態でトナーと同極性のバイアスを印加し、前記二次転写ローラに転写バイアスを印加する場合には、前記二次転写対向ローラを接地し、この二次転写対向ローラと前記二次転写ローラとを当接させた状態でトナーと逆極性のバイアスを印加し、前記二次転写ローラを中間転写ベルトに所定の荷重で当接させた状態で中間転写ベルト及び二次転写ローラを駆動させ、非通紙時に所定の電流又は電圧を前記二次転写対向ローラ又は二次転写ローラに印加した際に、負荷電圧又は負荷電流を計測して二次転写ニップ部の負荷を計測し、前記記録媒体にトナー画像を二次転写する際には、先に計測した二次転写ニップ部の負荷に適するように、予め設定した複数段階の転写電流テーブルから適正電流値を選択して転写電流を印加し、二次転写電流印加中には、負荷電圧を予め設定した閾値電圧以下に制御することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記非通紙時に印加する二次転写ニップ部の負荷を計測するバイアスが、画像部電流に用いる定電流制御電源を併用したものであることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記予め設定した複数段階の転写電流テーブルが、所定の負荷電圧によって、少なくとも2段階以上の負荷区分に分けられ、各区分に対応した少なくとも2段階以上の電流値が設定可能に形成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記閾値電圧が、所定の負荷電圧によって、少なくとも2段階以上の負荷区分に分けられ、各区分に対応した少なくとも2段階以上の電圧値が設定可能に形成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記転写電流テーブルが、温度および湿度によって電流値の異なる複数のテーブルを有し、使用環境に応じて前記複数のテーブルから所定の温度および湿度に割り当てられたテーブルを選択可能に形成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記閾値電圧が、温度および湿度によって異なる複数の電圧値を有し、使用環境に応じて前記複数の電圧値から所定の温度および湿度に割り当てられた電圧値を選択可能に形成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記転写電流テーブルが、記録媒体によって電流値の異なる複数のテーブルを有し、使用する記録媒体に応じて前記複数のテーブルから所定の記録媒体種に割り当てられたテーブルを選択可能に形成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記閾値電圧が、記録媒体によって異なる複数の電圧値を有し、使用する記録媒体に応じて前記複数の電圧値から所定の記録媒体種に割り当てられた電圧値を選択可能に形成されたものであることを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、二次転写負荷(抵抗)のバラツキに対して、転写バイアスを定電流制御するようにしたので、定電圧制御と比較して、転写バイアスの出力テーブルを簡易なものとすることができる。また、定電流制御に抵抗フィードバック制御を組合せることによって、機能部品(中間転写ベルト、転写ローラ、転写対向ローラ)の抵抗バラツキの許容範囲が広がる。更にまた、負荷電圧を閾値電圧以下となるように電流出力を制御することで、二次転写負荷が非常に高くなった場合においても、負荷電圧の異常上昇を防止し、放電ノイズを抑制することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、画像部電流に用いる定電流制御電源を併用することによって、負荷計測用の電源を別途設けなくてもよい利点を有する。
本発明の画像形成装置は、負荷に応じた適切な転写電流を選択することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、負荷に応じた適切な閾値電圧を選択することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、環境に適した転写電流を選択することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、環境に適した閾値電圧を設定することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、記録媒体特性に適した転写電流を選択することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、記録媒体特性に適した閾値電圧を選択することが可能となる。
