JP2006290956A - 水系潤滑剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、泡立ちの問題が少なく、潤滑性の良好な水系の潤滑剤組成物に関する。
近年の環境問題及び防災上等の観点から、潤滑剤組成物の水系への移行が求められている。水系潤滑剤組成物としては、鉱物油や油脂類を使用したエマルション型やソリュブル型の切削油、プレス油、鍛造油、引き抜き油などの水溶性金属加工油および水溶性のポリエーテルとグリコールを主成分とした水・グリコール系作動油等があり、これらの潤滑剤組成物の性能を向上させるために、油性向上剤、極圧剤等を添加する試みがなされている。しかし、多くの油性向上剤や極圧剤は、水系潤滑剤組成物に溶解するものが少なく、配合した場合も安定性が悪く長期に効果を持たせることができないことが知られている。
そこで、水系の油性向上剤や極圧剤としては、古くから脂肪酸塩(石鹸)が使用され、また、例えば、特許文献1には、一般式HOOCR−Sx−RCOOH(式中、Rは炭素数1〜20のアルキレン基、フェニレン基、炭素数7〜20のアルキルフェニレン基あるいは炭素数3〜20のシクロアルキレン基を示し、xは1〜3を示す。)で表わされるチオジカルボン酸を含有することを特徴とする水系潤滑剤(第1項);(A)一般式HOOCR−Sx−RCOOH(式中、Rは炭素数1〜20のアルキレン基、フェニレン基、炭素数7〜20のアルキルフェニレン基あるいは炭素数3〜20のシクロアルキレン基を示し、xは1〜3を示す。)で表わされるチオジカルボン酸および(B)アルカノールアミン、アルキルアミン、アリールアミン、アラルキルアミン、シクロアルキルアミン、アルカリ金属の水酸化物およびアルカリ土類金属の水酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする水系潤滑剤(第2項)が開示されている。
更に、特許文献2には、3−メルカプトプロピオン酸ジスルフィドの水溶性塩から成ることを特徴とする機能性流体用の極圧性効果を有する添加剤が開示されている。また、特許文献3には、(a)下記一般式(I)で表わされる第4級アンモニウムカチオン、(b)有機酸残基、及び(c)シリコーン系消泡剤を含有することを特徴とする水性媒体用摩擦抵抗低減剤
(式中、R1は、炭素数8〜22の直鎖状あるいは分岐鎖状の飽和及び/又は不飽和脂肪族炭化水素基、R2、R3及びR4は、メチル基、エチル基、下記一般式(II)で表される基から選ばれ、それぞれの基が異なってもよく、2つ以上の基が同一であってもよい)
(式中、nは1〜5、Yは水素又はメチル基である)
が開示されている。
が開示されている。
しかしながら、石鹸や特許文献1及び2のチオジプロピオン酸及びメルカプトプロピオン酸ジスルフィド等のカルボン酸やその塩では、加工時の泡立ちが大きくなる欠点があった。又、特許文献3の4級アンモニウム塩では、加工時の泡立ちが大きくなる欠点に加え、対イオンにハロゲン原子を使用しており、そのため金属の腐食が大きいことが知られていた。更に、金属原子や硫黄原子が含有される添加剤は、人体への影響や廃棄処理といった面から使用しないほうが好ましいといわれており、こうした面から、ハロゲン原子や硫黄化合物を使用せず、更に泡立ちが少なく、極圧性等の潤滑性が良好な水系潤滑剤組成物が求められていた。
従って、本発明の目的は、ハロゲン原子や硫黄化合物を使用せず、泡立ちが少なく、極圧性等の潤滑性が良好な水系潤滑剤組成物を提供することにある。
そこで本発明者らは、上記課題について鋭意検討し、金属分を含有しない特定の第四級アンモニウム塩に、従来の水系潤滑剤組成物用の添加剤と同等以上の極圧性能と低起泡性能を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、水と下記の一般式(1)
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立した、エーテル基、水酸基、アミド基を一つ以上含んでもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表し、その少なくとも一つは、炭素数が4〜30の範囲内にあり、X−はハロゲン原子イオン及びアルキル硫酸由来のアニオンのいずれも含まないアニオン性基を表す。)で表される第四級アンモニウム塩を含有することを特徴とする水系潤滑剤組成物である。
即ち、本発明は、水と下記の一般式(1)
本発明の効果は、金属分を含有せず、潤滑性良好で泡立ちの問題のない水系潤滑剤組成物を提供したことにある。
上記一般式(1)において、R1〜R4は、それぞれ独立した、炭素数1〜30の炭化水素基、もしくは水酸基、エーテル基、アミド基で一つ以上含んでもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表し、その少なくとも一つは、炭素数が4〜30の範囲内にある。
ここで、炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、モノメチル分枝−イソステアリル等のアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等のアルケニル基;フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、オクタデシルフェニル、スチレン化フェニル、p−クミルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等のアリール基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等のシクロアルキル基やシクロアルケニル基が挙げられる。
