JP2006286907A - 発光ダイオード、バックライト装置及び画像表示装置 - Google Patents

発光ダイオード、バックライト装置及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光の放射効率が高く、量産性に優れた発光ダイオードを提供できるようにする。
【解決手段】 発光ダイオードは、発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第1のレンズ構造と、第1のレンズ構造の下方に前記発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第2のレンズ構造とを一体に備えた構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光素子の発光軸と略垂直な2次元方向へ光を放射する発光ダイオード、この発光ダイオードを用いたバックライト装置及び画像表示装置に関する。
光源として発光ダイオードを用いた場合には、白熱電球のようにフィルターロスがなく、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)のように水銀を使用する必要がない。また、発熱はあるものの高温になる箇所はなく、駆動回路も比較的単純にすることができる。従って、透過型の液晶パネルを用いる画像表示装置や、画像表示装置に用いるバックライト装置の光源として発光ダイオードを用いることができる。
また、発光素子であるLED(Light Emitting Diode)チップから放射される光を、発光素子の発光軸と略垂直な2次元方向へ放射する発光ダイオードが知られている。
例えば、発光素子から上方へ放射された光を、発光ダイオードのレンズの上面に設けた反射面で全反射させて2次元方向へ放射させ、発光素子から放射されたその他の光は、レンズの側面に設けた鋸歯状部によって水平方向へ放射させる発光ダイオードが知られている。
また、発光ダイオードを製造する際の量産性を考慮して、反射面を含めたレンズと本体部のレンズというようにレンズを分けて、それぞれについて別々に製造し、後から光学接合剤によって物理的、光学的にレンズを接合させて製造する発光ダイオードが知られている。さらに、図9(a)に示すように、レンズ63の側面63aを半球面で形成し、射出成型でレンズを製造する際の量産性を向上させた発光ダイオード60が知られている。
しかし、発光ダイオードのレンズを2つに分けて製造し、後から光学接合剤によって物理的、光学的に接合させて製造した発光ダイオードの場合には、光学接合剤で接合した部分を光が通過する際に光学的なロスが発生する。また、各々のレンズは非常に小さい部品であるため、それらのレンズを接合する作業には高度の精度が要求され、レンズの取り付け位置の狂いにより光学的なロスが発生するおそれがある。
また、図9(a)に示したレンズの側面を半球面で形成した発光ダイオード60では、図9(b)に示すように、LEDチップ61から放射された光のうちレンズの外周面63aのP点に入射した光Aは、透過光Bと反射光Cとに分かれる。つぎに、透過光Bは略水平方向に屈折して2次元方向に外部放射され、反射光Cは発光ダイオードの下方へ反射される。従って、反射光Cは、発光ダイオードの下側で発光ダイオードを保持しているベース部材70等によって吸収されてしまうため、発光ダイオード60から放射される光の光量が低下してしまい、発光ダイオードの60の放射効率が低くなるという問題が生じる。
本発明は、上述の点を考慮し、放射効率が高く、量産性に優れた発光ダイオード、これを用いたバックライト装置及び画像表示装置を提供するものである。
本発明に係る発光ダイオードは、発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第1のレンズ構造と、第1のレンズ構造の下方に前記発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第2のレンズ構造とを一体に備えた構成とする。
好ましくは、発光ダイオードの第1のレンズ構造と前記第2のレンズ構造は、共通の中心軸を有する回転対称形状であって、第1のレンズ構造の反射面と第2のレンズ構造の反射面は、中心軸に対して鋭角の角度を有する線状部を備え、この線状部が中心軸の周りを移動した際に形成される面によって形成されることが適当である。
好ましくは、第1のレンズ構造の外周面が、円柱面であることが適当である。
さらに好ましくは、第2のレンズ構造の外周面が、球面状であることが適当である。
本発明に係るバックライト装置は、配線基板に多数個の発光ダイオードを実装してなる発光ユニットを備え、発光ダイオードは、発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第1のレンズ構造と、第1のレンズ構造の下方に前記発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第2のレンズ構造とを一体に備えている構成とする。
