JP2006288135A - 複合回転電機の駆動制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】永久磁石を有する二つのロータと一つのステータとを有し、ステータのコイルに複合電流を通電する複合回転電機において、各ロータのトルクやパワーの出力範囲を狭めないようにすることができる複合回転電機の駆動制御方法を提供する。
【解決手段】永久磁石を有する二つのロータと一つのステータとを有し、ステータのコイルに複合電流を通電する回転電機(以下、複合回転電機という)をインバータにより駆動制御する方法において、複合回転電機の電圧が電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、各ロータのトルクまたは回転数、あるいはトルクおよび回転数の両者を制限する。
【選択図】図6

Description

本発明は、永久磁石を有する二つのロータと一つのステータとを有し、ステータのコイルに複合電流を通電する回転電機(以下、複合回転電機という)をインバータにより駆動制御する方法に関するものである。
従来、永久磁石を有する一つのロータと一つのステータとを有し、ステータのコイルにインバータから駆動電流を通電する同期モータが知られている。このような同期モータををインバータにより駆動制御する方法として、インバータから同期モータへの出力電圧が供給可能な場合は、通常の電流制御を行い、同期モータの出力電圧がインバータから供給可能な電圧を超える場合は、パルス駆動へ切り替える駆動制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−142483号公報
また、円筒状のステータを挟み、内外周に永久磁石を備えるインナーロータ及びアウターロータが配置され、ステータに巻回された多相コイルに複合電流を流すことで、インナーロータとアウターロータを独立して回転制御可能な複軸多層構造を有する回転電機(複合回転電機)が知られている(例えば、特許文献2参照)。通常、インバータの供給可能電圧は直流電源電圧に依存している。複合電流によって駆動される複合回転電機の誘起電圧は、各ロータの誘起電圧の和で示され、少なくともこれらの単純和がインバータの出力可能電圧を超過しないように設定している。
特開2001−103717号公報
上述した複合回転電機をインバータにより駆動制御するにあたり、複合回転電機の電圧がインバータの出力可能電圧を超えないよう制御する必要がある。複合回転電機の電圧がインバータの出力可能電圧を超える場合、電流指令値に制限をかけることになるが、制限のかけ方については、複合であるため自由度が増加して、最適な駆動制御方法を見つけることは難しい。上述した従来の同期モータのように、一定値で制限を設けるとトルクやパワーの出力範囲が大幅に削減されてしまうという問題がある。
本発明の目的は上述した課題を解消して、永久磁石を有する二つのロータと一つのステータとを有し、ステータのコイルに複合電流を通電する複合回転電機において、各ロータのトルクやパワーの出力範囲を狭めないようにすることができる複合回転電機の駆動制御方法を提供しようとするものである。
本発明の複合回転電機の駆動制御方法は、永久磁石を有する二つのロータと一つのステータとを有し、ステータのコイルに複合電流を通電する複合回転電機をインバータにより駆動制御する方法において、複合回転電機の電圧が電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、各ロータのトルクまたは回転数、あるいはトルクおよび回転数の両者を制限することを特徴とするものである。
本発明では、複合回転電機の電圧が電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、各ロータのトルクまたは回転数、あるいはトルクおよび回転数の両者を制限することで、各ロータのトルクやパワーの出力範囲を狭めないようにすることができる。
なお、本発明の複合回転電機の駆動制御方法の好適例として、複合回転電機の電圧をV、二つのロータの電圧をV1、V2としたとき、以下の式で表される複合回転電機の電圧Vが電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、二つのロータのトルクτ1及びτ2を制限することができる:
V=V1+V2;
V1=(Ri1)+(ω1λ1)+2Rω1τ1、
V2=(Ri2)+(ω2λ2)+2Rω2τ2、
