JP2006289092A - リン酸カルシウム系セメント - Google Patents

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Abstract

【課題】注入可能で保存安定性が高く、急速硬化性である骨セメント用組成物の提供。
【解決手段】少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物と、少なくとも1つの反応遅延剤と、少なくとも1つの結合剤と、少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物とを備えるリン酸カルシウム系組成物。また、約10ppmから約60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分と、前記安定化リン酸二カルシウム二水和物以外のリン酸カルシウム系無機化合物を含む第2粉末成分と、水を含む第3液体成分とを備えるリン酸カルシウム系組成物。
【選択図】なし

Description

本発明の分野は、骨セメントもしくは骨充填剤の用途のためや、そのようなセメントの調製における、リン酸カルシウム系無機化合物に関する。より詳細には、本発明は、水溶液中にリン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウムの混合物を含むリン酸カルシウム系骨セメントであって、この混合物がその後硬化して、セメントの実質的部分がハイドロキシアパタイトとなる骨セメントを形成するリン酸カルシウム系骨セメントに関する。
ハイドロキシアパタイトは、骨や歯の主要な天然構築ブロックである。最初はペーストを形成するが、その後はハイドロキシアパタイト骨セメントに硬化する。水溶液中でカルシウムとリン酸塩前駆体とを結合させるステップによって形成される骨セメントは、骨折および骨欠損を治療する際に有用であることが見いだされている。ハイドロキシアパタイトは、概して天然骨構造におけるリン酸カルシウム比と同様であるおよそ1.67のカルシウム対リンの比率を有する。
これらのペーストは、骨が折れているか、破壊されているか、分解しているか、過度に脆弱になっているか、または他の劣化作用の対象となっている状況において、硬化する前に本来の位置に置くことができる。例えば、Brown and Chowの米国再発行特許発明第33161号明細書および米国再発行特許発明第33221号明細書、Chow and Takagiの米国特許第5522893号明細書、ならびにConstantzの米国特許第4880610号明細書および米国特許第5047031号明細書によって教示された骨セメントなどの極めて多数のリン酸カルシウム系骨セメントが提案されている。
リン酸カルシウム系セメントが最初に使用されて以降、リン酸カルシウム前駆体の水性硬化液へリン酸ナトリウム溶液、リン酸カリウム溶液もしくは炭酸ナトリウム溶液を添加すると硬化時間を加速できることはよく知られている。このことは、Chow et al.,April,1991、IADR、Abstract、No.:2410およびAADR,1992、Abstract、No.:666に記載されているし、これらの出版物の発行前に当業者には公知であった。
典型的には、リン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウムの組み合わせであってよい粉末成分は、例えば2〜50gの含有量を備えるブリスターパックもしくはボトルに入れて無菌形態で供給される。例えば1モルのリン酸ナトリウム溶液、蒸留水もしくは塩化ナトリウム溶液などの液体は、通常は無菌のガラス容器、通常は10ccの容積を有するディスポーザブルシリンジ中に存在する。粉末および液体成分は、通常は容器内で混合され、そして例えばシリンジなどによってこの容器から加工処理される。
硬化可能な材料を形成するために粉末成分を水性成分と混合する時点の使用前数週間もしくは数か月間にわたり貯蔵することができるように、骨セメントのこれらの成分が貯蔵中に長期安定性を有することが重要である。しかし、当業者はそれらが特性の変化をほとんど、もしくは全く伴わずに安定性のままであることを前提としていたので、これらの成分の長期安定性はこれまで広範には研究されていない。
しかし、当産業の一般的前提とは相違して、Uwe Gbureck et al. in Facttors Influencing Calcium Phosphate Cement Shelf−life,Biomaterials,(Elsevier Ltd. 2004)によると、一部の先行技術のリン酸カルシウムの粉末混合物は、密閉容器内に貯蔵されたにもかかわらず、貯蔵からたった7日後に硬化する能力を消失することが見いだされている。先行技術の粉末混合物の劣化は、引き続いて老化中に乾燥状態でのモネタイトへの転換に関連することが見いだされている。
そこで、先行技術の不安定化問題を克服して急速硬化する骨セメントを開発する必要がある。
さらに、最小侵襲法で使用できる注入可能かつ急速硬化性骨セメントを開発する必要がある。最小侵襲手術は、ときどきは長さが4分の1インチ未満である天然の身体開口部または小さな「鍵穴」切開部を通して実施されることが多い。そのような小さな開口部を通して作業する場合は、例えば骨折領域内へシリンジによって注入できる骨セメントを使用するのがしばしば望ましいし、もしくは必要とされる。
現時点において市販で入手できる例えばSynthes Norian SRS(登録商標)、Synthes Norian CRS(登録商標)およびWright Medical MIG X3(登録商標)などの注入可能なセメントは、それらを容易に注入できるように処方されている。しかし、それらは相当に長い硬化時間を有するため、外科医は余儀なくセメントが硬化するまで待たなければならないので、手術時間が長くなる。
例えばSynthes Fast Set Putty(登録商標)、Lorenz Mimix(登録商標)などの市販で入手できる他の一部の骨セメント製品は急速に硬化するが、シリンジもしくは針を通して容易に注入することはできないので、これらの製品は最小侵襲法に適用することができない。
このためさらに、長期安定性を有し、そして容易に注入可能であり、外科医に最小侵襲手術において最適な作業時間および短縮された全硬化時間を提供する急速硬化性骨セメントを開発する継続的な必要がある。
本明細書に記載した本発明は、現在利用できる上述した市販製品の短所の全てを克服する。
本発明の1つの態様は、長期貯蔵寿命を有する急速硬化性リン酸カルシウム系骨セメント、そのような骨セメントを作製する方法、およびこれをキットとして供給する方法を提供することである。
本発明のまた別の態様は、約10ppmから約60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分と、前記安定化リン酸二カルシウム二水和物以外の少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物を含む第2粉末成分と、水を含む第3液体成分とを備えるリン酸カルシウム系セメントを提供することである。
さらに、本発明の1つの態様は、好ましくは長期貯蔵寿命を有する、急速硬化性の注入可能なリン酸カルシウム系骨セメントを提供することである。
本発明のさらにまた別の態様は、外科医の必要を満たすために注入可能性と急速硬化性の最適な組み合わせを提供するリン酸カルシウム系骨セメントを提供することである。例えば、いくつかの実施形態では、本発明のセメントはインビボで(術中に)容易に成形することができる。
本発明のさらにまた別の態様は、混合した場合に液体と粉末が分離せずに十分に注入可能な骨セメント製品を提供することである。
本発明にまた別の態様は、有意に向上した機械的強度特性を備えるリン酸カルシウム系骨セメントを提供することである。例えば、本発明の骨セメント無機物が混合されて欠損領域へ塗布されてから間もなく、クラックを生じさせずにセメント内へ穿孔してスクリューを差し込むことができるが、これは現在市販で入手できる製品を用いた場合は一般に難題である。
さらに、本発明の1つの態様は、上述したリン酸カルシウム系骨セメントを提供し、同一物をキットとして提供するための方法を提供することである。
本発明の1つの態様では、リン酸カルシウム系骨セメントは、(1)少なくとも1つのリン酸カルシウム源と、(2)少なくとも1つの反応遅延剤と、(3)少なくとも1つの結合剤と、(4)少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物とを備える。これらの成分が混合および/または硬化させられると、これらの個別成分を同定または識別するのが可能な場合も可能ではない場合もあることは理解されるであろう。そこで、本明細書での「セメント」との言及には、これらの成分の混合および/または反応の結果として生じるセメントも含まれる。
本発明のまた別の態様では、リン酸カルシウム系骨セメントは、粉末成分と液体成分の混合物の製品を備えるが、このときリン酸カルシウムの少なくとも1つの起源は粉末成分の一部であり、そして少なくとも1つの反応遅延剤、少なくとも1つの結合剤、および少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物は粉末成分または液体成分のどちらかの一部である。
本発明のさらにまた別の態様では、注入可能なリン酸カルシウム系セメントは、(1)約10ppmから約60ppmの安定剤を含有するリン酸二カルシウム無機物、(2)リン酸四カルシウム無機物、(3)反応遅延剤を含む粉末成分と、(1)少なくとも1つの結合剤、(2)少なくとも1つのリン酸ナトリウム、(3)溶媒を含む液体成分とを備えている。
