JP2006283925A - 回転軸シール装置 - Google Patents

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JP2006283925A JP2005107347A JP2005107347A JP2006283925A JP 2006283925 A JP2006283925 A JP 2006283925A JP 2005107347 A JP2005107347 A JP 2005107347A JP 2005107347 A JP2005107347 A JP 2005107347A JP 2006283925 A JP2006283925 A JP 2006283925A
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眞幸 細谷
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Abstract

【課題】
コンパクトな構成ながら、排気ポンプの異常時に対応できる回転軸シール装置を提供する。
【解決手段】
排気ポンプP1の吸引力が低下したことに応じて、貯留部2kから磁性流体MLを追い出し、捕捉部2mが、開口2aと回転軸3との間に磁気回路を形成することにより、追い出された磁性流体MLを、開口2aと回転軸3との間で架橋するように捕捉するので、排気ポンプP1に異常が生じた場合でも、自動的にハウジング2内の雰囲気を隔離でき、処理中のワークを損なうことが抑制される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、回転軸シール装置に関し、たとえば外部環境から隔離されたハウジング内に対して回転軸をシールする回転軸シール装置に関する。
半導体製造装置などにおいては、真空や特殊ガス雰囲気に維持したプロセス室内で、ワークをステージに載置して移動させて加工処理することが行われている。ここで、プロセス室内のワークを加工するために、ワークもしくは工具を移動させる必要がある。
例えばプロセス室の外部に駆動源を設け、それに連結した回転軸をハウジングの開口を介してプロセス室内へと延在させ、かかる回転軸を介して駆動力をワークや工具に伝達することが考えられる。ここで、プロセス室内における大気とは異なる特殊な環境をどのように維持するかが問題となる。特許文献1には、転がり軸受と差動排気シールとを備えた回転導入機が開示されている。
特開2003−314572号公報
ところで、特許文献1の回転導入機において、差動排気シールは非接触でプロセス室と大気側との間を隔絶できるという利点のある一方、その1つの課題は、差圧室に接続された排気ポンプに異常が生じると、差圧室の気圧が上昇し、差動排気シールの密封効果が低下するため、プロセス室内の気圧も上昇し、それにより処理中のワークが損なわれる恐れがあるということである。これに対し、予備の排気ポンプを用意しておき、排気ポンプの異常時にこれとつなぎ代えることもできるが、かかる場合、予備の排気ポンプ用のスペースが余分に必要となり、またコストも増大する。
そこで本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、コンパクトな構成ながら、排気ポンプの異常時に対応できる回転軸シール装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第1の本発明の回転軸シール装置は、内部が外部と異なる環境に維持されたハウジングの開口を介して、前記ハウジングの外部から内部へと延在する回転軸を、前記開口に対して密封する回転軸シール装置において、
前記回転軸の周囲に形成されたオリフィス部と、排気通路を介して排気ポンプに接続された差圧室とを含む差動排気シールと、
磁性流体を貯留する貯留部と、
前記排気通路内の圧力が上昇したことに応じて、前記貯留部から磁性流体を移動させる駆動手段と、
前記開口と前記回転軸との間に磁気回路を形成することにより、移動した磁性流体を、前記開口と前記回転軸との間で架橋するように捕捉する捕捉部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、前記駆動手段が、前記排気通路内の圧力が上昇したことに応じて、前記貯留部から磁性流体を移動させ、前記捕捉部が、前記開口と前記回転軸との間に磁気回路を形成することにより、移動した磁性流体を、前記開口と前記回転軸との間で架橋するように捕捉するので、例えば前記排気ポンプに異常が生じた場合でも、自動的に且つ迅速に前記ハウジング内の雰囲気を隔離でき、処理中のワークを損なうことが抑制される。「磁性流体」とは、磁性微粒子を界面活性剤を用いて安定に分散させた液体であって、「強磁性」という磁性体としての性質と、「流動性」という液体の性質とを兼ね備えているものをいうが、真空雰囲気で用いるには、蒸気圧の関係からフッ素油ベースのものが好ましい。
更に、前記駆動手段は、前記差圧室の近傍に配置された圧力溜まり部と、前記圧力溜まり部と前記貯留部とを連通する通路とを含むと、例えば前記排気ポンプの異常に応じて前記差圧室の圧力が高まったときに、それに応じて前記圧力溜まり部の圧力も高まるので、かかる圧力を利用して前記通路を介して前記貯留部の磁性流体を移動させることができる。
更に、前記駆動手段は、前記貯留部の近傍に配置された極片と、前記排気通路内の圧力が所定値未満の場合には前記極片より離れた第1の位置に保持され、前記排気通路内の圧力が所定値以上となったときに前記極片に近接する第2の位置へと移動する磁石とを含むと、前記第1の位置に前記磁石が保持されているときは、前記捕捉部において磁気回路が形成されないようにし、前記第2の位置へと前記磁石が移動したときは、前記磁石の磁力を用いて前記捕捉部において磁気回路が形成され、それにより前記貯留部にある前記磁性流体を移動させ前記捕捉部において捕捉することができる。なお、ここで「極片」とは、磁場が印加されたときのみ磁化が発生する部材をいい、例えば純鉄などの軟磁性体を含む。又、「磁石」とは、磁石単体でも良いが、磁石と極片を組み合わせたものも含む。
更に、前記磁石は、前記排気通路内の圧力を用いて前記第1の位置に保持されており、前記排気通路内の圧力が所定値以上となったときに、前記極片との間に作用する磁力により前記第2の位置へと移動すると、前記第1の位置から前記第2の位置への前記磁石の移動を、例えば前記排気ポンプの異常に応じて自動的に行うことができる。
更に、前記磁石は、前記第1の位置に保持されているときに、前記排気通路に連通する吸引開口を遮蔽すると、前記第1の位置から前記第2の位置への前記磁石の移動を、前記排気ポンプの異常に応じて自動的に行うことができる。
更に、前記磁石を前記第2の位置へと付勢する弾性手段を有すると、その弾性力を用いて前記第1の位置から前記第2の位置への前記磁石の移動を支援することができる。
更に、前記第2の位置へと移動した磁石を、前記第1の位置へと戻すリセット手段が設けられていると好ましい。
本明細書中で用いる差動排気シールとは、例えば対向する2面(例えばハウジング開口内周面と回転軸外周面)間の微小な間隙にある気体を前記2面間に設けられた差圧室を介して排気することにより、非接触の状態で、対向面を挟む両側の雰囲気(例えば大気圧と高真空)を一定の状態に保つように機能するものをいう。以下に述べる実施の形態においては、差圧室とそれに隣接するオリフィス部(ここでは円筒面)を差動排気シールという。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。図1〜3は、第1の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。図1〜3において、ハウジング(真空チャンバともいう)2は、不図示のターボ分子ポンプに接続され、高真空状態に維持されるプロセス室Pを、その内部に有している。ハウジング2の一面に設けられた開口2aに、回転軸3が挿入されている。回転軸3は、不図示の軸受により、ハウジング2に対して回転自在に支持されている。なお、回転軸3は、強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。
