JP2006283955A - 可変イナーシャ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置を大型化することなくイナーシャの変化範囲を増大させ、かつ、制御を簡素化することができる可変イナーシャ装置を提案する。
【解決手段】 フライホイール2と結合するインプットシャフト3上には、フライホイール2の近傍に、ベアリング5を介してイナーシャリング6を回転自在に支持する。イナーシャリング6には、これらフライホイール2とイナーシャリング6との間に位置するようアーマチュア9を取り付ける。コイル12が磁力を発生しない間は、アーマチュア9がフライホイール2の摩擦材11から切り離され、イナーシャリング6のイナーシャがフライホイール2に加算されない。コイル12の磁力がアーマチュア9をフライホイール2の摩擦材11に係合させると、イナーシャリング6のイナーシャがフライホイール2に加算され、イナーシャリング6がフライホイール2と一体に回転する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の駆動系に用いられるフライホイールと同様の機能を具えたイナーシャ装置であって、そのイナーシャを広範囲で可変とする技術に関するものである。
可変イナーシャ装置としては従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
特許文献1に記載の可変回転イナーシャ装置は、フライホイールなどの回転体に、シリンダを半径方向に延在するよう複数配設し、これらシリンダ内には重錘を摺動可能に嵌装し、回転体の中心軸と同軸に設けた回動軸とこれら重錘とをコネクチングロッドで接続して、中心軸から総て重錘までの距離を一致させる。また、シリンダ内の半径外方の端部に設けた作動油圧空間に作動油圧を供給することにより重錘を半径内方へ移動させ、これとは逆に作動油圧空間から作動油圧を排除することにより遠心力で重錘を半径外方へ移動させるようにしたものである。
特開昭63−231034号公報
しかし、上記従来のような可変回転イナーシャ装置にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。つまり重錘の半径方向位置はコネクチングロッドに規制されるため、重錘の移動量が小さく、イナーシャの変化量が小さい。したがって装置全体が大型化する割にはイナーシャの変化幅が小さく、広範囲でイナーシャを変化させて車両の運動性能の向上を図ることができなかった。
また、イナーシャを変化させる主要部品である重錘とコネクチングロッドと回動軸とが一体に連結させていることから、イナーシャの制御のためには、重錘のイナーシャのほか、コネクチングロッドや作動油圧空間内の作動液のイナーシャをも計算しなければならず、制御が複雑になるという問題があった。さらに、装置を構成する部品種類が多いことから、組み付けに工数を要し、全体重量が大きくなって装置自身のイナーシャが大きいという問題もあった。
本発明は、上述の実情に鑑み、部品種類を増加することなく、簡易な制御でイナーシャを広範囲に亘って変化させることができる可変イナーシャ装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明によるは、請求項1に記載のごとく、
回転体の近傍にイナーシャ部材を該回転体と一体回転可能に配置し、これら回転体およびイナーシャ部材を磁力で係合させて該回転体のイナーシャを変更可能に構成したことを特徴としたものである。
かかる本発明の構成によれば、必要なイナーシャが小さい場合には、イナーシャを増大させる質量体であるイナーシャ部材を、回転体であるフライホイールから切り離しておき、必要なイナーシャが大きい場合には、このイナーシャ部材を、フライホイールに係合させて両者を一体回転させることから、イナーシャの変化幅を広範囲にすることができる。
また、磁力を与えて係合状態としたり、磁力を与えないで切り離した状態としたりすることが可能となることから、作動液の移動量を考慮する必要がなく、制御の容易化および構造の簡略化を達成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1および図2は本発明の第一実施例になる可変イナーシャ装置を示す横断面図である。この実施例の可変イナーシャ装置は、エンジンと変速機との間にある駆動伝達経路上に設けられる。図3は、この実施例の可変イナーシャ装置を軸O方向からみた正面図である。
