JP2006291390A - ポリ乳酸系成形体用染色堅牢度向上剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、ポリ乳酸系成形体染色物の染色堅牢度低下の問題に対して、染色堅牢度向上剤を提供する。
【解決手段】 (A)オレフィン系樹脂ワックス乳化物の一種または二種以上、および(B)下記一般式(I)で示される化合物から誘導されるリン酸エステルおよび/またはその塩の一種または二種以上を必須成分とすることを特徴とするポリ乳酸系成形体用染色堅牢度向上剤を提供するものである。
RO(AO)mH (I)
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアリール基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは0〜20の整数を示す。)
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)オレフィン系樹脂ワックス乳化物の一種または二種以上、および(B)下記一般式(I)で示される化合物から誘導されるリン酸エステルおよび/またはその塩の一種または二種以上を必須成分とすることを特徴とするポリ乳酸系成形体用染色堅牢度向上剤を提供するものである。
RO(AO)mH (I)
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアリール基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは0〜20の整数を示す。)
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリ乳酸系成形体用の染色堅牢度向上剤に関し、特に、ポリ乳酸系繊維あるいはこれらの繊維と他繊維との混紡交編交織品の染色堅牢度向上剤に関する。更に詳しくは、分散染料等で染色されたポリ乳酸系成形体の染色堅牢度向上剤に関する。
従来、衣料用途等の繊維としてはポリエステル系繊維あるいはポリアミド系繊維等が広く使用されてきた。しかしながら、近年、地球環境保全の観点から、これらの汎用プラスチック製品に替わる材料として、地球環境に優しい生分解性繊維であるポリ乳酸系繊維が注目を集めている。しかし、ポリ乳酸系繊維は脂肪族ポリエステル繊維で、芳香族ポリエステル繊維等に比べて耐加水分解性に劣るという欠点を有する。また、芳香族ポリエステル繊維と比較して融点が低い等の物性上の理由により芳香族ポリエステル繊維と同様の染色加工を行うことはできない。従って、染色の際には低温での処理を行わなければならず、これが原因で繊維表面に未染着染料が多くなり染色堅牢度を低下させるといった問題を引き起こしていた。
上記の問題を解決する方法としては、染料の選択、染色後のソーピングにおいてソーピング温度を75〜98℃でpH2〜6の還元剤浴中で還元洗浄する方法(特許文献1)、繊維表面上にオルガノポリシロキサンおよび/またはポリエチレンワックスを付与することを特徴とする方法(特許文献2)が提案されている。しかしながら、これらの方法では染色堅牢度が十分満足できるレベルではなく、製品の品質に問題を抱えているのが現状であった。
一方特許文献3には、アニオン系界面活性剤を必須成分とするソーピング剤、カチオン系界面活性剤と平滑基剤を必須成分とするオイリング剤およびノニオン系界面活性剤を特定の比率で用いることを特徴とする染色繊維の処理方法が開示されているが、繊維一般を対象にしており、本発明に係るオレフィン系樹脂ワックス乳化物および特定のリン酸エステルの組み合わせがポリ乳酸系成形体の染色堅牢度の向上に特に優れた効果を発揮する旨は記載されておらず、またその示唆もない。
特開2003−328280
特開2002−294569
特開平11−100772
本発明の課題は、従来技術ではポリ乳酸系成形体の染色堅牢度が劣るといった問題点を解決するための染色堅牢度向上剤を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究した結果、染色されたポリ乳酸系成形体の染色堅牢度を向上させる染色堅牢度向上剤の発明を完成させた。
即ち、本発明は、(A)オレフィン系樹脂ワックス乳化物の一種または二種以上、および(B)下記一般式(I)で示される化合物から誘導されるリン酸エステルおよび/またはその塩の一種または二種以上を必須成分とすることを特徴とするポリ乳酸系成形体用染色堅牢度向上剤に関する。
RO(AO)mH (I)
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアリール基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは0〜20の整数を示す。)
RO(AO)mH (I)
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアリール基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは0〜20の整数を示す。)
本発明の染色堅牢度向上剤を使用することで、染色の際低温で処理したものであっても、染色堅牢度の向上したポリ乳酸系成形体を得ることができる。
