JP2006291017A - 金属樹脂複合部品および、その製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属部品と同等の強度を有し、且つ軽量な金属樹脂複合部品を提供する。
【解決手段】 樹脂と、該樹脂の架橋助剤となる架橋型多官能モノマーと、前記樹脂中に分散されるトリアジン類で表面処理された金属製フィラーとを配合して混練し、該混練物を金型で成形し、成形後に放射線を照射して前記樹脂を架橋し、該架橋樹脂成形品を100℃以上で熱処理し、引張強度が100MPa以上、比重が3以下とされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属樹脂複合部品および、その製造方法に関し、詳しくは、金属と同等の強度を有するが、軽量で耐熱性、耐摩耗性に優れ、電子・電気部品等に好適に用いられる金属樹脂複合部品に関するものである。
自動車分野、電子・電気分野等においては、軽量化、小型化、薄肉化、さらに複雑な形状でプレス加工が困難な場合に加工容易化を図る等の観点から、金属に代えて、金属と同程度の強度を備えた樹脂成形により形成できるようにすることが要望されている。
樹脂の強度向上を図るものとして、従来より樹脂中に、ガラス繊維、カーボンブラック、金属フィラーを添加する方法が周知である。例えば、特開平5−93131号(特許文献1)、特開平10−251459号(特許文献2)、特開2002−12738号(特許文献3)等では導電性を付与するために金属フィラーが樹脂に配合されている。
前記したフィラーを樹脂に配合したものにおいて、フィラーと樹脂との接着強度が成形品全体の強度(引張強度等)に大きな影響を与える。この点に介してガラスファイバーへのシランカップリング処理が知られているが、金属フィラーは樹脂との界面は剥離しやすいが、前記特許文献1〜3においては金属フィラーと樹脂との接着強度を高める配慮がなされていない。
また、特許文献1では熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して金属フィラーが上限で3300重量部配合されており、特許文献2でもポリエチレン樹脂100重量部に対して金属フィラーは上限で1000重量部配合され、特許文献3では樹脂成分の総量100重量部に対して900〜5000重量部とされており、いずれも樹脂に対して大量の金属フィラーが配合されている。このように大量の金属フィラーが配合されると、成形品の比重は大きくなり、金属部品に対して大幅な軽量化を図ることが出来なくなる問題がある。かつ、このような大量の金属フィラーを配合した場合、成形性が悪くなり、かつ、前記したマトリクス樹脂との接着強度を確保することが成形品の強度を高める点からも重要な要件となる。
さらに、これら金属フィラーを配合して強度を金属部品と同等に高めたものに対して、金属部品を半田つけする場合、耐熱性も高める必要があるが、特許文献1〜3では耐熱性についても配慮がなされていない。
特開平5−93131号公報 特開平10−251459号公報 特開2002−12738号公報
本発明は前記した問題に鑑みてなされたもので、樹脂中に金属フィラーを分散させて配合する金属樹脂複合部品において、金属フィラーと樹脂との界面の接着強度を高めることにより金属樹脂複合部品の強度を高めることを主たる課題とする。また、金属フィラーとして比重の小さいものを用いることにより軽量化を図り、かつ、耐熱性も高めることも課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは架橋樹脂からなる樹脂中に、金属表面を有する金属フィラーが分散され、該金属フィラーと前記樹脂とが下式(1)のトリアジンチオール類を介して結合されている成形体からなり、
該成形体の引張強度が100MPa以上、比重が3以下とされていることを特徴とする金属樹脂複合部品を提供している。
Figure 2006291017
(式中、Rは−SR、−ORまたは−NHRを示し、Rは水素原子、アルキル基、フェニル基またはアルケニル基を示す。MおよびMは同一または異なって、水素原子、アルカリ金属または1/2(アルカリ土類金属)を示す。)
前記式(1) で表されるトリアジンチオール類において、基R で表される基:−SR、基:−ORまたは基:−NHR中の基Rのうち、アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。また、アルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、1,3−ブタンジエニル等が挙げられる。
