JP2006283493A - マンホール用切削機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転運動を発生させる駆動手段2を有する本体部1と、本体部1から水平方向に放射状に延びる複数の水平アーム5と、複数の水平アーム5の各々から下方向に延び先端に切削刃7が形成されてなる垂直アーム6とを有し、本体部1に回転自在に取り付けられて、駆動手段2により本体部1を中心として回転し、本体部1とともに上下方向に移動する切削アーム4と、本体部1の下部に、本体部1に対して上下方向に伸縮自在に取り付けられ、下面12がマンホール300の蓋30に当接し蓋30を押圧して固定するマンホール固定部材10と、本体部1とマンホール固定部材10の間に挿着され、マンホール固定部材10の押圧力を増加させる緩衝部材8とを備える。
【選択図】図2
Description
マンホール300は、地中深くに埋設される円筒部32、地表に露出する蓋30、蓋30を支持する蓋枠リング31、及び蓋30の高さを調整する調整リング33,33から構成されている。そして、蓋30の露出面の高さが地表Gと同じになるように、調整リング33の数を調整するようになっている。
ここで、一旦地中に埋設した後で調整リング33の数を変更するには、マンホール300の蓋30の周縁に沿って、周囲の地表Rの部分を切削して掘り返してやる必要がある。
また、より効率的に切削するために、図10のようなマンホール用切削機400を用いることも行われていた。このマンホール用切削機400は、下面に開口部を有する円筒状の胴体部40を有し、その胴体部40の下部に切削刃41が形成されたものである。そして、切削刃41を周囲の地表Rの部分に合わせて設置した後に、胴体部40を回転させて切削するものである。
また、上記マンホール用切削機400を用いた場合には、回転時に胴体部40が安定せず、切削刃41が周囲の地表Rの部分にうまく合わなくなることがあった。また、胴体部40の大きさは一定であるので、一つの大きさのマンホール300に対してしか使用できないという問題点もあった。さらに、切削刃41の損傷を防止するために、水をかけながら使用しなければならないという煩雑さもあった。
また、切削アームは、本体部から水平方向に放射状に延びる複数の水平アームと、複数の水平アームの各々から下方向に延び先端に切削刃が形成されてなる垂直アームとを有するので、切削アームを回転させることにより同時に複数の切削刃で周囲の地表を切削することができる。さらに、切削アームは、本体部とともに上下方向に移動するので、本体部の動きに合わせて切削刃を地中に食い込ませることができる。
また、本体部の下部には、マンホール固定部材が本体部に対して上下方向に伸縮自在に取り付けられ、そのマンホール固定部材の下面がマンホールの蓋に当接し蓋を押圧して固定するので、地表の切削時に切削アームが回転しても本体部を安定的に保持して、切削位置がずれるのを防止することができる。特に、本体部とマンホール固定部材の間には、マンホール固定部材の押圧力を増加させる緩衝部材が挿着されているので、蓋を強力に押圧して固定することができる。
なおマンホール用切削機100は、図8及び図9に示すマンホール300の蓋30の周縁に沿って周囲の地表Rを切削するものである。
最初に、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るマンホール用切削機100の構成について説明する。図1は、マンホール用切削機100を示す正面図であり、図2は、図1の正面図において、中央の切削アームを除いてその内側を示した正面図である。
図1に示すように、マンホール用切削機100は、主として本体部1と、切削アーム4と、マンホール固定部材10から構成されている。
また、油圧モーター2の下側には、減速機3が備えられている。減速機3は油圧モーター2から発生した回転運動を減速させた後に切削アーム4に伝達する機能を有し、これにより切削アーム4による地表Rの切削時のトルクを増加させるものである。なお、減速機3は必ずしも必要ではなく、油圧モーター2から発生した回転運動を直接切削アーム4に伝達する構成であってもよい。
また、本体部1の上面にはショベルカー等に固定するための取付部材16が形成されている。さらに、図2示すように、本体部1の下面からは、下方向に延びるシャフト9が形成されている。このシャフト9は、切削アーム4が回転する時の回転軸上に位置している。
上記構成の切削アーム4は、本体部1に対して回転自在に取り付けられている。そして、油圧モーター2からの動力により本体部1を中心として回転する。また、本体部1が上下方向に移動する場合には切削アーム4もともに上下方向に移動するように取り付けられている。