以下、添付の図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために具体的な部材の名称を使用するが、これにより本発明を適用する範囲が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置における特徴部分である転写部の概略構成を示す図である。この画像形成装置は、装置本体中央部に位置する転写部10と、当該転写部10の下方に位置する図示省略した給紙部と、転写部10の上方に位置する図示省略した画像読取部とを備えて構成されている。
図1において、転写部10は、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト2と、この中間転写ベルト2の下面に配置されたドラム形状の感光体3Y、3C、3M、3Bからなる像担持体とから主として構成されている。中間転写ベルト2は、例えば、ポリイミド樹脂の単層で構成されており、その厚さは、例えば80μmである。
各感光体は、例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(B)の順で中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。中間転写ベルト2は、駆動ローラ11と、テンションローラ12、13に掛けわたされ、所定方向に搬送可能に支持されている。駆動ローラ11と中間転写ベルト2を挟んで対向する位置に、中間転写ベルト2の表面をクリーニングするクリーニング装置14が設けられている。
各感光体3Y、3M、3C、3Bは、それぞれ同じ方向に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、それぞれ回転過程において画像形成処理を実行する図示省略した帯電手段、光書き込み手段、作像手段、及び中間転写ベルト2を挟んで各感光体3Y、3M、3C、3Bと対向する位置に設けられた一次転写手段(4Y、4C、4M、4B)並びに図示省略した感光体クリーニング手段が配置されている。感光体3の表面は帯電手段によって一様に帯電され、光書き込み手段によって静電潜像が形成され、その後、作像手段によって前記静電潜像が可視化され、これによって感光体3表面にトナー画像が形成される。
図1中右端に位置する二次転写部には、中間転写ベルト2の外側転写面に当接するように二次転写ローラ5が配置されており、この二次転写ローラ5とは中間転写ベルト2を挟んで対向する位置の中間転写ベルト2の内側には二次転写対向ローラ9が配置されている。
二次転写ローラ5は、例えば導電性発泡ゴムで構成されており、その外径は、例えば17.5φ、軸芯は12φである。二次転写ローラ5の電気抵抗は、例えば7.5LogΩ(1000V印加時の全幅抵抗)である。一方、二次転写対向ローラ9の表面層は、例えばEPゴムで構成されており、その厚さは、例えば0.5mm厚である。また、二次転写対向ローラ9の外径は、例えば17.45φ(アルミ中空管+表面層)であり、電気抵抗は、例えば6.0LogΩ(100V印加時の全幅抵抗)である。なお、二次転写部以外の構成の詳細説明は割愛する。
中間転写ローラ5及び中間転写対向ローラ9の近傍には、二次転写バイアス印加手段6が設けられており、この二次転写バイアス印加手段6は中間転写ローラ5及び中間転写対向ローラ9に二次転写バイアスを印加する。二次転写バイアス印加手段は、例えば定電流制御電源からなり、中間転写ローラ5と中間転写対向ローラ9との当接部であるニップ部の負荷を常時モニターする負荷電圧計測回路15を備えている。転写ニップ部出口には定着手段8が配置されており、この定着手段8は、ニップ部で記録媒体7に転写されたトナー画像を定着する。
以下に、このような構成の転写部及びこの転写部を有する画像形成装置の動作を説明する。各感光体3Y、3C、3M、3Bの像担持面に形成されたトナー画像は、図示省略した一次転写バイアス印加手段によって転写バイアスが印加された一次転写手段4Y、4C、4M、4Bの作用によって、静電気力で中間転写ベルト2上に一次転写される。中間転写ベルト2上に転写されたトナー画像は、二次転写部で、例えば二次転写バイアス印加手段6の静電気力によって転写バイアスが印加された二次転写対向ローラ9の作用によって記録媒体7上に一括転写される。二次転写対向ローラ9への転写バイアスの印加は、例えば対向する二次転写ローラ5を接地させ、この二次転写ローラ5と二次転写対向ローラ9とを所定の荷重で接触させた状態で、二次転写対向ローラ9側からトナー画像のトナーと同極性の電流を印加することによって行われる。
一方、二次転写ローラ5への転写バイアスの印加は、例えば対向する二次転写対向ローラ9を接地させ、この二次転写対向ローラ9と二次転写ローラ5とを所定荷重で接触させた状態で、二次転写ローラ5側からトナー画像のトナーとは逆極性の電流を印加することによって行われる。記録媒体7上に転写されたトナー画像は、後流の定着手段8によって熱定着され、固定画像となる。
図2に、二次転写ローラ5の抵抗を振ったときの転写良好範囲を示す。使用した記録媒体7は、リコー社製タイプ6200(カラー印刷用普通紙)であり、転写良好範囲を確保するのが比較的難しい、裏面印刷時の特性を示している。転写電流に対して、ハーフトーンから二次色ベタまでが良好に転写される領域が図中の曲線で示されている。
縦軸は転写電流に対する負荷電圧を表している。図2において、二次転写ローラ抵抗ごとに、転写良好範囲を示すI−V特性の傾きは異なり、二次転写ローラ抵抗が高い、即ち、二次転写部の負荷が高い場合は、傾きが急で、二次転写ローラ抵抗が低い場合は、傾きが緩やかになっている。
二次転写バイアスの設定を全てのローラ抵抗に対して、単一にとろうとしたときに、電圧を基準にしても、電流を基準にしても不可能であることがわかる。一方で、二次転写ローラ5の抵抗バラツキを抑えることで、転写バイアスの設定を単一にすることは可能であるが、抵抗範囲を狭めると、ローラ製造時の歩留まりが低下し、コストが高くなってしまう。さらに、イオン導電性の材料を用いた場合には、温湿度環境によって、抵抗値は大きく変化するために、やはり、単一のバイアス設定値にて全ての抵抗範囲で良好な転写特性を得るのは困難となる。そこで、二次転写ローラ5の抵抗ごとに、最適な転写電流を設定することで、良好な転写性を確保することが可能となる。
転写バイアスを定電流制御としたときには、二次転写部の負荷が低い場合には、I−V特性が緩やかなために、転写電流をラフに設定することができるが、二次転写部の負荷が高い場合には、I−V特性が急峻であるために、設定可能な電流範囲が狭くなってしまい、高精度の設定を要求されるのに加え、外乱によって、転写良好範囲を逸脱してしまう可能性が高くなる。転写バイアスを定電圧制御としたときには、定電流制御とは逆に、二次転写部の負荷が低い場合に、I−V特性が緩やかであるために、設定可能な電流範囲が狭くなってしまう。
本実施形態では、二次転写部の負荷に適した複数の転写電流を設定し、かつ、負荷の高い場合での高精度なバイアス設定のために、負荷に応じた閾値電圧を予め設定することで、転写良好領域を高精度で確保できるようにした。
以下に、本実施形態における画像形成装置の制御方式を詳細に説明する。
<二次転写バイアス設定からバイアス印加までの流れ>
1.二次転写部負荷のモニター
印刷時、中間転写ベルト2と二次転写ローラ5を当接させ、中間転写ベルト2を駆動させて、中間転写ベルト2上に感光体表面に形成されたトナー画像を一次転写し、一次転写されたトナー画像が二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて、記録媒体7を二次転写部に搬送し、所定の転写バイアスを印加することで二次転写を行うが、ベルト駆動を開始して、中間転写ベルト2上のトナー画像が二次転写部に搬送されるまでの間に、二次転写対向ローラ9に所定の電流を印加し、記録媒体7のない状態での二次転写部の負荷、即ち、負荷電圧をモニターする。本実施形態では、−30μAのモニター電流を印加し、16ms毎に負荷電圧をサンプリングし、80回のサンプリングデータを単純平均して負荷電圧を決定した。
2.二次転写部の負荷区分と各区分毎の転写電流設定
図3に、二次転写ローラ抵抗を振ったときの負荷電圧を示す。
モニター電流に対して、負荷電圧が−1kVを閾値電圧1、−2kVを閾値電圧2とし、この閾値電圧を境に、二次転写部の負荷を3つの区分に分割し、図4に示す通り、区分毎に最適な二次転写電流値1〜3を設定した。
ここで、二次転写ローラ抵抗が8.2LogΩの場合に、転写電流設定1(−25μA)では、負荷電圧が高くなりすぎ、転写良好範囲を逸脱してしまう。
3.二次転写部の負荷区分と区分毎のリミッタ電圧設定
二次転写ローラ抵抗が高い(二次転写部の負荷が高い)場合、転写良好範囲内で転写電流値を設定するには、さらに抵抗区分を詳細に分割し、抵抗区分と電流設定値を増やすことで対応可能だが、転写電流値の設定が複雑になるばかりでなく、記録媒体や環境、さらには上流システム(現像など)の影響などの外乱に対して、柔軟に対応することは難しくなる。
そこで、本実施形態では図5に示すように、各抵抗区分に対して、負荷電圧の上限値、即ち、リミッタ電圧を設定することで、抵抗区分を増やすことなく、少ない電流設定値で転写良好範囲内でのバイアス設定を行うことができる。具体的には、抵抗8.2LogΩの二次転写ローラ5を用いたときには、電流設定値1(−25μA)を用いると、そのときの負荷電圧は−5kVを超え、放電によって、画像不良が発生することになるが、本実施形態では、リミッタ電圧を−4kVに設定し、電流過多の状態でも、負荷電圧を最適値内に制御することで、転写良好範囲内での転写を可能とした。
リミッタ電圧の制御は、負荷電圧が閾値電圧であるリミッタ電圧を超えると、20ms毎に2μAずつ制御電流値を低下させ、目標電圧(リミッタ電圧値)に近づくようにし、制御中にリミッタ電圧を下回ると、20ms毎に1μAずつ制御電流を上昇させ、目標電圧を保つようにした。
なお、モニター電流値、電圧閾値、二次転写電流設定値及びリミッタ電圧設定値は、それぞれ予め設定した複数段階の転写電流テーブルを備えている。転写電流テーブルは、温度及び湿度によって電流値の異なる複数のテーブルを有し、使用環境に応じて前記複数のテーブルから所定の温度及び湿度に割り当てられたテーブルが選択される。また、転写電流テーブルは、記録媒体によって電流値の異なる複数のテーブルを有し、使用する記録媒体に応じて前記複数のテーブルから所定の記録媒体種に割り当てられたテーブルが選択される。更に、システム速度(ベルト速度)によって、制御しやすいように変更することもできる。