開口2aには、外部の大気側より順に、第4オリフィス部2b、周溝である第3差圧室2c、第3オリフィス部2d、周溝である第2差圧室2e、第2オリフィス部2f、周溝である第1差圧室2g、第1オリフィス部2h、周溝である圧力溜まり部2j、磁性流体MLを貯留する周溝である貯留部2k、捕捉部2mが形成され又は配置されている。圧力溜まり部2jと貯留部2kとは、軸線方向に且つ貯留部2kに向かって半径方向内方に延在する1つもしくは複数の通路2wにより連通されている。なお、磁性流体MLは、通常の状態では、表面張力と粘性とにより、ハウジング2の姿勢に関わらず、貯留部2kに留まるようになっており、また表面張力と粘性とが比較的強いため、通路2wを介して圧力溜まり部2j側に漏れ出すことはない。圧力溜まり部2jと通路2wとで駆動手段を構成する。
第1差圧室2gは、排気通路2xを介して外部の第1排気ポンプP1に接続され、第2差圧室2eは、排気通路2yを介して外部の第2排気ポンプP2に接続され、第3差圧室2cは、排気通路2zを介して外部の第3排気ポンプP3に接続されている。オリフィス部2b、2d、2f、2hと、回転軸3との間のスキマは10μm程度に維持される。
捕捉部2mは、開口2aに形成された周溝2n内に配置された一対の環状の極片2s、2tと、両極片間に配置された円筒状の永久磁石2vとから構成されている。極片2s、2tは、強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。永久磁石2vは、厚み方向に着磁され、ここでは大気側がS極、プロセス室P側がN極となっているが、この逆でもかまわない。永久磁石2vの種類は問わないが、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石、マンガンアルミ磁石等が好適に用いられる。回転軸3は強磁性体であるので、磁石2v−極片2s−回転軸3−極片2t−磁石2vという磁気回路が形成されている(図1の点線参照)。極片2s、2tと回転軸3とのギャップは、0.01〜0.5mm程度であるので、製造上の困難性を回避しながら、高い磁束密度の磁気回路が形成される。
次に、本実施の形態にかかる回転軸シール装置の動作について説明する。回転軸3の図で右端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続されており、回転軸3を回転駆動するようになっている。このとき、回転軸3は、不図示の軸受により回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、ハウジング2に対して回転可能となっている。
差動排気シールの作用について説明すると、オリフィス部2b、2d、2f、2hにおいて、開口2aと回転軸3とのクリアランスを極力小さくして気体の流れを制限すると、大気側から流入する気体(一般的にはエア)の量が少なくなる。流入するガスのほとんどの量を差圧室2c、2e、2gから排気すると、プロセス室P側への気体の流入は極めて微量となる。したがって、回転軸3が回転(又は直動)自在に開口2aを貫通しているにもかかわらず、プロセス室Pは気密的に隔離された状態を得ることができる。即ち、非接触状態で回転軸3とハウジング2との間を気密できるため、シールからの発塵・アウトガスがなく、長寿命で、さらに温度に寿命が依存しないという特長を有する。
ところで、回転軸シール装置において、排気ポンプに何らかの異常が発生し、その吸引力が低下する場合がある。排気ポンプの吸引力が低下すると、差動排気シールの能力が低下し、プロセス室Pに大気が流入して、処理中のワークを損ねる恐れがある。本実施の形態の回転軸シール装置によれば、かかる不具合を解消もしくは緩和できる。
例えば、図2において、第1の排気ポンプP1に異常が生じたものとする。すると、第1の差圧室2g内の気圧が上昇し、捕捉部2m側との間に差圧が生じる。なお、排気ポンプP2またはP3に異常が生じた場合も、程度の差はあっても同様の状況となる。ここで、第1の差圧室2gに隣接した圧力溜まり部2j内の気圧も上昇し、それにより通路2wを介して貯留部2kに吹き出す空気流が生じ、そこに貯留されていた磁性流体MLを捕捉部2m側に追い出すこととなる。
ここで、上述したように、回転軸3と極片2tとの間には磁気回路の一部が形成されているので、図3に示すように、追い出された磁性流体MLは、回転軸3と極片2tとの間に架橋するようにして捕捉されるが、その表面張力により周方向全体に広がって一様な膜を形成する。かかる磁性流体MLの膜により、回転軸3とハウジング2の開口2aとの間が遮蔽され、プロセス室Pを大気側から隔離し真空度を維持することができるので、プロセス室Pにおいてワークの処理中であったとしても、それを損ねることが回避される。かかる動作は瞬時に行われるので、プロセス室Pへの空気の流入は僅かで済む。又、回転軸3を停止させる必要はなく、処理中のワークに与える影響も少ない。同様な作用は、排気ポンプP2又はP3が異常となった場合にも生じ、或いはいずれかの排気ポンプまでの配管が損傷して大気が侵入した場合にも生じる。
排気ポンプP1が異常から復帰した場合、回転軸3と極片2tとの間に捕捉されている磁性流体MLは、吸引されて不図示の排出路から貯留部2kへと戻されることで、図1に示す状態に復帰する。なお、極片2s、2tは必ずしも必須ではなく、これを省略し、磁石2vと回転軸3との間に磁気回路を直接形成しても良い。
図4、5は、第2の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。図4、5において、ハウジング(真空チャンバともいう)12は、不図示のターボ分子ポンプに接続され、高真空状態に維持されるプロセス室Pを、その内部に有している。ハウジング12の一面に設けられた開口12aに、回転軸3が挿入されている。回転軸3は、不図示の軸受により、ハウジング12に対して回転自在に支持されている。なお、回転軸3は、強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。
開口12aには、外部の大気側より順に、第4オリフィス部12b、周溝である第3差圧室12c、第3オリフィス部12d、周溝である第2差圧室12e、第2オリフィス部12f、周溝である第1差圧室12g、第1オリフィス部12h、捕捉部12m、磁性流体MLを貯留する周溝である貯留部12kが形成され又は配置されている。なお、磁性流体MLは、通常の状態では、表面張力と粘性とにより、ハウジング12の姿勢に関わらず、貯留部12kに留まるようになっている。
第1差圧室12gは、排気通路12xを介して外部の第1排気ポンプP1に接続され、第2差圧室12eは、排気通路12yを介して外部の第2排気ポンプP2に接続され、第3差圧室12cは、排気通路12zを介して外部の第3排気ポンプP3に接続されている。排気通路12xの一部は分岐して、周溝12nの側壁に開口(すなわち吸引開口12p)している。本実施の形態では、かかる開口を環状溝状の圧力溜まり部12pとしているが、圧力溜まり部12pの形状は、後述する極片12tで覆われる形状であれば任意である。圧力溜まり部12pの周囲に形成された2重の周溝内に、O−リングORが配置されている。オリフィス部12b、12d、12f、12hと、回転軸3との間のスキマは10μm程度に維持される。
