JP5801280B2 - リン酸カルシウム系セメント - Google Patents
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Description
調製における、リン酸カルシウム系無機化合物に関する。より詳細には、本発明は、水溶
液中にリン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウムの混合物を含むリン酸カルシウム系
骨セメントであって、この混合物がその後硬化して、セメントの実質的部分がハイドロキ
シアパタイトとなる骨セメントを形成するリン酸カルシウム系骨セメントに関する。
を形成するが、その後はハイドロキシアパタイト骨セメントに硬化する。水溶液中でカル
シウムとリン酸塩前駆体とを結合させるステップによって形成される骨セメントは、骨折
および骨欠損を治療する際に有用であることが見いだされている。ハイドロキシアパタイ
トは、概して天然骨構造におけるリン酸カルシウム比と同様であるおよそ1.67のカル
シウム対リンの比率を有する。
脆弱になっているか、または他の劣化作用の対象となっている状況において、硬化する前
に本来の位置に置くことができる。例えば、Brown and Chowの米国再発行
特許発明第33161号明細書および米国再発行特許発明第33221号明細書、Cho
w and Takagiの米国特許第5522893号明細書、ならびにConsta
ntzの米国特許第4880610号明細書および米国特許第5047031号明細書に
よって教示された骨セメントなどの極めて多数のリン酸カルシウム系骨セメントが提案さ
れている。
硬化液へリン酸ナトリウム溶液、リン酸カリウム溶液もしくは炭酸ナトリウム溶液を添加
すると硬化時間を加速できることはよく知られている。このことは、Chow et a
l.,April,1991、IADR、Abstract、No.:2410およびA
ADR,1992、Abstract、No.:666に記載されているし、これらの出
版物の発行前に当業者には公知であった。
粉末成分は、例えば2〜50gの含有量を備えるブリスターパックもしくはボトルに入れ
て無菌形態で供給される。例えば1モルのリン酸ナトリウム溶液、蒸留水もしくは塩化ナ
トリウム溶液などの液体は、通常は無菌のガラス容器、通常は10ccの容積を有するデ
ィスポーザブルシリンジ中に存在する。粉末および液体成分は、通常は容器内で混合され
、そして例えばシリンジなどによってこの容器から加工処理される。
しくは数か月間にわたり貯蔵することができるように、骨セメントのこれらの成分が貯蔵
中に長期安定性を有することが重要である。しかし、当業者はそれらが特性の変化をほと
んど、もしくは全く伴わずに安定性のままであることを前提としていたので、これらの成
分の長期安定性はこれまで広範には研究されていない。
in Facttors Influencing Calcium Phosphat
e Cement Shelf−life,Biomaterials,(Elsevi
er Ltd. 2004)によると、一部の先行技術のリン酸カルシウムの粉末混合物
は、密閉容器内に貯蔵されたにもかかわらず、貯蔵からたった7日後に硬化する能力を消
失することが見いだされている。先行技術の粉末混合物の劣化は、引き続いて老化中に乾
燥状態でのモネタイトへの転換に関連することが見いだされている。
ある。
ある。最小侵襲手術は、ときどきは長さが4分の1インチ未満である天然の身体開口部ま
たは小さな「鍵穴」切開部を通して実施されることが多い。そのような小さな開口部を通
して作業する場合は、例えば骨折領域内へシリンジによって注入できる骨セメントを使用
するのがしばしば望ましいし、もしくは必要とされる。
商標)、Synthes Norian CRS(登録商標)およびWright Me
dical MIG X3(登録商標)などの注入可能なセメントは、それらを容易に注
入できるように処方されている。しかし、それらは相当に長い硬化時間を有するため、外
科医は余儀なくセメントが硬化するまで待たなければならないので、手術時間が長くなる
。
Mimix(登録商標)などの市販で入手できる他の一部の骨セメント製品は急速に硬化
するが、シリンジもしくは針を通して容易に注入することはできないので、これらの製品
は最小侵襲法に適用することができない。
手術において最適な作業時間および短縮された全硬化時間を提供する急速硬化性骨セメン
トを開発する継続的な必要がある。
る。
ト、そのような骨セメントを作製する方法、およびこれをキットとして供給する方法を提
供することである。
定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分と、前記安定化リン酸二カルシウム
二水和物以外の少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物を含む第2粉末成分と、
水を含む第3液体成分とを備えるリン酸カルシウム系セメントを提供することである。
可能なリン酸カルシウム系骨セメントを提供することである。
の最適な組み合わせを提供するリン酸カルシウム系骨セメントを提供することである。例
えば、いくつかの実施形態では、本発明のセメントはインビボで(術中に)容易に成形す
ることができる。
能な骨セメント製品を提供することである。
骨セメントを提供することである。例えば、本発明の骨セメント無機物が混合されて欠損
領域へ塗布されてから間もなく、クラックを生じさせずにセメント内へ穿孔してスクリュ
ーを差し込むことができるが、これは現在市販で入手できる製品を用いた場合は一般に難
題である。
一物をキットとして提供するための方法を提供することである。
リン酸カルシウム源と、(2)少なくとも1つの反応遅延剤と、(3)少なくとも1つの
結合剤と、(4)少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物とを備える。これらの成分
が混合および/または硬化させられると、これらの個別成分を同定または識別するのが可
能な場合も可能ではない場合もあることは理解されるであろう。そこで、本明細書での「
セメント」との言及には、これらの成分の混合および/または反応の結果として生じるセ
メントも含まれる。
混合物の製品を備えるが、このときリン酸カルシウムの少なくとも1つの起源は粉末成分
の一部であり、そして少なくとも1つの反応遅延剤、少なくとも1つの結合剤、および少
なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物は粉末成分または液体成分のどちらかの一部で
ある。
約10ppmから約60ppmの安定剤を含有するリン酸二カルシウム無機物、(2)リ
ン酸四カルシウム無機物、(3)反応遅延剤を含む粉末成分と、(1)少なくとも1つの
結合剤、(2)少なくとも1つのリン酸ナトリウム、(3)溶媒を含む液体成分とを備え
ている。
、「備えている」、「含有する」、「有する」「有している」、「含む」、「含んでいる
」およびそれらの変形は、それに関係して言及したステップ、要素もしくは材料が極めて
重要であるが、その他のステップ、要素もしくは材料を付け加えることができ、それでも
まだ特許請求の範囲または開示の構成を形成できることを意味している。本発明を記載す
る際および請求項に列挙された場合は、それは本発明および要求されたことがそれに従う
べき、そしてもしかするとそれ以上であることを意味している。これらの用語は、特に特
許請求の範囲へ適用される場合は、包括的で制約がなく、言及されていない追加の要素も
しくは方法ステップを排除しない。本明細書での用語「セメント」は、ペースト、スラリ
ー、パテ、セメント製剤およびセメント組成物と互換的に使用される。範囲と関連して使
用される用語「〜から〜まで」には、その状況が他のことを示唆しない限り、終点を含ん
でいる。本明細書の用語「長期貯蔵寿命」は、以下の実施例9に詳述した促進老化試験に
よって、規定の時間、好ましくは少なくとも1.5か月間、より好ましくは3か月間、お
よび最も好ましくは少なくとも6か月間以上にわたり、例えば反応遅延剤などの他の粉末
成分を含めるか又は含めないかのどちらかで密閉容器中に粉末を貯蔵した後に、1つ以上