円盤形状のドライブプレート1は、円盤形状のフライホイール2と回転軸Oで同軸に突き合わせて連結する。またドライブプレート1は、フライホイール2と反対側で図示しないエンジンのクランクシャフトと連結する。
フライホイール2の中心は、図示しない変速機側から延在するインプットシャフト3の一端と、ダンパー4を介して連結する。ダンパー4は回転方向の衝撃を吸収する。
インプットシャフト3上には、ベアリング5を介して円盤形状のイナーシャリング6を同軸に支持する。ベアリング5を介することによりイナーシャリング5はインプットシャフト3に対して、相対回転自在である。イナーシャリング6はフライホイール2の近傍に配置するものである。
イナーシャリング6には、アーマチュア9を取り付ける。すなわち、密度が大きい材料で円盤形状に形成した厚肉のイナーシャリング6の外縁には、中空円盤形状に形成した薄肉の外縁部6gを一体に嵌合する。この外縁部6gには、ガイド孔6hを軸O方向に複数穿設し、これらガイド孔6hにはロッド8を貫通させる。ロッド8の断面形状は、ガイド孔6hの断面形状と略同一であり、ガイド孔6hはロッド8を軸O方向に摺動自在に支持する。軸O方向に延在するロッド8におけるフライホイール2側の一端には、外縁部6gと同一形状の中空円盤であるアーマチュア9を一体に結合する。ロッド8の他端には、抜け止めを兼ねた板ばね10を介して外縁部6gと連結する。
板ばね10は、ロッド8を、フライホイール2から遠ざかるよう付勢する。このため、アーマチュア9もフライホイール2から遠ざかるよう付勢され、図1に示すようにアーマチュア9はフライホイール2と切り離されている。
アーマチュア9と対向するフライホイール2の外縁部2gには、摩擦材11を一体に取り付ける。摩擦材11は、外縁部6gやアーマチュア9と同一の中空円盤形状であり、これら外縁部6g、アーマチュア9および摩擦材11を相互に対向配置する。
アーマチュア9から見て、フライホイール2の外縁部2gの背面には、磁力を発生させるコイル12を対向配置する。このため、車体側メンバ13にはブラケット14を、ドライブプレート1とフライホイール2との隙間に介在するよう設ける。ブラケット13はコイル12を、外縁部2gの背面に対向するよう支持する。
次にこの実施例の可変イナーシャ装置の作用について説明する。
アーマチュア9は強磁性体材料からなり、摩擦材11および外縁部2gは磁束が自由に通過できる材料からなる。したがって、コイル12に通電すると、コイル12からの磁束が、摩擦材11および外縁部2gを通過して、アーマチュア9に達し、アーマチュア9は
コイル12に引き寄せられる。
この状態を図2に示すと、コイル12の磁力が板ばね10の付勢力を上回って、アーマチュア9はコイル12に引き寄せられ、摩擦材11と係合する。摩擦材11の表面は肌理が粗く、アーマチュア9は摩擦材11と滑りを生じることはない。フライホイール2は、駆動伝達経路上にあって、軸Oを中心に回転することから、アーマチュア9に回転を入力する。そして、アーマチュア6hおよびイナーシャリング6は、フライホイール2と一体に回転する。つまり、アーマチュア6hおよびイナーシャリング6の分、フライホイール2のイナーシャが増大する。
これに対し、コイル12に通電しない間、コイル12は磁力を発生しない。アーマチュア9は、摩擦材11のある方向へ引き寄せられることなく、板ばね10の付勢力によって外縁部6gに接したまま、外縁部2gから離間する。したがって、アーマチュア6hおよびイナーシャリング6は、フライホイール2に連れ回されることはない。つまり、駆動伝達経路のイナーシャに、イナーシャリング6のイナーシャが加算することはない。
次に、この実施例の作用について説明する。