前記基MおよびMで表されるアルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
前記トリアジンチオール類の具体例としては、例えば2−オクチルアミノ−4,6−ジチオール−1,3,5−トリアジン、2−アニリノ−4,6−ジチオール−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリチオール−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−ソジウムメルカプチド−1,3,5−トリアジン、2−メルカプト−4,6−ビスポタジウムメルカプチド−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記トリアジンチオール類の溶液に前記金属フィラーを浸漬して、金属フィラーの表面処理をトリアジンチオール類で行った後、水洗い後、乾燥させた状態で樹脂中に配合して混練している。これにより、金属フィラーと樹脂との界面がトリアジンチオール類を介して結合されることとなる。
前記のように金属フィラーを樹脂中に分散して充填し、かつ、これら金属フィラーと樹脂との界面をトリアジンチオール類を介して強固に結合することにより、金属と同等の引張強度が100MPa以上とし、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属以上の強度を付与している。さらに、金属と同等の強度を保持しながら、全体の比重を3以下としてマグネシウムやマグネシウム合金等より軽量している。
本発明の金属樹脂複合部品の比重を3以下とするため、中空金属フィラー、微細な中実金属フィラー、樹脂の表面に金属被膜を有するフィラーで、比重が3以下のものを用いることが好ましい。
前記中空状金属フィラーは、樹脂製ビーズに金属粉末をメッキ等でコーテイングした後、加圧焼結する方法で成形し、焼結過程でビーズが焼き飛ばされてガス化し、消滅することにより中空の金属球を形成したもの等からなる。
また、前記樹脂の表面を金属で被覆したフィラーは、例えば、樹脂製ビーズにメッキして製造しているものである。
前記金属フィラーは、平均径が0.01〜4000μmの範囲とすることが好ましい。 中実金属フィラーの場合は平均径が1000μm以下、より好ましくは100μm以下である。また、比重が3以下、好ましくは比重1以下、特に、比重が0.5程度のものが好適に用いられ、これにより、成形される本発明の金属樹脂複合部品の比重が2以下となるようにしている。
該金属フィラーの添加量は用途に応じて選択され、特定されるものではないが、金属フィラーを配合して電気抵抗率を前記したように10−4Ω以下とすることが好ましい。
金属樹脂複合部品の樹脂100重量部に対して、0.01〜200重量部で配合されていることが好ましい。
これは、0.01重量部以上とすることにより、引張強度を100MPa以上とすることができることによる。一方、200重量部を越えると成形が困難になる。
金属フィラーの金属の種類は特定されないが、銅、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、鉄、金、銀、これらの合金から選択された1種または複数種からなることが好ましい。その中でも、特に、300〜400℃の低融点金属が好適に用いられる。
本発明は、前記金属樹脂複合部品の製造方法として、樹脂と、該樹脂の架橋助剤となる架橋型多官能モノマーと、前記樹脂中に分散される金属製フィラーとを配合して混練し、該混練物を金型で成形し、成形後に放射線を照射して前記樹脂を架橋し、ついで、
前記架橋樹脂成形品を100℃以上で熱処理する製造方法を提供している。
なお、樹脂組成物の成形方法としては射出成形が好適に用いられるが、押出成形でもよい。
本発明で用いる樹脂は、前記したように、200℃で溶融しない耐熱性を有する樹脂、即ち、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は架橋樹脂を用いている。
該樹脂としては、ポリアミド、エポキシ、ポリエステル、全芳香族ポリアラミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂等からなり、かつ、放射線の照射時に架橋させるために、これら樹脂の架橋助剤が含有されている。
前記した樹脂中で、融点が200℃以上のポリアミド樹脂と、トリアリルイソシアヌレートからなる架橋型多官能モノマーが含有されていることが好ましい。
