JP2006292273A - 熱電併給システム - Google Patents

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靖明 狩野
Hideo Kashima
秀雄 加島
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Abstract

【課題】季節、時刻等の変動によらず常に所望の給湯、暖房を実現可能な熱電併給システムを提供する。
【解決手段】作動媒体を蒸発可能な第1の蒸発器と、蒸発された作動媒体を膨張させる膨張機と、膨張機からの作動媒体を凝縮させる第1の凝縮器と、第1の凝縮器からの作動媒体を前記第1の蒸発器に送るポンプとを備えたランキンサイクルであって、前記膨張機に発電機を連結して作動媒体の膨張仕事を電力として取り出し可能に構成するとともに、前記第1の凝縮器における放熱を熱源として利用可能な熱電併給システムにおいて、第2の蒸発器で蒸発された作動媒体を圧縮する圧縮機と、圧縮機からの作動媒体を凝縮させる第2の凝縮器と、第2の凝縮器からの作動媒体を絞り機構を介して前記第2の蒸発器に戻すヒートポンプサイクルを設けるとともに、前記第1の凝縮器と第2の蒸発器との作動媒体同士を熱交換可能に構成したことを特徴とする熱電併給システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば太陽光からの受熱により動力を取り出すランキンサイクルを利用し、発電、給湯、暖房を同時にあるいは別々に行なう熱電併給システムに関する。
従来から、ランキンサイクルを利用し発電、給湯、暖房が可能な熱電併給装置はよく知られている(特許文献1)。このようなシステムにおいては、ランキンサイクルにおける膨張機における膨張仕事を電力として取り出すとともに、凝縮器における放熱を熱源として利用し給湯、暖房等が行なわれるようになっている。
しかし、上記のようなシステムにおいては、ランキンサイクルにおける凝縮器の温度に応じて、給湯、暖房の温度が決定されるため、凝縮器における冷媒温度が低温となり放熱量少のない場合には所望の給湯、暖房が行なえなくなるおそれがある。とくに、ランキンサイクルの蒸発器の熱源を太陽熱等に依存する場合には、季節、時刻、天候等により所望の給湯、暖房が実現できなくなるおそれがある。
特開2001−248539号公報
そこで、本発明の課題は、季節、時刻等の変動によらず常に所望の給湯、暖房を実現可能な熱電併給システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る熱電併給システムは、作動媒体を蒸発可能な第1の蒸発器と、蒸発された作動媒体を膨張させる膨張機と、膨張機からの作動媒体を凝縮させる第1の凝縮器と、第1の凝縮器からの作動媒体を前記第1の蒸発器に送るポンプとを備えたランキンサイクルであって、前記膨張機に発電機を連結して作動媒体の膨張仕事を電力として取り出し可能に構成するとともに、前記第1の凝縮器における放熱を熱源として利用可能な熱電併給システムにおいて、第2の蒸発器で膨張された作動媒体を圧縮する圧縮機と、圧縮機からの作動媒体を凝縮させる第2の凝縮器と、第2の凝縮器からの作動媒体を絞り機構を介して前記第2の蒸発器に戻すヒートポンプサイクルを設けるとともに、前記第1の凝縮器と第2の蒸発器との作動媒体同士を熱交換可能に構成したことを特徴とするものからなる。このような構成においては、ランキンサイクルにおける第1の凝縮器とヒートポンプサイクルおける第2の蒸発器との作動媒体の間において熱交換がされるので、第2の蒸発器における作動媒体温度と第1の凝縮器における作動媒体温度を同じにすることができる。つまり、本発明に係る熱電併給システムにおいては、第1の凝縮器の放熱は直接暖房、給湯の熱源として利用されるのではなく、第2の蒸発器における作動媒体の加熱用の熱源として活用される。したがって、第2の蒸発器における作動媒体が第1の凝縮器における放熱を利用し効率的に加熱される。このため、第2の凝縮器に至る作動媒体の温度を上昇させることができるので、該第2の凝縮器において常に十分な放熱量を確保でき、季節、時刻等の変動によらず常に所望の給湯、暖房を実現できる。
上記のような熱電併給システムにおいては、第1の凝縮器と第2の蒸発器とは実質的に一つの熱交換器から構成できる。
上記第2の凝縮器における放熱は、給湯および/または暖房に利用できる。たとえば、第1の凝縮器における放熱により水、大気、ブラインを加熱することにより、給湯、暖房を行なうことができる。
本発明に係る熱電併給システムによれば、ランキンサイクルにおける第1の凝縮器とヒートポンプサイクルおける第2の蒸発器との作動媒体の間において熱交換がされるので、第2の蒸発器における作動媒体温度と第1の凝縮器における作動媒体温度を同じにすることができる。このため、第2の凝縮器に至る作動媒体の温度を上昇させることができるので、該第2の凝縮器において常に十分な放熱量を確保でき、季節、時刻等の変動によらず常に所望の給湯、暖房を実現できる。