本発明に係る画像表示装置は、透過型表示パネルと、配線基板に多数個の発光ダイオードを実装してなる発光ユニットを備え、発光ダイオードは、発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第1のレンズ構造と、第1のレンズ構造の下方に前記発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第2のレンズ構造とを一体に備えている構成とする。
本発明に係る発光ダイオードによれば、発光素子から放射される光を有効に利用するので、発光ダイオードの放射効率を高くすることができる。また、発光ダイオードを製造する際に複雑な形状の金型が必要ないため、作業工程が簡単となり量産性が向上する。
本発明に係るバックライト装置によれば、放射効率の高いダイオードを用いるので、輝度の高い照明光を提供することができる。
本発明に係る画像表示装置によれば、放射効率の高いダイオードを用いるので、高輝度な画像を表示することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
まず、本発明の発光ダイオードの実施の形態について、図1を参照して説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態にかかる発光ダイオードの全体構成を示す縦断面図であり、図1(b)は、その一部を拡大したものである。
まず、本実施の形態の発光ダイオード21の構造について、図1(a)を参照して説明する。
図1(a)に示されるように、発光ダイオード21は、第1のレンズ構造である上部レンズ構造2と、LEDチップからなる発光素子1を有する第2のレンズ構造である下部レンズ構造3とからなる。例えば、発光ダイオード21は、発光素子1としてサファイヤ基板上に成長した窒化ガリウム系半導体チップを使用し、発光素子1には図示しないリード線が接続され、透明エポキシ樹脂等によって、下部レンズ構造3に樹脂封止されている。
なお、レンズを発光素子1に取り付ける際には、発光素子1から出射される光が、水平よりも上方へ放出されるように、レンズと発光素子1とを組み付けるようにする。また、下部レンズ構造3の下方には、発光ダイオード21を保持するためのベース部材20が設けられている。
上部レンズ構造2と下部レンズ構造3は、発光素子1の略中心を通る垂線であるZ軸を中心に回転対称となるような形状を有しており、下部レンズ構造3の中心軸付近の上方に上部レンズ構造2が一体に設けられている。ここでの一体とは、上部レンズ構造2と下部レンズ構造3が、別々の部品で組み立てられているような態様を除くことを意味する。
上部レンズ構造2には、発光素子1から放射された光を全反射する反射面2aが形成されている。反射面2aは、Z軸に対しての角度θ1が鋭角になるような線状部2cを備え、この線状部2cをZ軸の周りに回転移動させた際にできる面によって形成される。すなわち、反射面2aは、反射面2aに入射する光の入射角が臨界角よりも大きくなるように形成されている。発光素子1から上方に放出された光のうち反射面2aに入射した光は、反射面2aで略水平方向に反射されて、360度二次元方向に放射される。
下部レンズ構造3にも、発光素子1から放射された光を全反射する反射面3aが形成されている。反射面3aは、Z軸に対しての角度θ2がθ2>θ1になるような線状部3cを備え、この線状部3cのうち上部レンズ構造2と一体に連続している箇所を除いた部分を、Z軸の周りに回転移動させる際にできる面によって形成される。すなわち、反射面3aは、発光素子1から放射された光のうち反射面3aに入射する光の入射角が臨界角よりも大きくなるように形成されている。
なお、反射面2a、3aを形成する際の線状部2c、3cは、発光素子1から入射した光が反射面2a,3aで全反射する面を形成できるものであればよく、直線に限らず、双曲線、楕円や放物線、あるいはこれらの近似曲線であってもよい。また、線状部とは、図1及び図2に示すように、レンズ構造を切断した際にできる仮想的な線部を意味する。
また、反射面2aで全反射する光の反射角度の自由度を増すために、反射面2aに反射膜をコーティングするようにしてもよい。反射膜としては、金属反射膜や、誘電体多層膜による高反射膜を用いることができる。
また、下部レンズ構造3の外周面、すなわち全反射面3aを除いた外周面3bは、球面状に形成されている。なお、外周面3bの形状は、反射面3aで反射された光が外周面3bに入射した際に生じる透過光Bと反射光Cを、図1(b)に示すように2次元水平方向に放射させるように制御できるものであれば、球面状に限るものではない。
