JP2006291446A - 積層メルトブローン不織布およびワイパー - Google Patents

積層メルトブローン不織布およびワイパー Download PDF

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Abstract

【課題】 がさがさした独特の風合いを有する積層メルトブローン不織布、対物向けあるいは対人向けに好適なワイパーを提供する。
【解決手段】 メルトブローンウェブ(1)において隣接するメルトブロー単繊維(2)同士が複数本集束されて、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部(4)を形成している連結繊維(3)を含むメルトブローン不織布と、他の繊維集合物として開孔不織布を積層することにより、不織布表面が硬く耐摩耗性に優れ、洗浄剤を付与したときの泡立ち性に優れ、ひいては対象面の汚れに対する拭き取り性に優れたワイパーに有用な積層メルトブローン不織布を得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、がさがさした独特の風合いを有する積層メルトブローン不織布に関し、さらに詳しくはガラス、金属、プラスチック、タイル等の拭き取りや研磨に使用する家庭用あるいは業務用などの対物向け、あるいは皮膚の角質やこびりついた汚れ等の拭き取りに使用する対人向けに好適なワイパーに関する。
窓ガラス、風呂のタイル、床面のプラスチックタイル、食器、流し台、レンジ等にこびりついた汚れは、従来の不織布に洗浄剤を含浸させたワイパーでは完全に落ちない場合が多い。そのため研磨剤微粒子を混合した洗浄剤を含浸させたワイパーや、研磨剤微粒子を不織布に固着させたワイパーが用いられていた。
一方、ワイパー用の不織布は洗浄剤を保持するための親水性層と汚れを拭き取るための疎水性層を重ね合わせて構成するものが知られており、疎水性層にメルトブローン不織布を使用するものとして例えば、特開平6−99533号公報(特許文献1)には、メルトブローン不織布と保水性を有する不織布との張り合わせ複合体によるワイピングクロスの例が記載されている。特開平6−294060号公報(特許文献2)には、ハイドロエンタングリング処理された不織布とメルトブローン不織布とを結合した複合不織布を使い捨て雑巾に使用する例が記載されている。特開平10−57292号公報(特許文献3)には、片表面がメルトブローン不織布である水流交絡した不織布を精密機器製造用クリーニングシートに使用する例が記載されている。特開平11−343500号公報(特許文献4)には、親油性繊維と親水性繊維の混合不織布とメルトブローン不織布とを積層した清掃用シートが記載されている。
さらに、特開2000−93382号公報(特許文献5)には、熱可塑性繊維シートを熱処理することにより溶融成分を繊維上に瘤状に固めて瘤状固体とし、繊維表面の瘤状固体によりこびりついた汚れを磨きとり、その後磨きおとされた汚れを嵩高な不織布ウェブの繊維との絡みで保持する研磨用シートが提案されている。
特開平6−99533号公報 特開平6−294060号公報 特開平10−57292号公報 特開平11−343500号公報 特開2000−93382号公報
しかしながら、上記ワイパーには以下の問題点が挙げられる。例えば、特開平6−99533号公報、特開平6−294060号公報、特開平10−57292号公報、および特開平11−343500号公報では、通常のメルトブローン不織布を使用するため拭き取り表面が柔らかすぎて強固にこびりついた汚れを落とすには向いていない。また、特開2000−93382号のように、単繊維の表面に設けられる瘤状固体はごく小さなものであるから、これも強固な汚れは容易に落とせない。また、繊維の表面上に溶融樹脂の瘤状固体をつくることは、熱風処理、熱ロール処理等の通常の熱処理方法では容易にできない。
本発明は、かかる課題を鑑みてなされたものであり、従来の不織布表面が柔らかいメルトブローン不織布では達成できなかった不織布表面が硬く、がさがさした独特の風合いを有し、耐摩耗性に優れるメルトブローン不織布を提供することを目的とする。特に、研磨剤微粒子を用いずともガラス、金属、プラスチック、タイル等にこびりついた汚れの拭き取りや研磨し得るワイパー、あるいは皮膚の角質やこびりついた汚れ等人体の拭き取りに使用し得るワイパーを提供することを目的とする。さらに、洗浄剤を付与したときの泡立ち性に優れ、ひいては対象面の汚れに対する拭き取り性に優れたワイパーを提供することを目的とする。
