JP2006282932A - 接着性エチレン系重合体組成物、それを用いた架橋接着方法、エチレン系重合体複合材料及び繊維補強ベルト - Google Patents

接着性エチレン系重合体組成物、それを用いた架橋接着方法、エチレン系重合体複合材料及び繊維補強ベルト Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた接着性を容易に発揮することができるとともに、引張強度等の機械的物性を良好に維持することができる接着性エチレン系重合体組成物、それを用いた架橋接着方法、エチレン系重合体複合材料及び繊維補強ベルトを提供する。
【解決手段】 接着性エチレン系重合体組成物は、エチレン系重合体(A)と、架橋作用を有する過酸化物よりなる架橋剤(B)と、前記過酸化物以外でヒドロペルオキシ基を有する過酸化物よりなる接着性付与剤(C)とを含有する。エチレン系重合体(A)100質量部に対する架橋剤(B)の含有量は0.6〜20質量部、接着性付与剤(C)の含有量は0.4〜15質量部であり、かつ架橋剤(B)100質量部に対する接着性付与剤(C)の含有量は30〜80質量部である。架橋剤(B)の過酸化物としてはジアルキルペルオキシドが好ましく、接着性付与剤(C)の過酸化物としてはヒドロペルオキシドが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は被接着物との優れた接着性を有すると同時に、加熱架橋によって良好な機械的物性を維持することができる接着性エチレン系重合体組成物、それを用いた架橋接着方法、エチレン系重合体複合材料及び繊維補強ベルトに関するものである。
ポリエチレン(以下、PEとも称する)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(以下、EPMとも称する)やエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合ゴム(以下、EPDMとも称する)等のエチレン系重合体は、各種成形性、機械的物性、耐水性、耐候性、耐熱性、耐薬品性、電気特性等の物性に優れている。このため、電線の絶縁被覆材等の工業材料、或いは自動車部品、家電製品、事務機器に到るまで多くの分野で使用されている。また近年では、環境負荷物質の含有量が少ないという特長を活かし、これまで塩化ビニル重合体やハロゲン化ゴム等が主に用いられてきた分野でもこれらエチレン系重合体への置き換えが進められており、その重要性はより高まってきている。
しかし、エチレン系重合体は化学的に不活性なため安定である反面、他材料との接着性に乏しく、複合材料の製造が難しいという欠点を有している。このため、例えば被接着物として電線に用いられる金属導体や、ポリアミド、ポリエステル等の難接着性繊維からなる繊維成形品とエチレン系重合体とを接着する場合、従来の方法では十分な接着強度が得られず、使用中にエチレン系重合体と被接着物との界面の剥離が起こりやすいという問題があった。
これらの問題を解決するために、様々な接着性改良法が提案されている。例えば、不飽和カルボン酸、酸無水物、エポキシ化合物、ヒドロキシ化合物、有機酸金属塩、シラン化合物等でグラフト変性し、反応性の官能基を導入した変性エチレン系重合体が開発され、使用されている。これらの変性技術はエチレン系樹脂の接着性を改善することができるが、グラフト変性のためには事前に溶剤に樹脂を溶解したり、加熱処理したりといった工程が必要であり、省エネルギーの観点からも、またコストの面からも決して最良の方法とは言えない。また、接着性をより高めるため、又は変性樹脂の使用量を少なくしてコストを抑えるため、単位重量当たりにより多くの反応性官能基を導入しようとすると、樹脂が劣化したり、変性処理の際部分的に架橋が起きて例えば押出成形の際表面の凹凸となって現れ外観不良を生じたり、接着の妨げになったりするという問題があり、改善が求められていた。
そのような改善の手段として、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシ基をもつ有機過酸化物をエチレン系樹脂に配合した接着性エチレン系樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。この組成物は溶剤を必要とせず、また反応を伴わないため配合時の温度も比較的低くて済み、好ましくない副反応や樹脂の劣化も起きにくいという点で前出の手段よりも優れている。さらに、接着性エチレン系樹脂組成物には、接着性を高めるために、無水マレイン酸等の酸変性エチレン系樹脂が配合される。
また、エチレン重合体にジアルキルペルオキシドとしてジクミルペルオキシドと、ヒドロペルオキシドとしてクメンヒドロペルオキシド等とを配合したスコーチングを防止する組成物が知られている(例えば、特許文献2を参照)。すなわち、エチレン重合体100重量部と、ジクミルペルオキシド0.1〜5.0重量部と、クメンヒドロペルオキシド等0.05〜2.0重量部との組成物であって、ジクミルペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシド等が互いに対し4:1〜40:1の重量比に制限されている。
特開2003−41069号公報(第2頁、第7頁及び第8頁) 特開昭51−77644号公報(第1頁及び第3頁)
ところが、特許文献1に記載の接着性エチレン系樹脂組成物では、ヒドロペルオキシ基をもつ有機過酸化物の配合量が具体的にはエチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜0.2重量部で少量であるため(特許文献1の実施例1〜10)、接着性が十分に発揮されない。そのため、接着性エチレン系樹脂組成物には酸変性エチレン系樹脂が配合され、接着性の向上が図られている。しかし、その場合酸変性エチレン系樹脂を別途調製しなければならず、さらにエチレン系樹脂との親和性も考慮しなければならず、煩雑であった。