ここで、炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、モノメチル分枝−イソステアリル等のアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等のアルケニル基;フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、オクタデシルフェニル、スチレン化フェニル、p−クミルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等のアリール基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等のシクロアルキル基やシクロアルケニル基が挙げられる。
又、水酸基、エーテル基、アミド基を含有する基としては、例えば、後述の製造方法に記載されている、アミド基を含有する第三級アミン化合物、水酸基を含有する第三級アミン化合物、エーテル基を含有する第三級アミン化合物に含有するそれぞれの基等が挙げられる。
ここで、潤滑性の点から、R1〜R4の少なくとも1つは、炭素数が4〜30の範囲内でなければならず、炭素数8〜20の炭化水素基であることが好ましく、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基であることがより好ましく、炭素数8〜20の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であることが更に好ましい。
次に、上記一般式(1)において、X−は、ハロゲン原子イオン及びR5SO4 −(式中、R5は、アルキル基を表す)で表されるアルキル硫酸由来のアニオンのいずれも含まないアニオン性基を表す。アニオン性基であるX−は、酸性化合物HXとして表されるとき、酸性度の指標であるpka(平衡定数)が0より大きい値を有するものであればよい。
このようなHXとしては、例えば、炭酸、ホウ酸、ケイ酸などの無機化合物;モノメチル炭酸、モノエチル炭酸などの炭酸エステル類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸(酪酸)、ペンタン酸(吉草酸)、イソペンタン酸(イソ吉草酸)、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸)、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、ノナン酸(ペラルゴン酸)、イソノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、イソデカン酸、ウンデカン酸、イソウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、イソドデカン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、イソステアリン酸、エイコサン酸(アラキン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、オクタコサン酸(モンタン酸)、10−ウンデセン酸、ゾーマリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレン酸、エルカ酸、セラコレイン酸、天然油脂から得られる混合脂肪酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、ブチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの有機カルボン酸及び水(X−としては水酸基)が挙げられる。中でも、原料入手の容易さ及び製造の容易さの観点から、炭酸、炭酸エステル、有機カルボン酸及び水が好ましく、炭酸、炭酸エステル、水がより好ましく、炭酸エステル、水が更に好ましく、炭酸エステルが最も好ましい。
本発明の一般式(1)で表される第四級アンモニウム塩は、第三級アミン化合物、アミド基を含有する第三級アミン化合物、水酸基を含有する第三級アミン化合物、エーテル基を含有する第三級アミン化合物、及びこれらの基の少なくとも二つ以上を含有している第三級アミン化合物からなる群から選択される、少なくとも1つの第三級アミン類を出発物質とし、これを四級化剤により四級化させることによって製造することができる。ただし、四級化して得られた化合物のアニオン性基がハロゲン等の上記アニオン性基以外の場合には、公知の方法により塩交換すればよい。また、四級化又は塩交換して得られた第四級アンモニウム塩のアニオン性基が水酸基の場合には、上記の酸性化合物HXで中和し、生成した水を脱水することにより、水酸基を有機カルボン酸由来のアニオン性基に換えることもできる。
出発物質である第三級アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリテトラデシルアミン、トリヘキサデシルアミン、トリオクタデシルアミン、トリエイコシルアミン、トリドコシルアミン、トリテトラコシルアミン、トリヘキサコシルアミン、トリオクタコシルアミン、トリアコンチルアミン、モノメチルジエチルアミン、モノメチルジブチルアミン、モノメチルジヘキシルアミン、モノメチルジオクチルアミン、モノメチルジデシルアミン、モノメチルジドデシルアミン、モノメチルジテトラデシルアミン、モノメチルジヘキサデシルアミン、モノメチルジオクタデシルアミン、モノメチルジエイコシルアミン、モノメチルジドコシルアミン、モノメチルジテトラコシルアミン、モノメチルジヘキサコシルアミン、モノメチルジオクタコシルアミン、モノメチルジアコンチルアミン、ジメチルモノエチルアミン、ジメチルモノエチルアミン、ジメチルモノプロピルアミン、ジメチルモノブチルアミン、ジメチルモノアミルアミン、ジメチルモノヘキシルアミン、ジメチルモノヘプチルアミン、ジメチルモノオクチルアミン、ジメチルモノノニルアミン、ジメチルモノデシルアミン、ジメチルモノドデシルアミン、ジメチルモノテトラデシルアミン、ジメチルモノヘキサデシルアミン、ジメチルモノオクタデシルアミン、ジメチルモノエイコシルアミン、ジメチルモノドコシルアミン、ジメチルモノテトラコシルアミン、ジメチルモノヘキサコシルアミン、ジメチルモノオクタコシルアミン、ジメチルモノアコンチルアミン等のアルキル第三級アミン;トリアリルアミン、トリプロペニルアミン、トリイソプロペニルアミン、トリブテニルアミン、トリイソブテニルアミン、トリペンテニルアミン、トリイソペンテニルアミン、トリヘキセニルアミン、トリヘプテニルアミン、トリオクテニルアミン、トリノネニルアミン、トリデセニルアミン、トリドデセニルアミン、トリテトラデセニルアミン、トリオレイルアミン、モノメチルジアリルアミン、モノメチルジプロペニルアミン、モノメチルジイソプロペニルアミン、モノメチルジブテニルアミン、モノメチルジイソブテニルアミン、モノメチルジペンテニルアミン、モノメチルジイソペンテニルアミン、モノメチルジヘキセニルアミン、モノメチルジヘプテニルアミン、モノメチルジオクテニルアミン、モノメチルジノネニルアミン、モノメチルジデセニルアミン、モノメチルジドデセニルアミン、モノメチルジテトラデセニルアミン、モノメチルジオレイルアミン、ジメチルモノアリルアミン、ジメチルモノプロペニルアミン、ジメチルモノイソプロペニルアミン、ジメチルモノブテニルアミン、ジメチルモノイソブテニルアミン、ジメチルモノペンテニルアミン、ジメチルモノイソペンテニルアミン、ジメチルモノヘキセニルアミン、ジメチルモノヘプテニルアミン、ジメチルモノオクテニルアミン、ジメチルモノノネニルアミン、ジメチルモノデセニルアミン、ジメチルモノドデセニルアミン、ジメチルモノテトラデセニルアミン、ジメチルモノオレイルアミン等のアルケニル基を有する第三級アミン;トリフェニルアミン、トリトルイルアミン、トリキシリルアミン、トリクメニルアミン、トリベンジルアミン、トリスチリルアミン、トリシンナミルアミン、トリベンズヒドリルアミン、トリエチルフェニルアミン、トリプロピルフェニルアミン、トリブチルフェニルアミン、トリヘキシルフェニルアミン、トリオクチルフェニルアミン、トリノニルフェニルアミン、トリデシルフェニルアミン、トリドデシルフェニルアミン、トリスチレン化フェニルアミン、トリp−クミルフェニルアミン、トリベンジルフェニルアミン、トリα−ナフチルアミン、トリβ−ナフチルアミン、モノメチルジフェニルアミン、モノメチルジトルイルアミン、モノメチルジキシリルアミン、モノメチルジクメニルアミン、モノメチルジベンジルアミン、モノメチルジスチリルアミン、モノメチルジシンナミルアミン、モノメチルジベンズヒドリルアミン、モノメチルジエチルフェニルアミン、モノメチルジプロピルフェニルアミン、モノメチルジブチルフェニルアミン、モノメチルジヘキシルフェニルアミン、モノメチルジオクチルフェニルアミン、モノメチルジノニルフェニルアミン、モノメチルジデシルフェニルアミン、モノメチルジドデシルフェニルアミン、モノメチルジスチレン化フェニルアミン、モノメチルジp−クミルフェニルアミン、モノメチルジベンジルフェニルアミン、モノメチルジα−ナフチルアミン、モノメチルジβ−ナフチルアミン、ジメチルモノフェニルアミン、ジメチルモノトルイルアミン、ジメチルモノキシリルアミン、ジメチルモノクメニルアミン、ジメチルモノベンジルアミン、ジメチルモノスチリルアミン、ジメチルモノシンナミルアミン、ジメチルモノベンズヒドリルアミン、ジメチルモノエチルフェニルアミン、ジメチルモノプロピルフェニルアミン、ジメチルモノブチルフェニルアミン、ジメチルモノヘキシルフェニルアミン、ジメチルモノオクチルフェニルアミン、ジメチルモノノニルフェニルアミン、ジメチルモノデシルフェニルアミン、ジメチルモノドデシルフェニルアミン、ジメチルモノスチレン化フェニルアミン、ジメチルモノp−クミルフェニルアミン、ジメチルモノベンジルフェニルアミン、ジメチルモノα−ナフチルアミン、ジメチルモノβ−ナフチルアミン等のアリール基を有する第三級アミン;アマニ油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物性油脂などの天然油脂から得られる脂肪酸を原料にした第三級アミンが挙げられる。
出発物質であるアミド基を含有する第三級アミン化合物は、例えば、以下の方法によって製造することができる。ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、エチレンプロピレントリアミン等の一級アミノ基を2個及び二級アミノ基を1個有するトリアミン;ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、ビス(3−アミノプロピル)エチルアミン、ビス(3−アミノプロピル)プロピルアミン、ビス(3−アミノプロピル)ブチルアミン、ビス(3−アミノプロピル)ベンジルアミン等の一級アミノ基を2個及び三級アミノ基を1個有するトリアミン;N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルプロピレンジアミン、N,N−ジエチルプロピレンジアミン、N,N−ジプロピルプロピレンジアミン、N,N−ジブチルプロピレンジアミン等の一級アミノ基を1個及び三級アミノ基を1個有するジアミン等のアミン化合物と、脂肪酸、脂肪酸クロライド又は脂肪酸エステルとを反応させて、アミン化合物の一級アミノ基をアミド化することにより、アミンアミド化合物が得られる。得られた化合物が第二級アミンアミド化合物の場合には、二級アミノ基をハロゲン化炭化水素や硫酸ジアルキル等で三級化することにより三級アミンアミド化合物を得ることができる。