図4は、この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャとコイル12の磁力(電磁力)との関係を示す図である。コイル12に流れる電流が0から電磁力F_inaに相当する値までは、アーマチュア9は外縁部2gから離間した状態にある。したがって、イナーシャリング1がフライホイール2に全く係合せず、この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはOである。なお、イナーシャはOであるとは、イナーシャリング6のイナーシャが駆動伝達経路上に全く作用しないことを意味し、フライホイール2自身のイナーシャやインプットシャフト3等のイナーシャが駆動伝達経路上に作用すること勿論である。
コイル12に流れる電流が電磁力F_inaに相当する値以上では、イナーシャリング6がアーマチュア9を介してフライホイール2に係合した状態にある。したがって、イナーシャリング6およびアーマチュア9のイナーシャI_inaが加算され、図4に示すように駆動伝達経路のイナーシャは増大する。
次に、本発明の第2実施例になる可変イナーシャ装置について説明する。なお、上記実施例と共通する部材については同じ符号と付して説明を省略し、異なる部材については新たに符号を付して説明する。
図5は、第2実施例になる可変イナーシャ装置を、軸Oを含む平面で切断して示す縦断面図である。この実施例では、1つのイナーシャリング6の代わりに、複数のイナーシャリング16,16,16・・・・をインプットシャフト3上に設ける。
イナーシャリング16の外縁部には、前述したアーマチュアを特に設けていないが、これらイナーシャリング16を強磁性体材料で薄肉円盤形状に形成する。
イナーシャリング16の中心には、イナーシャリング16を回転可能とするためのベアリング機構15を設け、ベアリング機構15のハブに設けた孔16hにインプットシャフト3を挿通する。インプットシャフト3の表面には軸O方向に延在するスプライン溝17を刻設し、孔16hの内周にも同様のスプライン溝17を刻設し、両者をスプライン嵌合させる。
これにより、イナーシャリング16は、インプットシャフト3に対して相対回転可能である。またイナーシャリング16は、ベアリング機構15とともに、インプットシャフト3上を軸O方向に摺動することが可能である。
インプットシャフト3におけるフライホイール外縁部2gと略同軸位置には、インプットシャフト3の全外周にわたり止めリング18を一体に結合する。止めリング18と、フライホイール2に最も近い位置に配設されたイナーシャリング16との間には、板ばね19を縮設する。板ばね19はこのイナーシャリング16を止めリング18から遠ざかる方向に付勢する。このため図5に示すように、このイナーシャリング16はフライホイール外縁部2gから離間するものである。
同様に、隣り合うイナーシャリング16間にも板ばね19をそれぞれ縮設する。このため図5に示すように、各イナーシャリング16は相互に離間するものである。
次にこの実施例の可変イナーシャ装置の作用について説明する。
この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャとコイル12の磁力(電磁力)との関係を図6に示すと、コイル12に通電する電流が0から電磁力F1に相当する値までの間は、コイル12が磁力を発生しないか、コイル1の磁力が微弱なため、各イナーシャリング16は板ばね19の付勢力によってフライホイール外縁部2gから離間したままである。したがって、イナーシャリング16がフライホイール2に全く係合せず、この実施例になる可変イナーシャ装置のイナーシャは0である。なお、イナーシャは0であるとは、すべてのイナーシャリング16のイナーシャが駆動伝達経路上に全く作用しないことを意味し、フライホイール2自身のイナーシャやインプットシャフト3等の自己のイナーシャは駆動伝達経路上に作用すること勿論である。
コイル12に通電する電流が電磁力F1からF2に相当する値までの間は、フライホイール2に最も近い位置にある1個のイナーシャリング16が、板ばね19の付勢力に抗してフライホイール2に係合する程の磁力がコイル12で発生する。したがって、当該1個
のイナーシャリング16がフライホイール2方向に引き寄せられてフライホイール2に取り付けた摩擦部材11に係合する。ゆえにこの実施例になる可変イナーシャ装置のイナーシャはI1となる(0<I1)。