一方、特許文献2に記載のエチレン重合体組成物は、スコーチングを防止するための組成物であり、クメンヒドロペルオキシド等の配合量が少ない(特許文献2の例1〜例15ではエチレン重合体100重量部に対して0.2〜0.5重量部)。しかも、ジクミルペルオキシドに対するクメンヒドロペルオキシド等の重量比(特許文献2の例1〜例15では0.1〜0.25)が小さい。このため、クメンヒドロペルオキシドによる接着性付与の効果が少なく、エチレン重合体組成物の接着性の向上を十分に図ることができない。この場合、クメンヒドロペルオキシド等を単に増量して接着性を高めようとすると、クメンヒドロペルオキシド等がジクミルペルオキシドの架橋反応を遅延又は阻害するものと考えられていた。架橋反応が十分に行われないと、架橋構造に基づく引張強度等の機械的物性を向上させることができない。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、優れた接着性を容易に発揮することができるとともに、引張強度等の機械的物性を良好に維持することができる接着性エチレン系重合体組成物、それを用いた架橋接着方法、エチレン系重合体複合材料及び繊維補強ベルトを提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、エチレン系重合体に対し、架橋剤として作用する過酸化物と、接着性付与剤として作用する過酸化物とを特定の比率で配合することにより、良好な接着性と、加熱架橋することで良好な機械的物性が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、第1の発明の接着性エチレン系重合体組成物は、エチレン系重合体(A)と、架橋作用を有する過酸化物よりなる架橋剤(B)と、前記過酸化物以外でヒドロペルオキシ基を有する過酸化物よりなる接着性付与剤(C)とを含有する接着性エチレン系重合体組成物であって、前記エチレン系重合体(A)100質量部に対する架橋剤(B)の含有量が0.6〜20質量部、接着性付与剤(C)の含有量が0.4〜15質量部であり、かつ架橋剤(B)100質量部に対する接着性付与剤(C)の含有量が30〜80質量部であることを特徴とするものである。
第2の発明の接着性エチレン系重合体組成物の架橋接着方法は、第1の発明において、前記架橋剤(B)の過酸化物はジアルキルペルオキシドであり、接着性付与剤(C)の過酸化物はヒドロペルオキシドであることを特徴とするものである。
第3の発明の接着性エチレン系重合体組成物の架橋接着方法は、第1又は第2の発明の接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うことを特徴とするものである。
第4の発明のエチレン系重合体複合材料は、第1又は第2の発明の接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うことによって得られることを特徴とするものである。
第5の発明の繊維補強ベルトは、第1又は第2の発明においてエチレン系重合体(A)がエチレン及びそれ以外のα−オレフィンの共重合体である接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物としての繊維成形品とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うことによって得られることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明の接着性エチレン系重合体組成物では、エチレン系重合体(A)100質量部に対し、架橋剤(B)0.6〜20質量部と、ヒドロペルオキシ基を有する過酸化物よりなる接着性付与剤(C)0.4〜15質量部を含有してなり、かつ架橋剤(B)100質量部に対する接着性付与剤(C)の含有量が30〜80質量部である。このように、接着性付与剤(C)の含有量を架橋剤(B)の含有量より所定範囲で少なく設定することにより、架橋剤(B)に基づく架橋反応を行わせる一方、接着性付与剤(C)を構成する過酸化物が分解されて重合体鎖に水酸基が付与され、被接着物に対する接着性の向上に十分に寄与することができる。従って、接着性エチレン系重合体組成物は、架橋されたエチレン系重合体と被接着物とが優れた接着性を容易に発揮することができるとともに、引張強度等の機械的物性を良好に維持することができる。
第2の発明の接着性エチレン系重合体組成物では、架橋剤(B)の過酸化物はジアルキルペルオキシドであり、分解温度が高いことから、第1の発明の効果に加え、接着性エチレン系重合体組成物の調製時における作業性を向上させることができる。また、接着性付与剤(C)の過酸化物はヒドロペルオキシドであることから、分解したとき重合体鎖に容易に水酸基を与えることができるため、第1の発明の効果に加え、被接着物との接着性を高めることができる。
第3の発明の接着性エチレン系重合体組成物の架橋接着方法は、第1又は第2の発明の接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うものである。架橋接着時の温度を接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に設定することにより、接着性付与剤(C)が効率良く分解するため、より良好な接着性を示すことができると同時に、引張強度等の機械的物性を向上させることができる。
第4の発明のエチレン系重合体複合材料は、接着性エチレン系重合体組成物と例えば金属、異種重合体材料、繊維成形品等の被接着物とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うことによって得られる。そして、第1又は第2の発明の効果を発揮することができる。この方法により得られる複合材料は、例えば被覆電線、伝動ベルト、積層樹脂板或いはゴム等、多様な重合体複合材料の製造に広く利用することができ、その工業的な利用価値は極めて大きい。
第5の発明の繊維補強ベルトは、第1又は第2の発明でエチレン系重合体(A)がエチレン及びそれ以外のα−オレフィンの共重合体である接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物としての繊維成形品とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うことによって得られる。この場合、第1又は第2の発明の効果に加え、従来の表面改質やプライマー処理、接着剤の塗布といった煩雑な工程を必要とする繊維成形品とエチレン及びそれ以外のα−オレフィンの共重合体との接着工程を大幅に簡略化することができる。このことはコストや生産性の面から有利であるだけでなく、使用エネルギーや処理剤(薬剤)の削減により環境負荷も大幅に軽減されることから、その産業上の利用価値は極めて大きい。得られる繊維補強ベルトは、エチレン及びそれ以外のα−オレフィンの共重合体と繊維成形品とが良好に接着されており、しかもエチレン及びそれ以外のα−オレフィンの共重合体が適度に架橋されているため機械的強度に優れ、伝動ベルトやコンベアベルト等として好適である。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の接着性エチレン系重合体組成物は、エチレン系重合体(A)と、架橋作用を有する過酸化物よりなる架橋剤(B)と、前記過酸化物以外でヒドロペルオキシ基を有する過酸化物よりなる接着性付与剤(C)とを含有するものである。上記のエチレン系重合体(A)100質量部に対する架橋剤(B)の含有量は0.6〜20質量部、接着性付与剤(C)の含有量は0.4〜15質量部であり、かつ架橋剤(B)100質量部に対する接着性付与剤(C)の含有量は30〜80質量部である。