上記アミド化用いる脂肪酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸(酪酸)、ペンタン酸(吉草酸)、イソペンタン酸(イソ吉草酸)、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸)、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、ノナン酸(ペラルゴン酸)、イソノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、イソデカン酸、ウンデカン酸、イソウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、イソドデカン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、イソステアリン酸、エイコサン酸(アラキン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、オクタコサン酸(モンタン酸)、10−ウンデセン酸、ゾーマリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレン酸、エルカ酸、セラコレイン酸等が挙げられる。また、天然油脂から得られる混合脂肪酸であってもよい。天然油脂としては、例えば、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ脂、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シアナット油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油等の植物性油脂;馬脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が挙げられる。
出発物質である水酸基を含有する第三級アミン化合物には、例えば、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−イソプロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−ペンチルジエタノールアミン、N−オクチルジエタノールアミン、N−デシルジエタノールアミン、N−ドデシルジエタノールアミン、N−オクタデシルジエタノールアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジオクチルエタノールアミン、N,N−ジドデシルエタノールアミン、N,N−ジオクタデシルエタノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン、N−ベンジルジエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−シクロヘキシルジイソプロパノールアミン、N−ベンジルジイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン等の第三級アルカノールアミンが挙げられる。
又、エーテル基を含有する第三級アミン化合物は、例えば、上記第三級アルカノールアミン化合物に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド化合物を反応させたり、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、ブチルブロマイド等のハロゲン化アルキルを反応させたりすることにより得ることができる。
四級化の反応方法としては、公知の方法を用いることができる。一般的には、オートクレーブ中に第三級アミンを仕込んだ後、60℃〜200℃で四級化剤を添加し、反応終了まで熟成する。また、反応速度や反応率を上げるために、窒素やヘリウムなどの不活性ガスで加圧してもよい。四級化剤の添加量は、第三級アミン1モルに対して、1.0〜4.0モル、好ましくは1.1〜2.5モル、更に好ましくは1.1〜1.8モルである。四級化剤の添加量が少なすぎると反応が完結せず、多過ぎると未反応の四級化剤が大量に残り、大気に放出されるなど環境に悪影響を与える恐れがある。
四級化に用いる四級化剤には、例えば、塩化メチル、塩化ベンジル、塩化シクロヘキシル、臭化メチル、臭化ベンジル、臭化シクロヘキシル等の有機ハロゲン化物;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等のジアルキル硫酸;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピル等の炭酸ジアルキル;リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸トリアルキル等が挙げられる。なかでも、原料入手の容易さ及び取り扱いの点から、塩化メチルや炭酸ジアルキルの使用が好ましく、塩交換をする必要がないという点から、炭酸ジアルキルの使用がより好ましい。
上記の四級化で製造した四級アンモニウム塩の対イオンが、ハロゲン及びアルキル硫酸の場合は塩交換をする必要がある。塩交換する方法としては、公知の方法を制限なく用いることができる。例えば、第三級アミン類とハロゲン化アルキルとを反応させて得られるハロゲン化第四級アンモニウム塩を、電解法(特公昭45−28564号公報)、イオン交換樹脂法(特開昭52−3009号公報)などの方法で水酸化第四級アンモニウムを合成し、これを酸性化合物HXで中和して、生成する水を除去する方法や、ハロゲン化第四級アンモニウム塩と、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの無機アルカリとを溶媒中で反応させ、生成する無機塩を除去して得られる水酸化第四級アンモニウムを、酸性化合物HXで中和する方法などが挙げられる。