特許請求の範囲および本明細書全体を通して、用語「備える」およびその変形、例えば、「備えている」、「含有する」、「有する」「有している」、「含む」、「含んでいる」およびそれらの変形は、それに関係して言及したステップ、要素もしくは材料が極めて重要であるが、その他のステップ、要素もしくは材料を付け加えることができ、それでもまだ特許請求の範囲または開示の構成を形成できることを意味している。本発明を記載する際および請求項に列挙された場合は、それは本発明および要求されたことがそれに従うべき、そしてもしかするとそれ以上であることを意味している。これらの用語は、特に特許請求の範囲へ適用される場合は、包括的で制約がなく、言及されていない追加の要素もしくは方法ステップを排除しない。本明細書での用語「セメント」は、ペースト、スラリー、パテ、セメント製剤およびセメント組成物と互換的に使用される。範囲と関連して使用される用語「〜から〜まで」には、その状況が他のことを示唆しない限り、終点を含んでいる。本明細書の用語「長期貯蔵寿命」は、以下の実施例9に詳述した促進老化試験によって、規定の時間、好ましくは少なくとも1.5か月間、より好ましくは3か月間、および最も好ましくは少なくとも6か月間以上にわたり、例えば反応遅延剤などの他の粉末成分を含めるか又は含めないかのどちらかで密閉容器中に粉末を貯蔵した後に、1つ以上のリン酸カルシウム系無機化合物が溶媒と混合されると硬化して、セメントを形成するであろうことを意味する。本発明によって本明細書において使用する用語「注入可能」は、セメントペーストを形成するために1つ以上のリン酸カルシウム系無機化合物を溶媒と混合し、10ゲージのカニューラを装備したシリンジへペーストを移したときに、以下の実施例12に規定したように18℃〜22℃の周囲温度で前記混合物の初期混合時から4分30秒後に測定した注入力が200Nを、より好ましくは150Nを超えないことを意味する。本発明によって本明細書において使用される用語「急速硬化性」は、1つ以上のリン酸カルシウム系無機化合物を溶媒と混合すると、欠損領域へ塗布したときに約10分間、好ましくは約9分間、最も好ましくは約8分間で硬化してセメントを形成することを意味する。このとき欠損部温度は約32℃である。本発明によって本明細書において使用される用語「硬化する」は、以下の実施例10において詳述する湿性領域貫入抵抗試験によって測定した貫入力が3,500pst(24.1MPa)を上回ることを意味している。
(反応遅延剤)
本発明による反応遅延剤は、リン酸カルシウム系無機化合物が溶媒と混合されてハイドロキシアパタイトを形成するときにハイドロキシアパタイトの形成を遅延させるために有用なあらゆる物質であってよい。リン酸カルシウム系無機化合物が過度に早く硬化すると、不均質な多孔性セメントマトリックスが生じ、これは低圧縮強度を生じさせる。このため、セメント混合および注入中のリン酸カルシウム系無機化合物の急速の分解を緩徐化するために反応遅延剤が使用される。
本発明の反応遅延剤は、粉末成分としてエンドユーザーへ供給されてよい、または溶媒との液体成分中に溶解されてよい。しかし、好ましい実施形態では、反応遅延剤は粉末成分である。
本発明において使用できる反応遅延剤の例は、制限なく、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、ピロリン酸ナトリウム、EDTA(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩)、クエン酸、および/またはそれらの混合物である。好ましい反応遅延剤はクエン酸三ナトリウムである。
さらに、反応遅延剤の粒径および/または量は、セメント混合および注入中のリン酸カルシウム系無機化合物の急速分解の速度を修飾するために調整することができる。例えば、反応遅延剤の量および/または粒径は、骨セメント組成物が硬化する前に長い送達システムで骨折領域へ送達するために処方できるように変化させることができる。
反応遅延剤(ならびに全ての他の粉末成分)の粒径は、Beckman Coulter社のLS13320シリーズ粒径分析装置を用いて測定した。分析用サンプルは、ビーカーへ0.03gの粉末および2.5mLの分散媒(この場合は、エタノールを使用した)を添加することによって調製した。スラリーを15秒間にわたり強力に混合し、次にCoulterカウンターの少量モジュールへ移した。サンプルの分析前に、バックグラウンド計数は、最初にエタノールを用いて少量モジュールを2回洗浄し、次にセルにエタノールを充填することによって達成した。スターラーの速度を50%へ変更し、バックグラウンドの測定値を得た。必要であれば、エタノールを用いてセルをさらに洗浄することができる。
サンプル分析のために、大まかに10%の曖昧な数値が得られるまで遅延剤とエタノールとの混合物のスラリーを添加した。このサンプリング方法は、サンプリング中の懸濁液の沈降を回避するために50%に設定したセル攪拌を行いながら実施した。
次に体積配分を得た。測定が完了したら、セルを空にし、洗浄し、反応遅延剤とエタノールとの混合物のスラリーを再充填し、全3回についてサンプル手順を繰り返した。
本明細書に言及した粒径値は体積平均径値を意味することに留意されたい。粒径分布は、当業者には知られており、上記で詳細に開示かつ考察したようなBecton Coulter社製LS13 3220シリーズの粒径分析装置によって測定できる。
本発明によると、反応遅延剤の粒径は、約1μmから約1,000μm、好ましくは約170μmから約220μmである。これは、ふるい分けに基づくと、重量で少なくとも約25%、好ましくは約50%、より好ましくは約75%の反応遅延剤がこれらの範囲内に含まれることを意味する。
本発明によると、反応遅延剤は、粉末成分として提供できる、または溶媒中に溶解させて液体成分として提供できる。
反応遅延剤の量に関すると、反応遅延剤は調製物の総重量に対して約3%から約20%、より好ましくは約5%から約10%の量で存在していてよい。
本発明の好ましい実施形態では、本発明の反応遅延剤は、粉末成分の一部としてエンドユーザーへ供給されるが、このとき反応遅延剤は粉末成分の総重量に対して、約3%から約15%、より好ましくは約5%から約12.5%の量で存在していてよい。
(結合剤)
本発明の結合剤は、粉末物質へ粘着性の性質を付与し、そして自由流動性の性質を向上させるために使用される。結合剤は、さらに混合セメントがシリンジおよび/またはカニューラを容易に通って流れるのを補助する。結合剤は、液体および粉末を分離させずに完全に注入可能な骨セメント製剤を提供するために成分を一緒に結合させるが、これは現在市販で入手できる製品を用いた場合には一般に難題である。
本発明の結合剤は、粉末成分としてエンドユーザーへ供給されてよい、または溶媒との液体成分中に溶解されてよい。しかし、好ましい実施形態では、結合剤は溶媒中に溶解させられ、液体成分として提供される。
結合剤は液体成分の一部として提供されるのが好ましいが、それは一部の結合剤は、最終製剤の粉末成分を滅菌するためにガンマ線照射を使用した場合に、劈開する、または架橋結合する可能性があるためである。さらに、結合剤が液体成分の一部として使用される場合は、結合剤は既に可溶化されているので、このため粉末成分と結合されたときにはるかに均質な骨セメントを生じさせる。さらに、必要とされる結合剤の量は、液体形では減少し、必要とする調製物中の液体量が少なくなり、より強力な機械的強度を備えるセメントが生じる。
さらにまた本発明の結合剤は水溶性であるのが好ましい。
本発明において使用できる結合剤の例は、制限なく、ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンとビニルエステルとの共重合体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルソース、メチルセルソース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum)、アルギン酸ナトリウムおよび/またはそれらの混合物である。
さらに、結合剤の粒径および/または量は、セメント調製物の注入可能性(もしくは粘度)を修飾するために調整できる。
本発明によると、結合剤の粒径は、約1μmから約2,500μm、好ましくは約1μmから約1,000μm、およびより好ましくは約10μmから約250μmである。これは、ふるい分けに基づくと、重量で少なくとも約25%、好ましくは約50%、より好ましくは約75%の結合剤がこれらの範囲内に含まれることを意味する。
結合剤の量に関すると、結合剤は調製物の総重量に対して約1%から約15%、より好ましくは約1%から約3%の量で存在していてよい。
本発明の好ましい実施形態では、本発明の結合剤は溶媒中に溶解させた液体成分としてエンドユーザーへ供給される。そのような好ましい実施形態では、結合剤は、液体成分の総重量に対して約3%から約15%、より好ましくは約7%から約12%の量で存在していてよい。
(リン酸カルシウム系無機化合物)
本発明による有用なリン酸カルシウムの少なくとも1つの起源は、例えば、ここに引用することで本明細書の記載の一部をなすBrown and Chowの米国再発行特許発明第33161号明細書および米国再発行特許発明第33221号明細書、Chow and Takagiの米国特許第5522893号明細書、米国特許第5542973号明細書、米国特許第5545294号明細書、米国特許第5525148号明細書、米国特許第5695729号明細書および米国特許第6375992号明細書、ならびにConstantzの米国特許第4880610号明細書および米国特許第5047031号明細書に教示されたものなどの一般に既に当技術分野において公知である極めて多数のリン酸カルシウム系無機化合物を含んでいる。
例えば、本発明による少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物の起源には、リン酸四カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一カルシウム、β型リン酸三カルシウム、α型リン酸三カルシウム、オキシアパタイト、またはハイドロキシアパタイトおよび/またはそれらの混合物が含まれる。
好ましい実施形態では、本発明によると2つの相違するリン酸カルシウム系無機化合物が使用され、より好ましくは2つのリン酸カルシウム系無機化合物の1つはリン酸四カルシウムである。
また別の好ましい実施形態では、少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物にはリン酸二カルシウムおよびリン酸四カルシウム、最も好ましくはリン酸二カルシウム二水和物(二水和性リン酸二カルシウムとしても知られる)(「DCPD」)およびリン酸四カルシウム(「TTCP」)が含まれる。
さらにまた別の好ましい実施形態では、リン酸カルシウム系無機化合物の少なくとも1つの起源には2つのリン酸カルシウム系無機化合物が含まれ、このとき2つのリン酸カルシウム系無機化合物の1つは安定剤を用いて安定化させられる。
