JP2006284778A - スプラッシュ抑制方法およびプラスチックレンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化タンタルを含む蒸着材料を用いて、プラスチックレンズ等の被蒸着物に反射防止膜等の蒸着膜を形成する際にスプラッシュの発生を抑制する手段を提供すること。
【解決手段】酸化タンタルを含む蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させて蒸着膜を形成するに際し、前記酸化タンタルとして、アンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを使用することを特徴とする蒸着膜形成時のスプラッシュの発生を抑制する方法。反射防止膜形成用蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物をプラスチックレンズ上に析出させて反射防止膜を形成する、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法。前記蒸着材料は、酸化タンタルを含み、かつ、前記酸化タンタルのアンチモン含有量は30ppm以下である。
【選択図】なし
【解決手段】酸化タンタルを含む蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させて蒸着膜を形成するに際し、前記酸化タンタルとして、アンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを使用することを特徴とする蒸着膜形成時のスプラッシュの発生を抑制する方法。反射防止膜形成用蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物をプラスチックレンズ上に析出させて反射防止膜を形成する、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法。前記蒸着材料は、酸化タンタルを含み、かつ、前記酸化タンタルのアンチモン含有量は30ppm以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、蒸着膜形成時に発生する蒸着材料のスプラッシュを抑制する方法および蒸着材料のスプラッシュの発生を抑制して高品質な反射防止膜付きプラスチックレンズを得るプラスチックレンズの製造方法に関する。
合成樹脂からなる光学部材の表面反射特性を改善するために、合成樹脂製光学部材の表面上に反射防止膜を設けることが行われている。反射防止膜としては、高い反射防止効果を得るために、低屈折率層と高屈折率層の交互積層膜が広く用いられている。
この低屈折率層形成用の蒸着材料としては、合成樹脂が傷つきやすいという欠点を補うことができるように膜硬度の高い二酸化珪素(SiO2)がよく用いられている。また、高屈折率層形成用の蒸着材料としては、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化二オブ(Nb2O5)などが用いられている。中でも、酸化タンタルは、得られる蒸着膜が高い屈折率を有するため、高屈折率層形成用材料として広く用いられている(特許文献1〜4参照)。
上記のような材料を単体で、または他の成分と混合してペレット状または顆粒状に成形して焼結することにより蒸着材料が作製される。そして、真空蒸着装置の真空室内の水冷銅ハースに置かれたるつぼに、前記蒸着材料を入れ、電子線を照射することにより蒸着材料を熔融、蒸発させて被蒸着体である光学部材に蒸着膜を形成する。
しかし、電子線を照射して蒸着材料を加熱する際に、蒸着材料が飛散する現象(「スプラッシュ」と呼ばれる)が発生する場合がある。反射防止膜の作製中にスプラッシュが生じると、飛散した蒸着材料がプラスチックレンズ基材に付着し、ピンホール、膜はげ、異物付着、レンズ基材の損傷などの原因となる。また、得られた反射防止膜の耐薬品性や耐熱性などの性能低下の要因となると考えられる。
また、スプラッシュにより多量の蒸着材料が飛散してしまうと、蒸着完了前にるつぼ内の蒸着材料が足りなくなってしまったり、蒸着材料が少なくなり、るつぼ内の蒸着材料の液面が大幅に下方に下がり成膜に影響を及ぼす場合もある。
また、スプラッシュにより多量の蒸着材料が飛散してしまうと、蒸着完了前にるつぼ内の蒸着材料が足りなくなってしまったり、蒸着材料が少なくなり、るつぼ内の蒸着材料の液面が大幅に下方に下がり成膜に影響を及ぼす場合もある。
このスプラッシュ対策としては種々の方法が提案されている。例えば、特許文献4には、酸化タンタルに所定量の酸化ジルコニウムを混合することでスプラッシュが低減されることが記載されている。また特許文献5には、焼結ペレットとして形成された蒸着材料を収納するるつぼを改良することによりスプラッシュを低減することが記載されている。
しかしながら、スプラッシュ現象には多くの要因が関与していると考えられ、スプラッシュを抑制するために更なる対策が求められていた。特に、前述のように、酸化タンタルは高屈折率層形成用材料等として広く用いられているため、酸化タンタルを含む蒸着材料におけるスプラッシュ発生を抑制することが強く求められていた。
特開平2−291502号公報
特開平5−11101号公報
特開平5−330849号公報
特開昭59−154402号公報
実開平3−18162号公報
本発明は、酸化タンタルを含む蒸着材料を用いて、プラスチックレンズ等の被蒸着物に反射防止膜等の蒸着膜を形成する際にスプラッシュの発生を抑制する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、酸化タンタルを含む蒸着材料を用いて蒸着膜を形成する際のスプラッシュの発生には、酸化タンタルに含まれるアンチモンが大きく影響を及ぼすことを見出した。これは、酸化タンタルと酸化アンチモンの蒸発温度が大きく異なり、蒸着材料加熱時に突沸が生じることがスプラッシュを引き起こすことに起因すると推察される。本発明者らは、上記知見に基づき更に検討を重ねた結果、酸化タンタルを含む蒸着材料において、酸化タンタルのアンチモン含有量を30ppm以下に低減することにより、蒸着膜形成時のスプラッシュの発生を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1] 酸化タンタルを含む蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させて蒸着膜を形成するに際し、前記酸化タンタルとして、アンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを使用することを特徴とする蒸着膜形成時のスプラッシュの発生を抑制する方法。