のリン酸カルシウム系無機化合物が溶媒と混合されると硬化して、セメントを形成するで
あろうことを意味する。本発明によって本明細書において使用する用語「注入可能」は、
セメントペーストを形成するために1つ以上のリン酸カルシウム系無機化合物を溶媒と混
合し、10ゲージのカニューラを装備したシリンジへペーストを移したときに、以下の実
施例12に規定したように18℃〜22℃の周囲温度で前記混合物の初期混合時から4分
30秒後に測定した注入力が200Nを、より好ましくは150Nを超えないことを意味
する。本発明によって本明細書において使用される用語「急速硬化性」は、1つ以上のリ
ン酸カルシウム系無機化合物を溶媒と混合すると、欠損領域へ塗布したときに約10分間
、好ましくは約9分間、最も好ましくは約8分間で硬化してセメントを形成することを意
味する。このとき欠損部温度は約32℃である。本発明によって本明細書において使用さ
れる用語「硬化する」は、以下の実施例10において詳述する湿性領域貫入抵抗試験によ
って測定した貫入力が3,500pst(24.1MPa)を上回ることを意味している
。
本発明による反応遅延剤は、リン酸カルシウム系無機化合物が溶媒と混合されてハイド
ロキシアパタイトを形成するときにハイドロキシアパタイトの形成を遅延させるために有
用なあらゆる物質であってよい。リン酸カルシウム系無機化合物が過度に早く硬化すると
、不均質な多孔性セメントマトリックスが生じ、これは低圧縮強度を生じさせる。このた
め、セメント混合および注入中のリン酸カルシウム系無機化合物の急速の分解を緩徐化す
るために反応遅延剤が使用される。
との液体成分中に溶解されてよい。しかし、好ましい実施形態では、反応遅延剤は粉末成
分である。
ン酸三カリウム、ピロリン酸ナトリウム、EDTA(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
塩)、クエン酸、および/またはそれらの混合物である。好ましい反応遅延剤はクエン酸
三ナトリウムである。
ルシウム系無機化合物の急速分解の速度を修飾するために調整することができる。例えば
、反応遅延剤の量および/または粒径は、骨セメント組成物が硬化する前に長い送達シス
テムで骨折領域へ送達するために処方できるように変化させることができる。
r社のLS13320シリーズ粒径分析装置を用いて測定した。分析用サンプルは、ビー
カーへ0.03gの粉末および2.5mLの分散媒(この場合は、エタノールを使用した
)を添加することによって調製した。スラリーを15秒間にわたり強力に混合し、次にC
oulterカウンターの少量モジュールへ移した。サンプルの分析前に、バックグラウ
ンド計数は、最初にエタノールを用いて少量モジュールを2回洗浄し、次にセルにエタノ
ールを充填することによって達成した。スターラーの速度を50%へ変更し、バックグラ
ウンドの測定値を得た。必要であれば、エタノールを用いてセルをさらに洗浄することが
できる。
ルとの混合物のスラリーを添加した。このサンプリング方法は、サンプリング中の懸濁液
の沈降を回避するために50%に設定したセル攪拌を行いながら実施した。
ールとの混合物のスラリーを再充填し、全3回についてサンプル手順を繰り返した。
本明細書に言及した粒径値は体積平均径値を意味することに留意されたい。粒径分布は
、当業者には知られており、上記で詳細に開示かつ考察したようなBecton Cou
lter社製LS13 3220シリーズの粒径分析装置によって測定できる。
170μmから約220μmである。これは、ふるい分けに基づくと、重量で少なくとも
約25%、好ましくは約50%、より好ましくは約75%の反応遅延剤がこれらの範囲内
に含まれることを意味する。
て液体成分として提供できる。
、より好ましくは約5%から約10%の量で存在していてよい。
ユーザーへ供給されるが、このとき反応遅延剤は粉末成分の総重量に対して、約3%から
約15%、より好ましくは約5%から約12.5%の量で存在していてよい。
本発明の結合剤は、粉末物質へ粘着性の性質を付与し、そして自由流動性の性質を向上
させるために使用される。結合剤は、さらに混合セメントがシリンジおよび/またはカニ
ューラを容易に通って流れるのを補助する。結合剤は、液体および粉末を分離させずに完
全に注入可能な骨セメント製剤を提供するために成分を一緒に結合させるが、これは現在
市販で入手できる製品を用いた場合には一般に難題である。
液体成分中に溶解されてよい。しかし、好ましい実施形態では、結合剤は溶媒中に溶解さ
せられ、液体成分として提供される。
終製剤の粉末成分を滅菌するためにガンマ線照射を使用した場合に、劈開する、または架
橋結合する可能性があるためである。さらに、結合剤が液体成分の一部として使用される
場合は、結合剤は既に可溶化されているので、このため粉末成分と結合されたときにはる
かに均質な骨セメントを生じさせる。さらに、必要とされる結合剤の量は、液体形では減
少し、必要とする調製物中の液体量が少なくなり、より強力な機械的強度を備えるセメン
トが生じる。
ルピロリドンとビニルエステルとの共重合体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルソー
ス、メチルセルソース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースな
どのセルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum
)、アルギン酸ナトリウムおよび/またはそれらの混合物である。
度)を修飾するために調整できる。
mから約1,000μm、およびより好ましくは約10μmから約250μmである。こ
れは、ふるい分けに基づくと、重量で少なくとも約25%、好ましくは約50%、より好
ましくは約75%の結合剤がこれらの範囲内に含まれることを意味する。
ましくは約1%から約3%の量で存在していてよい。
エンドユーザーへ供給される。そのような好ましい実施形態では、結合剤は、液体成分の
総重量に対して約3%から約15%、より好ましくは約7%から約12%の量で存在して
いてよい。
本発明による有用なリン酸カルシウムの少なくとも1つの起源は、例えば、ここに引用
することで本明細書の記載の一部をなすBrown and Chowの米国再発行特許
発明第33161号明細書および米国再発行特許発明第33221号明細書、Chow
and Takagiの米国特許第5522893号明細書、米国特許第5542973
号明細書、米国特許第5545294号明細書、米国特許第5525148号明細書、米
国特許第5695729号明細書および米国特許第6375992号明細書、ならびにC
onstantzの米国特許第4880610号明細書および米国特許第5047031
号明細書に教示されたものなどの一般に既に当技術分野において公知である極めて多数の
リン酸カルシウム系無機化合物を含んでいる。
ン酸四カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一カルシウム、β
型リン酸三カルシウム、α型リン酸三カルシウム、オキシアパタイト、またはハイドロキ
シアパタイトおよび/またはそれらの混合物が含まれる。
が使用され、より好ましくは2つのリン酸カルシウム系無機化合物の1つはリン酸四カル
シウムである。
リン酸二カルシウムおよびリン酸四カルシウム、最も好ましくはリン酸二カルシウム二水
和物(二水和性リン酸二カルシウムとしても知られる)(「DCPD」)およびリン酸四
カルシウム(「TTCP」)が含まれる。
つの起源には2つのリン酸カルシウム系無機化合物が含まれ、このとき2つのリン酸カル
シウム系無機化合物の1つは安定剤を用いて安定化させられる。
たり、好ましくは少なくとも5か月間、より好ましくは少なくとも3か月間、および最も
好ましくは少なくとも6か月間以上にわたり貯蔵された後に反応させたときにリン酸カル
シウム系無機化合物が(少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物とともに)硬化
するのを可能にするであろう物質である。
には、リン酸四カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一カルシ
ウム、β型リン酸三カルシウム、α型リン酸三カルシウム、オキシアパタイト、またはハ