即ち、ポリアミド樹脂は、一般にそのままでは放射線架橋を行うことが困難であるが、多官能性モノマーを添加することによって、容易に放射線架橋を行うことができ、架橋することによって金属−樹脂複合体の耐半田性を向上させることができる。
ポリアミド樹脂としては、従来公知の種々のナイロン樹脂を用いることができるが、架橋密度や架橋効率を高め、成形性を良好とし、高レベルの耐半田性を得るためには、
(1)炭素数が5以上のメチレン鎖を有するもの、
(2) 酸アミド結合部分以外の繰返し単位に、芳香族の基を有しないもの、
(3)融点が200〜350℃であるものを用いるのが好ましい。
従って、例えばナイロン−6(ポリアミドー6 融点215〜225℃)、ナイロン−66(ポリアミドー66 融点255〜265℃)、ナイロン−610(ポリアミドー610 融点215〜225℃)、ナイロン−612(ポリアミドー612 融点210〜220℃)、ナイロン−4,6(ポリアミドー4.6 融点295〜300℃)、MCXナイロン〔三井石油化学(株)製、融点320℃〕、6Tナイロン、9Tナイロン等が好適に用いられる。
一方、例えばポリアミドとポリエステル(またはポリエーテル)とをブロック共重合したナイロンエラストマーのように、融点が160℃以下であるナイロンの場合には、強度が低くなるために、本発明の金属樹脂複合部品の用途に適さなくなるおそれがある。
前記ポリアミド樹脂に配合される多官能性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば下式(2)の構造を有する、シアヌル酸誘導体(例えば、トリアリルシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸等);トリアリルイソシアヌレート等のイソシアヌル酸誘導体;ジアリルフタレート類;アクリル酸またはメタクリル酸のジまたはトリエステル類等が好適に用いられる。
Figure 2006291017
前記式(2)中において、R、RおよびRは同一または異なってアルケニル基を示す。式(2)で表されるシアヌル酸誘導体において、基R〜Rで表されるアルケニル基としては、例えばビニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、1,3−ブタンジエニル等が挙げられる。
前記したように、金属フィラーが分散された樹脂を成形後、該成形品を放射線で照射し、樹脂を架橋し、硬度及び耐熱性を高めている。
前記放射線としては、電子線、γ線、X線等が挙げられる。該放射線の照射でポリアミド樹脂を架橋する場合、放射線の照射線量は10〜900kGyのレベルに設定することが好ましい。
樹脂としてポリアミド樹脂を用いる場合、前記したように、そのままでは放射線架橋を行うことが困難であるため、多官能性モノマーを添加して、放射線架橋が容易に行えるようにしている。なお、放射線の照射時に、100〜500℃の加熱条件下でおこなってもよい。
前記放射線を照射して樹脂成形品を硬化させた後に、さらに、100〜500℃で熱処理して、金属層と樹脂成形品との接着強度を一層高めている。
この加熱処理は放射線による架橋がなされた樹脂成形品を、例えばオーブン等に入れて、200〜300℃の雰囲気に5〜60分程度、好ましくは10分程度保持することによって行われる。
前記熱処理を施すことにより、通常の金型温度で一体成形された金属樹脂複合部品の金属層と樹脂層との接着強度を、成形品を変形させることなく高めることができる。
前記熱処理の温度が100℃を下回ると接着強度の向上がなく、接着強度をより高めるためには、300℃近くの高温で行うことが好ましい。
本発明の金属樹脂複合部品は、例えば、自動車用部品、電気・電子部品、電気機器のハウジング等の所要形状に成形される。
具体的には、従来、金属加工で形成されていた電気製品、例えば携帯電話の本体や蓋や、画像表示装置のフレーム、自動車のフレーム、ドアパネル、インストルメントパネル等の各種パネル等を本発明の金属樹脂複合部品で形成して、軽量化が図れると共に、複雑な形状も金型で成形することにより製造可能となる。
かつ、これら金属樹脂複合部品で形成される金属類似部品の表面への金属部品の半田付けも、耐熱性が高いことより問題なく行うことができる。
前記金属樹脂複合部品から成形される部品の表面に、金属層を設ける場合には、成形体の表面がトリアジンチオール類による表面処理あるいは/およびエッチング処理され、該処理面に、所要の金属がメッキ、スパッタリング、蒸着、イオンプレーテイング、溶融金属のディップコーテングあるいは溶融金属の溶射法で金属被覆層が形成されている。
