JP2006291245A - 転動体用金属球 - Google Patents

転動体用金属球

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辰也 庄司
Koji Sato
光司 佐藤
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Abstract

【課題】 製造性の良好な転動体用金属球を提供する。すなわち、高い真球度を有する転動体用の素球を、凝固過程で直接製造することができ、その内部は微細かつ均質な凝固組織を有した転動体用金属球である。
【解決手段】 あらかじめ定められた体積の溶滴が凝固された転動体用金属球であって、10μm以下の化合物が晶出分散した組織を有し、硬さが660Hv以上である転動体用金属球である。好ましくは,3mm以下の粒径を有する。これにより、従来の鍛造工程を経ずして必要な機械的特性を維持でき、最終の精研磨作業も容易な素球が提供できることから、転動体用金属球の製造コスト低減に有効な技術となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受け等に使用される転動体用金属球に関する。
従来、ボールベアリングなどに用いられる転動体用の鋼球は、鋼線を一定の長さに切断したピースを両側から半球状の球座をもつ雌、雄の金型で圧縮して球形に成形し、次に2枚の硬質鋳物盤の間にはさんで圧力をかけて転動させ、バリを除去した後、組織調整のための熱処理を行い、精研磨して製造される(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、前述の鍛造成形する方法だとボールが小径になるほど製造時間が掛かり、不経済である。そこで不活性ガス雰囲気のタワー型チャンバに個片に加工した金属材料を落下させ、加熱ゾーンのヒーターで溶融させ、続く冷却ゾーンで凝固させて金属球を得る方法が開示されており、前述の転動体用金属球を製造するのに適した方法であるとされている(例えば、特許文献1参照)。
株式会社天辻鋼球製作所ホームページ(2004)(インターネット<URL:http://www.aksball.co.jp/seir.htm>) 特開2003−342619号公報
しかしながら、上述の個片金属材料を溶融・凝固させる場合、個片の落下経路によってはその受ける熱量と冷却速度に偏りが生じるおそれがある。落下経路によって個片金属材料が完全に溶融されなかったり、凝固に至る時間が長かったりした場合には、回収した金属球は、その表面は球状化していても、内部組織の粗大化や不均一化を招き、炭化物等の分散化合物サイズにもばらつきが生じる。
上述の現象は、転動体用鋼球として一般的である高炭素クロム軸受鋼(例えばSUJ2鋼(1.0mass%C−1.5mass%Cr))や、マルテンサイト系ステンレス鋼(例えばSUS440C鋼(1.2mass%C−17mass%Cr))のような、広い固液共存領域が存在する組成により顕著であり、凝固に伴って初晶デンドライトが晶出した場合、その最終凝固部分に空隙が残った状態で凝固が完了してしまうと、完全な球形とならない事が多い。また融液が全てのデンドライトアーム間に入り込み空隙が残らなかったとしても、初晶デンドライトと共晶凝固部とでは炭化物等の化合物粒子の分布に偏りが生じるため、1つのボール内で硬さや熱膨張率が一定とならず、長期使用や高温での使用において不均一変形を起こすおそれがある。
前述の空隙・引け巣は、後工程の研磨で除去するのが困難であり、著しく歩留まりを低下させる。また、前述の組織の不均一性あるいは分散炭化物の粗大化は、熱処理による均質化処理では一層の炭化物の粗大化を招くおそれがあり、改善することが困難であるため、再度溶融処理する手間が生じる。粗大化した炭化物は、後工程における研磨の際に母材との間に被削性の差を生じさせ、成形性を悪化させる。したがって、このような溶融・凝固させる方法を用いた転動体用金属球の製造はこれまで実現されてこなかった。
本発明の目的は、製造性の良好な転動体用金属球を提供することにある。
本発明者らは、各種合金について金属溶湯から直接的に金属球を製造することを検討した結果、化合物微細化された転動体用金属球として好適な高硬度基地の組織をも得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、あらかじめ定められた体積の溶滴が凝固された転動体用金属球であって、10μm以下の化合物が晶出分散した組織を有し、硬さが660Hv以上であることを特徴とする転動体用金属球である。