以下に、本発明の熱電併給システムの望ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る熱電併給システムを示している。図1において、1は熱電併給システムを示している。熱電併給システム1は、ランキンサイクル2とヒートポンプサイクル3とを有している。
ランキンサイクル2は、太陽熱等により冷媒(作動媒体)を蒸発させる第1の蒸発器4と、該第1の蒸発器4で蒸発された冷媒を膨張させる膨張機5と、膨張機5からの冷媒を凝縮させる第1の凝縮器6と、第1の凝縮器6からの冷媒を第1の蒸発器4に送るポンプ7とを備えている。また、膨張機5には発電機8が連結されており冷媒の膨張仕事が電力として取り出されるようになっている。
ヒートポンプサイクル3は、第2の蒸発器9で膨張された冷媒を圧縮する圧縮機10と、圧縮機10からの冷媒を凝縮させる第2の凝縮器11と、第2の凝縮器11からの作動媒体を絞り機構12を介して前記第2の蒸発器9に戻すヒートポンプサイクルに構成されている。なお、圧縮機10はモータ13により駆動されるようになっている。
ランキンサイクル2の第1の凝縮器6の冷媒と、ヒートポンプサイクル3の第2の蒸発器9の冷媒は互いに熱交換可能になっている。つまり、第1の凝縮器6内の冷媒と、第2の蒸発器9内の冷媒とが熱交換可能されるようになっており、本実施態様においては、第1の凝縮器6と第2の蒸発器9は実質的に一つの熱交換器14に構成されている。このような構成においては、第2の蒸発器9における冷媒温度と第1の凝縮器6における冷媒温度を同じにすることができる。つまり、本発明に係る熱電併給システムにおいては、第1の凝縮器6の放熱は直接暖房、給湯の熱源として利用されるのではなく、第2の蒸発器9における冷媒の加熱用の熱源として活用される。したがって、第2の蒸発器9における冷媒が第1の凝縮器6における放熱を利用し効率的に加熱される。このため、第2の凝縮器11に至る作動媒体の温度を上昇させることができるので、該第2の凝縮器11において常に十分な放熱量を確保でき、季節、時刻等の変動によらず常に所望の給湯、暖房を実現できる。
図1における点線矢印は、第2の凝縮器11において加熱される大気、水、ブラインの配管15を示している。第2の凝縮器11において、大気、水、ブラインが加熱されることにより給湯、暖房の熱源として利用されるようになっている。なお、大気が加熱される場合においては、該加熱された大気をそのまま暖房に供することもできる。また、水が加熱される場合には、該加熱された水をそのまま給湯に供することもできる。配管15には弁(図示略)が設けられている。該弁を閉としてランキンサイクル2を運転すれば、給湯、暖房は行なわれず、発電のみが行なわれる。また、膨張機5と発電機8との間にクラッチ機構(図示略)が設けられている。したがって、ランキンサイクル2およびヒートポンプサイクル3の運転により給湯、暖房のみ行なうこともできる。つまり、図1の熱電併給システムにおいては、発電、給湯、暖房を同時にまたは独立して実施することができる。
上記のような圧力−エンタルピーの関係を図2に示す。ランキンサイクル2の動作サイクルは、A−B−C−D−Aの順に変化する。ここで、A−Bは第1の蒸発器4による蒸発過程、B−Cは膨張機5による膨張過程、C−Dは第1の凝縮器6による凝縮過程、D−Aは第1の凝縮器6から第1の蒸発器4に至る冷媒流路を示している。また、ヒートポンプサイクル3の動作サイクルは、G−F−E−D−Gの順に変化する。ここで、G−Fは圧縮機10による圧縮過程、F−Eは第2の凝縮器11による凝縮過程、E−Dは絞り機構12を介して第2の蒸発器9に至る冷媒流路を、D−Gは第2の蒸発器9による蒸発過程を示している。本実施態様においては、第1の凝縮器6と第2の蒸発器9は実質的に一つの熱交換器14に構成されているので、ランキンサイクル2の第1の凝縮器6による凝縮過程C−Dと、ヒートポンプサイクル3の第2の蒸発器9による蒸発過程D−Gは互いに別方向に進行しながら重なり合う。つまり、第1の凝縮器6の冷媒と第2の蒸発器9の冷媒とが熱交換され、第1の凝縮器6の冷媒温度が第2の蒸発器9の冷媒温度まで加熱さることが分かる。
なお、本実施態様においては、ランキンサイクル2における蒸発器4の熱源を太陽光、地熱等の自然エネルギーが利用されているが、これ以外たとえばガスボイラ、石油ボイラ、電気ボイラ等を熱源とすることができる。
本発明は、熱電併給システム全般に適用できるが、とくにランキンサイクルにおける蒸発器の熱源を太陽光、地熱等の自然エネルギーに依存する熱電併給システムに好適である。
本発明の一実施態様に係る熱電併給システムの概略構成図ある。 図1におけるランキンサイクルとヒートポンプサイクルの圧力−エンタルピー線図である。
符号の説明
1 熱電併給システム
2 ランキンサイクル
3 ヒートポンプサイクル
4 第1の蒸発器
5 膨張機
6 第1の凝縮器
7 ポンプ
8 発電機
9 第2の蒸発器
10 圧縮機
11 第2の凝縮器
12 絞り機構
13 モータ
14 熱交換器
15 配管