本発明者等は、メルトブローンウェブにおいてメルトブロー単繊維同士が複数本集束して接着した連結繊維を形成することにより、不織布表面が硬く、がさがさした独特の風合いを有し、耐摩耗性に優れるメルトブローン不織布、積層メルトブローン不織布、およびこびりついた汚れの拭き取りや研磨し得るワイパーを得ることを見い出し、本発明に至った。すなわち、本発明の積層メルトブローン不織布は、メルトブローンウェブにおいて隣り合うメルトブロー単繊維同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成している連結繊維を含むメルトブローン不織布と、他の繊維集合物とが積層されており、前記他の繊維集合物が開孔不織布であり、前記メルトブローンウェブが少なくとも一方の表面を構成していることを特徴とする。
本発明のワイパーは、前記積層メルトブローン不織布からなり、メルトブローンウェブ表面が拭き取り表面を構成してなることを特徴とする。
本発明の洗浄用ワイパーは、前記積層メルトブローン不織布に、洗浄剤が付与されてなることを特徴とする。
本発明の積層メルトブローン不織布は、メルトブローンウェブ中にメルトブロー単繊維同士が複数本集束し接着した連結繊維を形成させることにより、不織布表面が硬く、がさがさした独特の風合いを有し、耐摩耗性に優れた不織布が得られ、ワイパー、フィルターなどの用途に有用である。また、前記メルトブローンウェブが少なくとも一方の表面をなして他の繊維集合物と積層されることにより、親水性などの機能を付与することができ、例えば液体などを保液させるのに有用である。さらに、前記他の繊維集合物として開孔不織布を用いることにより、洗浄剤を付与したときの泡立ち性に優れ、ひいては対象面の汚れに対する拭き取り性に優れたワイパーを得ることができる。
本発明のワイパーは、前記メルトブローンウェブが拭き取り表面を構成することにより、研磨剤微粒子を用いずともガラス、金属、プラスチック、タイル等にこびりついた汚れの拭き取りや研磨し得るワイパー、あるいは皮膚の角質やこびりついた汚れ等人体の拭き取りに使用し得るワイパーに有用である。
本発明の洗浄用ワイパーは、前記不織布に洗浄剤を付与することにより、対象面の汚れ等に対する洗浄効果を向上させることができる。また、前記積層メルトブローン不織布において、他の繊維集合物として開孔不織布を用いることにより、洗浄剤の泡立ち性に優れ、対象面の汚れ等に対する洗浄効果をさらに向上させることができる。
本発明の積層メルトブローン不織布におけるメルトブローンウェブは、隣り合うメルトブロー単繊維同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成している連結繊維を含むものである。ここでいう連結繊維における複数本集束とは、2〜20本程度の単繊維が束状となって集合した状態を指す。好ましい集束本数は、2〜10本である。そして集束されて繊維相互が接触している箇所が主として接着されて連結部を形成している。前記連結部における接着は、単繊維を構成する樹脂の溶融によってなされ、繊維長さ方向の少なくとも一部で形成されているとよく、長さ方向全体であってもよい。前記連結部は、繊維長さ方向の1mm以上にわたり形成していることが好ましい。より好ましい連結部の長さは、3mm以上である。連結部の長さが1mm以上であると、連結部の強度が向上して繊維強度が向上し、ひいては不織布表面が硬く、がさがさした独特の風合いを有し、耐摩耗性に優れたメルトブローン不織布が得られる。なお前記連結部は、不織布表面を電子顕微鏡で30倍以上に拡大すれば確認することができる。
以下、本発明の積層メルトブローン不織布を図面により説明する。図1は、本発明に用いられるメルトブローン不織布表面の模式図を示す。本発明の積層メルトブローン不織布は、メルトブローンウェブ(1)において隣り合うメルトブロー単繊維(2)同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部(4)を形成している連結繊維(3)を含んでいる。
前記連結繊維は、メルトブローンウェブを構成する繊維との交点で接着していることが好ましい。さらに、メルトブローンウェブを構成する繊維全体としても溶融し接着していることが好ましい。連結繊維とメルトブローンウェブを構成する繊維とが接着することにより、不織布表面がより硬く、がさがさした独特の風合いを有し、耐摩耗性に優れ、好ましい。
前記連結繊維は、不織布表面を電子顕微鏡で40倍に拡大したとき、1mm四方あたり不織布表層部に3本以上存在することが好ましい。ここでいう不織布表層部とは、不織布表面を電子顕微鏡で撮影したときに視認できる範囲のことをいう。より好ましい連結繊維量は、不織布表層部に5本以上である。連結繊維量が不織布表層部に3本未満であると、不織布表面が硬く、がさがさした独特の風合いを発現することができず、耐摩耗性にも劣る傾向であり、ひいてはワイパーに用いたときのこびりついた汚れの拭き取り性に劣るからである。なお連結繊維は、不織布表層部に存在するだけでなく、連結繊維やメルトブロー単繊維が接着しながら重なり合って、不織布内部にも存在していることが好ましい。