イドロキシアパタイトおよび/またはそれらの混合物が含まれる。
カルシウム系無機化合物を作製する工程中に安定剤が添加される。
好ましくはDCPDである。
、MgHPO4、MgHPO4・3H2O、MgHPO4・7H2O、Mg3(PO4)2、Mg
3(PO4)2・4H2O、Mg3(PO4)2・8H2O、Mg3(PO4)2・22H2O、Mg
CO3、MgCO3・3H2O、MgCO3・5H2O、3MgCO3Mg(OH)2・3H2O
、MgCO3Mg(OH)2・3H2O、Mg(C3H5O3)2・3H2O、MgC2O4・2H
2O、MgC4H4O6・5H2O、Mg(C4H4O6)2・4H2O、MgCO3・CaCO3、
Mg2P2O7、Mg(C12H23O2)2・2H2O、Mg(C14H27O2)2、Mg(C18H33
O2)2、またはMg(C18H35O2)2および/またはそれらの混合物である。最も好まし
い安定剤は、酸化マグネシウムである。
製するためにそれに安定剤が添加されるリン酸カルシウム系無機化合物の総重量に比較し
て、約10ppmから約60ppm、好ましくは約30ppmから約50ppm、より好
ましくは約40ppmの量で提供される。
施形態では、酸化マグネシウムなどの安定剤は、DCPDの総重量に比較して約10pp
mから約60ppm、好ましくは約30ppmから約50ppm、より好ましくは約40
ppmの量で提供される。
ン酸カルシウム系無機化合物の急速分解の速度を修飾するために調整することができる。
ton Coulter社製のLS13 3220シリーズ粒径分析装置によって、しか
し分散媒としてイソプロピルアルコール(IPA)を用いて測定した場合に、約0.4μ
mから約200μm、好ましくは約5μmから約175μm、および最も好ましくは25
μmから約70μmである。これは、ふるい分けに基づくと、重量で少なくとも約25%
、好ましくは約50%、およびより好ましくは約75%の少なくとも1つのリン酸カルシ
ウムがこれらの範囲内に含まれることを意味する。
施形態では、DCPDの粒径は、約0.4μmから約200μm、好ましくは約25μm
から約70μm、および最も好ましくは約40μmから約50μmであり、そしてTTC
Pの粒径は、約0.4μmから約200μm、好ましくは約10μmから約30μmであ
る。
分としてエンドユーザーへ供給される。そのような好ましい実施形態では、少なくとも1
つのリン酸カルシウムは、粉末成分の総重量に対して約50%から約90%、より好まし
くは約60%から約80%の量で存在していてよい。
物は、2つのリン酸カルシウム系無機化合物、より好ましくは安定化DCPDおよびTT
CPを含んでおり、安定化DCPDは、粉末成分の総重量に対して約15%から約40%
、より好ましくは約20%から約30%の量で存在していてよく、そしてTTCPは、粉
末成分の総重量に対して、約45%から約75%、より好ましくは約50%から約70%
の量で存在していてよい。
本発明によると、骨セメントの硬化時間を加速するために、少なくとも1つのリン酸ナ
トリウム系化合物が使用される。
ム無水物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、一塩
基性リン酸ナトリウム二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、リン酸三ナトリウ
ム十二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、三リン酸五ナトリウム、メタリン酸
ナトリウム、および/またはそれらの混合物である。
トリウム系化合物、より好ましくは二塩基性リン酸水素二ナトリウム無水物および一塩基
性リン酸ナトリウム水和物である。
、好ましくは約1μmから約1,000μmである。これは、ふるい分けに基づくと、重
量で少なくとも約25%、好ましくは約50%、およびより好ましくは約75%の1つ以
上のリン酸ナトリウム系化合物がこれらの範囲内に含まれることを意味する。
に溶解させて液体成分として提供できる。
り好ましくは約0.5%から約2.5%の量で存在していてよい。
ユーザーへ供給されるが、リン酸ナトリウム系化合物は、液体成分の総重量に対して約1
%から約20%、より好ましくは約0.5%から約10%の量で存在していてよい。
本発明によって使用できる溶媒の例には、制限なく、水、血液、食塩液、PBS(リン
酸緩衝食塩液)など、およびそれらの混合物が含まれる。最も好ましい溶媒は水である。
から約25%の量で存在していてよい。
5%、より好ましくは約75%から約90%の量で存在していてよい。
本発明のセメント、スラリーおよびペーストには、それらの特性およびそれらから作製
されたハイドロキシアパタイト製品の特性を調整するために様々な添加物を含めることが
できる。例えば、タンパク質、骨誘導性および/または骨伝導性物質、X線不透過剤、薬
剤、支持充填剤および強化充填剤、結晶成長調整剤、粘度調整剤、孔形成剤およびその他
の添加物は、本発明の範囲から逸脱せずに組み込むことができる。
は、後にスラリーもしくはパテを作製するために溶媒と混合される粉末もしくは粉末混合
物や、またはグリセリンおよび/もしくはプロピレングリコール等の非水性増量剤を含有
していてよいプレミックスパテを含む。
経皮器具、カニューラ、生体適合性パケット、デンチュラ(dentula)、リーマー、ファ
イルもしくは当業者には明白であろうその他の形態の器具類を用いて、またはそれらに入
れて供給することができる。
ットによって外科医、獣医もしくは歯科医が利用できるようにすることが企図されている
。
γ線照射など)、加圧蒸気滅菌、乾熱滅菌、低温化学滅菌、および濾過によって遂行でき
る。
も1つのリン酸カルシウム系無機化合物、好ましくは安定化リン酸カルシウム系無機化合
物、少なくとも1つの反応遅延剤、および少なくとも1つの結合剤など)を調製するため
の極めて多数の他の特殊技術もまた使用されてよい。
法を使用できる。沈殿物および/または結晶の乾燥は、例えばフリーズドライ法、オーブ
ン乾燥法、真空乾燥法などの従来型乾燥方法を用いて遂行できる。
応遅延剤、少なくとも1つの結合剤、溶媒および添加物など)は、市販で入手できる製品
があれば購入することもできる。
遠心式衝撃ミルおよびふるい、カッターミル、アトリションミル、チェーサーミル、流体
エネルギーミルおよび/または遠心式衝撃粉砕機を用いて遂行できる。
は本発明を作製する所定順序のステップを列挙するかもしれないが、本発明は記載した順
序には決して限定されない。
(1)40ppmのマグネシウムを添加する30%のリン酸溶液の調製。
5リットルのステンレス製ビーカー中で必要とされる濃度30%のオルトリン酸(H3
PO4)を作製するために、261±2mLの85%オルトリン酸を737±2mLの脱
イオン水へ添加し、このビーカーを45℃に設定したホットプレートの上に置いた。次に
温度プローブをビーカーに入れて酸性溶液の温度を測定し、ホットプレートのスイッチを
入れて溶液を45℃へ加熱した。この溶液を次に、プローブがビーカーの内容物を厳密に
正しく測定していることを保証するために200±10rpmの速度で攪拌した。酸性溶
液が45℃へ加熱されている間に、0.0413gの酸化マグネシウム(MgO)(約4
0ppmのマグネシウム含量またはDCPDの重量に対して約0.006883%と同等
)を本明細書ではマグネシウム「スパイク」溶液もしくは「スパイクした」オルトリン酸
マグネシウムとも呼ぶ溶液に添加した。次に、pHプローブおよび温度プローブを校正し
、酸性溶液中に入れた。
0.45kgの炭酸カルシウム(CaCO3)を5kg入りステンレススチール製ビー
カー内へ添加し、そして1リットルの脱イオン水をビーカーへ添加した。次にビーカーを
40℃へ設定したホットプレートの上に置いた。温度プローブを炭酸カルシウム懸濁液中
に入れ、ホットプレートのスイッチを入れた。この炭酸カルシウム懸濁液を次に、プロー
ブがビーカーの内容物を厳密に正しく測定していることを保証するために575±50r
pmの速度で攪拌した。
スパイクしたオルトリン酸マグネシウムが45℃の温度に達し、炭酸カルシウム懸濁液
が40℃の温度に達したら、Watson−Marlow社製323u/D型蠕動ポンプ
システムを48±2mL/分の供給速度でスパイクしたオルトリン酸マグネシウム内へ炭