垂直アーム6は、水平アーム5の水平方向に移動自在であり、固定ボルトを用いて任意位置で固定できるようになっている。なお、任意位置でなくとも、例えば3箇所程度の位置に固定できるようになっていてもよい。また、垂直アーム6の固定位置は、各々の水平アーム5毎に決定することができるようになっており、切削アーム4回転時の回転軸と垂直アーム6の距離が水平アーム5毎に異なるように固定することも可能である。
切削刃7は、アスファルト等の舗装面を切削可能なように硬質部材で形成されている。
マンホール固定部材10の下面12は、マンホール300の蓋30に当接して蓋30を押圧するようになっている。下面12にはゴム等により滑り止めを施しておくことが好ましい。
このバネ部材8は、シャフト9の周囲に伸縮自在に巻きつけられており、一端はシャフト9の上部に結合され、他端はマンホール固定部材10に結合されている。
切削アーム4による地表Rの切削時には、シャフト9がマンホール固定部材10に挿入されるにつれてバネ部材8が縮み、マンホール固定部材10をマンホール300の蓋30を押さえつける方向に付勢するようになっている。
ここで、図3に示す切削前の状態においては、バネ部材8が延びた状態となっており、シャフト9はマンホール固定部材10の挿入穴11の最上部に位置している。このとき、シャフト9の先端とマンホール固定部材10の下面12とは長さLだけ離れている。さらに、切削アーム4の切削刃7の先端は、マンホール固定部材10の下面12と同じ高さに位置しており、切削位置である地表Rとちょうど接した状態になっている。従って、シャフト9の先端は、切削刃7の先端よりも長さLだけ高い場所に位置するようになっている。
また、切削アーム4の回転時の回転軸であるシャフト9の中心は、マンホール300の蓋30の中心と一致するように配置されている。
同時に、切削アーム4の切削刃7は地表Rを切削しながら、徐々に地中に潜っていく。そして、シャフト9の先端がマンホール固定部材10の下面12に達したとき、切削刃7は、地表Rの部分を長さLだけ切削していることになる。その結果、切削刃7は調整リング33の深さまで到達し、調整リング33の数を変更することが可能となる。
このように、シャフト9の先端と切削刃7の先端の高さの差である長さLを調整することにより、切削可能な深さを調整することができる。この場合、シャフト9の先端位置が切削刃7の先端位置よりも、切削したい長さLだけ高く位置するように構成する。さらに、シャフト9とマンホール固定部材10は、少なくとも長さL以上伸縮できるように構成する。
また、シャフト9の先端が挿入穴11に徐々に挿入されていくと、バネ部材8が徐々に縮み、マンホール固定部材10を下方向に押さえつける力が増加する。
切削アーム4は、本体部1の下部から水平方向に延びる4本の水平アーム5と、4本の水平アーム5の各々から下方向に延び先端に切削刃7が形成された垂直アーム6を有している。そして、垂直アーム6は、水平アーム5の水平方向に移動自在であり、固定ボルトを用いて任意位置で固定できるようになっている。
一方、図6は、4本の水平アーム5に取り付けた垂直アーム6の切削刃7が、回転時にそれぞれ異なる軌道上を動くように、垂直アーム6の固定位置を決定したものである。すなわち、切削アーム4回転時の回転軸と切削刃7の距離が、4本の水平アーム5においてそれぞれ異なっている。従って、4本の水平アーム5の切削刃7はそれぞれ異なる部分を切削し、全体として幅W2の部分を切削する。
マンホール用切削機100は、ショベルカー200のアーム201先端部に、取付部材16を介して取り付けられている。そして、ショベルカー200を操作することにより、マンホール用切削機100を所定位置に設置し、油圧モーター2により切削アーム4を回転させて切削する。このとき、マンホール用切削機100には、その自重及びショベルカー200からの力により、下向き圧力が働くので、切削アーム4は回転しながら、地中を掘り進めていく。
なお、油圧モーター2を稼動させるための油圧ホース13,14,15については、ショベルカー200のアーム駆動用に取り付けられている油圧系統を流用して使用するとよい。また、ショベルカー200に限らず、他の工事用重機等を使用してもよい。
また、切削アーム4は、本体部1から水平方向に放射状に延びる4本の水平アーム5と、4本の水平アーム5の各々から下方向に延び先端に切削刃7が形成されてなる垂直アーム6とを有するので、切削アーム4を回転させることにより同時に4本の切削刃7で周囲の地表Rを切削することができる。さらに、切削アーム4は、本体部1とともに上下方向に移動するので、本体部1の動きに合わせて切削刃7を地中に食い込ませることができる。