また、四級化反応及び塩交換反応においては、反応を阻害しない範囲の有機溶剤を使用することができる。ここで使用できる有機溶剤は特に限定はされないが、脂肪族、脂環族、芳香族、複素環式化合物若しくはこれらの混合物、又は一般的な潤滑油が挙げられ、より具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、リグロイン、石油エーテル等のアルカン類、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、エチルイソプロピルエーテル等のアルキルエーテル類、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族類、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、シリコーン油、フッ素化油等の合成油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油又はこれらを精製した精製鉱油類等が挙げられる。中でも、反応生成物の溶解性および取扱いの観点から、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等のアルカン類、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類が好ましく、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等のアルカン類、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類がより好ましい。
本発明の水系潤滑剤組成物は、上記第四級アンモニウム塩を水系潤滑剤組成物に対して、0.1〜20質量%含有することが好ましい。0.1質量%より少ないと効果が発揮されない場合があり、20質量%を超えると均一に溶解できず、析出や分離する場合があるために好ましくない。
また、本発明の水系潤滑剤組成物は、本発明の効果を損ねない範囲で、使用目的に応じて、更に他の成分、例えば、油性剤、摩擦緩和剤、極圧剤、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、消泡剤、凝固点降下剤、乳化剤、界面活性剤、防錆剤、防腐剤、防食剤、溶剤、塩基性化合物、固体潤滑剤、水性樹脂、PH調整剤、防藻剤等を含有することができる。
油性剤としては、油性剤としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類;ラウリルアミド、ミリスチルアミド、パルミチルアミド、ステアリルアミド、オレイルアミド等のアミドおよびそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらは組成物全体に対して好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%添加することができる。なお、これらの化合物のなかには、乳化性能、可溶化性能を有するものもある。
摩擦緩和剤としては、例えば、ヘキサン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、オクタン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、デカン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、ラウリン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、ミリスチン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、パルミチン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、ステアリン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、オレイン酸(モノ、ジ、トリ)グリセリド、ソルビタンの脂肪酸エステル等のエステル類、ヘキシル(ポリ)グリセリルエーテル、オクチル(ポリ)グリセリルエーテル、ラウリル(ポリ)グリセリルエーテル、ステアリル(ポリ)グリセリルエーテル、オレイル(ポリ)グリセリルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。これらは組成物全体に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%添加することができる。なお、これらの化合物のなかには、防錆性能、乳化性能、可溶化性能を有するものもある。