安定剤は、以下に詳述する促進老化試験に従って、リン酸カルシウムが規定の期間にわたり、好ましくは少なくとも5か月間、より好ましくは少なくとも3か月間、および最も好ましくは少なくとも6か月間以上にわたり貯蔵された後に反応させたときにリン酸カルシウム系無機化合物が(少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物とともに)硬化するのを可能にするであろう物質である。
例えば、本発明による安定剤とともに使用できるリン酸カルシウム系無機化合物の起源には、リン酸四カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一カルシウム、β型リン酸三カルシウム、α型リン酸三カルシウム、オキシアパタイト、またはハイドロキシアパタイトおよび/またはそれらの混合物が含まれる。
好ましい実施形態では、安定化リン酸カルシウム系無機化合物を作製するためにリン酸カルシウム系無機化合物を作製する工程中に安定剤が添加される。
安定化リン酸カルシウムを作製するために好ましい起源は、リン酸二カルシウム、より好ましくはDCPDである。
本発明によって使用できる安定剤の例は、制限なく、MgO、MgO2、Mg(OH)2、MgHPO4、MgHPO4・3H2O、MgHPO4・7H2O、Mg3(PO42、Mg3(PO42・4H2O、Mg3(PO42・8H2O、Mg3(PO42・22H2O、MgCO3、MgCO3・3H2O、MgCO3・5H2O、3MgCO3Mg(OH)2・3H2O、MgCO3Mg(OH)2・3H2O、Mg(C3532・3H2O、MgC24・2H2O、MgC446・5H2O、Mg(C4462・4H2O、MgCO3・CaCO3、Mg227、Mg(C122322・2H2O、Mg(C142722、Mg(C183322、またはMg(C183522および/またはそれらの混合物である。最も好ましい安定剤は、酸化マグネシウムである。
また別の好ましい実施形態では、安定剤は、安定化リン酸カルシウム系無機化合物を作製するためにそれに安定剤が添加されるリン酸カルシウム系無機化合物の総重量に比較して、約10ppmから約60ppm、好ましくは約30ppmから約50ppm、より好ましくは約40ppmの量で提供される。
少なくとも1つのリン酸カルシウムがDCPDおよびTTCPを含んでいる好ましい実施形態では、酸化マグネシウムなどの安定剤は、DCPDの総重量に比較して約10ppmから約60ppm、好ましくは約30ppmから約50ppm、より好ましくは約40ppmの量で提供される。
さらに、少なくとも1つのリン酸カルシウムの粒径は、セメント混合および注入中のリン酸カルシウム系無機化合物の急速分解の速度を修飾するために調整することができる。
本発明によると、少なくとも1つのリン酸カルシウムの粒径は、上述したようにBecton Coulter社製のLS13 3220シリーズ粒径分析装置によって、しかし分散媒としてイソプロピルアルコール(IPA)を用いて測定した場合に、約0.4μmから約200μm、好ましくは約5μmから約175μm、および最も好ましくは25μmから約70μmである。これは、ふるい分けに基づくと、重量で少なくとも約25%、好ましくは約50%、およびより好ましくは約75%の少なくとも1つのリン酸カルシウムがこれらの範囲内に含まれることを意味する。
少なくとも1つのリン酸カルシウムがDCPDおよびTTCPを含んでいる好ましい実施形態では、DCPDの粒径は、約0.4μmから約200μm、好ましくは約25μmから約70μm、および最も好ましくは約40μmから約50μmであり、そしてTTCPの粒径は、約0.4μmから約200μm、好ましくは約10μmから約30μmである。
本発明のまた別の実施形態では、本発明の少なくとも1つのリン酸カルシウムは粉末成分としてエンドユーザーへ供給される。そのような好ましい実施形態では、少なくとも1つのリン酸カルシウムは、粉末成分の総重量に対して約50%から約90%、より好ましくは約60%から約80%の量で存在していてよい。
さらにまた別の好ましい実施形態では、少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物は、2つのリン酸カルシウム系無機化合物、より好ましくは安定化DCPDおよびTTCPを含んでおり、安定化DCPDは、粉末成分の総重量に対して約15%から約40%、より好ましくは約20%から約30%の量で存在していてよく、そしてTTCPは、粉末成分の総重量に対して、約45%から約75%、より好ましくは約50%から約70%の量で存在していてよい。
(リン酸ナトリウム系化合物)
本発明によると、骨セメントの硬化時間を加速するために、少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物が使用される。
本発明において使用できるリン酸ナトリウムの例は、制限なく、リン酸水素二ナトリウム無水物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、リン酸三ナトリウム十二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、三リン酸五ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、および/またはそれらの混合物である。
好ましい実施形態では、少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物は2つのリン酸ナトリウム系化合物、より好ましくは二塩基性リン酸水素二ナトリウム無水物および一塩基性リン酸ナトリウム水和物である。
少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物の粒径は、約1μmから約2,500μm、好ましくは約1μmから約1,000μmである。これは、ふるい分けに基づくと、重量で少なくとも約25%、好ましくは約50%、およびより好ましくは約75%の1つ以上のリン酸ナトリウム系化合物がこれらの範囲内に含まれることを意味する。
本発明によると、反応遅延剤は、粉末成分として提供することができる、または溶媒中に溶解させて液体成分として提供できる。
リン酸ナトリウム系化合物は、全調製物の総重量に対して、約0.5%から約5%、より好ましくは約0.5%から約2.5%の量で存在していてよい。
また別の好ましい実施形態では、リン酸ナトリウム系化合物は、液体成分としてエンドユーザーへ供給されるが、リン酸ナトリウム系化合物は、液体成分の総重量に対して約1%から約20%、より好ましくは約0.5%から約10%の量で存在していてよい。
(溶媒)
本発明によって使用できる溶媒の例には、制限なく、水、血液、食塩液、PBS(リン酸緩衝食塩液)など、およびそれらの混合物が含まれる。最も好ましい溶媒は水である。
溶媒は、全調製物の総重量に対して、約15%から約30%、より好ましくは約18%から約25%の量で存在していてよい。
また別の好ましい実施形態では、溶媒は、液体成分の総重量に対して約50%から約95%、より好ましくは約75%から約90%の量で存在していてよい。
(添加物)
本発明のセメント、スラリーおよびペーストには、それらの特性およびそれらから作製されたハイドロキシアパタイト製品の特性を調整するために様々な添加物を含めることができる。例えば、タンパク質、骨誘導性および/または骨伝導性物質、X線不透過剤、薬剤、支持充填剤および強化充填剤、結晶成長調整剤、粘度調整剤、孔形成剤およびその他の添加物は、本発明の範囲から逸脱せずに組み込むことができる。
本発明のセメントは、様々な形態でユーザーへ供給されてよい。このような形態としては、後にスラリーもしくはパテを作製するために溶媒と混合される粉末もしくは粉末混合物や、またはグリセリンおよび/もしくはプロピレングリコール等の非水性増量剤を含有していてよいプレミックスパテを含む。
本発明のセメントは、身体内へセメントを導入するために使用される例えばシリンジ、経皮器具、カニューラ、生体適合性パケット、デンチュラ(dentula)、リーマー、ファイルもしくは当業者には明白であろうその他の形態の器具類を用いて、またはそれらに入れて供給することができる。
これらの形態のいずれかにあるセメントは、その主要構成成分の1つ以上を含有するキットによって外科医、獣医もしくは歯科医が利用できるようにすることが企図されている。
セメントは、一般に無菌条件で提供もしくは使用される。滅菌は、例えば放射線滅菌(γ線照射など)、加圧蒸気滅菌、乾熱滅菌、低温化学滅菌、および濾過によって遂行できる。
さらに、当業者には理解されるように、本発明のセメントの各成分(例えば、少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物、好ましくは安定化リン酸カルシウム系無機化合物、少なくとも1つの反応遅延剤、および少なくとも1つの結合剤など)を調製するための極めて多数の他の特殊技術もまた使用されてよい。
例えば、リン酸カルシウム系無機化合物の調製においては、従来型沈降法および結晶化法を使用できる。沈殿物および/または結晶の乾燥は、例えばフリーズドライ法、オーブン乾燥法、真空乾燥法などの従来型乾燥方法を用いて遂行できる。
さらにその上、本発明によって本明細書に記載した各成分(例えば少なくとも1つの反応遅延剤、少なくとも1つの結合剤、溶媒および添加物など)は、市販で入手できる製品があれば購入することもできる。
同様に、これらの要素の粒径減少は、例えば乳棒と乳鉢、ボールミル、ローラーミル、遠心式衝撃ミルおよびふるい、カッターミル、アトリションミル、チェーサーミル、流体エネルギーミルおよび/または遠心式衝撃粉砕機を用いて遂行できる。
以下では、それに限定されないが、実施例によって本発明を例示する。以下の実施例では本発明を作製する所定順序のステップを列挙するかもしれないが、本発明は記載した順序には決して限定されない。
(実施例1:40PPMのマグネシウムを備えるDCPDの製造)
(1)40ppmのマグネシウムを添加する30%のリン酸溶液の調製。