前記メルトブローンウェブからなるメルトブローン不織布は、不織布表面が硬く、手触りがガサガサした状態になっており、従来の単繊維1本ずつが集積したのみのメルトブローン不織布とは異なり、耐摩耗性に優れ、特にこびりついた汚れを拭き取るのに有効に働くワイパーを得ることが可能となる。本発明の積層メルトブローン不織布の詳細な内容を製造方法の一例とともに説明する。
前記メルトブローン不織布に用いられる樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂などメルトブロー繊維形成性を有する樹脂であれば特に限定されないが、メルトブロー紡糸時に前記連結繊維を効率よく紡糸するには、軟化点が低く、結晶化速度の遅い樹脂を用いることが好ましく、前記樹脂によれば、紡糸ノズルから紡糸されたメルトブロー繊維がコンベア(ウェブ搬送用、あるいはパターン形成用などとして用いる)またはコンベア上に載置された他の繊維集合物と接するまでの間に冷却されて樹脂温度が低下してもまだ軟化または溶融状態にあるので、単繊維同士が集束され、接着して連結繊維を得ることができ、好ましい。前記樹脂としては、例えば、共重合ポリエステル、ポリブテン−1などが挙げられるが、特にポリブテン−1は紡糸時に集束して相互に接着した連結部を形成し易いとともに、メルトブローンウェブを構成する繊維と接着し易いだけでなく、適度な不織布表面硬さ、具体的にはこびりついた汚れを拭き取るのに好適な不織布表面硬さを得ることができ、好ましい。
前記メルトブローン不織布を構成する繊維形態は、単一繊維、複合繊維のいずれであってもよく、繊維断面形状も円形、異形、中空などいずれであってもよい。メルトブロー紡糸時に連結繊維を効率よく紡糸するには、融点が異なる2以上の樹脂(低融点樹脂と、低融点樹脂より融点が高い高融点樹脂)からなり、鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、多層型、分割型などの断面構造を有し、低融点樹脂が繊維表面の過半を占めるように配置された複合繊維であることが好ましい。最も好ましい繊維形態は、低融点樹脂が繊維表面を完全に被覆した複合繊維である。上記した複合繊維によれば、連結繊維を安定して得ることができるだけでなく、後述する他の繊維集合物と積層する場合に、複合繊維を紡糸しながら未だ固化されない軟化または溶融状態で集積したときに他の繊維集合物との接着性に優れる、または複合繊維からなるメルトブローンウェブと他の繊維集合物とを積層した後、熱処理等による接着性に優れるからである。
また、前記複合繊維を構成する融点が異なる2以上の樹脂としては、低融点樹脂と、低融点樹脂より融点が10℃以上高い高融点樹脂からなる複合繊維であることが好ましい。かかる構成によれば、安定して連結繊維を得ることができるからである。
前記融点が異なる2以上の樹脂の組み合わせとしては、特に限定するものではないが、ポリブテン−1とポリプロピレンの組み合わせ、あるいはポリブテン−1とポリエステルの組み合わせが紡糸性の点で好ましい。
メルトブロー紡糸時に連結繊維を効率よく紡糸するには、紡糸ノズルの吐出孔間隔(吐出孔の中心間の距離)を0.5〜8mmの範囲にすることが好ましい。より好ましい吐出孔間隔は、0.6〜2mmの範囲である。紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.5mm未満では、紡糸ノズル自体の作製が困難であり、吐出孔間隔が8mmを超えると、隣り合う単繊維同士がコンベアまたはコンベア上に載置した他の繊維集合物と接するまでに集束し接着することが困難となるからである。
また、前記メルトブローン不織布においては、メルトブロー単繊維自体の平均繊維径が10μm以上となるように紡糸することが好ましく、吐出量を多くし、熱風流速を低くすることで平均繊維径を調整することが可能である。より好ましい平均繊維径の下限は、12μmである。さらに好ましい平均繊維径の下限は、15μmである。好ましい平均繊維径の上限は、30μmである。より好ましい平均繊維径の上限は、25μmである。ここでいう平均繊維径は、不織布表面を電子顕微鏡で500倍に拡大したとき、150本の繊維の直径を測定した中位値で示す。ただし、前記連結繊維において連結部の境界が電子顕微鏡で視認できる場合であれば、それぞれを単繊維に分けて測定することとした。
また、前記平均繊維径は、紡糸する樹脂の溶融粘度を低くして調整することでも可能である。例えば、メルトフローレート(MFR;g/10分)(JIS−K−6760に準じ、測定温度は樹脂の融点が200℃以下のとき230℃、樹脂の融点が200℃を超えるとき290℃、加重は2.16kg(21.2N))が、5<MFR<200である樹脂を用いることが好ましい。