例えば、前記樹脂成形品の一部に金属層を設けて電気回路を形成すると、狭ピッチ回路の基板や立体回路を備えたコネクタ等の電気部品等を設けることができる。また、該基板上に電子部品を半田接続する際も、該半田付け面に金属層を設けておくことで鉛フリー半田実装が可能となる。
表面処理に用いるトリアジンチオール類は、前記金属フィラーの表面処理に用いたものと同一である。
表面をエッチング処理する場合、無極性溶媒浸漬によるエッチング処理で、表面粗さRaが1〜10μmとなるように粗面化処理することが好ましい。
前記表面粗さとは、JIS B 0601「表面粗さの定義と表示」に規定される「中心線平均粗さ(Ra)」をさす。
前記エッチング処理して表面を粗面化した後、トリアジンチオール類で表面処理をしてもよい。
前記表面金属層を形成する金属としては銅、ニッケル、スズ、金、銀、アルミニウム、鉄、およびこれらの合金等が挙げられる。中でもニッケルメッキ、ニッケルリンメッキの層を含むことが、表面の硬度が高くなる、メッキ層との接着性が高くなる、コスト的に有利になる等の理由で好ましい。
これら金属により一層または複数層からなる金属層を設け、該金属層の全体厚さを0.01〜100μmとしていることが好ましい。
また、金属層は表面全体に設けて、見かけ上も金属部品と同等としても良いし、金属層を一部に設けて回路等としてもよい。
前記した方法で製造される本発明の金属樹脂複合部品は、樹脂成形品に放射線を照射して樹脂を架橋しているため強度、硬度および耐熱性を高められ、金属と同等な物性を付与することができる。よって、本発明の金属樹脂複合部品は、前記したように、引張強度が100MPa以上とすることができる。
引張強度を100MPa以上としているのは、金属製品との置き換えを可能とするため、および表面に金属層を設ける場合にはベースの強度を上げる必要があることに基づく。
の理由による。好ましくは200MPa以上であり、引張強度は大きい程好ましい。
上述したように、本発明の金属樹脂複合部品の樹脂成形品は、樹脂と該樹脂中に分散させる金属フィラーとの接着強度を十分に確保しているため、亜鉛、マグネシウム等の金属を上回る引張強度を備え、かつ、耐熱性も備えたものであるため、金属の代替品として用いることができる。さらに、比重を3以下としているため、金属部品より軽量化を図ることができ、さらに、樹脂であるため複雑、緻密な形状も金型で成形することができる利点も有する。
以下、本発明に係る金属樹脂複合部品について、詳細に説明する。
図1および図2は本発明の第1実施形態からなる金属樹脂複合部品1を示し、樹脂2中に図2で示すようにトリアジンチオール類による表面処理層3aを備えた中空金属フィラー3が分散されている。該金属樹脂複合部品1は自動車用のパネル10となるように射出成形されている。
前記金属樹脂複合部品1は、その引張強度が100MPa以上で、比重が3以下とされ、溶融温度は200℃以上とされている。
樹脂2として、融点が200℃以上のポリアミド樹脂(ナイロンー6、ナイロンー66等)を用い、該ポリアミド樹脂100重量部に対して、例えばエポキシ基含有の多官能反応性モノマーを0.01〜30重量部配合している。本実施形態ではナイロンー66と、トとトリアリルイソシアヌレートを用いている。
中空金属フィラー3として、銅、アルミ、マグネシウム、その合金等から選択したものが適宜に用いられるが、本実施形態では銅中空フィラーを用いている。
配合比は、ポリアミド樹脂を100重量部とすると、中空金属フィラーを0.01〜200重量部で配合している。
前記中空金属フィラー3を予め前記式(1)の構造を有するトリアジンチオール類によって表面処理を施した後、水洗いし、乾燥して前記した表面処理槽3aを設けた後に、多官能反応性モノマーが配合された樹脂2と中に混合している。
前記トリアジンチオール類による表面処理は、詳細には、トリアジンチオール類の水溶液や有機溶媒の溶液に中空金属フィラーを浸漬して行っている。其の際、液温を10〜40℃に調整して、浸漬時間を1〜30分、好ましくは5〜10分に設定している。
前記有機溶媒は限定されないが、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類などが挙げられる。
前記トリアジンチオール類による表面処理層3aを備えた中空金属フィラー3を樹脂と混練した後、成形金型を用いて射出成形して図2に示す形状としている。該射出成形後に、放射線を照射して樹脂を架橋し、架橋樹脂成形品としている。この、放射線による照射した後、硬化後、前記放射線照射時よりも高温の200〜300℃で加熱してしている。