コイル12に通電する電流が電磁力F2からF3に相当する値までの間は、フライホイール2に近い位置にある2個のイナーシャリング16がフライホイール2に係合する程の磁力がコイル12で発生する。したがって、当該2個のイナーシャリング16が合わさってフライホイール2方向に引き寄せられてフライホイール2に取り付けた摩擦部材11に係合する。ゆえにこの実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはI2となる(I1<I2)。
コイル12に通電する電流が電磁力F3からF4に相当する値までの間は、フライホイール2に近い位置にある3個のイナーシャリング16がフライホイール2に係合する程の磁力がコイル12で発生する。したがって、当該3個のイナーシャリング16が合わさってフライホイール2方向に引き寄せられてフライホイール2に取り付けた摩擦部材11に係合する。ゆえにこの実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはI3となる(I2<I3)。
上記のように、コイル12に通電する電流を大きくするにつれて、この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはI4,I5・・・・Ih・It・・と図6に示すように連続的に変化させることができる。
次に、この可変イナーシャ装置を用いたイナーシャ制御について説明する。
車両発進時および加速時には、コイル12に通電せず、イナーシャを0にする。これにより、エンジン回転を速く上昇させることができる。
車両減速時には、コイル12に通電して、イナーシャを大きくする。
そして車両が停止する際には、電磁力Ftに相当する電流値をコイル12に通電する。
これにより、イナーシャを0からItまで連続的に増大させて、エンストの防止と、騒音および振動の低減を図ることができる。
ところで、前述した第1実施例では、図4に示すようにイナーシャが不連続に変化するため、走行中にショックなどの違和感が生じる虞がある。
しかし、この第2実施例では、図6に示すようにイナーシャを連続的に変化させることができることから、イナーシャの不連続的な変化を回避して走行中の違和感を防止することができる。
次に、本発明の第3実施例になる可変イナーシャ装置について説明する。なお、上記実施例と共通する部材については同じ符号と付して説明を省略し、異なる部材については新たに符号を付して説明する。
図7は、第3実施例になる可変イナーシャ装置を、軸Oを含む平面で切断して示す縦断面図である。この実施例では、複数同一形状のイナーシャリング16の代わりに、質量が異なる複数のイナーシャリング16a,16b,16cをインプットシャフト3上に設ける。
強磁性体材料で薄肉円盤形状に形成したイナーシャリング16a,16b,16cは、基本的には前述した第2実施例のイナーシャリング16と同一である。ただしこの実施例では、イナーシャリング16a,16b,16cの厚みのみをそれぞれ異ならせ、質量が軽くイナーシャの小さなイナーシャリング16aと、質量が重くイナーシャの大きなイナーシャリング16cと、これらの中間の質量でこれらの中間のイナーシャであるイナーシャリング16bとを具えている。
フライホイール2の近くには、イナーシャの小さなイナーシャリング16aを3つ直列に配置する。
フライホイール2からみてイナーシャリング16aより遠い側には、中間のイナーシャであるイナーシャリング16bを3つ直列に配置する。
フライホイール2からみてイナーシャリング16bより遠い側には、イナーシャの大きなイナーシャリング16cを3つ直列に配置する。
次にこの実施例の可変イナーシャ装置の作用について説明する。
この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャとコイル12の磁力(電磁力)との関係を図8に示すと、コイル12に通電する電流が0から電磁力Faに相当する値までの間は、コイル12が磁力を発生しないか、コイル1の磁力が微弱なため、各イナーシャリング16は板ばね19の付勢力によってフライホイール外縁部2gから離間したままである。したがって、イナーシャリング16aがフライホイール2に全く係合せず、イナーシャは0である。なお、イナーシャはOであるとは、すべてのイナーシャリング16a、16b、16cのイナーシャが駆動伝達経路上に全く作用しないことを意味し、フライホイール2自身のイナーシャやインプットシャフト3等のイナーシャが駆動伝達経路上に作用すること勿論である。