前記エチレン系重合体(A)は、エチレンの単独重合体(PE)、又はエチレンをその他の単量体と共重合させて得られる共重合体であって、用途に応じて選択することができる。ここで、エチレン系重合体(A)は、PE等の樹脂及びEPM、EPDM等のゴムを含む概念である。共重合体としては、エチレン及びその他のα−オレフィンの二元共重合体(ゴム)及びエチレン、その他のα−オレフィン及び非共役ジエンの三元共重合体(ゴム)が特に好ましいが、架橋剤として作用する架橋剤(B)によって架橋可能なものであれば特に限定されない。
エチレン系重合体(A)を形成する各単量体の使用割合は、質量比としてエチレン/エチレン以外のα−オレフィン=0.2〜1.0/0〜0.8であることが好ましい。エチレン成分の質量比が0.2未満の場合には、接着性が若干落ちる傾向にある。一方、α−オレフィン成分の質量比が0.8を超える場合には架橋接着時に過酸化物が分解して生ずるラジカルによって分子鎖が切断されやすく、架橋後の強度が十分でない場合がある。非共役ジエン成分の質量比については特に限定されず、本発明の目的を損なわない範囲であれば自由に設定することができる。
次に、架橋剤(B)は架橋作用を有する過酸化物であって、エチレン系重合体の架橋に通常用いられる過酸化物であれば問題なく使用することができる。架橋剤(B)として例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ヘキシルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルペルオキシド;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t-ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t-ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のペルオキシケタール等が挙げられる。これらの中で、分解温度が高く、配合時の作業温度をより広く設定できる点からジアルキルペルオキシドが好ましい。さらに、ジアルキルペルオキシドの中でもジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン等は、エチレン系重合体への親和性が高く、かつ架橋後の重合体の機械的物性も優れていることから特に好ましい。これらは純品で用いてもよいし、必要に応じて純品形態の他にトルエン、クメン、水等の溶媒、或いはシリカ等の不活性固体で希釈した形態でも使用することができる。
なお、エチレン系重合体(A)としてEPDMを用いる場合、架橋剤或いは架橋助剤として硫黄又は硫黄化合物を使用する方法も広く知られているが、本実施形態により提供される接着性エチレン系重合体組成物に対してこれら硫黄系薬剤の使用は適さない。なぜならば、硫黄系薬剤の種類によっては接着性付与剤(C)と作用してその分解温度を大幅に低下させる場合があるからである。硫黄系薬剤の使用は接着性付与剤の効果を減じるのみならず、場合によっては異常分解を起こすおそれがあるため、避けることが望ましい。
係る架橋剤(B)の配合量は、エチレン系重合体(A)100質量部に対して0.6〜20質量部であり、3〜15質量部であることが好ましい。この配合量が0.6質量部未満ではEPM、EPDMの場合加熱しても架橋が十分に進行せず、またPEにおいても前述した接着性付与剤(C)の作用により架橋後の重合体の強度や耐久性が不足する。一方、20質量部を超えると重合体の着色や焼けが著しく、また架橋後の重合体が脆くなる。
次に、接着性付与剤(C)は、前記架橋剤(B)以外でヒドロペルオキシ基(−OOH基)を有し、接着性付与作用を有するものである。この接着性付与剤(C)として例えば、過酸化水素;メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド等のケトンペルオキシド;t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−オクチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロペルオキシヘキサン、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド;過安息香酸、メタクロロ過安息香酸等の有機過酸等が挙げられる。これらの接着性付与剤(C)は、それぞれ単独で用いてもよいし、或いは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらの中では、加熱した際に生ずる重合体(ポリマー)ラジカルにより誘発分解され、重合体鎖に水酸基を与えて極性を付与し、被接着物となる他材料との親和性をさらに高める効果があることからヒドロペルオキシドが好ましい。そのヒドロペルオキシドの中でもt−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−オクチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドは、エチレン系重合体との親和性が高く、また配合時にも揮発しにくいため作業性の面から特に好ましい。上述の接着性付与剤(C)は、純品形態の他にトルエン、クメン、水等の溶媒や、シリカ等の不活性固体で希釈した形態で使用することができる。
接着性付与剤(C)の配合量は、エチレン系重合体(A)100質量部に対して0.4〜15質量部であり、2〜10質量部であることが好ましい。加えて、接着性付与剤(C)の配合量は、架橋剤(B)100質量部に対して30〜80質量部であり、50〜75質量部であることが好ましい。接着性付与剤(C)の配合量がエチレン系重合体(A)100質量部に対して0.4質量部未満の場合には、十分な接着性が得られない。一方、15質量部を超える場合には、加熱により重合体が着色したり、臭気が強くなるため不適当である。また、接着性付与剤(C)の配合量が架橋剤(B)100質量部に対して30質量部未満の場合、ヒドロペルオキシ基を有する過酸化物の分解量が少なく、重合体鎖に付与される水酸基が不十分で接着性を付与する効果が不足する。一方、80質量部を超える場合、ヒドロペルオキシ基を有する過酸化物がジアルキルペルオキシド等の過酸化物の架橋作用を遅延又は阻害させるため、架橋が十分に進行せず、架橋後の成形品において引張強度等の機械的物性を満足に発揮することができない。
接着性エチレン系重合体組成物は、前述したエチレン系重合体(A)、架橋剤(B)及び接着性付与剤(C)を含有する各成分を前記の配合量で混合することにより得られる。その際に用いられる混合手段は特に限定されず、公知の手段を採用することができる。具体例としては、例えばヘンシェルミキサーのような物理的に混合する装置を使用する手段や、溶媒を使用して溶液状態にする手段や、一軸或いは二軸押出機、ロール、ニーダー、ニーダールーダー、フィーダールーダー、バンバリーミキサー、押出成形機等を用いて混練する手段が挙げられる。上記の溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の飽和脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロメタン、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素が用いられる。