紡糸ノズルと、コンベアまたは繊維集合物との距離は、5〜30cmであることが好ましい。より好ましい距離は、10〜20cmである。紡糸ノズルと、コンベアまたは繊維集合物との距離が5cm未満であると、紡糸後の冷却が不十分となり繊維形状を保持することが困難となり、不織布自体がフィルム様で風合いが硬くなりすぎる恐れがある。紡糸ノズルと、コンベアまたは繊維集合物との距離が30cmを超えると、メルトブローンウェブを構成する繊維同士の接着が不十分となる恐れがある。
前記メルトブローン不織布を得るためには、紡糸ノズルとコンベア間の距離とエアの流量、速度と溶融樹脂のノズル単孔あたりの吐出量を調整することが可能である。具体的な一例としては、紡糸ノズルとコンベアとの距離が15cmの場合、エア流量は5m3/分以上、エア速度は約100m/秒、吐出量は0.3g/孔・分程度とするとよい。
本発明では、メルトブロー繊維をコンベア上に直接吹き付けて繊維同士を接着させたメルトブローンウェブとしてもよいし、コンベア上に載置した他の繊維集合物の上にメルトブロー繊維を吹き付け、メルトブローンウェブを構成するメルトブロー繊維同士を接着させるとともに他の繊維集合物を構成する繊維と接合させてもよい。
前記コンベア上、またはコンベア上に載置した他の繊維集合物の上に集積されたメルトブローンウェブは、必要に応じて、熱風加工機、熱ロール加工機など公知の熱処理により構成する繊維を熱接着させて、不織布表面の硬さを調整することが可能である。他の繊維集合物と積層した場合であれば、メルトブローンウェブと他の繊維集合物との層間の接着性を向上させることができ、好ましい。
前記メルトブローン不織布は、目付が10〜200g/m2であることが好ましい。より好ましいメルトブローン不織布の目付は、15〜80g/m2である。メルトブローン不織布の目付が10g/m2未満であると、不織布強度が低下し、使用中に破れる恐れがある。メルトブローン不織布の目付が200g/m2を超えると、繊維が密集し過ぎて不織布表面が平滑になり、ワイパーとして用いた場合、こびりついた汚れの拭き取り性に劣る恐れがある。
例えば、積層メルトブローン不織布として使用する場合、窓ガラス、台所の流し台、レンジ、オーブン、洗面台、風呂場のタイル等の対物向けワイパーであれば、メルトブローン不織布の目付は30〜80g/m2が適当である。また、皮膚の角質やこびりついた汚れ等の拭き取りに使用する対人向けワイパーであれば、メルトブローン不織布の目付は15〜60g/m2が適当である。
本発明の積層メルトブローン不織布では、前記メルトブローンウェブが他の繊維集合物と積層されてなり、メルトブローンウェブが少なくとも一方の表面を構成してなるものが用いられる。メルトブローンウェブと積層される他の繊維集合物としては、開孔不織布が用いられ、ワイパーとして用いる場合、親水性繊維を30質量%以上含む親水性繊維集合物であることが好ましい。親水性繊維を30質量%以上含むことにより、水分や洗浄剤など薬液の保持を十分にすることができ、例えばウェットワイパーとして使用する場合、洗浄剤の含浸性に優れるので好ましい。親水性繊維集合物におけるより好ましい親水性繊維の含有量は、50質量%以上である。
前記親水性繊維は、レーヨン、天然綿、キュプラ等の汎用される繊維であればよいが、特にレーヨン繊維は、繊度、繊維長の設定が容易であり使用に適している。親水性繊維は100質量%であってもよいが、70質量%以下の他の繊維を混綿して不織布の強力、硬さを増すことも可能である。他の繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等が、その融点以上に加熱して隣接する親水性繊維を接着し不織布の引張強力や嵩高さを増すために適当である。特に、二つの成分からなる複合繊維は、熱接着と不織布の硬さ、強力の補強に有利である。例えば、ポリエチレンを熱接着成分、ポリプロピレンやポリエステルを補強成分とする並列型、鞘芯型の熱接着性複合繊維が挙げられる。
前記親水性繊維を含む繊維集合物は、不織布であることが好ましく、例えば、カードウェブ、エアレイウェブ、湿式抄紙ウェブ、スパンボンドウェブなどいずれであってもよい。例えばカードウェブの場合、これをニードルパンチや水流交絡処理して親水性不織布を得ることができ、また前記熱接着性複合繊維を含む場合、熱風処理、熱ロール処理単独、あるいはニードルパンチや水流交絡処理を併用して親水性不織布を形成することができる。特に、水流交絡不織布は、保水性のよい不織布が得られるので、好ましい。また、不織布の形状は、プレーン(平滑)な表面を有するものであっても、凹凸を有するものであってもよく、特に限定されない。水流交絡不織布によれば、さまざまな凹凸パターンを形成することが可能であり、好ましい。例えば、水流交絡不織布の表面に筋状の凹凸がある場合、水流交絡不織布上に形成されるメルトブローンウェブにも同様の筋が形成される場合がある。
前記親水性繊維の繊度は、1〜2.5dtexであることが好ましい。親水性繊維の繊維長は所望のウェブ形成法に応じて設定するとよく、カードウェブの場合、25〜60mm程度であればよい。