本発明に係る(A)オレフィン系樹脂ワックス乳化物としては、合成ワックスである、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、これらの酸化物、カルボキシル基をマレイン酸等で付与した誘導体等の変性ワックス。エチレン、プロピレンとα、β−不飽和カルボン酸共重合系ワックス、更にはターポリマー系ワックス、エチレンα、β−不飽和カルボン酸共重合系樹脂等、また、天然ワックスとしてはカルナバワックス、ライスワックス、キャンデリヤワックス、モンタンワックスおよびそれら誘導体、鉱油系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、またこれらのカルボキシル基を付与した誘導体等の変性ワックスも含まれる。この他に、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ケトン系、更にはアルコール類とのエステルワックス等の乳化物を挙げることができる。これらのうち好ましいものは、ポリエチレンワックスおよびその酸化物である。これらのワックス類は単独または併用して使用される。
化合物(A)の乳化の手段については特に限定するものではないが、ワックスの融点近く以上に温度上昇が可能であり、必要に応じて加圧下で乳化・分散できる設備、高せん断力を得られる設備等による加圧乳化法、更に高圧ホモジナイザー等、他の機械的方法等との併用、組み合わせによる方法、溶剤類を使用し乳化分散する方法等が採られる。加えて工業的には冷却コントロールの可能な設備が必要とされる。これら乳化手段で5nm以上500nm以下の微細な粒子径を有し粒子径分布が狭いワックスエマルションの製造を可能とした。これらの方法と樹脂ワックスの物性、ワックスの組み合わせ、ワックスの有する官能基の構造と量、使用する活性剤の種類と量、官能基の中和程度の組み合わせ等により必要とする乳化物を得ることができる。
乳化の目的と更に乳化後の安定性の向上に各種界面活性剤が用いられる。本発明で使用する界面活性剤を限定するものではないが、例示すると、陰イオン系界面活性剤では、カルボン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、スルホン酸型界面活性剤、リン酸エステル型界面活性剤、硼酸エステル型界面活性剤あり、カチオン系界面活性剤では、脂肪酸アミン塩型界面活性剤、第四級アンモニウム塩型界面活性剤、また、両性界面活性剤。非イオン系界面活性剤ではポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル型に代表されるようなエーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型、アルカノールアミド型等が挙げられる。更に高分子界面活性剤、反応型界面活性剤等使用目的に合わせて選定し併用できる。活性剤との使用比率等は使用の目的、乳化の状態、用途により要求される効果等により選定使用される。
上記の樹脂ワックスを乳化分散させる際に粒子径の調整に、また得られるエマルションの経時安定性の改善を目的にカルボキシル基を含有するワックスを使用する場合等において、適量のアンモニア、アルキルアミン、モルホリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等のアミン系化合物が、また水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が必要に応じて使用される。
また、本発明に係る(B)リン酸エステル誘導体の原料として使用可能な一般式(I)で示される化合物としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、マーガリルアルコール、ステアリルアルコール等の飽和アルコール、オレイルアルコールのような不飽和アルコール、オキソアルコールのような分岐アルコール、ベンジルアルコール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、トリベンジルフェノール、モノ(α−メチルベンジル)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノール等、あるいはこれら化合物のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
化合物(B)を得るために使用できるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイド等が挙げられる。好ましいのは、エチレンオキサイドおよびエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの併用である。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの併用である場合、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドはブロック付加であってもランダム付加のいずれであってもよい。アルキレンオキサイドの付加モル数は、通常0〜20モル、好ましくは0〜10モルである。付加モル数が20を超えると親水性が高くなり過ぎて染色堅牢度の低下を引き起こし、更には発泡のトラブルも発生してしまう。