酸塩懸濁液を供給するように設定した。次に、開始時の温度/pH/時間データを得るた
めにpHプローブを作動させた。その後、炭酸塩懸濁液を酸性溶液中へ供給した。酸性溶
液のpHが約3.6に達したら、炭酸塩懸濁液の供給を停止させ、溶液のpHをモニタリ
ングした。開始時から炭酸塩供給終了時までのpHデータを記録した。pHが4.75に
達したら、沈降物についての最終温度/pH/時間データを記録し、全温度およびpHプ
ローブならびに蠕動チューブを溶液から取り出した。マグネシウム、オルトリン酸および
炭酸カルシウムの反応は、安定化DCPD沈降物を生じさせた。
ワットマン5番濾紙(孔径、2.5μm)は、Bucknerフラスコに取り付けた各
Buckner漏斗内に配置した。1回の沈降ランにつき、Bucknerフラスコに取
り付けた5個のBuckner漏斗を必要とした。次に、沈殿溶液(およそ300mL)
をBucknerフラスコに取り付けた各Buckner漏斗内に注入し、次に真空ポン
プのスイッチを入れた。ポンプに真空を引くと、Buckner漏斗内の濾紙が沈殿物を
保持している間に、沈殿物からは水が除去される。少なくとも2分間の吸引後、沈降物か
ら過剰な反応物をすすぎ洗うために各Buckner漏斗の縁まで脱イオン水(約200
〜300mL)を充填した。過度の遊離水分の除去を保証するために少なくとも5分間に
わたり沈降物を真空下に放置した。
次に、沈殿物がトレイ上に均一に広がることを保証する方法で、フリーズドライトレイ
1枚に付き最高300g(沈殿物生成収率のほぼ半分)を置いた。充填されたトレイをB
iopharma Process System社製のVirTis Genesis
25型Super ESフリーズドライヤー内へ挿入した。各トレイは、乾燥中に沈降
物の温度/水分レベルをモニタリングするために温度プローブを含有していた。次にフリ
ーズドライヤーサイクルを以下に列挙するプログラムへ設定して、スイッチを入れた。
終的なセメントの取扱いおよび硬化特性を改善できるように平均粒径を縮小させるために
微粉砕化を必要とした。この微粉砕化は、Glen Creston Ltd.社のBM
−6型ローラーボールミルを用いて実施した。
3,000±30gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm
)を各ボールミルジャー内へ配置した。次に、500±25gの乾燥DCPD沈降物を各
ボールミルジャー内へ添加し、ボールミルローラ上に配置した。ボールミルを170rp
mおよび30分間の粉砕時間へ設定し、そしてスイッチを入れた。
た。30分間の粉砕化が経過したら、用意した8mmスクリーンに通してふるいにかける
ことによって粉砕用メディアを粉砕化した粉末から分離した。
に詳述したフリーズドライ手順を繰り返した。
製するための他の特殊技術を使用することができる。
ーズドライおよびボールミリングパラメータもまた使用することができる。
沈殿物がトレイ上に均一に広がることを保証する方法で、フリーズドライトレイ1枚に
付き最高500gを置いた。充填されたトレイをBiopharma Process
System社製のVirTis Genesis 25型Super ESフリーズド
ライヤー内へ挿入した。各トレイは、乾燥中に沈降物の温度/水分レベルをモニタリング
するために温度プローブを含有していた。次にフリーズドライヤーサイクルを以下に列挙
する好ましいプログラムの1つへ設定して、スイッチを入れた。
終的なセメントの取扱いおよび硬化特性を改善できるように平均粒径を縮小させるために
微粉砕化を必要とした。この微粉砕化は、Glen Creston社のBM−6型ロー
ラーボールミルを用いて実施した。
3,000±25gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm
)を各ボールミルジャー内へ配置した。次に、560±10gの乾燥DCPD沈降物を各
ボールミルジャー内へ添加し、ボールミル・ローラ上に配置した。ボールミルを170r
pmおよび25±2分間の粉砕時間へ設定し、そしてスイッチを入れた。
グした。25±2分間の粉砕化が経過したら、用意した8mmスクリーンに通してふるい
にかけることによって粉砕用メディアを粉砕化した粉末から分離した。
用いて粉末成分(DCPDおよびTTCPを含む)の粒径を測定した。
き、以下の表3に詳述したフリーズドライ手順を実施した。
(1)60ppmのマグネシウムを添加する30%のリン酸溶液の調製。
5リットルのステンレス製ビーカー中で必要とされる30%濃度のオルトリン酸(H3
PO4)を作製するために、261±2mLの85%オルトリン酸を737±2mLの脱
イオン水へ添加し、このビーカーを47℃に設定したホットプレートの上に置いた。次に
温度プローブをビーカーに入れて酸性溶液の温度を測定し、ホットプレートのスイッチを
入れて溶液を47℃へ加熱した。この溶液を次に、プローブがビーカーの内容物を厳密に
正しく測定していることを保証するために200±10rpmの速度で攪拌した。酸性溶
液が47℃へ加熱されている間に、0.0620gの酸化マグネシウム(MgO)(約6
0ppmのマグネシウム含量もしくはDCPDの重量に対して約0.0085%と同等)
を溶液へ添加した。次に、pHプローブおよび温度プローブを校正し、酸性溶液中に入れ
た。
0.45kgの炭酸カルシウム(CaCO3)を5kg入りステンレススチール製ビー
カー内へ添加し、そして1リットルの脱イオン水をビーカーへ添加した。次にビーカーを
42℃へ設定したホットプレートの上に置いた。温度プローブを炭酸カルシウム懸濁液中
に入れ、ホットプレートのスイッチを入れた。この炭酸カルシウム懸濁液を次に、プロー
ブがビーカーの内容物を厳密に正しく測定していることを保証するために575±50r
pmの速度で攪拌した。
スパイクしたオルトリン酸マグネシウムが47℃の温度に達し、炭酸カルシウム懸濁液
が42℃の温度に達したら、Watson−Marlow社製323u/D型蠕動ポンプ
システムを48±2mL/分の供給速度でスパイクしたオルトリン酸マグネシウム内へ炭
酸塩懸濁液を供給するように設定した。次に、開始時の温度/pH/時間データを得るた
めにpHプローブを作動させた。その後、炭酸塩懸濁液を酸性溶液中へ供給した。酸性溶
液のpHが約3.6に達したら、炭酸塩の供給を停止させ、溶液のpHをモニタリングし
た。開始時から炭酸塩供給終了時までのpHデータを記録した。pHが5.00に達した
ら、沈降物についての最終温度/pH/時間データを収集し、全温度およびpHプローブ
ならびに蠕動チューブを溶液から取り出した。マグネシウム、オルトリン酸および炭酸カ
ルシウムの反応は、安定化DCPD沈降物を生じさせた。
ワットマン5番濾紙(孔径、2.5μm)は、Bucknerフラスコに取り付けた各
Buckner漏斗内に配置した。1回の沈降ランにつき、Bucknerフラスコに取
り付けた5個のBuckner漏斗を必要とした。次に、沈殿溶液(およそ300mL)
をBucknerフラスコに取り付けた各Buckner漏斗内に注入し、次に真空ポン
プのスイッチを入れた。ポンプに真空を引くと、Buckner漏斗内の濾紙が沈殿物を
保持している間に、沈殿物からは水が除去された。少なくとも2分間の吸引後、沈降物か
ら過剰な反応物をすすぎ洗うために各Buckner漏斗の縁まで脱イオン水(約200
〜300mL)を充填した。過度の遊離水分の除去を保証するために少なくとも5分間に
わたり沈降物を真空下に放置した。
沈殿物がトレイ上に均一に広がることを保証する方法で、フリーズドライトレイ1枚に
付き最高300g(沈殿物生成収率のほぼ半分)を置いた。充填されたトレイをBiop
harma Process System社製のVirTis Genesis 25
型Super ESフリーズドライヤー内へ挿入した。各トレイは、乾燥中に沈降物の温
度/水分レベルをモニタリングするために温度プローブを含有していた。次にフリーズド
ライヤーサイクルを以下に列挙するプログラムへ設定して、スイッチを入れた。
終的なセメントの取扱いおよび硬化特性を改善できるように平均粒径を縮小させるために
微粉砕化を必要とした。この微粉砕化は、Glen Creston社のBM−6型ロー
ラーボールミルを用いて実施した。