前記親水性不織布の目付は、15〜100g/m2であることが好ましい。親水性不織布における目付が15g/m2未満であると、ワイパーに必要な洗浄剤、水分等を保持する能力が不足する恐れがある。目付が100g/m2を超えると、例えばワイパーに使用した場合、操作性が悪くなる恐れがある。例えば、窓ガラス、台所の流し台、レンジ、オーブン、洗面台、風呂場のタイル等の対物向けワイパーに使用する場合、親水性不織布の目付は、20〜50g/m2が適当である。また、皮膚の角質やこびりついた汚れ等の拭き取りに使用する対人向けワイパーであれば、親水性不織布の目付は30〜80g/m2が適当である。
前記他の繊維集合物としては、開孔不織布が用いられる。前記開孔不織布を用いることにより、洗浄剤を付与したときの泡立ち性に優れ、ひいては対象面の汚れに対する拭き取り性に優れたワイパーが得ることができる。
前記開孔不織布は、少なくとも一方向における差し渡し長さが1mm以上3mm以下の範囲内の孔を含むものであることが好ましい。かかる範囲内であると、優れた泡立ち性が得られる。
前記開孔不織布が積層される積層メルトブローン不織布の2.94cN/cm2荷重における厚みは、1mm以上であることが好ましい。積層メルトブローン不織布の厚みが1mm以上であると、泡立ち性が向上するとともに、ウェット(湿潤)状態で使用したときの触感、手持ち感が向上し、好ましい。
上述した孔の大きさおよび厚みを有する開孔不織布を得るには、例えば、線径が0.2mm以上2mm以下の範囲内にあるフィラメントが5メッシュ以上30メッシュ以下の範囲内に織成された平織等のネットの上に繊維ウェブを載置し、水流を噴射して繊維同士を交絡させるとともに再配列させて、ネットのナックルに対応する開孔を付与するとよい。
前記開孔不織布を構成する繊維としては、特に限定されるものではないが、洗浄剤の保持性を考慮すると、上述した親水性繊維を30質量%以上で構成することが好ましい。また、開孔不織布の厚みを維持するには、ポリエステル繊維などの合成繊維を混合することが好ましい。また、開孔不織布に一定の強度を必要とする場合であれば、熱接着性繊維などのバインダー成分を必要に応じて混合するとよい。具体的には、親水性繊維が30〜80質量%、ポリエステル繊維が10〜60質量%、および熱接着性繊維が10〜60質量%であることが好ましい。
本発明の積層メルトブローン不織布を得るための別の方法として、前記メルトブローン不織布を準備しておき、別で準備した親水性不織布と積層して接合してもよい。接合方法は、熱処理により不織布を再加熱して、樹脂を自己接着する方法、熱ロールエンボスによりメルトブローン不織布表面の低融点繊維を溶融接着する方法、低融点の熱接着性パウダーを介在させ熱風や熱ロールによる加工方法などがあるが、熱ロールを使う場合はメルトブローン不織布の嵩が低下する可能性があるので、目付は少なくとも20g/m2であることが好ましい。
以下、本発明の積層メルトブローン不織布を図面により説明する。図2は、親水性不織布(5)に水流交絡不織布を用い、この上方からメルトブロー繊維を紡糸してメルトブローンウェブ(1)を積層した不織布の機械方向に直角に切断したときの断面模式図を示す。親水性不織布(5)の上に積層しているメルトブローンウェブ(1)中に隣り合うメルトブロー単繊維(2)同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部(4)を形成している連結繊維(3)を含んでいる。しかもメルトブローウェブ(1)を構成する繊維同士が接着されるとともに親水性不織布(5)を構成する繊維とメルトブロー繊維とが接合されて接着されている。
次に、本発明のワイパーは、前記積層メルトブローン不織布からなり、前記メルトブローンウェブ表面が拭き取り表面を構成するものである。メルトブローンウェブのうち連結繊維が拭き取り面に存在することにより、連結繊維は、不織布表面に微細な凹凸を形成する作用を奏するので硬い汚れに特に有効であり、研磨剤微粒子を用いずともガラス、金属、プラスチック、タイル等にこびりついた汚れの拭き取りや研磨し得るワイパーを得ることができる。
前記ワイパーにおいて、メルトブローンウェブの表面の硬さ、すなわちこびりついた汚れを拭き取る性能を、下記の評価方法で測定される不織布表面における引っ張り力(T)で代用する。
[不織布表面引っ張り力]
水平台上に置いたマット(コクヨ(株)製アクリル板、品番マ−268N)の上に巾10cm、長さ10cmの試料を用意し、メルトブローンウェブ面がマット面に接触するように置き、試料に質量900g、底面積29.25cm2(たて6.5cm、よこ4.5cm)の荷重を載せ試料を水平に引っ張り、動き出すときの力T(N)を測定する。測定装置は株式会社エー・アンド・ディ製デジタルフォースゲージ(型名、AD−4932−50−N)を用いて測定した。