発光素子1から上方に放出された光のうち、上部レンズ構造2と下部レンズ構造3とが連続している部分を通過する光は、上部レンズ2の反射面2aで略水平方向に反射されて、360度二次元方向に放射される。その他の残りの光は、下部レンズ3の反射面3aに入射して全反射された後、外周面部3bに入射する。そして、外周面部3bに入射した光のうち、透過光Bは、略水平方向に屈折し2次元水平方向に外部放射される。また、外周面部3bに入射した光のうち、反射光Cは、略水平方向に反射して2次元水平方向に内部放射される。
このように、本実施の形態の発光ダイオード21は、発光素子1から放射される光の大部分を2次元方向に放射することで、放射光の有効利用することができ、発光ダイオードの放射効率を高くすることができる。
次に、本発明の発光ダイオードの他の実施の形態について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の他の実施の形態にかかる発光ダイオードの全体構成を示す縦断面図である。図2に示されるように、本実施の形態の発光ダイオード31の下部レンズ構造3は、先に述べた実施の形態と同様である。
第1のレンズ部である上部レンズ構造32は、下部レンズ構造3の中心軸D付近に設けられた円柱形のレンズ構造であり、その円柱構造の上部に発光素子1から放射された光を全反射する凹状の反射面32aが形成されている。反射面32aは、双曲線をZ軸の周りに回転移動させる際にできる面によって形成されている。また、上部レンズ構造32の外周面32bは、円柱面となるように形成されている。なお、反射面32aは、発光素子1から反射面32aに入射した光が全反射し、2次元方向に放射される形状であればよく、双曲線に限らず、楕円や放物線、あるいはこれらの近似曲線をD線の周りに回転させて形成されるものであってもよい。
発光素子1から上方に放出された光のうち、上部レンズ構造32の反射面32aに入射する光は2次元水平方向に反射される。また、発光素子1から上方に放出された光のうち、下部レンズ構造32の反射面3aに入射する光は、反射面3aで全反射された後、外周面部3bに入射し、上述した実施の形態の場合と同様に、透過光は略水平方向に屈折し2次元方向に外部放射され、反射光は、略水平方向に反射して2次元方向に内部放射される。
本実施の形態の発光ダイオード31は、発光素子1から放射される光の大部分を2次元水平方向に放射して、放射効率を高くすることができるとともに、上部レンズ構造32の外周面32bを円柱面としているので、レンズを射出成型する際の金型構造として上下2分割構造を用いることができ、例えば2分割されたガラスモールドにより成型することができるので離型性がよく、量産性が向上する。
ここで、発光ダイオードに用いられる一般的なLEDチップの形状について、図10を参照して説明する。図10(a)は、一般的な発光ダイオードの下部構造の平面図であり、図10(b)は、縦断面図である。
図10(a)に示されるように、発光素子であるLEDチップ41の形状は正方形であるのに対してレンズ43の平面形状は球形であり、通常の発光ダイオード40では、LEDチップとレンズの平面形状は非相似となっている。また、図10(b)は、図10(a)に示したx軸を兼ねるx線、d線で切断した際のLEDチップ41の縦断面形状41d、41xを示す。点線で示した断面形状41dは、d線で切断した際のLEDチップ41の形状を示し、実線で示した断面形状41xは、x線で切断した際のLEDチップ41の形状を示す。
図10(b)から明らかなように、x軸方向におけるLEDチップ41dの外周位置とレンズ43の内周径の位置43aとの間の距離と、LEDチップ41xの外周位置とレンズ43の内周径の位置43aとの間の距離とが異なる関係となっている。同様に、レンズ43の外周径の位置43bとの関係においても、距離が異なる関係となっている。LEDチップ41から放射された光がレンズ43に入射するまでの距離が、x線断面部とd線断面部とで異なるため、同一のLEDチップ41を用いた場合であっても放射される光の光線分布が異なる発光ダイオードとなる。
ここで、LEDチップが小さい場合には、LEDチップの外周位置とレンズ43の内周径の位置43a及び外周径の位置43bとの距離が大きくなるため、LEDチップを点光源とみなすことができるので、LEDチップ41の形状とレンズ43の形状とが非相似形となっていても特に問題は生じない。しかし、近年、発光ダイオードの小型化と発光量の増加の要請から、レンズの小型化とLEDチップの大型化が同時に求められているため、LEDチップの外周位置とレンズの内周径の位置及び外周径の位置が接近し、LEDチップの発光を点光源とみなせなくなっているという問題が生じている。
図3(a)は、本実施の形態に係る発光ダイオードの下部構造を示す平面図であり、図3(b)はその断面図である。
