JP2006284660A - 感光性着色組成物及びカラーフィルタ基板 - Google Patents

感光性着色組成物及びカラーフィルタ基板 Download PDF

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Abstract

【課題】カラーフィルタ基板を製造する際に、各色のフィルタセグメント同士の重なりによるツノ段差が大きいことによるディスクリネーション等による表示不良の問題点を解決する感光性着色組成物、ならびに該感光性着色組成物を用いたカラーフィルタ基板を提供すること。
【解決手段】樹脂、モノマー、光開始剤および着色剤を含有する感光性着色組成物であって、上記樹脂の重量平均分子量を2,000〜20,000でありかつ、理論ガラス転移点(Tg)が50℃以下とする。この感光性着色組成物を使用して形成したカラーフィルタ基板は、フィルタセグメント同士の重なりによるツノ段差が小さく、このため、表示品位の高いカラー液晶表示装置の製造が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタ基板の各色フィルタセグメントを形成するに際して、これらフィルタセグメント同士の重なり部分を平坦にすることができる感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、この感光性着色組成物を使用して製造されたカラーフィルタ基板に関する。
液晶表示装置は、2枚の電極板の間に液晶物質を介在させ、これら電極板の間に、画素ごとに、電圧を印加して液晶物質の配向状態を変化させ、この配向状態の変化に伴って透過光の偏光状態を変化させ、偏光膜によってその光透過を制御して画面表示する表示装置である。
カラー液晶表示装置の場合には、上記電極板のいずれか一方に、複数色のフィルタセグメントを設けてその透過光を画素ごとに異なる色相に着色している。フィルタセグメントの配列には、2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを配置したもの(ストライプ配列)、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したもの(デルタ配列)がある。
そして、このフィルタセグメントを有する電極板を製造する際には、まず、ガラス板などの透明な基板の画素と画素の間に、透過光の混色を防いでコントラストを高める遮光膜を設け、次に、各色の上記フィルタセグメントを設ける。このように、透明基板上に各色のフィルタセグメントと遮光膜とを形成したものは、一般に、カラーフィルタ基板と呼ばれている。
そして、このカラーフィルタ基板上に、液晶駆動用の透明電極を蒸着あるいはスパッタリングにより形成し、さらにその上に液晶を一定方向に配向させる配向膜を形成して、上記電極板が製造されている。これら透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
このため、現在、フィルタセグメントの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色材とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
顔料分散法の場合には、遮光膜を形成した透明基板を基材として、感光性透明樹脂溶液中に着色顔料を分散した感光性着色組成物(顔料レジスト)を塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、パターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して1色目のパターンを形成し、必要に応じて加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返してカラーフィルタ基板が得られる。
上記遮光膜の形成方法としては種々の方法が知られているが、例えば、着色顔料の代わりに黒色顔料を含有する感光性組成物を使用し、露光工程と現像工程を経てマトリクス状に形成された遮光膜は樹脂ブラックマトリクスとして知られている。
顔料を含む感光性着色組成物を用いたフィルタセグメント形成において、近年ではより色濃度の高いカラーフィルタ基板の要求が高まっており、感光性着色組成物における着色材濃度が高くなる傾向にある。しかし、着色材濃度が高くなると、顔料レジストの流動特
性が悪くなり、遮光膜(特に樹脂ブラックマトリクス)上の画素の重なり部分でのツノ段差(図1参照)が大きくなり、ディスクリネーション等の液晶表示装置の表示品位の低下をもたらすことがある。
本発明は、カラーフィルタのフィルタセグメントを形成する際に、上記ツノ段差が大きくなることを防いで、表示品位の高いカラー液晶表示装置の製造を可能とすることを目的とする。
すなわち、請求項1に係る発明は、樹脂、モノマー、光開始剤および着色材を含有する感光性着色組成物であって、上記樹脂の重量平均分子量が20,000以下でありかつ、理論ガラス転移点(理論Tg)が50℃以下であることを特徴とする感光性着色組成物である。
本発明において、重量平均分子量Mwは、GPCを用いて測定したもので、ポリスチレンに換算したものである。
また、理論ガラス転移点(理論Tg)とは、樹脂がホモポリマーである場合にはそのガラス転移点、コポリマーである場合には、そのコポリマーを構成する構成単位のホモポリマーのガラス転移点をTg、その構成単位の重量分率をwとして、次式(1)で表わされる数値を意味する。
理論Tg=Σ(Tg・w) …(1)
次に、請求項2に係る発明は、透明基板上に、透過光を着色するフィルタセグメントであって、2種以上の異なる色相のフィルタセグメントを配置して構成されるカラーフィルタ基板において、
上記着色層のうち、少なくとも一のフィルタセグメントが請求項1に記載の感光性着色組成物を硬化したものであることを特徴とするカラーフィルタ基板である。
本発明の感光性着色組成物は、樹脂の理論ガラス転移点が50℃以下であり、かつ、樹脂の重量平均分子量が、20000以下の樹脂を用いているため、コーティング時に、画素の重なり部分のツノ段差を、従来のレジストと比較して、低減することができる。よって、本発明の感光性着色組成物を用いてフィルタセグメントを形成することにより、表示品位の優れたカラー液晶表示装置を製造することができる。
まず、本発明の感光性着色組成物について説明する。本発明の感光性着色組成物は、樹脂、モノマー、光開始剤および着色材を主成分とし、これに溶剤及び必要な添加物を加えたものである。添加物としては、例えば、着色材を分散させる分散助剤や増感剤などが例示できる。
<樹脂>
本発明に使用する樹脂は、感光性着色組成物を透明基板に塗布した際に、この感光性着色組成物を基板上に固定すると共に、その流動性を確保して上記ツノ段差を低減する役割を有するものである。このような理由から、重量平均分子量が20,000以下でありかつ、理論ガラス転移点(理論Tg)が50℃以下のものである必要がある。なお、重量平均分子量が2,000以上のものが好ましい。