化合物(B)は一般式(I)より選ばれたヒドロキシル基含有化合物を、リン酸化剤として五酸化リンあるいはオキシ塩化リンを用い、公知の方法によってリン酸化エステル化することにより得られる。その際、モノエステル、ジエステルおよび少量のトリエステルを含む混合物として得られたものを使用することもできる。また、中和により塩とする場合、中和による対イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ金属、アンモニア、モノ、ジまたはトリエタノールアミン等を挙げることができる。これらのうち好ましいものは、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンである。
本発明の化合物(A)と(B)からなる染色堅牢度向上剤を得るには、化合物(B)であるリン酸エステルを化合物(A)とそのまま混合させるか、予め適当な水溶液にしてから化合物(A)と混合させると良い。
本発明の主旨とするところは、ポリ乳酸系成形体染色物の染色堅牢度向上剤において、本発明の化合物(A)と(B)とを併用することで染色堅牢度の向上した染色物を得ることである。(A)と(B)の配合割合は特に限定されるものではないが、重量比で10:90〜90:10が好ましく、20:80〜80:20がより好ましい。
従来、ポリ乳酸系成形体の染色堅牢度を向上させる染色堅牢度向上剤は提案されておらず、極めて有効な発明と言える。本発明品が染色堅牢度の向上に優れる理由については完全に解明していないが、本発明に係わる化合物(A)および(B)が繊維表面に付着して、特定の疎水基と親水基が作用しあうことで染色堅牢度を向上させているものと推察される。
本発明におけるポリ乳酸系成形体は、ポリ乳酸系樹脂から製造された繊維、布帛、ファスナー、ボタン等を含み、本発明のソーピング剤は、いずれの成形体染色物においても優れた効果を有する。
ポリ乳酸系繊維は、ポリ乳酸系繊維単独あるいはポリ乳酸系繊維と他の天然、再生、合成繊維との混紡、交編物、交織物等であってもよい。また、その形態としては、糸、編物、織物、不織布、綱、網等の繊維構造体と認識されるものであればよい。
本発明の染色堅牢度向上剤には、必要に応じて、一般的に用いられている、撥水剤、抗菌剤、消臭剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤および防腐剤等の添加剤を配合することができる。また、柔軟性あるいは帯電防止性を付与する目的で柔軟剤及び帯電防止剤等を併用することも可能である。
本発明の染色堅牢度向上剤を繊維に処理する方法としては、従来より繊維加工に用いられているパディング法、浸漬法、スプレー法等を用いることができる。繊維に付与させた後は、80〜150℃で1〜10分間乾燥させるとよい。
本発明の染色堅牢度向上剤の使用量は、繊維に対して固形分で0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。また、本発明品の溶解性や安定性の向上、低粘度化の為にイソプロピルアルコール、ブチルセロソルブ等の溶剤で希釈して使用してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
合成例1
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.5Lの乳化設備に融点105℃、酸価16mgKOH/g、密度0.93の酸化ポリエチレンワックス300g、イオン交換水650gと界面活性剤としてグリセリンモノオレート15g、ペグノールL−8(東邦化学工業(株)製)を15g、48%水酸化カリウム水溶液10gを加え窒素で置換の後、密封し150℃で2時間高速撹拌した後冷却転相させワックスエマルション(A−1)を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.5Lの乳化設備に融点105℃、酸価16mgKOH/g、密度0.93の酸化ポリエチレンワックス300g、イオン交換水650gと界面活性剤としてグリセリンモノオレート15g、ペグノールL−8(東邦化学工業(株)製)を15g、48%水酸化カリウム水溶液10gを加え窒素で置換の後、密封し150℃で2時間高速撹拌した後冷却転相させワックスエマルション(A−1)を得た。
合成例2
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.5Lの乳化設備に融点140℃、酸価8mgKOH/g、密度0.98の酸化ポリエチレンワックス200g、イオン交換水750gと界面活性剤としてペグノールL−10(東邦化学工業(株)製)を25g、48%水酸化カリウム水溶液4gを加え窒素で置換の後、密封し165℃で3時間高速撹拌した後冷却転相させワックスエマルション(A−2)を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.5Lの乳化設備に融点140℃、酸価8mgKOH/g、密度0.98の酸化ポリエチレンワックス200g、イオン交換水750gと界面活性剤としてペグノールL−10(東邦化学工業(株)製)を25g、48%水酸化カリウム水溶液4gを加え窒素で置換の後、密封し165℃で3時間高速撹拌した後冷却転相させワックスエマルション(A−2)を得た。