図3(a)に示されるように、発光ダイオード50は、内周径53aと外周径53bを有しているレンズ53と、レンズ53の中心に正方形状を有する発光素子としてのLEDチップ51を有している。なお、LEDチップ51とレンズ53との間の空間44には、透明エポキシ樹脂が充填されている。LEDチップ51の外周の形状は正方形状を有しており、その正方形状に沿うようにレンズ53の内周径53aの形状が略正方形の形状で形成されている。
具体的には、レンズ53の内周径53a及び外周径53bの形状のうち、LEDチップ51の正方形形状の辺に対応する部分は直線状に形成されており、LEDチップ51の正方形状の頂点に対応する部分はR状に形成されている。即ち、LEDチップ51の外周形状とレンズ53の外周径53bの形状は、略相似の関係になっている。また、レンズの内周径53aの形状も、LEDチップ51の形状若しくはレンズの外周径53bの形状に沿うように形成されている。なお、レンズ53の外周径・内周径の形状を正確にLEDチップ51の形状と一致させる必要はなく、例えば、図3(a)に示すように、レンズの内周径53aの形状のうち、LEDチップ51の正方形の頂点部に対応する部分でのR形状は小さく、レンズの外周径53bの形状のうち、LEDチップ51の正方形の頂点部に対応する部分でのR形状は大きくとるようにしてもよい。また、レンズの内周径53aの形状については、レンズを加工する際の作業の効率性を考慮して、比較的加工作業が容易な球面形状を採用してもよい。
図3(b)は、図3(a)の発光ダイオード50をx軸を兼ねるx線、d線で切断した際のLEDチップ51の縦断面形状51d、51x及びレンズ53の断面形状53d、53xを示す。点線で表した断面形状51dは、d線で切断した際のLEDチップ51の形状を示し、実線で表した断面形状51xは、x線で切断した際のLEDチップ51の形状を示す。また、点線で表した断面形状53dは、d線で切断した際のレンズ53の形状を示し、実線で表した断面形状53xは、x線で切断した際のレンズ53の形状を示す。
図3(b)から明らかなように、x軸方向におけるLEDチップ51dの外周位置と点線で表したd線で切断された際のレンズの内周径の53aとの間の距離と、LEDチップ51xの外周位置と実線で表したx線で切断されたレンズの内周径の53aとの間の距離とが等しい関係となっている。同様に、レンズ53の外周径の位置53bとの関係においても、距離が等しい関係となっている。すなわち、LEDチップ51から放射された光がレンズ53に入射するまでの距離が、x線断面部とd線断面部とで等しくなるため、LEDチップ51から放射される光の光線分布が等しくなる。
このような実施の形態の発光ダイオード50によれば、発光量を大きくしつつ小型化された発光ダイオードとなる。また、このような実施の形態の発光ダイオード50によれば、LEDチップ51の形状とレンズ53の内周径の形状53a及び外周径の形状53bを略相似とすることで、LEDチップから放射される光の光線分布を等しくすることができ、LEDチップ51から放出される非回転対称な放出光をレンズ53を通して回転対称な放出光に変換することができる。
なお、上記の各実施の形態においては、レンズ構造の素材としてアクリル樹脂を用いているが、レンズ内で同等の屈折率を有するものであれば、どのような素材を用いても構わない。また、発光ダイオードのその他の部分の構成、形状、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
つぎに、本発明に係るバックライト装置及び画像表示装置を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
本発明は、画像表示装置として、例えば図4に示すような構成の透過型のカラー液晶表示装置100に適用することができる。この透過型カラー液晶表示装置100は、透過型のカラー液晶表示パネル110と、このカラー液晶表示パネル110の背面側に設けられたバックライト装置140とからなる。また、図示しないが、この透過型カラー液晶表示装置100は、地上波や衛星波を受信するアナログチューナー、デジタルチューナーといった受信部、この受信部で受信した映像信号、音声信号をそれぞれ処理する映像信号処理部、音声信号処理部、音声信号処理部で処理された音声信号を出力するスピーカといった音声信号出力部などを備えていてもよい。
透過型のカラー液晶表示パネル110は、ガラス等で構成された2枚の透明な基板(TFT基板111、対向電極基板112)を互いに対向配列させ、その間隙に、例えば、ツイステッドネマチック(TN)液晶を封入した液晶層113を設けた構成となっている。TFT基板111には、マトリックス状に配列された信号線114と、走査線115と、この信号線114、走査線115の交点に配列されたスイッチング素子としての薄膜トランジスタ116と、画素電極117とが形成されている。薄膜トランジスタ116は、走査線115により、順次選択されると共に、信号線114から供給される映像信号を、対応する画素電極117に書き込む。一方、対向電極基板112の内表面には、対向電極118及びカラーフィルタ119が形成されている。