[2] 前記蒸着材料は、アンチモン含有量が30ppm未満の酸化タンタル粉末とアンチモン含有量が30ppmを超える酸化タンタル粉末とを、得られる混合粉末のアンチモン含有量が30ppm未満になる比率で混合した後に焼結することにより得られたものである[1]に記載の方法。
[3] 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を更に含む[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムを更に含む[1]または[2]に記載の方法。
[5] 反射防止膜形成用蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物をプラスチックレンズ上に析出させて反射防止膜を形成する、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法であって、
前記蒸着材料は、酸化タンタルを含み、かつ、
前記酸化タンタルのアンチモン含有量は30ppm以下であることを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
[6] 前記蒸着材料は、アンチモン含有量が30ppm未満の酸化タンタル粉末とアンチモン含有量が30ppmを超える酸化タンタル粉末とを、得られる混合粉末のアンチモン含有量が30ppm未満になる比率で混合した後に焼結することにより得られたものである[5]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[7] 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を更に含む[5]または[6]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[8] 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムを更に含む[5]または[6]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[9] 前記プラスチックレンズは眼鏡用プラスチックレンズである[5]〜[8]のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
[1] 酸化タンタルを含む蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させて蒸着膜を形成するに際し、前記酸化タンタルとして、アンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを使用することを特徴とする蒸着膜形成時のスプラッシュの発生を抑制する方法。
[2] 前記蒸着材料は、アンチモン含有量が30ppm未満の酸化タンタル粉末とアンチモン含有量が30ppmを超える酸化タンタル粉末とを、得られる混合粉末のアンチモン含有量が30ppm未満になる比率で混合した後に焼結することにより得られたものである[1]に記載の方法。
[3] 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を更に含む[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムを更に含む[1]または[2]に記載の方法。
[5] 反射防止膜形成用蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物をプラスチックレンズ上に析出させて反射防止膜を形成する、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法であって、
前記蒸着材料は、酸化タンタルを含み、かつ、
前記酸化タンタルのアンチモン含有量は30ppm以下であることを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
[6] 前記蒸着材料は、アンチモン含有量が30ppm未満の酸化タンタル粉末とアンチモン含有量が30ppmを超える酸化タンタル粉末とを、得られる混合粉末のアンチモン含有量が30ppm未満になる比率で混合した後に焼結することにより得られたものである[5]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[7] 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を更に含む[5]または[6]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[8] 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムを更に含む[5]または[6]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[9] 前記プラスチックレンズは眼鏡用プラスチックレンズである[5]〜[8]のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
本発明によれば、酸化タンタルを含む蒸着材料を用いて蒸着膜を形成するにあたり、スプラッシュの発生を効果的に抑制することができる。更に、本発明によれば、プラスチックレンズ上に反射防止膜を蒸着により形成する際のスプラッシュの発生を効果的に抑制することができ、高品質なプラスチックレンズを製造することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
[スプラッシュ抑制方法]
本発明は、酸化タンタルを含む蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させて蒸着膜を形成するに際し、前記酸化タンタルとして、アンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを使用することを特徴とする蒸着膜形成時のスプラッシュの発生を抑制する方法(以下、「スプラッシュ抑制方法」ともいう)に関する。
[スプラッシュ抑制方法]
