JP2006281026A - 窒素酸化物接触還元触媒及びそれを用いた亜酸化窒素の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より効果的に亜酸化窒素を無害な窒素に変換することを可能とすることで、環境への悪影響を抑制することができる窒素酸化物接触還元触媒及びそれを用いた亜酸化窒素の処理方法を提供する。
【解決手段】 本発明の窒素酸化物接触還元触媒は、ルチル型酸化チタンと、 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、白金、金、鉛のいずれかの金属元素或いはその酸化物から選ばれた少なくとも一種以上の担持金属から成り、該担持金属の担持量が40wt%以下とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、窒素酸化物、特に亜酸化窒素を容易に処理するための窒素酸化物接触還元触媒及び当該触媒を用いた亜酸化窒素の処理方法に関するものである。
従来より排気ガス中に含まれる窒素酸化物は、環境汚染の問題からも効果的に無害なものに処理することが望まれている。この窒素酸化物には、地球温暖化現象を増長させる亜酸化窒素も含まれている。この亜酸化窒素は、排気ガスに含有されるのみならず、例えば病院等で麻酔ガスとして使用される笑気ガスとしても用いられている。この場合において、麻酔ガスとして使用に供された亜酸化窒素は、格別に適切な処理がなされることなく、大気中に放出されている。そのため、係る場合においても、亜酸化窒素の大気放出による環境への悪影響を及ぼしていた。
そこで、係る亜酸化窒素を無害な物質に処理するため、例えば、特許文献1に示す如き窒素酸化物接触還元用触媒の開発がなされている。この特許文献に示される触媒は、アナターゼ型の結晶形態を有する酸化チタン又は当該アナターゼ型の酸化チタンと、バナジウム、クロム、亜鉛、ニオブ、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅のうち少なくとも一種の金属の酸化物とから構成される窒素酸化物接触還元用触媒である。
係る触媒により亜酸化窒素を処理する際には、対象となる窒素酸化物含有ガスは、酸素を例えば0.5〜20%程度含有するものとし、所定の還元剤を用いて300℃〜600℃の反応領域を所定速度にて通気させることにより行っていた。
特開平8−164335号公報
上記特許文献1では、いずれの触媒においても還元剤を使用して亜酸化窒素から窒素への変換を行っている。この特許文献1による実験では、300℃〜600℃の温度範囲において亜酸化窒素の窒素への転換処理を行っている。これによると、窒素への転換効率が最も良い触媒は、アナターゼ型の酸化チタンに銅を加えたものであり、還元剤としてエチレンや2−プロパノールを用いている。亜酸化窒素から窒素への転換効率は400℃乃至500℃において80〜85%程度のピークを示しており、更に、熱を加えた場合には、転換効率は低下している。
そのため、係る触媒を用いた処理では、処理対象とされるガスから完全に亜酸化窒素を窒素に変換させることができず、少なくとも処理対象とされるガスの15%〜20%程度の亜酸化窒素は、処理されないまま大気中へ放出されてしまうこととなる。これにより、亜酸化窒素による環境への悪影響を遮断することができないという問題が残留することとなる。
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、より効果的に亜酸化窒素を無害な窒素に変換することを可能とすることで、環境への悪影響を抑制することができる窒素酸化物接触還元触媒及びそれを用いた亜酸化窒素の処理方法を提供する。
本発明の窒素酸化物接触還元触媒は、ルチル型酸化チタンと、 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、白金、金、鉛のいずれかの金属元素或いはその酸化物から選ばれた少なくとも一種以上の担持金属から成り、該担持金属の担持量が40wt%以下であることを特徴とする。
請求項2の発明は、上記発明において、担持金属は、銅或いはその酸化物であることを特徴とする。