本発明は、3mm以下の粒径を有することが好ましい。より好ましくは、製造性を考慮すれば50μm以上とする。また、本発明において、分散する化合物は、5μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、高い真球度を有する転動体用の素球を、凝固過程で直接製造することができ、その内部は微細かつ均質な凝固組織を有する。よって、従来の鍛造工程を経ずして必要な機械的特性を維持でき、最終の精研磨作業も容易な素球が提供できることから、転動体用金属球の製造コスト低減に有効な技術となる。
本発明の重要な特徴は、直接凝固による金属球の製造にあっても、その詳細を検討することで、転動体用にこそ最適な、機械的特性は維持しかつ、高い真球度の金属球を得られることを見出したところにある。さらには、その金属組成をも見極め、共晶に近い組成の合金を溶融・凝固させることで、さらに微細な組織を有する転動体用金属球の製造に有利であることを見出した点にある。以下に詳細を説明する。
まず、本発明の転動体用金属球は、従来の金属個片を出発材料とした手法ではなく、形成した溶湯から定められた体積の溶滴を形成し、球状に直接凝固させて得ることができる。すなわち、出発材料が溶融金属であるため、与える熱量を一定にすることが容易であり、金属球一つ一つを一定の温度から一定の冷却速度で凝固させることが可能である。しかも、溶融金属では、全ての構成成分の拡散が固体に比べると非常に高速で生じているので、均質に混ざり合った溶融金属から直接、液滴を作製し、凝固させて金属球とすれば、全ての金属球ごとの成分比は等しくなり、ヒーター加熱を用いる従来の製造方法では得ることが困難であった、均質で微細な組織を有する金属球を安定して製造することができる。
ここで、本発明においては、組織を10μm以下(最大長さ)の化合物が晶出分散した組織とすることが重要である。すなわち凝固時に晶出する化合物によって硬さを確保するとともに、微細分散させることにより、組織の均一性を確保するものである。分散する化合物粒子は、微細なほど、均一性に優れるため、5μm以下に調整することがより好ましいものとなる。本発明における化合物としては、炭化物でも良いし、他の化合物であっても良い。
そして、本発明の金属球における硬さは、転動体の転がり摩擦による転動体表面の疲労破壊を防止するために必要かつ重要な特性であり、従来合金と同等以上を示す必要がある。したがって、660Hv以上とする。
また、本発明の金属球においては、3mm以下の粒径を有することが好ましい。3mmを越える粒径では溶湯から凝固に至る冷却速度が低下するために,組織の粗大化が起こりやすくなる点で、製造性が劣るからである。より好ましくは、製造性を考慮すれば1mm以下、さらに加えては50μm以上とする。
本発明の上記手法の具体的構成については、如何なる装置構成でも適用することができるが、好ましくは、均一液滴法を用いるのが良い。均一液適法とは、所望の金属あるいは合金をるつぼで溶解し、溶湯に圧力と振動を付与して前記るつぼの底部に設けたオリフィスから溶湯を押出し、前記オリフィスから滴下した溶湯を急冷凝固させて金属球を製造する方法であり、本発明の転動体用金属球を製造するのに適した方法である。
また、金属球の凝固、回収については、溶湯液滴の表面に酸化が生じるような雰囲気では、表面張力による球状化が酸化膜によって阻害されるばかりでなく、凝固の際に異常な核生成を引き起こす可能性もある。そのため、本発明の凝固による転動体用金属球は、不活性ガス中で凝固され回収されるのが好ましい。
なお、本発明の“球状に凝固した”転動体用金属球は、その組織が凝固ままのものであってもよい他には、必要に応じて、熱処理といった、組織あるいは特性改善処理を施してもよい。つまり、製造した凝固ままの金属球は、適切な熱処理を施してその特性を最大限に引き出すことが可能である。例えば、凝固ひずみを焼鈍で除去することによって靱性を向上させたり、化合物を微細析出させて強度を向上させたり、非晶質相を結晶化させて強度を向上させたりすることができる。但し、径が10μmを超える粗大な化合物が組織中に出現すると、前述のように研磨工程における成形性の悪化や、使用時の耐疲労性低下が著しくなるため、そのような条件下での熱処理は避けるべきである。