このような樹脂は、各種重合性モノマーを重合することによって得ることができる。
重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、N−ビニルピロリドン、スチレン類、アクリルアミド類、その他のビニル化合物、及びマクロモノマー類が使用できる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、パラクミルEO変性(メタ)アクリレートが例示できる。
また、スチレン類としては、スチレンおよびその誘導体、メチルスチレン等が使用できる。
アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、アルコキシメチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、その他のビニル化合物としては、(メタ)アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等が適用できる。
また、マクロモノマー類としては、例えば、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーなどのマクロモノマー類などが挙げられる。
そして、これらの重合性モノマーの1種を単独で、または2種以上を混合して重合させることにより本発明に係る樹脂を得ることができる。なお、理論Tgは、共重合させる重合性モノマーの種類と配合によって制御でき、重量平均分子量は、重合開始剤の種類や量などの重合条件によって制御することが可能である。
すなわち、この樹脂の合成は、重合開始剤の存在下、不活性ガス気流下、一般的には50〜150℃で2〜10時間かけて行われる。また、樹脂の合成は、必要に応じて溶剤の存在下で行っても差し支えない。
重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ化合物等が使用できる。有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が例示できる。また、アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。重合開始剤は、上記重合性モノマー100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部の範囲で使用される。
溶剤としては、水、水混和性有機溶剤、酢酸エステル、ケトン類、キシレン、エチルベンゼンなどを用いることができる。なお、水混和性有機溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール系溶剤や、エチレングリコールまたはジエチレングリコールのモノまたはジアルキルエーテル等が挙げられる。また、酢酸エステルとしては、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートなどが例示でき、ケトン類としては、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
<モノマー>
本発明に係るモノマーは、光開始剤の存在下で光照射することで硬化し、感光性着色組成物に現像液不溶性を付与する役割を有する。
このようなモノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
<光開始剤>
本発明に係る光開始剤としては、アセトフェノン系光開始剤、ベンゾイン系光開始剤、ベンゾフェノン系光開始剤、チオキサンソン系光開始剤、トリアジン系光開始剤、ボレート系光開始剤、カルバゾール系光開始剤、イミダゾール系光開始剤等を用いることができる。
アセトフェノン系光開始剤の具体例としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
ベンゾイン系光開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が例示できる。
ベンゾフェノン系光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が使用できる。
チオキサンソン系光開始剤としては、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等が使用できる。
また、トリアジン系光開始剤としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ
フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が挙げられる。
これら光開始剤は、単独であるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
<着色材>
本発明に係る着色材は、フィルタセグメントを着色して、その透過光を着色する役割を有する。
このような着色材としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。
以下に、本発明の感光性着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、207、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等の黄色顔料を用いることができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色組成物には黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができる。青色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
その他無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
また、着色顔料に加えて、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
<分散助剤>
分散助剤は、顔料を微細な粒子として感光性着色組成物中に分散させ、その再凝集を防止するもので、必要に応じて添加される。この分散助剤を添加した場合には、透明性に優れたフィルタセグメントを得ることができる。
このような分散助剤としては、樹脂型顔料分散剤、顔料誘導体、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の樹脂への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として、具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などを用いることができる。
また、樹脂型顔料分散剤として、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物等を用いることもできる。