本発明は、酸化タンタルを含む蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させて蒸着膜を形成するに際し、前記酸化タンタルとして、アンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを使用することを特徴とする蒸着膜形成時のスプラッシュの発生を抑制する方法(以下、「スプラッシュ抑制方法」ともいう)に関する。
本発明のスプラッシュ抑制方法では、蒸着材料として、アンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを含む蒸着材料を使用する。酸化タンタル中のアンチモン含有量が30ppmを超えると、蒸着膜形成のために電子線を照射して蒸着材料を加熱する際に、スプラッシュが顕著に発生し、良好に蒸着膜を形成することが困難となる。酸化タンタル中のアンチモン含有量は、10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましい。酸化タンタル中のアンチモン含有量は0ppmであることが最も好ましいが、酸化タンタル中のアンチモンを完全に除去することは困難な場合があり、また、定量下限なども考慮し、実用上、その値は1ppmとすることができる。本発明によれば、蒸着材料に含まれる種々の不純物の中でも、アンチモンの含有量だけを管理すればよく、原料の管理が容易であり、コスト低減につながるという利点を得ることもできる。
酸化タンタル(Ta2O5)は、一般に、タンタルと二オブを含有する鉱石(タンタル石やコルンブ石等)、精鉱、スクラップ等の原料から、タンタルを分離・精製し、水酸化物として沈殿させ、それを空気中で焼成して得られる。このため、原料からタンタルと二オブを分離する処理や、タンタルと二オブを分離する処理が行われる。この分離方法としては、溶媒抽出法が一般的に行われている。
溶媒抽出法を用いる酸化タンタルの製造方法の一例について説明する。
まず始めに前述のような原料を適当なサイズに粉砕し、それをフッ酸、または、フッ酸と硫酸の混酸で溶解する。この溶液に硫酸を加えて濃度を調整しろ過する。このろ過された溶液をMIBK(メチルイソブチルケトン)と混合接触させると、タンタルおよび二オブがMIBKに抽出される。このタンタルおよび二オブを含むMIBKを希硫酸で逆抽出すると、二オブが水溶液に移り、タンタルがMIBKに残留する。このタンタルを含むMIBKを水で逆抽出してタンタルを水溶液に移す。このタンタル水溶液をアンモニア水と反応させて水酸化物を沈殿させる。この水酸化物の沈殿をろ過、乾燥、焼成することにより、酸化タンタルを得ることができる。
まず始めに前述のような原料を適当なサイズに粉砕し、それをフッ酸、または、フッ酸と硫酸の混酸で溶解する。この溶液に硫酸を加えて濃度を調整しろ過する。このろ過された溶液をMIBK(メチルイソブチルケトン)と混合接触させると、タンタルおよび二オブがMIBKに抽出される。このタンタルおよび二オブを含むMIBKを希硫酸で逆抽出すると、二オブが水溶液に移り、タンタルがMIBKに残留する。このタンタルを含むMIBKを水で逆抽出してタンタルを水溶液に移す。このタンタル水溶液をアンモニア水と反応させて水酸化物を沈殿させる。この水酸化物の沈殿をろ過、乾燥、焼成することにより、酸化タンタルを得ることができる。
上記の方法により、例えば純度99.9%程度の酸化タンタルを得ることができる。更に高純度の酸化タンタルの製造方法としては、例えば、特開平1−320229号公報、特開2000−16815号公報、特開10−139441号公報、特開平11−25518号公報、特開2000−16815号公報、特開2002−193622号公報に記載の方法を例示できる。
本発明では、必要に応じて、酸化タンタル中のアンチモン含有量を低減するための処理が行われる。特に、前述の溶媒抽出法では、不純物としてのアンチモンを十分に取り除くことが困難である。これは前述の原料は通常アンチモンの含有量が大きく、しかも上記各処理工程で用いられる溶媒へのアンチモンの抽出されやすさは、タンタルと大きな違いがないため、タンタルを含む溶液にアンチモンが残留しやすいことが要因と考えられる。アンチモンを除去するための精製方法としては、以下の方法を例示できる。但し、本発明は、下記態様に限定されるものではない。
(1)18Nより高いフッ化水素溶液に卑金属の還元剤を加え、例えば4〜8時間の間、40〜60℃に加熱することによりアンチモンを除去する方法(特開平10−68029号公報に参照);
(2)タンタルと二オブの採取精製に用いる溶解液を、フッ化水素酸と鉱酸との混酸の状態とし、この溶解中のフッ素イオン濃度を例えば1〜20mol/l、鉱酸濃度が0.5〜10mol/lの組成とし、この溶解液の液温を例えば20〜60℃未満とし、この溶解液に卑金属成分を添加し、添加した卑金属成分の表面にアンチモンを置換析出させ、この卑金属成分が完全溶解する前に残渣として分離除去することでアンチモンを除去する方法(特開2002−241863号公報参照);
(3)原料の鉱石もしくは精鉱を、比表面積が例えば0.5〜10m2/gとなるように粉砕した微粉原料を、例えば55質量%フッ化水素酸溶液を用いて溶解処理して得たフッ素抽出液に、鉱酸を添加して、例えばフッ素イオン濃度1〜20mol/l、鉱酸濃度0.5〜10mol/lの組成とし、液温を例えば20〜60℃に維持し、そこに卑金属成分を添加し、添加した卑金属成分の表面にアンチモンを置換析出させ、この卑金属成分が完全溶解する前に残渣として分離除去することでアンチモンを除去する方法(特開2002−241864号公報参照);
(4)タンタル、二オブおよびフッ素を含有する溶液とカリウム電解質とを混合してタンタル、二オブ、フッ素、およびカリウムを含有する結晶を析出させてそれを固液分離する工程と、この固液分離により得られた結晶を水の存在下でアルカリによって疎解して疎解スラリーを得る工程と、この疎解スラリーを水または希薄アルカリ溶液で洗浄して水洗ケーキを得る工程と、この水洗ケーキをフッ化水素酸を用いて溶解する工程とを行うことにより、アンチモンが除去されたタンタル、二オブおよびフッ素を含有する溶液を得る方法(特開2004−224586号公報参照)。
(1)18Nより高いフッ化水素溶液に卑金属の還元剤を加え、例えば4〜8時間の間、40〜60℃に加熱することによりアンチモンを除去する方法(特開平10−68029号公報に参照);
(2)タンタルと二オブの採取精製に用いる溶解液を、フッ化水素酸と鉱酸との混酸の状態とし、この溶解中のフッ素イオン濃度を例えば1〜20mol/l、鉱酸濃度が0.5〜10mol/lの組成とし、この溶解液の液温を例えば20〜60℃未満とし、この溶解液に卑金属成分を添加し、添加した卑金属成分の表面にアンチモンを置換析出させ、この卑金属成分が完全溶解する前に残渣として分離除去することでアンチモンを除去する方法(特開2002−241863号公報参照);