引っ張り力(T)が大きいほど、拭き取り対象面に対して移動抵抗があり、ひいてはこびりついた汚れをメルトブローンウェブがしっかり捕まえて、拭き取ることを示す。そして、前記引っ張り力(T)は、4N以上であることが好ましい。引っ張り力(T)を4N以上とすることにより、ワイパーとしてこびりついた汚れを拭き取るときに有効に働くのである。なおワイパー表面に凹凸などのパターンが形成されている場合、ワイパーの縦方向及び横方向について測定し平均を求めるとよい。
図3は、本発明のワイパーにおける汚れの拭き取り効果を測定する方法を示す図である。水平台(6)上に置いたマット(7)(コクヨ(株)製、品番マ−268N)の上に本発明のワイパー(8)をメルトブローンウェブ(1)面を下にして置き、親水性不織布(5)面上に重り(9)900gをのせる。前記ワイパーの端部に引っ張り紐(10)をつけ測定装置(11)に接合する。これを水平方向に引っ張り、動き出したときの力を測定装置で読み取る。
本発明のワイパーは、洗浄剤が付与されて洗浄用ワイパーとして使用することが好ましい。洗浄剤としては、非イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤等の洗浄効果を有するものが挙げられる。洗浄剤の不織布に占める割合(含有率)は、10質量%以上であることが好ましい。洗浄剤を水などに希釈して洗浄液として含浸させてウェット(湿潤)ワイパーとして使用する場合、洗浄液は不織布質量に対して100〜800質量%であることが好ましい。
以下、本発明の積層メルトブローン不織布、およびこれを用いたワイパーの実施例および比較例を説明する。
[参考例1]
親水性不織布としてレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)製、繊維長40mm、繊度1.7dtex)100質量%、目付40g/m2のカードウェブを水圧4MPa、ノズル間隔1mmで高圧水流交絡処理して目付40g/m2の水流交絡不織布を得た。
次いで、前記水流交絡不織布をメルトブロー法の不織布製造機のベルトコンベア上に載置し、速度4.4m/分で運転し、この上からポリブテン−1(三井化学(株)製、商品名タフマー、融点123℃、MFR28g/10分、密度0.92g/cm3)を鞘成分とし、融点163℃のポリプロピレンを芯成分とする鞘芯型複合繊維を、紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.8mmで配置された紡糸ノズルから、紡糸温度290℃、エア流量8.8m3/分、エア速度156m/秒、吐出量0.2g/孔・分、紡糸ノズルとコンベアとの距離17cmでメルトブロー紡糸し、メルトブローンウェブを水流交絡不織布上に軟化溶融した状態で集積して層間を接合し積層メルトブローン不織布を得て、目付100g/m2のワイパーとなした。
前記ワイパーは、ポリブテン−1樹脂により鞘芯型複合繊維とレーヨン繊維とが接着しており、メルトブローンウェブと水流交絡不織布とは容易に剥離することができなかった。またメルトブローンウェブは凹凸でガサガサしており、電子顕微鏡で40倍に拡大した写真を見ると、図1のような繊維状態であり、隣接するメルトブロー単繊維が2〜5本程度集束されて繊維長さ方向に長さ3mm以上にわたり相互に接着した連結部を形成した連結繊維が1mm四方あたり9本存在していた。メルトブロー単繊維の平均繊維径は、約17μmであった。さらに図2のような不織布断面を有しており、連結繊維を含むメルトブローンウェブを構成する繊維同士が接着していた。
[参考例2]
親水性不織布として、参考例1のレーヨン繊維35質量%、鞘成分がポリエチレン、芯成分がポリプロピレンの鞘芯型複合繊維(大和紡績(株)製、商品名NBF(H)、繊維長38mm、繊度1.5dtex)65質量%を混綿した目付40g/m2のカードウェブを140℃で熱風処理し、厚さ0.5mmの親水性不織布を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、本発明のワイパーとなした。この場合も参考例1と同様に両不織布層は容易に剥離することはなかった。またメルトブローンウェブは凹凸でガサガサしており、電子顕微鏡で40倍に拡大した写真を見ると、図1のような繊維状態であり、隣接するメルトブロー単繊維が2〜5本程度集束されて繊維長さ方向に長さ3mm以上にわたり相互に接着した連結部を形成した連結繊維が1mm四方あたり8本存在していた。またメルトブロー単繊維の平均繊維径は、約16μmであった。
[参考例3]