カラーフィルタ119は、各画素に対応した複数のセグメントに分割されている。例えば、図5に示すように、3原色である赤色フィルタCFR、緑色フィルタCFG、青色フィルタCFBの3つのセグメントに分割されている。カラーフィルタ119の配列パターンは、図5に示すようなストライプ配列の他に、図示しないが、デルタ配列、正方配列などがある。
再び、図4を用いて、透過型カラー液晶表示装置100の構成について説明をする。透過型カラー液晶表示装置100は、このような構成の透過型のカラー液晶表示パネル110を2枚の偏光板131,132で挟み、バックライト装置140により背面側から白色光を照射した状態で、アクティブマトリックス方式で駆動することによって、所望のフルカラー映像を表示させることができる。
バックライト装置140は、上記カラー液晶表示パネル110を背面側から照明する。図4に示すように、バックライト装置140は、ここでは図示していない光源や、光源から出射された光を白色光へと混色するためにバックライト筐体部120内に、拡散板141、拡散板141上に重ねて配列される拡散シート142、プリズムシート143、偏光変換シート144といった光学機能シート群145などを備えた構成となっている。
拡散板141は、バックライト筐体部120から出射された光を内部拡散させることで、面発光における輝度の均一化を行う。
一般に、光学機能シート群は、例えば、入射光を直交する偏光成分に分解する機能、光波の位相差を補償して広角視野角化や着色防止を図る機能、入射光を拡散させる機能、輝度向上を図る機能などを備えたシートで構成されており、バックライト装置140から面発光された光をカラー液晶表示パネル110の照明に最適な光学特性を有する照明光に変換するために設けられている。したがって、光学機能シート群145の構成は、上述した拡散シート142、プリズムシート143、偏光変換シート144に限定されるものではなく、様々な光学機能シートを用いることができる。
図6に、バックライト筐体部120内の概略構成図を示す。この図6に示すように、バックライト筐体部120は、赤色光を発光する赤色発光ダイオード21R、緑色光を発光する緑色発光ダイオード21G、青色光を発光する青色発光ダイオード21Bを光源として用いている。例えば、赤色発光ダイオード21Rで発光される赤色光、緑色発光ダイオード21Gで発光される緑色光、青色発光ダイオード21Bで発光される青色光のピーク波長は、それぞれ640nm、530nm、450nm程度とされる。赤色発光ダイオード21R、青色発光ダイオード21Bで発光される赤色光、青色光のピーク波長は、それぞれ640nmから長波長側へ、450nmから短波長側へシフトしてもよい。このようにピーク波長を、長波長側、短波長側へシフトさせると、色域を広げることができるため、カラー液晶表示パネルに表示させる画像の色再現範囲を拡大することができる。
なお、以下の説明において、赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21Bを総称する場合は、単に発光ダイオード21と呼ぶ。
発光ダイオード21は、上述した図1に示すような放射指向特性となるLEDチップ1を用い、樹脂で形成されたレンズ構造2,3もこの放射指向特性を反映する程度の機能を備えた構成とされる安価なものが使用される。
この発光ダイオード21を、図6に示すように、基板22上に所望の順番で列状に複数配列させることで、発光ダイオードユニット21n(nは、自然数。)が形成される。
発光ダイオードユニット21nを形成するために、基板22上に発光ダイオード21を配列する順番は、図6に示すような、赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21Bを繰り返し単位とする最も基本的な配列の仕方や、図示しないが、例えば、緑色発光ダイオード21Gを等間隔で配列させ、隣り合う緑色発光ダイオード21Gの間に、赤色発光ダイオード21R、青色発光ダイオード21Bを交互に配列させるような順番など様々な配列の仕方がある。
バックライト筐体部120内への発光ダイオードユニット21nの配列の仕方は、図6に示すように、発光ダイオードユニット21nの長手方向が、水平方向となるように配列してもよいし、図示しないが、発光ダイオードユニット21nの長手方向が垂直方向となるように配列してもよいし、両者を組み合わせても良い。
なお、発光ダイオードユニット21nの長手方向を、水平方向或いは垂直方向とするように配列する手法は、従来までのバックライト装置の光源として利用していたCCFLの配列の仕方と同じになるため、蓄積された設計ノウハウを利用することができ、コストの削減や、製造までに要する時間を短縮することができる。