Claims (6)

  1. 作動媒体を蒸発可能な第1の蒸発器と、蒸発された作動媒体を膨張させる膨張機と、膨張機からの作動媒体を凝縮させる第1の凝縮器と、第1の凝縮器からの作動媒体を前記第1の蒸発器に送るポンプとを備えたランキンサイクルであって、前記膨張機に発電機を連結して作動媒体の膨張仕事を電力として取り出し可能に構成するとともに、前記第1の凝縮器における放熱を熱源として利用可能な熱電併給システムにおいて、第2の蒸発器で蒸発された作動媒体を圧縮する圧縮機と、圧縮機からの作動媒体を凝縮させる第2の凝縮器と、第2の凝縮器からの作動媒体を絞り機構を介して前記第2の蒸発器に戻すヒートポンプサイクルを設けるとともに、前記第1の凝縮器と第2の蒸発器との作動媒体同士を熱交換可能に構成したことを特徴とする熱電併給システム。
  2. 前記第1の凝縮器と第2の蒸発器とが、実質的に一つの熱交換器からなる、請求項1の熱電併給システム。
  3. 前記第2の凝縮器における放熱が給湯および/または暖房に利用される、請求項1または2の熱電併給システム。
  4. 前記第2の凝縮器における放熱により、大気、水、ブラインのうちから選択された少なくとも一つが加熱される請求項1ないし3のいずれかに記載の熱電併給システム。
  5. 発電、給湯、暖房が同時にまたは独立に実施可能に構成されている、請求項3または4の熱電併給システム。
  6. 前記第1の蒸発器において作動媒体を蒸発させる熱源が、太陽熱、地熱等の自然エネルギーである、請求項1ないし5のいずれかに記載の熱電併給システム。

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