このようにして調製された接着性エチレン系重合体組成物は、目的に応じてそのまま、或いはエチレン系重合体(A)以外の重合体、充填剤等を加えて調製したのち、通常の樹脂加工で行われているプレス成形、押出成形、射出成形、トランスファー成形、カレンダー成形等により加熱、架橋することによって架橋重合体として成形することができる。特に、混合から成形までを連続的に行えるような装置、例えば押出成形機等の使用は、本発明の特長を最大限に活かせるため好ましい。各成分を混合する際、本発明の目的を損なわない範囲であれば、通常エチレン系重合体の成形に用いられる他の材料、例えばエチレン系重合体以外の重合体、充填剤、可塑剤、架橋助剤、老化防止剤、滑剤、顔料等を同時に混合することができる。但し、接着性付与剤(C)はヒドロペルオキシ基を有する酸化性の物質であるから、前述した通り硫黄系薬剤等の高い還元力を持つ原料を同時に混合することは好ましくない。
さらに、作業性を向上させるために予め過酸化物濃度の高い接着性エチレン系重合体組成物、いわゆるマスターバッチを調製しておくことも可能である。この場合、マスターバッチに配合される接着性付与剤(C)は、架橋剤(B)100質量部に対し30〜80質量部でなければならない。
マスターバッチは過酸化物と重合体の他、充填剤、可塑剤、滑剤等を配合して調製される。マスターバッチ中の架橋剤(B)と接着性付与剤(C)の合計の過酸化物濃度は特に限定されないが、通常は20〜50質量%となるよう調製される。充填剤はマスターバッチにおいては液体成分の染み出しを防止する役割を果たす。通常よく用いられる充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ等の無機充填剤が挙げられる。可塑剤及び滑剤はマスターバッチの作製或いは使用時の加工性を高める目的で加えられる。可塑剤及び滑剤の種類は過酸化物と反応しないものであれば特に限定されないが、前者は通常炭化水素系のいわゆるプロセスオイル、又はフタル酸エステル等の有機酸エステルが一般的であり、後者としてはステアリン酸を用いるのが一般的である。このようなマスターバッチを用いることにより、それを希釈して使用することで個々に接着性エチレン系重合体組成物を調製する必要がなく、作業性を向上させることができる。
次に、第3の発明であるエチレン系重合体の架橋接着方法と、その方法により得られる第4及び第5の発明であるエチレン系重合体複合材料及び繊維補強ベルトについて説明する。
エチレン系重合体の架橋接着方法は、第1の発明である接着性エチレン系重合体組成物と被接着物とを接触させた状態で、接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱して行うことを特徴とする。架橋接着時の温度は、使用する架橋剤(B)及び接着性付与剤(C)の分解温度にもよるが、通常140〜250℃であり、好ましくは160〜220℃である。接着時の温度が250℃を超えると重合体の分解や添加した成分の揮発が起き、架橋後の機械的物性や被接着物との接着力が低下するおそれがある。一方、140℃未満では架橋剤(B)及び接着性付与剤(C)の分解に長時間を要し、生産性の点で問題がある。加熱時間は処理温度や使用する過酸化物の種類、また所望する複合材料の形状によって変わってくるが、一般には1分〜1時間程度に設定される。このとき、必ずしも温度を一定に保つ必要はなく、過酸化物が残存せず、なおかつ所望の接着力や架橋物性が得られるような条件であれば、昇温、冷却の過程を含めて処理時間を設定してもよい。
架橋接着に用いられる装置は特に限定されず、公知の装置を用いることができるが、配合から成形、架橋接着までを連続的に行える点から押出成形機等を用い、連続製造を行うことが特に好ましい。また、被接着物の材質や形状は特に限定されず、通常エチレン系重合体と複合化して用いるものであって、架橋接着時の温度や圧力に耐えうるものであれば問題なく用いることができる。
被接着物としては、例えば銅、アルミニウム、真鍮等の金属材料;アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の熱可塑性樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム等の極性ゴム;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の合成繊維、さらに繊維成形品等が例示される。繊維成形品としては、PET帆布(織布)、綿帆布等の帆布、アラミド繊維の織布、不織布、カーボン繊維の織布等が挙げられる。
これらの被接着物は、表面処理なしでそのまま用いてもよいし、より高い接着強度が求められる場合には表面の研磨、コロナ放電、火焔処理等の物理的処理、或いは薬剤処理、プライマーの塗布といった化学的な表面処理を行ってもよい。どの表面処理方法によっても接着強度を向上させることができるが、接着性付与剤(C)としてヒドロペルオキシドを用いた場合、架橋接着の過程で重合体鎖に水酸基が導入されるため、その水酸基と反応するような薬品、たとえばイソシアネート化合物やカルボン酸無水物のような薬品を塗布する方法が好ましい。その場合、架橋接着の過程で被接着物の表面と重合体鎖の水酸基との間で化学結合(水素結合)が形成され、より高い接着強度を得ることができる。この方法は、薬品の浸透性が高い(合成)繊維成形品において特に有効である。
以上のような接着性エチレン系重合体組成物の架橋接着方法により、接着性エチレン系重合体組成物と被接着物との接着性エチレン系重合体複合材料が得られる。例えば、エチレン及びそれ以外のα−オレフィンの共重合体と繊維成形品とを架橋接着することにより、繊維補強ベルトが得られる。係る接着性エチレン系重合体複合材料は、重合体と被接着物とが良好に接着されており、機械的強度や耐久性に優れることから被覆電線、ケーブル等の電気通信部品、Vベルト、タイヤ等の自動車部品、伝動ベルト、コンベアベルト、ホース、ゴム防堰等の建築、工業部品、日用品等として好適である。
さて、本実施形態の作用について説明すると、接着性エチレン系重合体組成物は、エチレン系重合体に架橋剤(B)と接着性付与剤(C)とが配合されて調製される。その場合、接着性付与剤(C)の含有量がエチレン系重合体(A)100質量部に対して0.4〜15質量部に設定され、かつ架橋剤(B)100質量部に対して30〜80質量部に設定されている。そして、架橋接着を行う場合には、接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱することにより、架橋と接着とが同時に行われる。