請求項3の発明の亜酸化窒素の処理方法は、請求項1又は請求項2の窒素酸化物接触還元触媒を用い、600℃以上の反応温度に維持することを特徴とする。
本発明の窒素酸化物接触還元触媒によれば、ルチル型酸化チタンと、 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、白金、金、鉛のいずれかの金属元素或いはその酸化物から選ばれた少なくとも一種以上の担持金属から成り、該担持金属の担持量を40wt%以下とすることにより、通常の酸素含有雰囲気中、即ち、空気中であっても、格別に還元剤を用いることなく、窒素化合物、特に亜酸化窒素を効率的に窒素にまで還元処理することができる。
そのため、特に温室効果ガスである亜酸化窒素を高効率にて処理することが可能となることから、適切に亜酸化窒素を処理することで、環境保全に寄与することが可能となる。
請求項2の発明によれば、担持金属は、銅或いはその酸化物とすることにより、格別に還元剤を用いることなく、より効率的に窒素化合物、特に亜酸化窒素を窒素にまで還元処理することができる。
請求項3の発明の亜酸化窒素の処理方法によれば、請求項1又は請求項2の窒素酸化物接触還元触媒を用い、600℃以上の反応温度に維持することにより、格別に還元剤を用いることなくほぼ完全に亜酸化窒素を窒素ガスに還元処理することが可能となる。
これにより、温室効果ガスである亜酸化窒素を簡易的に分解処理することが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。まず初めに、本発明の窒素化合物、特に、亜酸化窒素(N2O)の処理装置1について図1を参照して説明する。図1は処理装置1の概要を示す図である。係る処理装置1は、いわゆる固定床流通式反応装置であり、反応場としてのガラス管2と、当該ガラス管2内を所定の温度、例えば600℃に維持する電気炉11と温度調整器3とから構成される。そして、このガラス管2内には、本発明の窒素酸化物接触還元触媒5が所定量充填されている。
係る実施例における触媒5は、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタン(TiO2)と当該ルチル型酸化チタンに担持される銅(Cu)又は銅酸化物(CuO)とから構成されるものであり、本実施例において使用される触媒5の銅酸化物の担持量は5wt%であるものとする。尚、当該触媒5の調製方法の詳細は後述する。
そして、当該触媒5が充填されたガラス管2内に処理対象としての亜酸化窒素を含有するガスを所定の流通速度にて通過させる。尚、当該処理対象のガスは、通常の空気と略同様の酸素を含有しているものとする。これにより、例えば600℃の温度条件下において、当該触媒5中に亜酸化窒素を通過させることにより、当該亜酸化窒素を窒素(N2)ガスにまでほぼ完全に、還元処理することが可能となる。係る方法によれば、格別に還元剤を必要とすることなく、従来の触媒を使用した亜酸化窒素の処理方法に比して、亜酸化窒素をほぼ確実に分解処理することが可能となる。これにより、大気中に亜酸化窒素が放出される不都合を回避することができるようになり、環境保全に寄与することが可能となる。
以下に、触媒5の調製方法及び各条件における亜酸化窒素の処理効率について詳述する。まず、触媒5の調製方法について詳述する。係る触媒の調製においては、活性成分の反応比表面積の拡大及び機械的強度の向上を目的とするため、担体を使用し、成分金属を含浸法により担持して触媒とした。担体には、酸化チタン(TiO2)として、JRC−TIO−4(触媒学会にて定義されている)を用いた。
JRC−TIO−4は、所謂気相法により得られる主としてアナターゼ結晶構造を有する酸化チタンである。当該酸化チタンの比表面積は50±15m2/gである。尚、係る気相法における化学式Aを以下に示す。
化学式A TiCl4+O2+H2→TiO2+HCl
前記酸化チタンは、含浸法の一種である蒸発乾固法により金属を担持させる。即ち、金属源としてのCu(NO3)・3H2Oを酸化チタンに含浸させた後、時計皿を取り除いた状態で、乾燥温度は+70℃、乾燥時間は24時間で、ホットスターラー上で攪拌・加熱し、水分を完全に除去する。その後、乾燥させた触媒をメノウ乳鉢を用いて細かく粉砕し、所定の焼成ボードに詰め、空気雰囲気下において600℃又は650℃で5時間、電気炉にて焼成を行う。その後、焼成済みの触媒を一旦、所定のペレットにて成型し、粉砕及びふるい分けを行うことで、一定粒径、例えば0.71〜1.00mmに揃える。