ここで、R:複合回転電機のコイル抵抗、i1:ロータ1の電流値、ω1:ロータ1の電気角速度、λ1:ロータ1の鎖交磁束、τ1:ロータ1のトルク、i2:ロータ2の電流値、ω2:ロータ2の電気角速度、λ2:ロータ2の鎖交磁束、τ2:ロータ2のトルク、である。このように構成することで、複合回転電機の電圧が電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、各ロータのトルク指令値を制限することができ、各ロータのトルクまたはパワーの出力範囲を狭めないようにすることができる。
また、本発明の複合回転電機の駆動制御方法の好適例として、複合回転電機の電圧をV、二つのロータの電圧をV1、V2としたとき、以下の式で表される複合回転電機の電圧Vが電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、二つのロータのトルク及びを制限することができる:
V=V1+V2
ここで、V1、V2は、各ロータのトルク指令値よりそれぞれの鎖交磁束を算出し、これに各ロータの回転数を乗じて求めた各ロータの電圧である。このように構成することで、複合回転電機の電圧は、各ロータトルク指令値より算出される鎖交磁束と各ロータの回転数をもとに導出されるので、これによりマップデータの縮小が実施でき、必要となるデータ記憶領域も削減できる。
さらに、本発明の複合回転電機の駆動制御方法の好適例として、複合回転電機の電圧がインバータの供給可能電圧より大きくなる場合は、各ロータの回転数を比較し、電気角周波数の高いロータのトルク指令値をより多く制限することができる。このように構成することで、複合回転電機の電圧が電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、電気角周波数の高いロータのトルク指令値を制限するので、もう一方のロータのトルクまたはパワーの出力範囲を狭めないようにすることができる。
さらにまた、本発明の複合回転電機の駆動制御方法の好適例として、複合回転電機の電圧がインバータの供給可能電圧より大きくなる場合は、以下の式に示す制限された各ロータの鎖交磁束Φ1’、Φ2’によりトルク指令値を制限することができる:
Φ1’=k1・Φmax、
Φ2’=k2・Φmax;
k1=Φ1/(Φ1+Φ2)、
k2=Φ2/(Φ1+Φ2)、
Φmax=(Φ1+Φ2)・VDC/V、
V=ω1・Φ1+ω2・Φ2、
ここで、Φ1’:制限されたロータ1の鎖交磁束、Φ2’:制限されたロータ2の鎖交磁束、Φmax:計算される最大鎖交磁束、k1:ロータ1の制限係数、k2:ロータ2の制限係数、Φ1:算出されるロータ1の鎖交磁束、Φ2:算出されるロータ2の鎖交磁束、VDC:電源電圧、V:複合回転電機の電圧、である。このように構成することで、複合回転電機の電圧がインバータの出力可能電圧を超えることはないので、各ロータのトルクまたはパワーの出力範囲を狭めないようにすることができる。
また、本発明の複合回転電機の駆動制御方法の好適例として、複合回転電機の各ロータの鎖交磁束により、電流指令値を制限することができる。このように構成することで、複合回転電機の各ロータ指令値を直接電流指令値で出力できるので、従来の制御則に適用できる。
以下に、この発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の複合回転電機の駆動制御方法を用いる複合回転電機の一例としての複軸多層モータが適用されたハイブリッド駆動ユニットの全体図である。図1において、Eはエンジン、Mは複軸多層モータ、Gはラビニョウ型複合遊星歯車列、Dは駆動出力機構、1はモータカバー、2はモータケース、3はギヤハウジング、4はフロントカバーである。
前記エンジンEは、ハイブリッド駆動ユニットの主動力源であり、エンジン出力軸5とラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2リングギヤR2とは、回転変動吸収ダンパー6及び多板クラッチ7を介して連結されている。
前記複軸多層モータMは、外観的には1つのモータであるが2つのモータジェネレータ機能を有する副動力源である。この複軸多層モータMは、前記モータケース2に固定され、コイルを巻いた固定電機子としてのステータSと、前記ステータSの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータIRと、前記ステータSの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータORと、を同軸上に三層配置することで構成されている。前記インナーロータIRに固定の第1モータ中空軸8は、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第1サンギヤS1に連結され、前記アウターロータORに固定の第2モータ軸9は、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2サンギヤS2に連結されている。