そのとき、ヒドロペルオキシ基を有する過酸化物が加熱によって生成される重合体ラジカルにより誘発分解され、重合体鎖に水酸基を付与して極性をもたせる。従って、架橋されたエチレン系重合体は被接着物に対し水素結合等により結合性(親和性)が高められる。一方、接着性付与剤(C)の配合量は上限が規定されていることから、架橋剤(B)の架橋作用が阻害されることなく、架橋作用を十分に発現することができる。従って、エチレン系重合体組成物は加熱、架橋されて架橋構造が形成され、強度及び硬度が高められる。このように、本実施形態によれば、接着作用と架橋作用との両立を図ることができる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態の接着性エチレン系重合体組成物では、エチレン系重合体(A)100質量部に対し、架橋剤(B)0.6〜20質量部と、ヒドロペルオキシ基を有する過酸化物よりなる接着性付与剤(C)0.4〜15質量部を含有してなり、かつ架橋剤(B)100質量部に対する接着性付与剤(C)の含有量が30〜80質量部である。このように、接着性付与剤(C)の含有量を架橋剤(B)の含有量より所定範囲で少なく設定することにより、架橋剤(B)に基づく架橋反応を行わせる一方、接着性付与剤(C)を構成する過酸化物が分解されて重合体鎖に水酸基が付与され、被接着物に対する接着性の向上に十分に寄与することができる。従って、接着性エチレン系重合体組成物は、架橋されたエチレン系重合体と被接着物とが優れた接着性を容易に発揮することができるとともに、引張強度等の機械的物性を良好に維持することができる。
・ また、架橋剤(B)の過酸化物としてジアルキルペルオキシドを用いることにより、分解温度を高くすることができ、接着性エチレン系重合体組成物の調製時における作業性を向上させることができる。さらに、接着性付与剤(C)の過酸化物としてヒドロペルオキシドを用いることにより、分解したとき重合体鎖に容易に水酸基を与えることができるため、被接着物との接着性を高めることができる。
・ さらに、接着性エチレン系重合体組成物の架橋接着方法では、前記接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とが同時に行われる。架橋接着時の温度を接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に設定することにより、接着性付与剤(C)が効率良く分解するため、より良好な接着性を示すことができると同時に、引張強度等の機械的物性をより向上させることができる。
・ 加えて、接着性エチレン系重合体複合材料は、接着性エチレン系重合体組成物と例えば金属、異種樹脂材料、繊維成形品等の被接着物とを、前記架橋接着方法によって接着することにより得られる。この方法により架橋されたエチレン系重合体と被接着物とが良好に接着され、かつ機械的物性にも優れたエチレン系重合体複合材料を簡便に得ることができる。得られる複合材料は、例えば被覆電線、伝動ベルト、積層樹脂板或いはゴム等、多様な樹脂複合材料の製造に広く利用することができ、その工業的な利用価値は極めて大きい。
・ また、繊維補強ベルトは、前記架橋接着方法により、エチレン及びその他のα−オレフィンの共重合体と繊維成形品とを架橋接着することにより得られる。この場合、従来の表面改質やプライマー処理、接着剤の塗布といった煩雑な工程を必要とする繊維成形品とエチレン−α−オレフィン共重合体との接着工程を大幅に簡略化することができる。従って、製造コストや生産性の面から有利であるだけでなく、使用エネルギーや処理剤(薬剤)の削減により環境負荷も大幅に軽減されることから、その産業上の利用価値は極めて大きい。得られる繊維補強ベルトは、エチレン及びその他のα−オレフィンの共重合体と繊維成形品とが良好に接着されており、しかもエチレン及びその他のα−オレフィンの共重合体が適度に架橋されているため機械的強度に優れ、伝動ベルトやコンベアベルト等として好適に使用することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、各例における部及び%は質量部及び質量%を表す。また、各例中の略号は以下の化合物を示す。
(過酸化物)
CHP:クメンヒドロペルオキシド〔日本油脂(株)製、商品名:パークミルH−80、純度:80%、10時間半減期温度:158℃、1分間半減期温度:254℃〕
DCP:ジクミルペルオキシド〔日本油脂(株)製、商品名:パークミルD、純度:98%、10時間半減期温度:116℃、1分間半減期温度:175℃〕
(エチレン系重合体)
LDPE:低密度ポリエチレン〔住友化学(株)製、商品名:SUMIKACENE−CE3053〕
EPM:エチレン−プロピレン共重合体〔JSR(株)製、商品名:JSR EP11、ムーニー粘度(ML1+4、100℃):40〕
EPDM:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体〔JSR(株)製、商品名:JSR EP21、ムーニー粘度(ML1+4、100℃):38〕
(充填剤)
カーボンブラック:HAF級カーボンブラック〔東海カーボン(株)製、商品名:シースト3〕
シリカ:沈降法シリカ〔日本シリカ工業(株)製、商品名:ニップシールVN3〕
(金属箔)
アルミニウム箔:アルミニウム製標準試験板〔0.1×200×200mm、日本テストパネル(株)製〕
(極性重合体)
NBR:アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム〔日本ゼオン(株)製、商品名:Nipol DN207〕
(繊維成形品)
PET帆布:ポリエチレンテレフタレート製織布
(プライマー)
スミジュール44V20:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート〔固形分64.4%、住化バイエルウレタン(株)製〕
〔評価方法〕
(機械的強度の評価)
架橋されたエチレン系重合体の機械的強度は、LDPEについてはJIS K 7113に、EPM、EPDMについてはJIS K 6251に記載の引張試験に基づき常法により評価した。
(エチレン系重合体複合材料の接着強度評価)
(エチレン系重合体−アルミニウム箔密着性試験)
エチレン系重合体組成物を0.8mm厚の真鍮製金型にセットし、アルミニウム箔2枚を上下に被せ、さらに真鍮板に挟んで加熱プレスで架橋接着させた〔200℃、予熱2分(加圧なし)、融着1分(35MPa)〕。
架橋接着して得られたエチレン系重合体−アルミニウム箔複合体を、JIS K 6301に記載の剥離試験に準じ、200mm×25mmの短冊状に切り出して試験片を作製した。2枚のアルミニウム箔の端部を引張試験機のつかみ具に保持させ、剥離試験を行った(引張速度50mm/分、雰囲気温度:23℃)。このときの最大荷重(単位:N/cm)を剥離強度として記録した。また、剥離されたアルミニウム箔と重合体層の状態を目視にて観察し、重合体層又はアルミニウム箔が破壊されているものを材料破壊、界面から剥離してアルミニウム箔と重合体の界面が露出しているものを界面破壊と判定した。
(エチレン系重合体−NBR密着性試験)