次に、本発明において、転動体用金属球を凝固製造する際の溶湯には共晶に近い組成を狙うのが望ましい。その理由は、固液共存領域を狭め、特定の結晶を融液中で異常成長させることなく凝固を完了させるためである。つまり、亜共晶組成の場合だと、主成分金属のデンドライトが成長するので、その最終凝固部分に空隙が残った状態で凝固が完了しやすく、球内部に残ってしまうと除去が困難になる。また、先に晶出したデンドライトは凝固に伴って大きく収縮するため、最終凝固部に粗大な引け巣が残りやすい。
また一方で、合金が過共晶組成の場合、副成分からなる化合物が粗大に晶出しやすくなり、後工程の研磨における成形性を阻害するだけでなく、転動体に必要な特性である疲労特性、転がり時の静粛性をも阻害するおそれがある。共晶組成は、複数の固相成分を同時に、かつ微細に晶出させることが可能であるため、本発明に適用すれば、組織の均質性が要求される転動体用金属球として優れた特性を発揮すると考えられる。また、共晶合金は過冷しやすいため、急冷すると非晶質相や準安定相が得られやすい。したがって、本発明の採用する金属溶湯の組成に適用すれば、その液滴を急冷することにより、本来の共晶凝固組織とは異なる組織が得られ、強度やじん性、耐疲労性が改善される可能性も考えられる。
そこで具体的に述べれば、本発明を構成する素材は、基本材料としてはFe基あるいはNi基合金を採用して、その固液共存領域を狭めた、共晶あるいは共晶に近い組成が望ましい。これにより、球全体がほぼ同時に凝固し、収縮も均一に起こるので、引け巣などの空隙の少ない、真球に近い金属球が得られる。このような金属球は、転動体に要求される極めて平滑な表面を、研磨で成形することが容易である。
また、本発明の合金組成にCを含有すると、Cは転動体としての金属球の機械的特性を決定する一方では、上記の共晶組成による効果を得るための重要な元素となる。しかしながら、たとえ凝固組織が微細であっても、他にはCrやW、Mo、Vといった炭化物形成元素をも含み得る本発明の合金にとっては、多量のCを含有し、金属球中に過度に炭化物が存在すると、耐疲労性やじん性が低下する。
よって、転動体の要求特性に応じては、Si、B、P等の元素を添加し共晶炭素量を低下させることができる。これらの元素は、転動体としての金属球の機械的特性を決定する一方で、上記の共晶組成による効果を得るための重要な元素であるが、これらの元素のみで所望の機械的特性を得られる場合は、Cを添加しなくても良い。また、転動体の機械的特性を向上させる目的でMn、Cr、Co、Mo、Ta、Nb、Ti、Cu、Al、W、V、Ca、Y、Sm、Bi、N等の元素を添加することもできるし、Fe基合金であればNi、Ni基合金であればFeを添加することができる。
ところで、本発明の実施合金における液相線温度、固相線温度、融点は平衡状態図における値を指しているが、実際にオリフィスから滴下した溶湯を球状に急冷凝固する方法で金属球を製造した場合、平衡状態における共晶とは異なる組織が得られる場合がある。これは、急冷によって液滴が過冷されるため、平衡相への成分元素の分配(拡散)が不十分となるからで、みかけの共晶点がずれるからである。本発明は、共晶もしくは共晶に近い組成で実施されるのが望ましいが、目的は成形性の良い、真球に近い金属球を提供することであるため、上述の理由から本発明における合金は、液相線温度と固相線温度の差が150℃以内であることが望ましい。
上述した均一液適法により、組成を質量%で11.6%P−残部NiのNi基合金とした金属球を製造した。本法では、溶湯の凝固および金属球の回収はHe中で行った。回収した金属球の粒径は中央値でφ435μmであり、図1に示すように外観に大きな引け巣はなく、平滑な表面を有していた。この製造した凝固ままの金属球断面を精研磨によって調整し、組織観察すると、図2に示すように、Ni−P化合物と思われる約0.3μmの粒子が微細かつ均一に分散していた。なお本組成はCを含まないため、粗大炭化物は本質的に発生しない。アカシ製ビッカース硬度計MUK−E3を用いて荷重490mN(50gf)で断面の硬さを測定した結果、10点平均で726Hvを示し、強度としても転動体用球として供するに十分であった。
本発明の転動体用金属球の表面形態を示す顕微鏡写真である。 本発明の転同体用金属球の断面組織を示す顕微鏡写真である。

Claims (2)

  1. あらかじめ定められた体積の溶滴が凝固された転動体用金属球であって、10μm以下の化合物が晶出分散した組織を有し、硬さが660Hv以上であることを特徴とする転動体用金属球。
  2. 3mm以下の粒径を有することを特徴とする請求項1に記載の転動体用金属球。
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