バックライト筐体部120の内壁面120aは、発光ダイオード21から発光された光の利用効率を高めるために反射加工がなされた反射面となっている。
図7に、透過型カラー液晶表示装置100を組み上げた際に、図4に示す透過型カラー液晶表示装置100に付したXX線で切断した際の断面図を一部示す。図7に示すように、液晶表示装置100を構成するカラー液晶表示パネル110は、透過型カラー液晶表示装置100の外部筐体となる外部フレーム101と、内部フレーム102とによって、スペーサ103a,103bを介して挟み込むように保持される。また、外部フレーム101と、内部フレーム102との間には、ガイド部材104が設けられており、外部フレーム101と、内部フレーム102によって挟まれたカラー液晶表示パネル110が長手方向へずれてしまうことを抑制している。
一方、透過型カラー液晶表示装置100を構成するバックライト装置140は、上述した図1に示す放射指向特性を有する発光ダイオード21を備えている。また、バックライト装置140は、上述したように光学機能シート群145が積層された拡散板141を備えている。また、拡散板141と、バックライト筐体部120との間には、反射シート126が配されている。
反射シート126は、その反射面が、拡散板141の光入射面141aと対向するように、且つ発光ダイオード21の発光方向よりもバックライト筐体部120側となるように配されている。反射シート126は、例えば、シート基材上に銀反射膜、低屈折率膜、高屈折率膜を順に積層することで形成された銀増反射膜などを用いることができる。またこの反射シート126は、主に発光ダイオード21から発光され、その放射角度分布によって下向きに放射された光や、バックライト筐体部120の反射加工を施されて反射面とされた内壁面120aにて反射された光などを反射する。従って、発光ダイオード21から放出された光はベース部材等で吸収されることなく、2次元水平方向に放射されるので、発光ダイオード21から放射される光の量を落とすことなく、他の発光ダイオードから同様に放出された光と混ざり合うことができる。
拡散板141は、バックライト筐体部120に設けられたブラケット部材108で保持される。
このような構成の透過型カラー液晶表示装置100は、例えば、図8に示すような駆動回路200により駆動される。駆動回路200は、カラー液晶表示パネル110や、バックライト装置140の駆動電源を供給する電源210、カラー液晶表示パネル110を駆動するXドライバ回路220及びYドライバ回路230を備えている。さらに駆動回路200は、外部から供給される映像信号や、当該透過型カラー液晶表示装置100が備える図示しない受信部で受信され、映像信号処理部で処理された映像信号が、入力端子240を介して供給されるRGBプロセス処理部250、このRGBプロセス処理部250に接続された画像メモリ260及び制御部270、バックライト装置140を駆動制御するバックライト駆動制御部280などを備えている。
この駆動回路200において、入力端子240を介して入力された映像信号は、RGBプロセス処理部250により、クロマ処理などの信号処理がなされる、さらに、信号処理された映像信号は、コンポジット信号からカラー液晶表示パネル110の駆動に適したRGBセパレート信号に変換されて、制御部270に供給されるとともに、画像メモリ260を介してXドライバ220に供給される。
また、制御部270は、上記RGBセパレート信号に応じた所定のタイミングで、Xドライバ回路220及びYドライバ回路230を制御して、上記画像メモリ260からの映像信号とともにXドライバ回路220に供給されるRGBセパレート信号で、カラー液晶表示パネル110を駆動することにより、上記RGBセパレート信号に応じた映像を表示する。
バックライト駆動制御部280は、電源210から供給される電圧から、パルス幅変調(PWM)信号を生成し、バックライト装置140の光源である各発光ダイオード21を駆動する。一般に発光ダイオードの色温度は、動作電流に依存するという特性がある。したがって、所望の輝度を得ながら、忠実に色再現させる(色温度を一定とする)には、パルス幅変調信号を使って発光ダイオード21を駆動し、色の変化を抑える必要がある。
ユーザインターフェース300は、上述した図示しない受信部で受信するチャンネルを選択したり、同じく図示しない音声出力部で出力させる音声出力量を調整したり、カラー液晶表示パネル110を照明するバックライト装置140からの白色光の輝度調節、ホワイトバランス調節などを実行するためのインターフェースである。
例えば、ユーザインターフェース300から、ユーザが輝度調節をした場合には、駆動回路200の制御部270を介してバックライト駆動制御部280に輝度制御信号が伝わる。バックライト駆動制御部280は、この輝度制御信号に応じて、パルス幅変調信号のデューティ比を、赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21B毎に変えて、赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21Bを駆動制御することになる。