参考例1の水流交絡不織布をメルトブロー法不織布製造機のベルトコンベア上に載置し、速度18.7m/分で運転し、この上からポリブテン−1(三井化学(株)製、商品名タフマー、融点123℃、MFR28g/10分、密度0.92g/cm3)を鞘成分とし、融点163℃のポリプロピレンを芯成分とする鞘芯型複合繊維を、紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.8mmで配置された紡糸ノズルから、紡糸温度290℃、エア流量8.8m3/分、エア速度156m/秒、吐出量0.2g/孔・分、紡糸ノズルとコンベアとの距離17cmでメルトブロー紡糸したメルトブローンウェブを水流交絡不織布上に軟化溶融した状態で集積して層間を接合し積層メルトブローン不織布を得て、目付55g/m2の本発明のワイパーとなした。
この場合も参考例1と同様に両不織布層は容易に剥離することはなかった。またメルトブローンウェブは凹凸でガサガサしており、電子顕微鏡で40倍に拡大した写真を見ると、図1のような繊維状態であり、隣接するメルトブロー単繊維が2〜5本程度集束されて繊維長さ方向に長さ3mm以上にわたり相互に接着した連結部を形成した連結繊維が1mm四方あたり10本存在していた。メルトブロー単繊維の平均繊維径は、約17μmであった。さらに図2のような不織布断面を有しており、連結繊維を含むメルトブローンウェブを構成する繊維同士が接着していた。
[比較例1]
目付15g/m2、繊度2dtexのポリプロピレンスパンボンド不織布(旭化成(株)製、商品名エルタス)を参考例1の水流交絡不織布と貼り合わせ、スパンボンド面を拭き取り表面としたワイパーとなした。
上記参考例、比較例のワイパーにおいて、メルトブローン不織布面を不織布表面とし、引っ張り力(T)を測定したところ、参考例1および2は4.6Nであり、不織布表面がざらざらして硬いものであった。一方、比較例1は3.7Nであり、不織布表面の硬さが十分ではなかった。
参考例1及び2で得たワイパーに水を含ませ、家庭で使用している電子レンジの内部を拭いたところ細かい油汚れを容易に拭き取ることができた。また、家庭用洗剤を含ませ、ガスレンジ周りを拭くと、こびりついた油汚れを拭き取ることができた。一方、比較例1の不織布では、電子レンジおよびガスレンジの汚れを十分に拭き取ることができなかった。
参考例3で得たワイパーに石鹸をつけて泡立て、人体の皮膚をこすったところ、垢などの汚れを拭き取ることができた。また参考例3のワイパーに軽く水分を含ませて人体の皮膚をこすったところ、古い角質などを拭き取ることができた。
[実施例1]
親水性不織布として、レーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)製、繊維長40mm、繊度1.7dtex)を40質量%、ポリエチレンテレフタレート繊維(帝人(株)製、TT04 B、繊維長51mm、繊度2.2dtex)を30質量%、およびポリプロピレンを芯成分とし、高密度ポリエチレンを鞘成分とする熱接着性複合繊維(大和紡績(株)製、NBF(H)、繊維長51mm、繊度1.7dtex)を30質量%の混合比で準備し、目付60g/m2のカードウェブを作製した。次いで、線径0.5mm、メッシュ数17の平織ネットの上にカードウェブを載置し、水圧8MPa、ノズル間隔1mmで高圧水流交絡処理して目付60g/m2の水流交絡開孔不織布を得た。得られた水流交絡開孔不織布には、少なくとも一方向の差し渡し長さが約1〜2mmの孔を多数有していた。
次いで、前記水流交絡開孔不織布をメルトブロー法の不織布製造機のベルトコンベア上に載置し、速度4.4m/分で運転し、この上からポリブテン−1(三井化学(株)製、商品名タフマー、融点123℃、MFR28g/10分、密度0.92g/cm3)を鞘成分とし、融点163℃のポリプロピレンを芯成分とする鞘芯型複合繊維を、紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.8mmで配置された紡糸ノズルから、紡糸温度290℃、エア流量8.8m3/分、エア速度156m/秒、吐出量0.2g/孔・分、紡糸ノズルとコンベアとの距離17cmでメルトブロー紡糸し、メルトブローンウェブを水流交絡開孔不織布上に軟化溶融した状態で集積して層間を接合し積層メルトブローン不織布を得て、目付120g/m2の本発明のワイパーとなした。本発明のワイパーの2.94cN/cm2荷重における厚みは、1.55mmであった。なお、2.94cN/cm2荷重における厚みは、以下のようにして測定した。
[厚み]
厚み測定器((株)ミツトヨ製、商品名ABSOLUTE ID−C1012C)を用いて、2.94cN/cm2荷重で5箇所測定し、その平均値を求めた。
前記ワイパーは、ポリブテン−1樹脂の溶融によりメルトブローンウェブと水流交絡開孔不織布とは容易に剥離することができなかった。またメルトブローンウェブは凹凸でガサガサしており、電子顕微鏡で40倍に拡大した写真を見ると、図1のような繊維状態であり、隣接するメルトブロー単繊維が2〜5本程度集束されて繊維長さ方向に長さ3mm以上にわたり相互に接着した連結部を形成した連結繊維が1mm四方あたり9本存在していた。メルトブロー単繊維の平均繊維径は、約17μmであった。さらに図2のような不織布断面を有しており、連結繊維を含むメルトブローンウェブを構成する繊維同士が接着していた。