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gは、二つのモータ回転数を制御することにより無段階に変速比を変える無段変速機能を有する遊星歯車機構である。このラビニョウ型複合遊星歯車列Gは、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2との5つの回転要素を有して構成されている。前記第1リングギヤR1とギヤハウジング3との間には多板ブレーキ10が介装されている。前記共通キャリヤCには、出力ギヤ11が連結されている。
前記駆動出力機構Dは、出力ギヤ11と、第1カウンターギヤ12と、第2カウンターギヤ13と、ドライブギヤ14と、ディファレンシャル15と、ドライブシャフト16,16により構成されている。そして、出力ギヤ11からの出力回転及び出力トルクは、第1カウンターギヤ12→第2カウンターギヤ13→ドライブギヤ14→ディファレンシャル15を経過し、ドライブシャフト16,16から図外の駆動輪へ伝達される。
すなわち、ハイブリッド駆動ユニットは、前記第2リングギヤR2とエンジン出力軸5を連結し、前記第1サンギヤS1と第1モータ中空軸8とを連結し、前記第2サンギヤS2と第2モータ軸9とを連結し、前記共通キャリヤCに出力ギヤ11を連結することにより構成されている。
図2は、ラビニョオ型遊星歯車列と組み合わされて車両用ハイブリッド変速機を構成する、この発明の複合回転電機の駆動制御方法を用いる複合回転電機としての複軸多層モータの一例をより詳細に示す図である。この複軸多層モータに、この発明の積層コア構造を適用することができる。図2に示す構成の複軸多層モータは、一個の円環状のステータ101と、その半径方向内方および外方にそれぞれ互いに同軸の所定回転軸線O上にて回転自在に配置したインナーロータ102およびアウターロータ103とよりなる三重構造とし、これらをハウジング104内に収納して構成する。
ここにおけるインナーロータ102およびアウターロータ103はそれぞれ、電磁鋼板などをプレス成形して造った板材のロータ軸線方向への積層になる積層コア124,125を具え、これら積層コア124,125に、ロータ軸線方向に貫通する永久磁石を円周方向等間隔に配置して設けた構成となす。インナーロータ102とアウターロータ103とでは、配置する磁極数を変えることで、両者の極対数を異ならせている。一例を示すと、磁石の個数自体はインナーロータ102とアウターロータ103で同一であり、12個ずつであるが、インナーロータ102は2個の磁石で1極を成しているため、極対数としては3極対となり、アウターロータ103は1個の磁石で1極を成しているため、極対数としては6極対となる。
そしてハウジング104内へのインナーロータ102およびアウターロータ103の収納に当たっては、アウターロータ103は、積層コア125の外周にトルク伝達シェル105を駆動結合して具え、該トルク伝達シェル105の両端をそれぞれベアリング107,108によりハウジング104に回転自在に支持し、トルク伝達シェル105をベアリング107の側でアウターロータシャフト109に結合する。
インナーロータ102は積層コア124の中心に、内部に上記アウターロータシャフト109を回転自在に貫通した中空のインナーロータシャフト110を貫通して具え、これらインナーロータ102の積層コア124およびインナーロータシャフト110間を駆動結合する。そしてインナーロータシャフト110の中間部をベアリング112により、固定のステータブラケット113内に回転自在に支持し、一端部(図1では左端部)をベアリング114によりトルク伝達シェル105の対応端壁に回転自在に支持する。
ステータ101は、電磁鋼板をプレス成形して造ったT字状のステータ鋼板をステータ軸線方向に積層してなる多数のステータティースを具える。個々のステータティースには、アウターロータ側ヨークおよびインナーロータ側ヨーク間におけるティースの箇所において図2に示す如く電磁コイル117を巻線し、これらコイル巻線済のステータティースを同一円周方向等間隔に、つまり円形に配列してステータコアとなし、このステータコアをステータ軸線方向両側のブラケット113,118間に何らかの手段で挟持すると共に全体的に樹脂120でモールドすることにより一体化してステータ101を構成する。