界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールモノアルキル(アリール)エーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアルキル(アリール)エーテル、ポリエチレングリコールジアルキル(アリール)エーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオールエステル、アルカノールアミド、アルキルスルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸、石油スルホネート等が挙げられるが、泡立ちの観点から、起泡性のよい界面活性剤は使用しない方が好ましい。これらは組成物全体に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%添加することができる。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、低分子ポリエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノ(メチル、エチル、プロピル、ブチル)エーテル、ポリプロピレングリコールモノ(メチル、エチル、プロピル、ブチル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレン(ランダム、ブロック)グリコールモノ(メチル、エチル、プロピル、ブチル)エーテル、ポリエチレングリコール多価アルコール(グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン)エーテル、ポリプロピレングリコール多価アルコール(グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン)エーテル、ポリエチレングリコール多価アルコール(グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン)エーテル、ポリエチレンポリプロピレン(ブロック、ランダム)グリコール多価アルコール(グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン)エーテル等が挙げられる。これらは組成物全体に対して好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜40質量%添加することができる。
塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;アンモニア;メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソノニルアミン等の(シクロ)ヒドロカルビルアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン類;ピリジン、ピペラジン等の環状アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン、N,N,N',N'−テトラキス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアルカノールアミン類等が挙げられる。これらは組成物全体に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%添加することができる。尚、これらの塩基性化合物は、酸性の摩擦緩和剤(脂肪酸、カルボン酸等)を中和して、その効果を増大させたり、pHを上げて微生物の増殖による本発明の水系潤滑剤の腐敗を防いだりする効果がある。またアミン類は、防錆剤、防食剤として作用する場合もある。
水性樹脂としては、例えば、(部分ケン化)ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン等の水溶性若しくは水分散性の樹脂が挙げられる。これらは組成物全体に対して好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.1〜10質量%添加することができる。
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において、「%」及び「ppm」は特に記載が無い限り質量基準である。
本発明の水系潤滑剤組成物を配合し、防錆性試験及び切削性試験を行った。配合量につては表1に、試験結果は表2に記した。また、試験方法については下記に記す。
<実施例1:泡立ち試験>
内径27〜30mmの100mlメスシリンダーに、化合物A1〜A16を蒸留水で10倍に希釈し、希釈したそれぞれの水系潤滑剤組成物60mlを入れ、これを24℃の恒温水浴中に85mlの目盛り線まで浸した。このメスシリンダー内に、長さ80mm、幅20mm、厚さ1.5mmのかき混ぜ板をメスシリンダーの底部から5mmのところまで沈め、毎分1500回転で5分間かき混ぜて水溶液を泡立てた。かき混ぜ終了後、かき混ぜ板を取り出し、液面上の泡量(ml)を測定し、更に、泡が完全に消えるまでの消泡時間を測定した。
本発明の水系潤滑剤組成物を配合し、防錆性試験及び切削性試験を行った。配合量につては表1に、試験結果は表2に記した。また、試験方法については下記に記す。
<実施例1:泡立ち試験>
内径27〜30mmの100mlメスシリンダーに、化合物A1〜A16を蒸留水で10倍に希釈し、希釈したそれぞれの水系潤滑剤組成物60mlを入れ、これを24℃の恒温水浴中に85mlの目盛り線まで浸した。このメスシリンダー内に、長さ80mm、幅20mm、厚さ1.5mmのかき混ぜ板をメスシリンダーの底部から5mmのところまで沈め、毎分1500回転で5分間かき混ぜて水溶液を泡立てた。かき混ぜ終了後、かき混ぜ板を取り出し、液面上の泡量(ml)を測定し、更に、泡が完全に消えるまでの消泡時間を測定した。
<実施例2:切削性試験>
NCフライス盤(牧野フライス精機製、WS−40)を使用し、加工工具として直径10mmのニューロールタップ(オーエスジー社製)にて、アルミダイカスト(ADC−12)を回転数600rpm、送り速度750mm/分、深さ25mm貫通の条件で、表2及び表3に示した配合の水系潤滑剤組成物を、蒸留水で10倍に希釈した希釈液を加工部に供給しながら切削加工を行い、4成分動力計(日本キスラー社製)にて加工時のトルク(Nm)を検出し、1〜50穴目まで各穴の加工に要したトルクの平均値を切削抵抗として算出した。トルク値が小さいほど、切削性のよい潤滑剤であるといえる。結果についても表2及び表3に記した。