尚、本実験では、前記酸化チタンへの銅担持量は、0.3wt%、1wt%、3wt%、5wt%、7wt%、10wt%、20wt%となるようにそれぞれ調製して触媒を作成した。また、係る実験では、比較対象として、銅を担持していない酸化チタンを触媒としたものについても行った。また、触媒5と同様な焼成方法にて銅以外の成分(即ち、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、白金)を成型したものについても同様に行った(図6)。
上述した如く調製された触媒は、図2に示す如き実験装置10を用いて亜酸化窒素の処理を行い、処理対象となる亜酸化窒素の窒素への変換効率を測定した。実験装置10は、いわゆる固定床流通式反応装置であり、反応場としての電気炉11と、当該電気炉11内を所定の温度、例えば300℃、400℃、500℃、600℃に維持する温度調整器12とから構成されている。当該電気炉11には、上述した如く調製された触媒13を充填する。また、この電気炉11の上流側には、反応ガス供給管14が接続されており、当該反応ガス供給管14は、5000ppmに調製されたN2O・Heの供給源14Aと、O2の供給源14Bと、Heの供給源14Cとがそれぞれ開閉制御弁を介して接続されている。また、Heの供給源14には、水蒸気を供給するための水蒸気供給装置15が開閉弁を介して接続されている。尚、反応ガスには、空気と略同一の酸素含有濃度である10〜20%の酸素含有濃度に調製されているものとする。
他方、電気炉11の下流側には、反応ガス排出管17が接続されている。この反応ガス排出管17は、処理後のガス内の除水を行うためのトラップ18を介して、処理後のガス成分の分析を行うためのガスクロマトグラフ19が接続されている。本実験においてガスクロマトグラフ19は、GL Sciences社製のGC323wであり、N2O、N2、O2、CH4、CO2、COを同時に分析することが可能である。
以上の実験の結果を図3に示す。図3は、ガスクロマトグラフ19にて成分分析された、処理前の反応ガスの成分と処理後の反応ガスの成分との比較により、反応ガス中の窒素酸化物の残量を算出することで、触媒13による亜酸化窒素から窒素ガスへの変換率を示したものである。
これによると、いずれの銅担持量の触媒においても、300℃の反応場では、亜酸化窒素から窒素ガスへの変換はほぼ見られないが、温度を上昇させることで、亜酸化窒素から窒素ガスへの変換率が向上し、いずれの触媒においても600℃乃至700℃とすることで、ほぼ完全に亜酸化窒素が窒素ガスに変換されていることが分かる。これに対し、銅を担持していない酸化チタン触媒については、600℃乃至700℃にまで加熱して触媒と反応させた場合であっても、亜酸化窒素の窒素ガスへの変換率は20%〜50%に止まっていたことが分かる。
特に、1wt%〜20wt%銅を担持した触媒については、550℃でほぼ亜酸化窒素の窒素ガスへの変換が行われており、600℃とすることで、ほぼ完全に亜酸化窒素が窒素ガスに変換されていることが分かる。この場合において、最も低温側、にて触媒活性が高かったものは、銅の担持量が5wt%の酸化チタン触媒であり、銅の担持量が20wt%の酸化チタン触媒及び3wt%の酸化チタン触媒については、各温度における亜酸化窒素の窒素ガスへの変換率は、ほぼ同様であった。尚、銅担持量が0.3wt%の酸化チタン触媒については、銅担持量が5wt%の酸化チタン触媒の変換率に対し、高温側に移動しているものであった。
ここで、各銅担持量の酸化チタン触媒について、X線回折を行うことで結晶構造の解析を行った。図4に焼成前のX線回折のパターン、図5に焼成後のX線回折のパターンを示す。尚、図4には、上から順に銅担持量が0.3wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%の焼成前の酸化チタン触媒のものについて示し、図5には、上から順に銅担持量が10wt%、5wt%、1wt%の焼成後の酸化チタン触媒のもの更には、参考として銅を担持していない酸化チタンのものについて示す。
図4の焼成前のX線回折パターンによると、銅の担持量の増加に影響されることなく、酸化チタンの結晶構造は、いずれもアナターゼ結晶構造であることが分かる。尚、アナターゼ結晶構造であることは、図において黒丸にて示されるピークによって解析される。また、各酸化チタンに含浸される銅の供給源としての硝酸銅のピーク(図では黒菱形で示す)は、5wt%以上担持した場合でないと表れない。また、20wt%担持したものにあっては、更に硝酸銅関連の新たなピーク(図では黒下三角で示す)が表れている。
これに対し、図5の焼成後のX線回折パターンによると、銅担持量の増加に伴い酸化チタンの結晶構造が、アナターゼ型からルチル型への相転移が促進されていることが分かる。尚、ルチル結晶構造であることは、図において黒上三角にて示されるピークによって解析される。また、焼成によって酸化チタン表面上の硝酸銅は酸化銅の状態とされており、図において当該酸化銅のピーク(図において黒四角で示す)により確認される。尚、この酸化銅のピークは、担持量のどうかに伴い増加していることが分かる。
これにより、焼成後の酸化チタン触媒は、ルチル型であり、このルチル型の酸化チタンに酸化銅が担持されているものであるということができる。また、一般に酸化チタンは結晶形態によってアナターゼ型とルチル型の二種類があり(なお、これ以外の結晶形態としてブルカイト型があるが、一般に工業的な利用がない)、アナターゼ型は加熱により、約900℃以上にてルチル型に熱転移されることが知られている。しかし、本実験により、アナターゼ型の結晶構造を有する酸化チタンに銅を担持させることで、900℃よりも低い600℃においてルチル型に熱転移していることが確認された。
以上詳述した如く、本発明によれば、ルチル型酸化チタンと担持金属としての銅又は酸化銅から構成された窒素酸化物接触還元触媒により、通常の酸素含有雰囲気中、即ち、空気中であっても、格別に還元剤を用いることなく、窒素化合物、特に亜酸化窒素を効率的に窒素にまで還元処理することが可能となる。
そのため、特に温室効果ガスである亜酸化窒素を高効率にて処理することが可能となることから、適切に亜酸化窒素を処理することで、環境保全に寄与することが可能となる。
また、図3に示す如き実験結果からも分かるように、当該触媒との反応温度は、550℃以上、延いては600℃以上を維持することで、格別に還元剤を用いることなくほぼ完全に亜酸化窒素を窒素ガスに還元処理することが可能となるため、処理後の反応ガス中に残留する亜酸化窒素をほぼ皆無とすることが可能となる。これにより、温室効果ガスである亜酸化窒素を簡易的に分解処理することが可能となる。
尚、実験結果にも示されるように、銅の担持量が5wt%において、最も低温側において活性を示している。これは、酸化銅1分子がTiO2表面を占める面積が、イオン半径および結合距離(Cu2+:0.69Å、O2-:1.40Å、結合距離:1.95Å)から幾何学的に考察するとおよそ7.59Å2となる。これから、酸化銅として本実験で用いた担体であるJRC−TIO−4(比表面積:50±15m2/g)の第一層を完全に被覆するためには、TiO21g あたりおよそ5.80×1020個の酸化銅分子が必要となる。つまりTiO21g あたりでは9.67×10-4mol必要であり、これは金属濃度で換算すると約6.15wt%となる。しかし、含浸法の乾燥過程においてTiO2上に高分散されるのはCu(NO32である。そのためCu(NO32の各イオン半径から求められる円の面積を足し合わせることによりCu(NO32の投影面積は38.52Å2と求められる。この値を用いて換算すると、TiO2上には金属濃度換算で1.21wt%担持した時に表面第一層が均一に覆われる。これにより得られた値は、各原子をイオンと仮定して円の面積の和から算出している。このため、表面第一層を被覆すると仮定した担持量は実際の値より小さい値で求められており実際に表面第一層を覆うためには、1.21wt%よりも担持量は大きくなると思われる。以上より表面を覆う銅の量が5wt%程で最大の活性を示しそれ以上は第二層を覆うと考えれば、触媒表面の銅量は変わらずN2O分解の触媒活性に影響を与えないと考えられる。