3,000±30gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm
)を各ボールミルジャー内へ配置した。次に、500±25gの乾燥DCPD沈降物を各
ボールミルジャー内へ添加し、ボールミル・ローラ上に配置した。ボールミルを180r
pmおよび32分間の粉砕時間へ設定し、そしてスイッチを入れた。
た。32分間の粉砕化が経過したら、用意した8mmスクリーンに通してふるいにかける
ことによって粉砕用メディアを粉砕化した粉末から分離した。微粉砕化してふるいにかけ
た粉末は、一般に上記で説明したBeckman Coulter社製LS13320型
シリーズ粒径分析装置によって測定して約0.4から約200μmの範囲内、好ましくは
約35±20μmの粒径を有する。次に粉砕してふるいにかけた粉末をフリーズドライト
レイ内へ置き、以前のセクションに詳述したフリーズドライ手順を繰り返した。
製するための他の特殊技術を使用することができる。
ーズドライおよびボールミリングパラメータもまた使用することができる。
沈殿物がトレイ上に均一に広がることを保証する方法で、フリーズドライトレイ1枚に
付き最高500gを置いた。充填されたトレイを次にBiopharma Proces
s System社製のVirTis Genesis 25型Super ESフリー
ズドライヤー内へ挿入した。各トレイは、乾燥中に沈降物の温度/水分レベルをモニタリ
ングするために温度プローブを含有していた。次にフリーズドライヤーサイクルを以下に
列挙するプログラムへ設定して、スイッチを入れた。
終的なセメントの取扱いおよび硬化特性を改善できるように平均粒径を縮小させるために
微粉砕化を必要とした。この微粉砕化は、Glen Creston社のBM−6型ロー
ラーボールミルを用いて実施した。
3,000±25gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm
)を各ボールミルジャー内へ配置した。次に、560±10gの乾燥DCPD沈降物を各
ボールミルジャー内へ添加し、ボールミル・ローラ上に配置した。ボールミルを180r
pmおよび25±2ppmの粉砕時間へ設定し、そしてスイッチを入れた。
グした。25±2分間の粉砕化が経過したら、用意した8mmスクリーンに通してふるい
にかけることによって粉砕用メディアを粉砕化した粉末から分離した。微粉砕化してふる
いにかけた粉末は、一般に上記で説明したBeckman Coulter社製LS 1
3320型シリーズ粒径分析装置によって測定して約0.4から約200μmの範囲内、
好ましくは約47±22.5μmの粒径を有する。次に粉砕してふるいにかけた粉末(最
高重量375g)をフリーズドライトレイ内へ置き、以下の表6に詳述したフリーズドラ
イ手順を実施した。
(1)TTCPケーキの調製。
好ましいTTCPを形成するためには、TTCPスラリー混合物は、60.15%のリ
ン酸二カルシウム無水物(DCPA)および39.85%のCaCO3を備える固体成分
ならびに精製水を備える液体成分を備える固体対液体の50%(w/w)溶液を備えるこ
とを必要とする。炉内で焼結させるための1バッチのTTCP「ケーキ」、すなわち3,
500gのTTCPケーキを調製するために、2105.25±0.5gのDCPAを清
潔な5リットルのBucknerフラスコ内へ正確に量り入れた。このために、1394
.75±0.5gのCaCO3を添加した。この粉末混合物へ、3.5リットルの脱イオ
ン水を添加した。表7は、これらの成分の特定の量およびパーセンテージを示している。
。Bucknerフラスコは、均質に混合するために20分間にわたりGlen Cle
ston社T10−B型攪拌ミキサー内に置いた。表8は、攪拌混合パラメータを示して
いる。
ドへ接続した一方の端部を真空ポンプへ取り付け、他方の4点は4つのBucknerフ
ラスコのノズルアタッチメントへ取り付けた。9cm径のポリプロピレン製Buckne
r漏斗を4つのBucknerフラスコ各々へ組み立て、そしてWhatman5番濾紙
を各Buckner漏斗内に入れた。混合したDCPA/CaCO3/水の混合物を攪拌
ミキサーから取り出し、ゴム栓を取り外した。次に、各ポリプロピレン製Buckner
漏斗へTTCPスラリーを完全に充填した。TTCPスラリーは真空ポンプを用いて真空
乾燥し、ケーキが固体上面を形成するまで少なくとも5分間にわたり真空を引いた。さら
に固体ケーキを形成することが必要であれば、真空乾燥を使用できよう。ケーキが形成さ
れたら、Bucknerフラスコ上の真空を解除した。各漏斗をフラスコから取り外し、
反転させた漏斗を静かにタッピングしてケーキを取り出した。各漏斗はおよそ300gの
ケーキを生成した。
。全スラリー溶液がケーキ形になるまで上記のステップを繰り返した。TTCPスラリー
は、均質性を保証するために4から5個のケーキ調製毎に手作業で混合した。漏斗から取
り外した時に、ケーキが壊れるか、または粗い表面を有していると、バラバラの破片を結
合させるために脱イオン水を表面上に噴霧した。新しいケーキを形成するために、バラバ
ラのまま残っている破片をスラリー混合物へ再導入した。
全部のケーキをステンレススチール製トレイ上に積み重ね、焼結前に過度の水分を除去
するために200℃で2時間にわたりLenton社製のAWF12/42型マッフル炉
内で乾燥させた。TTCPケーキは、これで表9に詳述した焼結プログラムを用いて焼結
させる準備が整った。
rフラスコへ移して温度を150℃未満へ低下させた。
TTCPは、共粉砕機に通して加工する前に顆粒を約2.5から約7.5mmの範囲内
の処理しやすいサイズへ縮小させるためにGlen Creston社製ジョークラッシ
ャーに通して加工した。焼結TTCPケーキは、ジョークラッシャー内へ装填する前に乳
鉢および乳棒を用いて手作業でおよそ直径1インチの粒径へ壊した。この場合には、ジョ
ークラッシャーの間隙は5mmへ設定した。
材料を最終粒径へ縮小させるために、TTCPをQuadro Inc.社製の共粉砕
機(Quadro Comil197型)に通して加工した。粉砕速度は、5,000±
300rpmへ設定した。インペラの間隙は、ステンレススチール製ワッシャを用いて0
.375”へ設定した。TTCP粉末を共粉砕するために、共粉砕機が過度の粉末で目詰
まりしないことを保証するためにおよそ700g/分の速度で緩徐に、ジョークラッシン
グしたTTCP粉末を共粉砕機内へ供給した。(共粉砕のパラメータについては表10を
参照されたい。)
焼結した、ジョークラッシングした、および共粉砕したTTCPをボールミリングする
ために、Glen Creston Inc.社製BM−6型ローラーボールミルを使用
した。焼結した、ジョークラッシングした、および共粉砕したTTCPの乾燥粉砕のため
のボールミリングパラメータは表6に列挙した。TTCPの乾燥粉砕のために、計3,0
00±25gのアルミナ製粉砕用メディア(径13.0mm×高さ13.2mm)をアル
ミナ製ボールミリングジャー内へ量り入れ、これに600±25gのTTCPを添加した
。ボールミル・パラメータは以下の表11に記載した。
から30μmの範囲内の粒径を有する。粒径は、Beckton Coulter社製L
S13 320シリーズの粒径分析装置を用いて上記に説明したように測定した。
材料を最終粒径へ縮小させるために、クエン酸三ナトリウム(アイルランド国コークに
所在するADM社製)をQuadro Inc.社製の共粉砕機(Quadro Com
il197型)に通して加工した。粉砕速度は、300±50rpmへ設定した。使用し
たスクリーンの孔径は0.039”であった。インペラの間隙は、ステンレススチール製
ワッシャを用いて0.05”へ設定した。クエン酸三ナトリウム粉末は、共粉砕機が過度
の粉末で目詰まりしないことを保証するためにおよそ700g/分の速度で緩徐に共粉砕
機内へ供給した。
1リットルの高純水中へ、22.8gのリン酸水素二ナトリウム無水物、45.5gの
リン酸二水素ナトリウム一水和物および147.1gのクエン酸三ナトリウムを添加し、
それらが完全に溶解するまで攪拌した。この水溶液の詳細は、以下の表12に記載した。
最終的なセメント使用のためには、DCPDにTTCPを等モル比(すなわち、31.