なお、蒸留水で10倍希釈した本発明品1〜8及び比較品1〜8についても、実施例1と同様の泡立ち試験を行った。
NCフライス盤(牧野フライス精機製、WS−40)を使用し、加工工具として直径10mmのニューロールタップ(オーエスジー社製)にて、アルミダイカスト(ADC−12)を回転数600rpm、送り速度750mm/分、深さ25mm貫通の条件で、表2及び表3に示した配合の水系潤滑剤組成物を、蒸留水で10倍に希釈した希釈液を加工部に供給しながら切削加工を行い、4成分動力計(日本キスラー社製)にて加工時のトルク(Nm)を検出し、1〜50穴目まで各穴の加工に要したトルクの平均値を切削抵抗として算出した。トルク値が小さいほど、切削性のよい潤滑剤であるといえる。結果についても表2及び表3に記した。
なお、蒸留水で10倍希釈した本発明品1〜8及び比較品1〜8についても、実施例1と同様の泡立ち試験を行った。
<使用化合物>
A0:ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(30)ブロックポリマー
A1:トリメチルオクチルアンモニウム CH3CO3 −塩
A2:トリメチルオクチルアンモニウム C2H5CO2 −塩
A3:トリメチルラウリルアンモニウム CH3CO3 −塩
A4:ジメチルジステアリルアンモニウム CH3CO3 −塩
A5:モノメチルトリオクチルアンモニウム OH−塩
A6:モノメチルジエタノールオクチルアンモニウム CH3CO3 −塩
A0:ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(30)ブロックポリマー
A1:トリメチルオクチルアンモニウム CH3CO3 −塩
A2:トリメチルオクチルアンモニウム C2H5CO2 −塩
A3:トリメチルラウリルアンモニウム CH3CO3 −塩
A4:ジメチルジステアリルアンモニウム CH3CO3 −塩
A5:モノメチルトリオクチルアンモニウム OH−塩
A6:モノメチルジエタノールオクチルアンモニウム CH3CO3 −塩
A9:トリメチルステアリルアンモニウム Cl−塩
A10:ジメチルオクチルアミン
A11:モノブチルジエタノールアミン
A12:トリエタノールアミン
A13:カプリン酸ナトリウム塩
A14:カプリン酸トリエタノールアミン塩
A15:オレイン酸モノエタノールアミン塩
A16:HOOCC2H4SSC2H4COOH モノエタノールアミン塩(1:3(モル比))
A10:ジメチルオクチルアミン
A11:モノブチルジエタノールアミン
A12:トリエタノールアミン
A13:カプリン酸ナトリウム塩
A14:カプリン酸トリエタノールアミン塩
A15:オレイン酸モノエタノールアミン塩
A16:HOOCC2H4SSC2H4COOH モノエタノールアミン塩(1:3(モル比))
本発明の水系潤滑剤組成物は、従来、水系潤滑剤が使われてきた用途のうち、特に、水系研削油、水系塑性加工油(圧延、鍛造、押出し加工、曲げ加工、絞り加工、引抜き加工、剪断加工等)等の水系金属加工油、水系切削油及び水系作動油に好適に使用することができる。
Claims (4)
- X−が、水酸化物イオン、炭酸イオン、炭酸エステル由来のアニオンからなる群から選択される、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物。
- R1〜R4の少なくとも1つが、炭素数8〜20の炭化水素基である、請求項1又は2に記載の水系潤滑剤組成物。
- 水系金属加工油、水系切削油又は作動油である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水系潤滑剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005110795A JP2006290956A (ja) | 2005-04-07 | 2005-04-07 | 水系潤滑剤組成物 |
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---|---|---|---|---|
EP2589647A1 (de) * | 2011-11-04 | 2013-05-08 | Basf Se | Quaternisierte Polyetheramine und deren Verwendung als Additive in Kraft- und Schmierstoffen |
TWI716030B (zh) * | 2018-08-31 | 2021-01-11 | 日商日化精工股份有限公司 | 切割加工用製劑及加工處理液 |
CN117258052A (zh) * | 2023-11-22 | 2023-12-22 | 广州双一乳胶制品有限公司 | β-1,3-葡聚糖在制备避孕套用水性润滑剂中的应用 |
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2005
- 2005-04-07 JP JP2005110795A patent/JP2006290956A/ja active Pending
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TWI716030B (zh) * | 2018-08-31 | 2021-01-11 | 日商日化精工股份有限公司 | 切割加工用製劑及加工處理液 |
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