捕捉部12mは、開口12aに形成された周溝12n内において、貯留部12kに隣接して配置された環状の極片12sと、スベリ軸受12uにより周溝12n内を軸線方向に一体的に移動自在に配置された円筒状の永久磁石12v及び環状の極片12tとから構成されている。駆動手段を構成する永久磁石12vと極片12tとは接着されていても良いが、磁力で互いに吸着しているだけでも良い。スベリ軸受12uは必ずしも必須の構成ではなく、永久磁石12vと極片12tとが周溝12n内で軸線方向に移動できれば良い。
極片12s、12tは、強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。永久磁石12vは、厚み方向に着磁され、ここでは大気側がS極、プロセス室P側がN極となっているが、この逆でもかまわない。永久磁石12vの種類は問わないが、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石、マンガンアルミ磁石等が好適に用いられる。なお、図4に示す通常の動作時には、極片12sと回転軸3との間には磁気回路が形成されていないので、磁性流体MLは貯留部12kに貯留されたままとなる。
次に、本実施の形態にかかる回転軸シール装置の動作について説明する。回転軸3の図で右端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続されており、回転軸3を回転駆動するようになっている。このとき、回転軸3は、不図示の軸受により回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、ハウジング12に対して回転可能となっている。このとき、第1の排気ポンプP1の吸引力により、排気通路12x内が負圧になるので、それに連通した圧力溜まり部12pも負圧になり、極片12tの平面である側面は、圧力溜まり部12pを遮蔽するようにして周溝12nの側壁に密着し固定され、O−リングORにより密封されることで、第1の差圧室12gの負圧状態は保たれる。
差動排気シールの作用について説明すると、オリフィス部12b、12d、12f、12hにおいて、開口12aと回転軸3とのクリアランスを極力小さくして気体の流れを制限すると、大気側から流入する気体(一般的にはエア)の量が少なくなる。流入するガスのほとんどの量を差圧室12c、12e、12gから排気すると、プロセス室P側への気体の流入は極めて微量となる。したがって、回転軸3が回転(又は直動)自在に開口12aを貫通しているにもかかわらず、プロセス室Pは気密的に隔離された状態を得ることができる。即ち、非接触状態で回転軸3とハウジング12との間を気密できるため、シールからの発塵・アウトガスがなく、長寿命で、さらに温度に寿命が依存しないという特長を有する。
ここで、図4において、第1の排気ポンプP1に異常が生じ、排気通路12x内の圧力が所定値以上に上昇したものとする。なお、排気ポンプP2あるいはP3に異常が生じた場合も、程度の差はあっても同様の状況となる。すると、第1の差圧室12g内の気圧が上昇し、圧力溜まり部12p内の気圧も上昇するので、周溝12nとの間に差圧が生じる。従って極片12tを左方へ押し出そうとする力が生じ、更に極片12sと永久磁石12vとの間に生じる磁力に引かれて、永久磁石12vと極片12tとは、図4に示す第1の位置から、一体で軸線方向へと移動し、図5に示す第2の位置へに到達し、永久磁石12vは極片12sに吸着することとなる。
このとき、回転軸3は強磁性体であるので、磁石12v−極片12s−回転軸3−極片12t−磁石12vという磁気回路が形成されることとなる(図5の点線参照)。極片12s、12tと回転軸3とのギャップは、0.01〜0.5mm程度であるので、高い磁束密度の磁気回路が形成される。
回転軸3と極片12sとの間に磁気回路の一部が形成されると、図5に示すように、貯留部12kの磁性流体MLは、その磁力により吸引されて移動し、回転軸3と極片12sとの間に架橋するようにして捕捉されるが、その表面張力により周方向全体に広がって一様な膜を形成する。かかる磁性流体MLの膜により、回転軸3とハウジング12の開口12aとの間が遮蔽され、プロセス室Pを大気側から隔離し真空度を維持することができるので、プロセス室Pにおいてワークの処理中であったとしても、それを損ねることが回避される。かかる動作は瞬時に行われるので、プロセス室Pへの空気の流入は僅かで済む。又、回転軸3を停止させる必要はなく、処理中のワークに与える影響も少ない。排気通路12xにおける圧力の上昇は、排気ポンプP2又はP3もしくは配管12y、12zが異常となった場合にも生じ、或いはいずれかの排気ポンプまでの配管が損傷して大気が侵入した場合にも生じるため、同様な作用が期待できる。
排気ポンプP1が異常から復帰した場合、回転軸3と極片12sとの間に捕捉されている磁性流体MLは、吸引されて不図示の排出路から貯留部12kへと戻されることで、図4に示す状態に復帰する。なお、極片12s、12tは必ずしも必須ではなく、これを省略し、磁石12vのみを貯留部12kの近傍に移動させて、回転軸3との間に磁気回路を直接形成しても良い。
図6は、本実施の形態の変形例にかかる回転軸シール装置を示す断面図であり、図7,8は、図6の構成の矢印VII部を拡大して示す図である。本変形例については、図4,5の実施の形態に対して、異なる点のみを説明し、共通する構成に関しては同じ符号を付すことで説明を省略する。
本変形例においては、ハウジング側に貯留部を設ける代わりに、回転軸側に貯留部を設けている。より具体的に説明すると、図7に示すように、回転軸13は、外表面において平行に並んだ細い周溝状の貯留部13bを形成している。各貯留部13b内には、磁性流体MLが貯留されている。磁性流体MLは、通常の状態では、表面張力と粘性とにより、回転軸13の回転に関わらず、貯留部13bに留まるようになっている。隣接する貯留部13bの間には、貯留部13bよりも外径が大きいランド部13aが形成されている。具体的には、極片12s’と回転軸13のランド部13aとのギャップΔ1は、0.01〜0.5mm程度であり、極片12s’と回転軸13の貯留部13bとのギャップΔ2は、0.5〜5mm程度である。ギャップΔ2を0.5mm未満とした場合、極片12s’が磁化されたときに、貯留部13bに対しても磁気回路が形成され、貯留されている磁性流体MLを移動させる効果が小さくなる。一方、ギャップΔ2を5mmを超えて設定した場合、極片12s’が磁化されたときに、貯留部13bに貯留されている磁性流体MLを吸引する磁力が小さくなる。なお、ハウジング12の周溝12n内に配置された極片12s’は、軸線方向に並んだ全てのランド部13aに対向できるように軸線方向幅が大きくなっている。
通常動作時には、図4,5に示す実施の形態と同様に動作する。又、図6において、例えば、第1の排気ポンプP1に異常が生じ排気通路12x内の圧力が所定値以上上昇したものとすると、第1の差圧室12g内の気圧が上昇し、圧力溜まり部12p内の気圧も上昇するので、周溝12nとの間に差圧が生じる。それにより極片12tを左方へ押し出そうとする力が生じ、更に極片12s’と永久磁石12vとの間に生じる磁力に引かれて、永久磁石12vと極片12tとは、図7に示す第1の位置から、一体で軸線方向へと移動し、図8に示す第2の位置へに到達し、永久磁石12vは極片12s’に吸着することとなる(図8参照)。
このとき、回転軸13は強磁性体であり、上述したようにランド部13aと極片12s’とが近接しているので、磁石12v−極片12s’−回転軸13のランド部13a−極片12t−磁石12vという磁気回路が形成されることとなる。極片12s’、12tと回転軸13のランド部13a又は表面とのギャップは、0.01〜0.5mm程度であるので、高い磁束密度の磁気回路が形成される。