なお、このモータの駆動に当たっては、回転センサ148および回転センサ147が検出するインナーロータ102およびアウターロータ103の回転位置、つまりこれらに上記のごとく設けられる永久磁石の位置に応じた両ロータ102,103用の位相の異なる駆動電流を複合して得られる複合電流をステータ101の電磁コイル117に供給し、これにより両ロータ102,103用の回転磁界をステータに個別に発生させることで、回転磁界に同期してロータ102,103を個別に回転駆動させることができる。
以下、本発明の特徴となる駆動制御方法について説明する。
図3は、2つの回転電機を単一インバータで駆動した際、および、複合回転電機を単一インバータで駆動した際、の2つのロータのトルクτ1、τ2によるトルク領域を説明するための図である。
通常の三相モータを二つ組み合わせた複数電動機を単一インバータで駆動する場合、電流容量を1/2ずつ配分した場合のトルク領域の駆動可能範囲は、例えば図3の正方形の領域で示される。また、複数電動機の各電流ピーク値が一定になるように制限した場合、図3の三角形で示される領域がトルク領域の駆動可能範囲となる。同様に通常インバータ電流の基準として用いられる実効値について、複数電動機の各電流値が一定になるように制限した場合、図3の扇形で示される領域がトルク駆動可能領域となる。ここで、本発明が対象とする複合回転電機を単一インバータで駆動する場合、インバータの通電電流の制限は損失に依存しているので、電流平均値による制限がトルク駆動可能範囲となる。従って、通常の三相モータの一定制限値によるトルク駆動可能範囲(最大図3の扇形の領域)と比較するとより大きな領域を駆動することが可能となる。
次に、本発明の対象とする複合回転電機の二つのロータにおいて、どちらかのロータをロータ1、もう一つのロータをロータ2とするとき、ロータ1の回転数ω1がロータ2の回転数ω2に比べて非常に小さな場合(ω1<<ω2)の複合回転電機のトルク駆動可能範囲は、図4のようにロータ2に対するトルク領域が狭くなる。ここで、トルクについてA点の動作点が必要な場合、ロータ2の回転数ω2を小さく制限することによりロータ2のトルク領域が広がるので、A点の動作点が駆動可能となる。また、回転数についてA点の動作点が必要な場合、各ロータのトルク指令値を制限することにより実現できる。例えば、ロータ1とロータ2のトルク比を変えないで動作点を選択したい場合、B点を選択することができる。これは、ロータ1のトルクをτ1Aからτ1Bへ制限し、ロータ2のトルクをτ2Aからτ2Bへ制限することにより成立する。
以上のように、複合回転電機のトルク及び回転数駆動可能範囲は、各ロータのトルクまたは回転数、あるいは両者を制限することにより、システムが必要とする最前な動作点を選択することが可能なことがわかる。本発明の複合回転電機の駆動制御方法の特徴はその点にある。以下、実際の駆動制御方法の一例について説明する。
まず、本発明の複合回転電機の駆動制御方法における好適例として、複合回転電機の電圧Vをロータ1の誘起電圧V1とロータ2の誘起電圧V2の和として捉えることがある。すなわち、複合回転電機の電圧をV、二つのロータの電圧をV1、V2としたとき、以下の式で表される複合回転電機の電圧Vが電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、二つのロータのトルクτ1及びτ2を制限することができる:
V=V1+V2;
V1=(Ri1)+(ω1λ1)+2Rω1τ1、
V2=(Ri2)+(ω2λ2)+2Rω2τ2、
ここで、R:複合回転電機のコイル抵抗、i1:ロータ1の電流値、ω1:ロータ1の電気角速度、λ1:ロータ1の鎖交磁束、τ1:ロータ1のトルク、i2:ロータ2の電流値、ω2:ロータ2の電気角速度、λ2:ロータ2の鎖交磁束、τ2:ロータ2のトルク、である。
上述した式において、V1=(Ri1)+(ω1λ1)+2Rω1τ1、および、V2=(Ri2)+(ω2λ2)+2Rω2τ2の式は、以下のようにして導出することができる。なお、以上の関係を図5に示す。
V1d=Rild−ω1λ1d、V1q=Ri1q+ω1λ1qより、
V1=V1d+V1q
=(Ri1d−ω1λ1d)+(Ri1q+ω1λ1q)
=(Rild−2Rω1i1dλ1d+ω1λ1d)+
(Ri1q+2Rω1ilqλ1q+ω1λ1q
=R(ild+ilq)+ω1(λ1d+λ1q)+
2Rω1(λ1qi1q−λ1di1d)
=(Ri1)+(ω1λ1)+2Rω1τ1