本発明に係るバックライト装置によれば、放射効率の高い発光ダイオードを用いるので、輝度の低下をおさえ、輝度の高い照明を行うことができる。また、本発明に係る画像表示装置であるカラー液晶表示装置によれば、放射効率の高い発光ダイオードを用いるので、高輝度な画像を表示することができる。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術思想に基づく各種の変形が可能である。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る発光ダイオードの全体構成を示す縦断面図、(b)は、その一部を拡大したものである。 図2は、本発明の他の実施の形態に係る発光ダイオードの全体構成を示す縦断面図である。 図3(a)は、実施の形態に係る発光ダイオードの下部構造を示す平面図、(b)は、縦断面図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る透過型カラー液晶表示装置の概略分解構成図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る透過型カラー液晶表示装置のカラー液晶パネルが備えるカラーフィルタの一例を示した図である。 図6は、本発明の実施の形態に係るバックライト装置の要部斜視図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る透過型カラー液晶表示装置を図4に示したXX線で切断した際の要部断面図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る透過型カラー液晶表示装置を駆動する駆動回路について説明するためのブロック図である。 図9(a)は、従来の発光ダイオードの全体構成を示す縦断面図、(b)は、その一部を拡大したものである。 図10(a)は、一般的な発光ダイオードの下部構造を示す平面図、(b)は、縦断面図である。
符号の説明
1・・発光素子、2,3・・レンズ構造、2a、3a、32a・・反射面、2c、3c・・線状部、3b、32b・・外周面、21、31、50・・発光ダイオード、100・・カラー液晶表示装置、140・・バックライト装置、D・・中心軸

Claims (6)

  1. 発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第1のレンズ構造と、
    前記第1のレンズ構造の下方に前記発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第2のレンズ構造とを一体に備えたこと
    を特徴とする発光ダイオード。
  2. 前記第1のレンズ構造と前記第2のレンズ構造は、共通の中心軸を有する回転対称形状であって、前記第1のレンズ構造の反射面と前記第2のレンズ構造の反射面は、前記中心軸に対して鋭角の角度を有する線状部を備え、この線状部が前記中心軸の周りを移動した際に形成される面によって形成されること
    を特徴とする請求項1記載の発光ダイオード。
  3. 前記第1のレンズ構造の外周面が、円柱面であること
    を特徴とする請求項2記載の発光ダイオード。
  4. 前記第2のレンズ構造の外周面が、球面状であること
    を特徴とする請求項2記載の発光ダイオード。
  5. 透過型表示パネルと組み合わされて、この表示パネルの背面側から表示光を供給するバックライト装置において、
    配線基板に多数個の発光ダイオードを実装してなる発光ユニットを備え、
    前記発光ダイオードは、発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第1のレンズ構造と、
    前記第1のレンズ構造の下方に前記発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第2のレンズ構造とを一体に備えていること
    を特徴とするバックライト装置。
  6. 透過型表示パネルと、
    配線基板に多数個の発光ダイオードを実装してなる発光ユニットを備え、
    前記発光ダイオードは、発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第1のレンズ構造と、
    前記第1のレンズ構造の下方に前記発光素子から放射された光を全反射する反射面を有する第2のレンズ構造とを一体に備えていること
    を特徴とする画像表示装置。
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