回転軸13のランド部13aと極片12s’との間に磁気回路の一部が形成されると、図8に示すように、各貯留部13bの磁性流体MLは、その磁力により吸引されて移動し、最も近い回転軸13のランド部13aと極片12s’との間に架橋するようにして捕捉されるが、その表面張力により周方向全体に広がって一様な膜を形成する。かかる磁性流体MLの複数(ここでは6枚)の膜により、回転軸13とハウジング12の開口12aとの間が強固に遮蔽され、プロセス室Pを大気側から隔離し真空度を維持することができるので、プロセス室Pにおいてワークの処理中であったとしても、それを損ねることが回避される。かかる動作は瞬時に行われるので、プロセス室Pへの空気の流入は僅かで済む。又、回転軸13を停止させる必要はなく、処理中のワークに与える影響も少ない。
排気ポンプP1が異常から復帰した場合、回転軸13と極片12s’との間に捕捉されている磁性流体MLは、吸引されて不図示の排出路から貯留部13bへと戻されることで、図7に示す状態に復帰する。なお、極片12s’、12tは必ずしも必須ではなく、これを省略し、磁石12vのみを貯留部13bの近傍に移動させて、回転軸13との間に磁気回路を直接形成しても良い。
なお、以上の実施の形態で、異常時の動作を確実に行わせるために、圧力溜まり部12pを排気通路12xに連通させ、また密封機能を得るためにO−リングORを配置しているが、必ずしもその必要はない。
図9〜14は、第3の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。図12において、ハウジング(真空チャンバともいう)22は、不図示のターボ分子ポンプに接続され、高真空状態に維持されるプロセス室Pを、その内部に有している。ハウジング22の一面に設けられた開口22aに、回転軸3が挿入されている。回転軸3は、不図示の軸受により、ハウジング22に対して回転自在に支持されている。なお、回転軸3は、強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。
開口22aには、外部の大気側より順に、磁性流体MLを貯留する周溝である第1の貯留部22k、第1の捕捉部22m、磁性流体MLを貯留する周溝である第2の貯留部22k’、第2の捕捉部22m’、第3オリフィス部22d、周溝である第2差圧室22e、第2オリフィス部22f、周溝である第1差圧室22g、第1オリフィス部22hが形成され又は配置されている。第1の貯留部22kは、ハウジング22内に形成された第1の供給通路23kを介して外部に連通しており、また第2の貯留部22k’は、ハウジング22内に形成された第2の供給通路23k’を介して外部に連通している。なお、磁性流体MLは、通常の状態では、表面張力と粘性とにより、ハウジング22の姿勢に関わらず、貯留部22k、22k’に留まるようになっている。オリフィス部22d、22f、22hと、回転軸3との間のスキマは10μm程度に維持される。
第1差圧室22gは、排気通路22xを介して外部の第1排気ポンプP1に接続され、第2差圧室22eは、排気通路22yを介して外部の第2排気ポンプP2に接続されている。排気通路22xの一部は分岐して、周溝22n’の側壁に開口(すなわち吸引開口22p’)している。一方、排気通路22yの一部は分岐して、周溝22nの側壁に開口(すなわち吸引開口22p)している。本実施の形態では、それぞれ単一の開口を圧力溜まり部22p’、22pとしているが、圧力溜まり部22p’、22pの形状は、後述する極片22t’、22tで覆われる形状であれば任意である。圧力溜まり部22p’、22pの周囲に形成された周溝内に、O−リングORが配置されている。
第1の捕捉部22mは、開口22aに形成された周溝22n内において、第1の貯留部22kに隣接して配置された環状の極片22sと、スベリ軸受22uにより周溝22n内を軸線方向に一体的に移動自在に配置された円筒状の永久磁石22v及び環状の極片22tとから構成されている。駆動手段を構成する永久磁石22vと極片22tとは接着されていても良いが、磁力で互いに吸着しているだけでも良い。スベリ軸受22uは必ずしも必須の構成ではなく、永久磁石22vと極片22tとが周溝22n内で軸線方向に移動できれば良い。周溝22nは、極片22sの近傍において開口し、ハウジング22内に形成された第1の工具孔23nを介して外部に連通している。周溝22nの圧力溜まり部22pが形成された側面には、別な場所に袋孔状のばね室23pが形成され、ここに弾性手段であるコイルばね24が収容されている。
第2の捕捉部22m’は、開口22aに形成された周溝22n’内において、第2の貯留部22k’に隣接して配置された環状の極片22s’と、スベリ軸受22u’により周溝22n’内を軸線方向に一体的に移動自在に配置された円筒状の永久磁石22v’及び環状の極片22t’とから構成されている。駆動手段を構成する永久磁石22v’と極片22t’とは接着されていても良いが、磁力で互いに吸着しているだけでも良い。スベリ軸受22u’は必ずしも必須の構成ではなく、永久磁石22v’と極片22t’とが周溝22n’内で軸線方向に移動できれば良い。周溝22n’は、極片22s’の近傍において開口し、ハウジング22内に形成された第2の工具孔23n’を介して外部に連通している。周溝22n’の圧力溜まり部22p’が形成された側面には、別な場所に袋孔状のばね室23p’が形成され、ここに弾性手段であるコイルばね24’が収容されている。
捕捉部22m、22m’の極片22s、22tは、それぞれ強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。永久磁石22vは、厚み方向に着磁され、ここでは大気側がS極、プロセス室P側がN極となっているが、この逆でもかまわない。永久磁石22vの種類は問わないが、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石、マンガンアルミ磁石等が好適に用いられる。なお、図12に示す通常の動作時には、各極片22sと回転軸3との間には磁気回路が形成されていないので、磁性流体MLは貯留部22k、22k’に貯留されたままとなる。
次に、本実施の形態にかかる回転軸シール装置の動作について説明する。ここで、使用時においては、図12に示すように、第1の供給通路23k及び第1の工具孔23nは、第1の蓋部材25により気密的に遮蔽され、第2の供給通路23k’及び第2の工具孔23n’は、第2の蓋部材25’により気密的に遮蔽される。回転軸3の図で右端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続されており、回転軸3を回転駆動するようになっている。このとき、回転軸3は、不図示の軸受により回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、ハウジング22に対して回転可能となっている。
このとき、周溝22n内の空間は大気圧であるのに対し、第2の排気ポンプP2の吸引力により排気通路22y内が負圧になるので、それに連通した圧力溜まり部22pも負圧になり、極片22tの平面である側面は、圧力溜まり部22pを遮蔽するようにして周溝22nの側壁に密着し固定され、O−リングORにより密封されることで、第1の差圧室22gの負圧状態は保たれる。又、かかる状態では、極片22tの側面により、ばね室23p内のコイルばね24が圧縮された状態となる。
同様に、周溝22n’内の空間は大気圧であるのに対し、第1の排気ポンプP1の吸引力により排気通路22x内が負圧になるので、それに連通した圧力溜まり部22p’も負圧になり、極片22t’の平面である側面は、圧力溜まり部22p’を遮蔽するようにして周溝22n’の側壁に密着し固定され、O−リングORにより密封されることで、第1の差圧室22gの負圧状態は保たれる。又、かかる状態では、極片22t’の側面により、ばね室23p’内のコイルばね24’が圧縮された状態となる。