5リットルのステンレス製ビーカー中で必要とされる濃度30%のオルトリン酸(H3PO4)を作製するために、261±2mLの85%オルトリン酸を737±2mLの脱イオン水へ添加し、このビーカーを45℃に設定したホットプレートの上に置いた。次に温度プローブをビーカーに入れて酸性溶液の温度を測定し、ホットプレートのスイッチを入れて溶液を45℃へ加熱した。この溶液を次に、プローブがビーカーの内容物を厳密に正しく測定していることを保証するために200±10rpmの速度で攪拌した。酸性溶液が45℃へ加熱されている間に、0.0413gの酸化マグネシウム(MgO)(約40ppmのマグネシウム含量またはDCPDの重量に対して約0.006883%と同等)を本明細書ではマグネシウム「スパイク」溶液もしくは「スパイクした」オルトリン酸マグネシウムとも呼ぶ溶液に添加した。次に、pHプローブおよび温度プローブを校正し、酸性溶液中に入れた。
(2)炭酸カルシウム溶液の調製。
0.45kgの炭酸カルシウム(CaCO3)を5kg入りステンレススチール製ビーカー内へ添加し、そして1リットルの脱イオン水をビーカーへ添加した。次にビーカーを40℃へ設定したホットプレートの上に置いた。温度プローブを炭酸カルシウム懸濁液中に入れ、ホットプレートのスイッチを入れた。この炭酸カルシウム懸濁液を次に、プローブがビーカーの内容物を厳密に正しく測定していることを保証するために575±50rpmの速度で攪拌した。
(3)湿式化学沈殿法。
スパイクしたオルトリン酸マグネシウムが45℃の温度に達し、炭酸カルシウム懸濁液が40℃の温度に達したら、Watson−Marlow社製323u/D型蠕動ポンプシステムを48±2mL/分の供給速度でスパイクしたオルトリン酸マグネシウム内へ炭酸塩懸濁液を供給するように設定した。次に、開始時の温度/pH/時間データを得るためにpHプローブを作動させた。その後、炭酸塩懸濁液を酸性溶液中へ供給した。酸性溶液のpHが約3.6に達したら、炭酸塩懸濁液の供給を停止させ、溶液のpHをモニタリングした。開始時から炭酸塩供給終了時までのpHデータを記録した。pHが4.75に達したら、沈降物についての最終温度/pH/時間データを記録し、全温度およびpHプローブならびに蠕動チューブを溶液から取り出した。マグネシウム、オルトリン酸および炭酸カルシウムの反応は、安定化DCPD沈降物を生じさせた。
(4)沈降物のすすぎ洗い。
ワットマン5番濾紙(孔径、2.5μm)は、Bucknerフラスコに取り付けた各Buckner漏斗内に配置した。1回の沈降ランにつき、Bucknerフラスコに取り付けた5個のBuckner漏斗を必要とした。次に、沈殿溶液(およそ300mL)をBucknerフラスコに取り付けた各Buckner漏斗内に注入し、次に真空ポンプのスイッチを入れた。ポンプに真空を引くと、Buckner漏斗内の濾紙が沈殿物を保持している間に、沈殿物からは水が除去される。少なくとも2分間の吸引後、沈降物から過剰な反応物をすすぎ洗うために各Buckner漏斗の縁まで脱イオン水(約200〜300mL)を充填した。過度の遊離水分の除去を保証するために少なくとも5分間にわたり沈降物を真空下に放置した。
(5)フリーズドライ。
次に、沈殿物がトレイ上に均一に広がることを保証する方法で、フリーズドライトレイ1枚に付き最高300g(沈殿物生成収率のほぼ半分)を置いた。充填されたトレイをBiopharma Process System社製のVirTis Genesis 25型Super ESフリーズドライヤー内へ挿入した。各トレイは、乾燥中に沈降物の温度/水分レベルをモニタリングするために温度プローブを含有していた。次にフリーズドライヤーサイクルを以下に列挙するプログラムへ設定して、スイッチを入れた。
Figure 2006289092
表1に列挙したフリーズドライ・サイクルを用いて沈降物が乾燥したら、沈降物は、最終的なセメントの取扱いおよび硬化特性を改善できるように平均粒径を縮小させるために微粉砕化を必要とした。この微粉砕化は、Glen Creston Ltd.社のBM−6型ローラーボールミルを用いて実施した。
(6)ボールミリング。
3,000±30gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm)を各ボールミルジャー内へ配置した。次に、500±25gの乾燥DCPD沈降物を各ボールミルジャー内へ添加し、ボールミルローラ上に配置した。ボールミルを170rpmおよび30分間の粉砕時間へ設定し、そしてスイッチを入れた。
85rpmで回転するのを保証するために、ボールミルジャーの速度をモニタリングした。30分間の粉砕化が経過したら、用意した8mmスクリーンに通してふるいにかけることによって粉砕用メディアを粉砕化した粉末から分離した。
次に粉砕してふるいにかけた粉末をフリーズドライトレイ内へ置き、以前のセクションに詳述したフリーズドライ手順を繰り返した。
当業者には認識されるように、本発明のセメントの安定化リン酸二カルシウム成分を調製するための他の特殊技術を使用することができる。
例えば、40ppmのマグネシウムを備える安定化DCPDの調製において以下のフリーズドライおよびボールミリングパラメータもまた使用することができる。
(7)フリーズドライ。
沈殿物がトレイ上に均一に広がることを保証する方法で、フリーズドライトレイ1枚に付き最高500gを置いた。充填されたトレイをBiopharma Process System社製のVirTis Genesis 25型Super ESフリーズドライヤー内へ挿入した。各トレイは、乾燥中に沈降物の温度/水分レベルをモニタリングするために温度プローブを含有していた。次にフリーズドライヤーサイクルを以下に列挙する好ましいプログラムの1つへ設定して、スイッチを入れた。
Figure 2006289092
表1に列挙したフリーズドライ・サイクルを用いて沈降物が乾燥したら、沈降物は、最終的なセメントの取扱いおよび硬化特性を改善できるように平均粒径を縮小させるために微粉砕化を必要とした。この微粉砕化は、Glen Creston社のBM−6型ローラーボールミルを用いて実施した。
(8)ボールミリング。
3,000±25gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm)を各ボールミルジャー内へ配置した。次に、560±10gの乾燥DCPD沈降物を各ボールミルジャー内へ添加し、ボールミル・ローラ上に配置した。ボールミルを170rpmおよび25±2分間の粉砕時間へ設定し、そしてスイッチを入れた。
ボールミルジャーが87±5rpmで回転するのを保証するために、速度をモニタリングした。25±2分間の粉砕化が経過したら、用意した8mmスクリーンに通してふるいにかけることによって粉砕用メディアを粉砕化した粉末から分離した。
上述したBeckman Coulter社製LS13320シリーズ粒径分析装置を用いて粉末成分(DCPDおよびTTCPを含む)の粒径を測定した。
次に粉砕してふるいにかけた粉末(最高重量375g)をフリーズドライトレイ内へ置き、以下の表3に詳述したフリーズドライ手順を実施した。
Figure 2006289092
(実施例2:60PPMのマグネシウムを備えるDCPDの製造)
(1)60ppmのマグネシウムを添加する30%のリン酸溶液の調製。
5リットルのステンレス製ビーカー中で必要とされる30%濃度のオルトリン酸(H3PO4)を作製するために、261±2mLの85%オルトリン酸を737±2mLの脱イオン水へ添加し、このビーカーを47℃に設定したホットプレートの上に置いた。次に温度プローブをビーカーに入れて酸性溶液の温度を測定し、ホットプレートのスイッチを入れて溶液を47℃へ加熱した。この溶液を次に、プローブがビーカーの内容物を厳密に正しく測定していることを保証するために200±10rpmの速度で攪拌した。酸性溶液が47℃へ加熱されている間に、0.0620gの酸化マグネシウム(MgO)(約60ppmのマグネシウム含量もしくはDCPDの重量に対して約0.0085%と同等)を溶液へ添加した。次に、pHプローブおよび温度プローブを校正し、酸性溶液中に入れた。
(2)炭酸カルシウム溶液の調製。
0.45kgの炭酸カルシウム(CaCO3)を5kg入りステンレススチール製ビーカー内へ添加し、そして1リットルの脱イオン水をビーカーへ添加した。次にビーカーを42℃へ設定したホットプレートの上に置いた。温度プローブを炭酸カルシウム懸濁液中に入れ、ホットプレートのスイッチを入れた。この炭酸カルシウム懸濁液を次に、プローブがビーカーの内容物を厳密に正しく測定していることを保証するために575±50rpmの速度で攪拌した。
(3)湿式化学沈殿法。
スパイクしたオルトリン酸マグネシウムが47℃の温度に達し、炭酸カルシウム懸濁液が42℃の温度に達したら、Watson−Marlow社製323u/D型蠕動ポンプシステムを48±2mL/分の供給速度でスパイクしたオルトリン酸マグネシウム内へ炭酸塩懸濁液を供給するように設定した。次に、開始時の温度/pH/時間データを得るためにpHプローブを作動させた。その後、炭酸塩懸濁液を酸性溶液中へ供給した。酸性溶液のpHが約3.6に達したら、炭酸塩の供給を停止させ、溶液のpHをモニタリングした。開始時から炭酸塩供給終了時までのpHデータを記録した。pHが5.00に達したら、沈降物についての最終温度/pH/時間データを収集し、全温度およびpHプローブならびに蠕動チューブを溶液から取り出した。マグネシウム、オルトリン酸および炭酸カルシウムの反応は、安定化DCPD沈降物を生じさせた。
(4)沈降物のすすぎ洗い。
ワットマン5番濾紙(孔径、2.5μm)は、Bucknerフラスコに取り付けた各Buckner漏斗内に配置した。1回の沈降ランにつき、Bucknerフラスコに取り付けた5個のBuckner漏斗を必要とした。次に、沈殿溶液(およそ300mL)をBucknerフラスコに取り付けた各Buckner漏斗内に注入し、次に真空ポンプのスイッチを入れた。ポンプに真空を引くと、Buckner漏斗内の濾紙が沈殿物を保持している間に、沈殿物からは水が除去された。少なくとも2分間の吸引後、沈降物から過剰な反応物をすすぎ洗うために各Buckner漏斗の縁まで脱イオン水(約200〜300mL)を充填した。過度の遊離水分の除去を保証するために少なくとも5分間にわたり沈降物を真空下に放置した。
(5)フリーズドライ
沈殿物がトレイ上に均一に広がることを保証する方法で、フリーズドライトレイ1枚に付き最高300g(沈殿物生成収率のほぼ半分)を置いた。充填されたトレイをBiopharma Process System社製のVirTis Genesis 25型Super ESフリーズドライヤー内へ挿入した。各トレイは、乾燥中に沈降物の温度/水分レベルをモニタリングするために温度プローブを含有していた。次にフリーズドライヤーサイクルを以下に列挙するプログラムへ設定して、スイッチを入れた。