充填剤等を配合したエチレン系重合体組成物を、縦150mm、横150mm及び深さ2mmの真鍮製金型を用いて加熱プレスでシート状に成型した(100℃で5分、20MPa)。このシートを、同様にして作製したNBR組成物のシートと重ね合わせ、間にフッ素樹脂シートを挟み込んで加熱プレスで加熱架橋させた(180℃で30分、35MPa)。得られた複合材料をJIS K 6301に記載の剥離試験に準じ、長さ200mm、幅25mmの短冊状に切り出して試験片を作製した。端部を引張試験機のつかみ具に保持させ、剥離試験を行った(引張速度50mm/分、雰囲気温度:23℃)。このときの最大荷重(単位:N/25mm)を剥離強度として記録した。また、剥離された試験片の状態を目視にて観察し、重合体層が破壊されているものを材料破壊、界面から剥離したものを界面破壊と判定した。
(エチレン系重合体−帆布密着性試験)
充填剤等を配合したエチレン系重合体組成物を、150mm×150mm×2mmの真鍮製金型を用いて加熱プレスでシート状に成型した(100℃×5分、20MPa)。このシートを、プライマー処理した帆布と重ね合わせ、間にフッ素樹脂シートを挟み込んで加熱プレスで加熱架橋させた(180℃で30分、35MPa)。加熱架橋して得られたエチレン系重合体−帆布複合体を、JIS K 6301に記載の剥離試験に準じ、長さ120mm、幅25mmの短冊状に切り出して試験片を作製した。ゴムと帆布を長辺方向に約30mm剥離させ、ゴムの端部を引張試験機のつかみ具に保持させて剥離試験を行った(引張速度:50mm/min、雰囲気温度:23℃)。このときの最大荷重(単位:N/25mm)を剥離強度として記録した。また、剥離された帆布と重合体層の状態を目視にて観察し、重合体層が破壊されて帆布の表面に付着しているものを材料破壊、界面が剥離して帆布の表面が露出しているものを界面破壊と判定した。
(エチレン系重合体−帆布複合体の耐久性試験)
前記密着性試験と同様に作製したエチレン系重合体−帆布複合体をベルトのモデルに見立て、その耐久性を耐屈曲性と耐熱性の2点で評価した。耐屈曲性試験はJIS K 6260に記載の屈曲亀裂発生試験に準じて行い、重合体表面の亀裂の有無と、重合体−帆布界面の剥離の有無を目視にて評価した。また耐熱性は、試験片を150℃の送風オーブン中に吊した状態で48時間加熱し、その後放冷したものの剥離強度を加熱前と比較することで評価した。表11中においては下記式で計算される剥離強度保持率で示した。
剥離強度保持率(%)=〔(加熱後の剥離強度)/(加熱前の剥離強度)〕×100
(参考例1、PE−Aの製造)
缶体温度を120℃に設定したバンバリーミキサーにLDPE100質量部を入れ、続いてCHP1.5質量部を投入して混練した(120℃で5分)。全体が均一になったところでDCPを2質量部投入し、さらに混練した(120℃で3分)。内容物を缶体から取り出し、フッ素樹脂シートに挟み、さらに真鍮板で挟んで水冷プレスにセットして冷却し、PE−Aを得た。
(参考例2、EPM−Aの製造)
EPM100質量部をオープンロールで素練りした後、CHP2質量部を徐々に加えた。全体が均一になったところでDCP3質量部を投入し、再び均一になるまで混練した。得られた試料は薄く延ばして取り出し、放冷してEPM−Aを得た。混練終了直後の重合体温は58℃であった。
(参考例3、EPDM−Aの製造)
参考例2において、EPMの代わりにEPDMを用いた他は参考例2と同様にして行い、EPDM−Aを得た。混練終了直後の重合体温は55℃であった。
(参考例4〜7)
参考例1における組成を表1のように変えた以外は参考例1と同様にして行い、BK−PE、PE−B、PE−C及びPE−Dを得た。参考例1〜7の組成を表1にまとめて示した。
Figure 2006282932
(参考例8〜10及び14)
参考例2における組成を表2のように変えた以外は参考例2と同様にして行い、BK−EPM、EPM−B、EPM−C及びEPM−Dを得た。
(参考例11〜13及び15)
参考例3における組成を表2のように変えた以外は参考例3と同様にして行い、BK−EPDM、EPDM−B、EPDM−C及びEPDM−Dを得た。参考例8〜15の組成を表2にまとめて示した。
Figure 2006282932
(参考例16、帆布のプライマー処理)
PET帆布を、スミジュール44V20の20%トルエン溶液に20秒間浸漬した。引き上げた後200℃の送風オーブン中で5分間乾燥熱処理して、プライマー処理PET帆布を得た。
(実施例1、PEの引張試験)
エチレン系重合体組成物として参考例1により得られたPE−Aを用い、加熱プレスして架橋させ、重合体板を作製した。その重合体板から試験片を切り出し、引張強度を評価した。その結果を表3に示す。
(比較例1〜3)
実施例1において使用したエチレン系重合体組成物を表3に記載の通り変更した他は実施例1と同様にして行い、引張強度を評価した。それらの結果を表3に示す。
(実施例2、EPMの引張試験)
エチレン系重合体組成物として参考例2により得られたEPM−Aを用い、表3に示した組成で配合した後、金型を用いて加熱プレスで架橋させ、ゴムシートを得た。試験片を切り出し、引張強度を評価した。その結果を表3に示す。
(実施例3、EPDMの引張試験)
実施例2において使用したエチレン系重合体組成物を表3に記載のEPDM−Aに変更した他は実施例2と同様にして実施し、引張強度を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2006282932
(比較例4〜9)
実施例2において使用したエチレン系重合体組成物を表4に記載の通り変更した他は実施例2と同様にして実施し、引張強度を評価した。それらの結果を表4に示す。
Figure 2006282932
表3及び表4に示すように、実施例1と比較例1、3、実施例2と比較例4、6、実施例3と比較例7、9とを比較すると、各実施例の接着性エチレン系重合体組成物の架橋後の引張強度は架橋剤を配合しなかったものを大きく上回った。また、接着性付与剤を配合しなかったもの、すなわち通常用いられるような架橋条件で架橋したものと同等であることが分かった。このことから、各実施例の接着性エチレン系重合体組成物は加熱架橋することによって通常の架橋重合体と同等の強度が得られることが明らかとなった。
実施例1と比較例2、実施例2と比較例5、実施例3と比較例8とを比較すると、CHPの配合量がDCP100質量部に対して80質量部を超える場合(比較例2、8、11)に比べて低下することが分かった。このことから、接着性付与作用を有するヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して80質量部以下である必要があることが明らかとなった。
(実施例4、アルミニウム箔とPEとの架橋接着)
エチレン系重合体組成物として参考例1により得られたPE−Aを用い、前記のエチレン系重合体−アルミニウム箔密着性試験に記載の手順に従ってアルミニウム箔との複合体を得、その密着性を評価した。それらの結果を表5に示す。