コイル12に通電する電流が電磁力FaからFbに相当する値までの間は、フライホイール2に最も近い位置にある1個のイナーシャリング16aが、板ばね19の付勢力に抗してフライホイール2に係合する程の磁力がコイル12で発生する。したがって、この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはIaとなる(0<Ia)。
コイル12に通電する電流が電磁力FbからFcに相当する値までの間は、フライホイール2に近い位置にある2個のイナーシャリング16aがフライホイール2に係合する程の磁力がコイル12で発生する。したがって、この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはIbとなる(Ia<Ib)。
コイル12に通電する電流が電磁力FcからFdに相当する値までの間は、フライホイール2に近い位置にある3個のイナーシャリング16aがフライホイール2に係合する程の磁力がコイル12で発生する。したがって、この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはIcとなる(Ib<Ic)。
コイル12に通電する電流が電磁力FdからFeに相当する値までの間は、フライホイール2に近い位置にある3個のイナーシャリング16aおよびイナーシャリング16bがフライホイール2に係合する程の磁力がコイル12で発生する。したがって、この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはIdとなる(Ic<Id)。
上記のように、コイル12に通電する電流を大きくするにつれて、この実施例の可変イナーシャ装置のイナーシャはIc,Id・・・・Ih・It・・と図8に示すように連続的に変化させることができる。さらに、イナーシャが小さな領域では、きめ細かな制御が、可変イナーシャ装置のイナーシャが大きな領域では、応答性の良い制御が可能となる。
次に、この可変イナーシャ装置を用いたイナーシャ制御について説明する。
車両発進時および加速時には、コイル12に通電せず、イナーシャを0にする。これにより、エンジン回転を速く上昇させることができる。
車両減速時には、コイル12に通電して、イナーシャを大きくする。
そして車両が停止する際には、電磁力Ftに相当する電流値をコイル12に通電する。
これにより、イナーシャを0からItまで連続的に増大させて、エンストの防止と、騒音および振動の低減を図ることができる。
ところで、前述した第2実施例では、図6に示すようにイナーシャを連続的に変化させることができるものの、薄いイナーシャリング16および板ばね19を多量に組み付けねばならず、部品点数が多くなって組立作業を効率よく行うことができない。
しかし、この第3実施例では、イナーシャが異なる3種類のイナーシャリング16a、16b、16cを効果的に配置することから、イナーシャを連続的に変化させることは勿論のこと、フライホイール2を含む回転部材に係るイナーシャの絶対量が小さな領域ではイナーシャの微調整を可能にし、このイナーシャの絶対量が大きな領域ではイナーシャを大きく変化させることを可能にして、イナーシャ制御の応答性の向上を達成することができる。
さらに、前述した第2実施例よりも部品点数を低減して、組立作業を効率化を達成することができる。
このように、上記各実施例においては、回転体であるフライホイール2の近傍に、イナーシャリング6をこのフライホイール2と一体回転可能に配置する。そして、これらフライホイール2およびイナーシャリング6をコイル12の磁力で係合可能としたことから、
イナーシャが不必要なときは0にすることが可能となり、イナーシャが必要なときは大きなイナーシャをフライホイール2に加算することが可能となり、フライホイール2を有する駆動伝達経路のイナーシャの変化幅を広範囲にすることができる。この結果、車両の走行性能の向上に益すること大である。
また、上記各実施例においては、ベアリング5(ベアリング機構15)を用いて、イナーシャリング6,16,16a、16b、16cを、インプットシャフト3上で回転体であるフライホイール2と同軸に相対回転自在に支持したことから、
イナーシャリング6の配置の都合上、およびレイアウト上有利なものとなる。