(3)原料の鉱石もしくは精鉱を、比表面積が例えば0.5〜10m2/gとなるように粉砕した微粉原料を、例えば55質量%フッ化水素酸溶液を用いて溶解処理して得たフッ素抽出液に、鉱酸を添加して、例えばフッ素イオン濃度1〜20mol/l、鉱酸濃度0.5〜10mol/lの組成とし、液温を例えば20〜60℃に維持し、そこに卑金属成分を添加し、添加した卑金属成分の表面にアンチモンを置換析出させ、この卑金属成分が完全溶解する前に残渣として分離除去することでアンチモンを除去する方法(特開2002−241864号公報参照);
(4)タンタル、二オブおよびフッ素を含有する溶液とカリウム電解質とを混合してタンタル、二オブ、フッ素、およびカリウムを含有する結晶を析出させてそれを固液分離する工程と、この固液分離により得られた結晶を水の存在下でアルカリによって疎解して疎解スラリーを得る工程と、この疎解スラリーを水または希薄アルカリ溶液で洗浄して水洗ケーキを得る工程と、この水洗ケーキをフッ化水素酸を用いて溶解する工程とを行うことにより、アンチモンが除去されたタンタル、二オブおよびフッ素を含有する溶液を得る方法(特開2004−224586号公報参照)。
本発明では、上記方法を適宜使用してアンチモン含有量が30ppm以下に低減された酸化タンタルを使用する。酸化タンタル中のアンチモンの含有量を定量する方法としては、共沈分離/原子吸光光度法により行う方法や、ICP発光分光法により行う方法などがある。測定方法については、特開2002−193622号公報段落[0067]、特開2004−143009号公報段落[0055]を参照できる。
本発明のスプラッシュ抑制方法を用いて作製される蒸着膜は、反射防止膜であることができる。また、反射膜、フィルタ、ビームスプリッターなど各種光学薄膜であることもできる。使用する蒸着材料は、作製する蒸着膜の種類に応じて選択することができる。
本発明において使用される蒸着材料は、公知の方法で作製することができ、例えば、酸化タンタル粉末を含む原料粉末を必要に応じて加圧した後に焼結することによって作製することができる。焼結体を用いることで、蒸着時間を短縮することができる。本発明では、蒸着材料として、アンチモン含有量が30ppm未満の酸化タンタル粉末とアンチモン含有量が30ppmを超える酸化タンタル粉末とを、得られる混合粉末のアンチモン含有量が30ppm未満になる比率で混合した後に焼結することによって得られたものを用いることができる。これは、比較的製造が容易な純度の低い原料を一部に使用することができ、製造コスト低減につながるという利点がある。
前記蒸着材料は、酸化タンタルに加えて、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を更に含有することができる。前記蒸着材料は、酸化タンタルに加えて、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムを含むことが好ましい。通常、市販の高純度の酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウムからは、不純物としてアンチモンは検出されないので、これら混合成分からのアンチモンの混入は考慮しなくてよいと考えられる。
本発明では、前記蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させて蒸着膜を形成するに際し、前述のようにアンチモン含有量が30ppm以下に低減された酸化タンタルを含む蒸着材料を使用することにより、スプラッシュの発生を抑制することができる。前記被蒸着物は、特に限定されず、例えば、眼鏡レンズ、カメラ用レンズ等のプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、光ディスク、磁気ディスク等に用いられる記録媒体用基板、フィルター等であることができる。更に、自動車の窓ガラス、パソコンのディスプレイに付設する光学フィルター等であることもできる。好ましくは、本発明のスプラッシュ抑制方法は、プラスチックレンズ、特に眼鏡レンズに蒸着膜を形成する際に用いることができる。
前記蒸着材料に電子線を照射して熔融、蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させることにより、蒸着膜を形成することができる。電子線の照射条件は、蒸着材料に応じて適宜設定できる。なお、蒸着前にガス出しのための電子線による加熱を行うことが好ましい。
蒸着方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法を用いることができる。被蒸着物の加熱温度は、その表面に蒸着膜が良好に形成されるよう適宜設定することができる。被蒸着物が合成樹脂製の場合、加熱温度は70〜85℃の範囲とすることが適当である。
[プラスチックレンズの製造方法]
本発明のプラスチックレンズの製造方法は、
反射防止膜形成用蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物をプラスチックレンズ上に析出させて反射防止膜を形成する、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法であって、
前記蒸着材料は、酸化タンタルを含み、かつ、
前記酸化タンタルのアンチモン含有量は30ppm以下であることを特徴とするプラスチックレンズの製造方法
である。
本発明のプラスチックレンズの製造方法は、蒸着材料としてアンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを含む蒸着材料を使用することにより、反射防止膜形成時のスプラッシュの発生を抑制することができる。アンチモン含有量の好ましい範囲等の詳細は、先に説明した通りである。
本発明のプラスチックレンズの製造方法は、
反射防止膜形成用蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物をプラスチックレンズ上に析出させて反射防止膜を形成する、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法であって、
前記蒸着材料は、酸化タンタルを含み、かつ、
前記酸化タンタルのアンチモン含有量は30ppm以下であることを特徴とするプラスチックレンズの製造方法
である。