Figure 2006289092
表4に列挙したフリーズドライ・サイクルを用いて沈降物が乾燥したら、沈降物は、最終的なセメントの取扱いおよび硬化特性を改善できるように平均粒径を縮小させるために微粉砕化を必要とした。この微粉砕化は、Glen Creston社のBM−6型ローラーボールミルを用いて実施した。
(6)ボールミリング
3,000±30gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm)を各ボールミルジャー内へ配置した。次に、500±25gの乾燥DCPD沈降物を各ボールミルジャー内へ添加し、ボールミル・ローラ上に配置した。ボールミルを180rpmおよび32分間の粉砕時間へ設定し、そしてスイッチを入れた。
ボールミルジャーが95rpmで回転するのを保証するために、速度をモニタリングした。32分間の粉砕化が経過したら、用意した8mmスクリーンに通してふるいにかけることによって粉砕用メディアを粉砕化した粉末から分離した。微粉砕化してふるいにかけた粉末は、一般に上記で説明したBeckman Coulter社製LS13320型シリーズ粒径分析装置によって測定して約0.4から約200μmの範囲内、好ましくは約35±20μmの粒径を有する。次に粉砕してふるいにかけた粉末をフリーズドライトレイ内へ置き、以前のセクションに詳述したフリーズドライ手順を繰り返した。
当業者には認識されるように、本発明のセメントの安定化リン酸二カルシウム成分を調製するための他の特殊技術を使用することができる。
例えば、60ppmのマグネシウムを備える安定化DCPDの調製において以下のフリーズドライおよびボールミリングパラメータもまた使用することができる。
(7)フリーズドライ
沈殿物がトレイ上に均一に広がることを保証する方法で、フリーズドライトレイ1枚に付き最高500gを置いた。充填されたトレイを次にBiopharma Process System社製のVirTis Genesis 25型Super ESフリーズドライヤー内へ挿入した。各トレイは、乾燥中に沈降物の温度/水分レベルをモニタリングするために温度プローブを含有していた。次にフリーズドライヤーサイクルを以下に列挙するプログラムへ設定して、スイッチを入れた。
Figure 2006289092
表5に列挙したフリーズドライ・サイクルを用いて沈降物が乾燥したら、沈降物は、最終的なセメントの取扱いおよび硬化特性を改善できるように平均粒径を縮小させるために微粉砕化を必要とした。この微粉砕化は、Glen Creston社のBM−6型ローラーボールミルを用いて実施した。
(8)ボールミリング
3,000±25gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm)を各ボールミルジャー内へ配置した。次に、560±10gの乾燥DCPD沈降物を各ボールミルジャー内へ添加し、ボールミル・ローラ上に配置した。ボールミルを180rpmおよび25±2ppmの粉砕時間へ設定し、そしてスイッチを入れた。
ボールミルジャーが87±5rpmで回転するのを保証するために、速度をモニタリングした。25±2分間の粉砕化が経過したら、用意した8mmスクリーンに通してふるいにかけることによって粉砕用メディアを粉砕化した粉末から分離した。微粉砕化してふるいにかけた粉末は、一般に上記で説明したBeckman Coulter社製LS 13320型シリーズ粒径分析装置によって測定して約0.4から約200μmの範囲内、好ましくは約47±22.5μmの粒径を有する。次に粉砕してふるいにかけた粉末(最高重量375g)をフリーズドライトレイ内へ置き、以下の表6に詳述したフリーズドライ手順を実施した。
Figure 2006289092
(実施例3:リン酸四カルシウム(TTCP)の製造)
(1)TTCPケーキの調製。
好ましいTTCPを形成するためには、TTCPスラリー混合物は、60.15%のリン酸二カルシウム無水物(DCPA)および39.85%のCaCO3を備える固体成分ならびに精製水を備える液体成分を備える固体対液体の50%(w/w)溶液を備えることを必要とする。炉内で焼結させるための1バッチのTTCP「ケーキ」、すなわち3,500gのTTCPケーキを調製するために、2105.25±0.5gのDCPAを清潔な5リットルのBucknerフラスコ内へ正確に量り入れた。このために、1394.75±0.5gのCaCO3を添加した。この粉末混合物へ、3.5リットルの脱イオン水を添加した。表7は、これらの成分の特定の量およびパーセンテージを示している。
Figure 2006289092
Bucknerフラスコを適切なゴム栓およびノズルアタッチメントを用いて密閉した。Bucknerフラスコは、均質に混合するために20分間にわたりGlen Cleston社T10−B型攪拌ミキサー内に置いた。表8は、攪拌混合パラメータを示している。
Figure 2006289092
Bucknerフラスコが混合されている間に、適切な真空チューブを4点マニホールドへ接続した一方の端部を真空ポンプへ取り付け、他方の4点は4つのBucknerフラスコのノズルアタッチメントへ取り付けた。9cm径のポリプロピレン製Buckner漏斗を4つのBucknerフラスコ各々へ組み立て、そしてWhatman5番濾紙を各Buckner漏斗内に入れた。混合したDCPA/CaCO3/水の混合物を攪拌ミキサーから取り出し、ゴム栓を取り外した。次に、各ポリプロピレン製Buckner漏斗へTTCPスラリーを完全に充填した。TTCPスラリーは真空ポンプを用いて真空乾燥し、ケーキが固体上面を形成するまで少なくとも5分間にわたり真空を引いた。さらに固体ケーキを形成することが必要であれば、真空乾燥を使用できよう。ケーキが形成されたら、Bucknerフラスコ上の真空を解除した。各漏斗をフラスコから取り外し、反転させた漏斗を静かにタッピングしてケーキを取り出した。各漏斗はおよそ300gのケーキを生成した。
次に使用済み濾紙を取り外し、漏斗を精製水で洗い流し、漏斗内に新しい濾紙を入れた。全スラリー溶液がケーキ形になるまで上記のステップを繰り返した。TTCPスラリーは、均質性を保証するために4から5個のケーキ調製毎に手作業で混合した。漏斗から取り外した時に、ケーキが壊れるか、または粗い表面を有していると、バラバラの破片を結合させるために脱イオン水を表面上に噴霧した。新しいケーキを形成するために、バラバラのまま残っている破片をスラリー混合物へ再導入した。
(2)焼結。
全部のケーキをステンレススチール製トレイ上に積み重ね、焼結前に過度の水分を除去するために200℃で2時間にわたりLenton社製のAWF12/42型マッフル炉内で乾燥させた。TTCPケーキは、これで表9に詳述した焼結プログラムを用いて焼結させる準備が整った。
Figure 2006289092
焼結ケーキは、材料を直ちに破壊して微粉砕化する必要がない限り、真空Bucknerフラスコへ移して温度を150℃未満へ低下させた。
(3)ジョー・クラッシング。
TTCPは、共粉砕機に通して加工する前に顆粒を約2.5から約7.5mmの範囲内の処理しやすいサイズへ縮小させるためにGlen Creston社製ジョークラッシャーに通して加工した。焼結TTCPケーキは、ジョークラッシャー内へ装填する前に乳鉢および乳棒を用いて手作業でおよそ直径1インチの粒径へ壊した。この場合には、ジョークラッシャーの間隙は5mmへ設定した。
(4)TTCP顆粒の共粉砕。
材料を最終粒径へ縮小させるために、TTCPをQuadro Inc.社製の共粉砕機(Quadro Comil197型)に通して加工した。粉砕速度は、5,000±300rpmへ設定した。インペラの間隙は、ステンレススチール製ワッシャを用いて0.375”へ設定した。TTCP粉末を共粉砕するために、共粉砕機が過度の粉末で目詰まりしないことを保証するためにおよそ700g/分の速度で緩徐に、ジョークラッシングしたTTCP粉末を共粉砕機内へ供給した。(共粉砕のパラメータについては表10を参照されたい。)
Figure 2006289092
(5)ボールミリング。
焼結した、ジョークラッシングした、および共粉砕したTTCPをボールミリングするために、Glen Creston Inc.社製BM−6型ローラーボールミルを使用した。焼結した、ジョークラッシングした、および共粉砕したTTCPの乾燥粉砕のためのボールミリングパラメータは表6に列挙した。TTCPの乾燥粉砕のために、計3,000±25gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm)をアルミナ製ボールミリングジャー内へ量り入れ、これに600±25gのTTCPを添加した。ボールミル・パラメータは以下の表11に記載した。
Figure 2006289092
粉砕してふるいにかけた粉末は、一般に約0.4から約200μm、好ましくは約10から30μmの範囲内の粒径を有する。粒径は、Beckton Coulter社製LS13 320シリーズの粒径分析装置を用いて上記に説明したように測定した。
(実施例4:反応遅延剤(例、クエン酸三ナトリウム)の調製)
材料を最終粒径へ縮小させるために、クエン酸三ナトリウム(アイルランド国コークに所在するADM社製)をQuadro Inc.社製の共粉砕機(Quadro Comil197型)に通して加工した。粉砕速度は、300±50rpmへ設定した。使用したスクリーンの孔径は0.039”であった。インペラの間隙は、ステンレススチール製ワッシャを用いて0.05”へ設定した。クエン酸三ナトリウム粉末は、共粉砕機が過度の粉末で目詰まりしないことを保証するためにおよそ700g/分の速度で緩徐に共粉砕機内へ供給した。
(実施例5:リン酸ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムの水溶液の製造)
1リットルの高純水中へ、22.8gのリン酸水素二ナトリウム無水物、45.5gのリン酸二水素ナトリウム一水和物および147.1gのクエン酸三ナトリウムを添加し、それらが完全に溶解するまで攪拌した。この水溶液の詳細は、以下の表12に記載した。
Figure 2006289092
(実施例6:最終セメントを製造するための粉末成分と液体成分との混合)