差動排気シールの作用について説明すると、オリフィス部22d、22f、22hにおいて、開口22aと回転軸3とのクリアランスを極力小さくして気体の流れを制限すると、大気側から流入する気体(一般的にはエア)の量が少なくなる。流入するガスのほとんどの量を差圧室22e、22gから排気すると、プロセス室P側への気体の流入は極めて微量となる。したがって、回転軸3が回転(又は直動)自在に開口22aを貫通しているにもかかわらず、プロセス室Pは気密的に隔離された状態を得ることができる。即ち、非接触状態で回転軸3とハウジング22との間を気密できるため、シールからの発塵・アウトガスがなく、長寿命で、さらに温度に寿命が依存しないという特長を有する。
ここで、図13において、第1の排気ポンプP1に異常が生じ、排気通路12x内の圧力が所定値以上に上昇したものとする。すると、第1の排気通路22x内の気圧が上昇し、第1の捕捉部22m’における圧力溜まり部22p’内の気圧も上昇するので、周溝22n’との間の差圧が減少する。それにより極片22t’を左方へとどめようとする力が減少し、更にコイルばね24’の付勢力に支援されて、永久磁石22v’と極片22t’とは、図12に示す第1の位置から、一体で軸線方向へと移動し、図13に示す第2の位置へに到達し、永久磁石22v’は極片22s’に吸着することとなる。
このとき、回転軸3は強磁性体であるので、磁石22v’−極片22s’−回転軸3−極片22t’−磁石22v’という磁気回路が形成されることとなる。極片22s’、22t’と回転軸3とのギャップは、0.01〜0.5mm程度であるので、高い磁束密度の磁気回路が形成される。
回転軸3と極片22s’との間に磁気回路の一部が形成されると、図14に示すように、第2の貯留部22k’の磁性流体MLは、その磁力により吸引されて移動し、回転軸3と極片22s’との間に架橋するようにして捕捉されるが、その表面張力により周方向全体に広がって一様な膜を形成する。かかる磁性流体MLの膜により、回転軸3とハウジング22の開口22aとの間が遮蔽され、プロセス室Pを大気側から隔離し真空度を維持することができるので、プロセス室Pにおいてワークの処理中であったとしても、それを損ねることが回避される。かかる動作は瞬時に行われるので、プロセス室Pへの空気の流入は僅かで済む。又、回転軸3を停止させる必要はなく、処理中のワークに与える影響も少ない。
一方、図示していないが、第2の排気ポンプP2に異常が生じた場合には、第2の排気通路22y内の気圧が所定値以上に上昇し、第2の捕捉部22mにおける圧力溜まり部22p内の気圧も上昇するので、周溝22nとの間の差圧が減少する。それにより極片22tを左方へとどめようとする力が減少し、更にコイルばね24の付勢力に支援されて、永久磁石22vと極片22tとは、一体で軸線方向(図で右方)へと移動し、永久磁石22vは極片22sに吸着することとなる。
このとき、回転軸3は強磁性体であるので、磁石22v−極片22s−回転軸3−極片22t−磁石22vという磁気回路が形成されることとなる。極片22s、22tと回転軸3とのギャップは、0.01〜0.5mm程度であるので、高い磁束密度の磁気回路が形成される。
回転軸3と極片22sとの間に磁気回路の一部が形成されると、第1の貯留部22kの磁性流体MLは、その磁力により吸引されて移動し、回転軸3と極片22sとの間に架橋するようにして捕捉されるが、その表面張力により周方向全体に広がって一様な膜を形成する。かかる磁性流体MLの膜により、回転軸3とハウジング22の開口22aとの間が遮蔽され、プロセス室Pを大気側から隔離し真空度を維持することができるので、プロセス室Pにおいてワークの処理中であったとしても、それを損ねることが回避される。かかる動作は瞬時に行われるので、プロセス室Pへの空気の流入は僅かで済む。又、回転軸3を停止させる必要はなく、処理中のワークに与える影響も少ない。更に、磁性流体の貯留部や捕捉部、駆動手段を差動排気シールよりも大気圧側寄りに設けており、より高真空度のプロセス室の場合にも好適である。
次に、本実施の形態の組み付け方法について説明する。まず図9に示すように、最初に組み上げた状態では、第1の捕捉部22mの永久磁石22vは磁力により極片22sに吸着し、第2の捕捉部22m’の永久磁石22v’は磁力により極片22s’に吸着している。回転軸シール装置を動作させるに当たっては、これらを離隔させて、図11に示す状態にする必要がある。
まず、図10に示すように、下端がテーパ面となった工具Tを、第1の工具孔23nと第2の工具孔23n’に差し入れる。このとき、各スベリ軸受22u,22u’は、極片22s、22s’に対して若干スキマが形成されるようにこうせいされていると、工具Tの侵入が容易になり好ましい。
第1の工具孔23nと第2の工具孔23n’に工具Tを差し入れると、そのテーパ面がスベリ軸受22u,22u’を図で左方に押し出すので、永久磁石22vを極片22sから離隔させ、また永久磁石22v’を極片22s’から離隔させることができる。更に、コイルばね24,24’の付勢力に抗して、極片22t、22t’で圧力溜まり部22p、22p’を遮蔽する位置まで移動させた後、排気ポンプP1,P2を動作させれば圧力溜まり部22p、22p’は負圧になるので、図11に示すように、工具Tを抜き出した後にも、極片22t、22t’は周溝22n、22n’の側壁に密着し固定されることとなる。更に外部から注射器などを用いて供給通路23k、23k’を介して、磁性流体MLを貯留部22k、22k’に充填した後、第1の供給通路23k及び第1の工具孔23nを、第1の蓋部材25により気密的に遮蔽し、第2の供給通路23k’及び第2の工具孔23n’を、第2の蓋部材25’により気密的に遮蔽することで、回転軸シール装置は動作可能な状態になる(図12参照)。更に、ターボ分子ポンプを用いてプロセス室P内を排気すれば、回転軸3に取り付けた不図示のワークを処理可能となる。
なお、排気ポンプP1、P2が異常から復帰したときは、回転軸3と極片22sとの間に捕捉されている磁性流体MLは、吸引されて不図示の排出路から貯留部22k、22k’へと戻されることで、図11に示す状態に復帰する。又、蓋部材25,25’を取り外して、工具Tを工具孔23n、23n’に差し込むことで、永久磁石22v、22v’及び極片22t、22t’を初期位置(図12参照)へと復帰(リセット)させることができる。かかる場合、工具Tがリセット手段となる。極片は必ずしも必須ではなく、これを省略し、磁石のみを貯留部の近傍に移動させて、回転軸との間に磁気回路を直接形成しても良い。
図15,16は、第4の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。本実施の形態は、図9〜14に示す実施の形態に対し、部品点数を削減し低コスト化を図っている。図15において、ハウジング(真空チャンバともいう)32は、不図示のターボ分子ポンプに接続され、高真空状態に維持されるプロセス室Pを、その内部に有している。ハウジング32の一面に設けられた開口32aに、回転軸3が挿入されている。回転軸3は、不図示の軸受により、ハウジング32に対して回転自在に支持されている。なお、回転軸3は、強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。
開口32aには、外部の大気側より順に、磁性流体MLを貯留する周溝である圧力溜まり部32k、捕捉部32m、第3オリフィス部32d、周溝である第2差圧室32e、第2オリフィス部32f、周溝である第1差圧室32g、第1オリフィス部32hが形成され又は配置されている。なお、磁性流体MLは、通常の状態では、表面張力と粘性とにより、ハウジング32の姿勢に関わらず、貯留部32kに留まるようになっている。オリフィス部32d、32f、32hと、回転軸3との間のスキマは10μm程度に維持される。