(実施例5、6及び比較例10〜21)
実施例4における重合体組成物をそれぞれ表5及び表6に記載した通り変更した他は実施例4と同様にして実施し、アルミニウム箔との密着性を評価した。それらの結果を表5及び表6に示す。
Figure 2006282932
Figure 2006282932
表5に示すように、実施例4と比較例10との比較より、接着性付与剤としてCHPを配合した場合、配合しなかった場合よりも有意に剥離強度が増大しており、実施例4の接着性エチレン系重合体組成物が金属との接着強度の向上に有効であることが明らかとなった。
表5及び表6に示すように、実施例5と比較例14との比較、及び実施例6と比較例17との比較より、接着性付与剤としてCHPを配合した場合、配合しなかった場合よりも有意に剥離強度が増大して材料破壊が起きており、各実施例の接着性エチレン系重合体組成物が金属との接着強度向上に有効であることが明らかとなった。
実施例4と比較例12、実施例5と比較例16とをそれぞれ比較すると、剥離状況はいずれも材料破壊となっているが、DCPを配合しないものでは配合したものと比べて剥離強度が低く、重合体層の機械的強度が低いことが分かった。従って、各実施例の接着性エチレン系重合体組成物が、接着性のみならず架橋後の機械的強度にも優れていることが明らかとなった。
実施例5と比較例15、実施例6と比較例18とを各々比較すると、CHPの配合量がDCP100質量部に対して80質量部を超える場合(比較例15及び18では83.3部)、剥離状況は材料破壊で接着性は付与されるが、CHPが80質量部以下のものと比較して剥離強度が低くなり、重合体層の機械的強度が低いことが分かった。このことから、接着性付与剤として作用するヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して80質量部以下であるべきことが明らかとなった。
一方、実施例4と比較例13、実施例5と比較例20及び実施例6と比較例21とをそれぞれ比較すると、CHPの配合量がDCP100質量部に対して30質量部未満の場合(比較例13では25部、比較例20及び21では26.7部)、剥離強度は40%以上低下し、実施例4〜6に比べて著しい差が認められた。さらに、剥離状況についても、実施例4〜6では材料破壊であるのに対して比較例13、20及び21ではいずれも界面破壊であった。従って、ヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して30質量部以上であるべきことが明らかとなった。
(実施例7、NBRとゴムとの架橋接着)
NBR100質量部にシリカ20質量部、DCP2質量部をオープンロールを用いて配合し、厚さ約2mmのシート状に成形した。参考例2により得られたEPM−Aに表7に示したとおり充填剤を配合した後、NBRシートと同様のシート状に成形し、これらを重ね合わせて加熱架橋させた。得られた複合体を切り出して試験片を作製し、前記の剥離試験を行うことによって接着強度を評価した。その結果を表7に示す。
(実施例8及び比較例22〜29)
実施例7において使用したエチレン系重合体組成物を表7及び表8に記載の通り変更した他は実施例7と同様にして実施し、得られた複合体の接着強度を評価した。それらの結果を表7及び表8に示す。
Figure 2006282932
Figure 2006282932
表7及び表8に示すように、実施例7と比較例22、実施例8と比較例26との比較より、接着性付与剤としてCHPを配合した場合には、配合しなかった場合よりも有意に剥離強度が増大して材料破壊が起きており、各実施例の接着性エチレン系重合体組成物が金属との接着強度向上に有効であることが明らかとなった。
また、実施例7と比較例24、実施例8と比較例28とをそれぞれ比較すると、剥離状況はいずれも材料破壊となっているが、DCPを配合しないものでは配合したものと比べて剥離強度が低く、エチレン系重合体層の機械的強度が低いことが分かった。各実施例の接着性エチレン系重合体組成物が、接着性のみならず架橋後の機械的強度にも優れていることが明らかとなった。
さらに、実施例7と比較例23、実施例8と比較例27とを各々比較すると、CHPの配合量がDCP100質量部に対して80質量部を超える場合(比較例23及び27では83.3部)、剥離状況は材料破壊で接着性は付与されるが、CHPが80質量部以下のものと比較して剥離強度が低くなり、重合体層の機械的強度が低いことが分かった。このことから、接着性付与作用を有するヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して80質量部以下であるべきことが明らかとなった。
一方、実施例7と比較例25及び実施例8と比較例29とをそれぞれ比較すると、CHPの配合量がDCP100質量部に対して30質量部未満の場合(比較例25及び29では26.7部)、剥離強度は60%以上低下し、実施例7及び8に比べて著しい差が認められた。さらに、剥離状況についても、実施例7及び8では材料破壊であるのに対して比較例25及び29ではいずれも界面破壊であった。従って、ヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して30質量部以上であるべきことが明らかとなった。
(実施例9、帆布とゴムとの架橋接着)
参考例2により得られたEPM−A 100質量部に、カーボンブラック40質量部、ステアリン酸0.5質量部を加えて6インチロールで混練することにより、2mm厚さの配合ゴムシートを2枚作製した。
得られた配合ゴムシート2枚に、参考例16によって得られたプライマー処理PET帆布を所定の大きさに裁断したものを挟み込み、金型に入れ固定した。これを10MPaの圧力下、180℃で30分間架橋接着し、帆布−ゴム複合体を製造した。得られた帆布−ゴム複合体を切り出して試験片を作製し、前記の帆布剥離試験を行うことによって帆布とゴムとの接着強度を評価した。その結果を表9に示す。
(実施例10、比較例30〜37)
実施例9において使用した重合体組成物を表9及び表10に記載の通り変えた他は実施例9と同様にして行い、帆布とゴムとの接着強度を評価した。それらの結果を表9及び表10に示す。
Figure 2006282932
Figure 2006282932
表9に示すように、実施例9と比較例30との比較より、接着性付与剤としてCHPを配合した場合、配合しなかった場合よりも剥離強度が有意に増大して破壊状況も材料破壊となった。すなわち、実施例9の接着性エチレン系重合体組成物が帆布との接着強度向上に有効であることが明らかとなった。また、表10に示すように、実施例10と比較例34との比較より、接着性付与剤としてCHPを配合した場合には、配合しなかった場合よりも剥離強度が有意に増大して剥離状況も材料破壊となった。つまり、実施例10の接着性エチレン系重合体組成物が帆布との接着強度向上に有効であることが明らかとなった。