最終的なセメント使用のためには、DCPDにTTCPを等モル比(すなわち、31.97:68.03のDCPD対TTCP比)で添加した。均質混合物の形成を保証するために、この粉末混合物を混合した。次に、硬化可能な最終製品を形成するために0.32の液体対粉末比を用いて実施例5の液体成分を添加した。
(実施例7:貫入抵抗試験)
実施例6に記載したとおりに製造した骨セメントを、促進老化試験後に貫入抵抗性についても試験した。本発明のために好ましい貫入抵抗性要件は、混合から5分後に≧1,000psi、および混合から10分後に≧3,500psiの抵抗性である。表13および14は、上述した実施例6に記載したとおりに製造した骨セメントを用いた貫入抵抗試験の結果を示している。
Figure 2006289092
Figure 2006289092
(実施例8:DCPD、TTCPおよびクエン酸三ナトリウムを含有する粉末成分の製造)
60ppmのマグネシウムを含む28.6重量%の安定化DCPD、61重量%のリン酸四カルシウムおよび10.4重量%のクエン酸三ナトリウムを混合して混合物を形成した。
Figure 2006289092
(実施例9:リン酸ナトリウムおよびポリビニルピロリドン(PVP)を備える液体成分の製造)
1リットルの高純水中へ、29.8gの二塩基性リン酸水素二ナトリウム無水物、85.6gの一塩基性リン酸二水素ナトリウム水和物および90.0gのPVPを添加し、それらが完全に溶解するまで攪拌した。上述した材料全部は容易に入手可能な市販製品であり、今回の特定の場合には以下の製造業者から調達した。
この好ましい水溶液の詳細は、以下の表16に記載した。
Figure 2006289092
以下は、結合剤としてカルボキシルメチルセルロースナトリウムを用いた、本発明の成分のまた別の好ましい実施形態である。
Figure 2006289092
(実施例10:最終セメントを製造するための粉末成分と液体成分との混合)
最終的なセメント使用のために、安定化DCPDにTTCPを等モル比で添加した(すなわち、31.97:68.03のDCPD対TTCP比)。次にDCPDおよびTTCPの混合物にクエン酸三ナトリウムを添加して28.6:61:10.4のDCPD:TTCP:クエン酸ナトリウムの最終比率を生成した。均質混合物の形成を保証するために、この粉末混合物を混合した。
次に、硬化可能な最終製品を形成するために0.32の液体対粉末比を用いて粉末混合物へ液体成分を添加した。
実施例10に記載したとおりに製造した骨セメントが性能要件を満たすことを検証するために、一連の定性試験を受けさせた。本発明の骨セメントを、例えばそれらの(1)長期安定性、(2)湿性領域貫入抵抗性、(3)圧縮強度、(4)混合の評価、(5)注入可能性、(6)ウォッシュアウト率、(7)金属製品の引き抜き、(8)ハイドロキシアパタイトへの転換、および(9)収縮について分析したが、それらについて以下でより詳細に記載する。
(実施例11:長期安定性についての試験)
実施例1および2に記載したとおりに製造したDCPD粉末を、X線回折計を用いて長期安定性について分析した。最初に、図1および3に示したように、実施例1および実施例2の最初の乾燥DCPD粉末のX線粉末回折パターンは株式会社リガク製X線回折計を用いて収集した。
次に、5gのDCPD粉末をトパーズ製ボウル内に包装し、通気性Tyvek蓋を用いてヒートシールした。このボウルを次に10gのケイ素乾燥剤を入れたホイル製パウチ内に入れた。このホイルパウチを次にヒートシールした。シールしたホイルパウチを次に50℃に設定した耐候性オーブンに入れ、一定期間老化させた。52日間にわたるこれらの条件下での貯蔵は1年間実時間老化と等価であることが決定されている。
促進老化試験のために、安定化DCPD粉末は50℃へ設定した耐候性オーブン内で77日間貯蔵し、実施例2のDCPD粉末は50℃へ設定した耐候性オーブン内で91日間貯蔵した。
促進老化試験条件に曝露した後に、実施例1および実施例2のDCPD粉末のX線粉末回折パターンは同じ株式会社リガク製X線回折計を用いて収集した。図2および4に示したように、マグネシウムを含有する前記安定化DCPDはDCPDに特徴的なX線回折ピークを示した。より詳細には、上述した促進老化試験条件に曝露させた後に、実施例1および実施例2のDCPD粉末のX線粉末回折パターンでは、前記安定化DCPD粉末は、密封容器中での50℃での52日間の促進老化試験後後に11.605、20.787、23.391、26.5、29.16、30.484、31.249、31.936、33.538、34.062、35.45、36.34および39.67±0.2°で2θを示した。
同様に、最終調製物の粉末成分(例えば、安定化DCPD、TTCPを備える粉末成分または安定化DCPD、TTCPおよびクエン酸三ナトリウムなどの反応遅延剤を備える粉末成分)についても上述した密封法法で長期安定性について試験した。
規定期間についての促進老化試験条件における曝露後に、粉末成分が硬化してセメントを形成するかどうかを調べるためには、溶媒と混合することによってその安定性について試験することができる。あるいは、粉末成分は、X線粉末回折パターンが粉末成分(DCPDおよびTTCPなど)の最初のリン酸カルシウムに特徴的なX線回折ピークを示すかどうかを判定するためにX線回折計を用いて安定性について試験することができる。
ASTM F 1980に規定されたアレニウスの式に基づくと、以下の促進老化時間は実時間の室温貯蔵寿命に等しい。
Figure 2006289092
(実施例12:湿性領域貫入抵抗性試験)
実施例10に記載したとおりに製造した骨セメントを、湿性領域貫入抵抗性についても試験した。本試験は、特定時点にセメントの中へ負荷アプリケータを適用するステップから構成される。負荷アプリケータは、直径1/16”を備える小さな円筒形ステンレススチール針から構成した。粉末および液体構成成分の最初の混合から2分30秒後に、セメントを32℃に加熱したブロックの長い溝(幅1/4”×深さ1/4”)の中に配置した。最初の混合から3分後、セメントへ20rpmに設定したWatson Marlow323蠕動ポンプを用いて飽和リン酸塩溶液の定常流を受けさせた。この溶液は32℃の定温に維持した。最初の混合から4分後、負荷アプリケータをセメントに1.5mm貫入させ、結果として生じた力を記録した。本試験は、13分間にわたり1分毎に繰り返した。セメントの抵抗の増加を経時的に示すために、試験終了時に応力/転移曲線を得た。本発明のために好ましい貫入抵抗要件は、混合されてから10分後に3,500psi(24.1MPa)超であった。以下の結果は最初の混合から10分後に測定したが、最初の混合から8分後または9分後にセメントが硬化したかどうかを決定するために同一試験を実施することができる。表19は、実施例10に記載したとおりに製造した骨セメントを用いた貫入抵抗試験の結果を示している。
Figure 2006289092
(実施例13:混合の評価)
無作為に選択した骨セメントの経験を積んでいないユーザー5人に、本発明の骨セメント調製物の実施例1の粉末成分および実施例9の液体成分を提供した。ユーザーに、セメントを混合し、18℃から22℃の周囲温度で混合の準備が整ったと思った時点に10ゲージのカニューラを備えたシリンジ内へ移すように求めた。混合および次に移すために要した時間は、以下の表に記録したように粉末成分と液体成分の最初の混合から測定した。
Figure 2006289092
充填したシリンジは、以下に詳述するように、注入可能性および湿性領域貫入試験を実施するための試験機に挿入した。
(実施例14:注入可能性試験)
上記で実施例13において説明したように、粉末成分および液体成分を混合してセメントペーストを作製し、10ゲージのカニューラを装備したシリンジへこのペーストを移した。次に、25mm/分に速度を設定した機械的試験機を用いてプランジャへ下向きの力を適用した。下向きの力は、セメント調製物の粉末成分および液体成分の最初の混合から3分30秒後に適用した。4分30秒後に等価である25mmの変位で力/変位曲線から示度を読み取った。この試験のために、その時点の最大力は200N、好ましくは150Nを超えない。結果は、以下の表に記録した。
Figure 2006289092
(実施例15:ウォッシュアウト試験)
本試験は、動物試験中にインビボで実施した。ウォッシュアウトを評価するための部位として、イヌ頭蓋欠損を使用した。5ccのセメントを、32℃の欠損温度を備えるイヌ欠損部へ8分間で埋植し、実施例10に記載したとおりに製造したセメントにInterpulse(登録商標)噴射ガンからのパルス洗浄を受けさせた。このウォッシュアウトは、有意な量のセメントが失われなかったので容認できると見なされた。
(実施例16:金属製品の引き抜き試験)
実施例10に記載したとおりに製造したセメントを混合し、人工海綿骨材料内へ注入した。粉末成分および液体成分の最初の混合から3分後、骨セメント(複合物)が注入された人工海綿骨を32℃のリン酸塩溶液内へ浸けた。複合物を溶液から取り出し、9分後にはねじ入れるための準備として穿孔した。10分後に、穿孔した複合物内へ金属製品(4.5mmの皮質スクリュー)をねじ入れ、試験の準備が整った試験装置へ配置した。12分後、機械的試験機を用いて複合物からスクリューを引き抜いた。スクリュー引き抜き力は100Nを超えなければならない。結果は、以下の表に記録した。
Figure 2006289092
(実施例17:ハイドロキシアパタイトへの転換)
実施例10に記載したとおりに製造したセメントを混合し、37℃のリン酸塩溶液中で適切な時点に老化させた。規定の時点に、セメントを溶液から取り出し、37℃のオーブン中で乾燥させた。次にセメントは乳鉢および乳棒を用いて粉末化し、XRD分析のために株式会社リガク製X線回折計に配置した。サンプルを10から40°の2θでスキャンし、結果を2θ対強度のグラフ上に記録した。サンプルについてのピークをJCPDSパターン9−432(ハイドロキシアパタイトについて)と比較し、HA転換の計算のために29.23、29.81、31.77および32.20の2θでのピーク強度を記録した。29.23および29.81の2θでのピークはTTCPに対応し、そして31.77および32.20でのピークはHAに対応する。次にHAへの転換を計算したが、2週間後の結果は60%のHA転換より高くなければならない。結果は、以下の表に記録した。
Figure 2006289092