合成例3
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.5Lの乳化設備に融点137℃、酸価30mgKOH/g、密度0.96のポリエチレンワックス250g、イオン交換水700gと界面活性剤としてグリセリントリオレート10g、ペグノールL−10を20g、48%水酸化カリウム水溶液15gを加え窒素で置換の後、密封し160℃で3時間高速撹拌した後冷却転相させワックスエマルション(A−3)を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.5Lの乳化設備に融点137℃、酸価30mgKOH/g、密度0.96のポリエチレンワックス250g、イオン交換水700gと界面活性剤としてグリセリントリオレート10g、ペグノールL−10を20g、48%水酸化カリウム水溶液15gを加え窒素で置換の後、密封し160℃で3時間高速撹拌した後冷却転相させワックスエマルション(A−3)を得た。
合成例4
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1Lの反応容器に、n−ブチルアルコール220gを仕込み、50℃まで昇温し、五酸化リン140gを1時間かけて滴下した。続いて60〜70℃にて4時間反応させた後冷却させた。次に、イオン交換水360gを加えて水溶液とし、20%水酸化カリウム水溶液にてpHを7.0に調整してリン酸エステル塩(B−1)を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1Lの反応容器に、n−ブチルアルコール220gを仕込み、50℃まで昇温し、五酸化リン140gを1時間かけて滴下した。続いて60〜70℃にて4時間反応させた後冷却させた。次に、イオン交換水360gを加えて水溶液とし、20%水酸化カリウム水溶液にてpHを7.0に調整してリン酸エステル塩(B−1)を得た。
合成例5
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量2Lの反応容器に、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド5モル付加物400gを仕込み、50℃まで昇温し、五酸化リン70gを1時間かけて滴下した。続いて60〜70℃にて3時間反応させた後冷却させた。次に、イオン交換水1,000gを加えて水溶液とし、48%水酸化ナトリウム水溶液にてpHを6.5に調整してリン酸エステル塩(B−2)を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量2Lの反応容器に、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド5モル付加物400gを仕込み、50℃まで昇温し、五酸化リン70gを1時間かけて滴下した。続いて60〜70℃にて3時間反応させた後冷却させた。次に、イオン交換水1,000gを加えて水溶液とし、48%水酸化ナトリウム水溶液にてpHを6.5に調整してリン酸エステル塩(B−2)を得た。
合成例6
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量2Lの反応容器に、2−エチルヘキサノールのエチレンオキサイド2モル付加物330gを仕込み、50℃まで昇温し、五酸化リン70gを1時間かけて滴下した。続いて60〜70℃にて3時間反応させた後冷却させた。次に、イオン交換水1,200gを加えて水溶液とし、48%水酸化ナトリウム水溶液にてpHを6.0に調整してリン酸エステル塩(B−3)を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量2Lの反応容器に、2−エチルヘキサノールのエチレンオキサイド2モル付加物330gを仕込み、50℃まで昇温し、五酸化リン70gを1時間かけて滴下した。続いて60〜70℃にて3時間反応させた後冷却させた。次に、イオン交換水1,200gを加えて水溶液とし、48%水酸化ナトリウム水溶液にてpHを6.0に調整してリン酸エステル塩(B−3)を得た。
比較化合物
アニオン界面活性剤であるルノックスS−100(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、東邦化学工業(株)製)を(B−4)として、ロート油80K(硫酸化ヒマシ油カリウム塩、東邦化学工業(株)製)を(B−5)として用いた。
アニオン界面活性剤であるルノックスS−100(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、東邦化学工業(株)製)を(B−4)として、ロート油80K(硫酸化ヒマシ油カリウム塩、東邦化学工業(株)製)を(B−5)として用いた。
合成例1〜6で得られた化合物及び比較化合物を表1の配合比で混合し、本発明品の染色堅牢度向上剤および比較例を得た。
得られた実施例および比較例中の染色堅牢度向上剤については以下の方法に従って試験した。結果を表2に示す。
(試験布の作成)
ポリ乳酸系繊維からなる布帛を染料1〜3を使用して下記条件にてそれぞれ染色を行い、水洗後に試験布とした。
<染色条件>
染料1 : Dianix
Blue AC−E 1.0%o.w.f.