ここで、R:コイル抵抗、V1d:ロータ1のd軸電圧、V1q:ロータ1のq軸電圧、V1:ロータ1の相電圧、i1d:ロータ1のd軸電流、i1q:ロータ1のq軸電流、i1:ロータ1の相電流、ω1:ロータ1の電気角速度、λ1d:ロータ1のd軸鎖交磁束、λ1q:ロータ1のq軸鎖交磁束、λ1:ロータ1の総鎖交磁束、τ1:ロータ1のトルク、である。
なお、V2についても同様に求めることができる。
次に、上述した好適例のより具体的な一例を図6〜図8に基づき説明する。
図6は本発明の複合回転電機の駆動制御方法における電流指令値算出の一例を示すブロック図である。図6に示す例では、複合回転電機の二つのロータのどちらか一方のロータをロータ1とし、もう一方のロータをロータ2とし、ロータ1のトルクτ1と回転数ω1、ロータ2のトルクτ2と回転数ω2を入力とし、ロータ1およびロータ2の電流指令値を出力している。
図6に示す例では、ロータ1のトルク指令値τ1より、ロータ1による鎖交磁束Φ1を算出する。これにロータ1の回転数ω1を乗じて、ロータ1の誘起電圧V1を算出する。同様にして、ロータ2の誘起電圧V2も算出される。次に、複合回転電機の誘起電圧Vを算出し、この誘起電圧Vを直流電源電圧より決定されるインバータ供給可能出力電圧と比較し、誘起電圧Vがインバータ供給可能出力電圧を超過している場合、ロータ1及びロータ2のトルク指令値τ1、τ2に補正係数K1、K2を乗じて、トルク指令値を制限し、制限されたトルク指令値をトルク−電流変換マップに基づき電流に変換し、最終的な電流指令値を求めている。なお、補正係数K1、K2については、以下の例でも共通であり、その説明は後述する。
図7は本発明の複合回転電機の駆動制御方法における電流指令値算出の他の例を示すブロック図である。図7に示す例では、図6に示す例では、補正係数K1、K2をトルク指令値に対した乗じてトルク指令値を制限しているのに対し、トルク指令値τ1、τ2を先にトルク−電流変換マップに基づき電流に変換し、変換した電流に補正係数K1、K2を乗ずることで、最終的な電流指令値を求めている。
図8は本発明の複合回転電機の駆動制御方法における電流指令値算出のさらに他の例を示すブロック図である。図8に示す例では、図6に示す例に加えて、各ロータ回転数を比較し、電機角周波数の高いロータのトルク指令値をより多く制限するよう補正係数K1、K2を求めている。
次に、上述した好適例のより具体的な他の例を説明する。
すなわち、複合回転電機の電圧がインバータの供給可能電圧より大きくなる場合は、以下の式に示す制限された各ロータの鎖交磁束Φ1’、Φ2’によりトルク指令値を制限することができる:
Φ1’=k1・Φmax、
Φ2’=k2・Φmax;
k1=Φ1/(Φ1+Φ2)、
k2=Φ2/(Φ1+Φ2)、
Φmax=(Φ1+Φ2)・VDC/V、
V=ω1・Φ1+ω2・Φ2、
ここで、Φ1’:制限されたロータ1の鎖交磁束、Φ2’:制限されたロータ2の鎖交磁束、Φmax:計算される最大鎖交磁束、k1:ロータ1の制限係数、k2:ロータ2の制限係数、Φ1:算出されるロータ1の鎖交磁束、Φ2:算出されるロータ2の鎖交磁束、VDC:電源電圧、V:複合回転電機の電圧、である。
上述した好適例を図9を用いて説明する。図9において、波線が複合回転電機の電圧が電源電圧を一致する軌跡を示しており、鎖交磁束Φとトルクτの間には、τ∝Φの関係があるとすると、インバータ通電負荷領域のモータ動作点α(τ1α、τ2α)が指令値として与えられたとき、図9の関係を用いて各ロータのトルク指令値を制限すると、
τ1β=k1・τ1α
τ2β=k2・τ2β
となる。従って、モータ動作点は、β(τ1β、τ2β)に遷移されるので、インバータ通電可能となる。
なお、上述したロータ1の制限係数k1とロータ2の制限係数を、図6〜図8に示す例における補正係数K1、K2としてそのまま使用することができる。
上述した例では、複合回転電機の電圧が電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過した場合の制御について、主に、各ロータのトルクを制限する例について説明したが、各ロータのトルクを制限する例だけでなく、各ロータの回転数を制限する例や、各ロータのトルク及び回転数の両者を制限する例にも、本発明を好適に適用できる。
本発明の複合回転電機の駆動制御方法は、複合回転電機の電圧が電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、各ロータのトルクまたは回転数、あるいはトルクおよび回転数の両者を制限することで、各ロータのトルクやパワーの出力範囲を狭めないようにする用途に好適に用いることができる。