(実施例18:収縮)
実施例10に記載したとおりに製造したセメントを型(21.3mm×6.1mm)の中へ注入した。計3つのサンプルを調製した。これらのサンプルを硬化させて型から取り出した。各試験片の直径および高さから体積を計算した。これらのサンプルを次に24時間にわたり37℃のリン酸塩溶液中でインキュベートした。それらを引き続き取り出して乾燥した。校正済みバーニアを用いて、試験片を再び測定し、新しい測定値を用いて体積の変化を計算した。
Figure 2006289092
上記で考察した特徴のこれらやその他の変形および組み合わせは特許請求の範囲に記載した本発明から逸脱せずに利用できるので、好ましい実施形態についての上記の説明は、添付の請求項に規定した本発明を限定するためではなく例示するためであると見なすべきである。このため、具体的な実施形態に多数の変形を加えることができること、そして添付の請求項に規定された本発明の精神および範囲から逸脱せずに他の配列を考案できることを理解されたい。
促進老化試験を実施する前の40ppmのマグネシウムを含有するDCPDの特徴的なX線粉末解析パターンのグラフである。 促進老化試験を実施した後(すなわち、50℃で77日間貯蔵した後)の40ppmのマグネシウムを含有するDCPDの特徴的なX線粉末解析パターンのグラフである。 促進老化試験を実施する前の60ppmのマグネシウムを含有するDCPDの特徴的なX線粉末解析パターンのグラフである。 促進老化試験を実施した後(すなわち、50℃で90日間貯蔵した後)の60ppmのマグネシウムを含有するDCPDの特徴的なX線粉末解析パターンのグラフである。

Claims (55)

  1. 少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物と、
    少なくとも1つの反応遅延剤と、
    少なくとも1つの結合剤と、
    少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物と
    を備えるリン酸カルシウム系組成物。
  2. 前記組成物が急速硬化性である請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  3. 前記組成物が注入可能なものである請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  4. 前記少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物として、2つのリン酸カルシウム系無機化合物を備える請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  5. 前記2つのリン酸カルシウム系無機化合物が、リン酸二カルシウムとリン酸四カルシウムである請求項4に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  6. 前記リン酸二カルシウムがリン酸二カルシウム二水和物である請求項5に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  7. 前記2つのリン酸カルシウム系無機化合物のうちの1つが安定剤を含有する請求項4に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  8. 前記安定剤を含有する前記2つのリン酸カルシウム系無機化合物のうちの前記1つが、リン酸二カルシウム二水和物である請求項7に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  9. 前記安定剤がマグネシウムである請求項8に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  10. 前記安定剤が、前記リン酸二カルシウム二水和物の総重量に対して約10ppmから約60ppmの量で提供される請求項8に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  11. 前記組成物が長期貯蔵寿命を有する請求項7に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  12. 前記少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物が、約0.4μmから約200μmの粒径を有する請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  13. 前記少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物が、前記組成物の総重量に対して約50%から約90%の量で提供される請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  14. 前記反応遅延剤が、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、ピロリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩またはそれらの混合物である請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  15. 前記反応遅延剤がクエン酸三ナトリウムである請求項14に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  16. 前記反応遅延剤が、約1μmから約1,000μmの粒径を有する請求項14に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  17. 前記反応遅延剤が、前記組成物の総重量に対して約3%から約20%の量で提供される請求項14に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  18. 前記結合剤が、ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンおよびビニルエステルの共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum)、アルギン酸ナトリウムまたはそれらの混合物である、請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  19. 前記結合剤がセルロース誘導体である請求項18に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  20. 前記結合剤がポリビニルピロリドンである請求項18に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  21. 前記結合剤が、約1μmから約2,500μmの粒径を有する請求項18に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  22. 前記結合剤が、前記組成物の総重量に対して約1%から約15%の量で提供される請求項18に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  23. 前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物が、リン酸水素二ナトリウム無水物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、二塩基性リン酸ナトリウム無水物、一塩基性リン酸ナトリウム水和物、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、リン酸三ナトリウム十二水和物、もしくは二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、トリポリリン酸五ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、またはそれらの混合物である請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  24. 前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物として、2つのリン酸ナトリウム系無機化合物を備える請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  25. 前記2つのリン酸ナトリウム系化合物が、二塩基性リン酸ナトリウム無水物および一塩基性リン酸ナトリウム水和物である請求項24に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  26. 前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物が、約1μmから約2,500μmの粒径を有する請求項23に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  27. 前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物が、前記組成物の総重量に対して約0.5%から約5%の量で提供される請求項23に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  28. 溶媒をさらに備える請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  29. 前記溶媒が、水、血液、リン酸緩衝食塩液、食塩液またはそれらの混合物である請求項28に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  30. 前記溶媒が、約50%から約95%の量で提供される請求項28に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  31. 添加物をさらに備える請求項1に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  32. 前記添加物が、タンパク質、骨誘導性物質、骨伝導性物質、X線不透過剤、薬剤、支持充填剤、強化充填剤、結晶成長調整剤、粘度調整剤、孔形成剤、またはそれらの混合物である請求項31に記載のリン酸カルシウム系組成物。