さらに、上記第1実施例においては、イナーシャリング6とフライホイール2との係合箇所である外縁部2g,6gにあって、一方の外縁部6gには、外縁部2gと外縁部6gとの間で相対移動可能なアーマチュア9を取り付け、コイル12の磁力でアーマチュア9を他方の外縁部2gに係合させることにより、フライホイール2とイナーシャリング6とを係合可能としたことから、
イナーシャリング6全体を軸O方向に摺動させて係合する構成よりも、少ない磁力で係合することが可能になる。したがってコイル12への通電を省力化して節電に資することができる。
また、図5に示した第2実施例においては、イナーシャリング16を複数具え、コイル12の磁力が強いほど、多くのイナーシャ部材16,16・・・がフライホイール2に係合することから、
図6に示すように可変イナーシャ装置のイナーシャをI1,I2,I3,I4,I5・・・Ih・・・It・・・と連続的に変化させることができる。したがって、図4に示すようなイナーシャの不連続的な変化を回避して走行中の違和感を防止することができる。
そして、図7に示した第3実施例においては、複数のイナーシャリング16a・・,16b・・,16c・・の各イナーシャが相互に異なるものであって、フライホイール2に近い方のイナーシャリングのイナーシャは小さく、フライホイール2から離れるに従ってイナーシャリングのイナーシャは段階的に大きくなるよう、配置したものである。
このため、連続的なイナーシャ制御を可能にして、磁力が強いほどイナーシャを増大させることができる他、図8に示すようにイナーシャの小さな領域(Ia,Ib,Ic・・・)では、イナーシャの微調整を可能にしつつ、イナーシャの大きな領域(Ih,It・・・)では、イナーシャを大きく変動させてイナーシャ制御の応答性を高めることができる。そして、イナーシャリングの部品点数を削減して、組み立て効率の向上を実現することができる。
本発明の第1実施例になる可変イナーシャ装置のアーマチュア切り離し状態を示す縦断面図である。 同実施例の可変イナーシャ装置のアーマチュア係合状態を示す縦断面図である。 同実施例の可変イナーシャ装置の正面図である。 同実施例の可変イナーシャ装置の電磁力とイナーシャとの関係を示す図である。 本発明の第2実施例になる可変イナーシャ装置を示す縦断面図である。 同実施例の可変イナーシャ装置の電磁力とイナーシャとの関係を示す図である。 本発明の第3実施例になる可変イナーシャ装置を示す縦断面図である。 同実施例の可変イナーシャ装置の電磁力とイナーシャとの関係を示す図である。
符号の説明
1 ドライブプレート
2 フライホイール
3 インプットシャフト
6 イナーシャリング
9 アーマチュア
11 摩擦材
12 コイル
16 イナーシャリング
16a, 16b, 16c イナーシャリング

Claims (5)

  1. 回転体の近傍にイナーシャ部材を該回転体と一体回転可能に配置し、これら回転体およびイナーシャ部材を磁力で係合させて該回転体のイナーシャを変更可能に構成したことを特徴とする可変イナーシャ装置。
  2. 請求項1に記載の可変イナーシャ装置において、
    前記イナーシャ部材を、前記回転体と同軸上に相対回転自在に支持したことを特徴とする可変イナーシャ装置。
  3. 請求項1または2に記載の可変イナーシャ装置において、
    前記イナーシャ部材と回転体との係合箇所であって、該イナーシャ部材または回転体のいずれか一方の部材には、これらの間で相対移動可能なアーマチュアを取り付け、磁力で該アーマチュアを他方の部材に係合させることにより、これら回転体とイナーシャ部材とを係合させることを特徴とする可変イナーシャ装置。
  4. 請求項1または2に記載の可変イナーシャ装置において、
    前記イナーシャ部材を複数具え、前記磁力が強いほど、多くのイナーシャ部材が前記回転体に係合するよう構成したことを特徴とする可変イナーシャ装置。
  5. 請求項4に記載の可変イナーシャ装置において、
    前記複数のイナーシャ部材の各イナーシャを相互に異ならせ、前記磁力が強いほど、イナーシャのより大きなイナーシャ部材が前記回転体に係合するよう構成したことを特徴とする可変イナーシャ装置。

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