[比較例2]
親水性不織布として、レーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)製、繊維長40mm、繊度1.7dtex)を100質量%準備し、目付60g/m2のカードウェブを水圧8MPa、ノズル間隔1mmで高圧水流交絡処理して目付60g/m2の水流交絡開孔不織布を作製した。一方、ポリプロピレンを芯成分とし、高密度ポリエチレンを鞘成分とする熱接着性複合繊維(大和紡績(株)製、NBF(H)、繊維長51mm、繊度1.7dtex)を100質量%準備し、目付40g/m2のカードウェブを熱風加工機(風速2m/秒、140℃、コンベア速度10m/分)にて熱処理して、目付40g/m2のサーマルボンド不織布を作製した。
次いで、上記親水性不織布およびサーマルボンド不織布を積層し、熱ロール加工機(温度140℃、速度4m/分、線圧0.7kg/cm)にて熱処理して貼り合わせ、目付100g/m2の不織布を得た。
実施例1と比較例2の不織布に、洗浄剤として液体石鹸((株)エフティ資生堂製、商品名スーパーマイルド・ボディソープNE(C)、有効成分40%)と水を混合した石鹸水(配合比1:1)を、不織布質量に対して200質量%となるように含浸した。そして、泡立ち性およびウェット(湿潤)状態での触感を下記のとおり評価した。
[泡立ち性]
上記石鹸水を含浸したウェットワイパーを手で数回軽く揉んだ時の泡の発生状態を、下記の基準で評価した。
○:泡が大きくて多く、不織布を揉むたびに泡が増加する。
△:泡がある程度大きさであるが、不織布を揉んでも泡の増加が少ない。
×:泡が小さくて少なく、不織布を揉んでも泡がほとんど増加しない。
[ウェット(湿潤)状態での触感]
上記石鹸水を含浸したウェットワイパーの触感を、下記の基準で評価した。
○:心地よい手触りとボリューム感を同時に満たしている。
△:上記の感触のうち、一方が欠けている。
×:上記の感触のうち、どちらも欠けている。
Figure 2006291446
実施例1のワイパーは、泡立ち性および触感に優れるので、人体の皮膚を軽くこすっても肌に刺激を与えることなく、皮膚の汚れを拭き取ることができた。一方、比較例2のワイパーは、泡立ちが少ないため皮膚の汚れの拭き取り性に劣っていた。
本発明は、ガラス、金属、プラスチック、タイル、陶磁器等にこびりついた汚れの拭き取りや研磨し得るワイパー、皮膚の角質やこびりついた汚れ等人体の拭き取りに使用し得るワイパー、研磨布、フィルター、靴の中敷きやマウスパッド、カーペットなどの滑り止め材、足拭きマット等の用途に有用である。
本発明に用いられるメルトブローン不織布の表面を示す拡大図である。 本発明の積層メルトブローン不織布の断面を示す拡大図である。 本発明のワイパーにおける汚れの拭き取り効果を測定する方法を示す概略図である。
符号の説明
1 メルトブローンウェブ
2 メルトブロー単繊維
3 連結繊維
4 連結部
5 親水性不織布
6 水平台
7 マット
8 ワイパー
9 重り
10 引っ張り紐
11 測定装置

Claims (6)

  1. メルトブローンウェブにおいて隣り合うメルトブロー単繊維同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成している連結繊維を含むメルトブローン不織布と、他の繊維集合物とが積層されており、
    前記他の繊維集合物が開孔不織布であり、前記メルトブローンウェブが少なくとも一方の表面を構成している、積層メルトブローン不織布。
  2. 前記メルトブロー単繊維が、低融点樹脂と、低融点樹脂より融点が10℃以上高い高融点樹脂からなり、低融点樹脂が繊維表面の過半を占めている複合繊維である、請求項1に記載の積層メルトブローン不織布。
  3. 前記開孔不織布が、少なくとも一方向における差し渡し長さを1mm以上3mm以下の範囲内とする孔を含む、請求項1または2に記載の積層メルトブローン不織布。
  4. 2.94cN/cm2荷重における厚みが、1mm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層メルトブローン不織布。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層メルトブローン不織布からなり、メルトブローンウェブ表面が拭き取り表面を構成してなるワイパー。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層メルトブローン不織布に、洗浄剤が付与されてなる洗浄用ワイパー。
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