複軸多層モータが適用されたハイブリッド駆動ユニットを示す概略全体図である。 ラビニョオ型遊星歯車列と組み合わされて車両用ハイブリッド変速機を構成する、本発明の駆動制御方法の対象となる複合回転電機の一例としての複軸多層モータを示す縦断面図である。 2つの回転電機を単一インバータで駆動した際、および、複合回転電機を単一インバータで駆動した際、の2つのロータのトルクτ1、τ2によるトルク領域を説明するためのグラフである。 各ロータの電気角速度がω1<<ω2の場合のトルク領域を説明するためのグラフである。 本発明の複合回転電機の駆動制御方法における好適例の一例を説明するためのグラフである。 本発明の複合回転電機の駆動制御方法における電流指令値算出の一例を示すブロック図である。 本発明の複合回転電機の駆動制御方法における電流指令値算出の他の例を示すブロック図である。 本発明の複合回転電機の駆動制御方法における電流指令値算出のさらに他の例を示すブロック図である。 本発明の複合回転電機の駆動制御方法における好適例の他の例を説明するためのグラフである。
符号の説明
101 ステータ
102 インナーロータ
103 アウターロータ

Claims (6)

  1. 永久磁石を有する二つのロータと一つのステータとを有し、ステータのコイルに複合電流を通電する回転電機(以下、複合回転電機という)をインバータにより駆動制御する方法において、複合回転電機の電圧が電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、各ロータのトルクまたは回転数、あるいはトルクおよび回転数の両者を制限することを特徴とする複合回転電機の駆動制御方法。
  2. 複合回転電機の電圧をV、二つのロータの電圧をV1、V2としたとき、以下の式で表される複合回転電機の電圧Vが電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、二つのロータのトルクτ1及びτ2を制限することを特徴とする請求項1に記載の複合回転電機の駆動制御方法:
    V=V1+V2;
    V1=(Ri1)+(ω1λ1)+2Rω1τ1、
    V2=(Ri2)+(ω2λ2)+2Rω2τ2、
    ここで、R:複合回転電機のコイル抵抗、i1:ロータ1の電流値、ω1:ロータ1の電気角速度、λ1:ロータ1の鎖交磁束、τ1:ロータ1のトルク、i2:ロータ2の電流値、ω2:ロータ2の電気角速度、λ2:ロータ2の鎖交磁束、τ2:ロータ2のトルク、である。
  3. 複合回転電機の電圧をV、二つのロータの電圧をV1、V2としたとき、以下の式で表される複合回転電機の電圧Vが電源電圧で決定されるインバータの供給可能電圧を超過しないように、二つのロータのトルク及びを制限することを特徴とする請求項1に記載の複合回転電機の駆動制御方法:
    V=V1+V2
    ここで、V1、V2は、各ロータのトルク指令値よりそれぞれの鎖交磁束を算出し、これに各ロータの回転数を乗じて求めた各ロータの電圧である。
  4. 複合回転電機の電圧がインバータの供給可能電圧より大きくなる場合は、各ロータの回転数を比較し、電気角周波数の高いロータのトルク指令値をより多く制限することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合回転電機の駆動制御方法。
  5. 複合回転電機の電圧がインバータの供給可能電圧より大きくなる場合は、以下の式に示す制限された各ロータの鎖交磁束Φ1’、Φ2’によりトルク指令値を制限することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合回転電機の駆動制御方法:
    Φ1’=k1・Φmax、
    Φ2’=k2・Φmax;
    k1=Φ1/(Φ1+Φ2)、
    k2=Φ2/(Φ1+Φ2)、
    Φmax=(Φ1+Φ2)・VDC/V、
    V=ω1・Φ1+ω2・Φ2、
    ここで、Φ1’:制限されたロータ1の鎖交磁束、Φ2’:制限されたロータ2の鎖交磁束、Φmax:計算される最大鎖交磁束、k1:ロータ1の制限係数、k2:ロータ2の制限係数、Φ1:算出されるロータ1の鎖交磁束、Φ2:算出されるロータ2の鎖交磁束、VDC:電源電圧、V:複合回転電機の電圧、である。
  6. 複合回転電機の各ロータの鎖交磁束により、電流指令値を制限することを特徴とする請求項4または5に記載の複合回転電機の駆動制御方法。
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