そのため、酸化チタンのアナターゼ型からルチル型への相転移が生じる銅担持量が5wt%から還元剤を用いることなく、窒素酸化物接触還元触媒として著しい処理能力を発揮するということができる。また、上記考察より、銅の担持量は、増加に伴い酸化チタンの第2層以上を覆うと考えることができ40wt%であっても、同様に還元剤を用いることなく、窒素酸化物接触還元触媒として著しい処理能力を発揮するということができる。尚、銅の担持量が50wt%以上では、酸化銅が塊状となるため、図3に示すように窒素への転換率が低下してしまう。ただし、銅担持量は実験結果にも示される如く温度を高温側に移動させることで、0.3wt%であっても亜酸化窒素をほぼ完全に処理することが可能である。
尚、上記実施例においてルチル型酸化チタンに担持させる金属元素として銅又は銅酸化物を用いているが、これ以外にもクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、インジウム(In)、スズ(Sn)、タングステン(W)、白金(Pt)、金(Au)、鉛(Pb)のいずれかの金属元素又はこれらの酸化物であってもよく、また、これら金属元素或いはその酸化物から選ばれた二種以上の担持金属をルチル型酸化チタンに担持させることで、本発明の窒素酸化物接触還元触媒を構成してもよいものとする。
また、本実施例では、触媒を粒状体としてガラス管2に充填しているが、これ以外にも、触媒をハニカム状等に成型することや、また、ハニカム状等に成型した担体上へ本発明のチタニア担持金属触媒をコーティングするなどもよいものとする。
尚、本発明の触媒は、ハロゲン元素を含むガス成分中であっても活性を失わない。そのため、これらガスが含有する窒素酸化物も処理が可能である。即ち、例えば病院で使用される麻酔ガス(麻酔ガスを構成している笑気ガスは温室効果ガスである亜酸化窒素)の処理装置にも応用できる。このように、本触媒は、温室効果ガスである亜酸化窒素等の窒素酸化物を簡易的に分解する装置への適用が可能となる。
また、例えば、排水中のアンモニア、硝酸などを窒素ガスに転換する脱窒工程で、副生される亜酸化窒素であっても、当該触媒を用いることにより、ほぼ完全に亜酸化窒素を窒素ガスに変換することが可能となる。係る場合においても、亜酸化窒素の放出を抑制することが可能となるため、環境保全に寄与することが可能となる。
窒素化合物の処理装置の概略構成図である。 実験装置の概略構成図である。 各触媒を用いた温度に対する亜酸化窒素から窒素への変換率を示す図である。 焼成前の各触媒のX線回折のパターンを示す図である。 焼成後の各触媒のX線回折のパターンを示す図である。 各触媒を用いた温度に対する亜酸化窒素から窒素への変換率を示す図である。
符号の説明
1 処理装置
2 ガラス管
3 温度調整器
5 窒素酸化物接触還元触媒
10 実験装置
11 電気炉
13 触媒
14 反応ガス供給管
17 反応ガス排出管
19 ガスクロマトグラフ

Claims (3)

  1. ルチル型酸化チタンと、 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、白金、金、鉛のいずれかの金属元素或いはその酸化物から選ばれた少なくとも一種以上の担持金属から成り、該担持金属の担持量が40wt%以下であることを特徴とする窒素酸化物接触還元触媒。
  2. 前記担持金属は、銅或いはその酸化物であることを特徴とする請求項1の窒素酸化物接触還元触媒。
  3. 請求項1又は請求項2の窒素酸化物接触還元触媒を用い、600℃以上の反応温度に維持することを特徴とする亜酸化窒素の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017050341A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 株式会社日本マイクロニクス 酸化物半導体二次電池、及びその製造方法
WO2023021806A1 (ja) * 2021-08-18 2023-02-23 住友化学株式会社 亜酸化窒素の分解方法および亜酸化窒素の分解装置

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