顔料誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物である。有機色素には、一般に色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が使用できる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン等が例示できる。
また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等が使用できる。
また、カチオン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等が使用できる。
また、両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
なお、これら分散助剤を2種類以上混合して使用することも可能である。
<溶剤>
溶剤は、感光性着色組成物に各種塗布適性を付与するものである。
溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられる。これらをは混合して用いることも可能である。
<組成>
着色材は、感光性着色組成物中に1.5〜7重量%の割合で含有されることが好ましい。また、着色材は、最終フィルタセグメント中に好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜40重量%の割合で含有される。
また、この着色材100重量部を基準として、樹脂は20〜400重量部含有されることが好ましい。より好ましくは50〜250重量部である。
また、同様に、着色材100重量部を基準として、モノマーは10〜300重量部含有されることが望ましい。より望ましくは10〜200重量部である。
また、着色材100重量部を基準として、光開始剤は5〜200重量部含有されることが望ましい。より望ましくは10〜150重量部である。
なお、溶剤は、着色材100重量部を基準として、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部である。
<感光性着色組成物の製造方法>
本発明の感光性着色組成物を製造する際には、まず、顔料及び必要な分散助剤を樹脂に加え、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター、ペイントコンディショナー等の各種分散手段を用いて微細に分散する。その後、モノマー、光開始剤及び必要な添加剤を加え、均一に攪拌混合して瀬製造することができる。
<カラーフィルタ基板及びその製造方法>
本発明に係るカラーフィルタ基板は、透明基板上に、2種以上の異なる色相のフィルタセグメントを配置して構成されるものである。フィルタセグメントの代表的な色彩としては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントの三色のフィルタセグメントを用いた加法混色型、マゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントの三色のフィルタセグメントを用いた減法混色型があるが、本発明のカラーフィルタ基板はこのいずれであっても良い。また、フィルタセグメントの配列は、ストライプ配列とデルタ配列のいずれであっても良い。
本発明に係るカラーフィルタ基板は、フォトリソグラフィー法により、上記感光性着色組成物を用いて透明基板上に各色のフィルタセグメントを形成することにより製造することができる。
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントを形成は、次の方法で行うことができる。すなわち、上記感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された塗膜には、所定のパターンを有するマスクを通してコンタクトあるいはプリキシミティー露光を行い、この露光部のモノマーを重合させて感光性着色組成物を硬化させ、現像液に対して不溶化させる。その後、現像液溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより噴霧して未露光部すなわち未硬化部を溶解除去して所望のパターンを形成する。そして、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。また、さらに、上記感光性着色組成物の硬化を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。
現像液としては、溶剤またはアルカリ現像液を利用することができる。アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を使用することができる。また、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、上記透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板を用いることができる。透明基板として、画素と画素との間に遮光膜を形成したものを使用することもできる。特に、遮光膜として樹脂ブラックマトリクスを形成したものを適用するとき、本発明の利点が生かされる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
(合成例1)
反応容器にシクロヘキサノン560部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
アクリル酸 13.0部
ヒドロキシエチルアクリレート 19.0部
ベンジルメタクリレート 34.0部
パラクミルEO変性メタクリレート 34.0部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン55部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂溶液を調製した。得られた樹脂の重量平均分子量は15000であった。
なお、この重合に使用されたモノマーのホモポリマーのガラス転移点Tgは次のとおりである。
アクリル酸 379°K(約106℃)
ヒドロキシエチルアクリレート 258°K(約−15℃)
ベンジルメタクリレート 327°K(約54℃)
パラクミルEO変性メタクリレート 308°K(約35℃)
また、得られた樹脂の理論Tgは42℃である。
(合成例2)
反応容器にシクロヘキサノン570部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
アクリル酸 13.0部
ヒドロキシエチルアクリレート 19.0部
ベンジルメタクリレート 34.0部