なお、本実施形態では抵抗区分を3区分としたが、これに限定されることはない。
本実施形態に係る画像形成装置の中間転写体を示した概略構成図である。 二次転写電流と負荷電圧の関係を示した図である。 二次転写ローラ抵抗と負荷電圧の関係を示した図である。 二次転写電流と負荷電圧の関係を示した図である。 二次転写電流と負荷電圧の関係を示した図である。
符号の説明
2:中間転写ベルト
3:感光体
4:一次転写手段
5:二次転写ローラ
6:二次転写バイアス印加手段
7:記録媒体
8:定着手段
9:二次転写対向ローラ
10:転写部
11:駆動ローラ
12、13:テンションローラ
14:クリーニング装置
15:負荷電圧計測回路

Claims (8)

  1. 複数の像担持体上に形成されたトナー画像を順次中間転写ベルト上に一次転写し、一次転写したトナー画像を二次転写手段で一括して記録媒体に二次転写する画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、中間転写ベルトと、二次転写ローラと、前記中間転写ベルトの内側に配置され前記二次転写ローラと対向して転写ニップを形成する二次転写対向ローラと、この二次転写対向ローラ又は前記二次転写ローラに転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段とを備え、
    この転写バイアス印加手段は、定電流制御電源であるとともに、負荷電圧を計測する回路を有し、
    前記二次転写対向ローラに転写バイアスを印加する場合には、前記二次転写ローラを接地し、この二次転写ローラと前記二次転写対向ローラとを当接させた状態でトナーと同極性のバイアスを印加し、
    前記二次転写ローラに転写バイアスを印加する場合には、前記二次転写対向ローラを接地し、この二次転写対向ローラと前記二次転写ローラとを当接させた状態でトナーと逆極性のバイアスを印加し、
    前記二次転写ローラを中間転写ベルトに所定の荷重で当接させた状態で中間転写ベルト及び二次転写ローラを駆動させ、非通紙時に所定の電流又は電圧を前記二次転写対向ローラ又は二次転写ローラに印加した際に、負荷電圧又は負荷電流を計測して二次転写ニップ部の負荷を計測し、
    前記記録媒体にトナー画像を二次転写する際には、先に計測した二次転写ニップ部の負荷に適するように、予め設定した複数段階の転写電流テーブルから適正電流値を選択して転写電流を印加し、
    二次転写電流印加中には、負荷電圧を予め設定した閾値電圧以下に制御する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記非通紙時に印加する二次転写ニップ部の負荷を計測するバイアスは、画像部電流に用いる定電流制御電源を併用したものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記予め設定した複数段階の転写電流テーブルは、所定の負荷電圧によって、少なくとも2段階以上の負荷区分に分けられ、
    各区分に対応した少なくとも2段階以上の電流値が設定可能に形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記閾値電圧は、所定の負荷電圧によって、少なくとも2段階以上の負荷区分に分けられ、各区分に対応した少なくとも2段階以上の電圧値が設定可能に形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記転写電流テーブルは、温度および湿度によって電流値の異なる複数のテーブルを有し、使用環境に応じて前記複数のテーブルから所定の温度および湿度に割り当てられたテーブルを選択可能に形成されたものである
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記閾値電圧は、温度および湿度によって異なる複数の電圧値を有し、使用環境に応じて前記複数の電圧値から所定の温度および湿度に割り当てられた電圧値を選択可能に形成されたものである
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記転写電流テーブルは、記録媒体によって電流値の異なる複数のテーブルを有し、使用する記録媒体に応じて前記複数のテーブルから所定の記録媒体種に割り当てられたテーブルを選択可能に形成されたものである
    ことを特徴とする請求項3または請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記閾値電圧は、記録媒体によって異なる複数の電圧値を有し、使用する記録媒体に応じて前記複数の電圧値から所定の記録媒体種に割り当てられた電圧値を選択可能に形成されたものである
    ことを特徴とする請求項4または請求項6に記載の画像形成装置。
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