97:68.03のDCPD対TTCP比)で添加した。均質混合物の形成を保証するた
めに、この粉末混合物を混合した。次に、硬化可能な最終製品を形成するために0.32
の液体対粉末比を用いて実施例5の液体成分を添加した。
実施例6に記載したとおりに製造した骨セメントを、促進老化試験後に貫入抵抗性につ
いても試験した。本発明のために好ましい貫入抵抗性要件は、混合から5分後に≧1,0
00psi、および混合から10分後に≧3,500psiの抵抗性である。表13およ
び14は、上述した実施例6に記載したとおりに製造した骨セメントを用いた貫入抵抗試
験の結果を示している。
)
60ppmのマグネシウムを含む28.6重量%の安定化DCPD、61重量%のリン
酸四カルシウムおよび10.4重量%のクエン酸三ナトリウムを混合して混合物を形成し
た。
の製造)
1リットルの高純水中へ、29.8gの二塩基性リン酸水素二ナトリウム無水物、85
.6gの一塩基性リン酸二水素ナトリウム水和物および90.0gのPVPを添加し、そ
れらが完全に溶解するまで攪拌した。上述した材料全部は容易に入手可能な市販製品であ
り、今回の特定の場合には以下の製造業者から調達した。
分のまた別の好ましい実施形態である。
最終的なセメント使用のために、安定化DCPDにTTCPを等モル比で添加した(す
なわち、31.97:68.03のDCPD対TTCP比)。次にDCPDおよびTTC
Pの混合物にクエン酸三ナトリウムを添加して28.6:61:10.4のDCPD:T
TCP:クエン酸ナトリウムの最終比率を生成した。均質混合物の形成を保証するために
、この粉末混合物を混合した。
物へ液体成分を添加した。
ために、一連の定性試験を受けさせた。本発明の骨セメントを、例えばそれらの(1)長
期安定性、(2)湿性領域貫入抵抗性、(3)圧縮強度、(4)混合の評価、(5)注入
可能性、(6)ウォッシュアウト率、(7)金属製品の引き抜き、(8)ハイドロキシア
パタイトへの転換、および(9)収縮について分析したが、それらについて以下でより詳
細に記載する。
実施例1および2に記載したとおりに製造したDCPD粉末を、X線回折計を用いて長
期安定性について分析した。最初に、図1および3に示したように、実施例1および実施
例2の最初の乾燥DCPD粉末のX線粉末回折パターンは株式会社リガク製X線回折計を
用いて収集した。
てヒートシールした。このボウルを次に10gのケイ素乾燥剤を入れたホイル製パウチ内
に入れた。このホイルパウチを次にヒートシールした。シールしたホイルパウチを次に5
0℃に設定した耐候性オーブンに入れ、一定期間老化させた。52日間にわたるこれらの
条件下での貯蔵は1年間実時間老化と等価であることが決定されている。
7日間貯蔵し、実施例2のDCPD粉末は50℃へ設定した耐候性オーブン内で91日間
貯蔵した。
回折パターンは同じ株式会社リガク製X線回折計を用いて収集した。図2および4に示し
たように、マグネシウムを含有する前記安定化DCPDはDCPDに特徴的なX線回折ピ
ークを示した。より詳細には、上述した促進老化試験条件に曝露させた後に、実施例1お
よび実施例2のDCPD粉末のX線粉末回折パターンでは、前記安定化DCPD粉末は、
密封容器中での50℃での52日間の促進老化試験後後に11.605、20.787、
23.391、26.5、29.16、30.484、31.249、31.936、3
3.538、34.062、35.45、36.34および39.67±0.2°で2θ
を示した。
または安定化DCPD、TTCPおよびクエン酸三ナトリウムなどの反応遅延剤を備える
粉末成分)についても上述した密封法法で長期安定性について試験した。
を形成するかどうかを調べるためには、溶媒と混合することによってその安定性について
試験することができる。あるいは、粉末成分は、X線粉末回折パターンが粉末成分(DC
PDおよびTTCPなど)の最初のリン酸カルシウムに特徴的なX線回折ピークを示すか
どうかを判定するためにX線回折計を用いて安定性について試験することができる。
は実時間の室温貯蔵寿命に等しい。
実施例10に記載したとおりに製造した骨セメントを、湿性領域貫入抵抗性についても
試験した。本試験は、特定時点にセメントの中へ負荷アプリケータを適用するステップか
ら構成される。負荷アプリケータは、直径1/16”を備える小さな円筒形ステンレスス
チール針から構成した。粉末および液体構成成分の最初の混合から2分30秒後に、セメ
ントを32℃に加熱したブロックの長い溝(幅1/4”×深さ1/4”)の中に配置した
。最初の混合から3分後、セメントへ20rpmに設定したWatson Marlow
323蠕動ポンプを用いて飽和リン酸塩溶液の定常流を受けさせた。この溶液は32℃の
定温に維持した。最初の混合から4分後、負荷アプリケータをセメントに1.5mm貫入
させ、結果として生じた力を記録した。本試験は、13分間にわたり1分毎に繰り返した
。セメントの抵抗の増加を経時的に示すために、試験終了時に応力/転移曲線を得た。本
発明のために好ましい貫入抵抗要件は、混合されてから10分後に3,500psi(2
4.1MPa)超であった。以下の結果は最初の混合から10分後に測定したが、最初の
混合から8分後または9分後にセメントが硬化したかどうかを決定するために同一試験を
実施することができる。表19は、実施例10に記載したとおりに製造した骨セメントを
用いた貫入抵抗試験の結果を示している。
無作為に選択した骨セメントの経験を積んでいないユーザー5人に、本発明の骨セメン
ト調製物の実施例1の粉末成分および実施例9の液体成分を提供した。ユーザーに、セメ
ントを混合し、18℃から22℃の周囲温度で混合の準備が整ったと思った時点に10ゲ
ージのカニューラを備えたシリンジ内へ移すように求めた。混合および次に移すために要
した時間は、以下の表に記録したように粉末成分と液体成分の最初の混合から測定した。
施するための試験機に挿入した。
上記で実施例13において説明したように、粉末成分および液体成分を混合してセメン
トペーストを作製し、10ゲージのカニューラを装備したシリンジへこのペーストを移し
た。次に、25mm/分に速度を設定した機械的試験機を用いてプランジャへ下向きの力
を適用した。下向きの力は、セメント調製物の粉末成分および液体成分の最初の混合から
3分30秒後に適用した。4分30秒後に等価である25mmの変位で力/変位曲線から
示度を読み取った。この試験のために、その時点の最大力は200N、好ましくは150
Nを超えない。結果は、以下の表に記録した。
本試験は、動物試験中にインビボで実施した。ウォッシュアウトを評価するための部位
として、イヌ頭蓋欠損を使用した。5ccのセメントを、32℃の欠損温度を備えるイヌ
欠損部へ8分間で埋植し、実施例10に記載したとおりに製造したセメントにInter
pulse(登録商標)噴射ガンからのパルス洗浄を受けさせた。このウォッシュアウト
は、有意な量のセメントが失われなかったので容認できると見なされた。
実施例10に記載したとおりに製造したセメントを混合し、人工海綿骨材料内へ注入し
た。粉末成分および液体成分の最初の混合から3分後、骨セメント(複合物)が注入され
た人工海綿骨を32℃のリン酸塩溶液内へ浸けた。複合物を溶液から取り出し、9分後に
はねじ入れるための準備として穿孔した。10分後に、穿孔した複合物内へ金属製品(4
.5mmの皮質スクリュー)をねじ入れ、試験の準備が整った試験装置へ配置した。12
分後、機械的試験機を用いて複合物からスクリューを引き抜いた。スクリュー引き抜き力
は100Nを超えなければならない。結果は、以下の表に記録した。
実施例10に記載したとおりに製造したセメントを混合し、37℃のリン酸塩溶液中で
適切な時点に老化させた。規定の時点に、セメントを溶液から取り出し、37℃のオーブ
ン中で乾燥させた。次にセメントは乳鉢および乳棒を用いて粉末化し、XRD分析のため
に株式会社リガク製X線回折計に配置した。サンプルを10から40°の2θでスキャン
し、結果を2θ対強度のグラフ上に記録した。サンプルについてのピークをJCPDSパ
ターン9−432(ハイドロキシアパタイトについて)と比較し、HA転換の計算のため
に29.23、29.81、31.77および32.20の2θでのピーク強度を記録し
た。29.23および29.81の2θでのピークはTTCPに対応し、そして31.7