パラクミルEO変性メタクリレート 34.0部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 3.0部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂溶液を調製した。得られた樹脂の重量平均分子量は42000であり、理論Tgは42℃である。
(合成例3)
反応容器にシクロヘキサノン520部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
アクリル酸 13.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 19.0部
ベンジルメタクリレート 34.0部
パラクミルEO変性メタクリレート 34.0部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂溶液を調製した。得られた樹脂の重量平均分子量は15000であった。
なお、この重合に使用されたモノマーのホモポリマーのガラス転移点Tgは次のとおりである。
アクリル酸 379°K(約106℃)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 328°K(約55℃)
ベンジルメタクリレート 327°K(約54℃)
パラクミルEO変性メタクリレート 308°K(約35℃)
また、得られた樹脂の理論Tgは54℃であった。
(合成例4)
反応容器にシクロヘキサノン520部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 20.0部
n−ブチルメタクリレート 55.0部
メチルメタクリレート 10.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15.0部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 3.0部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂溶液を調製した。得られた樹脂の重量平均分子量は約47000であった。
なお、この重合に使用されたモノマーのホモポリマーのガラス転移点Tgは次のとおりである。
メタクリル酸 403°K(約130℃)
n−ブチルメタクリレート 293°K(約20℃)
メチルメタクリレート 378°K(約105℃)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 328°K(約55℃)
また、得られた樹脂の理論Tgは56℃であった。
[実施例1]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して顔料分散体を得た。
ジケトピロロピロール系顔料(C.I.Pigment Red 254) 8.33部
(チバガイギー社製「イルガフォーレッドB−CF」)
アントラキノン系顔料(C.I.Pigment Red 177)
1.33部
(チバガイギー社製「クロモフタールレッドA2B」)
アントラキノン系顔料(C.I.Pigment Yellow 199) 0.34部
(チバガイギー社製「クロモフタールエローGT−AD」)
リン酸エステル系顔料分散剤 1.00部
(ビックケミー社製「BYK111」)
合成例1で調整した樹脂溶液 40.00部
シクロヘキサノン 48.00部
次いで、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、赤色感光性組成物を得た。
上記の顔料分散体 45.0部
合成例1で調整した樹脂溶液 15.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 5.6部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
シクロヘキサノン 32.2部
[比較例1]
合成例1で調整した樹脂溶液に代えて、合成例2で調製した樹脂溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして赤色感光性組成物を作成した。
[比較例2]
合成例1で調整した樹脂溶液に代えて、合成例3で調製した樹脂溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして赤色感光性組成物を作成した。
[比較例3]
合成例1で調整した樹脂溶液に代えて、合成例4で調製した樹脂溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして赤色感光性組成物を作成した。
実施例及び比較例で得られた感光性組成物について、下記の方法でツノ段差を評価した。
すなわち、まず、面積100mm×100mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、1.4μmの膜厚に樹脂ブラックマトリクスを形成した。次いで、上記実施例および比較例1〜3の感光性組成物を、スピンコーターを用いて2.3μmの膜厚となるようにそれぞれ塗布し、塗布基板を得た。次に、所定のストライプパターンを有するフォトマスクを有する超高圧水銀ランプを用いて、積算光量100mJで紫外線露光を行った。露光後、アルカリ現像液にて90秒間現像して、樹脂ブラックマトリクス上にストライプ形状の各色フィルタセグメントを形成した。その後、230℃で60分間加熱処理した。なお、アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム1.5重量% 炭酸水素ナトリウム0.5重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0重量%および水90重量%からなるものを用いた。
次に、基板上に形成されたストライプパターンの膜厚を触針式形状膜厚測定器にてパターンの膜厚を測定した。図1に示されるように、樹脂ブラックマトリクス上のパターンの膜厚とツノ段差部分との膜厚からツノ段差の膜厚を算出した。結果を表1に示す。

表1に示されるように、実施例1と比較して比較例1〜3で得られた赤色感光性組成物を用いて形成された赤色フィルタセグメントのツノ段差はいずれも大きいものとなった。
ツノ段差を示す説明図

Claims (2)

  1. 樹脂、モノマー、光開始剤および着色材を含有する感光性着色組成物であって、上記樹脂の重量平均分子量が20,000以下でありかつ、理論ガラス転移点(理論Tg)が50℃以下であることを特徴とする感光性着色組成物。
  2. 透明基板上に、透過光を着色するフィルタセグメントであって、2種以上の異なる色相のフィルタセグメントを配置して構成されるカラーフィルタ基板において、
    上記着色層のうち、少なくとも一のフィルタセグメントが請求項1に記載の感光性着色組成物を硬化したものであることを特徴とするカラーフィルタ基板。
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