本発明のプラスチックレンズの製造方法は、蒸着材料としてアンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを含む蒸着材料を使用することにより、反射防止膜形成時のスプラッシュの発生を抑制することができる。アンチモン含有量の好ましい範囲等の詳細は、先に説明した通りである。
次に、本発明のプラスチックレンズの製造方法において使用される蒸着材料等について説明する。その他の点については、先に説明した通りである。
本発明のプラスチックレンズの製造方法は、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法である。前記方法によれば、酸化タンタルを含む反射防止膜を形成することができる。酸化タンタルを含む反射防止膜は、屈折率が高く、低屈折率層と組み合わせることにより、プラスチックレンズに高い反射防止効果を付与することができる。
酸化タンタルを含む反射防止膜を形成するために使用する蒸着材料は、酸化タンタル粉末を必要に応じて加圧した後に焼結することによって得ることができる。前述のように、前記蒸着材料は、アンチモン含有量が30ppm未満の酸化タンタル粉末とアンチモン含有量が30ppmを超える酸化タンタル粉末とを、得られる混合粉末のアンチモン含有量が30ppm未満になる比率で混合した後に焼結することにより得られたものであることが好ましい。
前記蒸着材料には、酸化タンタルに加えて、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を含有させることもできる。前記蒸着材料は、酸化タンタルに加えて、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムを含むことが好ましい。各成分の混合割合は、所望の屈折率等を考慮して設定することができる。得られる反射防止膜の耐酸性、屈折率等を考慮すると、酸化アルミニウムを除く3成分のモル比を、酸化ジルコニウム1モルに対して、酸化アルミニウム1.0〜1.5モル、酸化イットリウム0.2〜1.0モルにすることが好ましい。また、酸化アルミニウムの含有率は上記3成分の合計量に対して0.3〜7.5質量%の範囲とすることが、屈折率、耐熱性、耐アルカリ性の高い反射防止膜を得る上で好ましい。
蒸着材料を得るための加圧は、通常の方法で行うことができる。例えば200kg/cm2 〜400kg/cm2 (1.96×10−2〜3.92×10−2GPa)の圧力をかけて原料粉末を加圧することができる。また焼結温度は、原料組成等により変化するが、例えば1000〜1400℃とすることが適当である。焼結時間は焼結温度等により適宜変化させることができ、通常1〜48時間の範囲から選ばれる。
本発明のプラスチックレンズの製造方法において、反射防止膜を形成するプラスチックレンズの素材としては、公知の合成樹脂、例えば、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと1種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする共重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートと1種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする共重合体、イオウ含有共重合体、ハロゲン含有共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタンなどを挙げることができる。
反射防止膜を設ける場合には、プラスチックレンズ表面に有機ケイ素重合体を含むハードコート層をディッピング法、スピンコート法等の塗布法により成膜し、このハードコート層上に反射防止膜を設けることが好ましい。反射防止膜の膜厚は、特に限定されず、所望の特性が得られるように適宜設定することができる。また、プラスチックレンズと反射防止膜との密着性、耐擦傷性等の向上を図る上で、プラスチックレンズと反射防止膜との間、またはプラスチックレンズ表面に成膜したハードコート層と反射防止膜との間に下地層を介在させることが好ましい。このような下地層としては、例えばケイ素酸化物等の蒸着膜を使用することができる。また、酸化タンタルを含む反射防止膜は屈折率が高く、その上層および/または下層に低屈折率膜を設けることにより、プラスチックレンズにより高い反射防止効果を付与することができる。前記低屈折率膜としては、公知のものを用いることができ、例えば、二酸化珪素膜を用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜5]
蒸着材料の作製
以下に示す酸化タンタル(a、b、c)、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、および、酸化アルミニウム、酸化二オブ、酸化ケイ素の各粉末を表2に示す質量比で混合し(実施例1、比較例1、比較例2は酸化タンタルのみ)、その25gを外径25mmの円柱状の空間を有する金型に入れ300kg/cm2(2.94×10−2GPa)の圧力を加え、径25mm、厚さ17mm程度の円柱タブレットに成形した。成形後1400℃の高温炉で1時間熱して焼結し、ペレットを作製した。
蒸着材料の作製
以下に示す酸化タンタル(a、b、c)、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、および、酸化アルミニウム、酸化二オブ、酸化ケイ素の各粉末を表2に示す質量比で混合し(実施例1、比較例1、比較例2は酸化タンタルのみ)、その25gを外径25mmの円柱状の空間を有する金型に入れ300kg/cm2(2.94×10−2GPa)の圧力を加え、径25mm、厚さ17mm程度の円柱タブレットに成形した。成形後1400℃の高温炉で1時間熱して焼結し、ペレットを作製した。
酸化タンタルa、b、cの純度および主な不純物の含有量を表1に示す。
下記アンチモン含有量は、共沈分離/原子吸光光度法により測定した。また、Nb、Feについてはイオン交換分離/ICP発光分光法により測定した。Siについてはモリブデンブルー吸光光度法により測定した。Fについてはパイロハイドロリシス吸光光度法により測定した。なおアンチモン、二オブ、フッ素の定量下限は10ppm、ケイ素の定量下限は3ppm、鉄の定量下限は1ppmである。