  33. 少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物、少なくとも1つの反応遅延剤、少なくとも1つの結合剤、および少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物を提供するステップと、
    溶媒中で前記少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物、前記少なくとも1つの反応遅延剤、前記少なくとも1つの結合剤、および前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物を混合するステップと
    を含む工程によって調製されるリン酸カルシウム系組成物。
  34. 少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物および反応遅延剤を含む粉末成分と、
    少なくとも1つの結合剤、少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物および溶媒を含む液体成分と
    を備えるリン酸カルシウム系組成物。
  35. 粉末成分を調製するために、少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物と反応遅延剤を混合するステップと、
    液体成分を調製するために、溶媒中で少なくとも1つの結合剤と少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物を混合するステップと、
    前記粉末成分と前記液体成分を混合するステップと
    を含む工程によって調製されるリン酸カルシウム系組成物。
  36. 約10ppmから約60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物と、第2リン酸カルシウム系無機化合物と、少なくとも1つの反応遅延剤との粉末混合物を備える第1容器と、
    少なくとも1つの結合剤と少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物とを備える溶媒を備える第2容器と
    を備えるリン酸カルシウム系骨セメントを形成するためのキット。
  37. 少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物と反応遅延剤とを含む粉末成分を調製するステップと、
    溶媒に少なくとも1つの結合剤と少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物を溶解することによって液体成分を調製するステップと、
    前記粉末成分と前記液体成分を混合するステップと
    を含むリン酸カルシウム系骨セメントを作製する方法。
  38. 約10ppmから約60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分と、
    前記安定化リン酸二カルシウム二水和物以外の少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物を含む第2粉末成分と、
    水を含む第3液体成分と
    を備えるリン酸カルシウム系セメント。
  39. 前記安定化リン酸二カルシウム二水和物が、湿式化学沈殿法を用いて製造される請求項38に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  40. 前記マグネシウムが、約30ppmから約50ppmのマグネシウムの量で存在する請求項38に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  41. 前記安定化リン酸二カルシウム二水和物以外の前記少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物が、リン酸四カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一カルシウム、β型リン酸三カルシウム、α型リン酸三カルシウム、オキシアパタイト、もしくはハイドロキシアパタイト、またはそれらの混合物である請求項38に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  42. 前記安定化リン酸二カルシウム二水和物以外の前記リン酸カルシウム系無機化合物がリン酸四カルシウムである請求項41に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  43. リン酸二カルシウム二水和物を安定化させるために使用される前記マグネシウムの起源が、MgO、MgO2、Mg(OH)2、MgHPO4、MgHPO4・3H2O、MgHPO4・7H2O、Mg3(PO42、Mg3(PO42・4H2O、Mg3(PO42・8H2O、Mg3(PO42・22H2O、MgCO3、MgCO3・3H2O、MgCO3・5H2O、3MgCO3Mg(OH)2・3H2O、MgCO3Mg(OH)2・3H2O、Mg(C3532・3H2O、MgC24・2H2O、MgC446・5H2O、Mg(C4462・4H2O、MgCO3・CaCO3、Mg227、Mg(C122322・2H2O、Mg(C142722、Mg(C183322、もしくはMg(C183522、またはそれらの混合物である請求項38に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  44. リン酸二カルシウム二水和物を安定化させるために使用される前記マグネシウムの起源が酸化マグネシウムである請求項43に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  45. 前記第3液体成分が、少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物をさらに含む請求項38に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  46. 前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物が、リン酸水素二ナトリウム無水物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、リン酸三ナトリウム十二水和物、もしくは二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、トリポリリン酸五ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、またはそれらの混合物である請求項45に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  47. 前記第3液体成分が、クエン酸三ナトリウムをさらに含む請求項45に記載のリン酸カルシウム系セメント。
  48. 約10ppmから約60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分を、湿式化学沈殿法を用いて製造するステップと、
    前記安定化リン酸二カルシウム二水和物以外の少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物を含む第2粉末成分を製造するステップと、
    前記第1および第2粉末成分を水性液体成分と反応させて、硬化可能な物質を形成する反応を引き起こすステップと
    を含むリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。
  49. 前記反応させるステップが、前記第1および第2粉末成分を最初に混合して混合物を形成するステップと、次に前記第1および第2粉末成分の前記混合物を前記水性液体成分と混合して硬化可能な物質を形成する反応を引き起こすステップとによって実施される請求項48に記載のリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。
  50. 前記安定化リン酸二カルシウム二水和物以外の前記少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物が、リン酸四カルシウムである請求項48に記載のリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。
  51. リン酸二カルシウム二水和物を安定化させるために使用される前記マグネシウムの起源が、酸化マグネシウムである請求項48に記載のリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。
  52. 前記第3液体成分が、少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物をさらに含む請求項48に記載のリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。
  53. 前記第3液体成分が、クエン酸三ナトリウムをさらに含む請求項52に記載のリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。
  54. 約10ppmから約60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分とリン酸四カルシウムを含む第2粉末成分との混合物を備える第1容器と、
    第2容器中の水性液体成分であって、少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物を含む水性液体成分と
    を備えるリン酸カルシウム系骨セメントを形成するためのキット。
  55. 前記水性液体成分がクエン酸三ナトリウムをさらに含む請求項54に記載のリン酸カルシウム系骨セメントを形成するためのキット。
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