第1差圧室32gは、排気通路32xを介して外部の第1排気ポンプP1に接続され、第2差圧室32eは、排気通路32yを介して外部の第2排気ポンプP2に接続されている。排気通路32xの一部は分岐して、周溝32nの側壁に開口(不図示)している。一方、排気通路32yの一部は分岐して、別な場所で、周溝32nの側壁に開口(すなわち吸引開口32p)している。本実施の形態では、排気通路32x、32yについて、それぞれ単一の開口を圧力溜まり部32pとしているが、圧力溜まり部32pの形状は、後述する極片32tで覆われる形状であれば任意である。圧力溜まり部32pの周囲に形成された周溝内に、O−リングORが配置されている。
捕捉部32mは、開口32aに形成された周溝32n内において、貯留部32kに隣接して配置された環状の極片32sと、スベリ軸受32uにより周溝32n内を軸線方向に一体的に移動自在に配置された円筒状の永久磁石32v及び環状の極片32tとから構成されている。駆動手段を構成する永久磁石32vと極片32tとは接着されていても良いが、磁力で互いに吸着しているだけでも良い。スベリ軸受32uは必ずしも必須の構成ではなく、永久磁石32vと極片32tとが周溝32n内で軸線方向に移動できれば良い。周溝32nの圧力溜まり部32pが形成された側面には、別な場所に袋孔状のばね室33pが形成され、ここに弾性手段であるコイルばね34が収容されている。
捕捉部32mの極片32s、32tは、それぞれ強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。永久磁石32vは、厚み方向に着磁され、ここでは大気側がS極、プロセス室P側がN極となっているが、この逆でもかまわない。永久磁石32vの種類は問わないが、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石、マンガンアルミ磁石等が好適に用いられる。なお、図15に示す通常の動作時には、各極片32sと回転軸3との間には磁気回路が形成されていないので、磁性流体MLは貯留部32kに貯留されたままとなる。
次に、本実施の形態にかかる回転軸シール装置の動作について説明する。回転軸3の図で右端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続されており、回転軸3を回転駆動するようになっている。このとき、回転軸3は、不図示の軸受により回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、ハウジング32に対して回転可能となっている。
このとき、周溝32n内の空間は大気圧であるのに対し、第1の排気ポンプP1の吸引力により排気通路32x内が負圧になるので、それに連通した圧力溜まり部(不図示)も負圧になり、且つ第2の排気ポンプP2の吸引力により、排気通路32y内が負圧になるので、それに連通した圧力溜まり部32pも負圧になり、極片32tの平面である側面は、圧力溜まり部32pを遮蔽するようにして周溝32nの側壁に密着し固定され、O−リングORにより密封されることで、差圧室32e、32gの負圧状態は保たれる。又、かかる状態では、第1の排気通路32xと第2の排気通路32yとは連通しておらず、更に極片32tの側面により、ばね室33p内のコイルばね34が圧縮された状態となる。
差動排気シールの作用について説明すると、オリフィス部32d、32f、32hにおいて、開口32aと回転軸3とのクリアランスを極力小さくして気体の流れを制限すると、大気側から流入する気体(一般的にはエア)の量が少なくなる。流入するガスのほとんどの量を差圧室32e、32gから排気すると、プロセス室P側への気体の流入は極めて微量となる。したがって、回転軸3が回転(又は直動)自在に開口32aを貫通しているにもかかわらず、プロセス室Pは気密的に隔離された状態を得ることができる。即ち、非接触状態で回転軸3とハウジング32との間を気密できるため、シールからの発塵・アウトガスがなく、長寿命で、さらに温度に寿命が依存しないという特長を有する。
ここで、図15において、第1の排気ポンプP1に異常が生じ、排気通路12x内の圧力が所定値以上に上昇したものとする。すると、第1の排気通路32x内の気圧が上昇し、捕捉部32mにおける圧力溜まり部(不図示)内の気圧も上昇するので、周溝32nとの間の差圧が減少する。それにより極片32tを左方へとどめようとする力が減少し、更にコイルばね34の付勢力に支援されて、永久磁石32vと極片32tとは、図15に示す第1の位置から、一体で軸線方向へと移動し、図16に示す第2の位置へに到達し、永久磁石32vは極片32sに吸着することとなる。
同様に、第2の排気ポンプP2に異常が生じた場合にも、第2の排気通路32y内の気圧が所定値以上に上昇し、捕捉部32mにおける圧力溜まり部32p内の気圧も上昇するので、周溝32nとの間の差圧が減少する。それにより極片32tを左方へとどめようとする力が減少し、更にコイルばね34の付勢力に支援されて、永久磁石32vと極片32tとは、図15に示す第1の位置から、一体で軸線方向へと移動し、図16に示す第2の位置へに到達し、永久磁石32vは極片32sに吸着することとなる。
このとき、回転軸3は強磁性体であるので、磁石32v−極片32s−回転軸3−極片32t−磁石32vという磁気回路が形成されることとなる。極片32s、32tと回転軸3とのギャップは、0.01〜0.5mm程度であるので、高い磁束密度の磁気回路が形成される。
回転軸3と極片32sとの間に磁気回路の一部が形成されると、図16に示すように、貯留部32kの磁性流体MLは、その磁力により吸引されて移動し、回転軸3と極片32sとの間に架橋するようにして捕捉されるが、その表面張力により周方向全体に広がって一様な膜を形成する。かかる磁性流体MLの膜により、回転軸3とハウジング32の開口32aとの間が遮蔽され、プロセス室Pを大気側から隔離し真空度を維持することができるので、プロセス室Pにおいてワークの処理中であったとしても、それを損ねることが回避される。かかる動作は瞬時に行われるので、プロセス室Pへの空気の流入は僅かで済む。又、回転軸3を停止させる必要はなく、処理中のワークに与える影響も少ない。
なお、排気ポンプP1、P2が異常から復帰したときは、回転軸3と極片32sとの間に捕捉されている磁性流体MLは、吸引されて不図示の排出路から貯留部32kへと戻されることで、図15に示す状態に復帰する。また、前記第3の実施の形態と同様のリセット手段を併用すると好ましい。
図17は、本実施の形態の変形例にかかる回転軸シール装置を示す断面図である。本変形例については、図15,16の実施の形態に対して、異なる点のみを説明し、共通する構成に関しては同じ符号を付すことで説明を省略する。
本変形例においては、ハウジング側に貯留部を設ける代わりに、回転軸側に貯留部を設けている。より具体的に説明すると、図7に示すように、回転軸13は、外表面において平行に並んだ細い周溝状の貯留部13bを形成している。各貯留部13b内には、磁性流体(不図示)が貯留されている。磁性流体は、通常の状態では、表面張力と粘性とにより、回転軸13の回転に関わらず、貯留部13bに留まるようになっている。隣接する貯留部13bの間には、貯留部13bよりも外径が大きいランド部13aが形成されている。具体的には、極片32s’と回転軸13のランド部13aとのギャップは、0.01〜0.5mm程度であり、極片32s’と回転軸13の貯留部13bとのギャップは、0.5〜5mm程度である。なお、ハウジング32の周溝32n内に配置された極片32s’は、軸線方向に並んだ全てのランド部13aに対向できるように軸線方向幅が大きくなっている。即ち回転軸13は、図7,8に示す構成と同様である。
通常動作時には、図15,16に示す実施の形態と同様に動作する。即ち、排気ポンプP1又はP2に異常が生じた場合、排気通路32x又は32y内の気圧が所定値以上に上昇し、捕捉部32mにおける圧力溜まり部32p内の気圧も上昇するので、周溝32nとの間の差圧が減少する。それにより極片32tを左方へとどめようとする力が減少し、更にコイルばね34の付勢力に支援されて、駆動手段である永久磁石32vと極片32tとは、一体で軸線方向(図で右方)へと移動し、永久磁石32vは極片32sに吸着することとなる。