下記アンチモン含有量は、共沈分離/原子吸光光度法により測定した。また、Nb、Feについてはイオン交換分離/ICP発光分光法により測定した。Siについてはモリブデンブルー吸光光度法により測定した。Fについてはパイロハイドロリシス吸光光度法により測定した。なおアンチモン、二オブ、フッ素の定量下限は10ppm、ケイ素の定量下限は3ppm、鉄の定量下限は1ppmである。
なお、実施例6および7は、酸化タンタル中の不純物のうちアンチモンに続いて含有量が多い二オブとケイ素のスプラッシュ発生への影響を調べるために、酸化タンタルcに酸化二オブと酸化ケイ素を表2に示す質量比で混合した。この酸化二オブ中のアンチモン含有率は10ppm未満である。
蒸着膜の形成
上記ペレットをバッチ型の内径800mmの真空蒸着装置(株式会社シンクロン製BMC800)の水冷銅ハース内に設置したるつぼに入れた。蒸着を行う前に蒸着材料のガス出し処理を行った。このガス出し処理は3×10−3Paの真空中で、蒸着材料上のシャッターを閉じた状態で電子銃(日本電子株式会社製)により蒸着材料に電子線を照射して蒸着材料を加熱する。この電子線の照射は、フィラメント電流値150mAで40秒間照射、60秒間照射停止、150mAで40秒間照射、60秒間照射停止、170mAで40秒間照射、60秒間照射停止することにより行った。
このガス出し処理後、蒸着を行った。3×10−3Paの真空中で、蒸着材料上のシャッターを開いた状態で電子銃(日本電子株式会社製)により蒸着材料に電子線フィラメント電流値170mAを照射して蒸着材料を加熱し、熔融、蒸発し、蒸着装置内に設置しているモニター用のガラス平板上に高屈折率層の単層膜を1/2λ(λ=600nm)の膜厚で蒸着膜を形成した。1/2λの成膜に要する時間は8〜10分程度であった。膜厚は光学式膜厚計で前記ガラス平板の反射率をモニターすることによって求めた。
上記ペレットをバッチ型の内径800mmの真空蒸着装置(株式会社シンクロン製BMC800)の水冷銅ハース内に設置したるつぼに入れた。蒸着を行う前に蒸着材料のガス出し処理を行った。このガス出し処理は3×10−3Paの真空中で、蒸着材料上のシャッターを閉じた状態で電子銃(日本電子株式会社製)により蒸着材料に電子線を照射して蒸着材料を加熱する。この電子線の照射は、フィラメント電流値150mAで40秒間照射、60秒間照射停止、150mAで40秒間照射、60秒間照射停止、170mAで40秒間照射、60秒間照射停止することにより行った。
このガス出し処理後、蒸着を行った。3×10−3Paの真空中で、蒸着材料上のシャッターを開いた状態で電子銃(日本電子株式会社製)により蒸着材料に電子線フィラメント電流値170mAを照射して蒸着材料を加熱し、熔融、蒸発し、蒸着装置内に設置しているモニター用のガラス平板上に高屈折率層の単層膜を1/2λ(λ=600nm)の膜厚で蒸着膜を形成した。1/2λの成膜に要する時間は8〜10分程度であった。膜厚は光学式膜厚計で前記ガラス平板の反射率をモニターすることによって求めた。
(スプラッシュの評価)
スプラッシュ抑制効果を、スプラッシュが消滅した時期により判定した。
UA:蒸着中スプラッシュの発生がない
A:膜厚がλ/16未満でスプラッシュが消滅
B:膜厚がλ/16以上λ/8未満でスプラッシュが消滅
C:膜厚がλ/8以上λ/4未満でスプラッシュが消滅
D:膜厚がλ/4以上λ/2までの間でスプラッシュが消滅。
以上の結果を表2に示す。
スプラッシュ抑制効果を、スプラッシュが消滅した時期により判定した。
UA:蒸着中スプラッシュの発生がない
A:膜厚がλ/16未満でスプラッシュが消滅
B:膜厚がλ/16以上λ/8未満でスプラッシュが消滅
C:膜厚がλ/8以上λ/4未満でスプラッシュが消滅
D:膜厚がλ/4以上λ/2までの間でスプラッシュが消滅。
以上の結果を表2に示す。
表2に示す酸化タンタル中のアンチモン含有量は、各酸化タンタルa、b、cの含有率から計算で求めた値である。なお、酸化タンタルcと混合した場合については、定量下限値を酸化タンタルcのアンチモン含有量として計算している。
(評価結果)
実施例1〜5は、熔融の始めにわずかに原料粒がはねたものの熔融後は全く飛散しなかった(判定UA)。
実施例6、7は熔融の始めにわずかに原料粒がはねたものの熔融後は全く飛散しなかった(判定UA)。このことからスプラッシュ発生にはアンチモン以外の不純物は影響しないことがわかる。
一方、比較例1、3、6、7は、熔融の始めから、熔融した蒸着材料が扇形の火花状に飛び散ったが、成膜1.5λ/4になると飛散がなくなった(判定D)。
比較例5は、熔融の始めから、熔融した蒸着材料が扇形の火花状に飛び散ったが成膜λ/16からλ/4の間で飛散がなくなった(判定B〜C)。
比較例2、4は、熔融の始めから、熔融した蒸着材料が扇形の火花状に飛び散ったが、成膜λ/8になると飛散がなくなった(判定B)。
実施例1〜5は、熔融の始めにわずかに原料粒がはねたものの熔融後は全く飛散しなかった(判定UA)。
実施例6、7は熔融の始めにわずかに原料粒がはねたものの熔融後は全く飛散しなかった(判定UA)。このことからスプラッシュ発生にはアンチモン以外の不純物は影響しないことがわかる。
一方、比較例1、3、6、7は、熔融の始めから、熔融した蒸着材料が扇形の火花状に飛び散ったが、成膜1.5λ/4になると飛散がなくなった(判定D)。
比較例5は、熔融の始めから、熔融した蒸着材料が扇形の火花状に飛び散ったが成膜λ/16からλ/4の間で飛散がなくなった(判定B〜C)。
比較例2、4は、熔融の始めから、熔融した蒸着材料が扇形の火花状に飛び散ったが、成膜λ/8になると飛散がなくなった(判定B)。
[実施例8]
反射防止膜付眼鏡用プラスチックレンズの作製(1)
酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウムの4成分からなる蒸着材料を用いて、以下の方法で反射防止膜付眼鏡用プラスチックレンズを作製した。本実施例における反射防止膜の構成を下記表3に示す。
反射防止膜付眼鏡用プラスチックレンズの作製(1)
酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウムの4成分からなる蒸着材料を用いて、以下の方法で反射防止膜付眼鏡用プラスチックレンズを作製した。本実施例における反射防止膜の構成を下記表3に示す。
(被蒸着対象レンズ)
反射防止膜を設ける合成樹脂として、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分とし、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オプトキシベンゾフェノンを、前者/後者の質量比が99.97/0.03となるように含有する、屈折率が1.499の眼鏡用プラスチックレンズを用意した。