図3は第2実施形態を示し、金属フィラー3’として、中空金属フィラーに代えて、ビーズ状樹脂3b’の全表面に金属被膜3c’を設けたものを使用している点を第1実施形態と相違させている。他の構成は第1実施形態と同様であり、本実施形態ではポリエステル樹脂の表面を無電解メッキで銅被膜を設けている。この金属フィラー3’の金属被膜3c’の表面をトリアジン類で表面処理して表面処理層3a’を設けている。
図示していないが、第3実施形態では、金属フィラーとして、平均径が100〜1μmの中実金属フィラーを用いている。他の構成は第1実施形態と同様であり、この中実金属フィラーの表面をトリアジン類で表面処理して、表面処理層を設けている。
図4は第4実施形態を示し、第1実施形態で成形した金属樹脂複合部品1の全表面を金属層4で被覆して、金属部品と同等品としている。
第1実施形態との相違点は、射出成形した後、その表面をエッチングで粗面化処理している。なお、式(1)に記載のトリアジンチオール類で表面処理した後にエッチング処理しても良いし、エッチング処理に代えてトリアジンチオール類で表面処理するだけでもよい。
前記表面処理した成形品の表面に所要の金属を無電解メッキしている。
該メッキとしては、任意の金属を用いることが可能であるが、ニッケルメッキあるいは、ニッケルリンメッキをメッキ層を含むことが好ましい。
該メッキ厚さは0.1〜100μmとしている。
なお、メッキに代えて前記したように、スパッタリング、蒸着、イオンプレーテイング、溶融金属のディップコーテング、溶融金属の溶射法で金属層3を形成してもよい。
「実施例」
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
実施例1
前記実施形態3に相当し、金属フィラーとして、銅フィラー(関東鋼線株式会社製、平均粒径80μm)を用い、メタノールで脱脂後、ジスネットF(三協化学株式会社製、2.4.6−トリメルカプト−s−トリアジン)の1%メタノール溶液に10分間浸漬し、水で洗浄後に乾燥させ、銅フィラーの表面をトリアジン処理した。
ナイロンー66を100重量部とすると、トリアリルイソシアヌレートを2重量部、前記銅フィラーを10重量部の割合で配合し、2軸混合機で混練した。この混練物を50tの電動射出成形機(住友重機械会社製)で、温度280℃として、射出成形し、引っ張りダンベルを成形品として成形した。
前記引っ張りダンペルを100kGyで電子線照射を行った。
前記電子線照射した硬化した後、300℃の恒温槽に10分間放置して、熱処理を施した。
実施例2
実施例2は実施形態2に相当し、配合する金属フィラーを実施例1と異ならせている点だけを相違させた。金属フィラーとして、ABS樹脂製のビーズを銅で無電解メッキして、平均粒径10μmとしたフィラーを用いた。該金属フィラーの比重は1.3であった。該金属フィラーを実施例1と同様にトリアジン処理した。
実施例3
実施例1との相違点は、放射線照射後に行う熱処理の温度を100℃とした。他は実施1と同様とした。
実施例4
実施例1との相違点は、放射線照射後に行う熱処理の温度を200℃とした。他は実施1と同様とした。
比較例1
銅フィラーの表面をトリアジン処理しなかったこと以外は、実施例1と同様とした。
比較例2
放射線の照射後に熱処理しなかったこと以外は、実施例2と同様とした。
比較例3
銅フィラーを放射線の照射後に熱処理しなかったこと以外は、実施例3と同様とした。
比較例4
金属フィラーを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様とした。
比較例5
射出成形後に放射線を照射しなかったこと以外は、実施例1と同様とした。
前記実施例1〜4、比較例1〜5の比重および、引張強度を測定した。
引張強度の測定方法は、室温にて、ASTM D−638に準拠して行った。
その結果を下記の表に示す。
引張強度(MPa) 比重
実施例1 120 1.5
実施例2 110 1.5
実施例3 102 1.5
実施例4 115 1.5
比較例1 90 1.5
比較例2 95 1.5
比較例3 70 1.3
比較例4 65 1.2
比較例5 測定不能(溶融) 1.2
前記表に示すように、実施例1〜4の金属フィラーをトリアジン処理したものは、引張強度が100MPa以上であった。又、比重も1.5であった。この結果より、引張強度は亜鉛、マグネシウムを上回り、かつ、比重をは小さくできることが確認できた。