7および32.20でのピークはHAに対応する。次にHAへの転換を計算したが、2週
間後の結果は60%のHA転換より高くなければならない。結果は、以下の表に記録した
。
実施例10に記載したとおりに製造したセメントを型(21.3mm×6.1mm)の
中へ注入した。計3つのサンプルを調製した。これらのサンプルを硬化させて型から取り
出した。各試験片の直径および高さから体積を計算した。これらのサンプルを次に24時
間にわたり37℃のリン酸塩溶液中でインキュベートした。それらを引き続き取り出して
乾燥した。校正済みバーニアを用いて、試験片を再び測定し、新しい測定値を用いて体積
の変化を計算した。
した本発明から逸脱せずに利用できるので、好ましい実施形態についての上記の説明は、
添付の請求項に規定した本発明を限定するためではなく例示するためであると見なすべき
である。このため、具体的な実施形態に多数の変形を加えることができること、そして添
付の請求項に規定された本発明の精神および範囲から逸脱せずに他の配列を考案できるこ
とを理解されたい。
Claims (31)
- リン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウム二水和物の少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物と、
このリン酸カルシウム系無機化合物の反応を遅延させるための、クエン酸三ナトリウムの少なくとも1つの反応遅延剤と、
ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンおよびビニルエステルの共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum)およびアルギン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1つの結合剤と、
リン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物と
溶媒と
を備え、
前記少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物が10ppmから60ppmの安定剤によって安定化されたリン酸二カルシウム二水和物を含み、前記安定剤がマグネシウムを含むものであり、
前記各成分を混合してから10分後に、3,500psi以上の貫入抵抗性を有するリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。 - 前記組成物が急速硬化性である請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記組成物が注入可能なものである請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記組成物が長期貯蔵寿命を有する請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物が、0.4μmから200μmの粒径を有する請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記少なくとも1つのリン酸カルシウム系無機化合物が、前記組成物の総重量に対して50%から90%の量で提供される請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記反応遅延剤が、1μmから1,000μmの粒径を有する請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記反応遅延剤が、前記組成物の総重量に対して3%から20%の量で提供される請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記結合剤がセルロース誘導体である請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記結合剤がポリビニルピロリドンである請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記結合剤が、1μmから2,500μmの粒径を有する請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記結合剤が、前記組成物の総重量に対して1%から15%の量で提供される請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物が、1μmから2,500μmの粒径を有する請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物が、前記組成物の総重量に対して0.5%から5%の量で提供される請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記溶媒が、水、血液、リン酸緩衝食塩液、食塩液またはそれらの混合物である請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記溶媒が、50%から95%の量で提供される請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 添加物をさらに備える請求項1に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- 前記添加物が、タンパク質、骨誘導性物質、骨伝導性物質、X線不透過剤、薬剤、支持充填剤、強化充填剤、結晶成長調整剤、粘度調整剤、孔形成剤、またはそれらの混合物である請求項17に記載のリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。
- リン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウム二水和物の少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物、このリン酸カルシウム系無機化合物の反応を遅延させるための、クエン酸三ナトリウムの少なくとも1つの反応遅延剤、ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンおよびビニルエステルの共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum)およびアルギン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1つの結合剤、並びにリン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物を提供するステップであって、前記少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物が10ppmから60ppmの安定剤によって安定化されたリン酸二カルシウム二水和物を含み、前記安定剤がマグネシウムを含むものであるステップと、
溶媒中で前記安定化されたリン酸二カルシウム二水和物を含む前記少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物、前記少なくとも1つの反応遅延剤、前記少なくとも1つの結合剤、および前記少なくとも1つのリン酸ナトリウム系化合物を混合するステップと
を含む工程によって調製されるリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。 - リン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウム二水和物の少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物ならびにこのリン酸カルシウム系無機化合物の反応を遅延させるための、クエン酸三ナトリウムの反応遅延剤を含む粉末成分であって、前記少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物が10ppmから60ppmの安定剤によって安定化されたリン酸二カルシウム二水和物を含み、前記安定剤がマグネシウムを含むものである粉末成分と、
ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンおよびビニルエステルの共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum)およびアルギン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1つの結合剤、リン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物ならびに溶媒を含む液体成分と
を備えるリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。 - 粉末成分を調製するために、リン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウム二水和物の少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物とこのリン酸カルシウム系無機化合物の反応を遅延させるための、クエン酸三ナトリウムの反応遅延剤を混合するステップであって、前記少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物が10ppmから60ppmの安定剤によって安定化されたリン酸二カルシウム二水和物を含み、前記安定剤がマグネシウムを含むものであるステップと、
液体成分を調製するために、溶媒中でポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンおよびビニルエステルの共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum)およびアルギン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1つの結合剤とリン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物を混合するステップと、
前記粉末成分と前記液体成分を混合するステップと
を含む工程によって調製されるリン酸カルシウム系の骨セメント組成物。 - 10ppmから60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物と、リン酸四カルシウムの第2リン酸カルシウム系無機化合物と、これらリン酸カルシウム系無機化合物の反応を遅延させるための、クエン酸三ナトリウムの少なくとも1つの反応遅延剤との粉末混合物を備える第1容器と、
ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンおよびビニルエステルの共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum)およびアルギン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1つの結合剤とリン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物とを備える溶媒を備える第2容器と
を備えるリン酸カルシウム系骨セメントを形成するためのキット。 - リン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウム二水和物の少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物とこのリン酸カルシウム系無機化合物の反応を遅延させるための、クエン酸三ナトリウムの反応遅延剤とを含む粉末成分を調製するステップであって、前記少なくとも2つのリン酸カルシウム系無機化合物が10ppmから60ppmの安定剤によって安定化されたリン酸二カルシウム二水和物を含み、前記安定剤がマグネシウムを含むものであるステップと、
溶媒にポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンおよびビニルエステルの共重合体、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、スクレログルカン(actigum)およびアルギン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1つの結合剤とリン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物を溶解することによって液体成分を調製するステップと、
前記粉末成分と前記液体成分を混合するステップと
を含むリン酸カルシウム系骨セメントを作製する方法。 - 10ppmから60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分と、
リン酸四カルシウムを含む第2粉末成分と、
水と、クエン酸三ナトリウムの反応遅延剤と、リン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物とを含む第3液体成分と
を備えるリン酸カルシウム系骨セメント。 - 前記安定化リン酸二カルシウム二水和物が、湿式化学沈殿法を用いて製造される請求項24に記載のリン酸カルシウム系骨セメント。
- リン酸二カルシウム二水和物を安定化させるために使用される前記マグネシウムの起源が、MgO、MgO2、Mg(OH)2、MgHPO4、MgHPO4・3H2O、MgHPO4・7H2O、Mg3(PO4)2、Mg3(PO4)2・4H2O、Mg3(PO4)2・8H2O、Mg3(PO4)2・22H2O、MgCO3、MgCO3・3H2O、MgCO3・5H2O、3MgCO3Mg(OH)2・3H2O、MgCO3Mg(OH)2・3H2O、Mg(C3H5O3)2・3H2O、MgC2O4・2H2O、MgC4H4O6・5H2O、Mg(C4H4O6)2・4H2O、MgCO3・CaCO3、Mg2P2O7、Mg(C12H23O2)2・2H2O、Mg(C14H27O2)2、Mg(C18H33O2)2、もしくはMg(C18H35O2)2、またはそれらの混合物である請求項24に記載のリン酸カルシウム系骨セメント。
- リン酸二カルシウム二水和物を安定化させるために使用される前記マグネシウムの起源が酸化マグネシウムである請求項26に記載のリン酸カルシウム系骨セメント。
- 10ppmから60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分を、湿式化学沈殿法を用いて製造するステップと、
リン酸四カルシウムを含む第2粉末成分を製造するステップと、
前記第1および第2粉末成分を水性液体成分と反応させて、硬化可能な物質を形成する反応を引き起こすステップであって、前記水性液体成分が、クエン酸三ナトリウムの反応遅延剤とリン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物とを含むものである、ステップと
を含むリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。 - 前記反応させるステップが、前記第1および第2粉末成分を最初に混合して混合物を形成するステップと、次に前記第1および第2粉末成分の前記混合物を前記水性液体成分と混合して硬化可能な物質を形成する反応を引き起こすステップとによって実施される請求項28に記載のリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。
- リン酸二カルシウム二水和物を安定化させるために使用される前記マグネシウムの起源が、酸化マグネシウムである請求項28に記載のリン酸カルシウム系骨セメントを形成する方法。
- 10ppmから60ppmのマグネシウムを含有する安定化リン酸二カルシウム二水和物を含む第1粉末成分とリン酸四カルシウムを含む第2粉末成分との混合物を備える第1容器と、
第2容器中の水性液体成分であって、クエン酸三ナトリウムの反応遅延剤と、リン酸水素二ナトリウム無水物およびリン酸二水素ナトリウム一水和物の少なくとも2つのリン酸ナトリウム系化合物を含む水性液体成分と
を備えるリン酸カルシウム系骨セメントを形成するためのキット。
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