反射防止膜を設ける合成樹脂として、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分とし、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オプトキシベンゾフェノンを、前者/後者の質量比が99.97/0.03となるように含有する、屈折率が1.499の眼鏡用プラスチックレンズを用意した。
(ハードコート層の形成)
上記プラスチックレンズを、80モル%のコロイダルシリカと20モル%のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するコーティング液に浸漬し、その後硬化してハードコート層(屈折率1.50)を設けた。
上記プラスチックレンズを、80モル%のコロイダルシリカと20モル%のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するコーティング液に浸漬し、その後硬化してハードコート層(屈折率1.50)を設けた。
(蒸着材料)
下地層、第1の低屈折率層の低屈折率膜、および第2の低屈折率層の蒸着材料としては、顆粒状のSiO2を用いた。また、第1の低屈折率層の低屈折率膜および高屈折率層の蒸着材料として、Ta2O5粉末、ZrO2粉末、Y2O3粉末およびAl2O3粉末を混合(モル比:Ta2O5−ZrO2−Y2O3−Al2O3=1.3:1:0.5:0.1)し、300kg/cm2でプレス成形し、1300℃で焼結して得られたペレット状の蒸着材料(以下蒸着材料Aと呼ぶ)を用いた。なお、前記蒸着材料Aに用いたTa2O5粉末は、純度99.99%、Sb含有質量比率10ppm未満であった。
下地層、第1の低屈折率層の低屈折率膜、および第2の低屈折率層の蒸着材料としては、顆粒状のSiO2を用いた。また、第1の低屈折率層の低屈折率膜および高屈折率層の蒸着材料として、Ta2O5粉末、ZrO2粉末、Y2O3粉末およびAl2O3粉末を混合(モル比:Ta2O5−ZrO2−Y2O3−Al2O3=1.3:1:0.5:0.1)し、300kg/cm2でプレス成形し、1300℃で焼結して得られたペレット状の蒸着材料(以下蒸着材料Aと呼ぶ)を用いた。なお、前記蒸着材料Aに用いたTa2O5粉末は、純度99.99%、Sb含有質量比率10ppm未満であった。
(下地層の形成)
前記ハードコート層を設けたプラスチックレンズを蒸着槽に入れ、排気しながら80℃に加熱し、真空度2×10−5Torrにした後、電子ビームにて前述のSiO2からなる蒸着材料を加熱・蒸発させ、前記ハードコート層の上にSiO2からなる下地層〔屈折率1.46、膜厚0.5λ(λは500nm)〕を形成した。
前記ハードコート層を設けたプラスチックレンズを蒸着槽に入れ、排気しながら80℃に加熱し、真空度2×10−5Torrにした後、電子ビームにて前述のSiO2からなる蒸着材料を加熱・蒸発させ、前記ハードコート層の上にSiO2からなる下地層〔屈折率1.46、膜厚0.5λ(λは500nm)〕を形成した。
(第1の低屈折率層の形成)
前記蒸着材料Aを電子銃出力電流170mAにて加熱・蒸発させて形成される層(屈折率2.08、膜厚0.063λ)と、この層の上に形成されるSiO2層(屈折率1.46、膜厚0.086λ)との2層の等価膜よりなる第1の低屈折率層を形成した。蒸着材料Aは電子銃で加熱されて溶融し始めたときに僅かに原料粒がはねたものの溶融後は全く飛散しなかった。
前記蒸着材料Aを電子銃出力電流170mAにて加熱・蒸発させて形成される層(屈折率2.08、膜厚0.063λ)と、この層の上に形成されるSiO2層(屈折率1.46、膜厚0.086λ)との2層の等価膜よりなる第1の低屈折率層を形成した。蒸着材料Aは電子銃で加熱されて溶融し始めたときに僅かに原料粒がはねたものの溶融後は全く飛散しなかった。
(高屈折率層の形成)
この第1の屈折率層の上に、前記蒸着材料Aを電子銃出力電流170mAにて加熱・蒸発させて形成される層(屈折率2.08、膜厚0.5λ)を形成した。蒸着材料Aは電子銃で加熱されて溶融し始めたときに僅かに原料粒がはねたものの溶融後は全く飛散しなかった。
この第1の屈折率層の上に、前記蒸着材料Aを電子銃出力電流170mAにて加熱・蒸発させて形成される層(屈折率2.08、膜厚0.5λ)を形成した。蒸着材料Aは電子銃で加熱されて溶融し始めたときに僅かに原料粒がはねたものの溶融後は全く飛散しなかった。
(第2の低屈折率層の形成)
高屈折率層の上にSiO2からなる第2の低屈折率層(屈折率1.46、膜厚0.25λ)を形成して反射防止膜を有するプラスチックレンズを得た。
なお、前記第1、第2の低屈折率層、および、高屈折率層は前記下地層を形成した場合と同様の真空蒸着法により形成した。
高屈折率層の上にSiO2からなる第2の低屈折率層(屈折率1.46、膜厚0.25λ)を形成して反射防止膜を有するプラスチックレンズを得た。
なお、前記第1、第2の低屈折率層、および、高屈折率層は前記下地層を形成した場合と同様の真空蒸着法により形成した。
(反射防止膜の評価)
上記のようにしてレンズ上に形成された反射防止膜の外観は、蛍光灯を光源とする照明装置を用いて、目視にて、ピンホール、膜はげ、異物付着、レンズ基材の損傷などの不良がないか観察した。この結果、スプラッシュが原因となる上記不良は見つからなかった。
上記のようにしてレンズ上に形成された反射防止膜の外観は、蛍光灯を光源とする照明装置を用いて、目視にて、ピンホール、膜はげ、異物付着、レンズ基材の損傷などの不良がないか観察した。この結果、スプラッシュが原因となる上記不良は見つからなかった。
[実施例9]
反射防止膜付眼鏡用プラスチックレンズの作製(2)
酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの3成分からなる蒸着材料を用いて、以下の方法で反射防止膜付眼鏡用プラスチックレンズを作製した。本実施例における反射防止膜の構成を下記表4に示す。
反射防止膜付眼鏡用プラスチックレンズの作製(2)
酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの3成分からなる蒸着材料を用いて、以下の方法で反射防止膜付眼鏡用プラスチックレンズを作製した。本実施例における反射防止膜の構成を下記表4に示す。
(被蒸着対象レンズ)
実施例8の場合と同じレンズを使用した。
実施例8の場合と同じレンズを使用した。
(ハードコート層の形成)
実施例8と同じ方法により形成した。
実施例8と同じ方法により形成した。