一方、金属フィラーの表面をトリアジン処理しなかった比較例1は引張強度が100MPa以下の90MPaで強度が不足していた。放射線の照射後に熱処理しなかった比較例1、2とも引張強度が100MPa以下であった。金属フィラーを配合しなかった比較例4では強度が65MPaで実施例と比較して強度が大幅に低下していた。
比較例5は300℃での熱処理の段階で溶融してしまい、測定不能であった。これにより、放射線照射しない場合には耐熱性が極端に低下することが確認できた。
(A)は第1実施形態の金属樹脂複合部品の概略断面図、(B)は成形品の概略斜視図である。 第1実施形態で用いる金属フィラーの拡大断面図である。 (B)は第2実施形態の金属樹脂複合部品の概略断面図、(B)は金属フィラーの拡大断面図である。 第3実施形態の概略断面図である。
符号の説明
1 金属樹脂複合部品
2 樹脂
3 金属フィラー
3a トリアジンチオール類による表面処理層
4 金属層
5 トリアジンチオール類による表面処理層

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは架橋樹脂からなる樹脂中に、金属表面を有する金属フィラーが分散され、該金属フィラーと前記樹脂とが下式(1)のトリアジンチオール類を介して結合されている成形体からなり、
    該成形体の引張強度が100MPa以上、比重が3以下とされていることを特徴とする金属樹脂複合部品。
    Figure 2006291017
    (式中、Rは−SR、−ORまたは−NHRを示し、Rは水素原子、アルキル基、フェニル基またはアルケニル基を示す。MおよびMは同一または異なって、水素原子、アルカリ金属または1/2(アルカリ土類金属)を示す。)
  2. 前記金属フィラーは、中空金属フィラー、中実金属フィラー、あるいは/および樹脂の表面に金属被膜を有するフィラーからなるである請求項1に記載の金属樹脂複合部品。
  3. 前記金属フィラーは、樹脂100重量部に対して0.01〜200重量部で配合されている請求項1または請求項2に記載の金属樹脂複合部品。
  4. 該金属フィラーの金属は銅、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、鉄、金、銀、これらの合金から選択された1種または複数種からなり、
    平均径が0.01〜4000μmである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金属樹脂複合部品。
  5. 前記樹脂がポリアミド樹脂と、該ポリアミド樹脂の架橋助剤を含有し、放射線照射で架橋されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金属樹脂複合部品。
  6. 自動車用部品、電気・電子部品、電気機器のハウジングとして所要形状に成形されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の金属樹脂複合部品。
  7. 表面がトリアジンチオール類による表面処理あるいは/およびエッチング処理され、該処理面に、所要の金属がメッキ、スパッタリング、蒸着、イオンプレーテイング、溶融金属のディップコーテングあるいは溶融金属の溶射法で金属被覆層が形成されている請求項6に記載の金属樹脂複合部品。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の金属樹脂複合部品の製造方法であって、
    樹脂と、該樹脂の架橋助剤となる架橋型多官能モノマーと、前記樹脂中に分散される金属製フィラーとを配合して混練し、該混練物を金型で成形し、成形後に放射線を照射して前記樹脂を架橋し、ついで、
    前記架橋樹脂成形品を100℃以上で熱処理していることを特徴する金属樹脂複合部品の製造方法。
JP2005112792A 2005-04-08 2005-04-08 金属樹脂複合部品および、その製造方法 Withdrawn JP2006291017A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012044062A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Fujitsu Ltd 回路基板およびその製造方法、銅箔の形成方法

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