このとき、回転軸13は強磁性体であり、上述したようにランド部13aと極片32s’とが近接しているので、磁石32v−極片32s’−回転軸13のランド部13a−極片32t−磁石32vという磁気回路が形成されることとなる。極片32s’、32tと回転軸13のランド部13a又は表面とのギャップは、0.01〜0.5mm程度であるので、高い磁束密度の磁気回路が形成される。
回転軸13のランド部13aと極片32s’との間に磁気回路の一部が形成されると、各貯留部13bの磁性流体は、その磁力により吸引されて移動し、最も近い回転軸13のランド部13aと極片32s’との間に架橋するようにして捕捉されるが、その表面張力により周方向全体に広がって一様な膜を形成する。かかる磁性流体の複数(ここでは6枚)の膜により、回転軸13とハウジング32の開口32aとの間が強固に遮蔽され、プロセス室Pを大気側から隔離し真空度を維持することができるので、プロセス室Pにおいてワークの処理中であったとしても、それを損ねることが回避される。かかる動作は瞬時に行われるので、プロセス室Pへの空気の流入は僅かで済む。又、回転軸13を停止させる必要はなく、処理中のワークに与える影響も少ない。排気通路12xにおける圧力の上昇は、排気ポンプP2又はP3が異常となった場合にも生じ、或いはいずれかの排気ポンプまでの配管が損傷して大気が侵入した場合にも生じるため、同様な作用が期待できる。
排気ポンプP1が異常から復帰した場合、回転軸13と極片32s’との間に捕捉されている磁性流体が、吸引されて不図示の排出路から貯留部13bへと戻され、また永久磁石32vと極片32tとが図で左方へと移動される(そのためには、例えば第3の実施形態のリセット手段を併用すると容易に行えるので、好ましい。)ことで、図17に示す状態に復帰する。なお、極片32s’、32tは必ずしも必須ではなく、これを省略し、磁石32vのみを貯留部13bの近傍に移動させて、回転軸13との間に磁気回路を直接形成しても良い。
図18,19は、第5の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。本実施の形態は、以上述べた実施の形態と異なり、異常時に磁石を半径方向に移動させている。図18において、ハウジング(真空チャンバともいう)42は、不図示のターボ分子ポンプに接続され、高真空状態に維持されるプロセス室Pを、その内部に有している。ハウジング42の一面に設けられた開口42aに、回転軸3が挿入されている。回転軸3は、不図示の軸受により、ハウジング42に対して回転自在に支持されている。なお、回転軸3は、強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。
開口42aには、外部の大気側より順に、捕捉部42m、磁性流体MLを貯留する周溝である貯留部42k、第2オリフィス部42f、周溝である差圧室42g、第1オリフィス部42hが形成され又は配置されている。なお、磁性流体MLは、通常の状態では、表面張力と粘性とにより、ハウジング42の姿勢に関わらず、貯留部42kに留まるようになっている。オリフィス部42f、42hと、回転軸3との間のスキマは10μm程度に維持される。
差圧室42gは、排気通路42xを介して外部の排気ポンプP1に接続されている。排気通路42xの一部は分岐して、ハウジング42の側壁に開口(すなわち吸引開口42p)している。圧力溜まり部42pの周囲に形成された周溝内に、O−リングORが配置されている。
捕捉部42mは、開口(吸引開口ともいう)42aを覆うようにして一対の環状の極片42s、42tと、移動可能に配置された駆動手段である磁石42vとからなる。より具体的には、ハウジング42の側面に取り付けられた極片42tに対して、極片42sは支柱45を介して隔置配置されている。両者の間隔は、磁石42vの厚さより大きく設定されている。具体的には、両者間に磁石42vが係止されたときに、磁石42vとのすきまがそれぞれ0.01〜1mm程度となるように設定されている。又、ハウジング42から、極片42s、42tの間に向かって垂直方向に延在するガイド軸46が設けられており、非磁性体であると好ましいガイド軸46は、平板状の磁石42vを貫通している。従って、磁石42vは、ガイド軸46にガイドされつつ鉛直方向に移動自在となっている。なお、極片42s、42tの少なくとも一方の側面には、磁石42vを係止するストッパ部STを設けると好ましい。
捕捉部42mの極片42s、42tは、それぞれ強磁性体(SUS430,SUS440C、SUS630等)から形成されているものとする。永久磁石42vの種類は問わないが、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石、マンガンアルミ磁石等が好適に用いられる。なお、図18に示す通常の動作時には、各極片42s、42tと回転軸3との間には磁気回路が形成されていないので、磁性流体MLは貯留部42kに貯留されたままとなる。
次に、本実施の形態にかかる回転軸シール装置の動作について説明する。回転軸3の図で右端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続されており、回転軸3を回転駆動するようになっている。このとき、回転軸3は、不図示の軸受により回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、ハウジング42に対して回転可能となっている。
このとき、排気ポンプP1の吸引力により、排気通路42x内が負圧になるので、それに連通した圧力溜まり部42pも負圧になるので、磁石42vの平面である側面は、圧力溜まり部42pを遮蔽するようにしてハウジング42の側壁に密着し固定され、O−リングORにより密封されることで、差圧室42gの負圧状態は保たれる。
差動排気シールの作用について説明すると、オリフィス部42f、42hにおいて、開口42aと回転軸3とのクリアランスを極力小さくして気体の流れを制限すると、大気側から流入する気体(一般的にはエア)の量が少なくなる。流入するガスのほとんどの量を差圧室42gから排気すると、プロセス室P側への気体の流入は極めて微量となる。したがって、回転軸3が回転(又は直動)自在に開口42aを貫通しているにもかかわらず、プロセス室Pは気密的に隔離された状態を得ることができる。即ち、非接触状態で回転軸3とハウジング42との間を気密できるため、シールからの発塵・アウトガスがなく、長寿命で、さらに温度に寿命が依存しないという特長を有する。
ここで、図18において、排気ポンプP1に異常が生じ、排気通路12x内の圧力が所定値以上に上昇したものとする。すると、排気通路42x内の気圧が上昇し、捕捉部42mにおける圧力溜まり部42p内の気圧も上昇するので、永久磁石42vの吸引力が低下し、永久磁石42vは自重によりガイド軸46に沿って、図18に示す第1の位置から、鉛直方向下方へと移動し、図19に示す第2の位置へと至り、極片42s、42tの側面に設けられたストッパ部STに当接する。
このとき、回転軸3は強磁性体であるので、磁石42v−極片42s−回転軸3−極片42t−磁石42vという磁気回路が形成されることとなる。極片42s、42tと回転軸3とのギャップは、0.01〜0.5mm程度であるので、高い磁束密度の磁気回路が形成される。
回転軸3と極片42tとの間に磁気回路の一部が形成されると、図19に示すように、貯留部42kの磁性流体MLは、その磁力により吸引されて移動し、回転軸3と極片42sとの間に架橋するようにして捕捉されるが、その表面張力により周方向全体に広がって一様な膜を形成する。かかる磁性流体MLの膜により、回転軸3とハウジング42の開口42aとの間が遮蔽され、プロセス室Pを大気側から隔離し真空度を維持することができるので、プロセス室Pにおいてワークの処理中であったとしても、それを損ねることが回避される。かかる動作は瞬時に行われるので、プロセス室Pへの空気の流入は僅かで済む。又、回転軸3を停止させる必要はなく、処理中のワークに与える影響も少ない。