(蒸着材料)
下地層、第1の低屈折率層の低屈折率膜、および第2の低屈折率層の蒸着材料としては、顆粒状のSiO2を用いた。また、第1の低屈折率層の高屈折率膜および高屈折率層の蒸着材料として、Ta2O5粉末、ZrO2粉末、Y2O3粉末を混合(モル比:Ta2O5−ZrO2−Y2O3=1.3:1:0.2)し、300kg/cm2でプレス成形し、1200℃で焼結して得られたペレット状の蒸着材料(以下蒸着材料Bと呼ぶ)を用いた。なお、前記蒸着材料Bに用いたTa2O5粉末は、純度99.99%、Sb含有質量比率10ppm未満であった。
下地層、第1の低屈折率層の低屈折率膜、および第2の低屈折率層の蒸着材料としては、顆粒状のSiO2を用いた。また、第1の低屈折率層の高屈折率膜および高屈折率層の蒸着材料として、Ta2O5粉末、ZrO2粉末、Y2O3粉末を混合(モル比:Ta2O5−ZrO2−Y2O3=1.3:1:0.2)し、300kg/cm2でプレス成形し、1200℃で焼結して得られたペレット状の蒸着材料(以下蒸着材料Bと呼ぶ)を用いた。なお、前記蒸着材料Bに用いたTa2O5粉末は、純度99.99%、Sb含有質量比率10ppm未満であった。
(下地層の形成)
実施例8と同じ方法により形成した。
実施例8と同じ方法により形成した。
(第1の低屈折率層の形成)
前記蒸着材料Bを電子銃出力電流170mAにて加熱・蒸発させて形成される層(屈折率2.05、膜厚0.056λ)と、この層の上に形成されたSiO2層(屈折率1.46、膜厚0.075λ)との2層の等価膜よりなる第1の低屈折率層を形成した。蒸着材料Bは電子銃で加熱されて溶融し始めたときに僅かに原料粒がはねたものの溶融後は全く飛散しなかった。
前記蒸着材料Bを電子銃出力電流170mAにて加熱・蒸発させて形成される層(屈折率2.05、膜厚0.056λ)と、この層の上に形成されたSiO2層(屈折率1.46、膜厚0.075λ)との2層の等価膜よりなる第1の低屈折率層を形成した。蒸着材料Bは電子銃で加熱されて溶融し始めたときに僅かに原料粒がはねたものの溶融後は全く飛散しなかった。
(高屈折率層の形成)
この第2の屈折率層の上に、前記蒸着材料Bを電子銃出力電流170mAにて加熱・蒸発させて形成される層(屈折率2.05、膜厚0.46λ)を形成した。蒸着材料Bは電子銃で加熱されて溶融し始めたときに僅かに原料粒がはねたものの溶融後は全く飛散しなかった。
この第2の屈折率層の上に、前記蒸着材料Bを電子銃出力電流170mAにて加熱・蒸発させて形成される層(屈折率2.05、膜厚0.46λ)を形成した。蒸着材料Bは電子銃で加熱されて溶融し始めたときに僅かに原料粒がはねたものの溶融後は全く飛散しなかった。
(第2の低屈折率層の形成)
高屈折率層の上にSiO2からなる第2の低屈折率層(屈折率1.46、膜厚0.25λ)を形成して反射防止膜を有するプラスチックレンズを得た。
なお、前記第1、第2の低屈折率層、および、高屈折率層は前記下地層を形成した場合と同様の真空蒸着法により形成した。
高屈折率層の上にSiO2からなる第2の低屈折率層(屈折率1.46、膜厚0.25λ)を形成して反射防止膜を有するプラスチックレンズを得た。
なお、前記第1、第2の低屈折率層、および、高屈折率層は前記下地層を形成した場合と同様の真空蒸着法により形成した。
(反射防止膜の評価)
上記のようにしてレンズ上に形成された反射防止膜の外観は、実施例8の場合と同じ方法で観察した。この結果、スプラッシュが原因となる前記不良は見つからなかった。
上記のようにしてレンズ上に形成された反射防止膜の外観は、実施例8の場合と同じ方法で観察した。この結果、スプラッシュが原因となる前記不良は見つからなかった。
本発明により、蒸着膜、特に反射防止膜形成時のスプラッシュの発生を効果的に抑制することができ、高品質なプラスチックレンズを製造することができる。特に、本発明は、反射防止膜を有する眼鏡レンズの製造に好適に用いることができる。
Claims (9)
- 酸化タンタルを含む蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物を被蒸着物上に析出させて蒸着膜を形成するに際し、前記酸化タンタルとして、アンチモン含有量が30ppm以下の酸化タンタルを使用することを特徴とする蒸着膜形成時のスプラッシュの発生を抑制する方法。
- 前記蒸着材料は、アンチモン含有量が30ppm未満の酸化タンタル粉末とアンチモン含有量が30ppmを超える酸化タンタル粉末とを、得られる混合粉末のアンチモン含有量が30ppm未満になる比率で混合した後に焼結することにより得られたものである請求項1に記載の方法。
- 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を更に含む請求項1または2に記載の方法。
- 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムを更に含む請求項1または2に記載の方法。
- 反射防止膜形成用蒸着材料を蒸発させ、発生した蒸発物をプラスチックレンズ上に析出させて反射防止膜を形成する、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法であって、
前記蒸着材料は、酸化タンタルを含み、かつ、
前記酸化タンタルのアンチモン含有量は30ppm以下であることを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。 - 前記蒸着材料は、アンチモン含有量が30ppm未満の酸化タンタル粉末とアンチモン含有量が30ppmを超える酸化タンタル粉末とを、得られる混合粉末のアンチモン含有量が30ppm未満になる比率で混合した後に焼結することにより得られたものである請求項5に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を更に含む請求項5または6に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記蒸着材料は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化アルミニウムを更に含む請求項5または6に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記プラスチックレンズは眼鏡用プラスチックレンズである請求項5〜8のいずれか1項に記載のプラスチックレンズの製造方法。
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