さらに、実施例9と比較例32、実施例10と比較例36をそれぞれ比較すると、いずれも剥離状況は材料破壊となっており、帆布とゴムとが一定以上の強度で接着していることを示しているが、DCPを配合しなかったものでは配合したものに比べて剥離強度が低く、重合体層の機械的強度が低いことが分かった。各実施例の接着性エチレン系重合体組成物が、接着性のみならず架橋後の機械的強度にも優れていることが明らかとなった。
加えて、実施例9と比較例31、実施例10と比較例35とを比較すると、CHPの配合量がDCP100質量部に対して80質量部を超える場合(比較例31及び35では83.3部)、剥離状況は材料破壊で接着性は付与されるが、CHPが80質量部以下のものと比較して剥離強度が低くなり、重合体層の機械的強度が低いことが分かった。このことから、接着性付与作用を有するヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して80質量部以下であるべきことが明らかとなった。
一方、実施例9と比較例33及び実施例10と比較例37とをそれぞれ比較すると、CHPの配合量がDCP100質量部に対して30質量部未満の場合(比較例33及び37では26.7部)、剥離強度は65%以上低下し、実施例9及び10に比べて著しい差が認められた。さらに、剥離状況についても、実施例9及び10では材料破壊であるのに対して比較例25及び29ではいずれも界面破壊であった。従って、ヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して30質量部以上であるべきことが明らかとなった。
(実施例11、エチレン系重合体−帆布複合体の耐久性試験)
伝動ベルトのモデルとして、エチレン系重合体−帆布複合体を実施例10と同様にして作製し、その耐屈曲性及び耐熱性を評価した。それらの結果を表11に示す。
(比較例38〜41)
実施例11において使用したエチレン系重合体を、それぞれ表11に記載した通り変更した他は実施例11と同様にして実施し、作製したエチレン系重合体−帆布複合体の耐屈曲性及び耐熱性を評価した。それらの結果を表11に示す。
Figure 2006282932
表11に示すように、実施例11と比較例38との比較より、接着性付与剤としてCHPを配合した場合、配合しなかった場合に比べて耐熱性及び耐屈曲性試験において優れた値を示すことが分かった。このことから、実施例11により得られる伝動ベルトは、重合体と繊維成形品とが良好に接着しており、耐熱性及び耐屈曲性に優れることが明らかとなった。また、実施例11と比較例40との比較より、架橋剤としてDCPを配合した場合、配合しなかった場合に比べて耐屈曲性試験においてゴム層の亀裂が少なく、また耐熱性試験において剥離強度の保持率が高かった。これらのことから、実施例11により得られる伝動ベルトは、ゴム層が良好に架橋されており、耐屈曲性、耐熱性に優れることが明らかとなった。
さらに、実施例11と比較例39との比較より、CHPの配合量がDCP100質量部に対して80質量部を超える場合(比較例39では83.3部)、耐屈曲性、耐熱性ともに低下することが分かった。このことから、接着性付与剤として作用するヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して80質量部以下であるべきことが明らかとなった。
一方、実施例11と比較例41とを比較すると、CHPの配合量がDCP100質量部に対して30質量部未満の場合(比較例41では26.7部)、耐屈曲性試験において接着界面が剥離状態で、また耐熱性試験において剥離強度の保持率が低く、剥離状況は界面破壊であった。従って、ヒドロペルオキシ基を含有する過酸化物の配合量は架橋剤100質量部に対して30質量部以上であるべきことが明らかとなった。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 架橋剤(B)の過酸化物を複数種類組合せて用いたり、接着性付与剤(C)の過酸化物を複数種類組合せて用いることも可能である。
・ エチレン系重合体(A)として、エチレンと、接着性を向上させる水酸基、カルボキシル基等の官能基を有する単量体との共重合体を用い、被接着物との接着性を向上させるように構成することもできる。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
・ 前記エチレン系重合体(A)は、ポリエチレン、エチレン及びそれ以外のα−オレフィンの二元共重合体又はエチレン、それ以外のα−オレフィン及び非共役ジエンの三元共重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着性エチレン系重合体組成物。この場合、被覆電線、Vベルト、コンベアベルト等として用いたとき、良好な接着性を示すとともに、引張強度等の機械的物性を向上させることができる。
・ 前記架橋剤(B)の過酸化物と接着性付与剤(C)の過酸化物との合計の過酸化物濃度が20〜50質量%に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着性エチレン系重合体組成物。この場合、接着性エチレン系重合体組成物をマスターバッチとすることができ、それを希釈して使用することにより作業性を向上させることができる。

Claims (5)

  1. エチレン系重合体(A)と、架橋作用を有する過酸化物よりなる架橋剤(B)と、前記過酸化物以外でヒドロペルオキシ基を有する過酸化物よりなる接着性付与剤(C)とを含有する接着性エチレン系重合体組成物であって、
    前記エチレン系重合体(A)100質量部に対する架橋剤(B)の含有量が0.6〜20質量部、接着性付与剤(C)の含有量が0.4〜15質量部であり、かつ架橋剤(B)100質量部に対する接着性付与剤(C)の含有量が30〜80質量部であることを特徴とする接着性エチレン系重合体組成物。
  2. 前記架橋剤(B)の過酸化物はジアルキルペルオキシドであり、接着性付与剤(C)の過酸化物はヒドロペルオキシドであることを特徴とする請求項1に記載の接着性エチレン系重合体組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うことを特徴とする接着性エチレン系重合体組成物の架橋接着方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うことによって得られることを特徴とするエチレン系重合体複合材料。
  5. 請求項1又は請求項2においてエチレン系重合体(A)がエチレン及びそれ以外のα−オレフィンの共重合体である接着性エチレン系重合体組成物と、被接着物としての繊維成形品とを接触させた状態で接着性付与剤(C)の10時間半減期温度を超える温度に加熱し、架橋と接着とを同時に行うことによって得られることを特徴とする繊維補強ベルト。


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