なお、排気ポンプP1が異常から復帰したときは、回転軸3と極片42sとの間に捕捉されている磁性流体MLが、吸引されて不図示の排出路から貯留部42kへと戻され、且つ磁石42vが上昇されることで、図15に示す状態に復帰する。なお、ガイド軸46は、鉛直方向のみならず、その他の方向に延在させても良い。かかる場合、永久磁石42vを極片42s、42tに向かって付勢するばね部材を設けることが望ましい。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
第1の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第1の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第1の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第2の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第2の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 本実施の形態の変形例にかかる回転軸シール装置を示す断面図である。 図6の構成の矢印VII部を拡大して示す図(通常動作時)である。 図6の構成の矢印VII部を拡大して示す図(異常時)である。 第3の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第3の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第3の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第3の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第3の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第3の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第4の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第4の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 本実施の形態の変形例にかかる回転軸シール装置を示す断面図である。 第5の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。 第5の実施の形態にかかる回転軸シール装置の断面図である。
符号の説明
2 ハウジング
2a 開口
2b 第4のオリフィス部
2c 第3の差圧室
2d 第3のオリフィス部
2e 第2の差圧室
2f 第2のオリフィス部
2g 第1の差圧室
2h 第1のオリフィス部
2j 圧力溜まり部
2k 貯留部
2m 捕捉部
2n 周溝
2s 極片
2t 極片
2v 永久磁石
2w 通路
3 回転軸
12 ハウジング
12a 開口
12b 第4のオリフィス部
12c 第3の差圧室
12d 第3のオリフィス部
12e 第2の差圧室
12f 第2のオリフィス部
12g 第1の差圧室
12h 第1のオリフィス部
12k 貯留部
12m 捕捉部
12n 周溝
12p 圧力溜まり部
12s 極片
12t 極片
12u スベリ軸受
12v 永久磁石
12x 第1の排気通路
12y 第2の排気通路
12z 第3の排気通路
13 回転軸
13a ランド部
13b 貯留部
22 ハウジング
22a 開口
22d 第3のオリフィス部
22e 第2の差圧室
22f 第2のオリフィス部
22g 第1の差圧室
22h 第1のオリフィス部
22k、22k’ 貯留部
22m、22m’ 捕捉部
22n、22n’ 周溝
22p、22p’ 圧力溜まり部
22s、22s’ 極片
22t、22t’ 極片
22u,22u’ スベリ軸受
22v、22v’ 永久磁石
22x 第1の排気通路
22y 第2の排気通路
23k、23k’ 供給通路
23n,23n’ 工具孔
23p、23p’ ばね室
25、25’ 蓋部材
32 ハウジング
32a 開口
32d 第3のオリフィス部
32e 第2の差圧室
32f 第2のオリフィス部
32g 第1の差圧室
32h 第1のオリフィス部
32k 貯留部
32k 圧力溜まり部
32m 捕捉部
32n 周溝
32p 圧力溜まり部
32s 極片
32t 極片
32u スベリ軸受
32v 永久磁石
32x 第1の排気通路
32y 第2の排気通路
33p ばね室
42 ハウジング
42a 開口
42f 第2のオリフィス部
42g 差圧室
42h 第1のオリフィス部
42k 貯留部
42k 貯留部
42m 捕捉部
42p 圧力溜まり部
42s 極片
42t 極片
42v 永久磁石
42x 排気通路
45 支柱
46 ガイド軸
ML 磁性流体
OR O−リング
P プロセス室
P1 排気ポンプ
P2 排気ポンプ
P3 排気ポンプ
ST ストッパ部
T 工具

Claims (7)

  1. 内部が外部と異なる環境に維持されたハウジングの開口を介して、前記ハウジングの外部から内部へと延在する回転軸を、前記開口に対して密封する回転軸シール装置において、
    前記回転軸の周囲に形成されたオリフィス部と、排気通路を介して排気ポンプに接続された差圧室とを含む差動排気シールと、
    磁性流体を貯留する貯留部と、
    前記排気通路内の圧力が上昇したことに応じて、前記貯留部から磁性流体を移動させる駆動手段と、
    前記開口と前記回転軸との間に磁気回路を形成することにより、移動した磁性流体を、前記開口と前記回転軸との間で架橋するように捕捉する捕捉部とを有することを特徴とする回転軸シール装置。
  2. 前記駆動手段は、前記差圧室の近傍に配置された圧力溜まり部と、前記圧力溜まり部と前記貯留部とを連通する通路とを含むことを特徴とする請求項1に記載の回転軸シール装置。
  3. 前記駆動手段は、前記貯留部の近傍に配置された極片と、前記排気通路内の圧力が所定値未満の場合には前記極片より離れた第1の位置に保持され、前記排気通路内の圧力が所定値以上となったときに前記極片に近接する第2の位置へと移動する磁石とを含むことを特徴とする請求項1に記載の回転軸シール装置。
  4. 前記磁石は、前記排気通路内の圧力を用いて前記第1の位置に保持されており、前記排気通路内の圧力が所定値以上となったときに、前記極片との間に作用する磁力により前記第2の位置へと移動することを特徴とする請求項3に記載の回転軸シール装置。
  5. 前記磁石は、前記第1の位置に保持されているときに、前記排気通路に連通する吸引開口を遮蔽することを特徴とする請求項3又は4に記載の回転軸シール装置。
  6. 前記磁石を前記第2の位置へと付勢する弾性手段を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の回転軸シール装置。
  7. 前記第2の位置へと移動した磁石を、前記第1の位置へと戻すリセット手段が設けられていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の回転軸シール装置。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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