染料2 : Dianix
Rubine C−B 1.3%o.w.f.
染料3 : Dianix
Black XF 4.5%o.w.f.
80%酢酸 : 0.3ml/L
浴比 : 1:20
温度・時間 : 110℃×30分
染色機 : カラーマスター12(辻井染機工業製)
ポリ乳酸系繊維からなる布帛を染料1〜3を使用して下記条件にてそれぞれ染色を行い、水洗後に試験布とした。
<染色条件>
染料1 : Dianix
Blue AC−E 1.0%o.w.f.
染料2 : Dianix
Rubine C−B 1.3%o.w.f.
染料3 : Dianix
Black XF 4.5%o.w.f.
80%酢酸 : 0.3ml/L
浴比 : 1:20
温度・時間 : 110℃×30分
染色機 : カラーマスター12(辻井染機工業製)
次に試験布に対し、実施例1〜6および比較例1〜3のそれぞれの化合物をパディング法で固形分で2重量%(対繊維)付着するように処理後、120℃で3分間乾燥させ、下記に示す堅牢度試験を実施した。
(摩擦堅牢度試験)
JIS L−0849(摩擦試験機II形)摩擦に対する染色堅牢度試験方法に準じて、乾燥、湿潤の摩擦堅牢度試験を行い、添付白布への汚染はグレースケールにて判定した。
JIS L−0849(摩擦試験機II形)摩擦に対する染色堅牢度試験方法に準じて、乾燥、湿潤の摩擦堅牢度試験を行い、添付白布への汚染はグレースケールにて判定した。
(洗濯堅牢度試験)
JIS L−0844(A−4法)洗濯に対する染色堅牢度試験方法に準じて洗濯堅牢度試験を行い、添付白布への汚染はグレースケールにて判定した。
JIS L−0844(A−4法)洗濯に対する染色堅牢度試験方法に準じて洗濯堅牢度試験を行い、添付白布への汚染はグレースケールにて判定した。
(水堅牢度試験)
JIS L−0846(B法)水に対する染色堅牢度試験方法に準じて水堅牢度試験を行い、添付白布への汚染はグレースケールにて判定した。
JIS L−0846(B法)水に対する染色堅牢度試験方法に準じて水堅牢度試験を行い、添付白布への汚染はグレースケールにて判定した。
上記結果より、本発明の化合物(A)と(B)とを混合して得られた染色堅牢度向上剤は、比較例に比べて染色堅牢度の向上した染色物を得ることが確認された。
Claims (2)
- (A)オレフィン系樹脂ワックス乳化物の一種または二種以上、および(B)下記一般式(I)で示される化合物から誘導されるリン酸エステルおよび/またはその塩の一種または二種以上を必須成分とすることを特徴とするポリ乳酸系成形体用染色堅牢度向上剤。
RO(AO)mH (I)
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアリール基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは0〜20の整数を示す。) - ポリ乳酸系成形体がポリ乳酸系繊維である請求項1記載の染色堅牢度向上剤。
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