また、本体部1の下部には、マンホール固定部材10が本体部1に対して上下方向に伸縮自在に取り付けられ、そのマンホール固定部材10の下面12がマンホール300の蓋30に当接し蓋30を押圧して固定するので、地表Rの切削時に切削アーム4が回転しても本体部1を安定的に保持して、切削位置がずれるのを防止することができる。特に、本体部1とマンホール固定部材10の間には、マンホール固定部材10の押圧力を増加させる緩衝部材としてバネ部材8が挿着されているので、蓋30を強力に押圧して固定することができる。
例えば、4本の水平アーム5に取り付けた垂直アーム6の切削刃7が、回転時に同一軌道上を動くように、垂直アーム6の固定位置を決定することにより、4本の水平アーム5の切削刃7はすべて、同一軌道上の幅W1の部分を切削する。従って、切削時間を短くすることができる。
一方、4本の水平アーム5に取り付けた垂直アーム6の切削刃7が、回転時にそれぞれ異なる軌道上を動くように、垂直アーム6の固定位置を決定することにより、4本の水平アーム5の切削刃7はそれぞれ異なる部分を切削する。従って、切削幅W2を広くすることができる。
このように、垂直アーム6の固定位置を変更することにより、複数の大きさのマンホールに対応できるとともに、切削時間と切削幅を調整することができる。
この場合、本体部1が下降するにつれてマンホール固定部材10に形成されたシャフトが本体部1に形成された挿入穴に徐々に挿入されていき、本体部1に対してマンホール固定部材10を上下方向に伸縮自在に取り付けることができる。さらにシャフトは、切削アーム4の回転時における回転軸上に形成されているので、切削時にも動かず安定的である。
2 油圧モーター
3 減速機
4 切削アーム
5 水平アーム
6 垂直アーム
7 切削刃
8 バネ部材
9 シャフト
10 マンホール固定部材
11 挿入穴
12 下面
13 油圧ホース(往路)
14 油圧ホース(復路)
15 油圧ホース(リリーフ用)
16 取付部材
17 回転板
30 蓋
31 蓋枠リング
32 円筒部
33 調整リング
40 胴体部
41 切削刃
100 マンホール用切削機
200 ショベルカー
201 アーム
300 マンホール
400 マンホール用切削機
G 地表
R 地表
Claims (6)
- 地中に埋設されたマンホールの蓋周縁に沿って周囲の地表を切削するマンホール用切削機において、
回転運動を発生させる駆動手段を有する本体部と、
前記本体部から水平方向に放射状に延びる複数の水平アームと、前記複数の水平アームの各々から下方向に延び先端に切削刃が形成されてなる垂直アームとを有し、前記本体部に回転自在に取り付けられて、前記駆動手段により前記本体部を中心として回転し、前記本体部とともに上下方向に移動する切削アームと、
前記本体部の下部に、前記本体部に対して上下方向に伸縮自在に取り付けられ、下面が前記マンホールの蓋に当接し蓋を押圧して固定するマンホール固定部材と、
前記本体部と前記マンホール固定部材の間に挿着され、前記マンホール固定部材の押圧力を増加させる緩衝部材とを備えることを特徴とするマンホール用切削機。 - 前記本体部には、下方向かつ前記切削アームの回転時における回転軸上にシャフトが形成されているとともに、前記マンホール固定部材には、前記シャフトの下部を受け入れる挿入穴が形成されており、前記本体部が下降するにつれて前記シャフトが前記挿入穴に徐々に挿入されていくことを特徴とする請求項1に記載のマンホール用切削機。
- 前記緩衝部材は前記シャフトの周囲に伸縮自在に巻きつけられたバネ部材であって、前記バネ部材の一端が前記シャフトの上部に結合され、他端が前記マンホール固定部材に結合され、前記切削アームによる前記地表の切削時に、前記マンホール固定部材を前記マンホールの蓋を押さえつける方向に付勢することを特徴とする請求項2に記載のマンホール用切削機。
- 前記マンホール固定部材には、上方向かつ前記切削アームの回転時における回転軸上にシャフトが形成されているとともに、前記本体部には、前記シャフトの上部を受け入れる挿入穴が形成されており、前記本体部が下降するにつれて前記シャフトが前記挿入穴に徐々に挿入されていくことを特徴とする請求項1に記載のマンホール用切削機。
- 前記垂直アームは、前記水平アームの水平方向に移動自在で任意位置に固定可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一つに記載のマンホール用切削機。
- 前記本体部はさらに、前記切削アームによる前記地表の切削時のトルクを増加させるために、前記駆動手段から発生した回転運動を減速させた後に前記切削アームに伝達する減速手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか一つに記載のマンホール用切削機。
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